JP2004311149A - 燃料電池運転方法および燃料電池 - Google Patents

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敏之 松野
Kazutoshi Nomoto
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Abstract

【課題】簡便な装置構成で短時間に正確な電流電圧特性の判断を行って、水素パージを行うか否かを判定することが可能な燃料電池運転方法およびそれを用いた燃料電池を提供する。
【解決手段】燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と、燃料電池の出力電流とから閾値電圧を求め、燃料電池の出力電圧が閾値電圧よりも低下した場合に、燃料気体の流量を急増させてパージを行う。また、燃料気体のパージを行なった後に、閾値電圧を直近に行った燃料気体のパージ後の最大電圧よりも低い電圧に再設定し、水素パージ後に回復した発電効率を反映させて次回の水素パージを行う。
【選択図】図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池運転方法およびそれを用いた燃料電池に関し、特に燃料ガスの流量を瞬間的に増大させてパージを行う燃料電池運転方法およびそれを用いた燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、例えば水素ガス(燃料ガス)と空気に含まれる酸素(酸化剤ガス)を電気化学的に反応させることにより発電を行う発電素子である。燃料電池は、発電により生成される生成物が水であることから環境を汚染することがない発電素子として近年注目されており、例えば自動車を駆動するための駆動電源として使用する試みが行われている。
【0003】
さらに、上述の自動車駆動用の駆動電源に止まらず、例えばノート型パソコン、携帯電話及びPDAなどの携帯型電子機器の駆動電源としての燃料電池の開発も活発に行われている。このような燃料電池においては、所要の電力を安定して出力できるとともに、携帯可能なサイズ及び重量とされることが重要となり、このような要求に対応するべく各種技術開発が盛んに行われている。
【0004】
燃料電池は、電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、代表的なものに、電解質に固体高分子電解質を用いた燃料電池が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、低コスト化が可能で、小型化、軽量化も容易であり、電池性能の点でも高い出力密度を有することから、例えば上記の用途に有望である。また、複数の発電セルとセパレータを交互に積層することにより構成するスタックセル型の燃料電池も提案されている。
【0005】
長時間にわたって燃料電池により発電を行うと、水素と酸素の反応によって生じた生成水が燃料極へ逆拡散して発電面積が減少し、発電には不要なガスが燃料極に滞留して水素分圧が低下して、燃料電池の発電による出力電圧が次第に低下してくる。燃料電池は電子機器への電流供給源であるので、出力電圧が低下して電子機器の許容電圧範囲以下となることは好ましくない。そこで一般的には、燃料極に供給される水素の流量を急増させて水素パージを行い、燃料極に滞留している水分や発電に不要なガスをスタックセルの外部に放出して、発電面積の回復と水素分圧の上昇を図り出力電圧を安定させる手法が用いられる。
【0006】
燃料電池の水素パージを行う時期を判断する方法としては幾つかの技術が公開されている。その一つとして、燃料電池を構成するスタックセルの全てのセルに関して電圧を検出し、そのうちセルの一層でも所定電圧以下になった場合に水素パージを行う方法がある(例えば特許文献1参照)。また、ある一定時間が経過する毎に強制的に水素パージを行うことや、定期的な水素パージとセル毎の電圧測定による水素パージを併用する方法がある。また、その他にも燃料電池が出力する電圧および電流をある一定時間または一定のサンプリング数検出し、その測定値から内部抵抗を演算して予め求めておいた標準値と比較し、燃料電池の電解質の状態を推定して必要に応じ水素パージを行う方法などが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2002−93438号公報
【特許文献2】特開2002−164065号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上述した特許文献1に記載されている技術では、スタックセルを構成する全ての層のセル電圧を検出する為に、セルの層数と同数の出力電圧の測定を行うための回路系を必要とし、燃料電池を小型化することが困難になる。また、燃料電池に接続された負荷である電子機器側の電流は、電子機器の駆動状態により消費される電流が広範囲に変化するため、所定電圧との単純比較により水素パージを制御するためには所定電圧を低めに設定する必要があり、負荷に対して大電流を供給しようとした時に対応出来ない場合があった。
【0009】
また上述した特許文献2に記載されている技術では、燃料電池が出力する電流と電圧を測定して正確な内部抵抗を求めるためには、燃料電池に接続された負荷である電子機器側の電流が十分に広範囲に分散した状態で電流電圧特性の近似を行う必要がある。しかし、電子機器の駆動状態に変化が無い場合には電流値がほぼ一定値となるために、短時間の測定では正確な内部抵抗の測定および水素パージの可否判断を行うことが困難であった。また、内部抵抗を正確に測定しようとして長時間の測定を行って電流範囲を分散させる場合には、測定期間内に内部抵抗が変化する可能性もあり、短時間に正確な内部抵抗の測定を行うことが困難であった。したがって、短時間の測定においても長時間の測定においても結果として正確な内部抵抗を求めることが困難であり、有効な水素パージを実行できずに燃料電池の発電特性が急激に悪化してしまう場合があった。
【0010】
したがって本発明は、簡便な装置構成で短時間に正確な電流電圧特性の判断を行って、水素パージを行うか否かを判定することが可能な燃料電池運転方法およびそれを用いた燃料電池を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の燃料電池運転方法は、酸素と燃料気体とを反応させて発電を行う燃料電池の運転方法であって、当該燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と前記燃料電池の出力電流とから閾値電圧を求め、前記燃料電池の出力電圧が前記閾値電圧よりも低下した場合に、前記燃料気体の流量を急増させてパージを行うことを特徴とする。
【0012】
燃料電池の出力電圧が、燃料電池ごとに定められた標準電流電圧特性と出力電流から求められる閾値電圧よりも低い場合に水素パージを行うことで、出力電流と出力電圧を測定して即座に水素パージの必要性を判断することができる。水素パージの必要性を素早く行うことで、発電効率が急激に低下した場合にも適宜水素パージを行って発電効率の回復を図ることができ、負荷側の電子機器に安定して電流を供給することが可能となる。
【0013】
また、標準電流電圧特性は、燃料電池を稼動させる条件下での電流値範囲内で近似した一次関数形式で表される。標準電流電圧特性を簡単な数式で表現することで、水素パージの必要性を判断するための情報処理速度に対する要求を低下させることができ、安価な演算回路を用いることが可能となる。
【0014】
また閾値電圧は、標準電流電圧特性と出力電流とから求められる標準電圧よりも低い電圧であり、燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率を層比率とし、標準電圧と層比率に基づいて決定される。スタック構造の一層が寄与している電圧相当の発電効率低下がおこる前に水素パージを行うことができるため、燃料ガス流路に水分が滞留して一層に燃料が供給不可能となった場合などには、確実に水素パージを行うことができ、発電効率の回復を迅速に試みることが可能となる。
【0015】
また、燃料気体のパージを行なった後に、閾値電圧を直近に行った燃料気体のパージ後の最大電圧よりも低い電圧に再設定する。この最大電圧は、燃料気体のパージを行った後に一定期間測定した燃料電池の出力電圧の最大値とする。もしくは閾値を、直近に行った燃料気体のパージ後に一定期間測定した出力電圧と標準電圧との比率の最大値である最大評価値づいて再設定する。閾値電圧もしくは閾値を再設定することで、水素パージ後に回復した発電効率を反映させて次回の水素パージを行うことができる。これにより水素パージの効果にばらつきがあるときにも効率的に水素パージの必要性を判断することができる。
【0016】
また、上記課題を解決するために本発明の燃料電池運転方法は、酸素と燃料気体とを反応させて発電を行う燃料電池の運転方法であって、前記燃料電池が発電によって供給する出力電圧および出力電流を測定する手順と、当該燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と前記出力電流から標準電圧を算出する手順と、前記標準電圧および前記出力電圧から評価値を算出する手順と、前記評価値が予め設定された閾値よりも小さい場合には前記燃料気体の流量を急増させてパージを行う手順とを有することを特徴とする。
【0017】
また、上記課題を解決するために本発明の燃料電池は、酸素と燃料気体とを反応させて発電を行う燃料電池であって、前記燃料電池から排出される燃料ガスの流量を調節するパージ弁と、前記燃料電池が供給する出力電圧および出力電流を測定する測定手段と、前記測定手段が測定した前記出力電圧と前記出力電流に基づいて前記パージ弁の駆動を制御する制御部とを有し、当該燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と前記出力電流から標準電圧を算出し、前記標準電圧と前記出力電圧の比率である評価値が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記制御部が前記パージ弁から排出される燃料気体を急増させることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
[第一の実施の形態]
【0019】
以下、本発明を適用した燃料電池運転方法および燃料電池について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお本発明は、以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0020】
図1に本発明の実施の形態として、本発明の燃料電池運転方法を用いて発電を行う燃料電池モジュールの構成例を示す。図1に示すように、燃料電池モジュール20は、筐体30と、当該燃料電池モジュール20を動作させるのに必要な各種回路が形成された制御基板40と、発電を行う単位素子が積層されてスタック構造をとる発電部50と、この発電部50を冷却するための冷却ファン61と、発電部50に対して空気を供給する空気供給部に相当する2つの空気供給ファン62,63と、燃料ガス流路5に滞留した水を排出するための水素パージバルブ64と、水素ガスの圧力制御を行うレギュレータ65と、水素ガスを発電部50に供給するための手動バルブ66とを備える。
【0021】
さらには、図示しないが、必要に応じて、外部から取りこまれる空気や当該燃料電池モジュール20の内部から排出される空気の温度・湿度・圧力等を検知するセンサや、発電部50自体の温度を検知するセンサ等を備える。また、この燃料電池モジュール20には、水素ガスを吸蔵させた水素吸蔵カートリッジ70が取り付けられる。燃料電池モジュール20は、この水素吸蔵カートリッジ70から供給される水素ガスを受け取り、発電を行う。すなわち、この水素吸蔵カートリッジ70は、水素ガスを供給する水素供給部に相当するものである。
【0022】
筐体30は、図1及び図2に示すように、略直方体状の外形を呈し、燃料電池モジュール20に搭載される各種部材を覆うように、内部が空洞とされるとともに、底面が開放されて構成される。また、筐体30は、その上面における一の側面側が、かかる一の側面に向かった傾斜面とされる。また、筐体30には、3つの排気口31,32,33と、2つの吸気口34,35とが形成される。
【0023】
排気口31,32,33は、図2(a)に示すように、筐体30の一の側面において互いに隣接するように形成される。これら排気口31,32,33からは、それぞれ、発電部50を冷却するために燃料電池モジュール20の内部に送風された空気と発電部50による発電反応後の空気とが排出される。
【0024】
具体的には、排気口31は、筐体30の一の側面にスリット状の開口部として形成され、かかる一の側面の上下方向に複数の開口部が配列形成されるとともに、かかる一の側面の上下方向において開口部の長手方向の長さが次第に短くなるように形成され、全体形状が略々円形を呈するようにされている。この排気口31は、後述する放熱フィンを介して放熱するための空気が、燃料電池モジュール20から排出されるための空気の出口として設けられる。
【0025】
また、排気口32,33は、それぞれ、排気口31と同様に、筐体30の一の側面にスリット状の開口部として形成され、かかる一の側面の上下方向に複数の開口部が配列形成されるとともに、かかる一の側面の上下方向において開口部の長手方向の長さが次第に短くなるように形成され、全体形状が略々円形を呈するようにされている。これら排気口32,33は、それぞれ、発電部50による発電を行う際に、この発電部50に供給された空気が排出されるための出口として設けられる。
【0026】
一方、吸気口34,35は、図2(b)に示すように、筐体30における排気口31,32,33が形成された一の側面と対面する他の側面において互いに隣接するように形成される。これら吸気口34,35からは、それぞれ、発電部50を冷却するための空気と発電部50による発電反応に供される酸素を含む空気とが、燃料電池モジュール20の内部に取り込まれる。具体的には、吸気口34は、筐体30の側面に略矩形状に開口するように形成され、複数の開口が当該側面の上下方向に配列形成される。この吸気口34は、後述する放熱フィンを介して放熱するための空気が、燃料電池モジュール20に取り込まれるための空気の取り込み口として設けられる。また、吸気口35は、吸気口34と同様に、筐体30の他の側面に略矩形状に開口し、かかる一の側面の上下方向に複数形成される。この吸気口35は、発電部50による発電を行う際に、この発電部50に供給される空気が取り込まれるための取り込み口として設けられる。
【0027】
さらに、筐体30には、図1、図2(c)及び図2(d)に示すように、一の端面に、燃料電池モジュール20と外部との間で各種信号を送受信するための配線を当該燃料電池モジュール20の内部に挿入するための接続孔36が形成されるとともに、他の端面に、所要の接続孔38が形成される。
【0028】
制御基板40には、燃料電池モジュール20を構成する各種部材を制御するための制御回路を含む各種回路が形成される。制御基板40は、発電部50の上側に設けられる。なお、この制御基板40に形成される制御回路の詳細については、特に図示しないが、例えば、冷却ファン61及び空気供給ファン62,63の駆動を制御する制御回路、水素パージバルブ64、レギュレータ65及び手動バルブ66の開閉動作を制御する制御回路、発電部50から出力される電圧を昇圧するDC/DC(Direct Current to Direct Current)コンバータといった電圧変換回路、発電部50の出力電圧および出力電流を測定する電流電圧検出装置、後述するセンサによって検知された温度や湿度等の各種環境条件を取得することによって各種部材の駆動に関する指示を与える制御回路等が実装される。なお、ここでは、この制御基板40が、燃料電池モジュール20の内部に設けられるものとして説明するが、この制御基板40は、燃料電池モジュール20の外部に設けてもよく、例えば、燃料電池モジュール20から駆動用の電力が提供される各種電子機器が備えるようにしてもよい。
【0029】
発電部50は、図1及び図3に示すように、略直方体状の外形を呈し、冷却ファン61及び空気供給ファン62,63に臨む側面56に対向する側面の一部が上下方向に沿って矩形状に切り欠かれた形状とされる。具体的には、発電部50は、図3に示すように、例えば9枚のセパレータ4の間にそれぞれ発電体としての接合体51が挟み込まれて構成され、これにより、発電を行う単位素子が8個直列に接続されたスタック構造を有する。なお、発電部50を形成する単位素子は、必ずしも8個である必要はなく、各種電子機器を駆動するために必要な出力電力に合わせて所要の数だけ設置すればよい。
【0030】
単位素子は、図4に示すように、2つのセパレータ4と、これら2つのセパレータ4の間に挟持される接合体51とから構成される。なお、同図においては、直列に接続される2つの単位素子を示している。
【0031】
セパレータ4には、燃料ガス流路5及び空気流路10が形成された面外に放熱フィン52が突設される。セパレータ4においては、後述するように、冷却ファン61の作用により、この放熱フィン52を介して放熱が行われる。また、セパレータ4には、裏面側に複数の空気流路10が設けられる。セパレータ4においては、後述するように、空気供給ファン62,63の作用によってこの空気流路10に空気が供給されることにより、発電部50の内部における空気の流動が実現される。
【0032】
接合体51は、吸湿した際にイオン伝導性を有する固体高分子電解質膜53と、この固体高分子電解質膜53を両面から挟み込む電極54とによって形成される。固体高分子電解質膜53としては、例えばスルホン酸系の固体高分子電解質膜を用いることができる。また、電極54としては、発電反応を促進するための触媒が担持された電極を用いることができる。
【0033】
また、接合体51の周縁付近には、発電部50としてスタック構造を形成した際に、セパレータ4と接合体51との間を封止する封止部材55が配置される。この封止部材55は、セパレータ4の周縁部と接合体51の周縁部とを十分に絶縁することができる材質から構成される。また、封止部材55としては、発電部50の放熱性を高めるために高い熱伝導性を有する材質を用いることが好ましく、例えば商品名コサーム(太陽金網社製)といった十分な熱伝導性及び電気的絶縁性を有する材質が好適である。
【0034】
各セパレータ4には、水素ガスの入口となる燃料供給孔6及び燃料極で水素が消費された後の燃料排ガスの出口となる燃料排出孔7がセパレータ4を厚さ方向に貫通する形で形成されており、上記燃料ガス流路5の一方の端部は燃料引き込み口8を介して燃料供給孔6と接続され、他方の端部は燃料吐き出し口9を介して燃料排出孔7と接続されている。上記燃料供給孔6と燃料排出孔7は、複数のセパレータ4を重ね合わせたときに互いに連通し、それぞれ燃料供給路、燃料排出路を構成する。
【0035】
発電部50は、このような単位素子が複数直列に接続されることによってスタック構造とされる。したがって、発電部50の一の側面56には、図3に示したように、各セパレータ4に形成された複数の空気流路10における排出口が臨み、反対側の側面には、図示しないが、複数の排出口のそれぞれに対応するように、複数の空気流路10における上述した供給口が臨むように、当該発電部50が構成される。
【0036】
そして、発電部50には、図1に示したように、側面56に沿って、冷却ファン61及び空気供給ファン62,63が互いに隣接するように設けられる。また、発電部50には、端面に沿って、水素パージバルブ64、レギュレータ65及び手動バルブ66が互いに隣接するように設けられる。
【0037】
冷却ファン61は、筐体30に形成された排気口31と発電部50における放熱フィン52との間に側面56に沿って設けられ、発電部50を冷却する。具体的には、冷却ファン61は、図5に示すように、筐体30に形成された吸気口34から取り込まれた空気を排気口31まで送風し、発電部50の外部に排出する。このように、燃料電池モジュール20においては、放熱フィン52を通過するように冷却ファン61によって空気を流動させることにより、放熱フィン52を介して発電部50の放熱を行うことができる。
【0038】
なお、冷却ファン61を設ける位置としては、放熱フィン52の近傍に限ることはなく、発電部50の冷却を目的として燃料電池モジュール20の内部全体に空気を流動させるような位置に設けるようにしてもよい。また、燃料電池モジュール20においては、冷却ファン61を逆回転させることにより、空気を逆向きに送風するようにしてもよい。
【0039】
空気供給ファン62,63は、それぞれ、筐体30に形成された排気口32,33と発電部50における空気流路10の排出口に臨む領域との間に側面56に沿って設けられ、発電部50に対して空気を供給する。具体的には、空気供給ファン62,63は、それぞれ、図5に示すように、筐体30に形成された吸気口35から取り込まれた空気を発電部50を介して排気口32,33まで流動させ、燃料電池モジュール20の外部に排出する。
【0040】
このように、燃料電池モジュール20においては、発電部50を通過するように空気供給ファン62,63のそれぞれによって空気を送り込むことにより、発電部50を構成するセパレータ4に形成された空気流路10に空気を供給することができる。
【0041】
なお、燃料電池モジュール20においては、冷却ファン61と同様に、空気供給ファン62,63のそれぞれを逆回転させることにより、空気を逆向きに流動させるようにしてもよい。また、これら空気供給ファン62,63のそれぞれによって形成される空気の流れは、冷却ファン61によって形成される空気の流れとは独立させることができる。したがって、燃料電池モジュール20においては、冷却ファン61と空気供給ファン62,63とを独立して駆動することにより、発電部50の冷却と発電部50に対する空気の供給及び排出とを独立して行うことが可能となる。特に、燃料電池モジュール20においては、発電部50の温度や発電部50に残留する水分量を測定し、これに応じて、空気供給ファン62,63と冷却ファン61とを独立して駆動することにより、例えばドライアップのような発電の際の不具合を生じさせることなく安定した発電を行うことが可能となる。
【0042】
水素パージバルブ64は、セパレータ4に形成された燃料ガス流路5を大気開放することによって水素濃度が低下したり不純物濃度が上昇した燃料排ガスを排出し、さらには燃料ガス流路5内に滞留した水を排出する。すなわち、燃料電池モジュール20においては、水素パージバルブ64を開くことによって燃料ガス流路5が大気開放されると、燃料ガス流路5に滞留した水に対する供給マニホールド側の水素ガスの圧力と大気開放された排出側の圧力との間に圧力差が生じ、かかる圧力差によって燃料ガス流路5に滞留した水が排出される。
【0043】
なお、燃料電池モジュール20においては、水素パージバルブ64として、例えば電磁力を用いた駆動方式によって駆動するものを用いてもよく、当該水素パージバルブ64を駆動させるための電力を発電部50から供給するようにしてもよい。
【0044】
レギュレータ65は、水素吸蔵カートリッジ70から供給される水素ガスの圧力制御を行うものであり、水素ガスの圧力を所定の圧力になるように調整し、発電部50に供給する。例えば、レギュレータ65は、水素吸蔵カートリッジ70から供給される水素ガスの圧力が例えば0.8MPa〜1.0MPa程度である場合には、この水素ガスの圧力を例えば0.05MPa〜0.10MPa程度の圧力に減圧し、発電部50に供給する。
【0045】
手動バルブ66は、水素ガスを発電部50に供給するために設けられるものであり、発電部50によって発電を行う際に、水素吸蔵カートリッジ70から発電部50に水素ガスを供給するための流路を開放する。
【0046】
このような各部を備える燃料電池モジュール20においては、冷却ファン61、空気供給ファン62,63、水素パージバルブ64、レギュレータ65及び手動バルブ66を配置するための領域を発電部50の周囲に確保することにより、当該燃料電池モジュール20を駆動するための各種部材をコンパクトに筐体30の内部に収納することが可能となり、これにより、当該燃料電池モジュール20の大幅な小型化を実現することが可能となる。
【0047】
したがって、以上の構成を有する燃料電池モジュール20は、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話機又は携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)といった携帯型の各種電子機器をはじめとする任意の電子機器を駆動するための電力を供給する電源として極めて好適に用いることができる。
【0048】
次に本発明の燃料電池運転方法について図面を参照して説明する。図6は本発明の燃料電池運転方法により発電を行う燃料電池のブロック図である。発電部50の発電による電力であるセル出力は、制御基板40に設けられたDC/DCコンバーター41を介して電子機器である負荷に供給される。また、制御基板40は電圧電流検出手段42を備えて、発電部50が供給する出力電圧値および出力電流値を測定する。さらに、発電部50の燃料ガス排出側には水素パージバルブ64を設けてあり、制御基板40に搭載されている制御部43が電圧電流検出手段42の測定値に基づいて情報処理を行い、制御部43が水素パージバルブ64の開閉動作の制御を行う。
【0049】
次に水素パージを行うか否か制御部43が判断する処理について説明をする。材質・構造・サイズが同様である同一構成の発電部50においては、発電によって得られる電流電圧特性は略同一の特性であると考えられる。したがって、同一構成の発電部50を複数製造して、無作為に抽出した発電部50の初期状態での電流電圧特性を測定する。測定した発電部50の初期状態での電流電圧特性のグラフを図7に示す。縦軸は発電部50の出力電圧値を示し、横軸は発電部50の出力電流値を示し、測定値を丸でプロットしている。測定した発電部50と同一構成の発電部では、初期状態での電流電圧特性は図7に示した実測による電流電圧特性と同一の特性であるとし、全ての発電部について初期状態の電流電圧特性について測定を行う必要はなくなる。
【0050】
図7に示した測定結果を基にして、実測によって得られる発電部50の電流電圧特性は図8の曲線で示される標準特性曲線を描く。実際に発電部50が出力する電流は、電子機器などの負荷によって消費されるので、利用する電圧範囲と電流範囲が実用領域として限定される。そこで、実用領域内で標準特性曲線の近似を行って標準近似直線を得る。標準近似直線は一次関数形式で表現することができ、電圧軸切片をVとし、標準近似直線の傾きをRとすると、
V=V−IR ・・・・・(1)
となる。ここでRは発電部の等価内部抵抗である。標準特性曲線および標準近似直線は、発電部50の出力電流と出力電圧を測定して得られるものであり、発電部50のスタック構造の一層ごとの発電に関しての特性を示すものではなく、スタック構造全体での発電に関する特性を表している。
【0051】
実際の発電においては、継続して発電を行っているうちに水素と酸素の反応によって生じた生成水が燃料極側への逆拡散による発電面積の減少や、発電には不要なガスが燃料極に滞留することによる水素分圧の低下によって、燃料電池の発電による出力電圧が次第に低下してくる。この出力電圧の低下は、発電部50の発電状態の履歴や発電時の湿度・温度等の外的環境によっても変化するために、出力電圧の低下を予測して対策を講じることは容易ではない。そこで標準近似直線から一定割合電圧が低い閾値電圧を設定し、発電部50の出力電圧が閾値電圧を下回った場合に水素パージを行う。
【0052】
図9は標準近似直線と閾値電圧の関係を示したグラフである。例えば、閾値電圧は標準近似直線で示される電圧よりも10%低い電圧であると設定され、その電流と電圧の関係は閾値電圧直線を描くことになる。ここで閾値電圧を標準近似直線よりも10%低い電圧に設定した理由は、発電部50が図3に示したように8層のスタック構造を有するからであり、8層のスタック構造のうちの1層が発電に寄与する割合は12.5%であるから、少なくとも1層分の発電効率が低下する以前に水素パージを実行することができる。これにより、セパレータ4の燃料ガス流路5に水分が滞留してスタック構造の1層に燃料ガスの供給が行えなくなった場合などには、確実に水素パージを行うことができ、迅速に発電効率の改善を行うことが可能になる。ここでは、閾値電圧は標準近似直線より10%低い電圧としたが、10%に限定するものではなく、発電部50の構成や使用用途等によって適宜設定することができ、スタック構造の1層分に相当する電圧降下にも限定しない。
【0053】
図9に示すように、ある時点で測定した発電部50の電流値が検出電流Iであり、電圧値が検出電圧Vであるとする。前述した標準近似直線を表す式1に、検出電流Iを入力すると、標準電圧Vsが得られる。検出電圧Vが標準電圧Vsの90%相当の電圧以下である場合、つまり、図9のグラフ中で閾値電圧直線よりも検出電圧Vが下の領域にある場合には水素パージを行うことになる。このとき、検出電流Iと検出電圧Vの測定は定期的に行うとするが、不定期に測定してもよい。
【0054】
発電部50が出力する電圧が検出電圧V、電流が検出電流Iであるときには、その時点での発電部50が供給する電流電圧特性は図9破線で示される曲線を描くと考えられる。しかし、本発明の燃料電池運転方法によれば、標準近似直線から求められる閾値電圧と検出電圧Vとの比較のみで水素パージの可否を決定できる。これにより、正確な電流電圧特性を求めるために図7に示したように広範囲にわたって電流値と電圧値を測定する必要がなくなり、水素パージの必要性を瞬時に判断することが可能となる。素早い水素パージの必要性判断により、負荷側の電子機器に対して安定した電流供給を行うことができる。
【0055】
上述した水素パージの必要性判断動作を制御部43で行うための制御ルーチンのフローチャートを図10に示す。予め制御部43には、発電部50の標準近似直線を表す式1の関係式と、電流と電圧の実用領域が記録されており、標準近似直線に対する閾値電圧直線の比率がTHLD=0.9として記録されている。THLDの値は任意に設定可能であるが、上述した様にスタック構造の一層が発電に寄与する割合に基づいて、一層が発電停止した場合の電圧よりも閾値電圧を大きくする値であることが望ましい。また、この制御ルーチンは定期的に実行されるものとする。
【0056】
ステップ1では、電圧電流検出手段42が発電部50からDC/DCコンバーター41に対して出力される電流値Iと電圧値Vの測定を行う。このとき測定する電流値Iと電圧値Vは、スタック構造を有する発電部50の全層における発電によって得られる出力である。測定後に、ステップ2に移行する。
【0057】
ステップ2では、測定した電流値Iが実用領域内か否かを比較を行い、条件分岐をする。電流値Iが実用領域内である場合にはステップ3に移行し、実用領域外である場合には、制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。ここで電流値Iが実用領域内か否かを判断する理由は、実際に負荷側の電子機器を駆動させた場合の電圧電流値は、図7のグラフに示したように広範囲に分散するからである。電子機器の起動時や動作状況の変化時には瞬間的に大電流が流れる場合があるため、電流値Iが標準近似直線から逸脱することになり、実用領域外では標準近似直線との差が過大になるため水素パージの必要性判断処理を停止する。
【0058】
ステップ3では、水素パージの必要性を判断するための標準電圧Vsと評価値Valの算出を行う。標準電圧Vsは、電流値Iの場合の標準近似直線での電圧値であるので、式1で表される標準近似直線にステップ1で測定した電流値Iを代入することで式2として得られる。標準近似直線を、式1のような一次関数形式で表すことで、水素パージの必要性を判断するための情報処理速度に対する要求を低下させることができ、安価な演算回路を用いることが可能となる。
Vs=V−IR ・・・・・(2)
また、評価値Valは式2で得られた標準電圧Vsとステップ1で測定した電圧値Vの比率であり、式3により求められる。
Val=V/Vs ・・・・・(3)
評価値Valを算出した後に、ステップ4に移行する。
【0059】
ステップ4では、水素パージの必要性を判断する条件分岐を行う。予め記録されている標準近似直線に対する閾値電圧直線の比率THLDと、ステップ3で算出した評価値Valを式4で表される不等式に代入し、不等式が成立する場合にはステップ5に移行し、不等式が成立しない場合には制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
Val<THLD ・・・・・(4)
ここでTHLD=0.9と設定した場合には、式4は式3からV<0.9×Vsであり、測定した電圧値Vが標準近似直線から求められる標準電圧Vsよりも10%低いか否かの判断を行っていることになる。つまり標準電圧VsにTHLDの値を乗じた値を閾値電圧として、測定した電圧値Vが閾値電圧よりも低いか否かを判断して、水素パージの必要性の判断を行っている。
【0060】
ステップ5では、水素パージを行う。ステップ4の式4の条件が満たされた場合には、標準近似直線から求められる閾値電圧よりも測定した電圧値Vが低いので、制御部43は水素パージバルブ64に対して開放の制御信号を送出し、水素パージバルブ64を開放させて発電部50から排出される燃料ガスを急増させる。水素パージを行った後に制御部43は水素パージバルブ64に対して閉止の制御信号を送出し、水素パージバルブ64を閉止させて燃料ガスの放出を停止する。その後、制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
【0061】
水素パージバルブ64が開放されると、発電部50内部の燃料ガス流路5を通過して水素パージバルブ64から大気中に流出する燃料ガスの流速が増大し、接合体51の燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスが燃料ガスと共に排出される。燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスを排出することで、燃料極に対して燃料ガスが供給され易くなり、発電部50の発電効率を回復させることが可能となる。
【0062】
以上に説明した制御ルーチンを制御部43が実行することで、出力電流と出力電圧を測定して即座に水素パージの必要性を判断することができる。水素パージの必要性を素早く行うことで、発電効率が急激に低下した場合にも適宜水素パージを行って発電効率の回復を図ることができ、負荷側の電子機器に安定して電流を供給することが可能となる。
【0063】
また、標準近似直線に対する閾値電圧直線の比率THLDを0.9と設定することで、閾値電圧を標準電圧Vsより10%低い電圧とすることと等価となる。これにより、スタック構造の一層が寄与している電圧相当の発電効率低下がおこる前に水素パージを行うことができるため、燃料ガス流路に水分が滞留して一層への燃料供給が不可能となった場合などには、確実に水素パージを行うことができ、発電効率の回復を迅速に試みることが可能となる。また、無作為抽出した発電部の電流電圧特性の測定を行い、同一構成の発電部での電流電圧特性を実測による電流電圧特性と同一の特性であるとすることで、全ての発電部について初期状態の電流電圧特性について測定を行う必要はなくなる。
【0064】
[第二の実施の形態]
次に本発明の他の実施の形態として、水素パージを行った後に閾値電圧の再設定を行う燃料電池の運転方法を説明する。本実施の形態で用いる燃料電池は第一の実施の形態において図1乃至図6を用いて説明したものと同様の構成であるため、燃料電池の運転方法に関してのみ説明を行う。
【0065】
本実施の形態においても、図7乃至図9で説明したのと同様に、発電部50の初期状態での電流電圧特性である標準特性曲線を測定によって求め、実用領域内での標準特性曲線を式1に示した標準近似直線に近似して表す。また、閾値電圧直線を標準近似直線よりも一定割合低い電圧として設定する。
【0066】
実際の発電においては、継続して発電を行っているうちに水素と酸素の反応によって生じた生成水が燃料極側への逆拡散による発電面積の減少や、発電には不要なガスが燃料極に滞留することによる水素分圧の低下によって、燃料電池の発電による出力電圧が次第に低下してくる。この出力電圧の低下を、水素パージを行うことで回復させるのであるが、水素パージによってどの程度発電効率が回復するかは不明である。そこで、水素パージを行った後に回復した発電効率を反映させて、次回の水素パージを行う必要性を判断するための閾値電圧の再設定を行う。
【0067】
図11は、本実施の形態における燃料電池の運転方法を用いて水素パージ繰り返して行った場合の、発電部50の出力電圧値の時間経過を表したグラフである。縦軸は電圧電流検出手段42が測定した発電部50の出力電圧値をしめし、横軸は時間経過を示している。グラフ中太線で示された曲線が電圧値の時間経過を示し、図中上矢印は水素パージを行った時間を示している。ここでは説明の簡略化のために発電部50が出力する電流値は略一定であるとし、したがって標準近似直線から求められる標準電圧Vsも略一定値をとるとして、標準電圧Vsと各時点での閾値電圧とを横線で示している。
【0068】
発電時の最初の閾値電圧は、発電部50が初期状態であることから標準近似直線から求められる標準電圧Vsよりも10%低い電圧として設定される。時間経過と共に発電の効率が悪化し、出力電圧が閾値電圧を下回った場合には第一の実施の形態と同様にして制御部43が水素パージバルブ64を開放して、水素パージPを行う。
【0069】
次に水素パージP後にも出力電圧の測定を継続し、水素パージP後に回復した発電効率を反映させた最大電圧をVmaxとし、最大電圧Vmaxよりも10%低い電圧を次の閾値電圧に設定する。以降、再設定された閾値電圧を出力電圧が下回った場合に水素パージを行い、最大電圧Vmaxと閾値電圧の再設定を繰り返して水素パージP、p、p・・・・を行う。このとき、最大電圧Vmaxは標準電圧Vsよりも大きくても小さくてもよく、実際の測定により得られた電圧に基づいて決定される。
【0070】
水素パージを行った後に測定した出力電圧から最大電圧Vmaxを決定し、最大電圧Vmaxから閾値電圧を算出することによって、水素パージによる発電効率の回復、換言すると燃料ガス流路5に滞留している水分等の影響、を考慮に入れて次回の水素パージの必要性を判断することが可能となる。
【0071】
上述した水素パージの必要性判断動作を制御部43で行うための制御ルーチンのフローチャートを図12に示す。予め制御部43には、発電部50の標準近似直線を表す式1の関係式と、電流と電圧の実用領域が記録されており、標準近似直線に対する閾値電圧直線の比率がTHLD=0.9を初期状態として記録されている。THLDの値は任意に設定可能であるが、上述した様にスタック構造の一層が発電に寄与する割合に基づいて、一層が発電停止した場合の電圧よりも閾値電圧を大きくする値であることが望ましい。また、この制御ルーチンは定期的に実行されるものとし、2回目以降のTHLDの値は直近に実行された制御ルーチンによって決定された値に再設定されるとする。
【0072】
ステップ11では、電圧電流検出手段42が発電部50からDC/DCコンバーター41に対して出力される電流値Iと電圧値Vの測定を行う。このとき測定する電流値Iと電圧値Vは、スタック構造を有する発電部50の全層における発電によって得られる出力である。測定後に、ステップ12に移行する。
【0073】
ステップ12では、測定した電流値Iが実用領域内か否かを比較を行い、条件分岐をする。電流値Iが実用領域内である場合にはステップ13に移行し、実用領域外である場合には、制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
【0074】
ステップ13では、水素パージの必要性を判断するための標準電圧Vsと評価値Valの算出を行う。標準電圧Vsは、電流値Iの場合の標準近似直線での電圧値であるので、式1で表される標準近似直線にステップ11で測定した電流値Iを代入することで式2として得られる。また、評価値Valは式2で得られた標準電圧Vsとステップ11で測定した電圧値Vの比率であり、式3により求められる。評価値Valを算出した後に、ステップ14に移行する。
【0075】
ステップ14では、水素パージの必要性を判断をして条件分岐を行う。Startステップにおいて記録されているTHLDの値と、ステップ13で算出した評価値Valを式4で表される不等式に代入し、不等式が成立する場合にはステップ15に移行し、不等式が成立しない場合には制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
【0076】
ステップ15では、水素パージを行う。式4の条件が満たされた場合には、制御部43は水素パージバルブ64に対して開放の制御信号を送出し、水素パージバルブ64を開放させて発電部50から排出される燃料ガスを急増させる。水素パージを行った後に制御部43は水素パージバルブ64に対して閉止の制御信号を送出し、水素パージバルブ64を閉止させて燃料ガスの放出を停止し、その後ステップ16に移行する。
【0077】
水素パージバルブ64が開放されると、発電部50内部の燃料ガス流路5を通過して水素パージバルブ64から大気中に流出する燃料ガスの流速が増大し、接合体51の燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスが燃料ガスと共に排出される。燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスを排出することで、燃料極に対して燃料ガスが供給され易くなり、発電部50の発電効率を回復させることが可能となる。
【0078】
ステップ16では、電圧電流検出手段42が発電部50からDC/DCコンバーター41に対して出力される電流値Iと電圧値Vの測定を再度行う。このとき測定する電流値Iと電圧値Vは、スタック構造を有する発電部50の全層における発電によって得られる出力である。測定後に、ステップ17に移行する。
【0079】
ステップ17では、最大電圧Vmaxの検出を行う。ステップ15以降にステップ16で測定した電圧値Vのうちで最大値となる電圧値を最大電圧Vmaxと設定する。最大電圧Vmaxの設定後にステップ18に移行する。後述するようにステップ16からステップ19までは、ステップ15での水素パージ後に一定時間繰り返されるため、繰り返し実行されたステップ16での測定により得られる電圧値Vの最大の値が最大電圧Vmaxとされることになる。
【0080】
ステップ18では、標準電圧Vsの算出を再度行う。標準電圧Vsは、電流値Iの場合の標準近似直線での電圧値であるので、式1で表される標準近似直線にステップ16で測定した電流値Iを代入することで式2として得られる。標準電圧Vsを算出した後に、ステップ19に移行する。
【0081】
ステップ19では、ステップ15で水素パージを実行した後の経過時間の判定を行って条件分岐を行う。ステップ15での水素パージが終了してから10秒が経過している場合にはステップ20に移行する。ステップ15での水素パージが終了してから10秒経過していない場合には、ステップ16に移行して電流値Iおよび電圧値Vの測定から最大電圧Vmaxの設定、標準電圧Vsの算出を繰り返す。ここでは10秒経過を繰り返しの判断基準としたが、発電の効率を最適にするために時間は適宜変更可能である。
【0082】
ステップ20では、THLDの値を再設定して制御部43に記録を行う。ステップ16からステップ19を繰り返し行うことにより、最大電圧Vmaxはステップ15での水素パージ後10秒間での出力電圧の最大値となり、標準電圧Vsは水素パージ後10秒経過した時点での標準電圧となっている。そこで、標準電圧Vsと最大電圧Vmaxから式5に示す計算により、新たなTHLDの値を算出する。
THLD=Vmax/Vs×0.9 ・・・・・(5)
新たなTHLDの値を算出した後に、THLDの値を制御部43に記録して次回の制御ルーチン実行時のTHLDの値として用いることになる。THLDの値を記録した後に、制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
【0083】
ここで式5の係数を0.9とした理由は、閾値電圧が最大電圧Vmaxより10%低い電圧とするためであり、10%に限定するものではないため、発電部50の構成や使用用途等によって適宜設定することができる。
【0084】
本制御ルーチンを最初に実行した時には、THLD=0.9と初期設定されているため、ステップ14での評価値ValとTHLDとの比較は、V<0.9×Vsであり、測定した電圧値Vが標準近似直線から求められる標準電圧Vsよりも10%低いか否かの判断を行っていることになる。つまり標準電圧VsにTHLDの値を乗じた値を閾値電圧として、測定した電圧値Vが閾値電圧よりも低いか否かを判断して、水素パージの必要性の判断を行っている。
【0085】
しかし、本制御ルーチンを2回目以降に行う場合には、THLDの値としては、直近の水素パージが行われた制御ルーチン実行時にステップ20で式5により算出された値が記録されている。したがって、ステップ14での評価値ValとTHLDとの比較は、式3と式5から得られる式6と等価の比較になる。
V<Vmax×0.9 ・・・・・(6)
【0086】
これにより、直近の水素パージが行われた制御ルーチン実行時にステップ17で決定された最大電圧Vmaxよりも、測定した電圧値Vが10%低いか否かの判断を行っていることになる。つまり最大電圧Vmaxに0.9の値を乗じた値を閾値電圧として、測定した電圧値Vが閾値電圧よりも低いか否かを判断して、水素パージの必要性の判断を行っていることになる。
【0087】
図11のグラフおよび図12のフローチャートには記していないが、THLDの値はある範囲内であることの制約が設けておき、発電部50の特性がある程度以下に低下した場合、つまりTHLDの値が一定値以下になった場合にはTHLDの値を再設定しないとしてもよい。
【0088】
このように水素パージを行った後の発電効率の回復を反映させて、次回の水素パージを行うための閾値電圧を決定することにより、安定した発電状態を長時間維持する事が可能となる。
【0089】
[第三の実施の形態]
次に本発明の他の実施の形態として、水素パージを行った後に閾値電圧の再設定を行う燃料電池の運転方法を説明する。本実施の形態で用いる燃料電池は第一の実施の形態において図1乃至図6を用いて説明したものと同様の構成であるため、燃料電池の運転方法に関してのみ説明を行う。また、上述した第二の実施の形態では、説明の簡略化のために発電部が出力する電流値は略一定であるとし、したがって標準近似直線から求められる標準電圧Vsも略一定値とした場合の燃料電池の運転方法に関して説明を行った。しかし、実際に燃料電池を使用した場合には発電部が出力する電流値は一定とは限らない。本実施の形態では、出力電流値が一定ではない場合での燃料電池の運転方法に関して説明を行う。
【0090】
本実施の形態においても、図7乃至図9で説明したのと同様に、発電部50の初期状態での電流電圧特性である標準特性曲線を測定によって求め、実用領域内での標準特性曲線を式1に示した標準近似直線に近似して表す。また、閾値電圧直線を標準近似直線よりも一定割合低い電圧として設定する。
【0091】
実際の発電においては、継続して発電を行っているうちに水素と酸素の反応によって生じた生成水が燃料極側への逆拡散による発電面積の減少や、発電には不要なガスが燃料極に滞留することによる水素分圧の低下によって、燃料電池の発電による出力電圧が次第に低下してくる。この出力電圧の低下を、水素パージを行うことで回復させるのであるが、水素パージによってどの程度発電効率が回復するかは不明である。そこで、水素パージを行った後に回復した発電効率を反映させて、次回の水素パージを行う必要性を判断するための閾値電圧の再設定を行う。
【0092】
本実施の形態での水素パージの必要性判断動作を制御部43で行うための制御ルーチンのフローチャートを図13に示す。予め制御部43には、発電部50の標準近似直線を表す式1の関係式と、電流と電圧の実用領域が記録されており、標準近似直線に対する閾値電圧直線の比率がTHLD=0.9を初期状態として記録されている。THLDの値は任意に設定可能であるが、上述した様にスタック構造の一層が発電に寄与する割合に基づいて、一層が発電停止した場合の電圧よりも閾値電圧を大きくする値であることが望ましい。また、この制御ルーチンは定期的に実行されるものとし、2回目以降のTHLDの値は直近に実行された制御ルーチンによって決定された値に再設定されるとする。
【0093】
ステップ21では、電圧電流検出手段42が発電部50からDC/DCコンバーター41に対して出力される電流値Iと電圧値Vの測定を行う。このとき測定する電流値Iと電圧値Vは、スタック構造を有する発電部50の全層における発電によって得られる出力である。測定後に、ステップ22に移行する。
【0094】
ステップ22では、測定した電流値Iが実用領域内か否かの比較を行い、条件分岐をする。電流値Iが実用領域内である場合にはステップ23に移行し、実用領域外である場合には、制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
【0095】
ステップ23では、水素パージの必要性を判断するための標準電圧Vsと評価値Valの算出を行う。標準電圧Vsは、電流値Iの場合の標準近似直線での電圧値であるので、式1で表される標準近似直線にステップ21で測定した電流値Iを代入することで式2として得られる。また、評価値Valは式2で得られた標準電圧Vsとステップ21で測定した電圧値Vの比率であり、式3により求められる。評価値Valを算出した後に、ステップ24に移行する。
【0096】
ステップ24では、水素パージの必要性を判断する条件分岐を行う。Startステップにおいて記録されているTHLDの値と、ステップ23で算出した評価値Valを式4で表される不等式に代入し、不等式が成立する場合にはステップ25に移行し、不等式が成立しない場合には制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。
【0097】
ステップ25では、水素パージを行う。式4の条件が満たされた場合には、制御部43は水素パージバルブ64に対して開放の制御信号を送出し、水素パージバルブ64を開放させて発電部50から排出される燃料ガスを急増させる。水素パージを行った後に制御部43は水素パージバルブ64に対して閉止の制御信号を送出し、水素パージバルブ64を閉止させて燃料ガスの放出を停止し、その後ステップ26に移行する。
【0098】
水素パージバルブ64が開放されると、発電部50内部の燃料ガス流路5を通過して水素パージバルブ64から大気中に流出する燃料ガスの流速が増大し、接合体51の燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスが燃料ガスと共に排出される。燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスを排出することで、燃料極に対して燃料ガスが供給され易くなり、発電部50の発電効率を回復させることが可能となる。
【0099】
ステップ26では、以後の繰り返しルーチンであるステップ27からステップ31の間で用いられる評価値の最大値として、最大評価値Val(max)の初期値を0に設定する。
【0100】
ステップ27では、電圧電流検出手段42が発電部50からDC/DCコンバーター41に対して出力される電流値Iと電圧値Vの測定を再度行う。このとき測定する電流値Iと電圧値Vは、スタック構造を有する発電部50の全層における発電によって得られる出力である。測定後に、ステップ28に移行する。
【0101】
ステップ28では、標準電圧Vsの算出を再度行う。標準電圧Vsは、電流値Iの場合の標準近似直線での電圧値であるので、式1で表される標準近似直線にステップ27で測定した電流値Iを代入することで式2として得られる。標準電圧Vsを算出した後に、ステップ29に移行する。
【0102】
ステップ29では、最大評価値Val(max)の更新を行うか否かの条件分岐をする。ステップ28で算出した評価値Valと、ステップ26以後に記録されている最大評価値Val(max)とを式7に代入して、評価値Valと最大評価値Val(max)の比較を行う。
Val(max)<Val ・・・・・(7)
式7の不等式が成立している場合にはステップ30に移行して最大評価値の更新を行い、成立していない場合にはステップ31に移行する。後述するようにステップ27からステップ30までは、ステップ25での水素パージ後に一定時間繰り返されるため、繰り返し実行されたステップ28での計算により得られる評価値Valの最大の値が最大評価値Val(max)とされることになる。
【0103】
ステップ30では、THLDの値を再設定して制御部43に記録を行う。まず、ステップ29で式7の不等式が成立しているため、最大評価値Val(max)をステップ28で算出した評価値Valに置き換えて、最大評価値Val(max)の更新を行う。ステップ27からステップ30を繰り返し行うことにより、最大評価値Val(max)はステップ25での水素パージ後の評価値Valの最大値となっている。そこで、標準電圧Vsと最大評価値Val(max)から式8に示す計算により、新たなTHLDの値を算出する。
THLD=Val(max)×0.9 ・・・・・(8)
【0104】
新たなTHLDの値を算出した後に、THLDの値を制御部43に記録して次回の制御ルーチン実行時のTHLDの値として用いることになる。THLDの値を記録した後に、ステップ31に移行する。初めてステップ29を実行した場合には、ステップ26で設定したように最大評価値Val(max)は0であり、電圧値Vが0でない限りは式7の不等式は必ず成立し、必ず一度はステップ30が実行されて新たな閾値THLDが算出されることになる。つまり、最大評価値Val(max)を記録した電圧値Vでの閾値THLDが次回の制御ルーチン実行時に用いられることになる。
【0105】
最大評価値Val(max)を記録したときに、スタックによる発電が最良の状態であることを意味するので、その時点での閾値THLDを次回の制御ルーチン実行時に用いることで、スタックセルが最良である状態からの発電効率の低下を反映した制御を行うことが可能となる。ここで式8の係数を0.9とした理由は、閾値電圧が最大電圧Vmaxより10%低い電圧とするためであり、10%に限定するものではないため、発電部50の構成や使用用途等によって適宜設定することができる。
【0106】
ステップ31では、ステップ25で水素パージを実行した後の経過時間の判定を行って条件分岐を行う。ステップ25での水素パージが終了してから10秒が経過している場合には制御ルーチンのENDステップに移行して制御ルーチンを終了する。ステップ25での水素パージが終了してから10秒経過していない場合には、ステップ27に移行して電流値Iおよび電圧値Vの測定から最大評価値Val(max)の設定、閾値THLDの算出を繰り返す。ここでは10秒経過を繰り返しの判断基準としたが、発電の効率を最適にするために時間は適宜変更可能である。
【0107】
本制御ルーチンを最初に実行した時には、THLD=0.9と初期設定されているため、ステップ24での評価値ValとTHLDとの比較は、V<0.9×Vsであり、測定した電圧値Vが標準近似直線から求められる標準電圧Vsよりも10%低いか否かの判断を行っていることになる。つまり標準電圧VsにTHLDの値を乗じた値を閾値電圧として、測定した電圧値Vが閾値電圧よりも低いか否かを判断して、水素パージの必要性の判断を行っている。
【0108】
しかし、本制御ルーチンを2回目以降に行う場合には、THLDの値としては、直近の水素パージが行われた制御ルーチン実行時にステップ30の式8により算出された値が記録されている。したがって、ステップ24での評価値ValとTHLDとの比較は、最大評価値Val(max)を記録したときに、スタックによる発電が最良の状態であることを意味するので、スタックセルが最良である状態から発電効率が低下しているか否かの判断となる。
【0109】
図13のフローチャートには記していないが、THLDの値はある範囲内であることの制約が設けておき、発電部50の特性がある程度以下に低下した場合、つまりTHLDの値が一定値以下になった場合にはTHLDの値を再設定しないとしてもよい。このように水素パージを行った後の発電効率の回復を反映させて、次回の水素パージを行うための閾値電圧を決定することにより、安定した発電状態を長時間維持する事が可能となる。また、最大評価値Val(max)の算出のために繰り返されるステップ28での評価値の算出は、ステップ27での電流値Iと電圧値Vを反映することができるため、電流値が変化する場合においても水素パージの必要性を判断することが可能となる。
【0110】
[第四の実施の形態]
次に本発明の他の実施の形態として、本発明の燃料電池運転方法により発電を行う燃料電池のブロック図の他の例を図14に示す。図14に示したブロック図の構成を持つ燃料電池を用い、第一の実施の形態乃至第三の実施の形態で説明した燃料電池の運転方法により発電を行うことで、発電効率が低下した場合に効率的に水素パージを行って発電効率の回復を図ることができる。
【0111】
発電部80の発電による電力であるセル出力は、制御基板90に設けられたDC/DCコンバーター91を介して電子機器である負荷に供給される。発電部80の燃料ガス排出側には水素の大気開放を行う水素パージバルブ84を設けてあり、空気排出側には空気を発電部から排出する空気ファン81が設けてある。また、制御基板90はマイコン92を備えて、発電部80が供給する出力電圧値および出力電流値を測定し、水素パージバルブ84の開閉動作の制御を行う。
【0112】
マイコン92には、セル出力の電流を測定する電流検出93と、セル出力の電圧を測定する電圧検出94とが接続され、上述した実施の形態における制御ルーチンを実行して、水素パージの必要性を判断する。水素パージが必要と判断された場合には、マイコン92は水素パージバルブ84に対して開放の制御信号を送出し、発電部80内部から大気中に水素ガスを放出して水素パージを行った後、再度水素パージバルブ84を閉鎖する。
【0113】
水素パージバルブ84が開放されると、発電部80内部の燃料ガス流路を通過して水素パージバルブ84から大気中に流出する燃料ガスの流速が増大し、接合体の燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスが燃料ガスと共に排出される。燃料極に滞留していた水分や発電に寄与しないガスを排出することで、燃料極に対して燃料ガスが供給され易くなり、発電部80の発電効率を回復させることが可能となる。
【0114】
【発明の効果】
燃料電池の出力電圧が、燃料電池ごとに定められた標準近似直線と出力電流から求められる閾値電圧よりも低い場合に水素パージを行うことで、出力電流と出力電圧を測定して即座に水素パージの必要性を判断することができる。水素パージの必要性を素早く行うことで、発電効率が急激に低下した場合にも適宜水素パージを行って発電効率の回復を図ることができ、負荷側の電子機器に安定して電流を供給することが可能となる。
【0115】
また、燃料電池を稼動させる条件下での電流値範囲内で標準特性曲線を標準近似直線として近似することで、水素パージの必要性を判断するための情報処理速度に対する要求を低下させることができ、安価な演算回路を用いることが可能となる。
【0116】
また閾値電圧を、燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率を層比率とし、標準電圧と層比率に基づいて決定することで、スタック構造の一層が寄与している電圧相当の発電効率低下がおこる前に水素パージを行うことができる。このため、燃料ガス流路に水分が滞留して一層に燃料が供給不可能となった場合などには、確実に水素パージを行うことができ、発電効率の回復を迅速に試みることが可能となる。
【0117】
また、水素パージを行なった後に、直近に行った水素パージ後の最大評価値よりも低い値に閾値を再設定することで、水素パージ後に回復した発電効率を反映させて次回の水素パージを行うことができる。これにより水素パージの効果にばらつきがあるときにも効率的に水素パージの必要性を判断することができる。また、無作為抽出した発電部の電流電圧特性の測定を行い、同一構成の発電部での電流電圧特性を実測による電流電圧特性と同一の特性であるとすることで、全ての発電部について初期状態の電流電圧特性について測定を行う必要はなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池モジュールの構成を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の燃料電池モジュールの筐体の外観を示す側面図である。
【図3】本発明の燃料電池モジュールの発電体を示す外観斜視図である。
【図4】図3に示した発電部のスタック構造を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の燃料電池モジュールにおける酸素の流れを示す模式図である。
【図6】本発明の燃料電池運転方法を実行するための燃料電池のブロック図である。
【図7】発電部の出力電流と出力電圧を測定して標準特性曲線をグラフに表した特性図である。
【図8】実用領域内で標準特性曲線に近似した標準近似直線を示すグラフである。
【図9】標準特性曲線と標準近似直線と閾値電圧直線との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第一の実施の形態で説明する燃料電池の運転方法を制御部が実行するための制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第二の実施の形態である、水素パージを行った後の発電効率が回復した状態を反映して水素パージを行う様子を示す出力電圧の経時変化を示すグラフである。
【図12】本発明の第二の実施の形態で説明する燃料電池の運転方法を制御部が実行するための制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第三の実施の形態で説明する燃料電池の運転方法を制御部が実行するための制御ルーチンを説明するフローチャートである。
【図14】本発明の第四の実施の形態としての燃料電池のブロック図である。
【符号の説明】
4 セパレータ
5 燃料ガス流路
6 燃料供給孔
7 燃料排出孔
10 空気流路
20 燃料電池モジュール
30 筐体
31,32,33 排気口
34,35 吸気口
36,38 接続孔
40,90 制御基板
41,91 DC/DCコンバーター
42 電圧電流検出手段
43 制御部
92 マイコン
93 電流検出
94 電圧検出
50,80 発電部
51 接合体
52 放熱フィン
53 固体高分子電解質膜
54 電極
55 封止部材
56 側面
61 冷却ファン
62,63 空気供給ファン
64,84 水素パージバルブ
65 レギュレータ
66 手動バルブ
70 水素吸蔵カートリッジ
81 空気ファン
Val 評価値
Val(max) 最大評価値
Vmax 最大電圧
Vs 標準電圧

Claims (25)

  1. 酸素と燃料気体とを反応させて発電を行う燃料電池の運転方法であって、
    当該燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と前記燃料電池の出力電流とから閾値電圧を求め、
    前記燃料電池の出力電圧が前記閾値電圧よりも低下した場合に、前記燃料気体の流量を急増させてパージを行うことを特徴とする燃料電池運転方法。
  2. 前記標準電流電圧特性は、前記燃料電池を稼動させる条件下での電流値範囲内で近似した一次関数形式で表されることを特徴とする請求項1記載の燃料電池運転方法。
  3. 前記閾値電圧は、前記標準電流電圧特性と前記出力電流とから求められる標準電圧よりも低い電圧であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池運転方法。
  4. 前記閾値電圧は、前記燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率を層比率とし、前記標準電圧と前記層比率に基づいて決定されることを特徴とする請求項3記載の燃料電池運転方法。
  5. 前記燃料気体のパージを行なった後に、前記閾値電圧を再設定することを特徴とする請求項1記載の燃料電池運転方法。
  6. 前記閾値電圧を、直近に行った前記燃料気体のパージ後の最大電圧よりも低い電圧に再設定することを特徴とする請求項5記載の燃料電池運転方法。
  7. 前記最大電圧は、前記燃料気体のパージを行った後に一定期間測定した前記燃料電池の出力電圧の最大値であることを特徴とする請求項6記載の燃料電池運転方法。
  8. 前記閾値電圧は、前記燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率を層比率とし、前記最大電圧と前記層比率とに基づいて決定されることを特徴とする請求項6記載の燃料電池運転方法。
  9. 燃料が流れる燃料流路に接続されたパージ弁を開放することにより、前記燃料電池に流れる前記燃料気体の流量を急増させてパージを行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池運転方法。
  10. 酸素と燃料気体とを反応させて発電を行う燃料電池の運転方法であって、
    前記燃料電池が発電によって供給する出力電圧および出力電流を測定する手順と、
    当該燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と前記出力電流から標準電圧を算出する手順と、
    前記標準電圧および前記出力電圧から評価値を算出する手順と、
    前記評価値が予め設定された閾値よりも小さい場合には前記燃料気体の流量を急増させてパージを行う手順とを有することを特徴とする燃料電池運転方法。
  11. 前記標準電流電圧特性は、前記燃料電池を稼動させる条件下での電流値範囲内で近似した一次関数形式で表されることを特徴とする請求項10記載の燃料電池運転方法。
  12. 前記評価値は、前記標準電圧に対する前記出力電圧の比率であり、
    (評価値)=(出力電圧)÷(標準電圧)
    で求められることを特徴とする請求項10記載の燃料電池運転方法。
  13. 前記閾値は、前記燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率である層比率から算出され、
    (閾値)≧1−(層比率)
    であることを特徴とする請求項10記載の燃料電池運転方法。
  14. 前記燃料気体のパージを行なった後に、前記閾値を再設定する手順を有することを特徴とする請求項10記載の燃料電池運転方法。
  15. 前記閾値を、直近に行った前記燃料気体のパージ後の最大電圧と前記標準電圧との比率に基づいて再設定し、
    (閾値)=(最大電圧)÷(標準電圧)×(係数)
    であることを特徴とする請求項14記載の燃料電池運転方法。
  16. 前記最大電圧は、前記燃料気体のパージを行った後に一定期間測定した前記燃料電池の出力電圧の最大値であることを特徴とする請求項15記載の燃料電池運転方法。
  17. 前記閾値を、直近に行った前記燃料気体のパージ後に一定期間測定した出力電圧と標準電圧との比率の最大値である最大評価値に基づいて再設定し、
    (閾値)=(最大評価値)×(係数)
    であることを特徴とする請求項14記載の燃料電池運転方法。
  18. 燃料が流れる燃料流路に接続されたパージ弁を開放することにより、前記燃料電池に流れる前記燃料気体の流量を急増させてパージを行うことを特徴とする請求項10記載の燃料電池運転方法。
  19. 酸素と燃料気体とを反応させて発電を行う燃料電池であって、
    前記燃料電池から排出される燃料ガスの流量を調節するパージ弁と、
    前記燃料電池が供給する出力電圧および出力電流を測定する測定手段と、
    前記測定手段が測定した前記出力電圧と前記出力電流に基づいて前記パージ弁の駆動を制御する制御部とを有し、
    当該燃料電池ごとに定められた出力電流値と出力電圧値の関係である標準電流電圧特性と前記出力電流から標準電圧を算出し、
    前記標準電圧と前記出力電圧の比率である評価値が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記制御部が前記パージ弁から排出される燃料気体を急増させることを特徴とする燃料電池。
  20. 前記標準電流電圧特性は、前記燃料電池を稼動させる条件下での電流値範囲内で近似した一次関数形式で表されることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  21. 前記閾値は、前記燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率である層比率から算出されることを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  22. 前記燃料気体のパージを行なった後に、前記閾値を再設定することを特徴とする請求項19記載の燃料電池。
  23. 前記閾値を、前記標準電圧と前記出力電圧の比率である評価値よりも小さい値に再設定することを特徴とする請求項22記載の燃料電池。
  24. 前記閾値を、直近に行った前記燃料気体のパージ後に一定期間測定した標準電圧と出力電圧の比率である前記評価値の最大値よりも小さい値に再設定することを特徴とする請求項22記載の燃料電池。
  25. 前記閾値は、前記燃料電池を構成する積層されたスタックセルの全層数に占める一層の比率である層比率から算出されることを特徴とする請求項24記載の燃料電池。
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