JP2006292492A - 二次電池の満充電容量推定装置 - Google Patents

二次電池の満充電容量推定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】充電率と充放電電流の積分値から満充電容量を推定する構成では、電流センサ計測値にオフセットが生じると充放電電流積分値に誤差が蓄積するため、満充電容量を正しく演算できない。本発明は電流センサ計測値にオフセットが生じた場合でも、高精度で満充電容量推定値の演算を行える満充電容量推定装置を提供する。
【解決手段】充放電電流積分値を用いずに、計測された電流Iと、推定された充電率の微分値との比から満充電容量Qmaxを演算するように構成した満充電容量推定装置。従来のような充放電電流積分値を用いずに満充電容量が推定できる構成であるため、電流センサ計測値にオフセットが生じた場合にも誤差が蓄積されることがないので、満充電容量推定値が正確に演算され、推定精度が向上する、という効果がある。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池の満充電容量(総容量ともいう)を推定する装置に関する。
二次電池(以下、単に電池ともいう)の内部状態のうち、満充電容量(総容量ともいう)の検出方法としては、例えば特開2001−231179号公報(特許文献1)に記載されているものがある。この装置では、充電率SOC(充電状態ともいう)と開路電圧(通電遮断時の電池端子電圧であり、起電力、開放電圧ともいう)との関係が劣化の進行具合や温度等の使用条件によらず略一定であるという特性に基づき、使用中の二次電池について開路電圧を測定することにより現在の充電率を正確に推定できることを積極的に利用し、推定した充電率と充放電中の電流の積算値から、電池の満充電容量や残り時間等の正確な検出を行おうとするものである。
実際には、例えば充電開始直前(時刻t)の充電率がSOCで、充電終了直後(時刻t)の充電率がSOCの場合、充電終了直後の充電率から充電開始直前の充電率を減算した「差充電率(SOC−SOC)」は、充電中に二次電池に供給された充電電流Iを積分することにより得られる電気量だけ充電されたことにより生じるものである。したがって下記(数7)式に示すように、充電中に二次電池に供給された電気量の積算値を差充電率で除算することにより、満充電時における満充電容量Qmaxが、充電を満充電状態まで継続することなく算出できる。
Figure 2006292492
特開2001−231179号公報
上記のように、従来の二次電池の満充電容量推定装置では、充放電開始前および充放電終了後の充電率と、充放電電流の積分値とから満充電容量を推定する構成となっている。この方法では充放電電流の積分値を求めるに際し、電流センサ計測値にオフセットが生じた場合には、充放電電流積分値に誤差が蓄積するため、満充電容量推定値が時間の経過とともに単調増加または単調減少し、正しく演算できない可能性がある(例えば後記図10の破線で示した特性)という問題があった。
本発明は上記のごとき問題を解決するためになされたものであり、電流センサ計測値にオフセットが生じた場合でも、高精度で満充電容量推定値の演算を行うことの出来る満充電容量推定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1においては、充放電電流積分値を用いずに、計測された電流Iと推定された充電率SOCの微分値との比から満充電容量Qmaxを演算するように構成している。
従来のような充放電電流積分値を用いずに満充電容量が推定できる構成であるため、電流センサ計測値にオフセットが生じた場合にも誤差が蓄積されることがないので、満充電容量推定値が正確に演算され、推定精度が向上する、という効果がある。
(実施例1)
図1は、本発明の一実施例の構成を示す機能ブロック図である。
図1において、二次電池に充放電される電流と電池の端子電圧とを定期的に検出する電流計測部1と電圧計測部2、および検出された電流と電圧から当該電池の充電率を推定する充電率推定部3と、充電率微分値演算部4と、位相遅れ処理部5と、位相遅れ処理された電流と充電率微分値との比から当該電池の満充電容量を推定する満充電容量演算部6からなる。
なお、ここでは充電率は充電率推定部3で推定する構成としたが、充電率が直接計測できる場合には、その計測値を用いても同様に実現できる。
図2は、本発明の一実施例の具体的な構成図である。この実施例は、二次電池でモータ等の負荷を駆動したり、モータの回生で二次電池を充電したりするシステムにおいて、二次電池の満充電容量を推定する機能を設けた例を示す。
図2において、11は二次電池、12はモータ等の負荷、13は二次電池の満充電容量を推定する電子制御ユニットで、ブログラムを演算するCPUやプログラムや演算結果を記憶するROMやRAMから成るマイクロコンピュータと電子回路等で構成されている。14は電池から充放電される電流を検出する電流センサ、15は電池の端子電圧(以下、単に電圧ともいう)を検出する電圧センサであり、それぞれ電子制御ユニット13に接続されている。上記の電子制御ユニット13は前記図1の充電率推定部3、充電率微分値演算部4、位相遅れ処理部5、および満充電容量演算部6の部分に相当する。また、電流センサ14は電流計測部1に、電圧センサ15は電圧計測部2に、それぞれ相当する。
充電率推定部3の構成の一例としては、公知技術である特開2003−185719号公報(本出願人の先願)に記載されている方法がある。
図3は、上記先行技術に記載の充電率推定装置の機能ブロック図である。図3の構成は、電流と電圧のローパスフィルタ処理および1階微分値および2階微分値を演算する前処理フィルタ部21と、前処理フィルタ部21の出力を入力として、電池パラメータを推定する適応デジタルフィルタ処理部22と、適応デジタルフィルタ処理部22で同定された電池パラメータ(K
)と前処理フィルタ部21の出力とから開路電圧Vを推定する開路電圧推定部23と、予め取得した当該電池の充電率−開路電圧特性に基づいて、上記の推定された開路電圧Vから充電率SOCを演算する充電率演算部24から構成されている。
まず、上記の適応デジタルフィルタを用いた開路電圧および充電率の推定方法に関して説明する。
図4は、上記の推定に用いる電池モデルを示す回路図である。図4において、モデルヘの入力は電流I[A](正値:充電、負値:放電)、出力は端子電圧V[V]、開路電圧V[V](起電力または開放電圧とも言う)であり、Rは電荷移動抵抗、Rは純抵抗、Cは電気二重層容量である。
この電池モデルは(数8)式で表現できる。なお、sはラプラス演算子である。
Figure 2006292492
以下、(数8)式の電池モデルから適応デジタルフィルタまでの導出を最初に説明する。(数8)式を変形すると(数9)式、(数10)式となる。
Figure 2006292492
Figure 2006292492
開路電圧Vは、電流Iに可変な効率dを乗じたものをある初期状態から積分したものと考えれば、(数11)式で記述できる。
Figure 2006292492
(数11)式を(数10)式に代入すれば(数12)式になり、整理すれば(数13)式になる。安定なローパスフィルタGLPF(s)を(数13)式の両辺に乗じて整理すれば(数14)式になる。なお、ローパスフィルタGLPF(s)についての詳細は後述する。
Figure 2006292492
Figure 2006292492
Figure 2006292492
実際に計測可能な電流Iや端子電圧Vに、ローパスフィルタやバンドパスフィルタを施した値を、以下のように定義する。
Figure 2006292492
(数15)式を用いて(数14)式を書き直せば、(数16)式になる。
Figure 2006292492
(数16)式は、計測可能な値と未知パラメータの積和式になっているので、一般的な適応デジタルフィルタの標準形である(数17)式と一致する。ただし、
y=V ,ω[V
],θ=[−T K・T K d]
Figure 2006292492
したがって、電流Iと端子電圧Vにフィルタ処理した信号を適応デジタルフィルタ演算に用いることで、未知パラメータベクトルθを推定できる。
本実施例では、単純な「最小二乗法による適応フィルタ」の論理的な欠点(一度推定値が収束すると、その後パラメータが変化しても再度正確な推定ができないこと)を改善した「両限トレースゲイン方式」を用いる。(数17)式を前提に未知パラメータベクトルθを推定するためのパラメータ推定アルゴリズムは(数18)式となる。ただし、k時点のパラメータ推定値をθ(k)とする。
Figure 2006292492
ここで、λ、λ、γ、γは初期設定値で、0<λ<1、0<λ<∞とする。P(0)は十分大きな値、θ(0)は非ゼロな十分小さな値を初期値とする。trace{P}は行列Pのトレースを意味する。λは適応デジタルフィルタの推定速度を設定する定数(調整ゲイン)であり、値を大きくすることにより推定速度は速くなるが、その反面ノイズの影響を受けやすくなる。
開路電圧推定値V (ただし、「」は推定値であることを示す)は、前記(数9)式をVに関して整理すると下記(数19)式になることから、この(数19)式の両辺にローパスフィルタ1/B(s)を乗じた値である下記(数20)式(=数5式の前半部)として推定する。
Figure 2006292492
Figure 2006292492
nはローパスフィルタの次数である。
さらに、上記(数20)式で示した開路電圧推定値の定義式を整理すると下記(数21)式(=数5式の後半部)になる。
Figure 2006292492
上記の(数21)式に、前記(数18)式の適応デジタルフィルタを用いたパラメータ推定アルゴリズムで算出した電池パラメータ(T,K・T,K)と、前記(数15)式におけるGLPF(s)を1/B(s)と表記して得られる下記(数22)式とを代入することによって得られた下記(数23)式により、開路電圧推定値V が算出できる。
Figure 2006292492
Figure 2006292492
上記のようにして求めた開路電圧推定値V を開路電圧Vとして以下の演算に用いる。
電池の開路電圧Vと充電率SOCには、例えば後記図6に示すような相関関係があるので、図6に示すような充電率−開路電圧特性を予め求めておけば、上記のようにして求めた開路電圧Vから充電率SOCを算出することができる。
本実施例では、上記のようにして求めた充電率SOCを用いて満充電容量推定演算を行う例を説明する。
図5は満充電容量推定演算の処理手順を示すフローチャートである。以下このフローチャートに基づいて実施例の動作を説明する。なお、この処理は所定の制御周期(例えば50msec)で実行される。
図5において、step1では、電流センサ14からの信号に基づいて充放電中の電流Iを検出する。
step2では、電圧センサ15の信号に基づいて二次電池の端子電圧Vを検出する。
step3では、下記(数24)式に示すように、電流Iおよび電圧Vにローパスフィルタおよびバンドパスフィルタで構成される前処理フィルタ処理を施し、I〜IおよびV〜Vを算出する。
Figure 2006292492
step4では、step3で算出したI〜IおよびV〜Vを入力とする前記(数18)式で表される適応デジタルフィルタにより電池パラメータ推定値θ(k)を算出し、その電池パラメータ推定値とstep3で算出された前処理フィルタ出力とから前記(数23)式により開路電圧Vを算出する。なお、「」は推定値であることを示す。
ただし、y=V ,ω[V
],θ=[−T
K・T K d]
step5では、図6に示す予め計測した当該電池の充電率−開路電圧特性に基づいてstep4で推定された開路電圧Vから充電率SOCを算出する。
step6では、step5で算出された充電率SOCに基づいて、後述する充電率の微分値を算出する微分器の特性を設定する。
実際の電池による充電率−開路電圧特性の実験の結果は、図6に示すように、横軸に開路電圧V、縦軸に充電率SOCを取った場合、高充電率側で傾きが急峻になっている。これはつまり、開路電圧推定値がノイズの影響により推定誤差を含む場合には、高充電率側ではその推定誤差の影響が充電率推定値に現れやすいという性質を表している。従って、step5で推定された充電率に基づいて、図7に示すように、充電率−開路電圧特性の傾き大の時には後述する微分器のハイパスフィルタの時定数Tを大きく設定する。逆に、充電率−開路電圧特性の傾き小の時には微分器のハイパスフィルタの時定数Tを小さく設定する。
なお、ハイパスフィルタの時定数とカットオフ周波数は逆数の関係があるので、上記の内容は、充電率−開路電圧特性の傾き大の時にはハイパスフィルタのカットオフ周波数を小さく設定し、逆に、充電率−開路電圧特性の傾き小の時にはハイパスフィルタのカットオフ周波数を大きく設定してもよいことを意味する。
step7では、step5で推定された充電率の微分値をstep6で設定された特性の微分器で演算する。微分演算の方法にはいくつか考えられるが、ここでは以下の3つの実施例について説明する。
充電率微分値を演算する第一の方法では、図8に示すように、連続系での伝達特性が下記(数25)式(=数3式)で表される1次以上の近似微分フィルタを離散系で記述した処理を施すことにより、充電率を直接微分する。
Figure 2006292492
ただし、T:充電率微分値演算部4における近似微分フィルタの時定数
なお、(数25)式の分母次数nは1次以上であればよいが、本実施例ではn=2に設定している。
図8において、充電率推定部31は、前記図1の充電率推定部3に相当する。また、32はハイパスフィルタである。
分母の次数は1次以上であれば良いが、本実施例では次数n=2に設定する。
充電率微分値を演算する第二の方法は、充電率を直接微分せずに、開路電圧Vの微分値を用いて算出する。実際には、まず充電率−開路電圧特性を微分可能な多項式fで近似し、予めその近似多項式の導関数を求める。本実施例では充電率−開路電圧特性の近似式として、下記(数26)式(=数2式の前半部)で表される4次式を用いた。
Figure 2006292492
なお、多項式の一般形で示せば、下記(数27)式(=数4式)のようになる。
Figure 2006292492
そして、上記関数f(V)の導関数f'(V)=df(V)/dVと、開路電圧Vの微分値dV/dtから、下記(数28)式(=数2式の後半部)に基づき充電率の微分値を演算する。ここで開路電圧Vの微分値は、例えば前記の近似微分フィルタ(数25式)で求める。
Figure 2006292492
図9は、上記の構成を示すブロック図である。図9において、開放電圧微分値演算部41は上記の開路電圧Vの微分値dV/dtを求める。また、開放電圧−充電率特性導関数演算部42は上記導関数f'(V)=df(V)/dVを出力する。そして乗算部43で両者を乗算し、上記(数28)式の演算を行う。
また、充電率微分値を演算する第三の方法は、前処理フィルタの出力であるI〜IおよびV〜Vから下記(数29)式を用いて開路電圧微分値を求め、その値と前記充電率−開路電圧特性を表す多項式の導関数f'(V)との積から求める。この詳細を以下に説明する。
開路電圧Vは前記(数19)式で示され、開路電圧推定値V は前記(数20)式で示されるので、開路電圧推定値V の微分値は、前記(数20)式のB(s)をC(s)と表記し、両辺を微分することによって得られる(数29)式(=数6式)で求める。
Figure 2006292492
pはローパスフィルタの特性を決める時定数、nはフィルタの次数であり、本実施例ではn=3とした。
上記(数29)式に上記適応デジタルフィルタを用いたパラメータ推定アルゴリズムで算出した電池パラメータ(T,K・T,K)と、前処理フィルタの出力(数15式)においてGLPF(s)を1/C(s)と表記した式とを代入することで、開路電圧推定値の微分値は下記(数30)式で算出できる。
Figure 2006292492
したがって、充電率微分値は上記(数30)式で算出した開路電圧推定値の微分値と前記開路電圧−充電率特性を表す多項式関数f(V)の導関数f'(V)との積から下記(数31)式によって算出することができる。
Figure 2006292492
ただし、(数31)式において、T 、K・T 、Kに付した「」は、それらの値が推定値であることを示す。
次に、図5のフローチャートに戻り、step8では、step7で充電率微分値d(SOC)/dtを演算した際に生じた位相遅れ分と同じ遅れを持つフィルタ処理を行う。充電率微分値を前記第一の方法(数25式)あるいは第二の方法(数26式)で求めた場合には、このフィルタの特性は下記(数32)式で表されるフィルタを離散系で記述したものとなる。
Figure 2006292492
ただし、T:充電率微分値演算部4における近似微分フィルタの時定数
なお、(数32)式において、次数nは前記(数25)式における次数に等しいものとする。本実施例ではn=2とした。
また、充電率微分値を前記第三の方法で求めた場合には、充電率微分値を演算する際に新たな遅れ要素を含まないため、電流の位相を遅らせる必要はなく、step8の処理は必要としない。
step9では、step8までに演算した充電率微分値d(SOC)/dtと位相遅れ処理後の充放電電流Iの比から満充電容量Qmaxを下記(数33)式(=数1式)で求める。ただし、kは現在の制御周期での演算結果を表し、k−nは現在からn回前の制御周期での演算結果を表す。
Figure 2006292492
上記のようにして満充電容量Qmaxを求めることが出来る。
図10は、本発明の効果をシミュレーションにより検証した結果を示す図である。
図10の特性は、満充電容量真値3.53[Ah]の電池を想定(図10に実線で示した特性)し、充放電電流として図11に示すような振幅+3[A]〜−5[A]を持つパターン入力を与えた。さらに、電流センサの計測オフセットとして、+0.1[A]の定常オフセットを想定した。また、電流センサおよび電圧センサには観測ノイズのない理想状態を想定した。
充電率の変化率と充放電電流の積分値の比から演算する従来方法では、積分演算における電流センサの計測オフセット値の蓄積により、満充電容量推定値が時間とともに増加していく(図10に破線で示した特性)。しかし、充電率の微分値と充放電電流の比から演算する本発明の方法では、誤差が蓄積しないため満充電容量推定値は真値をほぼ正しく推定することができる(図10に点線で示した特性)。
以上説明したように、本発明においては、充放電電流積分値を用いずに満充電容量が推定できる構成であるため、電流センサ計測値にオフセットが生じた場合にも、満充電容量推定値が正確に演算され、推定精度が向上する、という効果がある。
また、予め測定した満充電容量を検出すべき二次電池の充電率−開路電圧特性をマップで記述し、マップの格子点間を線形補間して使用する方法では、補間後の充電率−開路電圧特性が折れ点を有するため、折れ点付近で充電率の微分値が急変する。しかし、本発明では、図6に示したように、充電率−開路電圧特性を微分可能な関数で近似するので、充電率の微分値も連続的になめらかに変化し、急変することはない。したがって、充電率−開路電圧特性の格子点間を線形補間して演算した充電率の微分値を用いた場合と比較して、満充電容量の推定精度が向上する、という効果がある。
また、充放電中の充電率SOCの微分値または開路電圧推定値Vの微分値を、1次以上の近似微分処理により演算する構成においては、充電率微分値または開路電圧微分値を求める際に、ノイズの影響を受けにくくすることができる、という効果がある。
また、近似微分を用いて充電率SOCの微分値を算出する際に生じる位相遅れと同等の位相遅れを、計測された電流Iに施す手段を設けた構成においては、充電率微分値と電流計測値の位相差がなくなるため、満充電容量推定精度が向上する、という効果がある。
また、充電率の比較的高い領域においては、充電率−開路電圧特性は急峻(△SOC/△Vが大)となっているため、電流センサや電圧センサ等のノイズにより開路電圧推定値の推定誤差が生じると、充電率推定値へ与える影響が大きくなる。そこで、このような場合には、近似微分フィルタの時定数をより大きく設定することにより、ノイズによる影響を除去することができる。従って、充電率によらず満充電容量を精度良く推定することができる。逆に、充電率の比較的低い領域においては、充電率−開路電圧特性は緩やか(△SOC/△Vが小)となっているため、電流センサや電圧センサ等のノイズにより開路電圧推定値の推定誤差が生じても、充電率推定値へ与える影響は相対的に小さくなる。このような場合には、近似微分フィルタの時定数をより小さく設定することにより、微分演算の応答性を向上することができる。従って、満充電容量推定の応答性も向上する、という効果がある。
また充電率−開路電圧特性の近似関数SOC=f(V)を微分可能な所定の次数の多項式で近似する構成においては、充電率−開路電圧特性の近似多項式を所定次数とすることで、その導関数は(所定の次数−1)次となり、充電率SOCおよびその微分値d(SOC)/dtを開路電圧推定値Vと充電率−開路電圧特性の近似多項式の係数との積とそれらの和のみで演算することできる。従って、車載マイコンでの演算に有利である、という効果がある。
また、開路電圧の微分値を求める際に、近似微分を用いると新たな遅れが生じる。しかし、開路電圧推定値Vの微分値を、前処理フィルタの出力である電流Iと電圧Vの1階微分値と2階微分値から演算する構成においては、開路電圧微分値演算時に新たな遅れ要素を持たないため、開路電圧推定値の微分値の応答性が向上し、その結果、満充電容量推定値の応答性も向上する、という効果がある。
本発明の一実施例の構成を示す機能ブロック図。 本発明の一実施例の具体的な構成図 適応デジタルフィルタによる充電率の演算ブロック図。 電池モデルを示す回路図。 本実施例における満充電容量の演算フローチャート。 充電率−開路電圧特性の一例を表す図。 充電率とハイパスフィルタ特性との関係を示す特性図。 充電率から充電率微分値を求める構成のブロック図。 満充電容量の演算方法の一例を表すブロック図。 シミュレーションにより本発明による効果を検証した結果を表す図。 シミュレーションにおける入力として与えた電流および電圧を表す図。
符号の説明
1…電流計測部 2…電圧計測部
3…充電率推定部 4…充電率微分値演算部
5…位相遅れ処理部 6…満充電容量演算部
11…二次電池 12…負荷
13…電子制御ユニット 14…電流センサ
15…電圧センサ
21…前処理フィルタ部 22…適応デジタルフィルタ処理部
23…開路電圧推定部 24…充電率推定部
31…充電率推定部 32…ハイパスフィルタ
41…開放電圧微分値演算部 42…開放電圧−充電率特性導関数演算部
43…乗算部

Claims (8)

  1. 二次電池の充放電中の電流Iを計測する電流計測手段と、
    充放電中の二次電池の充電率SOCを推定する充電率推定手段と、
    前記計測された電流Iと、前記推定された充電率SOCの微分値との比から下記(数1)式に基づいて二次電池の満充電容量Qmaxを演算する満充電容量演算手段と、
    を備えたことを特徴とする二次電池の満充電容量推定装置。
    Figure 2006292492
  2. 前記充電率推定手段は、二次電池の充放電中の開路電圧Vを推定する手段と、予め測定した二次電池の充電率−開路電圧特性から前記開路電圧推定値Vに基づいて充電率SOCを推定演算する手段と、を有し、かつ、前記充電率−開路電圧特性を微分可能な関数SOC=f(V)で近似することを特徴とする請求項1に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
  3. 前記充放電中の充電率SOCの微分値を、前記充電率−開路電圧特性の近似関数SOC=f(V)の導関数df(V)/d(V)と、前記開路電圧推定値Vの時間微分dV/dtの積として下記(数2)式の基づいて求めることを特徴とする請求項2に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
    Figure 2006292492
  4. 前記充放電中の充電率SOCの微分値または開路電圧推定値Vの微分値を、下記(数3)式の伝達特性で表される1次以上の近似微分処理により演算することを特徴とする請求項3に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
    Figure 2006292492
  5. 前記近似微分を用いて充電率SOCの微分値を算出する際に生じる位相遅れと同等の位相遅れを前記計測された電流Iに施す手段を有することを特徴とする請求項4に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
  6. 前記充放電中の充電率SOCの微分値または開路電圧推定値Vの微分値を演算するフィルタの時定数を、当該二次電池の充電率−開路電圧特性(△SOC/△V)が急峻な領域では大きな値に設定し、充電率−開路電圧特性(△SOC/△V)が前記よりも緩やかな領域では小さな値に設定することを特徴とする請求項4に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
  7. 前記充電率−開路電圧特性の近似関数SOC=f(V)を下記(数4)式に示す微分可能な所定の次数の多項式で近似することを特徴とする請求項3に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
    Figure 2006292492
  8. 二次電池の端子電圧Vを計測する電圧計測手段、を備え、
    前記充電率推定手段は、
    計測された前記電流Iと前記端子電圧Vに、ローパスフィルタ処理を施し、かつ電流Iと端子電圧Vの1階微分値と2階微分値とを求める前処理フィルタと、
    前記前処理フィルタの出力から適応デジタルフィルタを用いて電池パラメータを推定する適応デジタルフィルタ処理手段と、
    推定された電池パラメータと前記前処理フィルタの出力から下記(数5)式に基づいて開路電圧Vを推定する開路電圧推定手段と、
    前記推定された開路電圧Vから充電率−開路電圧特性に基づいて充電率SOCを推定する充電率演算手段と、を有し、
    かつ、開路電圧推定値Vの微分値を、前記前処理フィルタの出力である電流Iと電圧Vの1階微分値と2階微分値から下記(数6)式に基づいて演算することを特徴とする請求項1に記載の二次電池の満充電容量推定装置。
    Figure 2006292492
    Figure 2006292492
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