JP4666149B2 - 二次電池の入出力可能電力推定装置 - Google Patents

二次電池の入出力可能電力推定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4666149B2
JP4666149B2 JP2005153323A JP2005153323A JP4666149B2 JP 4666149 B2 JP4666149 B2 JP 4666149B2 JP 2005153323 A JP2005153323 A JP 2005153323A JP 2005153323 A JP2005153323 A JP 2005153323A JP 4666149 B2 JP4666149 B2 JP 4666149B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
equation
parameter
secondary battery
voltage
estimated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005153323A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006023286A (ja
Inventor
大次郎 湯本
英夫 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2005153323A priority Critical patent/JP4666149B2/ja
Publication of JP2006023286A publication Critical patent/JP2006023286A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4666149B2 publication Critical patent/JP4666149B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、二次電池に入出力可能な電力を推定する技術に関する。
従来の二次電池に入出力可能な電力を推定する技術としては下記非特許文献1に記載のものがある。
非特許文献1に記載の入出力可能な電力を推定する技術においては、二次電池の電流I(t)と端子電圧V(t)とを計測し、(数7)式に示す電池モデルを用いた適応デジタルフィルタに、前記計測した電流I(t)と端子電圧V(t) とを入力し、(数7)式中のパラメータ、つまり内部抵抗Kおよび開路電圧V0 (t)を推定し、(数8)式で示す定常状態での電池モデルに、上記の推定した内部抵抗Kおよび開路電圧V0 (t)と下限電圧Vminとを代入し、下限電圧Vminに到達する電流Ioutを(数9)式から求め、その電流Ioutの値を用いて(数10)式から出力可能電力Poutの推定値を求める。同様に、上限電圧Vmaxを(数8)式に代入し、上限電圧Vmaxに到達する電流Iinを(数11)式から求め、その電流Iinの値を用いて(数12)式から入力可能電力Pinの推定値を求める。
なお、開路電圧V0 (t)とは電流遮断時の端子電圧であるが、二次電池の端子電圧は、充放電中は時々刻々と変化し、かつ充放電終了直後は安定するまでに時間がかかるので、単に端子電圧を計測したのでは正確な開路電圧V0 (t)を随時検出することはできない。
Figure 0004666149
Figure 0004666149
Figure 0004666149
Figure 0004666149
Figure 0004666149
Figure 0004666149
入力可能電力Pinは、端子電圧が電池保護用に予め定めた上限電圧Vmaxを超えない範囲で瞬間的な最大入力電力である。出力可能電力Poutも同様に、端子電圧が電池保護用に予め定めた下限電圧Vminを下回らない範囲で瞬間的な最大出力電力である。
前記の従来技術においては、入力可能電力Pinを求める際に、定常状態に基づいた前記(数8)式を用いて、長い充電時間(後述する数7式の時定数Tより長い時間、例えば2、3秒、後記の瞬時パルス充電ではない場合)で充電した場合のように、定常状態で上限電圧Vmaxに到達する電流値(△I)を算出する構成になっている。ところが、充電時間が短い瞬時パルス充電した場合には、端子電圧の立ち上がり部分は前記(数7)式における直達項(K・T/T)だけであるから上限電圧Vmaxまでは到達しない。このように内部抵抗の推定値K^が定常状態に達する前の状態(K^の誤差が大きい状態)で前記(数12)式によって入力可能電力Pinを求めるため、求められた入力可能電力の推定値は誤差が大きいという問題がある。急速放電における出力可能電力の推定値においても同様の問題がある。なお、端子電圧の立ち上がり部分が直達項(K・T/T)だけで上限電圧Vmaxまで到達しない点については、後記図6、図8において詳述する。
上記のように従来技術においては、長い充電時間でゆっくり充放電する場合には適合しているが、瞬時パルス充電のように短時間で充放電する場合には誤差が大きくなるという問題があった。本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、短時間で充放電した場合でも推定値の誤差を少なくした二次電池の入出力可能電力推定装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、前記(数1)式に示す電池モデルを用いた適応デジタルフィルタに、一定周期で定まる離散時変数k毎に検出した二次電池の電流I(k) と端子電圧V(k) の組離散時間の経過に従って複数組入力し、前記(数1)式中のパラメータを一括推定するパラメータ推定手段と、検出した電流I(k) および端子電圧V(k) と前記パラメータ推定値とを前記(数1)式に代入して開路電圧V0 (t)^を算出する開路電圧演算手段と、電池モデルの式における直達項のパラメータ推定値(an^、bn^)と前記開路電圧V0 (k)^と予め定めた上限電圧Vmax とを前記(数2)式に代入して二次電池の入力可能電力を推定する入力可能電力推定手段と、前記直達項のパラメータ推定値(an^、bn^)と前記開路電圧V0 (k)^と予め定めた下限電圧Vmin とを前記(数3)式に代入して二次電池の出力可能電力を推定する出力可能電力推定手段と、を備えるように構成している。つまり、本発明においては、従来例のように、内部抵抗Kの推定値ではなく、直達項のパラメータ推定値(an^、bn^)を用いて入力可能電力と出力可能電力を推定するように構成している。
なお、前記直達項とは、例えば電池モデルを前記(数7)式とした場合における右辺第1項の(K・T/T)に相当する。そのパラメータ推定値(a^、b^)は、前記(数1)式中のパラメータ〔多項式A(s)、B(s)、C(s)の係数〕を適応デジタルフィルタで一括推定することによって求める。
また、本明細書中において、an^、bn^、V0 (t)^のように^ を付した記号は推定値を意味するが、数式中では^ を文字の真上に付している。
上記のように本発明においては、直達項に基づいた前記(数2)式、(数3)式を用い、直達項のパラメータ推定値(a^、b^)を用いて入力可能電力と出力可能電力を推定するように構成しているので、例えば瞬時パルス充電のように短時間で充電した場合、立ち上がり部分で上限電圧Vmaxに到達する電流値を算出することができる。したがって入力可能電力Pinの推定値は実際と良く一致し、誤差を低減することができる。急速放電した場合における出力可能電力Poutの推定値においても同様の効果が得られる。
図1は、本発明の実施例を機能ブロックで表した図である。図1において、一定周期で定まる離散時変数をkとすると、1は、パラメータθ(k)推定手段であり、電流I(k)検出手段5と端子電圧V(k)検出手段6で検出した電流、電圧を用いて、開路電圧V0(k)をオフセット項とする電池モデルにおける各パラメータ(詳細後述)を一括推定する。また、2は開路電圧V0(k)演算手段であり、上記電流、電圧および各パラメータに基づいて開路電圧V0(k)を演算する。3は入力可能電力推定手段であり、上記パラメータθ(k)と開路電圧V0(k)に基づいて二次電池に入力可能な電力を推定する。4は出力可能電力推定手段であり、上記パラメータθ(k)と開路電圧V0(k)に基づいて二次電池から出力可能な電力を推定する。また、5は電池から充放電される電流を検出する電流I(k)検出手段、6は電池の端子電圧を検出する端子電圧V(k)検出手段である。
図2は、実施例の具体的な構成を示すブロック図である。この実施例は、二次電池でモータ等の負荷を駆動したり、モータの回生電力で二次電池を充電するシステムに、入出力可能電力推定装置を設けた例を示す。
図2において、10は二次電池(単に電池とも言う)、20はモータ等の負荷、30は電池の入出力可能電力を推定するバッテリーコントローラ(電子制御ユニット)で、プログラムを演算するCPUやプログラムを記憶したROMや演算結果を記憶するRAMから成るマイクロコンピュータと電子回路等で構成される。40は電池から充放電される電流を検出する電流計、50は電池の端子電圧を検出する電圧計、60は電池の温度を検出する温度計であり、それぞれバッテリーコントローラ30に接続される。上記のバッテリーコントローラ30は前記図1のパラメータθ(k)推定手段1、開路電圧V(k)演算手段2、入力可能電力推定手段3および出力可能電力推定手段4の部分に相当する。また、電流計40は電流I(k)検出手段5に、電圧計50は端子電圧V(k)検出手段6に、それぞれ相当する。
(第1実施例)
まず、本実施例で用いる「電池モデル」を説明する。なお、以下の説明では、端子電圧V、電流I、開路電圧V 0 等に関する数式については、連続時変数t及び離散時変数kのいずれでも成立するので、(t)や(k)の付与を省略する。但し、離散時変数kの関数であることを明示する必要がある場合には、(k)を付与する。
図3は、第1実施例における二次電池の等価回路モデルを示す図である。この等価回路モデルは、正極、負極を特に分離していないリダクションモデル(一次)であるが、実際の電池の充放電特性を比較的正確に示すことが可能である。
図3において、モデル入力は電流I[A](正値:充電、負値:放電)、モデル出力は端子電圧V[V]であり、V0 [V]は開路電圧(起電力または開放電圧とも言う)、Kは内部抵抗、T1 〜T2 は時定数、sはラプラス演算子である。この電池モデルは、下記(数13)式で表現できる。リチウムイオン電池のように、開路電圧の収束が比較的速い電池の場合、右辺第1項と右辺第2項の分母は、同じ時定数T1 で表現できる。つまり、上記(数13)式は前記(数1)式において、右辺第1項と右辺第2項の分母を共にA(s)とした場合の一次モデルに相当する。なお、以下、第1実施例および第2実施例においては、右辺第1項と右辺第2項の分母を同じ時定数T1 とし、前記(数1)式においてA(s)=C(s)として記載するが、これは説明を簡略化するため、リチウムイオン電池のように開路電圧の収束が比較的速い電池に適用した場合を例に挙げて説明するためであり、これに限定されることはなく、A(s)の時定数とC(s)の時定数とが異なるものであっても適用可能である。
Figure 0004666149
以下、(数13)式の電池モデルから適応デジタルフィルタまでの導出を、最初に説明する。
開路電圧Vは、電流Iに可変な効率hを乗じた値を、ある初期状態から積分したものと考えれば、(数14)式で書ける。
Figure 0004666149
(数14)式を(数13)式に代入すれば(数15)式になり、整理すれば(数16)式になる。
Figure 0004666149
Figure 0004666149
安定な口ーパスフィルタGlp(s)を(数16)式の両辺に乗じて、整理すれば(数17)式になる。
Figure 0004666149
実際に計測可能な電流Iや端子電圧Vに、ローパスフィルタやバンドパスフィルタを処理した値を下記(数18)式に示すように定義する。なお、(数18)式の時定数pは、Glp(s)の応答性を決める定数である。
Figure 0004666149
(数18)式を用いて(数17)式を書き直せば、(数19)式になる。更に変形すれば、(数20)式になる。
Figure 0004666149
Figure 0004666149
(数20)式は、計測可能な値と未知パラメータの積和式になっているので、一般的な適応デジタルフィルタの標準形(下記数21式)と一致する。
但し、y=V、ω=[V,I,I,I]、θ=[−T,K・T,K,h]である。
Figure 0004666149
従って、電流Iと端子電圧Vにフィルタ処理した信号を、適応デジタルフィルタ演算に用いることで、未知のパラメータベクトルθを推定できる。
本実施例では、単純な「最小二乗法による適応フィルタ」の論理的な欠点(一度推定値が収束すると、その後パラメータが変化しても再度正確な推定ができないこと)を改善した「両限トレースゲイン方式」を用いる。
(数21)式を前提に未知パラメータベクトルθを推定するためのパラメータ推定アルゴリズムは(数22)式で示すようになる。但し、k時点のパラメータ推定値をθ(k)とする。
Figure 0004666149
ただし、λ、λ、γ、γは初期設定値で、0<λ<1、0<λ<∞とする。P(0)は十分大きな値、θ(0)は非ゼロな十分小さな値を初期値とする。trace{P}は行列Pのトレースを意味する。
以上が、電池モデルから適応デジタルフィルタまでの導出である。
図5は、バッテリーコントローラ30のマイクロコンピュータが行う処理のフローチャートであり、同図のルーチンは一定周期T毎に実施される。例えば、I(k)は今回の値、I(k−1)は1回前の値を意味する。
ステップS10では、電流I(k)、端子電圧V(k)を計測する。
ステップS20では、二次電池の遮断リレーのオフかオンかの判断をする。
バッテリーコントローラ30は二次電池の遮断リレーの制御も行っており、リレー遮断時(電流I=0)はステップS30へ進む。リレー締結時はステップS40へ進む。ステップS30では、端子電圧V(k)を端子電圧初期値V_iniとして記憶する。
ステップS40では、端子電圧の差分値△V(k)を算出する。
△V(k)=V(k)−V_ini
これは、適応デジタルフィルタ内の推定パラメータの初期値を約0としているので、推定演算開始時に推定パラメータが発散しないように、入力を全て0とするためである。リレー遮断時はステップS30を通るので、I=0かつ△V(k)=0なので、推定パラメータは初期状態のままである。
ステップS50では、電流I(k)と端子電圧差分値△V(k)に、(数23)式に基づきローパスフィルタ、バンドパスフィルタの処理を施し、I〜IおよびV〜Vを算出する。
この際、(数22)式のパラメータ推定アルゴリズムの推定精度を良くするために、観測ノイズを低減するようにローパスフィルタGlp(s)の応答性を遅く設定する。ただし、電池の応答特性よりは速くする。(数23)式の時定数pは、Glp(s)の応答性を決める定数である。
Figure 0004666149
ステップS60では、ステップS50で算出したI〜IおよびV〜Vを(数22)式に代入し、パラメータ推定値θ(k)を算出する。ただし、y=V、ω=[V,I,I,I]、θ=[−T,K・T,K,h]である。
ステップS70では、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中からT,K・T,Kと、(数23)式で算出したI〜IおよびV〜Vを(数24)式に代入する。
Figure 0004666149
(数24)式は前記(数13)式で示した電池モデルを変形し、ローパスフィルタGlp(s)を両辺に乗じた式であり、△Vを開路電圧Vの代用とする。開路電圧Vは変化が緩やかなので、Glp(s)・Vで代用できる。ただし、ここで求まるのは推定演算開始時からの開路電圧推定値の変化分△V(k)であるため、後段のステップS80で初期値を加算する。
ステップS80では、ステップS70で算出した△V(k)に開路電圧初期値すなわち端子電圧初期値V_iniを加算して、開路電圧推定値V(k)を(数25)式から算出する。
Figure 0004666149
ステップS90では、図4に示した開路電圧と充電率の相関マップを用いて、ステップS80で算出したV(k)から充電率SOC(k)を算出する。
なお、図4のVLはSOC=0%に、VHはSOC=100%に相当する開路電圧である。
ステップS100では、以下のようにして、入力可能電力推定値Pin、出力可能電力推定値Poutを算出する。上限電圧Vmaxと下限電圧Vminは、予め定めた電池保護用の上下限値であり、ここでは固定値とする。
まず、前記(数13)式に示した電池モデルを変形すると(数26)式が得られる。
Figure 0004666149
この(数26)式において、電流変化(△I)に対する直達項だけの電圧変化(△V)に着目すれば、(数27)式が得られる。
Figure 0004666149
入力可能電力推定値を算出するためには、上限電圧Vmaxに到達する瞬間的な電流値が必要であるから、直達項に着目した上記(数27)式を用いる。上限電圧VmaxとステップS80で算出した開路電圧推定値V(k)の差が△Vであり、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中から推定値K・TとTを(数27)式に代入して電流△Iを算出する。△Iは(数28)式で示される。
Figure 0004666149
上記のようにして求めた△Iを用いて、(数29)式で入力可能電力推定値Pinを算出する。
Figure 0004666149
出力可能電力推定値においても同様に、ステップS80で算出した開路電圧推定値V(k)と下限電圧Vminの差が△V(数30式)であり、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中から推定値K・TとTを(数27)式に代入して電流△Iを算出する。この場合の△Iは(数30)式で示される。
Figure 0004666149
上記のようにして求めた△Iを用いて、(数31)式で出力可能電力推定値Poutをから算出する。
Figure 0004666149
なお、(数28)式〜(数31)式において、K^等のように^を付した符号は推定値を意味する。
ステップS110では、次回演算に必要な数値を保存して、今回演算を終了する。以上を、第1実施例の動作の説明とする。
以下、従来例と本発明の作用効果の差異を説明する。
図6は、前記従来例における入力可能電力の推定値を説明するための図であり、図7は本発明における入力可能電力の推定値を説明するための図である。
図6に示した従来例においては、定常状態に基づいた前記(数8)式を用いて、充電時間が長い定常状態で上限電圧に到達する電流値(△I)を算出する構成になっている。したがって、電流Iを充電時間が短い瞬時パルス充電した場合には、推定される端子電圧Vの立ち上がり部分の到達点は、直達項だけであるから
ΔV=(K・T/T)ΔI
となり、定常状態での到達点ΔV=K・ΔI(つまり上限電圧Vmax)までは到達せず、前記(数12)式から求まる入力可能電力推定値Pinと実際値には誤差が大きいという問題があった。急速放電した場合の出力可能電力推定値でも同様の問題があった。
これに対して、本発明の第1実施例においては、直達項に基づいた前記(数2)式を用いて電流値(△I)を算出する構成になっているため、図7に示したように、立ち上がり部分の到達点は
ΔV=(a^/b^)ΔI
となり、ほぼ定常状態での到達点ΔV=K・ΔI(つまり上限電圧Vmax)に近い値まで到達する。したがって、この電流値△Iを瞬時パルス充電した場合、端子電圧の立ち上がり部分である直達項だけでほぼ上限電圧に到達するので、入力電力推定値と実際値には誤差が小さいという効果がある。急速放電した場合の出力可能電力推定値でも同様の効果がある。
ここで直達項について説明する。
図8は、直達項を説明するための図であり、y=(T・s+1)/(T・s+1)の式におけるステップ応答波形を示す。ただしT>Tである。
図示のごとく、T/Tの値は、時点0においてステップ的に立ち上がるが、その後は一次遅れの波形となる。直達項とは上記のステップ的に立ち上がった値(T/T)に相当する。本発明においては、(数13)式に示すように、(T/T)に内部抵抗Kが係数として乗算されているので、直達項はK(T/T)となり、これに相当するパラメータ推定値がa^、b^である。
(第2実施例)
次に、第2実施例について説明する。
第2実施例は、前記直達項(K・T/T)のパラメータ推定値(a^、b^)にローパスフィルタ処理を施すものである。
第2実施例においては、前記第1実施例の図5に示したフローチャートにおいて、ステップS100のみが異なっており、その他は第1実施例と同じである。
第2実施例においても、ステップS100で、入力可能電力推定値Pin、出力可能電力推定値Poutを算出するが、その内容が第1実施例とは異なっている。
すなわち、前記(数13)式で示した電池モデルにおいて、電流変化(△I)に対する直達項だけの電圧変化(△V)に着目すれば、前記(数27)式が得られる。入力可能電力推定値を算出するためには、上限電圧Vmaxに到達する瞬間的な電流値が必要であるから、直達項に着目した(数27)式を用いる。
ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の内、推定値K・TとTはノイズの影響を受け易く変動が大きいため、(数32)式に示すローパスフィルタ処理G(s)を施す。
Figure 0004666149
上限電圧VmaxとステップS80で算出した開路電圧推定値V(k)の差が△Vであり、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中から推定値K・TとTのローパスフィルタ処理後の値を(数27)式に代入すると(数33)式が得られる。
Figure 0004666149
上記(数33)式で求めた電流△Iを用いて(数34)式から入力可能電力推定値Pinを算出する。
Figure 0004666149
出力可能電力推定値Poutにも同様に、ステップS80で算出した開路電圧推定値V(k)と下限電圧Vminの差が△Vであり、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中から推定値K・TとTのローパスフィルタ処理後の値を(数27)式に代入することにより、(数35)式が得られる。
Figure 0004666149
上記(数35)式で求めた電流△Iを用いて(数36)式から出力可能電力推定値Poutを算出する。
Figure 0004666149
上記の第2実施例においては、直達項の推定パラメータはノイズの影響を受け変動が大きいので、直達項の推定パラメータにローパスフィルタ処理する構成であるため、推定パラメータを直接用いる第1実施例よりも変動による影響を除去でき、電力推定誤差を小さくできるという効果がある。
(第3実施例)
次に、第3実施例について説明する。
第3実施例においては、電池モデルが前記(数4)式で表される場合、パラメータ推定値から算出した割合T/Tにローパスフィルタ処理を施し、内部抵抗Kの推定値と併用した前記(数5)式、(数6)式を、前記(数2)式、(数3)式の代わりに用いるものである。なお、前記(数4)式におけるTはTを含む任意の時定数を表す。
第3実施例においては、前記第1実施例の図5に示したフローチャートにおいて、ステップS100のみが異なっており、その他は第1実施例と同じである。
第3実施例においても、ステップS100で、入力可能電力推定値Pin、出力可能電力推定値Poutを算出するが、その内容が第1実施例とは異なっている。
すなわち、前記(数13)式で示した電池モデルにおいて、電流変化(△I)に対する直達項だけの電圧変化(△V)に着目すれば、前記(数27)式が得られる。入力可能電力推定値を算出するためには、上限電圧Vmaxに到達する瞬間的な電流値が必要であるから、直達項に着目した(数27)式を用いる。
ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の内、推定値K・TとTはノイズの影響を受け易く変動が大きく、内部抵抗Kの推定値は変動が小さい。したがって、(数37)式から割合T/Tを算出した後、その値に前記(数32)式に示したローパスフィルタ処理G(s)を施す。
Figure 0004666149
上限電圧VmaxとステップS80で算出した開路電圧推定値V(k)の差が△Vであり、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中から内部抵抗の推定値Kと、ローパスフィルタ処理後の割合T/Tを前記(数27)式に代入すると、(数38)式が得られる。
Figure 0004666149
上記(数38)式で求めた電流△Iを用いて(数39)式から入力可能電力推定値Pinを算出する。
Figure 0004666149
出力可能電力推定値にも同様に、ステップS80で算出した開路電圧推定値V(k)と下限電圧Vminの差が△Vであり、ステップS60で算出したパラメータ推定値θ(k)の中から内部抵抗の推定値Kと、ローパスフィルタ処理後の割合T/Tを(数27)式に代入することにより、(数40)式が得られる。
Figure 0004666149
上記(数40)式で求めた電流△Iを用いて(数41)式から出力可能電力推定値Poutを算出する。
Figure 0004666149
上記の第3実施例においては、直達項の推定値K・TとTはノイズの影響を受け易く変動が大きく、定常ゲインである内部抵抗の推定値Kは変動が小さい。そのため変動の大きい直達項から算出した割合T/Tをローパスフィルタ処理した値と、変動の小さい内部抵抗の推定パラメータKとを併用する構成であるため、変動の大きい直達項の推定パラメータだけを用いる第2実施例より、推定パラメータの変動による影響を更に除去し、電力推定誤差を小さくできる効果がある。
本発明の実施例を機能ブロックで表した図。 実施例の具体的な構成を示すブロック図。 第1実施例における二次電池の等価回路モデルを示す図。 開路電圧と充電率の相関マップを示す図。 バッテリーコントローラ30が行う処理のフローチャート。 従来例における入力可能電力の推定値を説明するための図。 本発明における入力可能電力の推定値を説明するための図。 直達項を説明するための図。
符号の説明
1…パラメータθ(k)推定手段
2…開路電圧V(k)演算手段
3…入力可能電力推定手段 4…出力可能電力推定手段
5…電流I(k)検出手段 6…端子電圧V(k)検出手段
10…二次電池 20…負荷
30…バッテリーコントローラ 40…電流計
50…電圧計 60…温度計

Claims (3)

  1. 一定周期で定まる離散時変数k毎に二次電池の電流I(k) を検出する電流検出手段と、
    前記離散時変数k毎に二次電池の端子電圧V(k) を検出する電圧検出手段と、
    (数1)式に示す電池モデルを用いた適応デジタルフィルタに、前記検出した電流I(k) と端子電圧V(k) の組離散時間の経過に従って複数組入力し、前記(数1)式中のパラメータを一括推定するパラメータ推定手段と、
    前記電流I(k) および端子電圧V(k) と前記パラメータ推定手段が推定したパラメータ推定値とを前記(数1)式に代入して開路電圧V0 (t)^を算出する開路電圧演算手段と、
    電池モデルの式における直達項のパラメータ推定値(an^、bn^)と前記開路電圧V0 (k)^と予め定めた上限電圧Vmax とを(数2)式に代入して二次電池の入力可能電力Pinを推定する入力可能電力推定手段と、
    前記直達項のパラメータ推定値(an^、bn^)と前記開路電圧V0 (k)^と予め定めた下限電圧Vmin とを(数3)式に代入して二次電池の出力可能電力Pout を推定する出力可能電力推定手段と、
    を備えたことを特徴とする二次電池の入出力可能電力推定装置。
    Figure 0004666149
    V(t)、I(t)、V 0 (t)のように(t)を付した記号は、時間関数であることを意味する。
    sはラプラス演算子、A(s)、B(s)、C(s)はsの多項式(nは次数)、ただし、a1 ≠0、b1 ≠0、c1 ≠0
    n^、bn^、V0 (t)^のように^ を付した記号は推定値を意味する。なお、数式中では^ を文字の真上に付している。
    Figure 0004666149
    Figure 0004666149
  2. 前記直達項のパラメータ推定値(an^、bn^)にローパスフィルタ処理を施すことを特徴とする請求項1に記載の二次電池の入出力可能電力推定装置。
  3. (数1)式に代えて電池モデルが(数4)式で表され パラメータ推定値から算出した割合T1^/T2^にローパスフィルタ処理を施し、内部抵抗の推定値K^ と併用した(数5)式、(数6)式を、前記(数2)式、(数3)式の代わりに用いることを特徴とする請求項1に記載の二次電池の入出力可能電力推定装置。
    Figure 0004666149
    Figure 0004666149
    Figure 0004666149
    V(t)、I(t)、V 0 (t)のように(t)を付した記号は、時間関数であることを意味する。
    G(s)はローパスフィルタ特性を持つ伝達関数、T1 〜T3 は時定数(ただし、T3 はT1 を含む任意の時定数)、Kは内部抵抗、T1^、T2^、K^、V0 (t)^のように^ を付した記号は推定値を意味する。
JP2005153323A 2004-06-11 2005-05-26 二次電池の入出力可能電力推定装置 Expired - Fee Related JP4666149B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005153323A JP4666149B2 (ja) 2004-06-11 2005-05-26 二次電池の入出力可能電力推定装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004173448 2004-06-11
JP2005153323A JP4666149B2 (ja) 2004-06-11 2005-05-26 二次電池の入出力可能電力推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006023286A JP2006023286A (ja) 2006-01-26
JP4666149B2 true JP4666149B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=35796638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005153323A Expired - Fee Related JP4666149B2 (ja) 2004-06-11 2005-05-26 二次電池の入出力可能電力推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4666149B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4692246B2 (ja) 2005-11-29 2011-06-01 日産自動車株式会社 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP2010203935A (ja) * 2009-03-04 2010-09-16 Nissan Motor Co Ltd 二次電池の入出力可能電力推定装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09312939A (ja) * 1996-05-22 1997-12-02 Nissan Motor Co Ltd 電気自動車の電力制御装置
JP2003185719A (ja) * 2001-12-18 2003-07-03 Nissan Motor Co Ltd 二次電池の充電率推定装置
JP2004014231A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Nissan Motor Co Ltd 二次電池の充電率推定装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09312939A (ja) * 1996-05-22 1997-12-02 Nissan Motor Co Ltd 電気自動車の電力制御装置
JP2003185719A (ja) * 2001-12-18 2003-07-03 Nissan Motor Co Ltd 二次電池の充電率推定装置
JP2004014231A (ja) * 2002-06-05 2004-01-15 Nissan Motor Co Ltd 二次電池の充電率推定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006023286A (ja) 2006-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4830382B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP3714333B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP3714321B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
CN107690585B (zh) 用于确定锂硫电池组的健康状况和充电状态的方法和装置
JP4692246B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP4547908B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP5324196B2 (ja) バッテリの劣化推定方法及び装置
JP4788307B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP4910300B2 (ja) 二次電池の満充電容量推定装置
JP2006284431A (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP5163542B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP2003075518A (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP4923462B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP3714246B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP3714314B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP2010203935A (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP5625244B2 (ja) 二次電池の容量推定装置
JP3714214B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP4666149B2 (ja) 二次電池の入出力可能電力推定装置
JP3852372B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP3714330B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP4720364B2 (ja) 二次電池の内部抵抗推定装置
JP2010210457A (ja) 二次電池の制御装置
JP3852371B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置
JP3714284B2 (ja) 二次電池の充電率推定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101012

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101028

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101215

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101228

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4666149

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees