JP2010203854A - 二次電池の内部状態推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池の電流の計測値のオフセット量を適切に検出し、これにより、二次電池の内部状態の推定精度が向上された二次電池の内部状態推定装置を提供すること。
【解決手段】二次電池の内部状態を推定する内部状態推定装置であって、適応デジタルフィルタ演算により推定された二次電池の充電率から算出される、二次電池の電気量の変化量ΔQと、電流検出手段により検出された電流の計測値から算出される、二次電池の電気量の変化量ΔQと、に基づいて、電流の計測値のオフセット量を推定する内部状態推定装置。
【選択図】 図2

Description

本発明は、二次電池の内部状態推定装置に関するものである。
電流センサによって、二次電池の放電電流を検出し、放電電流を積算することにより、二次電池の残容量を推定する二次電池の制御装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1においては、二次電池を電源とする機器の始動に際して、その機器に二次電池から電力を供給するのに先がけて、電流センサに駆動用電源から電力を供給し、駆動用電源から電力を供給した際における電流センサの出力がゼロとなるように、電流センサで検出される電流計測値のオフセット補正を行っている。
特開平6−207973号公報
しかしながら、上記従来技術においては、二次電池を電源とする機器の始動時のみに電流センサで検出される電流計測値のオフセット補正をするものであるため、電流センサや二次電池の温度変化により、電流センサのゼロ点が変化した場合に、電流センサのゼロ点の変化に対応したオフセット補正ができず、そのため、二次電池の電流を適切に検出することができないという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、二次電池の電流の計測値のオフセット量を適切に検出し、これにより、二次電池の内部状態の推定精度が向上された二次電池の内部状態推定装置を提供することである。
本発明は、適応デジタルフィルタ演算により推定された二次電池の充電率から算出される、二次電池の電気量の変化量ΔQと、電流検出手段により検出された電流の計測値から算出される、二次電池の電気量の変化量ΔQと、に基づいて、電流の計測値のオフセット量を推定することにより、上記課題を解決する。
本発明によれば、二次電池の電流の計測値のオフセット量を適切に検出することができるため、これにより、二次電池の内部状態の推定精度を向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係る二次電池の制御システムの構成を示す図である。 図2は、第1実施形態に係る電子制御ユニット30の機能ブロック図である。 図3は、二次電池の電池モデルを示す等価回路モデルを示す図である。 図4は、二次電池の開路電圧−充電率特性の一例を示す図である。 図5は、第1実施形態における内部状態推定処理および電流計測値の補正処理を示すフローチャートである。 図6は、第1実施形態におけるオフセット量算出処理を示すフローチャートである。 図7は、第1実施形態における電流計測値のオフセット量および充電率のシミュレーション結果を示す図である。 図8は、従来技術における電流計測値のオフセット量および充電率のシミュレーション結果を示す図である。 図9は、第1実施形態における電流計測値のオフセット量および充電率のシミュレーション結果を示す図である。 図10は、従来技術における電流計測値のオフセット量および充電率のシミュレーション結果を示す図である。 図11は、第1実施形態における電流計測値のオフセット量および充電率のシミュレーション結果を示す図である。 図12は、第2実施形態に係る二次電池の制御システムの構成を示す図である。 図13は、第2実施形態に係る電子制御ユニット30の機能ブロック図である。 図14は、第2実施形態における電流計測値のオフセット量および充電率のシミュレーション結果を示す図である。
《第1実施形態》
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る二次電池の制御システムの構成を示す図である。図1に示す制御システムは、二次電池でモータ等の負荷を駆動したり、モータの回生による電力やエンジンを動力源としてオルタネータで発電した電力で二次電池を充電するシステムに、本発明に係る内部状態推定装置を適用した例である。
二次電池10は、複数の単位電池を直列に接続してなるものであり、二次電池10を構成する単位電池としては、たとえば、リチウムイオン二次電池などのリチウム系二次電池などが挙げられる。負荷20としては、たとえば、モータなどが挙げられる。
電流計40は、二次電池10に流れる充放電電流を検出するセンサであり、電流計40により検出された信号は、電子制御ユニット30へ送出される。また、電圧計50は、二次電池10の端子電圧を検出するセンサであり、電圧計50により検出された信号は、電子制御ユニット30へ送出される。なお、電流計40近傍には、電流計40の温度を検出するための温度センサ60が設けられている。この温度センサ60で検出された信号も、同様に電子制御ユニット30へ送出される。
電子制御ユニット30は、二次電池10の内部状態を推定するための制御ユニットであり、プログラムを演算するCPU、プログラムや演算結果を記憶するROMおよびRAMから構成されるマイクロコンピュータと電子回路等で構成される。図2に、電子制御ユニット30の機能ブロック図を示す。
図2に示すように、電子制御ユニット30は、電流検出部301、電圧検出部302、温度検出部303、電流値補正部304、適応デジタルフィルタ演算部305、電流値積算部306、タイミング設定部307、第1電気量算出部308、第2電気量算出部309、およびオフセット量推定部310を備える。
なお、これらのうち、第1電気量算出部308、第2電気量算出部309、およびオフセット量推定部310は、オフセット量算出処理部320を構成し、後述するタイミング設定部307により設定される所定時間Δtごとに、電流計40のゼロ点オフセット量の推定値I^の推定を行うために機能する。
電流検出部301は、電流計40からの信号に基づき、二次電池10に流れる充放電電流を検出することにより、電流計測値I(k)を取得する。電流検出部301は、取得した電流計測値I(k)を電流補正部304に送出する。
電圧検出部302は、電圧計50からの信号に基づき、二次電池10の端子電圧を検出することにより、電圧計測値V(k)を取得する。電圧検出部302は、取得した電流計測値V(k)を適応デジタルフィルタ演算部305に送出する。
温度検出部303は、温度センサ60からの信号に基づき、電流計40の温度を検出することにより、温度計測値T(k)を取得する。温度検出部303は、取得した温度計測値T(k)をタイミング設定部307に送出する。
電流値補正部304は、電流検出部301から取得した電流計測値I(k)を、オフセット量推定部310から取得した電流計測値のオフセット量推定値I^に基づいて、補正し、電流補正値I(k)を算出する。具体的には、電流補正値I(k)は、下記式(1)にしたがって算出される。ここで、電流計測値のオフセット量推定値I^は、電流計40のゼロ点オフセット量の推定値であり、電流補正値I(k)は、このオフセット量推定値I^を用いて得られるものである。そのため、電流補正値I(k)は、電流計40のゼロ点オフセット量を考慮することにより得られる電流値となる。また、下記式(1)中、Kは補正ゲインである。補正ゲインKは、予め設定された1以下の補正係数であり、電子制御ユニット30に備えられたRAMに予め記憶されている。なお、オフセット量推定部310によるオフセット量推定値I^の算出方法については後述する。
Figure 2010203854
そして、電流値補正部304は、算出した電流補正値I(k)を、適応デジタルフィルタ演算部305および電流値積算部306に送出する。また、I^における右肩に付した「^」は、その値が推定値であることを示す。なお、図2中、および上記式(1)中では、推定値である「^」を、Iの「I」の真上に示しているが、下記式(2)に示すように、これはI^と同義である。以下、SOC^(k)、SOC^、θ^(k)、V^(t)、SOC^(t)においても同様である。
Figure 2010203854
適応デジタルフィルタ演算部305は、電流値補正部304により算出された電流補正値I(k)および電圧検出部302により検出された電圧計測値V(k)から、適応デジタルフィルタ演算により、二次電池10の内部状態を推定し、推定した内部状態に基づいて、二次電池10の充電率を推定することで、充電率推定値SOC^(k)を算出する。そして、適応デジタルフィルタ演算部305は、算出した充電率推定値SOC^(k)を、第1電気量算出部308に送出する。なお、適応デジタルフィルタ演算部305による二次電池10の内部状態の推定方法および充電率推定値SOC^(k)の算出方法については後述する。
電流値積算部306は、電流値補正部304により算出された電流補正値I(k)の積算を行い、電流積算値Q(k)を算出する。そして、電流値積算部306は、算出した電流積算値Q(k)を、第2電気量算出部309に送出する。
タイミング設定部307は、温度検出部303により検出された温度計測値T(k)に基づいて、所定時間Δtを設定する。ここで、所定時間Δtは、オフセット量算出処理部320によりオフセット量推定処理を行うための間隔であり、たとえば、ある時間tにおいて、オフセット量算出処理部320によりオフセット量推定処理が行われた場合には、次にオフセット量推定処理が行われるのは、時間t+Δtを経過した後となる。
タイミング設定部307による、所定時間Δtの具体的な設定方法としては、次の通りである。すなわち、まず、タイミング設定部307は、温度検出部303により検出された温度計測値T(k)を繰り返し取得することにより、電流計40の単位時間あたりの温度変化量ΔTを算出する。そして、タイミング設定部307は、算出した温度変化量ΔTの大きさに基づいて、予め設定されたΔT−Δtテーブルに基づいて、オフセット量推定処理を行うための間隔である所定時間Δtを決定する。この場合において、タイミング設定部307は、温度変化量ΔTが所定値以上である場合には、所定時間Δtを小さく設定し、オフセット量推定処理の間隔を短いものとする。一方、温度変化量ΔTが所定値未満の場合には、所定時間Δtを大きく設定し、オフセット量推定処理の演算間隔を長いものとする。
オフセット量算出処理部320は、第1電気量算出部308、第2電気量算出部309およびオフセット量推定部310から構成され、これらはタイミング設定部307により設定された所定時間Δt毎に機能し、所定時間Δt毎にオフセット量算出処理を行い、電流計測値のオフセット量推定値I^の算出を行う。
オフセット量算出処理部320を構成する第1電気量算出部308は、オフセット量推定処理に用いる電気量の変化量ΔQの演算を行う。ここで、第1電気量算出部308により演算される電気量の変化量ΔQは、適応デジタルフィルタ演算部305により算出された充電率推定値SOC^(k)に基づいて得られる、所定時間Δtにおける、二次電池10に充電されている電気量の変化量である。
第1電気量算出部308による、適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQの算出方法は、次の通りである。すなわち、第1電気量算出部308は、まず、前回充電率推定値SOC^を、電子制御ユニット30に備えられたRAMから読み出す。ここで、前回充電率推定値SOC^は、前回行われたオフセット量推定処理(すなわち、ある時間tにおいて、第1電気量算出部308による処理が行われる場合には、時間t−Δtに行われた処理)において用いた適応デジタルフィルタ演算部305により算出された充電率推定値SOC^(k)である。そして、第1電気量算出部308は、適応デジタルフィルタ演算部305により算出された充電率推定値SOC^(k)と、前回充電率推定値SOC^と、二次電池10の総容量Capとに基づいて、下記式(3)にしたがって、所定時間Δtにおける、二次電池10に充電されている電気量の変化量ΔQを算出する。
Figure 2010203854
そして、第1電気量算出部308は、算出した適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQをオフセット量推定部310に送出する。また、第1電気量算出部308は、今回のオフセット量算出処理において用いた充電率推定値SOC^(k)を、次回のオフセット量算出処理(すなわち、ある時間tにおいて、オフセット量算出処理が行われた場合には、時間t+Δtに行われる処理)において用いるために、SOC^として電子制御ユニット30に備えられたRAMに保存する。なお、総容量Capの算出方法としては特に限定されないが、たとえば、適応デジタルフィルタ演算部305により算出された充電率推定値SOC^(k)と、電流値積算部306により算出された電流積算値Q(k)と基づいて、後述する方法にしたがって算出することができる。
オフセット量算出処理部320を構成する第2電気量算出部309は、オフセット量推定処理に用いる電気量の変化量ΔQの演算を行う。ここで、第2電気量算出部309により演算される電気量の変化量ΔQは、電流値積算部306により算出された電流積算値Q(k)に基づいて得られる、所定時間Δtにおける、二次電池10に充電されている電気量の変化量である。
第2電気量算出部309による、電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQの算出方法は、次の通りである。すなわち、第2電気量算出部309は、まず、電流積算値リセット値Qを、電子制御ユニット30に備えられたRAMから読み出す。ここで、電流積算値初期値Qは、電流値積算部306により算出される電流積算値Q(k)を初期化するための値であり、電流積算値Q(k)は、所定時間Δt毎に(すなわち、オフセット量算出処理が行われるたびに)、電流積算値初期値Qにより、初期化される。すなわち、所定時間Δt経過直後の電流積算値Q(k)は、電流積算値初期値Qと等しい値とされる。なお、電流積算値初期値Qは、通常ゼロを用いるが、必ずしもゼロとする必要はない。
次いで、第2電気量算出部309は、電流値積算部306により算出された電流積算値Q(k)と、電流積算値初期値Qとに基づいて、下記式(4)にしたがって、所定時間Δtにおける、二次電池10に充電されている電気量の変化量ΔQを算出する。
Figure 2010203854
そして、第2電気量算出部309は、算出した電気量の変化量ΔQをオフセット量推定部310に送出する。また、電流値積算部306において算出された電流積算値Q(k)が、電流積算値初期値Qを用いて、初期化される。
オフセット量算出処理部320を構成するオフセット量推定部310は、第1電気量算出部308により算出された適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQ、第2電気量算出部309により算出された電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQ、およびタイミング設定部307により設定された所定時間Δtに基づき、電流計40のゼロ点オフセット量の推定値であるのオフセット量推定値I^を算出する。具体的には、オフセット量推定部310は、下記式(5)にしたがって、オフセット量推定値I^を算出する。
Figure 2010203854
そして、算出したオフセット量推定値I^を電流値補正部304に送出され、電流値補正部304により、オフセット量推定部310によって算出されたオフセット量推定値I^に基づいて、上記式(1)にしたがって、電流検出部301から取得した電流計測値I(k)の補正が行われ、電流補正値I(k)が算出される。
次に、適応デジタルフィルタ演算部305により、二次電池10の充電率推定値SOC^(k)を算出する方法について、説明する。まず、本実施形態で用いる「電池モデル」について、説明する。図3は、二次電池10の電池モデルを示す等価回路モデルであり、図3に示す等価回路モデルは、下記式(6)で表される。
Figure 2010203854
ここで、モデル入力は電流I[A](正値は充電、負値は放電)、モデル出力は端子電圧V[V]であり、R〔Ω]は電荷移動抵抗、R[Ω]は純抵抗、C[F]は電気二重層容量、V[V]は開路電圧である。また、上記式中、sは微分オペレータである。なお、本実施形態に係る電池モデルは、正極、負極を特に分離していないリダクションモデル(一次)であるが、実際の電池の充放電特性を比較的正確に示すことが可能である。このように本実施形態においては、電池モデルの次数を1次にした構成を例として説明する。
ここで、R、R、Cを下記式(7)のように表すと、上記式(6)は、下記式(8)で表されることとなる。
Figure 2010203854
Figure 2010203854
次いで、上記式(8)に示される電池モデルから、適応デジタルフィルタを用いた電池パラメータ(K,T,T)の推定方法について、説明する。開路電圧V(t)は、電流I(t)に可変なパラメータdを乗じたものをある初期状態から積分したものと考えれば、開路電圧V(t)は、下記式(9)で表すことができる。
Figure 2010203854
そして、上記式(8)に、上記式(9)を代入すると、下記式(10)となり、これを整理すると下記式(11)となる。
Figure 2010203854
Figure 2010203854
さらに、上記式(11)の両辺に安定なローパスフィルタ1/Glp(s)を乗じて、整理すると下記式(12)となる。
Figure 2010203854
なお、本実施形態においては、ローパスフィルタ1/Glp(s)として、下記式(13)に示すものを用いたが、下記式(13)に示すものに限定はされない。下記式(13)において、τはフィルタの時定数である。
Figure 2010203854
ここで、電流検出部301で検出した電流計測値I(t)、および電圧検出部302で検出した電圧計測値V(t)に、ローパスフィルタを施した値を下記式(14)で定義する。
Figure 2010203854
上記式(12)を上記式(14)で書き直し、これをV(t)について整理すると、下記式(15)となる。
Figure 2010203854
そして、上記式(15)は、計測可能な値(I(t)、I(t)、I(t)、V(t)、V(t))と未知パラメータ(T,T,K,d)との積和式になっているため、適応デジタルフィルタの標準形である下記式(16)と一致する。
Figure 2010203854
ただし、上記式(16)中、y=V(t)、 ω=[V(t),I(t),I(t),I(t)]、θ=[−T,K・T,K,d] である。
したがって、電流検出部301で検出した電流計測値I(t)、および電圧検出部302で検出した電圧計測値V(t)にフィルタ処理した信号を、適応デジタルフィルタ演算に用いることで、電池内部状態を表す内部抵抗K、時定数TおよびT、パラメータdから構成される未知パラメータベクトルθを一括推定することができる。
本実施形態では、単純な「最小二乗法による適応デジタルフィルタ」の論理的な欠点(一度推定値が収束すると、その後パラメータが変化しても再度正確な推定ができないこと)を改善した「両限トレースゲイン方式」を用いる。すなわち、上記式(16)を前提にすると、適応デジタルフィルタにより未知パラメータベクトルθを推定するためのアルゴリズムは、下記式(17)となる。ここで、k時点の電池パラメータ推定値をθ^(k)とする。
Figure 2010203854
上記式(17)において、trace{U(k)}は行列U(k)のトレース(対角要素の和)を意味する。また、λ、λ、γ、γは設計パラメータであり、0<λ<1、0<λ<∞とする。λは適応デジタルフィルタの推定速度を設定する定数(調整ゲイン)であり、値を大きくすることにより推定速度は速くなるが、その反面ノイズの影響を受けやすくなる。γおよびγはそれぞれ行列U(k)のトレースの上下限を規定するパラメータであり、0<γ<γとなるように設定する。また、P(0)は十分大きな値を初期値とし、θ^(0)は非ゼロな十分小さな値を初期値とする。このようにして、適応デジタルフィルタ演算部305により、適応デジタルフィルタを用いた電池パラメータ(T,T,K,d)の推定が行われる。
そして、適応デジタルフィルタ演算部305は、次のようにして、推定した電池パラメータから、二次電池10の開路電圧Vを算出する。まず、上記式(8)を開路電圧Vについて整理すると、下記式(18)となる。
Figure 2010203854
開路電圧V(t)の変化は比較的に穏やかであるため、上記式(18)の両辺に安定なローパスフィルタ1/Glp(s)を乗じ、1/Glp(s)を乗じて得られた値を開路電圧推定値V^(t)として、下記式(19)によって推定する。
Figure 2010203854
そして、上記式(19)に、上記式(14)を代入すると、下記式(20)となる。
Figure 2010203854
よって、上記式(20)に、適応デジタルフィルタを用いて推定した電池パラメータ推定値(T,T,K)とローパスフィルタの出力(I(k)、I(k)、V(k)、V(k))を代入することで開路電圧の推定を行うことでき、これにより開路電圧推定値V^(t)を求めることができる。
そして、得られた開路電圧推定値V^(t)を用いて、適応デジタルフィルタ演算部305により予め取得した二次電池10の開路電圧−充電率特性に基づいて、二次電池10の充電率を推定することができ、これにより充電率推定値SOC^(t)を得ることができる。なお、二次電池10の開路電圧−充電率特性の一例を図4に示す。本実施形態では、二次電池10の開路電圧−充電率特性は、電子制御ユニット30に備えられたRAMに予め記憶されており、二次電池10について、予め実験などにより、開路電圧と充電率との関係を求めることにより得ることができる。
次いで、本実施形態における、内部状態推定処理および電流計測値の補正処理を、図5に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図5に示す処理は一定周期毎(本実施形態では、100msec毎)に実施される。以下の説明においては、I(k)は今回の実行周期の電流値(今回の計測値)、I(k−1)は1回前の実行周期での電流値(前回の計測値)とし、電流以外の値に関しても同様に表記する。なお、以下に説明する処理は、電子制御ユニット30により行われる。
まず、ステップS1では、電流検出部301、電圧検出部302、および温度検出部303により、電流計測値I(k)、電圧計測値V(k)、および温度計測値T(k)の取得が行われる。電流計測値I(k)は電流値補正部304に、電圧計測値V(k)は適応デジタルフィルタ演算部305に、温度計測値T(k)はタイミング設定部307に、それぞれ送出される。
ステップS2では、電流値補正部304により、電流検出部301にて検出された電流計測値I(k)の補正が行われ、電流補正値I(k)が算出される。具体的には、電流値補正部304は、後述のステップS6におけるオフセット量推定処理において、オフセット量推定部310により推定された電流計測値のオフセット量推定値I^、および予め設定された補正ゲインKに基づいて、上述の式(1)にしたがって、電流補正値I(k)を算出する。そして、算出された電流補正値I(k)は、適応デジタルフィルタ演算部305および電流値積算部306に送出される。なお、後述のステップS6におけるオフセット量推定処理が行われておらず、電流計測値のオフセット量推定値I^が算出されていない場合には、オフセット量推定値I^=0として、上述の式(1)にしたがって、電流補正値I(k)を算出する。
ここで、電流補正値I(k)を算出する際に、1以下のゲインKを用いることにより、オフセット量推定値I^に基づく、電流計測値の補正速度を適正なものとすることができ、その結果、一度に大きく補正され、実際のオフセット量から大きく離れた値となってしまうという問題を有効に防止することができる。
ステップS3では、適応デジタルフィルタ演算部305により、電流値補正部304により算出された電流補正値I(k)、および電圧検出部302により検出された電圧計測値V(k)に基づき、上述した方法にしたがい、適応デジタルフィルタ演算により、二次電池10の内部状態の推定(すなわち、上記式(7)で規定されるパラメータT,T,Kの算出、および開路電圧推定値V^(k)の算出)、および算出された開路電圧推定値V^(k)に基づく、充電率推定値SOC^(k)の算出が行われる。そして、算出された充電率推定値SOC^(k)は、第1電気量算出部308に送信される。また、推定された二次電池10の内部状態は、電子制御ユニット30による二次電池10の各種制御に用いられる。
ステップS4では、電流値積算部306により、電流値補正部304により算出された電流補正値I(k)の積算が行われ、電流積算値Q(k)が算出される。算出された電流積算値Q(k)は、第2電気量算出部309に送出される。
ステップS5では、タイミング設定部307により設定された所定時間Δtが経過しているか否か、すなわち、後述するステップ6におけるオフセット量推定処理が前回行われてから、所定時間Δtが経過しているか否かの判断が行われる。所定時間Δtが経過していない場合には、ステップS1に戻り、所定時間Δtが経過するまで、上述のステップS1〜S4の処理が繰り返される。一方、所定時間Δtが経過している場合には、ステップS6に進み、オフセット量推定処理が実行される。
ステップS6では、オフセット量推定処理が実行される。図6に、本実施形態におけるオフセット量推定処理のフローチャートを示す。
まず、図6に示すステップS61においては、第1電気量算出部308により、適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQの演算が行われる。変化量ΔQは、上述したように、ステップS3において算出された充電率推定値SOC^(k)、前回充電率推定値SOC^、および二次電池10の総容量Capに基づき、上述の式(3)にしたがって、算出される。
ここで、変化量ΔQの算出に用いられる二次電池10の総容量Capの算出方法としては、特に限定されないが、たとえば、適応デジタルフィルタ演算部305により算出された充電率推定値SOC^(k)と、電流値積算部306により算出された電流積算値Q(k)と基づいて、下記式(21)にしたがって求めることができる。ただし、二次電池10の総容量Capの算出方法としては、下記式(21)により求める方法に限定されない。
Figure 2010203854
上記式(21)中、右辺の分母における、SOC、SOCは、任意の時点t、tにおいて適応デジタルフィルタ演算部305により算出された充電率推定値SOC^(k)であり、右辺の分子は、任意の時点tからtまでに電流値積算部306により電流補正値I(k)を積算することにより得られた電流積算値(たとえば、Q(k)の積算値)のである。
ステップS62では、第2電気量算出部309により、電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQの演算が行われる。変化量ΔQは、上述したように、ステップS4において算出された電流積算値Q(k)、前回電流積算値Qに基づき、上述の式(4)にしたがって、算出される。
ステップS63では、オフセット量推定部310により、電流計40のゼロ点オフセット量の推定値であるのオフセット量推定値I^の算出が行われる。オフセット量推定値I^は、上述したように、ステップS61で算出された適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQ、ステップS62で算出された電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQ、およびタイミング設定部307により設定された所定時間Δtに基づき、上述の式(5)にしたがって、算出される。なお、所定時間Δtは、オフセット量推定処理が前回行われた際に、後述のステップS66において算出されたものが用いられる。
ステップS64では、電流値積算部306において算出された電流積算値Q(k)が、電流積算値初期値Qを用いて、初期化され、電流積算値Q(k)=電流積算値初期値Qとされる。
ステップS65では、第1電気量算出部308が、今回のオフセット量推定処理において電気量の変化量ΔQの算出に用いた充電率推定値SOC^(k)を、次回のオフセット量推定処理において用いるために、SOC^として電子制御ユニット30に備えられたRAMに保存する。
ステップS66では、タイミング設定部307により、温度検出部303により検出された温度計測値T(k)に基づいて、次回のオフセット量推定処理を行うまでの所定時間Δtの設定が行われ、オフセット量推定処理を終了する。そして、ステップS1に戻り、ステップS66で新たに設定された所定時間Δtが経過するまで、上述のステップS1〜S4の処理が繰り返され、所定時間Δtが経過することにより、再度、オフセット量推定処理が行われる。
本実施形態では、以上のようにして二次電池10の内部状態推定処理および電流計測値の補正処理が行われる。
図7、図8に、電池モデルを用いたシミュレーションにより、本実施形態の効果を検証した結果を示す。図7、図8においては、電流計測値のゼロ点オフセット量が+3[A]の一定値である場合におけるシミュレーション結果である。そして、図7は、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を100秒毎に行った場合(すなわち、Δt=100秒)におけるシミュレーション結果を、図8は、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を行わなかった場合におけるシミュレーション結果を、それぞれ示す。
なお、図7、図8においては、上から電流の変化を示すプロファイル、電圧の変化を示すプロファイル、電流計測値のゼロ点オフセット量、および充電率SOCを示しており、これらのうち、電流計測値のゼロ点オフセット量、および充電率SOCについては、推定値(実線)および真値(点線)を示した(以下、図9、図10、図11、および第2実施形態における図14においても同様)。
図7に示すように、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を行った場合には、電流計測値のゼロ点オフセット量を精度良く推定することができ(特に、400秒以降)、これにより、充電率SOCの推定値を真値に近づけることが可能となることが確認できる。一方、図8に示すように、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を行わなかった場合には、電流計測値のゼロ点オフセット量の影響により、充電率SOCの推定精度に劣る結果となることが確認できる。
また、図9、図10に、電池モデルを用いたシミュレーションにより、本実施形態の効果を検証した別の結果を示す。図9、図10においては、電流計測値のゼロ点オフセット量を最初の200秒までは+3[A]の一定値であり、その後、600秒までは+0.015[A/Sec]の割合で、ゼロ点オフセット量が増加していき、600秒以降に再び一定値となる場合におけるシミュレーション結果である。そして、図9は、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を100秒毎に行った場合(すなわち、Δt=100秒)におけるシミュレーション結果を、図10は、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を行わなかった場合におけるシミュレーション結果を、それぞれ示す。
図9に示すように、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を行った場合には、ゼロ点オフセット量が変化した場合でも、電流計測値のゼロ点オフセット量を精度良く推定することができ、これにより、充電率SOCの推定値を真値に近づけることが可能となることが確認できる。一方、図10に示すように、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を行わなかった場合には、ゼロ点オフセット量の変化により、充電率SOCの推定精度が大きく低下する結果となることが確認できる。
また、図11に、電池モデルを用いたシミュレーションにより、本実施形態の効果を検証したさらに別の結果を示す。図11においては、図9と同様に、電流計測値のゼロ点オフセット量を最初の200秒までは+3[A]の一定値であり、その後、600秒までは+0.015[A/Sec]の割合で、ゼロ点オフセット量が増加していき、600秒以降に再び一定値となる場合におけるシミュレーション結果である。そして、図11は、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を、最初の200秒までは、100秒毎に行い(すなわち、Δt=100秒)、その後、200秒〜700秒までは、50秒毎に行った場合(すなわち、Δt=50秒)におけるシミュレーション結果である。なお、図11に示すシミュレーション結果は、電流計40の温度を検出することにより、ゼロ点オフセット量の変動を検知し、これに基づき、所定時間Δtを短くすることで、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理の間隔を短くした場合のシミュレーション結果に相当する。
図11に示すように、ゼロ点オフセット量の変化に応じて、所定時間Δtを短く設定し、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理の間隔を短くすることで、電流計測値のゼロ点オフセット量の推定精度および充電率SOCの推定精度のさらなる向上が可能となることが確認できる。
本実施形態によれば、電流検出部301および電圧検出部302により検出された電流計測値I(k)および電圧計測値V(k)に基づき、適応デジタルフィルタ演算により、電池の内部状態を推定する際に、適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQ、および電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQに基づいて、電流計40のゼロ点オフセット量の推定値であるのオフセット量推定値I^を算出し、これを用いて、電流計測値の補正を行うものである。
ここで、適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQは、適応デジタルフィルタがその内部に純積分を持たないため、電流計測値に電流計40のゼロ点オフセット量に基づくオフセット誤差が存在する場合でも、オフセット該誤差は蓄積されないという性質を有している。一方、電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQは、電流計測値を積算していくことにより得られるものであるため、電流計測値に電流計40のゼロ点オフセット量に基づくオフセット誤差が存在する場合には、オフセット該誤差が蓄積されるという性質を有している。そして、本実施形態では、これらの異なる性質を有するΔQおよびΔQを用いて、電流計40のゼロ点オフセット量の推定値であるのオフセット量推定値I^を算出するものであるため、電流計測値の検出精度を向上させることができ、その結果として、適応デジタルフィルタ演算による二次電池10の内部状態の推定精度の向上が可能となる。
しかも、本実施形態によれば、推定されたオフセット量推定値I^をフィードバックして、電流計測値を補正し、補正後の電流補正値I(k)を用いて、適応デジタルフィルタ演算に基づく電気量の変化量ΔQ、および電流積算値Q(k)に基づく電気量の変化量ΔQを算出し、さらにオフセット量推定値I^を推定するものであるため、電流計測値の検出精度の更なる向上が可能となり、その結果として、適応デジタルフィルタ演算による二次電池10の内部状態の推定精度の更なる向上が可能となる。
また、本実施形態によれば、電流計40の温度変化に応じて、オフセット量推定処理を行うための間隔である所定時間Δtを変化させることにより、電流計40の温度変化に伴って、電流計40のゼロ点オフセット量が変化した場合でも、ゼロ点オフセット量の変化に良好に追従することができる。そして、これにより、電流計測値の検出精度の更なる向上が可能となり、その結果として、適応デジタルフィルタ演算による二次電池10の内部状態の推定精度の更なる向上が可能となる。
《第2実施形態》
次いで、本発明の第2実施形態について、説明する。
図12は、第2実施形態に係る二次電池の制御システムの構成を示す図、図13は、第2実施形態に係る電子制御ユニット30の機能ブロック図を示す。
第2実施形態においては、図12に示すように、電子制御ユニット30が、二次電池10を備える車両のイグニッション装置70からの信号を受信するようになっており、図13に示すように、温度検出部303の代わりに、イグニッション装置70からの信号を検出するイグニッションスイッチ状態検出部303aを備えている以外は、第1実施形態と同様の構成を有する。
第2実施形態に係る電子制御ユニット30に備えられたイグニッションスイッチ状態検出部303aは、イグニッション装置70からスイッチ状態を検出し、スイッチ状態信号SWIGNを、タイミング設定部307に送出する。そして、タイミング設定部307は、スイッチ状態信号SWIGNを受信することで、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtを設定する。具体的には、スイッチ状態信号SWIGNに基づき、イグニッションオンされてからの経過時間の長さに応じて、予め設定されているスイッチ状態−Δtテーブルに基づいて、所定時間Δtの長さを決定する。この場合において、スイッチ状態−Δtテーブルにおいては、イグニッションオンされてからの経過時間が所定値よりも小さい場合には、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtを短く設定されており、逆に、イグニッションオンされてからの経過時間が所定値以上である場合には、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtは長く設定されることとなる。
第2実施形態においては、このように、タイミング設定部307により所定時間Δtを設定する際に、電流計40の温度に代えて、イグニッション装置70のスイッチ状態に基づいて、設定される以外は、上述の第1実施形態と同様に機能する。
図14に、電池モデルを用いたシミュレーションにより、本実施形態の効果を検証した結果を示す。図14においては、図9と同様に、電流計測値のゼロ点オフセット量を最初の200秒までは+3[A]の一定値であり、その後、600秒までは+0.015[A/Sec]の割合で、ゼロ点オフセット量が増加していき、600秒以降に再び一定値となる場合におけるシミュレーション結果である。そして、図14は、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理を、最初の100秒までは、100秒毎に行い(すなわち、Δt=100秒)、その後、100秒〜600秒までは、50秒毎に行い(すなわち、Δt=50秒)、600秒〜700秒までは、100秒毎に行った場合(すなわち、Δt=100秒)におけるシミュレーション結果である。なお、図14に示すシミュレーション結果は、イグニッションスイッチ状態検出部303aが、イグニッション装置70からのイグニッション状態を検出し、これをタイミング設定部307が受信することにより、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtを、イグニッションオンされてからの経過時間の長さに応じて設定した場合のシミュレーション結果に相当する。
図14に示すように、イグニッションオンされてからの経過時間に応じて、本実施形態に係るオフセット量推定処理およびこれに基づく電流計測値の補正処理の間隔を制御することで、イグニッションオンによる暖機の影響により、ゼロ点オフセット量が変化した場合でも、電流計測値のゼロ点オフセット量の推定精度および充電率SOCの推定精度のさらなる向上が可能となることが確認できる。
第2実施形態によれば、上述の第1実施形態における効果に加えて次の効果を奏する。すなわち、二次電池10を搭載する車両においては、イグニッションスイッチがオンされる直前の状態は、通常、暖機前の状態であり、その後、イグニッションスイッチがオンされることにより、イグニッションスイッチがオンされてから時間の経過とともに、暖機されることとなる。すなわち、イグニッションスイッチがオンされた後においては、電流計の温度変化が大きく、ゼロ点オフセット量の変化も大きくなるため、イグニッションスイッチがオンされてからの経過時間に応じて、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtを制御することにより、ゼロ点オフセット量の変化に良好に追従することができる。そして、これにより、電流計測値の検出精度の更なる向上が可能となり、その結果として、適応デジタルフィルタ演算による二次電池10の内部状態の推定精度の更なる向上が可能となる。
なお、上述した実施形態において、電流計40および電流検出部301は電流検出手段に、電圧計50および電圧検出部302は電圧検出手段に、適応デジタルフィルタ演算部305は適応デジタルフィルタ演算手段および充電率推定手段に、第1電気量算出部308は第1電気量算出手段に、第2電気量算出部309は第2電気量算出手段に、オフセット量推定部310はオフセット量推定手段に、電流値積算部306は電流値算出手段に、電流値補正部304は補正手段に、タイミング設定部307はタイミング設定手段に、それぞれ相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、第1実施形態においては、温度センサ60を電流計40の近傍に設置し、この温度センサ60により検出された電流計40の温度に基づいて、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtを設定するような構成としたが、電流計40周辺の雰囲気温度、二次電池10の内部温度、二次電池10の表面温度、電流検出部301を備える電子制御ユニット30の開路表面の温度、または、電流検出部301を備える電子制御ユニット30の開路周辺の雰囲気温度に基づいて、オフセット量推定処理を行うための所定時間Δtを設定するような構成としてもよい。
10…二次電池
20…負荷
30…電子制御ユニット
301…電流検出部
302…電圧検出部
303…温度検出部
304…電流値補正部
305…適応デジタルフィルタ演算部
306…電流値積算部
307…タイミング設定部
308…第1電気量算出部
309…第2電気量算出部
310…オフセット量推定部
40…電流計
50…電圧計
60…温度センサ
70…イグニッション装置

Claims (7)

  1. 二次電池の内部状態を推定する内部状態推定装置であって、
    前記二次電池の電流を検出する電流検出手段と、
    前記二次電池の端子電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記二次電池の電池モデルを定義し、前記電流検出手段および電圧検出手段により検出された電流および端子電圧の計測値から、前記電池モデルを用いて適応デジタルフィルタ演算を行って、前記電池モデルのパラメータを一括推定することで、前記二次電池の内部状態を推定する適応デジタルフィルタ演算手段と、
    前記適応デジタルフィルタ演算手段により推定した前記二次電池の内部状態に基づいて、前記二次電池の開路電圧を推定し、予め求めた開路電圧と充電率との関係に基づいて、前記推定された開路電圧から、前記二次電池の充電率を推定する充電率推定手段と、
    前記充電率推定手段により推定した前記二次電池の充電率に基づいて、所定時間Δtにおける前記二次電池に充電されている電気量の変化量ΔQを算出する第1電気量算出手段と、
    前記検出手段により検出された電流の計測値に基づいて、所定時間Δtにおける前記二次電池に充電されている電気量の変化量ΔQを算出する第2電気量算出手段と、
    前記ΔQと、前記ΔQとの差分に基づいて、前記検出手段により検出された電流の計測値のオフセット量を推定するオフセット量推定手段と、
    を備える二次電池の内部状態推定装置。
  2. 前記オフセット量推定手段は、下記式(I)に従って、前記電流の計測値のオフセット量を推定することを特徴とする請求項1に記載の二次電池の内部状態推定装置。
    Figure 2010203854
    ただし、I^は、電流の計測値のオフセット量の推定値であり、I^における、「^」は推定値を意味する。
  3. 前記所定時間Δtにおいて、前記電流検出手段により検出された電流の計測値を積算して、電流の積算値を算出する電流値積算手段をさらに備え、
    前記第2電気量算出手段は、前記電流値算出手段により算出された電流の積算値に基づいて、前記ΔQを算出することを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池の内部状態推定装置。
  4. 前記電流検出手段により検出した電流の計測値から、前記オフセット量推定手段により推定された前記電流の計測値のオフセット量を減算して、電流の計測値を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の二次電池の内部状態推定装置。
  5. 前記電流検出手段および/または前記二次電池の温度に基づいて、前記所定時間Δtの長さを決定するタイミング設定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の二次電池の内部状態推定装置。
  6. 前記二次電池は、車両に搭載されており、
    前記タイミング設定手段は、前記車両に備えられたイグニッションスイッチがオンになってからの経過時間に応じて、前記所定時間Δtの長さを決定することを特徴とする請求項5に記載の二次電池の内部状態推定装置。
  7. 前記補正手段は、前記電流の計測値のオフセット量に、1以下の補正ゲインを乗算して、前記補正ゲインを乗算したオフセット量を用いて、電流の計測値を補正することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の二次電池の内部状態推定装置。
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