JP4862965B1 - 半導体ウェハ、半導体バー、半導体ウェハの製造方法、半導体バーの製造方法、半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半導体ウェハのエピタキシャル成長層を用いて、光半導体素子(具体的には、半導体レーザ)が、複数個、当該半導体ウェハの面方向に並べて形成されている。InGaAsエピタキシャル層は、複数の光半導体素子の間に連続的に設けられ、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分(具体的に言えば、開口部、或いは、溝)を備えている。この部分に沿ってスクライビングを行うことで、垂直進展したクラックを形成することができる。
【選択図】図1
Description
半導体ウェハの基板材料からなる基板層と、
前記基板層上に設けられ、前記基板層上にエピタキシャル成長させられた1つ以上の層を含む半導体層と、
前記半導体ウェハの平面方向に並ぶように前記半導体層を用いて形成された複数の半導体素子と、
を備え、
前記半導体層は、エピタキシャル成長させられたInGaAsエピタキシャル層を含み、
前記InGaAsエピタキシャル層は、前記複数の半導体素子を分割すべきラインに沿って設けられ、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を備えることを特徴とする。
半導体ウェハの基板材料からなる基板層と、
前記基板層上に設けられ、前記基板層上にエピタキシャル成長させられた1つ以上の層を含む半導体層と、
前記基板層上に設けられ、SiO2絶縁膜若しくはSiN絶縁膜、又は、これらと同等の条件でスクライブをしたときに前記基板層への垂直なクラックの形成を阻害する程度の硬さを有する絶縁膜である特定絶縁膜と、
前記半導体ウェハの平面方向に並ぶように前記半導体層を用いて形成された複数の半導体素子と、
を備え、
前記SiO2絶縁膜若しくは前記SiN絶縁膜又は前記特定絶縁膜は、前記複数の半導体素子の間に連続的に又は所定間隔おきに設けられ、当該SiO2絶縁膜若しくは当該SiN絶縁膜又は当該特定絶縁膜の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を備えることを特徴とする。
半導体バーの基板材料からなる基板層と、
前記基板層上に設けられ、前記基板層上にエピタキシャル成長させられた1つ以上の層を含む半導体層と、
前記半導体バーの長さ方向に並ぶように前記半導体層を用いて形成された複数の半導体素子と、
を備え、
前記半導体層は、エピタキシャル成長させられたInGaAsエピタキシャル層を含み、
前記InGaAsエピタキシャル層は、前記複数の半導体素子を分割すべきラインに沿って設けられ、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を備えることを特徴とする。
半導体バーの基板材料からなる基板層と、
前記基板層上に設けられ、前記基板層上にエピタキシャル成長させられた1つ以上の層を含む半導体層と、
前記基板層上に設けられ、SiO2絶縁膜若しくはSiN絶縁膜、又は、これらと同等の条件でスクライブをしたときに前記基板層への垂直なクラックの形成を阻害する程度の硬さを有する絶縁膜である特定絶縁膜と、
前記半導体バーの長さ方向に並ぶように前記半導体層を用いて形成された複数の半導体素子と、
を備え、
前記SiO2絶縁膜若しくは前記SiN絶縁膜又は前記特定絶縁膜は、前記複数の半導体素子の間に連続的に又は所定間隔おきに設けられ、当該SiO2絶縁膜若しくは当該SiN絶縁膜又は当該特定絶縁膜の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を備えることを特徴とする。
1つ以上のエピタキシャル層が形成され、当該エピタキシャル層を用いて複数の半導体素子が形成され、前記エピタキシャル層がInGaAsエピタキシャル層を含む半導体ウェハを製造する製造方法であって、
前記InGaAsエピタキシャル層に対して、前記複数の半導体素子の間に連続的に又は所定間隔おきに、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を形成する工程を含むことを特徴とする。
複数の半導体素子が形成され、SiO2絶縁膜若しくはSiN絶縁膜、又は、これらと同等の条件でスクライブをしたときに前記基板層への垂直なクラックの形成を阻害する程度の硬さを有する絶縁膜である特定絶縁膜を含む半導体ウェハを製造する製造方法であって、
前記SiO2絶縁膜若しくは前記SiN絶縁膜又は前記特定絶縁膜に対して、前記複数の半導体素子の間に連続的に又は所定間隔おきに設けられ、当該SiO2絶縁膜若しくは当該SiN絶縁膜又は当該特定絶縁膜の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を形成する工程を含むことを特徴とする。
1つ以上のエピタキシャル層が形成され、当該エピタキシャル層を用いて複数の半導体素子が形成され、前記エピタキシャル層がInGaAsエピタキシャル層を含む半導体バーを製造する製造方法であって、
前記InGaAsエピタキシャル層に対して、前記複数の半導体素子の間に連続的に又は所定間隔おきに、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を形成する工程を含むことを特徴とする。
複数の半導体素子が形成され、SiO2絶縁膜若しくはSiN絶縁膜、又は、これらと同等の条件でスクライブをしたときに前記基板層への垂直なクラックの形成を阻害する程度の硬さを有する絶縁膜である特定絶縁膜を含む半導体バーを製造する製造方法であって、
前記SiO2絶縁膜若しくは前記SiN絶縁膜又は前記特定絶縁膜に対して、前記複数の半導体素子の間に連続的に又は所定間隔おきに設けられ、当該SiO2絶縁膜若しくは当該SiN絶縁膜又は当該特定絶縁膜の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を形成する工程を含むことを特徴とする。
上記の第5若しくは第6の発明にかかる半導体ウェハの製造方法により製造された半導体ウェハ、又は、第7若しくは第8の発明にかかる半導体バーの製造方法により製造された半導体バーを準備する工程と、
前記半導体ウェハ又は前記半導体バーに対して、前記半導体ウェハの製造方法において設けられた前記非形成部分又は前記半導体バーの製造方法において設けられた前記非形成部分に、スクライブを行う工程と、
前記スクライブを行った後、当該スクライブにより形成したクラックを用いて前記半導体ウェハ又は前記半導体バーを分割することにより、前記半導体ウェハ又は前記半導体バーを半導体素子が形成されたチップ単位に分離する工程と、
を備えることを特徴とする。
[実施の形態1にかかる基本技術の説明]
本発明の実施の形態1にかかる半導体ウェハおよびその製造方法の具体的説明に先立って、実施の形態1にかかる基本技術の説明を行う。本願発明者は、鋭意研究を行ったところ、InPを基板材料とする半導体ウェハに対してスクライブを行うにあたり、InGaAsエピタキシャル層がある場合と無い場合とで、クラックの形成具合が大きく異なることを見出した。以下、この点についての説明を行う。
また、「垂直進展」、「垂直進展後、斜め」のいずれも、「クラックがその発生起点から先ず垂直に進展する」というクラック進展方向を表している。これに対し、図15にまとめられた結果は、「斜め後、垂直進展」などの、「クラックがその発生起点から先ず斜めに進展する」というクラック進展方向で占められている。この点を比較すると、図5に示す実験データを行った条件(つまり、図1に示す構成)のほうが、半導体基板に対して垂直なクラックを形成させやすいことがわかる。
なお、図5のなかの表では、6gfかつ50umのときに垂直進展が4つ見られており、最も良い結果が得られている。一方、8gfや10gfでは、垂直進展のN数が少ない。このことから、6gfと8gfの間に境界的な条件があると考えられる。また、その境界的な条件よりも荷重が小さい(6gf側)ほど、垂直進展になりやすいと考えられる。
一つ目の効果として、このようにInGaAs層を設けない部分をスクライブすると、スクライブ荷重を増加させていくにつれて、クラックが極小で分離不可の状態から、徐々に直下方向に真っ直ぐなクラックが長く伸びていくため、狙いとしてスクライブした位置からずれることを避けることができる。その結果、分離位置精度を向上させることができる。
劈開などによる分離位置精度が悪いと、チップを実装する際に、発光部又は受光部の位置に対してチップ外形精度が悪くなる。このため、自動チップ実装装置を使用する際にはチップ外形認識と発光部又は受光部の位置認識の両方が必要となる。これら両方の位置認識が必要であると、高価な実装装置が必要になる。
さらに詳しく述べれば、チップの外形がいびつであるほど、実装時のピックアップ(ピンセットや装置のコレット)でチップを把持する際、把持力による微小クラック形成やチッピング屑の発生を考慮した、高度な制御機能・調整が必要になる。把持力による微小クラックの形成は、チップの信頼性に影響する可能性がある。また、チッピング屑の発生は、屑噛み込みによるチップのダイボンディング不具合、ワイヤボンド不着不具合などを発生させる要因となり得るとともに、光半導体素子の場合は光路に付着すると光が遮断され不具合を生じる原因になり得る。
この点、実施の形態1にかかる基本技術を採用すれば、狙い通りの位置で垂直なクラック形成を行うことができるので、チップ外形精度を良好に確保したり、チップ分離後の後工程での種々の不具合の発生を抑制したりすることができる。
上述した実施の形態1にかかる基本技術、より具体的に言えば「スクライブによるクラック形成位置にはInGaAs層を設けない構成」は、下記のように各種具体的構成に適用することができる。
(i) 適用対象としては、半導体ウェハや半導体バーといったスクライブが予定される種々の構成に対して適用することができる。最小単位である半導体チップに分離される前段階の構成であれば、スクライブによるチップ分離を行うことがあるからである。
(ii) その場合、「スクライブする位置の直下、劈開する位置の直下、又はチップとして分離する位置の直下」の各位置を対象に、当該構成を適用することができる。
(iii) 適用の際には、スクライブする位置の直下、劈開する位置の直下、又はチップとして分離する位置の直下の一部のみに設けても良いし、或いはそれらの位置の全部(全域)に対して設けても良い。つまり、複数の半導体素子が並べられた半導体ウェハや半導体バーにおいて、(ii)で列挙した位置の全てに対して「スクライブによるクラック形成位置にはInGaAs層を設けない構成」を配置しても良いし、或いは、垂直なクラック形成やスクライブ荷重を小さくしたいなどの必要性がある位置のみに対して「スクライブによるクラック形成位置にはInGaAs層を設けない構成」を配置しても良い。この「InGaAs層を設けない構成」は、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分(具体的に言えば、開口部、或いは、溝)として提供されればよい。以下、この「InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分」を、「非形成部分」とも称す。
(iv) 非形成部分は、InGaAs層を設けない領域を連続的に延びるように設けてもよいし、InGaAs層を設けない領域が所定の距離を置きつつ並べられても良い。また、非形成部分は、複数の半導体素子を分割すべきラインに沿って、そのラインの一部(例えば、ラインの一方の端や、両端部にのみ)設けられてもよいし、そのラインの全部に設けられても良い。
半導体ウェハは、所望の電気的特性や光学的特性を有する半導体素子を得るために、InP基板全体にInPやInGaAsPやInGaAs等をエピタキシャル成長させたうえで、最小単位であるチップ単位でパターン化されたエッチングや転写や成膜(電気的絶縁膜、電極膜等の形成)を繰返すことによって製作されている。このように製作された半導体ウェハは、最終的には、製品の最小単位であるチップに分離される。
最小単位であるチップへの分離の前段階で、複数の半導体素子が設けられた半導体バーを製造し、この半導体バーの単位での取引も行われうる。半導体ウェハに限らず、半導体バーの段階でこれが商品として売買され、購買者側でスクライブ、劈開、チップ分離を行う、という実施形態が考えられる。ここでいう「半導体バー」とは、半導体素子(たとえば、光半導体素子であり、特に、半導体レーザなど共振器面を必要とする光半導体素子)が、一列または複数列に並べて形成された棒状(長方形状の)の構成をいう。半導体ウェハを分割する途中の段階で、このような半導体バーがいわば中間生成物として製造される。そこで、このような半導体バーに対して、上記の「実施の形態1にかかる基本技術」を適用することができる。
以下、本発明の実施の形態1にかかる半導体素子の製造方法について説明する。図6乃至11は、本発明の実施の形態1にかかる半導体ウェハ、半導体バー、および半導体素子の製造方法を説明するための図である。
以上により、実施の形態1にかかる半導体素子の製造を完了することができる。
実施の形態1では、一旦InGaAsエピタキシャル層を作成し、その後、所定の一部又は全部についてこのInGaAsエピタキシャル層を取り除くことにより、非形成部分つまり「InGaAsエピタキシャル層が設けられていない部分」を形成した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではない。
当初からInGaAsエピタキシャル層を所定の一部又は全部に作らないように製造を行う方法を採用しても良い。具体的には、エピタキシャル層を成長させる際にマスキングすることにより非形成部分の位置にInGaAsエピタキシャル層をエピタキシャル成長させないという工程を採用しうるならば、その工程を採用して、実施の形態1にかかる半導体ウェハとおなじ構造の半導体ウェハを作成すればよい。
このような場合でも、InGaAsエピタキシャル層を有さないことにより、同様な効果を得ることができる。なお、具体的な製造方法は、デバイスの構造によって様々となるが、要は最終ウェハ構造で実施の形態1の非形成部分の位置にInGaAsエピタキシャル層が設けられていなければ良い。
また、非形成部分におけるInGaAsエピタキシャル層の下の層については、必ずしも除去されていなくともよく、残されていてもよい。非形成部分に残存する「InGaAs以外のエピタキシャル層」のバリエーションとしては、例えば、InP、InGaAsP、またはFeInPのエピタキシャル層を挙げることができる。なお、絶縁膜はエピタキシャル層ではない。
あるいは、InGaAsエピタキシャル層の非形成部分の位置について積層膜をすべて除去して、半導体ウェハの下地基板の層(実施の形態1ではInP層)を外部に露出させるようにしても良い。
この点、実施の形態1によれば、スクライブ時のクラック形成についての支配的な要因がInGaAsエピタキシャル層の有無であることから、スクライブ時のクラックを垂直進展させるという効果をえる観点からは、InGaAsエピタキシャル層を優先的に取り除く(或いは作製しない)という措置で足りる。そこで、半導体ウェハや半導体バーの下地基板には溝を設けずに、InGaAsエピタキシャル層を取り除くのみの構成としても良く、さらには、半導体素子の構造上特に取り除く必要がない場合にはInGaAsエピタキシャル層以外のエピタキシャル層をあえて残すようにしてもよい。この場合には、前述した実施の形態1にかかる製造方法で述べたように、工程数の増加を抑制するという効果も得られる。
このような構成、製造方法は、本願発明者が鋭意研究により明らかにした「InGaAsエピタキシャル層の有無がクラック品質についての支配的な要因である」という技術的知見のもとで始めて見出すことの出来るものである。
すなわち、InGaAsエピタキシャル層が相当に薄い(例えば、わずか1μm程度)のに対して、ウェハ厚は通常100μm程度であり且つウェハ厚の殆どはInP基板であり、InP基板単体では6gfでも十分に品質の良い劈開ができる。このような状況下では、InP基板上のInGaAsエピタキシャル層の有無がクラックの品質にこれほど大きく利いているという事実を見出すことは、容易ではない。さらに、生産性向上の観点から設計レベルでの工数削減が取りざされている中で、わざわざそのような薄い(1μm程度の)エピタキシャル層を除去する工程を入れようとすることは当業者が通常考えるような事項ではなく、むしろ工程数増加という点が阻害要因として働くため当業者の動機付けを妨げるものである。本願発明者は、そのような状況下において更なる鋭意研究を進めた結果として、前述した実施の形態1にかかる基本技術を見出したものである。
実施の形態1では、本願発明者が見出した、InGaAsエピタキシャル層の有無がスクライブによるクラック形成に与える影響について説明をした。一方、本願発明者は、SiO2又はSiNといった電気的絶縁膜も、実施の形態1と同様に、スクライブによるクラック形成に大きな影響を与えていることも見出している。
SiO2又はSiNといった材料でなる電気的絶縁膜があると、「SiO2又はSiN」が硬いため、その下の半導体にクラックを入れるためには一定荷重以上のスクライブ荷重が必要となる。例えば、SiO2又はSiNの弾性域においては、SiO2又はSiN上をスクライブしても、SiO2又はSiNの下の半導体層にクラックが入り難い。そして、SiO2又はSiNが割れるほどの大きな荷重になると、ダイレクトに半導体に高荷重が掛かることにより、SiO2又はSiNがないときに高荷重で半導体をスクライブしたときと同じ現象が発生する。つまり、「SiO2又はSiN」が硬いため、下の半導体層に集中応力を伝え難く、「SiO2又はSiN」が割れる程度のスクライブ荷重がダイレクトに半導体に伝わると、InPの場合、クラックの先端に斜め成分が発生してしまう。その結果、図17のように、一定のスクライブ荷重を超えた段階で一気にクラックが進展する結果が得られている。
具体的には、上述した「実施の形態1にかかる基本技術」、「実施の形態1にかかる構成」、「実施の形態1にかかる製造方法」においてInGaAsエピタキシャル層に対して非形成部分を設けた技術を、「InGaAsエピタキシャル層」を「SiO2絶縁膜又はSiN絶縁膜」に読み替えたうえで、SiO2絶縁膜又はSiN絶縁膜を有する半導体ウェハ、半導体バー、半導体ウェハの製造方法、半導体バーの製造方法、および半導体素子の製造方法に対してそれぞれ用いることができる。なお、SiO2絶縁膜又はSiN絶縁膜が、半導体ウェハや半導体バーにおける各種の膜(半導体層、半導体エピタキシャル層、他の絶縁膜その他の下地基板上に積層される膜)の積層構造のいずれの層に位置するかは、半導体素子の具体的構造に応じて様々である。しかしながら、いずれの場合であっても、スクライブによりクラックを形成すべき位置において、実施の形態1で述べたのと同様に、SiO2絶縁膜又はSiN絶縁膜の非形成部分を設ければよい。
これにより、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、スクライブによる良好なクラックの形成、半導体ウェハや半導体バーの高品質な分割、高品質な劈開面の形成、および各種の生産性向上効果を得ることができる。
なお、必要に応じて、実施の形態1の変形例の欄で述べた各種変形例の内容を、実施の形態2にかかる半導体ウェハ、半導体バー、半導体ウェハの製造方法、半導体バーの製造方法、および半導体素子の製造方法に対してそれぞれ適用しても良い。
2 スクライブ位置
3 クラック
4 InP基板
5 エピタキシャル層
10 クラック
12 クラック
15 エピタキシャル層
25 電気的絶縁膜
30 クラック
100 半導体ウェハ
101 半導体レーザ素子形成領域
102 半導体ウェハ片
104 半導体バー
106a、106b 端面
120 半導体レーザ素子
132 ダイヤモンドツール
134 スクライブ傷
144 スクライブライン
140 ブレード
142 スリット(受け刃)
Claims (2)
- 半導体ウェハの基板材料からなる基板層と、
前記基板層上に設けられ、前記基板層上にエピタキシャル成長させられた1つ以上の層を含む半導体層と、
前記半導体ウェハの平面方向に並ぶように前記半導体層を用いて形成された複数の半導体素子と、
を備え、
前記半導体層は、エピタキシャル成長させられたInGaAsエピタキシャル層を含み、
前記InGaAsエピタキシャル層は、当該InGaAsエピタキシャル層の下の層を少なくとも当該InGaAsエピタキシャル層より上の層に対して露出させる部分である非形成部分を備え、前記非形成部分は前記複数の半導体素子を分割すべきラインに沿って設けられ、
前記半導体層は、前記InGaAsエピタキシャル層以外の1つ以上のエピタキシャル成長させられた他のエピタキシャル半導体層を含み、
前記半導体層のうち、前記InGaAsエピタキシャル層のみが前記非形成部分を備え、
前記InGaAsエピタキシャル層以外の前記他のエピタキシャル半導体層は、前記非形成部分の位置に、当該他のエピタキシャル半導体層の一部又は全部を残しており、
前記半導体素子は、劈開面を共振器面として用いる光半導体素子であり、
前記非形成部分は、複数の前記光半導体素子の前記共振器面を劈開により形成すべきラインに沿って、かつ、前記半導体ウェハの端部において前記共振器面の位置よりも手前の位置で終端するように設けられており、
前記非形成部分はスクライビングが行われる位置であることを特徴とする半導体ウェハ。 - 前記基板層がInPまたはGaAsであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体ウェハ。
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