JP4851058B2 - 新規重合体ならびに現場成形用液状ガスケット - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、硬化性組成物に関する。さらに詳しくは、自動車部品、電機部品、各種機械部品等において使用される液状シール剤で、特に耐熱性、耐油性に優れ、室温で湿分硬化することを特徴とするビニル系重合体からなる現場成形用液状ガスケットに関するものであり、また、架橋性シリル基を少なくとも1個有し、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物の耐油性を上回るビニル系重合体、ならびにその重合体を含有する硬化性組成物に関するものである。
背景技術
イオン重合や縮重合で得られる重合体の一方で、ラジカル重合で得られるビニル系の重合体で官能基、特に末端に官能基を有するものは、まだほとんど実用化されていない。ビニル系重合体の中でも、(メタ)アクリル系重合体は、高い耐候性、透明性等、上記のポリエーテル系重合体や炭化水素系重合体、あるいはポリエステル系重合体では得られない特性を有しており、アルケニル基や架橋性シリル基を側鎖に有するものは高耐候性の塗料等に利用されている。その一方で、アクリル系重合体の重合制御は、その副反応のために容易でなく、末端への官能基の導入等は非常に困難である。
アルケニル基を分子鎖末端に有するビニル系重合体を簡便な方法で得ることができれば、側鎖に架橋性基を有するものに比較して硬化物物性の優れた硬化物を得ることができる。従って、これまで多くの研究者によって、その製造法が検討されてきたが、それらを工業的に製造することは容易ではない。例えば特開平1−247403号公報、特開平5−255415号公報には連鎖移動剤としてアルケニル基含有ジスルフィドを用いる、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体の合成法が開示されている。
特開平5−262808号公報には、ヒドロキシル基を有するジスルフィドを用いて、両末端にヒドロキシル基を有するビニル系重合体を合成し、さらにヒドロキシル基の反応性を利用して、末端にアルケニル基を有する(メタ)アクリル系重合体の合成法が開示されている。
特開平5−211922号公報には、ヒドロキシル基を有するポリスルフィドを用いて、両末端にヒドロキシル基を有するビニル系重合体を合成し、さらにヒドロキシル基の反応性を利用して、末端にシリル基を有する(メタ)アクリル系重合体の合成法が開示されている。
これらの方法では、両末端に確実に官能基を導入することは困難であり、満足な特性を有する硬化物を得ることはできない。両末端に確実に官能基を導入するためには、連鎖移動剤を大量に使用しなければならず、製造工程上問題である。また、これらの方法では通常のラジカル重合が用いられているため、得られる重合体の分子量、分子量分布(数平均分子量と数平均分子量の比)のコントロールは困難である。
このような従来の技術に対し、発明者らは、これまでに様々な架橋性官能基を末端に有するビニル系重合体、その製造法、硬化性組成物、及び用途に関して数々の発明を行ってきた(特開平11−080249号公報、特開平11−080250号公報、特開平11−005815号公報、特開平11−116617号公報、特開平11−116606号公報、特開平11−080571号公報、特開平11−080570号公報、特開平11−130931号公報、特開平11−100433号公報、特開平11−116763号公報、特開平9−272714号公報、特開平9−272715号公報等を参照)。
例えば、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有し、室温においても湿分等によりシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「架橋性シリル基」とも言う)を有するビニル系重合体、あるいはその組成物から得られる硬化物は、耐熱性あるいは耐候性に優れ、特に限定はされないが、建築用弾性シーリング材シーラントや複層ガラス用シーリング材等のシーリング材、太陽電池裏面封止材等の電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材等の電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、注型材料、各種成形材料、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材等の様々な用途に利用可能である。
また、自動車部品や電機部品、各種機械部品等のシールに用いることも可能である。従来、自動車部品、電機部品、各種機械部品を組み立てラインで接合し、シールする方法としては、成形ガスケットをシール面間に介在させて圧接する方法や液状ガスケットをシール面間に介在させてシールする方法が採られていた。このうち液状ガスケットをシール面間に介在させてシールする方法については、組み付けライン上で液状シール剤をロボット等により自動塗布しながらシールする現場成形ガスケット方法=FIPG(Formed−In−Place−Gaskets)がその生産性の高さ、コストの安さ、シール性能の信頼性から主流となっている。FIPG材料としては大気中の水分と反応して硬化する室温硬化形シリコーン材料(シリコーンRTV)と、フランジ面で挟み込み酸素を遮断し、金属表面と接触することで短時間に室温硬化するウレタンアクリレートを主成分とした嫌気性ガスケットが主に使われている。その中で、特にシリコーンRTVが耐熱性の良さ、作業性の良さ、塗装フランジ面への適合性の良さ等から現在最も多く使用されている。
しかしながらシリコーンRTVを用いたFIPGでは近年、エンジンオイルをはじめとする各種オイルの高性能化にともない、オイル類がシリコーンゴムに与えるダメージが大きくなり、耐油性が問題になっている。従来、耐油性を解決するために各種の改良が試みられてきた。特開昭57−76055号公報に示されるシリコーンRTVに酸化マグネシウムを配合する方法や、特開昭59−80463号公報に示されるシリコーンRTVに炭酸亜鉛と、チアゾール、チウラムおよびジカルバミン酸塩を配合する方法、特開昭62−11768号公報に示されるシリコーンRTVに酸解離乗数が2.0〜12.0である弱酸のアルカリ金属塩を配合する方法、特開平1−14272号公報に示される1分子中にビニル基と水酸基をそれそれ1個ずつ有するシラン化合物を配合する方法、特開平3−203960号公報に示されるシリコーンRTVにイミノキシシランと水酸化亜鉛の含量が5〜50重量%である塩基性炭酸亜鉛を配合する方法等が挙げられるが、近年の高性能エンジンオイルであるSJグレードエンジンオイルやオートマチック車用のトランスミッションオイルやギヤーオイルの一部ではシリコーンに与えるダメージが大きく、以上のような解決手法では解決できない状況になってきている。
一方、耐油性に優れたFIPG材料としては特開昭58−187481号公報、特開昭64−112号公報、特公平3−32593号公報、特開昭61−2719号公報に示されるようなウレタン(メタ)アクリレート樹脂を主成分とした嫌気性樹脂が挙げられるが、これらは主鎖中にエーテル結合やエステル結合を有するために長期耐熱性に問題がある。また、ウレタン(メタ)アクリレートはシリコーン樹脂に比べ硬化後の柔軟性に欠ける等の欠点もあった。そこで本発明は耐熱性を確保しながら耐油性をもつ液状ガスケット、ならびにその素材を提供することを目的とする。
発明の要約
本発明者らは、上述の現状に鑑み、鋭意検討した結果、架橋性シリル基を少なくとも1個有する特定のビニル系重合体を用いることにより、上記課題を改善できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、湿分硬化性ビニル系重合体からなる現場成形用液状ガスケットに関するものである。また、湿分硬化性ビニル系重合体が、架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体である上記現場成形用液状ガスケット;耐油性を要求される部位のシールに用いられる上記現場成形用液状ガスケット;耐油性および耐熱性を要求される部位のシールに用いられる上記現場成形用液状ガスケット;自動車のエンジンの周辺に用いられる上記現場成形用液状ガスケット;自動車のオイルパン接合面のシールに用いられる上記現場成形用液状ガスケットに関する。
また、本発明は、湿分硬化性ビニル系重合体からなる現場成形用液状ガスケットであって、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物の耐油性を上回る上記現場成形用液状ガスケット;湿分硬化性ビニル系重合体からなる現場成形用液状ガスケットであって、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化率が50%以下である上記現場成形用液状ガスケット;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化が、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物よりも小さい上記現場成形用液状ガスケット;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での体積変化が、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物よりも小さい上記現場成形用液状ガスケットに関する。
さらに、本発明は、上記現場成形用液状ガスケットからなる現場成形ガスケット;上記現場成形用液状ガスケットを、耐油性を要求される部位に適用して硬化養生することを特徴とする現場成形ガスケットの製造方法に関する。
また、本発明は、架橋性シリル基を少なくとも1個有し、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物の耐油性を上回るビニル系重合体;
架橋性シリル基を少なくとも1個有し、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化率が50%以下であるビニル系重合体;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化が、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物よりも小さい上記ビニル系重合体;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での体積変化が、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物よりも小さい上記ビニル系重合体に関する。
さらに、本発明は、主鎖末端が架橋性シリル基である上記ビニル系重合体;
分子量分布が1.8未満である上記ビニル系重合体;
主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造される上記ビニル系重合体;
主鎖が、(メタ)アクリル系重合体である上記ビニル系重合体;
主鎖が、アクリル系重合体である上記ビニル系重合体;
主鎖が、アクリル酸エステル系重合体である上記ビニル系重合体;
主鎖が、アクリル酸エチル系重合体である上記ビニル系重合体;
主鎖が、リビングラジカル重合法により製造されるものである上記ビニル系重合体;
リビングラジカル重合が、原子移動ラジカル重合である上記ビニル系重合体;
原子移動ラジカル重合が、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とする上記ビニル系重合体;
触媒とする金属錯体が銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ばれる錯体である上記ビニル系重合体;
触媒とする金属錯体が銅の錯体である上記ビニル系重合体に関する。
また、本発明は、上記ビニル系重合体100重量部および硬化触媒0.1〜20重量部を含有する硬化性組成物;錫を含有する硬化触媒を用いる上記硬化性組成物;
上記ビニル系重合体100重量部および接着付与剤0.1〜20重量部を含有する硬化性組成物;接着付与剤がシランカップリング剤である上記硬化性組成物;上記ビニル系重合体100重量部および可塑剤5〜150重量部を含有する硬化性組成物;可塑剤がフタル酸系可塑剤である上記硬化性組成物;可塑剤が高分子可塑剤である上記硬化性組成物;
上記ビニル系重合体100重量部および充填材5〜1000重量部を含有する硬化性組成物;充填材がシリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラックからなる群から選ばれる少なくとも一種からなる上記硬化性組成物に関する。
発明の詳細な開示
以下に、本発明のビニル系重合体、当該重合体を含有する硬化性組成物および現場成形用液状ガスケットについて詳述する。
<<ビニル系重合体>>
<主鎖>
発明者らは、これまでに様々な架橋性官能基を重合体末端に有するビニル系重合体、その製造法、硬化性組成物、及び用途に関して数々の発明を行ってきた(特開平11−080249号公報、特開平11−080250号公報、特開平11−005815号公報、特開平11−116617号公報、特開平11−116606号公報、特開平11−080571号公報、特開平11−080570号公報、特開平11−130931号公報、特開平11−100433号公報、特開平11−116763号公報、特開平9−272714号公報、特開平9−272715号公報等を参照)。本発明のビニル系重合体としては特に限定されないが、上に例示した発明で開示される重合体をすべて好適に用いることができる。
本発明のビニル系重合体の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なお、本発明のビニル系重合体としては、アクリル酸ブチルの単独重合体は含まれないものとする。
ビニル系重合体の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群より選ばれる少なくとも1つのモノマーを主として重合して製造されるものであることが好ましい。
ここで「主として」とは、ビニル系重合体を構成する複数のモノマー単位のうち、含有モル%の一番多いことを意味する。
なかでも、生成物の物性等から、(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。より好ましくはアクリル系モノマーであり、さらに好ましくはアクリル酸エステルモノマーである。耐油性等を考慮すると、アクリル酸エチルモノマーが特に好ましい。
アクリル酸エチルの単独重合体は、耐油性、耐熱性に優れるが、低温特性(耐寒性)にやや劣る傾向がある。そのため、その低温特性を向上させるために、アクリル酸エチルの一部をアクリル酸ブチルに置き換えることも可能である。ただし、アクリル酸ブチルの比率を増やすに伴い、アクリル酸エチルの良好な耐油性が損なわれていくので、アクリル酸ブチルの比率は40%以下にするのが好ましく、30%以下にするのがより好ましい。また、耐油性を損なわずに低温特性等を改善するために、側鎖のアルキル基に酸素が導入されたアクリル酸2−メトキシエチルやアクリル酸2−エトキシエチル等を用いるのも好ましい。ただし、側鎖にエーテル結合を持つアルコキシ基の導入により耐熱性が劣る傾向があるので、耐熱性が要求されるときには、アクリル酸2−メトキシエチルやアクリル酸2−エトキシエチル等の比率は40%以下にするのが好ましい。各種用途や要求される目的に応じて、必要とされる耐油性、耐熱性、低温特性等の物性を考慮し、その比率を変化させ、適した重合体を得ることが可能である。例えば、限定はされないが耐油性、耐熱性及び低温特性等の物性バランスに優れている例としては、アクリル酸エチル/アクリル酸ブチル/アクリル酸2−メトキシエチル(重量比で40〜50/20〜30/30〜20)の共重合体等が挙げられる。
本発明においては、これらの好ましいモノマーを他のモノマーと共重合、さらにはブロック共重合させても構わなく、その際は、これらの好ましいモノマーが重量比で40%以上含まれていることが好ましい。なお、上記表現形式で(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および/またはメタクリル酸を表す。
本発明のビニル系重合体の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.7以下であり、さらに好ましくは1.6以下であり、なお好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは1.4以下であり、最も好ましくは1.3以下である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにて行い、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
本発明におけるビニル系重合体の数平均分子量は特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合、500〜1,000,000の範囲が好ましく、1,000〜100,000がより好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましい。
<主鎖の合成法>
本発明における、ビニル系重合体の合成法は、限定はされないが、制御ラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。以下にこれらについて説明する。
制御ラジカル重合
ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法」と、末端等の制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点がある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
「制御ラジカル重合法」は、さらに、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤法」と、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるため分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られないという問題点もある。
これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカップリング等による停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロールすることができる。
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義も後者である。
「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされている。その例としては、例えばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、1994年、116巻、7943頁に示されるようなコバルトポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1994年、27巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)等が挙げられる。
本発明において、これらのリビングラジカル重合のうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては、例えばMatyjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、7901頁,サイエンス(Science)1996年、272巻、866頁、WO96/30421号公報,WO97/18247号公報、WO98/01480号公報,WO98/40415号公報、あるいはSawamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)1995年、28巻、1721頁、特開平9−208616号公報、特開平8−41117号公報等に記載のものが挙げられる。
以下にリビングラジカル重合について詳細に説明していくが、その前に、後に説明するビニル系重合体の製造に用いることができる制御ラジカル重合のうちの一つ、連鎖移動剤を用いた重合について説明する。連鎖移動剤(テロマー)を用いたラジカル重合としては、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有したビニル系重合体を得る方法としては、次の2つの方法が例示される。
特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
以下に、リビングラジカル重合について説明する。
その中でも、まず、ニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピロリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
上記ラジカルキャッピング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジカルキャッピング剤1モルに対し、ラジカル発生剤0.1〜10モルが適当である。
ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができるが、重合温度条件下で、ラジカルを発生しうるパーオキシドが好ましい。このパーオキシドとしては、限定はされないが、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート類、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等が挙げられる。特にベンゾイルパーオキシドが好ましい。さらに、パーオキシドの代わりにアゾビスイソブチロニトリルのようなラジカル発生性アゾ化合物等のラジカル発生剤も使用しうる。
Macromolecules 1995,28,2993で報告されているように、ラジカルキャッピング剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下式のようなアルコキシアミン化合物を開始剤として用いても構わない。
Figure 0004851058
アルコキシアミン化合物を開始剤として用いる場合、それが上式で示されているような水酸基等の官能基を有するものを用いると、末端に官能基を有する重合体が得られる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
上記のニトロキシド化合物等のラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマー、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジカル重合について用いるものと同様で構わない。
原子移動ラジカル重合
次に、本発明のリビングラジカル重合法としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。具体的に例示するならば、
−CHX、C−C(H)(X)CH、C−C(X)(CH
(ただし、上の化学式中、Cはフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
−C(H)(X)−CO、R−C(CH)(X)−CO、R−C(H)(X)−C(O)R、R−C(CH)(X)−C(O)R
(式中、R、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
−C−SO
(上記式において、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有する有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物を用いることもできる。このような場合、一方の主鎖末端に重合を開始する官能基以外の官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合の生長末端構造を有するビニル系重合体が製造される。このような重合を開始する官能基以外の官能基としては、アルケニル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式(1)に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(R)=CH (1)
(式中、Rは水素、またはメチル基、R、Rは水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、Rは、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、Rは直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基R、Rの具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。RとRは他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
一般式(1)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物の具体例としては、
XCHC(O)O(CHCH=CH、HCC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH、(HC)C(X)C(O)O(CHCH=CH、CHCHC(H)(X)C(O)O(CHCH=CH
Figure 0004851058
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)XCHC(O)O(CHO(CHCH=CH、HCC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH、(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH、CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHCH=CH
Figure 0004851058
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CH−CH=CH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CH−CH=CH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CH−CH=CH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHCH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−O−(CH−CH=CH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CH−CH=CH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(2)で示される化合物が挙げられる。
C=C(R)−R−C(R)(X)−R−R (2)
(式中、R、R、R、R、Xは上記に同じ、Rは、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、RとしてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。Rが直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、RとしてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
一般式(2)の化合物を具体的に例示するならば、
CH=CHCHX、CH=C(CH)CHX、CH=CHC(H)(X)CH、CH=C(CH)C(H)(X)CH、CH=CHC(X)(CH、CH=CHC(H)(X)C、CH=CHC(H)(X)CH(CH、CH=CHC(H)(X)C、CH=CHC(H)(X)CH、CH=CHCHC(H)(X)−COR、CH=CH(CHC(H)(X)−COR、CH=CH(CHC(H)(X)−COR、CH=CH(CHC(H)(X)−COR、CH=CHCHC(H)(X)−C、CH=CH(CHC(H)(X)−C、CH=CH(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、o−,m−,p−CH=CH−(CH−C−SOX、o−,m−,p−CH=CH−(CH−O−C−SOX、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)等である。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一般式(3)に示す構造を有するものが例示される。
C(X)−R−R−C(H)(R)CH−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y) (3)
(式中、R、R、R、R、R、Xは上記に同じ、R、R10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはR10が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする)
一般式(3)の化合物を具体的に例示するならば、
XCHC(O)O(CHSi(OCH、CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(OCH、(CHC(X)C(O)O(CHSi(OCH、XCHC(O)O(CHSi(CH)(OCH、CHC(H)(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH、(CHC(X)C(O)O(CHSi(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数)
XCHC(O)O(CHO(CHSi(OCH、HCC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH、(HC)C(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH、CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CHSi(OCH、XCHC(O)O(CHO(CHSi(CH)(OCH、HCC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH、(HC)C(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH、CHCHC(H)(X)C(O)O(CHO(CH−Si(CH)(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは1〜20の整数、mは0〜20の整数)
o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH、o,m,p−XCH−C−(CHSi(OCH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CHSi(OCH、o,m,p−XCH−C−(CH−O−(CHSi(OCH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−(CH−O−(CHSi(OCH、o,m,p−XCH−C−O−(CHSi(OCH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CHSi(OCH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−Si(OCH、o,m,p−XCH−C−O−(CH−O−(CH−Si(OCH、o,m,p−CHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH、o,m,p−CHCHC(H)(X)−C−O−(CH−O−(CHSi(OCH
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式(4)で示される構造を有するものが例示される。
(R103−a(Y)Si−[OSi(R2−b(Y)−CH−C(H)(R)−R−C(R)(X)−R−R (4)
(式中、R、R、R、R、R、R、R10、a、b、m、X、Yは上記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CHO)SiCHCHC(H)(X)C、(CHO)(CH)SiCHCHC(H)(X)C、(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−COR、(CHO)Si(CHC(H)(X)−C、(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C、(CHO)Si(CHC(H)(X)−C、(CHO)(CH)Si(CHC(H)(X)−C
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
N−(CH−OC(O)C(H)(R)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
Figure 0004851058
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、Rは水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜20の整数) 成長末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
Figure 0004851058
(式中、Cはフェニレン基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
Figure 0004851058
(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、nは0〜20の整数、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
Figure 0004851058
(式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
Figure 0004851058
(式中、nは1〜20の整数、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
Figure 0004851058
(式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
この重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする遷移金属錯体である。さらに好ましいものとして、銅、ニッケル、ルテニウム又は鉄の錯体、特に、0価の銅、1価の銅、2価のニッケル、2価のルテニウム又は2価の鉄の錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子が添加される。好ましい配位子は、含窒素化合物であり、より好ましい配位子は、キレート型含窒素化合物であり、さらに好ましい配位子は、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミンである。また、2価の塩化ルテニウムのトリストリフェニルホスフィン錯体(RuCl(PPh)も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。さらに、2価の鉄のビストリフェニルホスフィン錯体(FeCl(PPh)、2価のニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl(PPh)、及び、2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr(PBu)も、触媒として好適である。
重合は無溶剤または各種の溶剤中で行うことができる。溶剤の種類としては、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独または2種以上を混合して用いることができる。
また、限定はされないが、重合は0℃〜200℃の範囲で行うことができ、好ましくは50〜150℃である。
本発明の原子移動ラジカル重合には、いわゆるリバース原子移動ラジカル重合も含まれる。リバース原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジカル重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、例えば、Cu(I)を触媒として用いた時のCu(II’)に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の平衡状態を生み出す方法である(Macromolecules 1999,32,2872参照)。
<官能基>
本発明のビニル系重合体は湿分により硬化するものである。なお、本発明において「湿分」とは、気体状または液体状の水を意味する。
硬化反応に関与する官能基としては、例えば水酸基、アミノ基、エポキシ基、アルケニル基、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基又は架橋性シリル基を挙げることができるが、架橋性シリル基が好ましい。ビニル系重合体が架橋性シリル基を有する場合、通常、現場成形用液状ガスケットの接着性が高くなる。また、架橋性シリル基を有するビニル系重合体に接着付与剤等を添加することにより、さらに接着性を向上させることができる。
架橋性官能基の数
ビニル系重合体の架橋性官能基の数は、特に限定されないが、組成物の硬化性、及び硬化物の物性の観点から、平均して1個以上有することが好ましく、より好ましくは1.1個以上4.0個以下、さらに好ましくは1.2個以上3.5個以下である。
架橋性官能基の位置
ビニル系重合体の架橋性官能基の位置は、特に限定されないが、本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋性官能基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全ての架橋性官能基を分子鎖末端に有するものである。
上記架橋性官能基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合体、中でも(メタ)アクリル系重合体を製造する方法は、特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報、特開平6−211922号公報等に開示されている。しかしながら、これらの方法は上記「連鎖移動剤法」を用いたフリーラジカル重合法であるので、得られる重合体は、架橋性シリル基を比較的高い割合で分子鎖末端に有する一方で、Mw/Mnで表される分子量分布の値が一般に2以上と大きく、粘度が高くなるという問題を有している。従って、分子量分布が狭く、粘度の低いビニル系重合体であって、高い割合で分子鎖末端に架橋性シリル基を有するビニル系重合体を得るためには、上記「リビングラジカル重合法」を用いることが好ましい。
以下にこれらの官能基について説明する。
架橋性シリル基
本発明の架橋性シリル基としては、一般式(5);
−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y) (5)
{式中、R、R10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはR10が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
で表される基が挙げられる。
加水分解性基としては、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等の一般に使用されている基が挙げられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基が特に好ましい。
加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+Σb)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性シリル基中に2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。架橋性シリル基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シロキサン結合等により連結されたケイ素原子の場合には、20個以下であることが好ましい。特に、一般式(6)
−Si(R103−a(Y) (6)
(式中、R10、Y、aは前記と同じ。)で表される架橋性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
なお、特に限定はされないが、硬化性を考慮するとaは2個以上が好ましい。 このような架橋性シリル基を有するビニル系重合体は珪素原子1つあたり2つの加水分解性基が結合してなる加水分解性珪素基を有する重合体が用いられることが多いが、接着剤の用途等や低温で使用する場合等、特に非常に速い硬化速度を必要とする場合、その硬化速度は充分ではなく、また硬化後の柔軟性を出したい場合には、架橋密度を低下させる必要があり、そのため架橋密度が充分でないためにべたつき(表面タック)があることもあった。その際には、aが3個のもの(例えばトリメトキシ官能基)であるのが好ましい。
また、aが3個のもの(例えばトリメトキシ官能基)は2個のもの(例えばジメトキシ官能基)よりも硬化性が早いが、貯蔵安定性や力学物性(伸び等)に関しては2個のものの方が優れている場合がある。硬化性と物性バランスをとるために、2個のもの(例えばジメトキシ官能基)と3個のもの(例えばトリメトキシ官能基)を併用してもよい。
<官能基導入法>
以下に、本発明のビニル系重合体への架橋性シリル基導入法について説明するが、これらに限定されるものではない。
まず、末端官能基変換により架橋性シリル基、アルケニル基、水酸基を導入する方法について記述する。これらの官能基はお互いに前駆体となりうるので、架橋性シリル基から遡る順序で記述していく。
なお、アミノ基、エポキシ基、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基の導入法については、特開2001−342350号公報に記載されている方法が挙げられる。
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成方法としては、 (A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体に、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法
(B)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法
(C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、1分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法
(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法
(E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、1分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法;等が挙げられる。
(A)の方法で用いるアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は種々の方法で得られる。以下に合成方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
(A−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式(9)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
C=C(R14)−R15−R16−C(R17)=CH (9)
(式中、R14は水素またはメチル基を示し、R15は−C(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示し、R16は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R17は水素、または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(A−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等のような重合性の低いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物を反応させる方法。
(A−c)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えばアリルトリブチル錫、アリルトリオクチル錫等の有機錫のようなアルケニル基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
(A−d)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(10)に挙げられるようなアルケニル基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
(R18)(R19)−R20−C(R17)=CH (10)
(式中、R17は上記に同じ、R18、R19はともにカルバニオンCを安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基を示す。R20は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。Mはアルカリ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
18、R19の電子吸引基としては、−COR、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(A−e)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にハロゲンやアセチル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させる方法。
(A−f)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(11)あるいは(12)に示されるようなアルケニル基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
C=C(R17)−R21−O (11)
(式中、R17、Mは上記に同じ。R21は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
C=C(R17)−R22−C(O)O (12)
(式中、R17、Mは上記に同じ。R22は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
等が挙げられる。
上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
またアルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体は、水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体から得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用できるがこれらに限定されるわけではない。水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基に、
(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
(A−h)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法。
(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法。
(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法;等が挙げられる。
本発明では(A−a)(A−b)のようなアルケニル基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御がより容易である点から(A−b)の方法がさらに好ましい。
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することによりアルケニル基を導入する場合は、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有する有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から(A−f)の方法がさらに好ましい。
また、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物としては特に制限はないが、代表的なものを示すと、一般式(13)で示される化合物が例示される。
H−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y) (13)
{式中、R、R10は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、RまたはR10が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基または加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。mは0〜19の整数である。ただし、a+mb≧1であることを満足するものとする。}
これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(14)
H−Si(R103−a(Y) (14)
(式中、R10、Y、aは前記に同じ)
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
上記の架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物をアルケニル基に付加させる際には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh,RhCl,RuCl,IrCl,FeCl,AlCl,PdCl・HO,NiCl,TiCl等が挙げられる。
(B)および(A−g)〜(A−j)の方法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限定されるものではない。
(B−a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式(15)に挙げられるような一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を第2のモノマーとして反応させる方法。
C=C(R14)−R15−R16−OH (15)
(式中、R14、R15、R16は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(B−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールを反応させる方法。
(B−c)例えば特開平5−262808号公報に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含有連鎖移動剤を多量に用いて、ビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−d)例えば特開平6−239912号公報、特開平8−283310号公報に示されるような過酸化水素あるいは水酸基含有開始剤を用いて、ビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−e)例えば特開平6−116312号公報に示されるようなアルコール類を過剰に用いて、ビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−f)例えば特開平4−132706号公報等に示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
(B−g)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、一般式(16)に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
(R18)(R19)−R20−OH (16)
(式中、R18、R19、R20、Mは上記に同じ)
18、R19の電子吸引基としては、−COR、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(B−h)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(17)あるいは(18)に示されるような水酸基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO−R21−O (17)
(式中、R21およびMは前記に同じ)
HO−R22−C(O)O (18)
(式中、R22およびMは前記に同じ)
(B−j)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(19)に示される化合物等が挙げられる。
C=C(R14)−R21−OH (19)
(式中、R14およびR21は上述したものと同様である。)
上記一般式(19)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
本発明では(B−a)〜(B−e)及び(B−j)のような水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を合成することが好ましい。制御がより容易である点から(B−b)の方法がさらに好ましい。
反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること(原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点から(B−i)の方法がさらに好ましい。
また、一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物としては、例えばγ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、必要により一般に知られているウレタン化反応の触媒を使用できる。
(C)の方法で用いる一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物としては、例えばトリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルジメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート等のような、下記一般式(20)で示すものが挙げられる。
C=C(R14)−R15−R23−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y) (20)
(式中、R、R10、R14、R15、Y、a、b、mは上記に同じ。R23は、直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。)
一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤としては、例えば特公平3−14068号公報、特公平4−55444号公報に示される、架橋性シリル基を有するメルカプタン、架橋性シリル基を有するヒドロシラン等が挙げられる。
(E)の方法で用いられる、上述の反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオンを併せ持つ化合物としては一般式(21)で示すものが挙げられる。
(R18)(R19)−R24−C(H)(R25)−CH−[Si(R2−b(Y)O]−Si(R103−a(Y) (21)
(式中、R、R10、R18、R19、Y、a、b、m、Mは前記に同じ。R24は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R25は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す。)
18、R19の電子吸引基としては、−COR、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
ここで、本発明のビニル系重合体は、好ましくは、
架橋性シリル基を少なくとも1個有し、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物の耐油性を上回るもの;
架橋性シリル基を少なくとも1個有し、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化率が50%以下であるもの;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化が、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物よりも小さいもの;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での体積変化が、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物よりも小さいものである。
本発明における「主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体」とは、架橋に関与する官能基が本発明のビニル系重合体と本質的に同じであり、その分子量が本発明のビニル系重合体の0.5〜1.5倍であり、さらに分子量分布の値が本発明のビニル系重合体の0.5〜1.5倍である、アクリル酸ブチルの単独重合体を意味する。
本発明における「JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油」とは、酸化防止剤及び清浄剤を添加した陸用内燃機関用潤滑油であり、引火点200℃以上、動粘度16.3mm/s以上21.9mm/s未満、粘度指数85以上、流動点−5℃以下等の性質を有するものである。
本発明における「JIS K 6258の浸漬試験」とは、上記潤滑油に対して、上記ビニル系重合体の硬化物の全面を浸漬し、浸漬前と浸漬後の寸法、質量、体積、表面積および引張強さ等の機械的性質の変化を測定するものである。
「耐油性が上回る」とは、浸漬前後での質量変化率、体積変化率、機械的性質の変化率等がより少ないことを意味する。
上記浸漬試験において、浸漬前後での質量変化率は、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。
また、浸漬前後での体積変化率、機械的性質の変化率は、それぞれ好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下である。 このように、上記性質を有する本発明のビニル系重合体は、特に耐油性に優れるものである。
<<硬化性組成物>>
本発明の硬化性組成物においては、硬化触媒や硬化剤が必要になるものがある。また、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
<硬化触媒・硬化剤>
架橋性シリル基を有する重合体は、従来公知の各種硬化触媒の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状としては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから樹脂状のものまで幅広く作成することができる。
このような硬化触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等の4価のスズ化合物類;オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫等の2価のスズ化合物類;モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類;アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩;ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のような、アミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール硬化触媒、さらには他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール硬化触媒等が例示できる。
これらの硬化触媒は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。この硬化触媒の配合量は、架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体100部(重量部、以下同じ)に対して0.1〜20部程度が好ましく、1〜10部がより好ましい。シラノール硬化触媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、シラノール硬化触媒の配合量がこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短くなり、作業性の点からも好ましくなくなる傾向がある。なお、特に限定はされないが、硬化性を制御するために錫系硬化触媒を用いるのが好ましい。
本発明の硬化性組成物においては、硬化触媒の活性をより高めるために、一般式(37)
49 Si(OR504−a (37)
(式中、R49およびR50は、それぞれ独立に、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基である。さらに、aは0、1、2、3のいずれかである。)で示されるシラノール基をもたないケイ素化合物を添加しても構わない。
前記ケイ素化合物としては、限定はされないが、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等の一般式(37)中のR49が、炭素数6〜20のアリール基であるものが、組成物の硬化反応を加速する効果が大きいために好ましい。特に、ジフェニルジメトキシシランやジフェニルジエトキシシランは、低コストであり、入手が容易であるために最も好ましい。
このケイ素化合物の配合量は、架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体100部に対して0.01〜20部程度が好ましく、0.1〜10部がより好ましい。ケイ素化合物の配合量がこの範囲を下回ると硬化反応を加速する効果が小さくなる場合がある。一方、ケイ素化合物の配合量がこの範囲を上回ると、硬化物の硬度や引張強度が低下することがある。
<接着付与剤>
本発明の組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着付与剤を添加することができる。接着付与剤を添加すると、外力により目地幅等が変動することによって、シーリング材がサイディングボード等の被着体から剥離する危険性をより低減することができる。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、施工作業の簡略化が期待される。
シランカップリング剤としては、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニル基、イソシアネート基、イソシアヌレートまたはハロゲン等の官能基をもったシランカップリング剤等が例示できる。その具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、ブロックイソシアネートシラン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
本発明の硬化性組成物に添加されるシランカップリング剤の効果は、各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタル等の無機基材や、塩化ビニル、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の有機基材に用いた場合、ノンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著しい接着性改善効果を示すことである。ノンプライマー条件下で使用した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効果が特に顕著である。
シランカップリング剤以外の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
上記接着付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。これら接着付与剤は、添加することにより被着体に対する接着性を改善することができる。
当該接着付与剤の配合量は、ビニル系重合体100部に対し、0.1〜20部が好ましく、0.5〜10部がより好ましい。なお、接着性、特にオイルパン等の金属被着面に対する接着性を向上させるためには、上記接着付与剤の中でもシランカップリング剤を0.1〜20重量部使用することが好ましい。
<可塑剤>
本発明の硬化性組成物には、各種分子可塑剤を必要に応じて用いても良い。可塑剤を後述する充填材と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填材を混合できたりするためより有利となるが、必ずしも添加しなければならないものではない。可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に変換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる。好ましくは、フタル酸系可塑剤(フタル酸エステル類)、高分子可塑剤である。
なかでも数平均分子量500〜15000の重合体である高分子可塑剤は、添加することにより、該硬化性組成物の粘度やスランプ性および該組成物を硬化して得られる硬化物の引張り強度、伸び等の機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を長期にわたり維持し、該硬化物にアルキッド塗料を塗布した場合の乾燥性(塗装性ともいう)を改良できる。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能基を有しても有しなくても構わない。
上記で高分子可塑剤の数平均分子量は、500〜15000と記載したが、好ましくは800〜10000であり、より好ましくは1000〜8000である。分子量が低すぎると熱や降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できず、アルキッド塗装性が改善できない。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。
これらの高分子可塑剤のうちでは、ビニル系重合体と相溶するものが好ましい。中でも相溶性および耐候性、耐熱性の点からビニル系重合体の高分子可塑剤が好ましい。ビニル系重合体の中でも(メタ)アクリル系重合体が好ましく、アクリル系重合体がより好ましい。このアクリル系重合体の合成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続重合法(USP4414370号公報、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、USP5010166号公報)にて作製されるため、本発明の目的にはより好ましい。その例としては特に限定されないが、東亞合成品UPシリーズ等が挙げられる(工業材料1999年10月号参照)。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合をも挙げることができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭く、低粘度化が可能なことから好ましく、さらには原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定されるものではない。
高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましく、1.8未満が好ましい。1.7以下がより好ましく、1.6以下がさらに好ましく、1.5以下がなお好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。
上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤をさらに併用しても良い。
なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
可塑剤を用いる場合の使用量は、特に限定されないが、ビニル系重合体100重量部に対して、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜120重量部、さらに好ましくは20〜100重量部である。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しにくくなり、150重量部を越えると硬化物の機械強度が不足する傾向がある。
<充填材>
本発明の硬化性組成物には、各種充填材を必要に応じて用いても良い。充填材としては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、ケイソウ土、白土、シリカ(フュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ等)、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラックのような補強性充填材;炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム等)、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛およびシラスバルーン等のような充填材;石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等のような繊維状充填材等が挙げられる。
これら充填材のうちでは、フュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ等のシリカ、ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルク等が好ましい。また、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる少なくとも一種がより好ましい。
特に、これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カルシウム、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華等から選ばれる充填材を添加できる。なかでも、比表面積(BET吸着法による)が50m/g以上、好ましくは50〜400m/g、より好ましくは100〜300m/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。また、その表面が、オルガノシラン、オルガノシラザン、ジオルガノシクロポリシロキサン等の有機ケイ素化合物で予め疎水処理されたシリカがさらに好ましい。なお、補強性の高い上記シリカ系充填材のより具体的な例としては、特に限定されないが、フュームドシリカの1つである日本アエロジル社のアエロジルや、沈降性シリカの1つである日本シリカ社工業のNipsil等が挙げられる。
また、低強度で伸びが大である硬化物を得たい場合には、主に酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸化亜鉛およびシラスバルーン等から選ばれる充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸カルシウムは、比表面積が小さいと、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果はより大きくなる。
さらに、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ましい。表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを用いた場合に比較して、本発明の組成物の作業性を改善し、該硬化性組成物の接着性と耐候接着性の改善効果がより向上すると考えられる。前記の表面処理剤としては、脂肪酸、脂肪酸石鹸、脂肪酸エステル等の有機物や各種界面活性剤、および、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の各種カップリング剤が用いられている。具体例としては、以下に限定されるものではないが、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カリウム等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステル等が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール硫酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、また、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸、アルキルスルホコハク酸等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられる。この表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、0.1〜20重量%の範囲で処理するのが好ましく、1〜5重量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が0.1重量%未満の場合には、作業性、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、20重量%を越えると、該硬化性組成物の貯蔵安定性が低下することがある。
特に限定はされないが、炭酸カルシウムを用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性等の改善効果を特に期待する場合には、膠質炭酸カルシウムを用いるのが好ましい。
一方、重質炭酸カルシウムは配合物の低粘度化や増量、コストダウン等を目的として添加することがあるが、この重質炭酸カルシウムを用いる場合は必要に応じて下記のようなものを使用することができる。
重質炭酸カルシウムとは、天然のチョーク(白亜)、大理石、石灰石等を機械的に粉砕・加工したものである。粉砕方法については乾式法と湿式法があるが、湿式粉砕品は本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性を悪化させることが多いために好ましくないことが多い。重質炭酸カルシウムは、分級により、様々な平均粒子径を有する製品となる。特に限定されないが、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果を期待する場合には、比表面積の値が1.5m/g以上50m/g以下のものが好ましく、2m/g以上50m/g以下がより好ましく、2.4m/g以上50m/g以下がさらに好ましく、3m/g以上50m/g以下が特に好ましい。比表面積が1.5m/g未満の場合には、その改善効果が充分でないことがある。もちろん、単に粘度を低下させる場合や増量のみを目的とする場合等はこの限りではない。
なお、比表面積の値とは、測定方法としてJIS K 5101に準じて行なった空気透過法(粉体充填層に対する空気の透過性から比表面積を求める方法)による測定値をいう。測定機器としては、島津製作所製の比表面積測定器SS−100型を用いるのが好ましい。
これらの充填材は目的や必要に応じて単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。特に限定はされないが、例えば、必要に応じて比表面積の値が1.5m/g以上の重質炭酸カルシウムと膠質炭酸カルシウムを組み合わせると、配合物の粘度の上昇を程々に抑え、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が大いに期待できる。
充填材を用いる場合の添加量は、ビニル系重合体100重量部に対して、充填材を5〜1000重量部の範囲で使用するのが好ましく、20〜500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、40〜300重量部の範囲で使用するのがさらに好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、1000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがある。上記充填材は単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
<微小中空粒子>
また、さらに、物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子を上記充填材に併用しても良い。
このような微小中空粒子(以下バルーンという)は、特に限定はされないが、「機能性フィラーの最新技術」(CMC)に記載されているように、直径が1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは200μm以下の無機質あるいは有機質の材料で構成された中空体が挙げられる。特に、真比重が1.0g/cm以下である微小中空体を用いることが好ましく、さらには0.5g/cm以下である微小中空体を用いることが好ましい。
前記無機系バルーンとして、珪酸系バルーンと非珪酸系バルーンとが例示でき、珪酸系バルーンには、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン等が、非珪酸系バルーンには、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等が例示できる。これらの無機系バルーンの具体例として、シラスバルーンとしてイヂチ化成製のウインライト、三機工業製のサンキライト、ガラスバルーンとして日本板硝子製のカルーン、住友スリーエム製のセルスターZ−28、EMERSON&CUMING製のMICRO BALLOON、PITTSBURGE CORNING製のCELAMIC GLASSMODULES、3M製のGLASS BUBBLES、シリカバルーンとして旭硝子製のQ−CEL、太平洋セメント製のE−SPHERES、フライアッシュバルーンとして、PFAMARKETING製のCEROSPHERES、FILLITE U.S.A製のFILLITE、アルミナバルーンとして昭和電工製のBW、ジルコニアバルーンとしてZIRCOA製のHOLLOW ZIRCONIUM SPHEES、カーボンバルーンとして呉羽化学製クレカスフェア、GENERAL TECHNOLOGIES製カーボスフェアが市販されている。
前記有機系バルーンとして、熱硬化性樹脂のバルーンと熱可塑性樹脂のバルーンが例示でき、熱硬化性のバルーンにはフェノールバルーン、エポキシバルーン、尿素バルーンが、熱可塑性バルーンにはサランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン−アクリル系バルーンが例示できる。また、架橋した熱可塑性樹脂のバルーンも使用できる。ここでいうバルーンは、発泡後のバルーンでも良く、発泡剤を含むものを配合後に発泡させてバルーンとしても良い。
これらの有機系バルーンの具体例として、フェノールバルーンとしてユニオンカーバイド製のUCAR及びPHENOLIC MICROBALLOONS、エポキシバルーンとしてEMERSON&CUMING製のECCOSPHERES、尿素バルーンとしてEMERSON&CUMING製のECCOSPHERES VF−O、サランバルーンとしてDOW CHEMICAL製のSARAN MICROSPHERES、日本フィラメント製のエクスパンセル、松本油脂製薬製のマツモトマイクロスフェア、ポリスチレンバルーンとしてARCO POLYMERS製のDYLITE EXPANDABLE POLYSTYRENE、BASF WYANDOTE製のEXPANDABLE POLYSTYRENE BEADS、架橋型スチレン−アクリル酸バルーンとして日本合成ゴム製のSX863(P)が、市販されている。
上記バルーンは単独で使用しても良く、2種類以上混合して用いても良い。さらに、これらバルーンの表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、ロジン、ロジン酸リグニン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤、ポリプロピレングリコール等で分散性および配合物の作業性を改良するために処理したものも使用することができる。これらのバルーンは、配合物を硬化させた場合の物性のうち、柔軟性および伸び・強度を損なうことなく、軽量化させコストダウンするために使用される。
バルーンの含有量は、特に限定されないがビニル系重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜50部、より好ましくは0.1〜30部の範囲で使用できる。この量が0.1部未満では軽量化の効果が小さく、50部以上ではこの配合物を硬化させた場合の機械特性のうち、引張強度の低下が認められることがある。またバルーンの比重が0.1以上の場合は、好ましくは3〜50部、より好ましくは5〜30部である。
<物性調整剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。
物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。上記物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<シラノール含有化合物>
本発明の硬化性組成物には、硬化物の物性を変える等の必要に応じてシラノール含有化合物を添加しても良い。シラノール含有化合物とは、分子内に1個のシラノール基を有する化合物、及び/又は、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物のことをいう。これらは一方のみを用いてもよいし、両化合物を同時に用いてもよい。
シラノール含有化合物の一つである分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、特に限定されず、下記に示した化合物、
(CHSiOH、(CHCHSiOH、(CHCHCHSiOH、(n−Bu)SiOH、(sec−Bu)SiOH、(t−Bu)SiOH、(t−Bu)Si(CHOH、(C11SiOH、(C13SiOH、(CSiOH、(CSi(CH)OH、(C)Si(CHOH、(CSi(C)OH、CSi(COH、CCHSi(COH、C10Si(CHOH
(ただし、上記式中Cはフェニル基を、C10はナフチル基を示す。)等のような(R”)SiOH(ただし式中R”は同一または異種の置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基)で表すことができる化合物、
Figure 0004851058
等のようなシラノール基を含有する環状ポリシロキサン化合物、
Figure 0004851058
等のようなシラノール基を含有する鎖状ポリシロキサン化合物、
Figure 0004851058
等のような主鎖が珪素、炭素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物、
Figure 0004851058
等のようなポリシラン主鎖末端にシラノール基が結合した化合物、
Figure 0004851058
等のような主鎖が珪素、炭素、酸素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物等が例示できる。このうち下記一般式(45)で表される化合物が好ましい。
(R58SiOH (45)
(式中、R58は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR58は同一であってもよく又は異なっていてもよい。)
27は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
中でも、入手が容易であり、効果の点から分子量の小さい(CHSiOH等が好ましい。
上記、分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、ビニル系重合体の架橋性シリル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
また、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、水分と反応して生成する分子内に1個のシラノール基を有する化合物(加水分解生成物)が、上記一般式(45)で表される化合物が好ましい。例えば、特に限定されるわけではないが、後述するような一般式(46)で表される化合物以外に下記の化合物を挙げることができる。
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、N−(t−ブチルジメチルシリル)N−メチルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物、(CHSiNHSi(CH、(CHSiNSi(CH
Figure 0004851058
等が好適に使用できるが加水分解生成物の含有シラノール基の量からは(CHSiNHSi(CHが特に好ましい。
さらには、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、上記化合物以外に下記一般式(46)で表される化合物が好ましい。
((R58SiO)59 (46)
(式中、R58は上述したものと同様である。nは正数を、R59は活性水素含有化合物から一部あるいは全ての活性水素を除いた基を示す。)
58は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
(R58Si基は、3個のR58が全てメチル基であるトリメチルシリル基が特に好ましい。また、nは1〜5が好ましい。
上記R59の由来となる活性水素含有化合物としては特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類;フェノール、クレゾール、ビスフェノールA、ヒドロキノン等のフェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等のカルボン酸類;アンモニア;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、n−ブチルアミン、イミダゾール等のアミン類;アセトアミド、ベンズアミド等の酸アミド類、尿素、N,N’−ジフェニル尿素等の尿素類;アセトン、アセチルアセトン、2,4−ヘプタジオン等のケトン類等が挙げられる。
上記一般式(46)で表される水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、例えば上述の活性水素含有化合物等に、トリメチルシリルクロリドやジメチル(t−ブチル)クロリド等のようなシリル化剤とも呼ばれる(R58Si基とともにハロゲン基等の活性水素と反応し得る基を有する化合物を反応させることにより得ることができるが、これらに限定されるものではない(ただし、R58は上述したものと同様である。)。
上記一般式(46)で表される化合物を具体的に例示すると、アリロキシトリメチルシラン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、N−メチル−N−トリメチルシリルトリフルオロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、N−(t−ブチルジメチルシリル)N−メチルトリフルオロアセトアミド、(N,N−ジメチルアミノ)トリメチルシラン、(N,N−ジエチルアミノ)トリメチルシラン、ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N−(トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルフォネート、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物、等が挙げられるが、これらに限定されない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、一般式(((R60SiO)(R61O)Zで表すことができるような化合物、CHO(CHCH(CH)O)Si(CH、CH=CHCH(CHCH(CH)O)Si(CH、(CHSiO(CHCH(CH)O)Si(CH、(CHSiO(CHCH(CH)O)Si(CH
(式中、R60は同一または異種の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基または水素原子、R61は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、s、tは正の整数で、sは1〜6、s×tは5以上、Zは1〜6価の有機基)
等も好適に使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物の中では、貯蔵安定性、耐候性等に悪影響を及ぼさない点で、加水分解後に生成する活性水素化合物はフェノール類、酸アミド類及びアルコール類が好ましく、活性水素化合物が水酸基であるフェノール類およびアルコール類がより好ましい。
上記の化合物の中では、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、N−(トリメチルシリル)アセトアミド、トリメチルシリルフェノキシド、n−オクタノールのトリメチルシリル化物、2―エチルヘキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物等が好ましい。
この水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、貯蔵時、硬化時あるいは硬化後に水分と反応することにより、分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成する。この様にして生成した分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、上述のようにビニル系重合体の架橋性シリル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
シラノール含有化合物の添加量は、硬化物の期待物性に応じて適宜調整可能である。シラノール含有化合物は、ビニル系重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.3〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜10重量部添加できる。0.1重量部未満では添加効果が現れにくく、50重量部を越えると架橋が不十分になり、硬化物の強度やゲル分率が低下する傾向がある。
また、シラノール含有化合物をビニル系重合体に添加する時期は特に限定されず、ビニル系重合体の製造時に添加してもよく、硬化性組成物の作製時に添加してもよい。
<チクソ性付与剤(垂れ防止剤)>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。
また、垂れ防止剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<光硬化性物質>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光硬化性物質を添加しても良い。光硬化性物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学変化をおこし、硬化等の物性的変化を生ずるものである。この光硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。この光硬化性物質は、光をあてることにより硬化し得る物質であるが、代表的な光硬化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に1日間、室温で静置することにより硬化させることができる物質である。この種の化合物には、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物等多くのものが知られており、その種類は特に限定されないが、例えば、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が挙げられる。
不飽和アクリル系化合物は、下記一般式(47)で表される不飽和基を有する単量体、オリゴマーあるいはこれらの混合物である。
CH=CHR62CO(O)− (47)
式中、R62は、水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す。
不飽和アクリル系化合物としては、具体的には、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルアルコール等の低分子量アルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類;ビスフェノールA、イソシアヌル酸等の酸あるいは上記低分子量アルコール等をエチレンオキシドやプロピレンオキシドで変性したアルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類;主鎖がポリエーテルで末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール、主鎖がポリエーテルであるポリオール中でビニル系モノマーをラジカル重合することにより得られるポリマーポリオール、主鎖がポリエステルで末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、主鎖がビニル系あるいは(メタ)アクリル系重合体であり、主鎖中に水酸基を有するポリオール等の(メタ)アクリル酸エステル類;ビスフェノールA型やノボラック型等のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得られるエポキシアクリレート系オリゴマー類;ポリオール、ポリイソシアネートおよび水酸基含有(メタ)アクリレート等を反応させることにより得られる分子鎖中にウレタン結合および(メタ)アクリル基を有するウレタンアクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
ポリケイ皮酸ビニル類とは、シンナモイル基を感光基とする感光性樹脂であり、ポリビニルアルコールをケイ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリケイ皮酸ビニル系誘導体が挙げられる。
アジド化樹脂は、アジド基を感光基とする感光性樹脂として知られており、通常はアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液のほか「感光性樹脂」(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、93頁〜、106頁から、117頁〜)に詳細な例示があり、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加えて使用することができる。
上記の光硬化性物質の中では、取り扱い易いという理由で不飽和アクリル系化合物が好ましい。
光硬化性物質は、ビニル系重合体100重量部に対して0.01〜20重量部添加するのが好ましい。0.01重量部未満では効果が小さく、また20重量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。なお、ケトン類、ニトロ化合物等の増感剤やアミン類等の促進剤を添加すると、効果が高められる場合がある。
<空気酸化硬化性物質>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加しても良い。空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋硬化できる不飽和基を有する化合物である。この空気酸化硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。本発明における空気酸化硬化性物質は、空気と接触させることにより硬化し得る物質であり、より具体的には、空気中の酸素と反応して硬化する性質を有するものである。代表的な空気酸化硬化性物質は、例えば空気中で室内に1日間静置することにより硬化させることができる。
空気酸化硬化性物質としては、例えば、桐油、アマニ油等の乾性油;これら乾性油を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂;1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンを、C5〜C8ジエンの重合体や共重合体、さらには該重合体や共重合体の各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物等)等が具体例として挙げられる。これらのうちでは桐油、ジエン系重合体のうちの液状物(液状ジエン系重合体)やその変性物が特に好ましい。
上記液状ジエン系重合体の具体例としては、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等のジエン系化合物を重合又は共重合させて得られる液状重合体や、これらジエン系化合物と共重合性を有するアクリロニトリル、スチレン等の単量体とをジエン系化合物が主体となるように共重合させて得られるNBR,SBR等の重合体やさらにはそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物等)等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これら液状ジエン系化合物のうちでは液状ポリブタジエンが好ましい。
空気酸化硬化性物質は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また空気酸化硬化性物質と同時に酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用すると効果を高められる場合がある。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、オクチル酸コバルト、オクチル酸ジルコニウム等の金属塩やアミン化合物等が例示される。
空気酸化硬化性物質は、ビニル系重合体100重量部に対して0.01〜20重量部添加するのが好ましい。0.01重量部未満では効果が小さく、また20重量部を越えると物性への悪影響が出ることがある。
<酸化防止剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて酸化防止剤を添加しても良い。酸化防止剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
例えば、MARK PEP−36、MARK AO−23等のチオエーテル系(以上いずれもアデカア−ガス化学製)、Irgafos38、Irgafos168、IrgafosP−EPQ(以上いずれも日本チバガイギー製)等のようなリン系酸化防止剤等が挙げられる。なかでも、以下に示したようなヒンダードフェノール系化合物が好ましい。
ヒンダードフェノール系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、
モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、
2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、
トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、
N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、
メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、
2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、
2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
商品名で言えば、ノクラック200、ノクラックM−17、ノクラックSP、ノクラックSP−N、ノクラックNS−5、ノクラックNS−6、ノクラックNS−30、ノクラック300、ノクラックNS−7、ノクラックDAH(以上いずれも大内新興化学工業製)、MARK AO−30、MARK AO−40、MARK AO−50、MARK AO−60、MARK AO−616、MARK AO−635、MARK AO−658、MARK AO−80、MARK AO−15、MARK AO−18、MARK 328、MARK AO−37(以上いずれもアデカアーガス化学製)、IRGANOX−245、IRGANOX−259、IRGANOX−565、IRGANOX−1010、IRGANOX−1024、IRGANOX−1035、IRGANOX−1076、IRGANOX−1081、IRGANOX−1098、IRGANOX−1222、IRGANOX−1330、IRGANOX−1425WL(以上いずれも日本チバガイギー製)、SumilizerGM、SumilizerGA−80(以上いずれも住友化学製)等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
酸化防止剤は後述する光安定剤と併用してもよく、併用することによりその効果をさらに発揮し、特に耐熱性が向上することがあるため特に好ましい。予め酸化防止剤と光安定剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー製)等を使用しても良い。
酸化防止剤の使用量は、ビニル系重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性の改善の効果が少なく、5重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<光安定剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光安定剤を添加しても良い。光安定剤は各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー化学発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。 特に限定はされないが、光安定剤の中でも、紫外線吸収剤が好ましく、具体的には、チヌビンP、チヌビン234、チヌビン320、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン329、チヌビン213(以上いずれも日本チバガイギー製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物やチヌビン1577等のようなトリアジン系、CHIMASSORB81等のようなベンゾフェノン系、チヌビン120(日本チバガイギー製)等のようなベンゾエート系化合物等が例示できる。
また、ヒンダードアミン系化合物も好ましく、そのような化合物を以下に記載する。
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、
ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、
N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、
コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられる。
商品名で言えば、チヌビン622LD、チヌビン144、CHIMASSORB944LD、CHIMASSORB119FL、Irgafos168、(以上いずれも日本チバガイギー製)、MARK LA−52、MARK LA−57、MARK LA−62、MARK LA−67、MARK LA−63、MARK LA−68、MARK LA−82、MARK LA−87、(以上いずれもアデカアーガス化学製)、サノールLS−770、サノールLS−765、サノールLS−292、サノールLS−2626、サノールLS−1114、サノールLS−744、サノールLS−440(以上いずれも三共製)等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
さらには紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物の組合せはより効果を発揮することがあるため、特に限定はされないが併用しても良く、併用することが好ましいことがある。
光安定剤は前述した酸化防止剤と併用してもよく、併用することによりその効果をさらに発揮し、特に耐候性が向上することがあるため特に好ましい。予め光安定剤と酸化防止剤を混合してあるチヌビンC353、チヌビンB75(以上いずれも日本チバガイギー製)等を使用しても良い。
光安定剤の使用量は、ビニル系重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好ましい。0.1重量部未満では耐候性の改善の効果が少なく、5重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、例えば、難燃剤、硬化性調整剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤、光硬化性樹脂等が挙げられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
このような添加物の具体例は、例えば、特公平4−69659号公報、特公平7−108928号公報、特開昭63−254149号公報、特開昭64−22904号公報の各明細書等に記載されている。
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型硬化性組成物として調製しても良く、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分型硬化性組成物として調整しても良い。2成分型にすると、2成分の混合時に着色剤を添加することができ、例えば、現場成形用液状ガスケットを提供する際に、限られた在庫で豊富な色揃えをすることが可能となる等、多色化対応が容易となる。着色剤は、例えば顔料と可塑剤、場合によっては充填材を混合しペースト化したものを用いると作業し易い。また、さらに2成分の混合時に遅延剤を添加することにより硬化速度を作業現場にて微調整することができる。
<<現場成形用液状ガスケット>>
本発明における「現場成形用液状ガスケット」とは、例えば組み付けライン上で液状シール剤をロボット等により自動塗布しながらシールするという現場成形ガスケット方法で使用する、液状ガスケット(液状シール剤)を意味する。
本発明の現場成形用液状ガスケットは、湿分硬化性ビニル系重合体、特に架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体からなるものである。なお、湿分硬化性ビニル系重合体としては、前述のビニル系重合体が挙げられる。
また、当該現場成形用液状ガスケットは、耐油性を要求される部位のシールに用いられるものである。耐油性を要求される部位としては、特に限定されないが、例えば自動車部品、電機部品、各種機械部品等の各部位が挙げられ、具体的にはオイルパン接合面(フランジ面)、フューエルポンプ接合面、ミッション接合面、デファレンシャル接合面、油圧調整装置部品の接合面、オイルポンプ接合面、シリンダーヘッドカバー接合面、エンジンオイルシールリテーナー接合面、シリンダーヘッド接合面、フロントベアリングリテーナー接合面、ドレンプラグ接合面、トランスミッションオイルパン接合面、トランスミッションケースカバー接合面、エクステンションハウジング接合面、デファレンシャルキャリアー接合面、リヤアクスルハウジングエンド接合面、リヤアクスルベアリングリテーナー接合面、デファレンシャルキャリアーカバー接合面等が挙げられる。
さらに、当該現場成形用液状ガスケットは、耐油性および耐熱性を要求される部位のシールにも用いられる。耐油性および耐熱性を要求される部位としては、特に限定されないが、例えば自動車のエンジンの周辺、特に上述した自動車のオイルパン接合面、シリンダーヘッドやシリンダーヘッドカバーの接合面等が挙げられる。
また、本発明の現場成形用液状ガスケットは、好ましくは、
その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物の耐油性を上回るもの;
その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化率が50%以下であるもの;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化が、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物よりも小さいもの;
JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での体積変化が、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物よりも小さいものである。
ここで、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油、JIS K 6258の浸漬試験については、前述と同じである。
また、上記浸漬前後における質量変化率、体積変化率、機械的性質の変化率の好ましい範囲は、前述と同じである。
さらに、本発明の現場成形ガスケットは、上記現場成形用液状ガスケットからなるものである。また、当該現場成形ガスケットは、上記現場成形用液状ガスケットを、耐油性を要求される部位に適用して硬化養生することにより製造することができる。なお、耐油性を要求される部位としては、前述したものが挙げられる。
<<硬化物>>
<用途>
本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、建築用弾性シーリング材や複層ガラス用シーリング材等のシーリング材、太陽電池裏面封止材等の電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材等の電気絶縁材料、粘着剤、接着剤、弾性接着剤、塗料、粉体塗料、コーティング材、発泡体、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、注型材料、各種成形材料、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材等の様々な用途に利用可能である。特に限定はされないが、その性状から、自動車部品、電機部品、各種機械部品等において使用される液状シール剤に適用するのが好ましい。
発明を実施するための最良の形態
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
(製造例1)
還流管および攪拌機付きの10Lのセパラブルフラスコに、CuBr(36.02g、0.2511mol)を仕込み、反応容器内を窒素置換した。アセトニトリル(618mL)を加え、オイルバス中70℃で15分間攪拌した。これにアクリル酸ブチル(360mL、2.51mol)、アクリル酸エチル(500mL、4.62mol)、アクリル酸2−メトキシエチル(375mL、2.91mol)、2、5−ジブロモアジピン酸ジエチル(150.68g、0.419mol)、ペンタメチルジエチレントリアミン(2.18mL、1.81g、10.46mmol)(これ以降トリアミンと表す)を加え、反応を開始した。70℃で加熱攪拌しながら、アクリル酸ブチル(1440mL)、アクリル酸エチル(2002mL)、アクリル酸2−メトキシエチル(1498mL)の混合液を210分かけて連続的に滴下した。モノマーの滴下途中にトリアミン(7.63mL、6.33g、36.5mmol)を追加した。反応開始より330分経過後に1,7−オクタジエン(1236mL、922g、8.37mol)、トリアミン(26.16mL、21.71g、0.125mol)を加え、引き続き70℃で250分加熱攪拌した。
反応混合物をトルエンで希釈し、活性アルミナカラムを通した後、揮発分を減圧留去することによりアルケニル基末端共重合体{アルケニル末端ポリ(アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メトキシエチル)の共重合体:共重合体[1]}を得た。
還流管付10Lセパラブルフラスコに、共重合体[1](2.87kg)、酢酸カリウム(79.57g)、N,N−ジメチル酢酸アミド(2.9L)を仕込み、窒素気流下100℃で8時間加熱攪拌した。加熱減圧下でN,N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、トルエンで希釈した。トルエンに不溶な固体分(KBrおよび余剰な酢酸カリウム)を活性アルミナカラムで濾過した。ろ液の揮発分を減圧留去することにより共重合体[2]を得た。
還流管付10Lセパラブルフラスコに、共重合体[2](2.87kg)、酸性珪酸アルミ(143g、協和化学製、キョーワード700SL)、塩基性珪酸アルミ(287g、協和化学製、キョーワード500SH)、キシレン(0.57L)を仕込み、窒素気流下130℃で5時間加熱攪拌した。珪酸アルミを濾過により除去した後、ろ液のトルエンを減圧留去することによりビニル基末端共重合体(共重合体[3])を得た。得られた共重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により17000、分子量分布は1.16であった。共重合体1分子当たりに導入された平均のビニル基の数をH NMR分析により求めたところ、約2.2個であった。
1L耐圧反応容器に共重合体[3](718.80g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(27.55mL、0.223mol)、オルトぎ酸メチル(8.14mL、0.074mmol)、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、共重合体のアルケニル基に対してモル比で5×10−4当量とした。反応混合物を100℃で4時間加熱し、混合物の揮発分を減圧留去することにより、シリル基末端共重合体(共重合体[4])を得た。得られた共重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により20000、分子量分布は1.3であった。共重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、2.1個であった。
(製造例2)
製造例1と同様にして、ただし、原料のアクリル酸エチルとアクリル酸2−メトキシエチルは添加せずに、アクリル酸モノマーとしてはアクリル酸ブチルのみを用いてシリル基末端ビニル系重合体(重合体[5])を得た。得られた重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により22000、分子量分布は1.4であった。共重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、2.0個であった。
(製造例3)
還流塔および攪拌機付きの50L重合機を用いて、製造例1と同様にしてCuBr(188.02g、1.3107mol)、アセトニトリル(3226mL)、アクリル酸ブチル(9396mL)、アクリル酸エチル(13060mL)、アクリル酸2−メトキシエチル(9778mL)、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル(786.55g)、ペンタメチルジエチレントリアミン(187.76mL)、1,7−オクタジエン(6452mL)を原料とし、反応させた反応混合物をトルエンで希釈し、活性アルミナカラムを通した後、揮発分を減圧留去することによりアルケニル基末端共重合体{アルケニル末端ポリ(アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メトキシエチル)の共重合体:共重合体[6]}を得た。
還流管付10Lセパラブルフラスコに、共重合体[6](3.0kg)、酢酸カリウム(24.5g)、N,N−ジメチル酢酸アミド(3L)を仕込み、窒素気流下100℃で10時間加熱攪拌した。加熱減圧下でN,N−ジメチル酢酸アミドを除去した後、トルエンで希釈した。トルエンに不溶な固体分(KBrおよび余剰な安息香酸カリウム)を活性アルミナカラムで濾過した。ろ液の揮発分を減圧留去することによりアルケニル基末端共重合体{アルケニル末端ポリ(アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メトキシエチル)の共重合体:共重合体[7]}を得た。
還流管付10L丸底フラスコに、共重合体[7](3kg)、ハイドロタルサイト(450g、協和化学製、キョーワード500SH、キョーワード700SL)、キシレン(0.6L)を仕込み、窒素気流下130℃で5.0時間加熱攪拌した。珪酸アルミを濾過により除去した後、ろ液を減圧留去することにより共重合体[8]を得た。
2L反応容器に共重合体[8](1000g)、トリメトキシシラン(34.4mL)、オルトぎ酸メチル(11.7mL)、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕込んだ。なお、白金触媒とトリメトキシシランを反応途中で追加した。トリメトキシシランの使用量は合計で69mL、白金触媒の使用量は合計で、共重合体のアルケニル基に対してモル比で1×10−3当量であった。加熱反応させた後、混合物の揮発分を減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系共重合体(共重合体[9])を得た。得られた共重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により21500、分子量分布は1.3であった。重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、2.3個であった。
同様に2L反応容器に共重合体[8]、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルを仕込み、加熱反応させた後、混合物の揮発分を(未反応の3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが残らないように)充分に減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系共重合体(共重合体[10])を得た。得られた共重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により21500、分子量分布は1.3であった。共重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、2.5個であった。
同様に2L反応容器に共重合体[8](1000g)、ジメトキシメチルヒドロシラン(29.8mL)、オルトぎ酸メチル(11.7mL)、および0価白金の1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体を仕込んだ。なお、共重合体[9]同様、白金触媒とジメトキシメチルシランを反応途中で追加した。充分加熱反応させた後、混合物の揮発分を減圧留去することにより、シリル基末端ビニル系共重合体(共重合体[11])を得た。得られた共重合体の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)により21500、分子量分布は1.3であった。共重合体1分子当たりに導入された平均のシリル基の数をH NMR分析により求めたところ、2.3個であった。
(実施例1)
製造例1で得られた重合体[4]100部に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
次いで、当該硬化性組成物を、23℃、55%R.H.で2日間、その後50℃で3日間硬化養生させ、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。
(実施例2)
製造例1で得られた重合体[4]100部に、炭酸カルシウム(白艶華CCR:白石工業製)150部とDOP(ジオクチルフタレート:協和醗酵製)50部を混合し、さらに3本ペイントロールを用いて充分混合した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例3)
製造例1で得られた重合体[4]100部を充分脱水した後、接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを、脱水剤としてビニルトリメトキシシランを各2部添加した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を2部添加して1成分型硬化性組成物を得た。
(実施例4)
製造例3で得られた重合体[9]100部に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例5)
製造例3で得られた重合体[10]100部に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例6)
製造例3で得られた重合体[11]100部に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例7)
製造例3で得られた重合体[9]100部を充分脱水した後、脱水剤としてビニルトリメトキシシランを2部添加した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を2部添加して1成分型硬化性組成物を得た。
(実施例8)
製造例3で得られた重合体[10]100部を充分脱水した後、脱水剤としてビニルトリメトキシシランを2部添加した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を2部添加して1成分型硬化性組成物を得た。
(実施例9)
製造例3で得られた重合体[11]100部を充分脱水した後、脱水剤としてビニルトリメトキシシランを2部添加した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を2部添加して1成分型硬化性組成物を得た。
(実施例10)
製造例3で得られた重合体[9]100部に、炭酸カルシウム(白艶華CCR:白石工業製)150部とUP−1020(アクリル系可塑剤:東亞合成製)50部を混合し、さらに3本ペイントロールを用いて充分混合した組成物(主剤)に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例11)
製造例3で得られた重合体[10]100部に、炭酸カルシウム(白艶華CCR:白石工業製)150部とUP−1020(アクリル系可塑剤:東亞合成製)50部を混合し、さらに3本ペイントロールを用いて充分混合した組成物(主剤)に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例12)
製造例3で得られた重合体[11]100部に、炭酸カルシウム(白艶華CCR:白石工業製)150部とUP−1020(アクリル系可塑剤:東亞合成製)50部を混合し、さらに3本ペイントロールを用いて充分混合した組成物(主剤)に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例13)
製造例3で得られた重合体[11]100部に、カーボンブラック(#60UG:旭カーボン製)50部とUP−1020(アクリル系可塑剤:東亞合成製)60部を混合し、さらに3本ペイントロールを用いて充分混合した組成物(主剤)に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例14)
製造例3で得られた重合体[11]100部に、アエロジル(R974:日本アエロジル製)20部とUP−1020(アクリル系可塑剤:東亞合成製)20部を混合し、さらに3本ペイントロールを用いて充分混合した組成物(主剤)に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を1部添加して硬化性組成物を得た。
(実施例15)
実施例10の4価Sn触媒を添加する前の組成物(主剤)に、さらに接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを2部添加した以外は、実施例10と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例16)
実施例11の4価Sn触媒を添加する前の組成物(主剤)に、さらに接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを2部添加した以外は、実施例11と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例17)
実施例12の4価Sn触媒を添加する前の組成物(主剤)に、さらに接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを2部添加した以外は、実施例12と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例18)
実施例13の4価Sn触媒を添加する前の組成物(主剤)に、さらに接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを2部添加した以外は、実施例13と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例19)
実施例14の4価Sn触媒を添加する前の組成物(主剤)に、さらに接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを2部添加した以外は、実施例14と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例20)
実施例9の脱水剤を添加する前の組成物を充分脱水した後、接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを、脱水剤としてビニルトリメトキシシランを各2部添加した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を2部添加して1成分型硬化性組成物を得た。
(実施例21)
実施例12の4価Sn触媒を添加する前の組成物を充分脱水した後、接着付与剤としてN−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを、脱水剤としてビニルトリメトキシシランを各2部添加した組成物に、4価Sn触媒(ジブチル錫ジアセチルアセトナート)を2部添加して1成分型硬化性組成物を得た。
(比較例1)
実施例1で用いた重合体[4]の代わりに、製造例2で得られた重合体[5]を用いた以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例2)
実施例2で用いた重合体[4]の代わりに、製造例2で得られた重合体[5]を用い、また、炭酸カルシウムを150部でなく100部添加した以外は実施例2と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例3)
一般的なシリコーン系液状ガスケットであるシールパッキンブラック(タクティー製)を配合物として使用した。
(比較例4)
オイルまわり用のシリコーン系液状ガスケットであるシールパッキン1281(タクティー製)を配合物として使用した。
(比較例5)
変成シリコーン系汎用液状ガスケットで耐エンジンオイル用の1218D(スリーボンド製)を配合物として使用した。
(比較例6)
シリコーン系汎用液状ガスケットで耐エンジンオイル用の1215(スリーボンド製)を配合物として使用した。
(評価1)…表面硬化性
実施例1〜2、実施例7〜9、実施例20〜21、比較例1〜4で得られた硬化性組成物(配合物)を用いてシートを作成した。これらを23℃×55%R.H.で放置し、金属スパーテルをシート状の硬化性組成物上に載せて持ち上げた際に、当該硬化性組成物が金属スパーテルに着かなくなるまでの時間を用いて、皮張り時間(シート状の硬化性組成物の表面が硬化して皮膜ができるまでの時間)を測定し、表面硬化性を評価した。結果を表1に示した。
Figure 0004851058
(評価2)…深部硬化性
実施例3、実施例12、比較例3〜4で得られた硬化性組成物をそれぞれ、18mmφの円筒ポリチューブに詰め、23℃、55%R.H.において一週間放置した後の、当該硬化性組成物の外気にさらされた表面から硬化した深さを測定して、深部硬化性を評価した。結果を表2に示した。
Figure 0004851058
(評価3)…耐油性
実施例1、比較例1、比較例3〜4で得られた硬化性組成物をそれぞれ、23℃、55%R.H.で2日間、その後50℃で3日間硬化養生させ、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。当該硬化物を用い、JIS K 6258に規定される浸漬試験に基づき質量変化の評価を行った。なお、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油としては市販のエンジンオイル(商品名GEOMA、SJグレード、5W−30:JOMO製)を使用した。結果を表3に示した。
なお、オイルまわり用のシリコーン系液状ガスケット(比較例4)は、本発明のビニル系重合体組成物(実施例1)並みに良好な耐油性を示したが、一般に良好な耐油性(質量/体積変化)を示してもオイルの染み出しが見られると言われている。本実験においても、比較例4では、耐油性試験後の当該硬化物からオイルの染み出し(汗かき状態)が見られた。本発明のビニル系重合体組成物(実施例1)は、その化学構造からも言えることであるが、そのようなオイルの染み出しは見られなかった。
Figure 0004851058
(評価4)…機械物性
実施例2、比較例2〜4で得られた硬化性組成物をそれぞれ、23℃、55%R.H.で2日間、その後50℃で3日間硬化養生させ、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。当該シート状の硬化物において、2(1/3)号形ダンベル型試験片(JIS K 7113)を打ち抜き、引張物性(島津製オートグラフ使用、測定温度:23℃、引張速度:200mm/sec)を評価した。結果を表4に示した。M50は50%伸長時応力、M100は100%伸長時応力、Tmaxは最大強度、Ebは破断時伸びである。
Figure 0004851058
(評価5)…耐熱性
実施例1〜21、比較例5で得られた硬化性組成物をそれぞれ、23℃、55%R.H.で1週間、その後50℃で1週間硬化養生させ、約2mm厚のシート状の硬化物を得た。当該シート状の硬化物を用い、150℃で24時間静置後の硬化物を手で触り、その状態を判断することにより、耐熱性を評価した。結果を表5に示した。
Figure 0004851058
(評価6)…接着性
実施例15〜21、比較例6で得られた硬化性組成物をそれぞれ、アルミ板(JIS A 1100P)および鋼板(冷間圧延鋼板)の被着体の上にビード状に塗布し、上から金属製スパーテルで軽く押さえたものを、23℃、55%R.H.で1週間、硬化養生させた硬化物の接着性を評価した。判定は0°と180°の方向に手剥離して、その時の剥離状況を目視で判断した。結果を表6に示した。
Figure 0004851058
(評価7)…塗工性および耐圧試験
実施例21で得られた硬化性組成物を紙カートリッジ(変成シリコーンタイプ、昭和丸筒製)に詰めた後、カートリッジから押出すことにより、JIS K 6820に規定される耐圧試験フランジ付圧力容器に塗工し、耐圧試験を室温にて実施した。2種に規定される規格(7.85MPa)を上回る10MPa以上の圧力に耐えた。
産業上の利用可能性
本発明は、架橋性シリル基を少なくとも1個有し、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、その主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体の硬化物の耐油性を上回るビニル系重合体、ならびに、その重合体を含有する硬化性組成物および現場成形用液状ガスケットに関する。本発明のビニル系重合体を含有する硬化性組成物および現場成形用液状ガスケットは、自動車部品、電機部品、各種機械部品等において使用される液状シール剤のなかでも、特に耐油性が改善され、耐熱性、接着性にも優れる。

Claims (17)

  1. 架橋性シリル基を少なくとも1個有する湿分硬化性ビニル系重合体100重量部、錫を含有する硬化触媒0.1〜20重量部、およびシランカップリング剤0.1〜20重量部からなる現場成形用液状ガスケットであって、
    湿分硬化性ビニル系重合体の主鎖が、アクリル酸エチル単位を主とし、アクリル酸エチル単位とアクリル酸ブチル単位とアクリル酸2−メトキシエチル単位とを含む共重合体であり、
    その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験のいずれか一項目で、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物の耐油性を上回ることを特徴とする、現場成形用液状ガスケット。
  2. 耐油性を要求される部位のシールに用いられることを特徴とする請求項1に記載の現場成形用液状ガスケット。
  3. 耐油性および耐熱性を要求される部位のシールに用いられることを特徴とする請求項1または2に記載の現場成形用液状ガスケット。
  4. 自動車のエンジンの周辺に用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  5. 自動車のオイルパン接合面のシールに用いられることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  6. 湿分硬化性ビニル系重合体からなる現場成形用液状ガスケットであって、その硬化物の耐油性が、JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化率が50%以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  7. JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での質量変化が、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物よりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  8. JIS K 2215に規定される陸用3種5号の潤滑油に対するJIS K 6258の浸漬試験において、浸漬した前後での体積変化が、そのビニル系重合体の主鎖の繰り返し単位をアクリル酸ブチル単独に変えた重合体からなる組成物の硬化物よりも小さいことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケットからなる現場成形ガスケット。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケットを、耐油性を要求される部位に適用して硬化養生することを特徴とする現場成形ガスケットの製造方法。
  11. 湿分硬化性ビニル系重合体の主鎖末端が架橋性シリル基であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  12. 湿分硬化性ビニル系重合体の分子量分布が1.8未満である請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  13. 湿分硬化性ビニル系重合体100重量部に対して、可塑剤5〜150重量部を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  14. 可塑剤がフタル酸系可塑剤であることを特徴とする請求項13に記載の現場成形用液状ガスケット。
  15. 可塑剤が高分子可塑剤であることを特徴とする請求項13に記載の現場成形用液状ガスケット。
  16. 湿分硬化性ビニル系重合体100重量部に対して、充填材5〜1000重量部を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の現場成形用液状ガスケット。
  17. 充填材がシリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラックからなる群から選ばれる少なくとも一種からなることを特徴とする請求項16に記載の現場成形用液状ガスケット。
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