JPH0439323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、止水栓を備えた便器の洗浄装置に関
するものである。

［背景技術］ 水洗便器は例えば第４図に示すように、便器１
の後部にロータンク２を付設して形成されるもの
であり、ロータンク２内の水を便器１内に吐出さ
せて便器１内の洗浄がおこなわれるようにしてあ
る。そしてロータンク２への水の供給は、壁面か
ら突出させた水道などの配管をロータンク２に導
くことによつておこなわれるようにしてあり、こ
の配管には止水栓４が設けてある。止水栓４は例
えばロータンク２内の補修をおこなうときなど、
ロータンク２への水の供給を停止する必要のある
場合に備えて設けられているのである。

しかし従来は止水栓４を第４図のようにロータ
ンク２の側方に露出する状態で設けらているのが
一般的であり、便所の外観デザインをすつきりし
たものにすることができないと共に止水栓４上に
ほこりが溜まつたりするという問題があり、また
子供のいたずらやパツキンの劣化などで止水栓４
から水漏れが発生すると水浸しになるおそれがあ
るという問題もあつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであ
り、止水栓が外部に露出することがなく、しかも
止水栓から水漏れが発生しても水浸しになるおそ
れのない便器の洗浄装置を提供することを目的と
するものである。

［考案の開示］ しかして本考案に係る便器の洗浄装置は、便器
１に洗浄水を供給するロータンク２をカバー３で
覆い、ロータンク２に給水する配管に設けた止水
栓４をロータンク２の上側位置においてカバー３
内に配置させて成ることを特徴とするものであ
り、カバー３によつて止水栓４が外部に露出しな
いようにすると共に止水栓４から水が漏れてもロ
ータンク２に受けられて水浸しにならないように
したものであつて、以下本考案を実施例により詳
述する。

便器１は例えばサイホンゼツト式に陶器などで
ボウル６とトラツプ７とを形成して構成されるも
のであり、便器１の後部上にはABSなど樹脂材
で上面を開口させて形成したロータンク２が付設
してある。ロータンク２はタンク受け板を介して
便器１の後部の上面に載置して固定したり、ある
いは便所の壁面に固定したりして取り付けられる
ものであり、接続パイプ８によつて便器１のボウ
ル６のリム９の後部に接続してある。ロータンク
２にはボールタツプ取付板１０によつてボールタ
ツプ１１が取り付けてあり、壁面から突出させた
水道配管５に止水栓４を設け、この止水栓４をフ
レキシブル管２０でボールタツプ１１に接続して
ある。ロータンク２の内面にはウレタンフオーム
など断熱材１３が張つてあり、その断熱効果でロ
ータンク２の外面に結露が生じにくいようにして
ある。カバー３は人造大理石など寸法精度の良い
合成樹脂の一体成形品で形成されるものであつ
て、便器１を前面と側面及び底面から覆う便器覆
い部１４とロータンク２を前面及び側面から覆う
ロータンク覆い部１５とを一体に有して形成して
あり、背面は上下に亘つて開口させてある。従つ
てカバー３を成形するにあたつては脱型の際の抜
き方向を前後に設定することができる。そして、
便器１とロータンク２とは第１図に示すようにカ
バー３によつて覆われた状態で便所に設置される
ものであり、カバー３の開口する奥部縁は便所の
壁面に密接して取り付け、この開口は閉塞される
ようにしてある。またカバー３の上端は開口部と
して形成してあり、脱着自在にして蓋を兼用する
かあるいは蓋を設けて形成したカウンター１７が
カバー３の上端の開口部に取り付けてある。

このように便器１とロータンク２とをカバー３
で覆うことによつて、便器１やロータンク２が表
に露出しないようにすることができ、便器１やロ
ータンク２の表面にその内部の水の影響で結露が
発生してもこの結露は表に現れず、結露による不
快感等を防止することができるものであり、この
場合カバー３は便器１やロータンク２に直接接触
せずその間に空気層が形成されるようにしてあつ
て、空気層の断熱効果で便器１内やロータンク２
内の水によつてカバー３が冷やされることを防い
で、カバー３の表面に結露が発生しないようにし
てある。またロータンク２内に水が溜まる音や洗
浄の際にロータンク２から便器１に水が流れる音
はカバー３で遮断されて外部に大きく洩ることを
防ぐこともできるものであり、さらに便器１とロ
ータンク２との接続部分は複雑な凹凸となるが、
この部分はカバー３で覆われて外部に露出しない
ために掃除の必要はなく、掃除に手間がかかるこ
とはない。

また、上記止水栓４を第２図ａ，ｂ及び第３図
に示すようにカバー３の上端部内においてロータ
ンク２の真上に配置されるものであり、またフレ
キシブル管２０を介して止水栓４とボールタツプ
１１とを接続する箇所もロータンク２の真上にな
るように配置するのがよい。このように止水栓４
をカバー３内に配置することによつて、止水栓４
は外部に露出せず止水栓４で外観をそこなうこと
を防止することができると共に止水栓４にほこり
が溜まつて掃除が面倒になるようなおそれもな
い。また止水栓４が外部に露出する場合のように
子供などが不注意に操作するようなおそれもな
い。そして不注意の操作やパツキンの劣化などに
従つて止水栓４に水漏れが発生しても、漏れた水
は止水栓４の真下に位置することになるロータン
ク２内に受けられ、便所の床を水浸しにするよう
なことを防止することができるものである。ま
た、止水栓４はカバー３内に収められていて側方
に突出していないために、カバー３の両側に収納
ボツクスなどを設置することが可能になる。

尚、図中２１はフアンとヒータとを内蔵した温
風ユニツトであつて、カバー３の便器覆い部１４
内に設けてあり、吸い込み口２２から吸引した空
気を加熱して吹出口２３から吹き出させることに
よつて、足もとの暖房をおこなうことができるよ
うにしてある。また２４はリムカバー、２５は暖
便座、２６は便蓋、２７は施工枠、２８は排水管
であり、温風ユニツト２１や暖房便座２５の電源
は壁のコンセント２９からとることができるよう
にしてある。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあつては、便器に洗浄水
を供給するロータンクをカバーで覆い、ロータン
クに給水する配管に設けた止水栓をロータンクの
上側位置においてカバー内に配置するようにした
ので、止水栓はカバーで覆われて外部に露出せず
外観を損なうことなどを防止できると共に、止水
栓が外部に露出する場合のように不注意に操作さ
れるようなおそれもなく、さらに不注意の操作や
パツキンの劣化などに伴つて止水栓に水漏れが発
生しても、漏れた水はロータンク内に受けられて
便所の床を水浸しにするようなおそれはないもの
である。またカバーはロータンクの表面の結露が
外部に露出したりロータンク内での水の音が洩れ
ることを低減するために設けられるものであり、
このカバーを利用して特にロータンクに特別な設
計を施す必要なく止水栓をカバーで覆うことがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図
ａ，ｂは同上の平面図と正面図、第３図は同上の
ロータンクの上部部分の斜視図、第４図は従来例
の斜視図である。 １は便器、２はロータンク、３はカバー、４は
止水栓である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器に洗浄水を供給するロータンクをカバーで
   覆い、ロータンクに給水する配管に設けた止水栓
   をロータンクの上側位置においてカバー内に配置
   させて成る便器の洗浄装置。