JP5185530B2 - シーリング材 - Google Patents
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Description
[1] 架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、1H−NMR分析により求められる分子末端に対する架橋性シリル基の導入率が85%以上である架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)1〜1000重量部、を含有してなる硬化性組成物。
[2] 分子量分布(Mw/Mn)が1.8未満であるビニル系重合体(I)を含有する、[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体(I)を含有する、[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4] 主鎖が(メタ)アクリル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[5] 主鎖がアクリル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[6] アクリル系重合体が、アクリル酸エステル系重合体である[5]に記載の硬化性組成物。
[7] リビングラジカル重合法が、原子移動ラジカル重合法である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[8] 原子移動ラジカル重合法が、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とする、[7]に記載の硬化性組成物。
[9] 触媒とする錯体が銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ばれる錯体である、[8]に記載の硬化性組成物。
[10] 触媒とする錯体が銅の錯体である、[9]に記載の硬化性組成物。
[11] ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (1)
{式中、R1、R2はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。}
[12] ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が、主鎖末端にある、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[13] ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が、主鎖末端にのみある、[12]に記載の硬化性組成物。
[14] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)が複合金属シアン化物錯体触媒の存在下にアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルオリゴマーから誘導される[1]〜[13]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[15] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の主鎖が主にポリプロピレンオキサイドから形成されたものである[1]〜[14]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[16] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)が、
(a)1分子中に一般式(2):
H2C=C(R3)−R4−O− (2)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)または一般式(3):
HC(R3)=CH−R4−O− (3)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)で示される不飽和基を側鎖または末端に少なくとも1個含有し、主鎖がポリエーテルからなるポリエーテルオリゴマーと、(b)架橋性シリル基含有化合物とを、(c)VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法で得られるものある[1]〜[15]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
[17] VIII族遷移金属触媒(c)が白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体からなる群より選択される少なくとも1種である、[16]に記載の硬化性組成物。
[18] 一般式(2)および(3)において、R3がCH3又はCH2CH3のいずれかである、[16]又は[17]に記載の硬化性組成物。
[19] 一般式(2)で表される不飽和基が式(4):
H2C=C(CH3)−CH2−O− (4)
で表される不飽和基である、[18]に記載の硬化性組成物。
[20] 一般式(3)で表される不飽和基が式(5):
HC(CH3)=CH−CH2−O− (5)
で表される不飽和基である、[18]に記載の硬化性樹脂組成物。
[21] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、[1]〜[20]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (1)
{式中、R1、R2はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。}
[22] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基が、主鎖末端にある、[1]〜[21]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[23]架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基が、主鎖末端にのみある、[22]に記載の硬化性組成物。
[24] ビニル系重合体(I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の合計100重量部に対して、錫系硬化触媒(III)を0.1〜20重量部含有する、、[1]〜[23]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[25] [1]〜[24]のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなるシーリング材。
[26] [1]〜[24]のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなる接着剤。
<<主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)について>>
<主鎖>
本発明のビニル系重合体(I)の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
<主鎖の合成法>
本発明における、ビニル系重合体(I)の主鎖の合成法は、制御ラジカル重合の中でもリビングラジカル重合に限定されるが、原子移動ラジカル重合が好ましい。以下にこれらについて説明する。
制御ラジカル重合
ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法(フリーラジカル重合法)」と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
原子移動ラジカル重合
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
具体的に例示するならば、
C6H5−CH2X、C6H5−C(H)(X)CH3、C6H5−C(X)(CH3)2
(ただし、上の化学式中、C6H5はフェニル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R5−C(H)(X)−CO2R6、R5−C(CH3)(X)−CO2R6、R5−C(H)(X)−C(O)R6、R5−C(CH3)(X)−C(O)R6、
(式中、R5、R6は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R5−C6H4−SO2X
(上記の各式において、R5は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、またはアラルキル基、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
R8R9C(X)−R10−R11−C(R7)=CH2 (6)
(式中、R7は水素、またはメチル基、R8、R9は水素、または、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、またはアラルキル、または他端において相互に連結したもの、R10は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基、R11は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基R8、R9の具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R8とR9は他端において連結して環状骨格を形成していてもよい。
XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数、mは1〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数、mは1〜20の整数)
アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに一般式(7)で示される化合物が挙げられる。
H2C=C(R7)−R11−C(R8)(X)−R12−R9 (7)
(式中、R7、R8、R9、R11、Xは上記に同じ、R12は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
R11は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R12としてC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずしもなく、直接結合であってもよい。R11が直接結合でない場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R12としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が好ましい。
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C2H5、CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC(H)(X)CH2C6H5、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R13、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R13、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R13、CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R13、CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H4−SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C6H4−SO2X、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
R8R9C(X)−R10−R11−C(H)(R7)CH2−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (8)
(式中、R7、R8、R9、R10、R11、Xは上記に同じ、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする)
一般式(8)の化合物を具体的に例示するならば、
XCH2C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、XCH2C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、)
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(CH3)(OCH3)2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、mは1〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
(R2)3-a(Z)aSi−[OSi(R1)2-b(Z)b]l−CH2−C(H)(R7)−R11−C(R8)(X)−R12−R9 (9)
(式中、R7、R8、R9、R11、R12、R1、R2、a、b、l、X、Zは上記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、(CH3O)3Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)3Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R13、(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、R13は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
HO−(CH2)m−OC(O)C(H)(R5)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、R5は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、mは1〜20の整数)
上記アミノ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
H2N−(CH2)m−OC(O)C(H)(R5)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素、R5は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、mは1〜20の整数)
上記エポキシ基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
成長末端構造を1分子内に2つ以上有する重合体を得るためには、2つ以上の開始点を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤として用いるのが好ましい。具体的に例示するならば、
<官能基>
架橋性シリル基の数
ビニル系重合体(I)は、少なくとも1個の架橋性シリル基を有するものである。また、組成物の硬化性及び硬化物の物性の点から、架橋性シリル基の数は平均して、好ましくは1.1個以上4.0個以下、さらに好ましくは1.2個以上3.5個以下である。
架橋性シリル基の位置
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋性シリル基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全ての架橋性シリル基を分子鎖末端に有するものである。
架橋性シリル基
本発明におけるビニル系重合体(I)の架橋性シリル基としては、一般式(1);
−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (1)
{式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。}
で表される基があげられる。
−Si(R2)3-a(Z)a (10)
(式中、R2、Zは前記と同じ。aは1,2,または3である。)で表される架橋性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
<シリル基導入法>
以下に、本発明のビニル系重合体(I)へのシリル基導入法について説明するが、これに限定されるものではない。
(A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体に架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法
(B)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法
(C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、1分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法
(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法
(E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に1分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法;などが挙げられる。
H2C=C(R7)−R14−R11−C(R15)=CH2 (11)
(式中、R7は水素またはメチル基を示し、R14は−C(O)O−、またはo−,m−,p−フェニレン基を示し、R11は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R15は水素、または炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基を示す)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
M+C-(R16)(R17)−R18−C(R15)=CH2 (12)
(式中、R15は上記に同じ、R16、R17はともにカルバニオンC-を安定化する電子吸引基であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数1〜10のアルキル基、またはフェニル基を示す。R18は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカリ金属イオン、または4級アンモニウムイオンを示す)
R16、R17の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
H2C=C(R15)−R19−O-M+ (13)
(式中、R15、M+は上記に同じ。R19は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
H2C=C(R15)−R11−C(O)O-M+ (14)
(式中、R15、M+は上記に同じ。R11は直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
などが挙げられる。
(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
H−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (15)
{式中、R1、R2は、いずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。}
これらヒドロシラン化合物の中でも、特に一般式(16)
H−Si(R2)3-a(Z)a (16)
(式中、R2、Zは前記と同じ。aは1,2,または3である。)
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
H2C=C(R7)−R14−R11−OH (17)
(式中、R7、R14、R11は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
M+C-(R16)(R17)−R18−OH (18)
(式中、R16、R17、R18、は上記に同じ)
R16、R17の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
HO−R19−O-M+ (19)
(式中、R19およびM+は前記に同じ)
HO−R11−C(O)O-M+ (20)
(式中、R11およびM+は前記に同じ)
(B−j)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
H2C=C(R7)−R19−OH (21)
(式中、R7およびR19は上述したものと同様である。)
上記一般式(21)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であるということから、10−ウンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールのようなアルケニルアルコールが好ましい。
等が挙げられる。
H2C=C(R7)−R14−R20−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (22)
(式中、R1、R2、R7、R14、Z、a、b、lは上記に同じ。R20は、直接結合、または炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。)
一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
M+C-(R16)(R17)−R11−C(H)(R21)−CH2−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (23)
(式中、R1、R2、R16、R17、Z、a、b、l、は前記に同じ。R11は直接結合、または炭素数1〜10の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R21は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜10のアラルキル基を示す。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。)
R16、R17の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)Rおよび−CNの構造を有するものが特に好ましい。
<<分子末端に対する架橋性シリル基の導入率が1H−NMR分析により85%以上である架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)>>
本発明の硬化性組成物に使用される架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)は、1H−NMR分析により求められる分子鎖末端に対する架橋性シリル基の数が85%以上である。
{式中、R1、R2はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。}
また上記一般式(1)におけるR1、およびR2の具体例としては、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、R’がメチル基やフェニル基等である(R’)3SiO−で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げられる。R1、R2,R’としてはメチル基が特に好ましい。
−Si(R2)3-a(Z)a (10)
(式中R2、Zは上記一般式(1)と同様である。また、aは1,2,または3である。)
上記架橋性シリル基はポリエーテル分子鎖の内部に側鎖として存在してもよく、末端に存在してもよいが、建築物のシーラント用途等には末端に存在するのが特に好ましい。架橋性シリル基が内部に側鎖として存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれるポリエーテルオリゴマー成分の有効網目鎖量が小さくなるため、高弾性率で低伸びを示すゴム状硬化物が得られやすくなる。一方、架橋性シリル基が分子鎖の末端近傍に存在すると最終的に形成される硬化物に含まれるポリエーテルオリゴマー成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸びで低弾性率を示すゴム状硬化物が得られやすくなる。特に、架橋性シリル基が分子鎖の末端に存在すると、最終的に形成される硬化物に含まれるポリエーテルオリゴマー成分の有効網目鎖量が最も大きくなるため、引張り物性として大きい伸び特性と柔軟性に富むゴム弾性を有することが望ましい建築物のシーラント用途等にはより好ましい。特に好ましくは、全ての架橋性シリル基を分子鎖末端に有するものである。
H2C=C(R3)−R4−O− (2)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)または一般式(3):
HC(R3)=CH−R4−O− (3)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)で示される不飽和基を側鎖または末端に少なくとも1個含有し、主鎖がポリエーテルからなるポリエーテルオリゴマーと、(b)架橋性シリル基含有化合物とを、(c)VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
H2C=C(R3)−R4−X1(24)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基、X1はハロゲン)または一般式(25):
HC(R3)=CH−R4−X1 (25)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基、X1はハロゲン)で示される有機ハロゲン化合物と反応させて末端に不飽和基を有するポリエーテルオリゴマーを製造する方法が挙げられる。
H−[Si(R1)2-b(Z)bO]lSi(R2)3-a)(Z)a (15)
(式中R1、R2、Z、a、b及びlは、上記一般式(1)と同様である)
具体的には、トリクロルシラン、メチルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、フェニルジクロルシラン、トリメチルシロキシメチルクロルシラン、1,1,3,3−テトラメチル−1−ブロモジシロキサンの如きハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、トリメチルシロキシメチルメトキシシラン、トリメチルシロキシジエトキシシランの如きアルコキシシラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセトキシシラン、トリアセトキシシラン、トリメチルシロキシメチルアセトキシシラン、トリメチルシロキシジアセトキシシランの如きアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシラン、ビス(ジエチルケトキシメート)トリメチルシロキシシラン、ビス(メチルエチルケトキシメート)メチルシラン、トリス(アセトキシメート)シランの如きケトキシメートシラン類;メチルイソプロペニルオキシシランの如きアルケニルオキシシラン類などが挙げられる。これらの内、特にアルコキシシラン類が好ましく、アルコキシ基の中でもメトキシ基が特に好ましい。
CH2=C(R7)(COOR22) (26)
(式中R7は水素原子またはメチル基、R22は炭素数1から8のアルキル基を示す)
CH2=C(R7)(COOR23) (27)
(式中R7は前記に同じ。R23は炭素数9以上のアルキル基を示す)
前記一般式(26)のR22としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、2ーエチルヘキシル基などの炭素数1〜8、好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜2のアルキル基を挙げることができる。なお一般式(26)で表されるモノマーは1種類でもよく、2種以上用いてもよい。
<<錫系硬化触媒(III)>>
本発明における硬化性組成物には、さらに錫系硬化触媒(III)を配合してもよい。錫系硬化触媒(III)としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫カルボン酸塩類;
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混合物等のジアルキル錫オキサイド類;
ジアルキル錫オキサイドやジアルキル錫ジアセテート等の4価錫化合物と、テトラエトキシシランやメチルトリエトキシシランやジフェニルジメトキシシランやフェニルトリメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有する低分子ケイ素化合物との反応物;
オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫等の2価の錫化合物類;
モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;
ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物及び混合物等のアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物;
ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ビスアセチルセトナート、ジブチル錫ビスエチルアセトナート、ジオクチル錫ビスエチルアセトナート等のキレート化合物;
ジブチル錫ジメチラート、ジブチル錫ジエチラート、ジオクチル錫ジメチラート、ジオクチル錫ジエチラート等の錫アルコラート類等が挙げられる。
この中でも、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート等のキレート化合物や錫アルコラート類は、シラノール縮合触媒としての活性が高いのでより好ましい。あたジブチル錫ジラウレートは、最終の硬化性組成物の着色が少なく、低コストであり、入手が容易であるために好ましい。
この錫系硬化触媒(III)の配合量は、ビニル系重合体(I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の合計100重量部に対して0.1〜20重量部程度が好ましく、0.5〜10重量部が更に好ましい。錫系硬化触媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、錫系硬化縮合触媒の配合量がこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が生じて良好な硬化物が得られ難くなったり、ポットライフが短くなって、作業性が低下し易い傾向がある。
<<硬化性組成物>>
本発明の硬化性組成物においては、各架橋性シリル基に応じて、硬化触媒や硬化剤が必要になるものがある。また、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
<硬化触媒・硬化剤>
架橋性シリル基を有する重合体は、従来公知の各種縮合触媒の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状としては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから樹脂状のものまで幅広く作成することができる。
R24 cSi(OR25)4-c (28)
(式中、R24およびR25は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基であり、R24又はR25がそれぞれ2個以上存在するときは、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。cは0、1、2、3のいずれかである。)で示されるシラノール基をもたないケイ素化合物を添加しても構わない。
<接着性付与剤>
本発明の組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を添加することができる。接着付与剤を添加すると、外力により目地幅等が変動することによって、シーリング材がサイディングボード等の被着体から剥離する危険性をより低減することができる。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、施工作業の簡略化が期待される。シランカップリング剤の具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(β−カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
<可塑剤>
本発明の硬化性組成物には、各種可塑剤を必要に応じて用いても良い。可塑剤を後述する充填材と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填材を混合できたりするためより有利となるが、必ずしも添加しなければならないものではない。可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレンやポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる。
<充填材>
本発明の硬化性組成物には、各種充填材を必要に応じて用いても良い。充填材としては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、マイカ、クルミ殻粉、もみ殻粉、グラファイト、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケイ酸、含水ケイ酸等)、カーボンブラックのような補強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末、炭酸亜鉛およびシラスバルーンなどのような充填材;石綿、ガラス繊維およびガラスフィラメント、炭素繊維、ケブラー繊維、ポリエチレンファイバー等のような繊維状充填材等が挙げられる。
<添加量>
充填材を用いる場合の添加量は、ビニル系重合体(I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の合計100重量部に対して、充填材を5〜5000重量部の範囲で使用するのが好ましく、10〜2500重量部の範囲で使用するのがより好ましく、15〜1500重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が5重量部未満の場合には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことがあり、5000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがある。充填材は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
<微小中空粒子>
また、更に、物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コスト化を図ることを目的として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用しても良い。
<物性調整剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。
<<シラノール含有化合物について>>
本発明で用いるシラノール含有化合物とは、分子内に1個のシラノール基を有する化合物、及び/又は、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物のことをいう。これらは一方のみを用いてもよいし、両化合物を同時に用いてもよい。
(CH3)3SiOH、(CH3CH2)3SiOH、(CH3CH2CH2)3SiOH、(n−Bu)3SiOH、(sec−Bu)3SiOH、(t−Bu)3SiOH、(t−Bu)Si(CH3)2OH、(C5H11)3SiOH、(C6H13)3SiOH、(C6H5)3SiOH、(C6H5)2Si(CH3)OH、(C6H5)Si(CH3)2OH、(C6H5)2Si(C2H5)OH、C6H5Si(C2H5)2OH、C6H5CH2Si(C2H5)2OH、C10H7Si(CH3)2OH
(ただし、上記式中C6H5はフェニル基を、C10H7はナフチル基を示す。)
等のような(R”)3SiOH(ただし式中R”は同一または異種の置換もしくは非置換のアルキル基またはアリール基)で表すことができる化合物、
等のようなシラノール基を含有する鎖状ポリシロキサン化合物、
等のような主鎖が珪素、炭素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物、
等のようなポリシラン主鎖末端にシラノール基が結合した化合物、
等のような主鎖が珪素、炭素、酸素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物等が例示できる。このうち下記一般式(29)で表される化合物が好ましい。
(R26)3SiOH (29)
(式中、R26は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR26は同一であってもよく又は異なっていてもよい。)
R26は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらに易入手性、効果の点からメチル基が好ましい。
また本発明の成分の1つである、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、水分と反応して生成する分子内に1個のシラノール基を有する化合物(加水分解生成物)が、上記一般式(29)で表される化合物が好ましい。例えば、特に限定されるわけではないが、後述するような一般式(30)で表される化合物以外に下記の化合物を挙げることができる。
((R26)3SiO)qR27 (30)
(式中、R26は上述したものと同様である。qは正の整数を、R27は活性水素含有化合物から一部あるいは全ての活性水素を除いた基を示す。)
R26は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
(R26)3Si基は、3個のR26が全てメチル基であるトリメチルシリル基が特に好ましい。また、qは1〜5が好ましい。
(式中、R28は同一または異種の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基または水素原子、R29は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、s、tは正の整数で、tは1〜6、s×tは5以上、Dは1〜6価の有機基)
等も好適に使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<チクソ性付与剤(垂れ防止剤)>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。
<光硬化性物質について>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光硬化性物質を添加しても良い。光硬化性物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学変化をおこし、硬化などの物性的変化を生ずるものである。この光硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。この光硬化性物質は、光をあてることにより硬化し得る物質であるが、代表的な光硬化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に1日間、室温で静置することにより硬化させることができる物質である。この種の化合物には、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物など多くのものが知られており、その種類は特に限定されないが、例えば、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が挙げられる。
<空気酸化硬化性物質について>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加しても良い。空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋硬化できる不飽和基を有する化合物である。この空気酸化硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。本発明における空気酸化硬化性物質は、空気と接触させることにより硬化し得る物質であり、より具体的には、空気中の酸素と反応して硬化する性質を有するものである。代表的な空気酸化硬化性物質は、例えば空気中で室内に1日間静置することにより硬化させることができる。
<酸化防止剤、光安定剤>
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、酸化防止剤あるいは光安定剤を用いても良い。酸化防止剤、光安定剤としては、各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられる。
その他の添加剤
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤が添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、難燃剤、硬化性調整剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
<硬化性組成物の作製>
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製しても良く、硬化剤として別途硬化触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成物を使用前に混合する2成分型として調整しても良い。2成分型にすると、2成分の混合時に着色剤を添加することができ、例えば、サイディングボードの色に合わせたシーリング材を提供する際に、限られた在庫で豊富な色揃えをすることが可能となるなど、市場から要望されている多色化対応が容易となり、低層建物用等により好ましい。着色剤は、例えば顔料と可塑剤、場合によっては充填材を混合しペースト化したものを用いると作業し易い。また、更に2成分の混合時に遅延剤を添加することにより硬化速度を作業現場にて微調整することができる。
<<硬化物>>
<用途>
本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、建築用弾性シーリング材や複層ガラス用シーリング材、接着剤、弾性接着剤、コーティング材、ガスケット、注型材料、各種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤等の様々な用途に利用可能である。なかでも、接着剤、シーリング材、液状ガスケットとして、より好適に利用可能である。
(合成例1)
1Lフラスコに臭化銅(I)2.84g(19.8mmol)、アセトニトリル39mLを仕込み、窒素気流下70℃で20分間加熱攪拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.93g(16.5mmol)、アクリル酸ブチル280mL(1.95mol)、アクリル酸メチル49mL(0.53mol)、アクリル酸ステアリル54mL(0.16mol)を加え、さらに80℃で20分間加熱攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.41mL(1.98mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを0.14mL(0.66mmol)追加した。80℃で加熱攪拌を続け、この間にトリアミン0.14mL(0.66mmol)を追加した。反応開始から180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反応開始から240分後、アセトニトリル118mL、1,7−オクタジエン49mL(0.33mol)、トリアミン1.38mL(6.59mmol)添加し、引き続き80℃で加熱攪拌を続け、反応開始から620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、トルエンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体とキョ-ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)、キョ-ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。3時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を180℃で12時間加熱脱揮(減圧度10torr以下)することにより共重合体中からBr基を脱離させた。重合体とキョ-ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)、キョ-ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。5時間後、珪酸アルミをろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体A−1を得た。
(合成例2)
1Lフラスコに臭化銅(I)2.84g(19.8mmol)、アセトニトリル39mLを仕込み、窒素気流下70℃で20分間加熱攪拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル5.93g(16.5mmol)、アクリル酸ブチル254mL(1.77mol)、アクリル酸エチル61mL(0.66mol)、アクリル酸ステアリル71mL(0.21mol)を加え、さらに80℃で20分間加熱攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.41mL(1.98mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを0.14mL(0.66mmol)追加した。80℃で加熱攪拌を続け、この間にトリアミン0.14mL(0.66mmol)を追加した。反応開始から180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反応開始から240分後、アセトニトリル118mL、1,7−オクタジエン49mL(0.33mol)、トリアミン1.38mL(6.59mmol)添加し、引き続き80℃で加熱攪拌を続け、反応開始から620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、トルエンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体とキョ-ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)、キョ-ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して2重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。3時間後、珪酸アルミを濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を180℃で12時間加熱脱揮(減圧度10torr以下)することにより共重合体中からBr基を脱離させた。重合体とキョ-ワード500SH(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)、キョ-ワード700SL(協和化学製:重合体100重量部に対して3重量部)をキシレン(重合体100重量部に対して100重量部)に混合し、130℃で攪拌した。5時間後、珪酸アルミをろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケニル末端重合体B−1を得た。
(合成例3)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量20,000の水酸基末端ポリエーテルオリゴマーを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−2−メチル−1−プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に変換した。脱塩精製処理を実施した後に得られたオリゴマー500gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶媒としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去後、8%O2/N2で容器内を置換した。これに対して硫黄(1重量%のトルエン溶液)25μl、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のキシレン溶液)56μlを加え、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)11.5gをゆっくりと滴下した。90℃で5時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は98%であることを確認した(ポリマーC)。
(合成例4)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量25,000の水酸基末端ポリエーテルオリゴマーを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−2−メチル−1−プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に変換した。脱塩精製処理を実施した後に得られたオリゴマー500gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶媒としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行った。ヘキサンを減圧下留去後、8%O2/N2で容器内を置換した。これに対して硫黄(1重量%のトルエン溶液)25μl、白金ジビニルジシロキサン錯体(白金換算で3重量%のキシレン溶液)56μlを加え、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)9.65gをゆっくりと滴下した。90℃で5時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は96%であることを確認した(ポリマーD)。
(合成例5)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量10,000の水酸基末端ポリエーテルオリゴマーを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたオリゴマー500gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶媒としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して塩化白金酸触媒(5重量%のイソプロパノール溶液)40μlを加え、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)9.0gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は79%であることを確認した(ポリマーE)。
(合成例6)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量20,000の水酸基末端ポリエーテルオリゴマーを得た。続いてこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸基に対して1.2倍当量のNaOMeのメタノール溶液を添加してメタノールを留去し、さらに3−クロロ−1−プロペンを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。次に得られたオリゴマー500gに対し、酸化防止剤として2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、共沸溶媒としてヘキサンを加えて90℃で共沸脱水を行い、ヘキサンを減圧下留去した後、窒素置換した。これに対して塩化白金酸触媒(5重量%のイソプロパノール溶液)40μlを加え、撹拌しながら、DMS(ジメトキシメチルシラン)4.7gをゆっくりと滴下した。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のDMSを減圧下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の1H−NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は78%であることを確認した(ポリマーF)。
(実施例1)
合成例1で得られたポリマーAを50重量部、合成例3で得られたポリマーCを50重量部に対して、可塑剤としてポリプロピレングリコール系可塑剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名;アクトコールP−23、分子量3000)80重量部、表面処理膠質炭酸カルシウム(白石工業(株)製、商品名:白艶華CCR)150重量部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)商品名;ナノックス25A)20重量部、酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:タイペークR−820)10重量部、チクソ性付与剤(楠本化成(株)製、商品名:ディスパロン6500)2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン213)1重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS765)1重量部を計量、混合して充分混練りした後、3本ペイントロールに3回通して分散させた。この後、120℃で2時間減圧脱水を行い、50℃以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名:A−171)2重量部、接着付与剤としてN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名:A−1120)2重量部、硬化触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナート(日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU−220)2重量部を加えて混練し、実質的に水分の存在しない状態で混練した後、防湿性の容器に密閉し、1液型硬化性組成物を得た。
(実施例2)
実施例1におけるポリマーAの重量を70重量部に変更し、ポリマーCの重量を30重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例3)
実施例1におけるポリマーCの代わりにポリマーDを50重量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例4)
実施例2におけるポリマーCの代わりにポリマーDを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例5)
実施例1におけるポリマーAの代わりにポリマーBを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例1)
実施例1におけるポリマーCの代わりにポリマーEを50重量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例2)
実施例2におけるポリマーCの代わりにポリマーFを用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例3)
実施例1におけるポリマーCを使用せず、ポリマーAを100重量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例4)
実施例1におけるポリマーAを使用せず、ポリマーCを100重量部用いた以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(23℃において硬化性組成物が表面に皮が張るまでの時間)
23℃、50%R.H.条件下にて上記硬化性組成物を厚みが約3mmになるよう伸ばし、ミクロスパテュラを用いてときどき硬化性組成物の表面に軽く触れ、組成物がミクロスパテュラについてこなくなるまでの時間を測定した。
(硬化性組成物の粘度)
硬化性組成物を100ccのカップに空気が入らないように詰め、23℃50%R.H.条件下において(株)トキメック社製BS型粘度計を用いて、1rpm、2rpm、10rpmにおける粘度をそれぞれ測定した。
(硬化物の引張物性)
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして23℃×3日、50℃×4日の養生を行って硬化させた後、3号ダンベル型に打ち抜いた。島津(株)製オートグラフを用いて引張速度200mm/分で引張試験(23℃、50%R.H.)を行い、50%引張モジュラス、100%引張モジュラス、破断時の強度(Tb)、破断時の伸び(Eb)を測定した。
(耐候性)
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして23℃×3日、50℃×4日の養生を行って硬化させた後、アルミ板にはりつけてスガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーターを用いて、促進耐候性試験を行った。表面が初期と同じ状態であるのを「良好」と評価し、表面にクラック(割れ)が生じたものを「不良」と評価した。
Claims (22)
- 架橋性シリル基を主鎖末端に少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造された数平均分子量が27,000〜1,000,000のビニル系重合体(I)100重量部、及び、1H−NMR分析により求められる分子末端に対する架橋性シリル基の導入率が85%以上である架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)1〜1000重量部、を含有してなる硬化性組成物であって、
前記架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)が、
(a)1分子中に一般式(2):
H2C=C(R3)−R4−O− (2)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)または一般式(3):
HC(R3)=CH−R4−O− (3)
(式中R3は炭素数10以下の炭化水素基、R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基)で示される不飽和基を側鎖または末端に少なくとも1個含有し、主鎖がポリエーテルからなるポリエーテルオリゴマーと、(b)架橋性シリル基含有化合物とを、(c)VIII族遷移金属触媒の存在下で反応させる方法で得られるものであることを特徴とする硬化性組成物を含有してなるシーリング材。 - 分子量分布(Mw/Mn)が1.8未満であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項1に記載のシーリング材。
- 主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体(I)を含有する、請求項1又は2に記載のシーリング材。
- 主鎖が(メタ)アクリル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 主鎖がアクリル系重合体であるビニル系重合体(I)を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシーリング材。
- アクリル系重合体が、アクリル酸エステル系重合体である請求項5に記載のシーリング材。
- リビングラジカル重合法が、原子移動ラジカル重合法である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 原子移動ラジカル重合法が、周期律表第7族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とする、請求項7に記載のシーリング材。
- 触媒とする錯体が銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ばれる錯体である、請求項8に記載のシーリング材。
- 触媒とする錯体が銅の錯体である、請求項9に記載のシーリング材。
- ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシーリング材。
−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (1)
{式中、R1、R2はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。} - ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が、主鎖末端にのみある、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)が複合金属シアン化物錯体触媒の存在下にアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルオリゴマーから誘導される請求項1〜12のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の主鎖が主にポリプロピレンオキサイドから形成されたものである請求項1〜13のいずれか一項に記載のシーリング材。
- VIII族遷移金属触媒(c)が白金−ビニルシロキサン錯体、白金−オレフィン錯体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜14のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 一般式(2)および(3)において、R3がCH3又はCH2CH3のいずれかである、請求項1〜15のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 一般式(2)で表される不飽和基が式(4):
H2C=C(CH3)−CH2−O− (4)
で表される不飽和基である、請求項16に記載のシーリング材。 - 一般式(3)で表される不飽和基が式(5):
HC(CH3)=CH−CH2−O− (5)
で表される不飽和基である、請求項16に記載のシーリング材。 - 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、請求項1〜18のいずれか一項に記載のシーリング材。
−[Si(R1)2-b(Z)bO]l−Si(R2)3-a(Z)a (1)
{式中、R1、R2はいずれも炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、または(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であって、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で示されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1またはR2が2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Zは水酸基または加水分解性基を示し、Zが2個以上存在するときそれらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2,または3を、また、bは0,1,または2を示す。lは0〜19の整数である。ただし、a+Σb≧1であることを満足するものとする。} - 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基が、主鎖末端にある、請求項1〜19のいずれか一項に記載のシーリング材。
- 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基が、主鎖末端にのみある、請求項20に記載のシーリング材。
- ビニル系重合体(I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の合計100重量部に対して、錫系硬化触媒(III)を0.1〜20重量部含有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載のシーリング材。
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