JP2005320519A - 硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、疎水性微粉末シリカ(II)1〜200重量部を含有してなる硬化性組成物。また、架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、アクリル酸エステル系架橋ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(III)1〜200重量部を含有してなる硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
[1]架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、疎水性微粉末シリカ(II)1〜200重量部を含有してなる硬化性組成物。
[2]架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、アクリル酸エステル系架橋ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(III)1〜200重量部を含有してなる硬化性組成物。
[4]ビニル系重合体(I)の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーを主として重合して製造されるものであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[5]ビニル系重合体(I)の主鎖が、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[6]ビニル系重合体(I)の主鎖が、アクリル系重合体であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[7]ビニル系重合体(I)の主鎖が、アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする[6]に記載の硬化性組成物。
[9]原子移動ラジカル重合法が、周期律表第7族、8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる金属錯体を触媒とすることを特徴とする[8]に記載の硬化性組成物。
[10]触媒とする金属錯体が、銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄を中心金属とする錯体であることを特徴とする[9]に記載の硬化性組成物。
[11]触媒とする金属錯体が、銅の錯体であることを特徴とする[10]に記載の硬化性組成物。
−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (1)
{式中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を示す。bは0,1又は2を示す。lは0〜19の整数を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。}
で表されることを特徴とする[1]〜[11]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[14]疎水性微粉末シリカ(II)の粒径が0.02μm以下であることを特徴とする[1]記載の硬化性組成物。
[15]さらに、架橋性シリル基を少なくとも1個有するポリオキシアルキレン系重合体(IV)を、ビニル系重合体(I)100重量部に対して0.1〜1000重量部含有することを特徴とする、[1]〜[14]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[16]架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(IV)を含有しないことを特徴とする、[1]〜[14]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[17]さらに、錫系硬化触媒(V)を、ビニル系重合体(I)100重量部に対して0.1〜20重量部含有することを特徴とする、[1]〜[16]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[19][1]〜[17]のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなるシーリング材。
[20][1]〜[17]のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなる液状ガスケット。
[21][1]〜[17]のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなるコーティング材。
なお、本発明における「架橋性シリル基」とは、ケイ素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基のことを言う。
<<主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)>>
<主鎖>
本発明のビニル系重合体(I)の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては、特に限定されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のアクリロニトリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
本発明におけるビニル系重合体(I)の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、特に限定されないが、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.6以下であり、特に好ましくは1.3以下である。本発明でのGPC測定においては、通常、移動相としてクロロホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
本発明におけるビニル系重合体(I)の数平均分子量は特に制限はないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合、500〜1,000,000の範囲が好ましく、5,000〜50,000がさらに好ましい。
本発明における、ビニル系重合体(I)の合成法は、制御ラジカル重合の中でもリビングラジカル重合に限定されるが、原子移動ラジカル重合が好ましい。以下にこれらについて説明する。
ラジカル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化物等を用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル重合法(フリーラジカル重合法)」と、末端等の制御された位置に特定の官能基を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ましいものである。
本発明において、これらのリビングラジカル重合のうちどの方法を使用するかは特に制約はないが、原子移動ラジカル重合法が好ましい。
特開平4−132706号公報に示されているようなハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭61−271306号公報、特許2594402号公報、特開昭54−47782号公報に示されているような水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法である。
そのうち、まず、ニトロキシド化合物等のラジカルキャッピング剤を用いる方法について説明する。この重合では一般に安定なニトロキシフリーラジカル(=N−O・)をラジカルキャッピング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、2,2,6,6−置換−1−ピペリジニルオキシラジカルや2,2,5,5−置換−1−ピペリジニルオキシラジカル等、環状ヒドロキシアミンからのニトロキシフリーラジカルが好ましい。置換基としてはメチル基やエチル基等の炭素数4以下のアルキル基が適当である。具体的なニトロキシフリーラジカル化合物としては、限定はされないが、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル(TEMPO)、2,2,6,6−テトラエチル−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,6,6−テトラメチル−4−オキソ−1−ピペリジニルオキシラジカル、2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジニルオキシラジカル、1,1,3,3−テトラメチル−2−イソインドリニルオキシラジカル、N,N−ジ−t−ブチルアミンオキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、ガルビノキシル(galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構わない。
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ましい原子移動ラジカル重合法について説明する。
この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有するカルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始剤として用いられる。
C6H5−CH2X、C6H5−C(H)(X)CH3、C6H5−C(X)(CH3)2
(ただし、上の化学式中、C6H5はフェニル基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
R3−C(H)(X)−CO2R4、R3−C(CH3)(X)−CO2R4、R3−C(H)(X)−C(O)R4、R3−C(CH3)(X)−C(O)R4、
(式中、R3、R4は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
R3−C6H4−SO2X
(上記の各式において、R3は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
等が挙げられる。
R6R7C(X)−R8−R9−C(R5)=CH2 (2)
(式中、R5は水素、又はメチル基、R6、R7は水素、又は、炭素数1〜20の1価のアルキル基、アリール基、又はアラルキル、又は他端において相互に連結したもの、R8は、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、又はo−,m−,p−フェニレン基、R9は直接結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいても良い、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
XCH2C(O)O(CH2)nCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nCH=CH2、
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mCH=CH2、
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)n−O−(CH2)mCH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数、mは1〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)n−O−(CH2)m−CH=CH2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数、mは1〜20の整数)
H2C=C(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (3)
(式中、R5、R6、R7、R9、Xは上記に同じ、R10は、直接結合、−C(O)O−(エステル基)、−C(O)−(ケト基)、又は、o−,m−,p−フェニレン基を表す)
CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、CH2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C2H5、CH2=CHC(H)(X)CH(CH3)2、CH2=CHC(H)(X)C6H5、CH2=CHC(H)(X)CH2C6H5、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R11、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−CO2R11、CH2=CH(CH2)8C(H)(X)−CO2R11、CH2=CHCH2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)2C(H)(X)−C6H5、CH2=CH(CH2)3C(H)(X)−C6H5、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、R11は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等を挙げることができる。
o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−C6H4−SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2)n−O−C6H4−SO2X、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、nは0〜20の整数)
等である。
R6R7C(X)−R8−R9−C(H)(R5)CH2−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (4)
(式中、R5、R6、R7、R8、R9、Xは上記に同じ。R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を示す。bは0,1又は2を示す。lは0〜19の整数を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。)
XCH2C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(OCH3)3、XCH2C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、CH3C(H)(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、(CH3)2C(X)C(O)O(CH2)nSi(CH3)(OCH3)2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、)
XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(OCH3)3、XCH2C(O)O(CH2)nO(CH2)mSi(CH3)(OCH3)2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、(H3C)2C(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、CH3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2)nO(CH2)m−Si(CH3)(OCH3)2、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、ヨウ素、nは0〜20の整数、mは1〜20の整数)
o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、o,m,p−XCH2−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3−Si(OCH3)3、o,m,p−CH3C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6H4−O−(CH2)2−O−(CH2)3Si(OCH3)3、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素)
等が挙げられる。
(R2)3−a(Y)aSi−[OSi(R1)2−b(Y)b]l−CH2−C(H)(R5)−R9−C(R6)(X)−R10−R7 (5)
(式中、R5、R6、R7、R9、R10、R1、R2、a、b、l、X、Yは上記に同じ。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。)
(CH3O)3SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、(CH3O)2(CH3)SiCH2CH2C(H)(X)C6H5、(CH3O)3Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)2C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)9C(H)(X)−CO2R11、(CH3O)3Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)3C(H)(X)−C6H5、(CH3O)3Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、(CH3O)2(CH3)Si(CH2)4C(H)(X)−C6H5、
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、R11は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基)
等が挙げられる。
HO−(CH2)m−OC(O)C(H)(R3)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、R3は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、mは1〜20の整数)
H2N−(CH2)m−OC(O)C(H)(R3)(X)
(上記の各式において、Xは塩素、臭素、又はヨウ素、R3は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、mは1〜20の整数)
この重合において用いられるビニル系モノマーとしては特に制約はなく、既に例示したものをすべて好適に用いることができる。
架橋性シリル基の数
ビニル系重合体(I)は、少なくとも1個の架橋性シリル基を有するものである。また、組成物の硬化性及び硬化物の物性の観点から、架橋性シリル基の数は平均して、好ましくは1.1個以上4.0以下、より好ましくは1.2個以上3.5以下である。
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的な性質が特に要求される場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋性シリル基の少なくとも1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全ての架橋性官能基を分子鎖末端に有するものである。
架橋性シリル基
本発明におけるビニル系重合体(I)の架橋性シリル基としては、一般式(1);
−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (1)
{式中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を示す。bは0,1又は2を示す。lは0〜19の整数を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。}
で表される基が挙げられる。
−Si(R2)3−a(Y)a (7)
(式中、R2、Yは前記と同じ。aは1,2又は3を示す。)で表される架橋性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
以下に、本発明のビニル系重合体(I)へのシリル基導入法について説明するが、これに限定されるものではない。
架橋性シリル基を少なくとも1個有するビニル系重合体(I)の合成方法としては、
(A)アルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体に架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させる方法、
(B)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基とイソシアネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法、
(C)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、1分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法、
(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤を用いる方法、
(E)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、1分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法、
等が挙げられる。
H2C=C(R14)−R15−R16−C(R17)=CH2 (8)
(式中、R14は水素又はメチル基を示し、R15は−C(O)O−、又はo−,m−,p−フェニレン基を示し、R16は直接結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。R17は水素、又は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示す)
M+C−(R18)(R19)−R20−C(R17)=CH2 (9)
(式中、R17は上記に同じ、R18、R19はともにカルバニオンC−を安定化する電子吸引基であるか、又は一方が前記電子吸引基で他方が水素又は炭素数1〜10のアルキル基、又はフェニル基を示す。R20は直接結合、又は炭素数1〜10の2価の有機基を示し、1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。M+はアルカリ金属イオン、又は4級アンモニウムイオンを示す)
R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)R及び−CNの構造を有するものが特に好ましい。
H2C=C(R17)−R21−O−M+ (10)
(式中、R17、M+は上記に同じ。R21は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
H2C=C(R17)−R22−C(O)O−M+ (11)
(式中、R17、M+は上記に同じ。R22は直接結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい)
等が挙げられる。
水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体の水酸基に、
(A−g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化アリルのようなアルケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法、
(A−h)アリルイソシアネート等のアルケニル基含有イソシアネート化合物を反応させる方法、
(A−i)(メタ)アクリル酸クロリドのようなアルケニル基含有酸ハロゲン化物をピリジン等の塩基存在下に反応させる方法、
(A−j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させる方法、
等が挙げられる。
H−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (12)
{式中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を示す。bは0,1又は2を示す。lは0〜19の整数を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。}
H−Si(R2)3−a(Y)a (13)
(式中、R2、Yは前記と同じ。aは1,2又は3を示す。)
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
H2C=C(R14)−R15−R16−OH (14)
(式中、R14、R15、R16は上記に同じ)
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ましい。
(B−c)例えば特開平5−262808号公報に示される水酸基含有ポリスルフィドのような水酸基含有連鎖移動剤を多量に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−d)例えば特開平6−239912号公報、特開平8−283310号公報に示されるような過酸化水素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−e)例えば特開平6−116312号公報に示されるようなアルコール類を過剰に用いてビニル系モノマーをラジカル重合させる方法。
(B−f)例えば特開平4−132706号公報等に示されるような方法で、反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを、加水分解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
M+C−(R18)(R19)−R20−OH (15)
(式中、R18、R19、R20は上記に同じ)
R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)R及び−CNの構造を有するものが特に好ましい。
(B−i)反応性の高い炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば一般式(16)あるいは(17)に示されるような水酸基を有するオキシアニオンあるいはカルボキシレートアニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO−R21−O−M+ (16)
(式中、R21及びM+は前記に同じ)
HO−R22−C(O)O−M+ (17)
(式中、R22及びM+は前記に同じ)
このような化合物としては特に限定されないが、一般式(18)に示される化合物等が挙げられる。
H2C=C(R14)−R21−OH (18)
(式中、R14及びR21は上述したものと同様である。)
H2C=C(R14)−R15−R23−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (19)
(式中、R1、R2、R14、R15、Y、a、b、lは上記に同じ。R23は、直接結合、又は炭素数1〜20の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。)
一分子中に架橋性シリル基と安定化カルバニオンを併せ持つ化合物としては、一般式(20)で示すものが挙げられる。
M+C−(R18)(R19)−R24−C(H)(R25)−CH2−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (20)
(式中、R1、R2、R18、R19、Y、a、b、l、M+は前記に同じ。R24は直接結合、又は炭素数1〜10の2価の有機基で1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、R25は水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭素数7〜10のアラルキル基を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。)
R18、R19の電子吸引基としては、−CO2R、−C(O)R及び−CNの構造を有するものが特に好ましい。
本発明における疎水性微粉末シリカ(II)としては、例えば、ヒュームドシリカ(煙霧質シリカ)等の微粉末シリカが挙げられる。
微粉末シリカは、揮発性シラン化合物を原料とし、高温火炎加水分解法で製造される球形の一次粒子からなる白色の高分散性の二酸化ケイ素である。一次粒子は孤立して存在しているわけではなく、凝集粒子や集塊粒子を形成している。これら粒子の表面にはシロキサン及びシラノール基が存在している。
本発明における疎水性微粉末シリカとは、シラノール基と、シラン類及びシラザン類等を反応させることによって化学的に表面処理したものである。例えば、ジメチルジクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルシロキサン、トリメトキシオクチルシラン、ジメチルシリコーン等の有機ケイ素化合物で処理し、疎水性としたものが好ましい。表面を疎水化することによって、水分吸着が少なくなり、リビングラジカル重合法によって製造されたビニル系重合体(I)に分散しやすくなる効果がある。
疎水性微粉末シリカ(II)として、製品として流通しており入手し易いものの例としては、日本アエロジル(株)社製のアエロジル、富士シリシア化学(株)社製のサイロホービック等が挙げられる。
具体的には、比表面積(BET吸着法による)が、好ましくは50m2/g以上、より好ましくは50〜400m2/g、さらに好ましくは100〜300m2/g程度の超微粉末状のシリカが好ましい。なお、BET吸着法とは、粉体粒子表面に吸着占有面積のわかった不活性気体分子を液体窒素の温度で物理吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。
なお、比表面積を粒径に換算すると、およそ比表面積50m2/g=20nm=0.02μmである。よって、疎水性微粉末シリカ(II)の粒径は、0.02μm以下であることが好ましい。
本発明の(III)成分である、アクリル酸エステル系架橋ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体は、ガラス転移温度が0℃以下のゴム状重合体[A]をコア層として含み、重合体[B]をシェル層として含むコア−シェル型のグラフト共重合体である(以下、グラフト共重合体(III)と略す)。
前記グラフト共重合体(III)のコア層を形成するゴム状重合体[A]は、1層のみの層構造を有するものであってよく、もしくは2層以上の多層構造を有するものであってもよい。同様にシェル層を形成する重合体[B]も、1層のみの層構造を有するものであってよく、もしくは2層以上の多層構造を有するものであってよい。
なお、単量体混合物(b)は、グラフト共重合の結果として重合体[B]を与える。
該単量体混合物(a)を、例えば乳化重合させることによってゴム状重合体[A]を含むゴムラテックス[A’]を得ることができる。乳化重合法により前記ゴム状重合体[A]を得た場合には、該ゴム状重合体[A’]は、水性媒体中に分散されたゴムラテックス[A’]の状態のままで、単量体混合物(b)とのグラフト共重合に用いることができる。
前記ブタジエン及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単量体(a−1)のブタジエンとしては、通常1,3−ブタジエンが用いられる。前記アクリル酸アルキルエステルの代表例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数1〜8のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらブタジエン及び/又はアクリル酸アルキルエステルは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記ブタジエン及び/又はアクリル酸アルキルエステルの単量体(a−1)に含まれるブタジエンとアクリル酸アルキルエステルの割合は、特に限定されないが、最終的に得られる硬化性組成物に高度な耐候性を付与する場合には、該ブタジエンと該アクリル酸アルキルエステルの合計量を100重量%として、該ブタジエンが0〜25重量%であって該アクリル酸アルキルエステルが75〜100重量%とすることが好ましく、より好ましい割合は該ブタジエン0〜12重量%であって該アクリル酸アルキルエステル88〜100重量%であり、最も好ましい割合は該ブタジエン0重量%であって該アクリル酸アルキルエステル100重量%である。
前記芳香族ビニル単量体(a−2)の代表例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これら芳香族ビニル単量体は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記共重合性ビニル単量体(a−3)の代表例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体や、4−ヒドロキシブチルアクリレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらビニル単量体は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記多官能性単量体(a−4)の代表例としては、例えばジビニルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタクリレート等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。前記多官能性単量体(a−4)としてはほかに、マクロマーと呼ばれる両末端にラジカル重合可能な官能基を有する分子、例えばα,ω−ジメタクリロイロキシポリオキシエチレン等を用いることもできる。これら多官能性単量体は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、反応温度は、好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは40〜60℃である。
前記メタクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)の代表例としては、例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等の炭素数1〜5のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらメタクリル酸アルキルエステルは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記メタクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)に、メチルメタクリレートを、好ましくは60〜100重量%、より好ましくは80〜100重量%の割合で含ませて用いることにより、最終的に得られる硬化性組成物の強度を特に良好に発現させることができる。
前記アクリル酸アルキルエステル単量体(b−2)の代表例としては、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の炭素数2〜12のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらメタクリル酸アルキルエステルは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
グラフト共重合体(III)とビニル系重合体(I)との接着性を十分に維持しながら、同時にバランス良く、最終的に得られる硬化物におけるグラフト共重合体のビニル系重合体(I)中への良好な分散を達成するために、単量体混合物(b)に含まれるメタクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)とアクリル酸アルキルエステル単量体(b−2)の合計量を100重量%として、該メタクリル酸アルキルエステル単量体(b−1)の割合を60〜100重量%、該アクリル酸アルキルエステル単量体(b−2)の割合を0〜40重量%とすることが好ましい。
前記芳香族ビニル単量体(b−3)の代表例としては、例えば前記芳香族ビニル単量体(a−2)の代表例として例示された単量体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら芳香族ビニル単量体は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
前記シアン化ビニル単量体(b−4)の代表例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらシアン化ビニル単量体は単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、反応温度は、好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜70℃、さらに好ましくは40〜60℃である。
本発明で用いられる、架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(IV)(以下、ポリオキシアルキレン系重合体(IV)ともいう)は、特公昭45−36319号、特公昭46−12154号、特公昭49−32673号、特開昭50−156599号、特開昭51−73561号、特開昭54−6096号、特開昭55−82123号、特開昭55−123620号、特開昭55−125121号、特開昭55−131022号、特開昭55−135135号、特開昭55−137129号の各公報等に記載されている。
−R26−O−
(式中、R26は2価の有機基)で示される繰返し単位からなるものが好ましい。R26は、炭素数3〜6の2価の炭化水素基が好ましく、更にはその大部分が炭素数3又は4の炭化水素基が特に好ましい。R26の具体例としては、−CH(CH3)−CH2−、−CH(C2H5)−CH2−、−C(CH3)2−CH2−、−CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体(IV)の分子鎖は1種だけの繰返し単位からなっていてもよいし、2種以上の繰返し単位からなっていてもよいが、R26としては特に重合体を適度に低粘度化できる点や硬化物に適度な柔軟性を付与できる点から、−CH(CH3)−CH2−が好ましい。
−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (1)
{式中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を示す。bは0,1又は2を示す。lは0〜19の整数を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。}
で表される基が挙げられる。
−Si(R2)3−a(Y)a (7)
(式中、R2、Yは前記と同じ。aは1,2又は3を示す。)
で表される架橋性シリル基が、入手が容易であるので好ましい。
(F)末端に水酸基等の官能基を有するポリオキシアルキレン系重合体に、この官能基に対して反応性を示す活性基及び不飽和基を有する有機化合物を反応させ、次いで、得られた反応生成物に、架橋性シリル基を有するヒドロシラン化合物を、ヒドロシリル化触媒存在下に付加させて、重合体末端に架橋性シリル基を導入する。
(G)末端に水酸基、エポキシ基、或いはイソシアネート基等の官能基(以下、Z官能基という)を有するポリオキシアルキレン系重合体に、このZ官能基に対して反応性を示す官能基(以下、Z′官能基という)及び架橋性シリル基を有するケイ素化合物を反応させ、重合体末端に架橋性シリル基を導入する。
本発明における硬化性組成物には、さらに錫系硬化触媒(V)を配合しても良い。
錫系硬化触媒(V)としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫カルボン酸塩類;
ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの混合物等のジアルキル錫オキサイド類;
ジアルキル錫オキサイド、ジアルキル錫ジアセテート等の4価錫化合物と、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等の加水分解性ケイ素基を有する低分子ケイ素化合物との反応物;
オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫等の2価の錫化合物類;
モノブチル錫トリスオクトエート、モノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;
ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物及び混合物等のアミン系化合物と有機錫化合物との反応物及び混合物;
ジブチル錫ビスアセチルアセトナート、ジオクチル錫ビスアセチルアセトナート、ジブチル錫ビスエチルアセトナート、ジオクチル錫ビスエチルアセトナート等のキレート化合物;
ジブチル錫ジメチラート、ジブチル錫ジエチラート、ジオクチル錫ジメチラート、ジオクチル錫ジエチラート等の錫アルコラート類等が挙げられる。
この中でも、ジブチル錫ビスアセチルアセトナート等のキレート化合物や錫アルコラート類は、シラノール縮合触媒としての活性が高いのでより好ましい。また、ジブチル錫ジラウレートは、最終の硬化性組成物の着色が少なく、低コストであり、入手が容易であるために好ましい。
これらの錫系硬化触媒(V)は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物においては、各架橋性官能基に応じて、硬化触媒や硬化剤が必要になるものがある。また、目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加しても構わない。
架橋性シリル基を有する重合体は、従来公知の各種縮合触媒の存在下、あるいは非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状としては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから樹脂状のものまで幅広く作成することができる。
R27 cSi(OR28)4−c (23)
(式中、R27及びR28は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の置換あるいは非置換の炭化水素基であり、R27又はR28がそれぞれ2個以上存在するときは、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。cは0、1、2、3のいずれかである。)で示されるシラノール基をもたないケイ素化合物を添加しても構わない。
本発明の組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着性付与剤を添加することができる。接着性付与剤を添加すると、外力により目地幅等が変動することによって、シーリング材がサイディングボード等の被着体から剥離する危険性をより低減することができる。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライマーの使用の必要性がなくなり、施工作業の簡略化が期待される。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(β−カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アクロイルオキシプロピルメチルトリエトキシシラン等のビニル型不飽和基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン、シリル化ポリエステル等もシランカップリング剤として用いることができる。
本発明の硬化性組成物に添加されるシランカップリング剤の効果は、各種被着体、すなわち、ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタル等の無機基材や、塩ビ、アクリル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の有機基材に用いた場合、ノンプライマー条件又はプライマー処理条件下で、著しい接着性改善効果を示す。ノンプライマー条件下で使用した場合には、各種被着体に対する接着性を改善する効果が特に顕著である。
これら接着性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を改善することができる。特に限定はされないが、接着性、特にオイルパン等の金属被着面に対する接着性を向上させるために、上記接着性付与剤の中でもシランカップリング剤を0.1〜20重量部併用することが好ましい。
本発明の硬化性組成物には、各種可塑剤を必要に応じて用いても良い。
可塑剤を後述する充填材と併用して使用すると、硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填材を混合できたりするためより、有利となるが、必ずしも添加しなければならないものではない。
可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシル等の非芳香族二塩基酸エステル類;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル等のポリアルキレングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリット酸エステル類;ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン−アクリロニトリル、ポリクロロプレン;塩素化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの水酸基をエステル基、エーテル基等に変換した誘導体等のポリエーテル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、フタル酸等の2塩基酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の2価アルコールから得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビニル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる。
なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
本発明の硬化性組成物には、各種充填材を必要に応じて用いても良いが、最終の硬化性組成物が透明になるものでなければならない。
具体的には、微粉末の高純度溶融石英ガラスフィラー、高純度結晶性石英フィラー等が挙げられ、市販品としては、龍森(株)社製のヒューズレックスやクリスタライト等が例として挙げられる。
充填材を用いる場合の添加量は、ビニル系重合体(I)100重量部に対して、充填材を0〜400重量部の範囲で使用するのが好ましく、0〜250重量部の範囲で使用するのがより好ましく、0〜100重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が400重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがある。
充填材は単独で使用しても良いし、2種以上併用しても良い。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の引張特性を調整する物性調整剤を添加しても良い。
物性調整剤としては特に限定されないが、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアルキルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、本発明の組成物を硬化させた時の硬度を上げたり、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。上記物性調整剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、シラノール含有化合物を添加してもよい。
シラノール含有化合物とは、分子内に1個のシラノール基を有する化合物、及び/又は、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物のことをいう。これらは一方のみを用いてもよいし、両化合物を同時に用いてもよい。
(CH3)3SiOH、(CH3CH2)3SiOH、(CH3CH2CH2)3SiOH、(n−Bu)3SiOH、(sec−Bu)3SiOH、(t−Bu)3SiOH、(t−Bu)Si(CH3)2OH、(C5H11)3SiOH、(C6H13)3SiOH、(C6H5)3SiOH、(C6H5)2Si(CH3)OH、(C6H5)Si(CH3)2OH、(C6H5)2Si(C2H5)OH、C6H5Si(C2H5)2OH、C6H5CH2Si(C2H5)2OH、C10H7Si(CH3)2OH
(ただし、上記式中C6H5はフェニル基を、C10H7はナフチル基を示す。)
等のような(R”)3SiOH(ただし式中R”は同一又は異種の置換もしくは非置換のアルキル基又はアリール基)で表すことができる化合物、
等のようなシラノール基を含有する鎖状ポリシロキサン化合物、
等のような主鎖が珪素、炭素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物、
等のようなポリシラン主鎖末端にシラノール基が結合した化合物、
等のような主鎖が珪素、炭素、酸素からなるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物等が例示できる。このうち下記一般式(24)で表される化合物が好ましい。
(R29)3SiOH (24)
(式中、R29は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示す。複数のR29は同一であってもよく又は異なっていてもよい。)
R29は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらに易入手性、効果の点からメチル基が好ましい。
上記分子内に1個のシラノール基を有する化合物は、ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
さらには、水分と反応することにより分子内に1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、上記化合物以外に下記一般式(25)で表される化合物が好ましい。
((R29)3SiO)qR30 (25)
(式中、R29は上述したものと同様である。qは正数を、R30は活性水素含有化合物から一部あるいは全ての活性水素を除いた基を示す。)
R29は、メチル基、エチル基、ビニル基、t−ブチル基、フェニル基が好ましく、さらにメチル基が好ましい。
(R29)3Si基は、3個のR29が全てメチル基であるトリメチルシリル基が特に好ましい。また、qは1〜5が好ましい。
(式中、R31は同一又は異種の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基又は水素原子、R32は炭素数1〜8の2価の炭化水素基、s、tは正の整数で、tは1〜6、s×tは5以上、Dは1〜6価の有機基)
等も好適に使用できる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするためにチクソ性付与剤(垂れ防止剤)を添加しても良い。
また、チクソ性付与剤(垂れ防止剤)としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類、水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。これらチクソ性付与剤(垂れ防止剤)は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光硬化性物質を添加しても良い。
光硬化性物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学変化をおこし、硬化等の物性的変化を生ずるものである。この光硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。この光硬化性物質は、光をあてることにより硬化し得る物質であるが、代表的な光硬化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に1日間、室温で静置することにより硬化させることができる物質である。この種の化合物には、有機単量体、オリゴマー、樹脂あるいはそれらを含む組成物等多くのものが知られており、その種類は特に限定されないが、例えば、不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が挙げられる。
上記の光硬化性物質の中では、取り扱い易いという理由で不飽和アクリル系化合物が好ましい。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加しても良い。
空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋硬化できる不飽和基を有する化合物である。この空気酸化硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性(残留タックともいう)を低減できる。本発明における空気酸化硬化性物質は、空気と接触させることにより硬化し得る物質であり、より具体的には、空気中の酸素と反応して硬化する性質を有するものである。代表的な空気酸化硬化性物質は、例えば空気中で室内に1日間静置することにより硬化させることができる。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、酸化防止剤又は光安定剤を用いても良い。
酸化防止剤、光安定剤としては、各種のものが知られており、例えば大成社発行の「酸化防止剤ハンドブック」、シーエムシー発行の「高分子材料の劣化と安定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フェノール、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,4−ビス[(オクチルチオ)メチル]o−クレゾール、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオネート−ポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等が挙げられる。
コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリディニル)エステル等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて、上記以外の各種添加剤を添加してもよい。
このような添加物としては、例えば、難燃剤、硬化性調整剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
このような添加物の具体例は、例えば、特公平4−69659号、特公平7−108928号、特開昭63−254149号、特開昭64−22904号の各公報等に記載されている。
本発明の硬化性組成物は、上述したように、架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)、及び、疎水性微粉末シリカ(II)又はアクリル酸エステル系架橋ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(III)を含有してなるものである。また、上記ビニル系重合体(I)、疎水性微粉末シリカ(II)及びグラフト共重合体(III)を全て含有することもできる。さらに、架橋性シリル基を少なくとも1個有するポリオキシアルキレン系重合体(IV)や、錫系硬化触媒(V)も含有することができる。
上記のようにして得られた本発明の硬化性組成物は、透明である。また、透明材料用硬化性組成物として、特に好ましく用いることができる。
<用途>
本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、建築用弾性シーリング材や複層ガラス用シーリング材、接着剤、弾性接着剤、コーティング材、ガスケット、注型材料、各種成形材料、人工大理石、及び、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振・制振・防音・免震材料、自動車部品、電機部品、各種機械部品等において使用される液状シール剤等の様々な用途に利用可能である。なかでも、接着剤、シーリング材、液状ガスケット、コーティング材として、より好適に利用可能である。
なお、下記実施例及び比較例中、「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び「重量%」を表す。
また、下記実施例中、「数平均分子量」及び「分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。ただし、GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填したもの(shodex GPC K−804;昭和電工(株)製)、GPC溶媒としてクロロホルムを用いた。
2Lフラスコに臭化第一銅8.39g(58.5mmol)、アセトニトリル112mLを仕込み、窒素気流下70℃で30分間加熱攪拌した。これに2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル17.6g(48.8mmol)、アクリル酸ブチル224mL(1.56mol)を加え、さらに70℃で45分間加熱攪拌した。これにペンタメチルジエチレントリアミン(以後トリアミンと称す)0.41mL(1.95mmol)を加えて反応を開始した。引き続き70℃で加熱攪拌を続け、反応開始後80分から断続的にアクリル酸ブチル895mL(6.24mol)を160分かけて滴下した。またこの間にトリアミン1.84mL(8.81mmol)を追加した。反応開始から375分後に、1,7−オクタジエン288mL(1.95mol)、トリアミン4.1mL(19.5mmol)を添加し、引き続き70℃で加熱攪拌を続け、反応開始から615分後に加熱を停止した。反応溶液をトルエンで希釈してろ過し、ろ液を減圧加熱することにより重合体[1]を得た。得られた重合体[1]の数平均分子量は24000、分子量分布1.3であり、また1H−NMR分析より求めた重合体1分子あたりのアルケニル基の個数は2.6個であった。
臭化第一銅3.40g(23.7mmol)、アセトニトリル47mL、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル7.80g(21.7mmol)、アクリル酸ブチル368mL(2.56mol)、アクリル酸メチル38mL(0.41mol)、アクリル酸ステアリル77mL(0.19mol)、トリアミン2.475mL(11.86mmol)、アセトニトリル141mL、1,7−オクタジエン58mL(0.40mol)を用いた以外は合成例1と同様にして、アルケニル基末端ビニル系共重合体[3]を得た。
アリルエーテル基を分子末端に導入した平均分子量約19000のポリオキシプロピレン800gを攪拌機付耐圧反応容器に入れ、メチルジメトキシシランと塩化白金酸触媒(塩化白金酸六水和物)1×10−4[eq/ビニル基]を加え、90℃で2時間反応させることにより、一分子あたり平均2.1個のメチルジメトキシシリル基を有する架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン重合体(ポリマーC)を得た。
合成例1で得られたポリマーA100重量部、疎水性微粉末シリカとしてヘキサメチルジシラザンで疎水処理したシリカ(日本アエロジル(株)製、商品名R812、粒径0.007μm)5重量部、可塑剤としてジイソデシルフタレート(新日本理化(株)製、商品名:サンソサイザーDIDP)20重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:チヌビン213)1重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(三共(株)製、商品名:サノールLS765)1重量部、接着性付与剤としてN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名:A−1120)2重量部、錫系硬化触媒としてジブチル錫ジラウレート(三共有機合成(株)製、商品名:STANN BL)2重量部を加えて混練し、減圧にして脱泡を行って硬化性組成物を得た。
実施例1におけるポリマーAの代わりに、合成例2で得られたポリマーB50重量部、合成例3で得られたポリマーC50重量部を用い、ヘキサメチルジシラザンで疎水処理したシリカの代わりに、ジメチルシリコーンで疎水処理したシリカ(日本アエロジル(株)製、商品名RY200S、粒径0.012μm)5重量部を用い、ジイソデシルフタレートの使用量を10重量部に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例2におけるジメチルシリコーンで疎水処理したシリカの代わりに、ヘキサメチルジシラザンで疎水処理したシリカ(日本アエロジル(株)製、商品名R812)5重量部を用いた以外は、実施例2と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例2におけるジメチルシリコーンで疎水処理したシリカの代わりに、ジメチルジクロルシランで疎水処理したシリカ(日本アエロジル(株)製、商品名R972CF、粒径0.016μm)5重量部を用いた以外は、実施例2と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例3におけるジイソデシルフタレートの代わりに、アクリル系可塑剤(東亞合成(株)製、商品名:アルフォンUP−1020)10重量部を用いた以外は、実施例3と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例2におけるジイソデシルフタレートを10重量部から20重量部に増量し、ジメチルシリコーンで疎水処理したシリカの代わりに、ブチルアクリレートを主成分とする架橋ゴム状重合体に、メチルメタクリレートとブチルアクリレートを主成分とするビニル系単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(鐘淵化学工業(株)社製、商品名:カネエースFM−20)を5重量部用いた以外は、実施例2と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例6において、さらにヘキサメチルジシラザンで疎水処理したシリカを5重量部用いた以外は、実施例6と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例3におけるポリマーCの代わりに、アクリル変性したポリオキシアルキレン系重合体(鐘淵化学工業(株)社製、商品名:MSポリマーS943)を50重量部用いた以外は、実施例3と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例1におけるジイソデシルフタレート20重量部を10重量部に変更し、ヘキサメチルジシラザン処理シリカであるアエロジルR812を用いないこと以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例2)
実施例2において、ジメチルシリコーン処理シリカであるアエロジルRY200Sを用いないこと以外は、実施例2と同様にして硬化性組成物を得た。
実施例1において、ポリマーAの代わりにMSポリマーS943を100重量部用い、ジイソデシルフタレート20重量部を10重量部に変更すること以外は、実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例4)
実施例2において、ポリマーBとポリマーCを用いる代わりに、ポリマーCを100重量部用いること以外は、実施例2と同様にして硬化性組成物を得た。
23℃、50%R.H.(相対湿度)の条件下において、厚さ2mmのアクリル板上に、5mmのスペーサーを用いて硬化性組成物を伸ばし、新聞紙の上に、厚さ5mmの硬化性組成物を載せたアクリル板を置き、上部から硬化性組成物とアクリル板を通して新聞を観察した。文字の見え具合でその透明性を観察し、次のように評価した。
◎:透明で文字がはっきり見える、○:少し白濁しているが、文字が読める、△:白濁して文字が読めない、×:不透明で文字が読めない
23℃、50%R.H.の条件下において、硬化性組成物をポリカーボネート上に厚さが約5mmになるよう載せて、マイクロスパテュラで軽くおさえた。1週間後にポリカーボネートとの基材界面にカミソリ刃を用いて約1cmの切りこみを入れ、これを約180度方向に引っ張った際の破壊状態を観察して、次のように評価した。CFは接着性が良好ということである。
CF:硬化性組成物の破壊、AF:ポリカーボネート界面での剥離
硬化性組成物を100ccのカップに空気が入らないように詰め、23℃、50%R.H.の条件下において、(株)トキメック社製BH型粘度計とローターNo.7を用いて、2rpm、10rpmにおける粘度をそれぞれ測定した。
硬化性組成物の2rpmでの粘度の値を10rpmの粘度で割った比(粘比)が1.1以上を○、1.1未満を×とした。
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして、23℃×3日、50℃×4日の硬化養生を行った後、JIS3号ダンベル型に打ち抜いた。島津(株)製オートグラフを用いて引張速度200mm/分で引張試験(23℃、50%R.H.)を行い、50%引張モジュラス、100%引張モジュラス、破断時の強度(Tb)、破断時の伸び(Eb)を測定した。
硬化性組成物を厚さ約3mmのシート状試験体にして、23℃×3日、50℃×4日の硬化養生を行った後、アルミ板にはりつけて、スガ試験機(株)製サンシャインウェザーメーターを用いて、促進耐候性試験(ブラックパネル温度63℃、降雨時間18分/120分)を行った。500時間照射後、1000時間照射後、3000時間照射後に試験体表面を観察し、表面が初期と同じ状態であるのを○で示し、表面にクラック(割れ)が生じたものを×で示した。
Claims (21)
- 架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、疎水性微粉末シリカ(II)1〜200重量部を含有してなる硬化性組成物。
- 架橋性シリル基を少なくとも1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビニル系重合体(I)100重量部、及び、アクリル酸エステル系架橋ゴム状重合体にビニル系単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体(III)1〜200重量部を含有してなる硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の分子量分布が1.8未満であることを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、フッ素含有ビニル系モノマー及びケイ素含有ビニル系モノマーからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーを主として重合して製造されるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の主鎖が、(メタ)アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の主鎖が、アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の主鎖が、アクリル酸エステル系重合体であることを特徴とする請求項6に記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の主鎖の製造法であるリビングラジカル重合法が、原子移動ラジカル重合法であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 原子移動ラジカル重合法が、周期律表第7族、8族、9族、10族、又は11族元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる金属錯体を触媒とすることを特徴とする請求項8に記載の硬化性組成物。
- 触媒とする金属錯体が、銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄を中心金属とする錯体であることを特徴とする請求項9に記載の硬化性組成物。
- 触媒とする金属錯体が、銅の錯体であることを特徴とする請求項10に記載の硬化性組成物。
- ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が、一般式(1)
−[Si(R1)2−b(Y)bO]l−Si(R2)3−a(Y)a (1)
{式中、R1、R2は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、又は(R’)3SiO−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基を示し、3個のR’は同一であってもよく、異なっていてもよい)で表されるトリオルガノシロキシ基を示し、R1又はR2がそれぞれ2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。Yは水酸基又は加水分解性基を示し、Yが2個以上存在するとき、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。aは0,1,2又は3を示す。bは0,1又は2を示す。lは0〜19の整数を示す。ただし、a+lb≧1であることを満足するものとする。}
で表されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の硬化性組成物。 - ビニル系重合体(I)の架橋性シリル基が、主鎖末端にあることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 疎水性微粉末シリカ(II)の粒径が0.02μm以下であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
- さらに、架橋性シリル基を少なくとも1個有するポリオキシアルキレン系重合体(IV)を、ビニル系重合体(I)100重量部に対して0.1〜1000重量部含有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 架橋性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(IV)を含有しないことを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- さらに、錫系硬化触媒(V)を、ビニル系重合体(I)100重量部に対して0.1〜20重量部含有することを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなる接着剤。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなるシーリング材。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなる液状ガスケット。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなるコーティング材。
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