硬化性組成物
技術分野
[0001] 本発明は、架橋性シリル基を少なくとも 1個有するビニル系重合体 (I)、及び架橋性 シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(Π)を含有してなる硬化性組成物に関する。 背景技術
[0002] 従来から、建築物用、土木用、自動車用などの防水シーリング材、接着剤、塗料な どの硬化性組成物に使用される湿気硬化型の榭脂成分として、一般に変成シリコー ン榭脂と呼ばれている主鎖がポリエーテルや脂肪族炭化水素系重合体で分子内に 架橋性シリル基を含有する榭脂ゃポリウレタン榭脂などが、作業性や接着性など〖こ 優れている点から、広く使用されている。しかしながら、近年、建築物、土木、自動車 などの分野においては長期に渡って性能を維持する、いわゆる長寿命化のニーズが 高まり、これらに使用されるシーリング材、接着剤、塗料などに対しても、接着性、耐 熱性、耐水性、耐候性などの耐久性のさらなる向上が求められている。ポリエーテル 系変成シリコーン榭脂は作業性や接着性は良いが、長寿命と言うには耐候性が不十 分であり、耐水性や耐熱性などの耐久性に劣るという欠点がある。耐候性を高めるた めに、ポリエーテル変成シリコーン榭脂にビニル系変成シリコーン榭脂を配合した硬 化性組成物も公知であるが(特許文献 1)、硬化物の伸びが低ぐまた近年の高耐候 性の要求には応えられな!/、レベルである。ポリエーテル変成シリコーン榭脂にビュル 系変成シリコーン榭脂を配合し、さらにアクリル可塑剤を配合した硬化性組成物も公 知であるが(特許文献 2)、耐候性の改善レベルは小さい。水酸基含有 (メタ)アクリル 系重合体と、分子内にイソシァネート基と架橋性シリル基を含有する化合物とを反応 させて得られる架橋性シリル基含有榭脂 (A)と、水酸基含有ポリオキシアルキレン系 重合体と、分子内にイソシァネート基と架橋性シリル基を含有する化合物とを反応さ せて得られる架橋性シリル基含有榭脂 (B)を用いた硬化性組成物も公知であるが( 特許文献 3)、(メタ)アクリル系重合体の架橋性シリル基は分子中にランダムに導入さ れているため、硬化物の破断時の強度、破断時の伸びは低ぐシーリング材としては
好ましくな 、。高耐候性の室温硬化性榭脂として架橋性シリル基を有したポリイソブ チレン系榭脂が開発されたが (特許文献 4)、ポリイソブチレン系榭脂はほとんど水分 を通さな!/、ために、 、わゆる湿気硬化の 1液型シーリング材としての使用に問題があ る。シリコーン系シーリング材は耐熱性、耐候性、耐久性に優れるものの、低分子量 成分が周辺の汚染を引き起こしたり、塗料を塗布できない等の欠点力 使用できる場 所は制限される。架橋性シリル基を含有するビニル系榭脂を用いた硬化性組成物も 公知であるが(特許文献 5)、耐候性や耐熱性に優れるものの、硬化物の伸びが少し 低ぐ高伸びが必要とされる建築用シーリング材への使用が難し力つた。
特許文献 1 :特開昭 59— 122541号公報
特許文献 2:特開 2001— 354846号公報
特許文献 3:特開 2002— 155145号公報
特許文献 4:特開昭 63— 006041号公報
特許文献 5 :特開平 11—080571号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0003] 本発明が解決しょうとする課題は、耐候性、接着性、破断時の強度、破断時の伸び が優れるシーリング材を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0004] 本発明者らは、前記課題が、次の本発明によって解決されることを見出した。
[1] 架橋性シリル基を少なくとも 1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法により製造 されたビュル系重合体 (I) 100重量部、及び、 ¾— NMR分析により求められる分子 末端に対する架橋性シリル基の導入率が 85%以上である架橋性シリル基含有ポリェ 一テルオリゴマー(Π) 1〜: LOOO重量部、を含有してなる硬化性組成物。
[2] 分子量分布 (MwZMn)が 1. 8未満であるビニル系重合体 (I)を含有する、 [1 ]に記載の硬化性組成物。
[3] 主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー、芳香族ビュル系 モノマー、フッ素含有ビュル系モノマー及びケィ素含有ビュル系モノマーからなる群 力 選ばれるモノマーを主として重合して製造されるものであるビニル系重合体 (I)を
含有する、 [1]又は [2]に記載の硬化性組成物。
[4] 主鎖が (メタ)アクリル系重合体であるビニル系重合体 (I)を含有する、 [1]〜[3 ]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物。
[5] 主鎖がアクリル系重合体であるビニル系重合体 (I)を含有する、 [1]〜[4]のい ずれか一項に記載の硬化性組成物。
[6] アクリル系重合体が、アクリル酸エステル系重合体である [5]に記載の硬化性 組成物。
[7] リビングラジカル重合法力 原子移動ラジカル重合法である、 [1]〜[6]のいず れか一項に記載の硬化性組成物。
[8] 原子移動ラジカル重合法が、周期律表第 7族、 8族、 9族、 10族、または 11族 元素を中心金属とする遷移金属錯体より選ばれる錯体を触媒とする、 [7]に記載の 硬化性組成物。
[9] 触媒とする錯体が銅、ニッケル、ルテニウム、又は鉄の錯体からなる群より選ば れる錯体である、 [8]に記載の硬化性組成物。
[10] 触媒とする錯体が銅の錯体である、 [9]に記載の硬化性組成物。
[11] ビニル系重合体 (I)の架橋性シリル基が一般式(1)で表される、 [1]〜[10] の!、ずれか一項に記載の硬化性組成物。
- [SKR1) (Z) 0] -Si (R2) (Z) (1)
-b b 1 3 - a a
{式中、
R
2はいずれも炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、 炭素数 7〜20のァラルキル基、または (R,) SiO- (R,は炭素数 1〜20の 1価の炭
3
化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい)で示される トリオルガノシロキシ基を示し、 R1または R2が 2個以上存在するとき、それらは同一で あってもよぐ異なっていてもよい。 Zは水酸基または加水分解性基を示し、 Zが 2個 以上存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2,ま たは 3を、また、 bは 0, 1,または 2を示す。 1は 0〜19の整数である。ただし、 a+∑b ≥1であることを満足するものとする。 }
[12] ビニル系重合体 (I)の架橋性シリル基が、主鎖末端にある、 [1]〜[11]のい ずれか一項に記載の硬化性組成物。
[13] ビニル系重合体 (I)の架橋性シリル基が、主鎖末端にのみある、 [12]に記載 の硬化性組成物。
[14] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー (Π)が複合金属シアン化物錯体 触媒の存在下にアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルオリ ゴマーカ 誘導される [ 1 ]〜 [ 13]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物。
[15] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の主鎖が主にポリプロピレン オキサイド力 形成されたものである [1]〜 [14]の 、ずれか一項に記載の硬化性組 成物。
[16] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)が、
(a) 1分子中に一般式 (2) :
H C = C (R3) -R4-0- (2)
2
(式中 R3は炭素数 10以下の炭化水素基、 R4は水素、酸素及び窒素力もなる群より選 択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基)または 一般式 (3) :
HC (R3) =CH-R4-0- (3)
(式中 R3は炭素数 10以下の炭化水素基、 R4は水素、酸素及び窒素力もなる群より選 択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基)で示さ れる不飽和基を側鎖または末端に少なくとも 1個含有し、主鎖がポリエーテル力ゝらな るポリエーテルオリゴマーと、(b)架橋性シリル基含有化合物とを、(c) VIII族遷移金 属触媒の存在下で反応させる方法で得られるものある [ 1 ]〜 [ 15]の ヽずれか一項に 記載の硬化性榭脂組成物。
[17] VIII族遷移金属触媒 (c)が白金 ビニルシロキサン錯体、白金一才レフイン錯 体力もなる群より選択される少なくとも 1種である、 [16]に記載の硬化性組成物。
[18] 一般式(2)および(3)において、 R3が CH又は CH CHのいずれかである、 [
3 2 3
16]又は [17]に記載の硬化性組成物。
[19] 一般式 (2)で表される不飽和基が式 (4) :
H C = C (CH ) -CH -O- (4)
2 3 2
で表される不飽和基である、 [18]に記載の硬化性組成物。
[20] 一般式 (3)で表される不飽和基が式 (5):
HC (CH ) =CH-CH O— (5)
3 2
で表される不飽和基である、 [18]に記載の硬化性榭脂組成物。
[21] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー (II)の架橋性シリル基が一般式(
1)で表される、 [1]〜 [20]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物。
- [SKR1) (Z) 0] -Si (R2) (Z) (1)
-b b 1 3 - a a
{式中、
R
2はいずれも炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、 炭素数 7〜20のァラルキル基、または (R,) SiO- (R,は炭素数 1〜20の 1価の炭
3
化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい)で示される トリオルガノシロキシ基を示し、 R1または R2が 2個以上存在するとき、それらは同一で あってもよぐ異なっていてもよい。 Zは水酸基または加水分解性基を示し、 Zが 2個 以上存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2,ま たは 3を、また、 bは 0, 1,または 2を示す。 1は 0〜19の整数である。ただし、 a+∑b ≥1であることを満足するものとする。 }
[22] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基力 主鎖末 端にある、 [1]〜[21]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物。
[23]架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の架橋性シリル基力 主鎖末 端にのみある、 [22]に記載の硬化性組成物。
[24] ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の合計 100重量部に対して、錫系硬化触媒 (III)を 0. 1〜20重量部含有する、、 [1]〜[23 ]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物。
[25] [1]〜 [24]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなるシーリン グ材。
[26] [1]〜 [24]の 、ずれか一項に記載の硬化性組成物を含有してなる接着剤。 発明の効果
室温において空気中の湿分と反応して硬化する 1液型が可能であり、硬化物の強 度、破断時の伸び、耐候性が優れる硬化性組成物を提供することが可能になる。 発明を実施するための最良の形態
[0006] 本発明は、架橋性シリル基を少なくとも 1個有し、主鎖がリビングラジカル重合法に より製造されたビニル系重合体 (1)、及び、 ^— NMR分析により求められる分子末 端に対する架橋性シリル基の導入率が 85%以上である架橋性シリル基含有ポリエー テルオリゴマー(II)を含有する硬化性組成物に関するものである。なお、本発明にお ける「架橋性シリル基」とは、ケィ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有 し、シロキサン結合を形成することにより架橋し得るケィ素含有基のことを言う。
[0007] 以下に、本発明の硬化性組成物について詳述する。
< <主鎖がリビングラジカル重合法により製造されたビュル系重合体 (I)について > >
<主鎖 >
本発明のビニル系重合体 )の主鎖を構成するビニル系モノマーとしては特に限定 されず、各種のものを用いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ) アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ェチル、(メタ)アクリル酸 n—プロピル、(メタ)ァク リル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸 n—ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ) アクリル酸 t—ブチル、(メタ)アクリル酸 n—ペンチル、(メタ)アクリル酸 n—へキシル、 (メタ)アクリル酸シクロへキシル、(メタ)アクリル酸 n—へプチル、(メタ)アクリル酸 n— ォクチル、(メタ)アクリル酸 2—ェチルへキシル、(メタ)アクリル酸ノエル、(メタ)アタリ ル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フ ニル、(メタ)アクリル酸ト ルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸 2—メトキシェチル、(メタ)アタリ ル酸 3—メトキシブチル、(メタ)アクリル酸 2—ヒドロキシェチル、(メタ)アクリル酸 2—ヒ ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)ァク リル酸 2—アミノエチル、 γ — (メタクリロイルォキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ) アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルォロメチルメチル、 ( メタ)アクリル酸 2—トリフルォロメチルェチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロェチ ルェチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロェチルー 2—パーフルォロブチルェチ ル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロェチル、(メタ)アクリル酸パーフルォロメチル、 (メタ)アクリル酸ジパーフルォロメチルメチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロメチ ルー 2—パーフルォロェチルメチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォ口へキシルェチ
ル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォロデシルェチル、(メタ)アクリル酸 2—パーフルォ 口へキサデシルェチル等の(メタ)アクリル系モノマー;アクリロニトリル、メタタリ口-トリ ル等のアクリロニトリル系モノマー;スチレン、ビュルトルエン、 a—メチルスチレン、ク 口ルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビュル系モノマー;パーフ ルォロエチレン、パーフルォロプロピレン、フッ化ビ-リデン等のフッ素含有ビュル系 モノマー;ビュルトリメトキシシラン、ビュルトリエトキシシラン等のケィ素含有ビュル系 モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジァ ルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステ ル;マレイミド、メチルマレイミド、ェチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチノレマレイミ ド、へキシルマレイミド、ォクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、 フエ-ルマレイミド、シクロへキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アクリルアミド 、メタクリルアミド等のアミド基含有ビュル系モノマー;酢酸ビュル、プロピオン酸ビ二 ル、ビバリン酸ビュル、安息香酸ビュル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;ェチ レン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジェン類;塩化ビ- ル、塩ィ匕ビユリデン、塩化ァリル、ァリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独 で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。
[0008] ビュル系重合体(I)の主鎖が、(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル系モノマー 、芳香族ビュル系モノマー、フッ素含有ビュル系モノマー及びケィ素含有ビュル系モ ノマーカ なる群より選ばれる少なくとも 1つのモノマーを主として重合して製造される ものであることが好ましい。ここで「主として」とは、ビュル系重合体 (I)を構成するモノ マー単位のうち 50モル0 /0以上、好ましくは 70モル0 /0以上力 上記モノマーであること を意味する。
[0009] なかでも、生成物の物性等から、芳香族ビニル系モノマー及び (メタ)アクリル酸系 モノマーが好ましい。より好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸ェ ステルモノマーであり、特に好ましくはアクリル酸エステルモノマーであり、更に好まし くは、アクリル酸ブチルである。本発明においては、これらの好ましいモノマーを他の モノマーと共重合、更にはブロック共重合させても構わなぐその際は、これらの好ま し 、モノマーが重量比で 40重量%以上含まれて 、ることが好まし 、。なお上記表現
形式で例えば (メタ)アクリル酸とは、アクリル酸および Zあるいはメタクリル酸を表す。
[0010] なお、限定はされな 、が、ゴム弾性を要求する用途には本ビニル系重合体 (I)のガ ラス転移温度が室温な 、しは使用温度よりも低 、ことが好まし 、。
[0011] 本発明のビュル系重合体(I)の分子量分布、すなわち、ゲルパーミエーシヨンクロ マトグラフィ一で測定した重量平均分子量 (Mw)と数平均分子量 (Mn)との比(Mw ZMn)は、特に限定されないが、好ましくは 1. 8未満であり、より好ましくは 1. 6以下 であり、特に好ましくは 1. 3以下である。本発明での GPC測定においては、通常、移 動相としてクロ口ホルムを用い、測定はポリスチレンゲルカラムにておこない、数平均 分子量等はポリスチレン換算で求めることができる。
[0012] 本発明におけるビニル系重合体 (I)の数平均分子量は特に制限はな 、が、ゲルパ 一ミエーシヨンクロマトグラフィーで測定した場合、 500〜1, 000, 000の範囲が好ま しく、 5, 000〜50, 000力さらに好まし!/ヽ。
<主鎖の合成法 >
本発明における、ビュル系重合体 (I)の主鎖の合成法は、制御ラジカル重合の中 でもリビングラジカル重合に限定される力 原子移動ラジカル重合が好ましい。以下 にこれらについて説明する。
制御ラジカル
ラジカル重合法は、重合開始剤としてァゾ系化合物、過酸ィ匕物などを用いて、特定 の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジ カル重合法 (フリーラジカル重合法)」と、末端などの制御された位置に特定の官能基 を導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類できる。
[0013] 「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法であるが、この方法では特定の官能基を 有するモノマーは確率的にしか重合体中に導入されな!、ので、官能化率の高 、重 合体を得ようとした場合には、このモノマーをかなり大量に使う必要があり、逆に少量 使用ではこの特定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなるという問題点 がある。またフリーラジカル重合であるため、分子量分布が広く粘度の高い重合体し か得られな 、と 、う問題点もある。
[0014] 「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合
をおこなうことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる「連鎖移動剤 法」と、重合生長末端が停止反応などを起こさずに生長することによりほぼ設計どおり の分子量の重合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類することができる。
[0015] 「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合体を得ることが可能であるが、開始剤に 対してかなり大量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処理も含めて 経済面で問題がある。また上記の「一般的なラジカル重合法」と同様、フリーラジカル 重合であるため分子量分布が広ぐ粘度の高 、重合体し力得られな 、と 、う問題点 もめる。
[0016] これらの重合法とは異なり、「リビングラジカル重合法」は、重合速度が高ぐラジカ ル同士のカップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御の難しいとされるラ ジカル重合でありながら、停止反応が起こりにくぐ分子量分布の狭い (MwZMnが 1. 1〜1. 5程度)重合体が得られるとともに、モノマーと開始剤の仕込み比によって 分子量は自由にコントロールすることができる。
[0017] 従って「リビングラジカル重合法」は、分子量分布が狭ぐ粘度が低い重合体を得る ことができる上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任意の位置に導 入することができるため、上記特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法と してはより好まし!/ヽものである。
[0018] なお、リビング重合とは狭義においては、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が 生長していく重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化されたものと活性化さ れたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合も含まれる。本発明に おける定義も後者である。
[0019] 「リビングラジカル重合法」は近年様々なグループで積極的に研究がなされて ヽる。
その例としては、たとえばジャーナル'ォブ'アメリカン'ケミカルソサエティ一 (J. Am. Chem. Soc. ) , 1994年、 116卷、 7943頁【こ示されるようなコノ ノレトポノレフイリン錯 体を用いるもの、マクロモレキュールズ(Macromolecules)ゝ 1994年、 27卷、 7228 頁に示されるような-トロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロ ゲン化物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラジカル重合」(Ato m Transfer Radical Polymerization :ATRP)などがあげられる。
[0020] 「リビングラジカル重合法」の中でも、有機ハロゲン化物ある 、はハロゲン化スルホ -ル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビュル系モノマーを重合する「 原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官 能基変換反応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触媒の設計の自 由度が大きいことから、特定の官能基を有するビニル系重合体の製造方法としてはさ らに好ましい。この原子移動ラジカル重合法としては例えば Matyjaszewskiら、ジャ 一ナル'ォブ'アメリカン'ケミカルソサエティ一 (J. Am. Chem. Soc. ) 1995年、 11 7卷、 5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules 995年、 28卷、 7901頁 ,サイエンス(Science) 1996年、 272卷、 866頁、 WO96Z30421号公報, W097 Z18247号公報、 WO98Z01480号公報, WO98Z40415号公報、あるいは Sa wamotoら、マクロモレキュールズ(Macromolecules) 1995年、 28卷、 1721頁、特 開平 9— 208616号公報、特開平 8—41117号公報などが挙げられる。
[0021] 本発明において、これらのリビングラジカル重合のうちどの方法を使用するかは特 に制約はな 、が、原子移動ラジカル重合法が好まし 、。
[0022] 以下にリビングラジカル重合について詳細に説明していくが、その前に、後に説明 するビニル系重合体の製造に用いることができる制御ラジカル重合のうちの一つ、連 鎖移動剤を用いた重合について説明する。連鎖移動剤 (テロマー)を用いたラジカル 重合としては、特に限定されないが、本発明に適した末端構造を有したビュル系重 合体を得る方法としては、次の 2つの方法が例示される。
[0023] 特開平 4— 132706号公報に示されているようなハロゲンィ匕炭化水素を連鎖移動 剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法と、特開昭 61— 271306号公報、 特許 2594402号公報、特開昭 54— 47782号公報に示されているような水酸基含 有メルカブタンある!/、は水酸基含有ポリスルフイド等を連鎖移動剤として用いて水酸 基末端の重合体を得る方法である。
[0024] 以下に、リビングラジカル重合について説明する。
[0025] そのうち、まず、ニトロキシド化合物などのラジカル捕捉剤を用いる方法について説 明する。この重合では一般に安定な-トロキシフリーラジカル(=Ν— 0 · )をラジカル キヤッビング剤として用いる。このような化合物類としては、限定はされないが、 2, 2,
6, 6 置換 1ーピベリジ-ルォキシラジカルや 2, 2, 5, 5 置換 1ーピベリジ- ルォキシラジカル等、環状ヒドロキシァミン力もの-トロキシフリーラジカルが好まし ヽ 。置換基としてはメチル基やェチル基等の炭素数 4以下のアルキル基が適当である 。具体的な-トロキシフリーラジカルィ匕合物としては、限定はされないが、 2, 2, 6, 6 ーテトラメチルー 1ーピペリジニルォキシラジカル (TEMPO)、 2, 2, 6, 6—テトラエ チルー 1ーピペリジニルォキシラジカル、 2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4 ォキソ 1 ピペリジニルォキシラジカル、 2, 2, 5, 5—テトラメチルー 1 ピロリジニルォキシラジ カル、 1, 1, 3, 3—テトラメチルー 2 イソインドリニルォキシラジカル、 N, N ジ t ーブチルァミンォキシラジカル等が挙げられる。ニトロキシフリーラジカルの代わりに、 ガルピノキシル (galvinoxyl)フリーラジカル等の安定なフリーラジカルを用いても構 わない。
[0026] 上記ラジカルキヤッビング剤はラジカル発生剤と併用される。ラジカルキヤッビング 剤とラジカル発生剤との反応生成物が重合開始剤となって付加重合性モノマーの重 合が進行すると考えられる。両者の併用割合は特に限定されるものではないが、ラジ カルキャッビング剤 1モルに対し、ラジカル開始剤 0. 1〜10モルが適当である。
[0027] ラジカル発生剤としては、種々の化合物を使用することができる力 重合温度条件 下で、ラジカルを発生しうるパーォキシドが好ましい。このパーォキシドとしては、限定 はされないが、ベンゾィルパーォキシド、ラウロイルバーオキシド等のジァシルバーォ キシド類、ジクミルパーォキシド、ジー t ブチルパーォキシド等のジアルキルバーオ キシド類、ジイソプロピルパーォキシジカーボネート、ビス(4—tーブチルシクロへキ シル)パーォキシジカーボネート等のパーォキシカーボネート類、 t ブチルバーオ キシォタトエート、 t ブチルパーォキシベンゾエート等のアルキルパーエステル類等 がある。特にベンゾィルパーォキシドが好ましい。さらに、パーォキシドの代わりにァ ゾビスイソプチ口-トリルのようなラジカル発生性ァゾィ匕合物等のラジカル発生剤も使 用しうる。
[0028] Macromolecules 1995, 28, 2993で報告されているように、ラジカルキヤッピン グ剤とラジカル発生剤を併用する代わりに、下図のようなアルコキシアミンィ匕合物を開 始剤として用いても構わな 、。
[0029] [化 1]
[0030] アルコキシアミンィ匕合物を開始剤として用いる場合、それが上図で示されているよう な水酸基等の官能基を有するものを用いると、末端に官能基を有する重合体が得ら れる。これを本発明の方法に利用すると、末端に官能基を有する重合体が得られる。
[0031] 上記の-トロキシドィ匕合物などのラジカル捕捉剤を用いる重合で用いられるモノマ 一、溶媒、重合温度等の重合条件は、限定されないが、次に説明する原子移動ラジ カル重合につ ヽて用いるものと同様で構わな 、。
¾ラジカル
次に、本発明のリビングラジカル重合としてより好ま 、原子移動ラジカル重合法に ついて説明する。
[0032] この原子移動ラジカル重合では、有機ハロゲンィ匕物、特に反応性の高い炭素ーハ ロゲン結合を有する有機ハロゲンィ匕物(例えば、 α位にハロゲンを有するカルボニル 化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化合物)、あるいはハロゲン化スルホニル 化合物等が開始剤として用いられる。
具体的に例示するならば、
C Η— CH X、 C H— C (H) (X) CH、 C H— C (X) (CH )
6 5 2 6 5 3 6 5 3 2
(ただし、上の化学式中、 C Hはフエニル基、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
6 5
R5— C (H) (X)— CO R6、 R5— C (CH ) (X)— CO R6、 R5— C (H) (X)—C (0)R6、
R5 - C (CH ) (X) - C (O) R6、
3
(式中、 R5、 R6は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、ァリール基、またはァ ラルキル基、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
R5— CH -SOX
6 4 2
(上記の各式において、 R5は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、ァリール 基、またはァラルキル基、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
[0033] 原子移動ラジカル重合の開始剤として、重合を開始する官能基以外の官能基を有 する有機ハロゲンィ匕物又はハロゲン化スルホ二ルイ匕合物を用いることもできる。このよ うな場合、一方の主鎖末端に官能基を、他方の主鎖末端に原子移動ラジカル重合 の生長末端構造を有するビニル系重合体が製造される。このような官能基としては、 ァルケ-ル基、架橋性シリル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基等が 挙げられる。
[0034] アルケニル基を有する有機ハロゲン化物としては限定されず、例えば、一般式 (6) に示す構造を有するものが例示される。
R8R9C(X) -R10-RU-C(R7) =CH (6)
2
(式中、 R7は水素、またはメチル基、 R8、 R9は水素、または、炭素数 1〜20の 1価のァ ルキル基、ァリール基、またはァラルキル、または他端において相互に連結したもの 、R1()は、—C (O)O— (エステル基)、— C(O)— (ケト基)、または o—, m—, p—フエ 二レン基、 R11は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基で 1個以上のエーテ ル結合を含んでいても良い、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
置換基 R8、 R9の具体例としては、水素、メチル基、ェチル基、 n—プロピル基、イソ プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基等が挙げられる。 R8と R9は他端にお V、て連結して環状骨格を形成して 、てもよ 、。
[0035] 一般式(2)で示される、アルケニル基を有する有機ハロゲンィ匕物の具体例としては
XCH C(0)0(CH ) CH = CH、 H CC(H) (X)C(0)0(CH ) CH = CH、 (H
2 2 n 2 3 2 n 2 3
C) C(X)C(0)0(CH ) CH = CH、
CH CH C(H) (X)C(0)0(CH ) CH = CH、
3 2 2 n 2
[0036] [化 2]
v I ヽ C〇2(CH2)nCH=CH2
X
[0037] (上記の各式にぉ 、て、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数)
XCH C (O) O (CH ) O (CH ) CH = CH , H CC (H) (X) C (O) O (CH ) O (CH
2 2 n 2 m 2 3 2 n 2
) CH = CH、 (H C) C(X)C(0)0(CH ) 0(CH ) CH = CH、 CH CH C(H) ( m 2 3 2 2 n 2 m 2 3 2
X)C(0)0(CH ) 0(CH ) CH = CH、
2 n 2 m 2
[0038] [化 3]
[0039] (上記の各式にぉ 、て、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは 1〜2 0の整数)
o, m, p-XCH— C H— (CH ) — CH = CH、 o, m, p— CH C(H) (X)— C H
2 6 4 2 n 2 3 6 4 (CH ) CH = CH、 o, m, p— CH CH C(H) (X)— C H— (CH ) CH = C
2 n 2 3 2 6 4 2 n
H、
2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) o, m, p-XCH C H— (CH ) —O (CH ) —CH = CH、 o, m, p— CH C(
2 6 4 2 n 2 m 2 3
H) (X)— C H— (CH ) —O (CH ) -CH = CH、 o, m, p— CH CH C(H) (X
6 4 2 n 2 m 2 3 2
)-CH - (CH ) -O- (CH ) CH = CH、
6 4 2 n 2 m 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは 1〜2
0の整数)
o, m, p-XCH -C H—O— (CH ) —CH = CHゝ o, m, p— CH C(H) (X)—C
2 6 4 2 n 2 3
H O— (CH ) CH = CH、 o, m, p— CH CH C(H) (X)— C H O— (CH
6 4 2 n 2 3 2 6 4 2
) -CH=CH、
n 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) o, m, p-XCH -C H—O— (CH ) —O— (CH ) —CH = CH、 o, m, p— CH
2 6 4 2 n 2 m 2 3
C(H) (X)-CH -O-(CH) -O-(CH) —CH = CH、 o, m, p— CH CH C
6 4 2 n 2 m 2 3 2
(H) (X)-CH -O-(CH) -O-(CH) —CH = CH、
6 4 2 n 2 m 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは 1〜2 0の整数)
ァルケ-ル基を有する有機ハロゲンィ匕物としてはさらに一般式(7)で示される化合 物が挙げられる。
H C = C(R7) -RU-C(R8) (X) -R12-R9 (7)
2
(式中、 R7、 R8、 R9、 RU、 Xは上記に同じ、 R12は、直接結合、 C(0)0— (エステル 基)、 C(O) (ケト基)、または、 ◦一, m—, p—フ -レン基を表す)
R11は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基(1個以上のエーテル結合を 含んでいても良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結合している炭素 にビュル基が結合しており、ハロゲン化ァリルイ匕物である。この場合は、隣接ビュル 基によって炭素—ハロゲン結合が活性ィ匕されているので、 R12として C (O)O基やフエ 二レン基等を有する必要は必ずしもなぐ直接結合であってもよい。 R11が直接結合で ない場合は、炭素—ハロゲン結合を活性ィ匕するために、 R12としては C (O)O基、 C( O)基、フ -レン基が好ましい。
一般式(7)の化合物を具体的に例示するならば、
CH =CHCH X、 CH =C(CH )CHX、 CH =CHC(H) (X)CH、 CH =C(C
2 2 2 3 2 2 3 2
H )C(H) (X)CH、 CH =CHC(X) (CH ) 、 CH =CHC(H) (X)C H、 CH =C
3 3 2 3 2 2 2 5 2
HC(H) (X)CH(CH ) 、 CH =CHC(H) (X)C H、 CH =CHC(H) (X)CH C
3 2 2 6 5 2 2 6
H、 CH =CHCH C(H) (X)— CO R13、 CH =CH(CH ) C(H) (X)— CO R13、
5 2 2 2 2 2 2 2
CH =CH(CH ) C(H) (X)— CO R13、 CH =CH(CH ) C(H) (X)— CO R13、 C
H =CHCH C(H) (X)— C H、 CH =CH(CH ) C(H) (X)— C H、 CH =CH(
2 2 6 5 2 2 2 6 5 2
CH) C(H) (X)— CH、
2 3 6 5
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R13は炭素数 1〜20のアルキ ル基、ァリール基、ァラルキル基)
等を挙げることができる。
[0041] アルケニル基を有するハロゲン化スルホニル化合物の具体例を挙げるならば、 o—, m-, p-CH =CH- (CH ) —C H—SO X、 o—, m—, p— CH =CH— (
2 2 n 6 4 2 2
CH ) O— CH -SOX,
2 n 6 4 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 nは 0〜20の整数) 等である。
[0042] 上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としては特に限定されず、例えば一 般式 (8)に示す構造を有するものが例示される。
R8R9C(X) -R10-RU-C(H) (R7)CH - [SKR1) (Z) O]— Si(R2) (Z) (8)
2 2-b b 1 3-a a
(式中、
R
9、 R
1Q、 R
U、 Xは上記に同じ、 R
2は、いずれも炭素数 1〜20の アルキル基、ァリール基、ァラルキル基、または (R,) SiO- (R,は炭素数 1〜20の 1
3
価の炭化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい)で示 されるトリオルガノシロキシ基を示し、 R1または R2が 2個以上存在するとき、それらは同 一であってもよぐ異なっていてもよい。 Zは水酸基または加水分解性基を示し、 Zが 2 個以上存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2, または 3を、また、 bは 0, 1,または 2を示す。 1は 0〜19の整数である。ただし、 a+∑b ≥ 1であることを満足するものとする)
一般式 (8)の化合物を具体的に例示するならば、
XCH C(0)0(CH ) Si (OCH ) 、 CH C(H) (X)C(0)0(CH ) Si (OCH ) 、 (C
2 2 n 3 3 3 2 n 3 3
H ) C(X)C(0)0(CH ) Si (OCH )、 XCH C (O) O (CH ) Si(CH ) (OCH )、
3 2 2 n 3 3 2 2 n 3 3 2
CH C(H) (X)C(0)0(CH ) Si(CH ) (OCH )、 (CH ) C(X)C(0)0(CH ) Si
3 2 n 3 3 2 3 2 2 n
(CH ) (OCH ) 、
3 3 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、ヨウ素、 nは 0〜20の整数、)
XCH C (O) O (CH ) O (CH ) Si (OCH )、 H CC (H) (X) C (O) O (CH ) O (CH
) Si(OCH)、 (H C) C(X)C(0)0(CH ) 0(CH ) Si(OCH) 、CHCHC(
2 m 3 3 3 2 2 n 2 m 3 3 3 2
H) (X) C (O) O (CH ) O (CH ) Si(OCH) 、XCHC(0)0(CH) O(CH) Si(
2 n 2 m 3 3 2 2 n 2 m
CH ) (OCH ) 、 H CC(H) (X)C(0)0(CH ) 0(CH ) Si(CH ) (OCH )、 (
3 3 2 3 2 n 2 m 3 3 2
H C) C(X)C(0)0(CH ) 0(CH ) — Si(CH ) (OCH ) 、 CH CH C(H) (X)C
3 2 2 n 2 m 3 3 2 3 2
(O)O(CH ) 0(CH ) -Si(CH ) (OCH ) 、
2 n 2 m 3 3 2
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、ヨウ素、 nは 0〜20の整数、 mは 1〜20の整 数)
o, m, p-XCH—CH - (CH ) Si (OCH )、 o, m, p— CHC(H) (X)-CH
2 6 4 2 2 3 3 3 6 4
(CH ) Si (OCH )、 o, m, p— CH CH C(H) (X) -CH - (CH ) Si (OCH ) 、
2 2 3 3 3 2 6 4 2 2 3 3 o, m, p-XCH—CH - (CH ) Si (OCH )、 o, m, p— CHC(H) (X)-CH
2 6 4 2 3 3 3 3 6 4
(CH ) Si (OCH )、 o, m, p— CH CH C(H) (X) -CH - (CH ) Si (OCH ) 、
2 3 3 3 3 2 6 4 2 3 3 3 o, m, p-XCH— C H— (CH ) — O— (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p— CH C(H
2 6 4 2 2 2 3 3 3 3
) (X) -C H - (CH ) — O— (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p— CH CH C(H) (X)
6 4 2 2 2 3 3 3 3 2
C H - (CH ) O— (CH ) Si (OCH )、 o, m, p-XCH C H O— (CH )
6 4 2 2 2 3 3 3 2 6 4 2 3
Si (OCH )、 o, m, p-CH C(H) (X)— C H— O— (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p
3 3 3 6 4 2 3 3 3
CH CH C(H) (X)— C H O— (CH ) -Si (OCH ) 、 o, m, p-XCH C
3 2 6 4 2 3 3 3 2 6
H O— (CH ) O— (CH ) -Si (OCH )、 o, m, p-CH C(H) (X)— C H—
4 2 2 2 3 3 3 3 6 4
O— (CH ) O— (CH ) Si (OCH ) 、 o, m, p-CH CH C(H) (X)— C H O
2 2 2 3 3 3 3 2 6 4 (CH ) — O— (CH ) Si (OCH )、
2 2 2 3 3 3
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素)
等が挙げられる。
上記架橋性シリル基を有する有機ハロゲン化物としてはさらに、一般式 (9)で示さ れる構造を有するものが例示される。
(R2) (Z) SHOS R1) (Z) ] -CH -C(H) (R7)—RU— C(R8) (X)—R12—R
33-a a 2-b b 1
9
(9)
(式中、 R
7、 R
8、 R
9、 R
u、 R
12、
R
2、 a、 b、 1、 X、 Zは上記に同じ)
このような化合物を具体的に例示するならば、
(CH O) SiCH CH C (H) (X) C H、 (CH O) (CH ) SiCH CH C (H) (X) C H
3 3 2 2 6 5 3 2 3 2 2 6 5
、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X) - CO R 、 (CH O) (CH )Si(CH ) C(H) (X) -
3 3 2 2 2 3 2 3 2 2
CO R13、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X)— CO R13、 (CH O) (CH )Si(CH ) C(H
2 3 3 2 3 2 3 2 3 2 3
) (X) - CO R13、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X) - CO R13、 (CH O) (CH )Si(CH
2 3 3 2 4 2 3 2 3 2
) C(H) (X) -CO R13、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X)— CO R13、 (CH O) (CH )
4 2 3 3 2 9 2 3 2 3
Si(CH ) C(H) (X) -CO R13、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X) - C H、 (CH O) (
2 9 2 3 3 2 3 6 5 3 2
CH )Si(CH ) C(H) (X)— C H、 (CH O) Si(CH ) C(H) (X)— C H、 (CH O
3 2 3 6 5 3 3 2 4 6 5 3
) (CH)Si(CH) C(H)(X) - CH、
2 3 2 4 6 5
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R13は炭素数 1〜20のアルキ ル基、ァリール基、ァラルキル基)
等が挙げられる。
上記ヒドロキシル基を持つ有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホ-ル化合物 としては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
HO (CH ) - OC (O) C (H) (R5) (X)
2 m
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R5は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、ァリール基、ァラルキル基、 mは 1〜20の整数)
上記アミノ基を持つ有機ハロゲンィ匕物、またはハロゲン化スルホ二ルイ匕合物として は特に限定されず、下記のようなものが例示される。
H N - (CH ) OC (O) C (H) (R5) (X)
2 2 m
(上記の各式において、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R5は水素原子または炭素 数 1〜20のアルキル基、ァリール基、ァラルキル基、 mは 1〜20の整数)
上記エポキシ基を持つ有機ハロゲンィ匕物、またはハロゲン化スルホ-ルイ匕合物とし ては特に限定されず、下記のようなものが例示される。
[0045] [化 4]
[0046] (上記の各式にぉ 、て、 Xは塩素、臭素、またはヨウ素、 R5は水素原子または炭素数 1〜20のアルキル基、ァリール基、ァラルキル基、 mは 1〜20の整数)
成長末端構造を 1分子内に 2つ以上有する重合体を得るためには、 2つ以上の開 始点を持つ有機ハロゲンィ匕物、またはハロゲン化スルホ-ルイ匕合物を開始剤として 用いるのが好ま 、。具体的に例示するならば、
5]
o,m,p-X— CH2— C6H4-CH2— X
(式中、 C6H4はフエニレン基、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
(式中 R13は炭素数 1 20のアルキル基、 ァリール基、 またはァラ ルキル基、 nは 0 20の整数、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素、 nは 0 20の整数)
[0048] [化 6]
O
X— CH2-C— 0-(CH2)m-0— C一 CH2— X
CH3 O O CH3
X— CH-C-0-(CH2)m-0— C-CH— X
CH3 O O CH3
X— C― C-0-(CH2)m O— o= C-C—— X
CH3 CH3
(式中、 mは"!〜 2 0の整数、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
o o
o,m,p- II II
X— CH2-C- 0-C6H4-0— C- CH2— X
CH3 O O CH3
I II II
o,m,P- X— CH-C-0-C6H4- 0-C- CH― X
CH3 O O CH3
I II II
o,m,p_ X— C一 C— 0-C6H4— O— C- C—— X
I I
CH3 CH3 o,m,P- X— SO2- C6H4- SO2— X
(式中、 Xは塩素、 臭素、 またはヨウ素)
[0049] 等が挙げられる。
[0050] この重合において用いられるビュル系モノマーとしては特に制約はなぐ既に例示 したものをすベて好適に用いることができる。
[0051] 重合触媒として用いられる遷移金属錯体としては特に限定されないが、好ましくは 周期律表第 7族、 8族、 9族、 10族、または 11族元素を中心金属とする金属錯体錯 体である。更に好ましいものとして、 0価の銅、 1価の銅、 2価のルテニウム、 2価の鉄 又は 2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯体が好ましい。 1価の銅 化合物を具体的に例示するならば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シァ ン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合物を用いる場合、触媒 活性を高めるために 2, 2' —ビビリジル及びその誘導体、 1, 10—フエナント口リン及 びその誘導体、テトラメチルエチレンジァミン、ペンタメチルジェチレントリァミン、へキ サメチルトリス(2—アミノエチル)ァミン等のポリアミン等の配位子が添加される。好ま しい配位子は、含窒素化合物であり、より好ましい配位子は、キレート型含窒素化合 物であり、さらに好ましい配位子は、 N, N, Ν' , Ν", Ν"—ペンタメチルジェチレント リアミンである。また、 2価の塩化ルテニウムのトリストリフエ-ルホスフィン錯体 (RuCl
2
(PPh ) )も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒として用いる場合は、活
3 3
性化剤としてアルミニウムアルコキシド類が添加される。更に、 2価の鉄のビストリフエ -ルホスフィン錯体(FeCl (PPh ) ) , 2価のニッケルのビストリフ -ルホスフィン錯
2 3 2
体(NiCl (PPh ) )、及び、 2価のニッケルのビストリブチルホスフィン錯体(NiBr (P
2 3 2 2
Bu ) )も、触媒として好適である。
3 2
[0052] 重合は無溶剤または各種の溶剤中で行なうことができる。溶剤の種類としては、ベ ンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジェチルエーテル、テトラヒドロフラン等のェ 一テル系溶媒、塩化メチレン、クロ口ホルム等のハロゲンィ匕炭化水素系溶媒、ァセト ン、メチルェチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、メタノール、ェタノ 一ノレ、プロパノーノレ、イソプロパノーノレ、 n—ブチノレアノレコーノレ、 tーブチノレアノレコー ル等のアルコール系溶媒、ァセトニトリル、プロピオ-トリル、ベンゾ-トリル等の-トリ ル系溶媒、酢酸ェチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、エチレンカーボネート、プ ロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ、単独または 2種以上を 混合して用いることができる。
[0053] また、限定はされないが、重合は 0°C〜200°Cの範囲で行なうことができ、好ましく は50〜150。〇でぁる。
[0054] 本発明の原子移動ラジカル重合には、いわゆるリバース原子移動ラジカル重合も 含まれる。リバース原子移動ラジカル重合とは、通常の原子移動ラジカル重合触媒が ラジカルを発生させた時の高酸ィ匕状態、例えば、 Cu (I)を触媒として用いた時の Cu( Π' )に対し、過酸ィ匕物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原子 移動ラジカル重合と同様の平衡状態を生み出す方法である(Macromolecules 19 99, 32, 2872参照)。
<官能基>
架橋件シリル某の数
ビニル系重合体 (I)は、少なくとも 1個の架橋性シリル基を有するものである。また、 組成物の硬化性及び硬化物の物性の点から、架橋性シリル基の数は平均して、好ま しくは 1. 1個以上 4. 0個以下、さらに好ましくは 1. 2個以上 3. 5個以下である。
シリル の
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物にゴム的な性質が特に要求される 場合には、ゴム弾性に大きな影響を与える架橋点間分子量が大きくとれるため、架橋 性シリル基の少なくとも 1個は分子鎖の末端にあることが好ましい。より好ましくは、全 ての架橋性シリル基を分子鎖末端に有するものである。
[0055] 上記架橋性シリル基を分子末端に少なくとも 1個有するビニル系重合体 (I)、中でも
(メタ)アクリル系重合体を製造する方法は、特公平 3— 14068号公報、特公平 4— 5 5444号公報、特開平 6— 211922号公報等に開示されている。し力しながらこれら の方法は上記「連鎖移動剤法」を用いたフリーラジカル重合法であるので、得られる 重合体は、架橋性シリル基を比較的高い割合で分子鎖末端に有する一方で、 Mw ZMnで表される分子量分布の値が一般に 2以上と大きぐ粘度が高くなるという問題 を有している。従って、分子量分布が狭ぐ粘度の低いビュル系重合体であって、高 い割合で分子鎖末端に架橋性シリル基を有するビュル系重合体を得るためには、上 記「リビングラジカル重合法」を用いることが好ま 、。
[0056] 以下にこれらの官能基について説明する。
シリル
本発明におけるビュル系重合体 (I)の架橋性シリル基としては、一般式(1);
- [SKR1) (Z) 0] -Si (R2) (Z) (1)
-b b 1 3 - a a
{式中、
R
2は、いずれも炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基 、炭素数 7〜20のァラルキル基、または(R,) SiO—(R,は炭素数 1〜20の 1価の炭
3
化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい)で示される トリオルガノシロキシ基を示し、 R1または R2が 2個以上存在するとき、それらは同一で あってもよぐ異なっていてもよい。 Zは水酸基または加水分解性基を示し、 Zが 2個 以上存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2,ま たは 3を、また、 bは 0, 1,または 2を示す。 1は 0〜19の整数である。ただし、 a+∑b ≥1であることを満足するものとする。 }
で表される基があげられる。
[0057] 加水分解性基としては、たとえば、水素原子、アルコキシ基、ァシルォキシ基、ケト キシメート基、アミノ基、アミド基、アミノォキシ基、メルカプト基、ァルケ-ルォキシ基 などの一般に使用されている基があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミド 基、アミノォキシ基が好ましいが、加水分解性がマイルドで取り扱い易いという点から 、アルコキシ基がとくに好ましい。
[0058] 加水分解性基や水酸基は、 1個のケィ素原子に 1〜3個の範囲で結合することがで き、 (a+∑b)は 1〜5の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸基が架橋性シリル基 中に 2個以上結合する場合には、それらは同じであってもよいし、異なってもよい。架 橋性シリル基を形成するケィ素原子は 1個以上であるが、シロキサン結合などにより 連結されたケィ素原子の場合には、 20個以下であることが好ましい。とくに、一般式( 10)
Si(R2) (Z) (10)
3~a a
(式中、 R2、 Zは前記と同じ。 aは 1, 2,または 3である。)で表される架橋性シリル基が 、入手が容易であるので好ましい。
[0059] なお、特に限定はされないが、硬化性を考慮すると aは 2以上が好ましい。また、 aが 3のもの(例えばトリメトキシシリル基)は 2のもの(例えばジメトキシシリル基)よりも硬ィ匕 性が早いが、貯蔵安定性や力学物性 (伸び等)に関しては 2のものの方が優れている 場合がある。硬化性と物性バランスをとるために、 2のもの(例えばジメトキシシリル基)
と 3のもの(例えばトリメトキシシリル基)を併用してもよい。
<シリル基導入法 >
以下に、本発明のビュル系重合体 (I)へのシリル基導入法について説明するが、こ れに限定されるものではな 、。
[0060] 架橋性シリル基を少なくとも 1個有するビニル系重合体 (I)の合成方法としては、
(A)アルケニル基を少なくとも 1個有するビニル系重合体に架橋性シリル基を有す るヒドロシランィ匕合物を、ヒドロシリルイ匕触媒存在下に付加させる方法
(B)水酸基を少なくとも 1個有するビニル系重合体に一分子中に架橋性シリル基と イソシァネート基のような水酸基と反応し得る基を有する化合物を反応させる方法
(C)ラジカル重合によりビュル系重合体を合成する際に、 1分子中に重合性のアル ケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させる方法
(D)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、架橋性シリル基を有する 連鎖移動剤を用いる方法
(E)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体に 1 分子中に架橋性シリル基と安定なカルバニオンを有する化合物を反応させる方法; などが挙げられる。
[0061] (A)の方法で用いるァルケ-ル基を少なくとも 1個有するビュル系重合体は種々の 方法で得られる。以下に合成方法を例示するが、これらに限定されるわけではない。
[0062] (A— a)ラジカル重合によりビュル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式
(11)に挙げられるような一分子中に重合性のァルケ-ル基と重合性の低 、ァルケ- ル基を併せ持つ化合物を第 2のモノマーとして反応させる方法。
H C = C (R7)— R14— R11— C (R15) =CH (11)
2 2
(式中、 R7は水素またはメチル基を示し、 R14は— C (0) 0—、または o—, m—, p— フエ二レン基を示し、 R11は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基を示し、 1 個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。 R15は水素、または炭素数 1〜20のアル キル基、炭素数 6〜20のァリール基または炭素数 7〜20のァラルキル基を示す) なお、一分子中に重合性のアルケニル基と重合性の低 ヽァルケ二ル基を併せ持つ 化合物を反応させる時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性
質を期待する場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、 第 2のモノマーとして反応させるのが好まし 、。
[0063] (A—b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、重合反応の 終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば 1, 5 へキサジェン、 1, 7- ォクタジェン、 1, 9ーデカジエンなどのような重合'性の低いァノレケニノレ基を少なくとも
2個有する化合物を反応させる方法。
[0064] (A-c)反応性の高!、炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えばァリルトリブチル錫、ァリルトリオクチル錫などの有機錫のようなアルケニル 基を有する各種の有機金属化合物を反応させてハロゲンを置換する方法。
[0065] (A— d)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、一般式(12)に挙げられるようなアルケニル基を有する安定ィ匕カルバ-オンを反 応させてハロゲンを置換する方法。
M+C— (R16) (R17)—R18— C (R15) =CH (12)
2
(式中、 R15は上記に同じ、 R16、 R17はともに力ルバ-オン Cを安定ィ匕する電子吸引基 であるか、または一方が前記電子吸引基で他方が水素または炭素数 1〜10のアル キル基、またはフエ-ル基を示す。 R18は直接結合、または炭素数 1〜10の 2価の有 機基を示し、 1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。 M+はアルカリ金属イオン 、または 4級アンモ-ゥムイオンを示す)
R16、 R17の電子吸引基としては、—CO R、— C (0)Rおよび— CNの構造を有する
2
ものが特に好ましい。
[0066] (A— e)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートァ ユオンを調製し、しかる後にハロゲンゃァセチル基のような脱離基を有するァルケ- ル基含有化合物、アルケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有する イソシァネートイ匕合物、アルケニル基を有する酸ハロゲン化物等の、ァルケ-ル基を 有する求電子化合物と反応させる方法。
[0067] (A— f)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えば一般式(13)あるいは(14)に示されるようなアルケニル基を有するォキシ
ァ-オンあるいはカルボキシレートァ-オンを反応させてハロゲンを置換する方法。 H C = C (R15)—R19— 0— M+ (13)
2
(式中、 R15、 M+は上記に同じ。 R19は炭素数 1〜20の 2価の有機基で 1個以上のエー テル結合を含んで 、てもよ 、)
H C = C (R15)— R11— C (0) 0— M+ (14)
2
(式中、 R15、 M+は上記に同じ。 R11は直接結合、または炭素数 1〜20の 2価の有機基 で 1個以上のエーテル結合を含んで!/、てもよ!/、)
などが挙げられる。
[0068] 上述の反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 の合成法は、前述のような有機ハロゲン化物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒と する原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限定されるわけではない。
[0069] またアルケニル基を少なくとも 1個有するビニル系重合体は、水酸基を少なくとも 1 個有するビニル系重合体力 得ることも可能であり、以下に例示する方法が利用でき るがこれらに限定されるわけではない。水酸基を少なくとも 1個有するビニル系重合 体の水酸基に、
(A-g)ナトリウムメトキシドのような塩基を作用させ、塩化ァリルのようなァルケ-ル 基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
[0070] (A-h)ァリルイソシァネート等のァルケ-ル基含有イソシァネートイ匕合物を反応さ せる方法。
[0071] (A— i) (メタ)アクリル酸クロリドのようなァルケ-ル基含有酸ハロゲン化物をピリジン 等の塩基存在下に反応させる方法。
[0072] (A-j)アクリル酸等のアルケニル基含有カルボン酸を酸触媒の存在下に反応させ る方法;等が挙げられる。
[0073] 本発明では (A—a) (A-b)のようなァルケ-ル基を導入する方法にハロゲンが直 接関与しな 、場合には、リビングラジカル重合法を用いてビュル系重合体を合成す ることが好ましい。制御がより容易である点から (A—b)の方法がさらに好ましい。
[0074] 反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体のハロゲ ンを変換することによりァルケ-ル基を導入する場合は、反応性の高い炭素 ハロゲ
ン結合を少なくとも 1個有する有機ハロゲンィ匕物、またはハロゲン化スルホ二ルイ匕合 物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラジカル重合すること( 原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭素 ハロゲン結合を 少なくとも 1個有するビュル系重合体を用いるのが好ましい。制御がより容易である点 力も (A—f)の方法がさらに好ましい。
[0075] また、架橋性シリル基を有するヒドロシランィ匕合物としては特に制限はないが、代表 的なものを示すと、一般式(15)で示される化合物が例示される。
H— [S R1) (Z) O] -Si (R2) (Z) (15)
2-b b 1 3 - a a
{式中、
R
2は、いずれも炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基 、炭素数 7〜20のァラルキル基、または(R,) SiO—(R,は炭素数 1〜20の 1価の炭
3
化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい)で示される トリオルガノシロキシ基を示し、 R1または R2が 2個以上存在するとき、それらは同一で あってもよぐ異なっていてもよい。 Zは水酸基または加水分解性基を示し、 Zが 2個 以上存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2,ま たは 3を、また、 bは 0, 1,または 2を示す。 1は 0〜19の整数である。ただし、 a+∑b ≥1であることを満足するものとする。 }
これらヒドロシランィ匕合物の中でも、特に一般式(16)
H-Si(R2) (Z) (16)
3~a a
(式中、 R2、 Zは前記と同じ。 aは 1, 2,または 3である。 )
で示される架橋性基を有する化合物が入手容易な点から好ましい。
[0076] 上記の架橋性シリル基を有するヒドロシランィ匕合物をアルケニル基に付加させる際 には、遷移金属触媒が通常用いられる。遷移金属触媒としては、例えば、白金単体、 アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金 酸、塩ィ匕白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等との錯体、白金ーォレフイン錯体 、白金 (0)—ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合物以外 の触媒の例としては、 RhCl (PPh ) , RhCl , RuCl , IrCl , FeCl , A1C1 , PdCl ·
3 3 3 3 3 3 3 2
H O, NiCl , TiCl等が挙げられる。
2 2 4
[0077] (B)および (A— g)〜 (A— j)の方法で用いる水酸基を少なくとも 1個有するビニル
系重合体の製造方法は以下のような方法が例示されるが、これらの方法に限定され るものではない。
[0078] (B— a)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際に、例えば下記の一般式
( 17)に挙げられるような一分子中に重合性のァルケ-ル基と水酸基を併せ持つ化 合物を第 2のモノマーとして反応させる方法。
H C = C (R7)— R"— R11— OH (17)
2
なお、一分子中に重合性のアルケニル基と水酸基を併せ持つ化合物を反応させる 時期に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する場合に は重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第 2のモノマーとして 反応させるのが好ましい。
[0079] (B— b)リビングラジカル重合によりビュル系重合体を合成する際に、重合反応の 終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、例えば 10 ゥンデセノール、 5 へ キセノール、ァリルアルコールのようなアルケニルアルコールを反応させる方法。
[0080] (B—c)例えば特開平 5— 262808に示される水酸基含有ポリスルフイドのような水 酸基含有連鎖移動剤を多量に用いてビュル系モノマーをラジカル重合させる方法。
[0081] (B—d)例えば特開平 6— 239912、特開平 8— 283310に示されるような過酸ィ匕 水素あるいは水酸基含有開始剤を用いてビュル系モノマーをラジカル重合させる方 法。
[0082] (B—e)例えば特開平 6— 116312に示されるようなアルコール類を過剰に用いて ビュル系モノマーをラジカル重合させる方法。
[0083] (B—f)例えば特開平 4— 132706などに示されるような方法で、反応性の高い炭 素 ハロゲン結合を少なくとも 1個に有するビニル系重合体のハロゲンを加水分解あ るいは水酸基含有化合物と反応させることにより、末端に水酸基を導入する方法。
[0084] (B— g)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、一般式(18)に挙げられるような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させ てハロゲンを置換する方法。
M+C— (R16) (R17)— R18— OH (18)
(式中、 R16、 R17、 R18、は上記に同じ)
R16、 R17の電子吸引基としては、—CO R、— C (0)Rおよび— CNの構造を有する
2
ものが特に好ましい。
[0085] (B— h)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えば亜鉛のような金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノレートァ ユオンを調製し、しカゝる後にアルデヒド類、又はケトン類を反応させる方法。
[0086] (B— i)反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体 に、例えば一般式(19)あるいは(20)に示されるような水酸基を有するォキシァニォ ンあるいはカルボキシレートァ-オンを反応させてハロゲンを置換する方法。
HO-R19-0"M+ (19)
(式中、 R19および M+は前記に同じ)
HO - R11 - C (0) 0— M+ (20)
(式中、 R11および M+は前記に同じ)
(B-j)リビングラジカル重合によりビュル系重合体を合成する際に、重合反応の終 期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第 2のモノマーとして、一分子中に重合 性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物を反応させる方法。
[0087] このような化合物としては特に限定されないが、一般式 (21)に示される化合物等が 挙げられる。
H C = C (R7) -R19-OH (21)
2
(式中、 R7および R19は上述したものと同様である。 )
上記一般式 (21)に示される化合物としては特に限定されないが、入手が容易であ るということ力ら、 10 ゥンデセノール、 5 へキセノール、ァリルアルコールのような ァルケ-ルアルコールが好まし 、。
等が挙げられる。
[0088] 本発明では (B— a)〜(B— e)及び (B— j)のような水酸基を導入する方法にハロゲ ンが直接関与しな 、場合には、リビングラジカル重合法を用いてビニル系重合体を 合成することが好ましい。制御がより容易である点から (B— b)の方法がさらに好まし い。
[0089] 反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体のハロゲ ンを変換することにより水酸基を導入する場合は、有機ハロゲン化物、またはハロゲ ン化スルホニルイ匕合物を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーをラ ジカル重合すること (原子移動ラジカル重合法)により得る、末端に反応性の高い炭 素 ハロゲン結合を少なくとも 1個有するビニル系重合体を用いるのが好まし、。制 御がより容易である点から(B—i)の方法がさらに好ま U、。
[0090] また、一分子中に架橋性シリル基とイソシァネート基のような水酸基と反応し得る基 を有する化合物としては、例えば γ—イソシアナ一トプロピルトリメトキシシラン、 γ - イソシアナ一トプロピルメチルジメトキシシラン、 γ イソシアナ一トプロピルトリェトキ シシラン等が挙げられ、必要により一般に知られているウレタン化反応の触媒を使用 できる。
[0091] (C)の方法で用いる一分子中に重合性のァルケ-ル基と架橋性シリル基を併せ持 つ化合物としては、例えば γ—トリメトキシシリルプロピル (メタ)アタリレート、 γ—メチ ルジメトキシシリルプロピル (メタ)アタリレートなどのような、下記一般式(22)で示すも のが挙げられる。
H C = C (R7) -R14-R2°- [Si (R1) (Z) O]— Si (R2) (Z) (22)
2 2-b b 1 3-a a
(式中、
R
14、 Z、 a、 b、 1は上記に同じ。 R
2°は、直接結合、または炭素数 1 〜20の 2価の有機基で 1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい。ただし、 a+∑ b≥lであることを満足するものとする。 )
一分子中に重合性のアルケニル基と架橋性シリル基を併せ持つ化合物を反応させ る時期に特に制限はないが、特にリビングラジカル重合で、ゴム的な性質を期待する 場合には重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第 2のモノマー として反応させるのが好まし 、。
[0092] (D)の連鎖移動剤法で用いられる、架橋性シリル基を有する連鎖移動剤としては 例えば特公平 3— 14068号公報、特公平 4— 55444号公報に示される、架橋性シリ ル基を有するメルカブタン、架橋性シリル基を有するヒドロシランなどが挙げられる。
[0093] (E)の方法で用いられる、上述の反応性の高い炭素 ハロゲン結合を少なくとも 1 個有するビニル系重合体の合成法は、前述のような有機ハロゲンィ匕物等を開始剤と
し、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が挙げられるがこれらに限 定されるわけではない。一分子中に架橋性シリル基と安定化力ルバ-オンを併せ持 つ化合物としては一般式(23)で示すものが挙げられる。
M+C— (R16) (R17) -RU-C (H) (R21)—CH— [SKR1) (Z) O]—Si (R2) (Z) (
2 2-b b 1 3-a a
23)
(式中、
R
16、 R
17、 Z、 a、 b、 1、は前記に同じ。 R
11は直接結合、または炭素数 1 〜 10の 2価の有機基で 1個以上のエーテル結合を含んでいてもよい、 R
21は水素、ま たは炭素数 1〜10のアルキル基、炭素数 6〜10のァリール基または炭素数 7〜10の ァラルキル基を示す。ただし、 a+∑b≥lであることを満足するものとする。 )
R16、 R17の電子吸引基としては、—CO R、— C (0)Rおよび— CNの構造を有する
2
ものが特に好ましい。
< <分子末端に対する架橋性シリル基の導入率が1 H— NMR分析により 85%以上 である架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II) > >
本発明の硬化性組成物に使用される架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー( II)は、 iH— NMR分析により求められる分子鎖末端に対する架橋性シリル基の数が 85%以上である。
[0094] 本発明で 、う架橋性シリル基とは、ケィ素原子に結合した水酸基及び Z又は加水 分解性基を有する基であって、相互間の縮合反応によりシロキサン結合を形成して 架橋しうる基であり、特に限定されるものではないが、好ましいものとしては、例えば 一般式(1)で表される基が挙げられる。
[0095] - [SKR1) (Z) O] -Si(R2) (Z) (1)
2-b b 1 3-a a
{式中、
R
2はいずれも炭素数 1〜20のアルキル基、炭素数 6〜20のァリール基、 炭素数 7〜20のァラルキル基、または (R,) SiO- (R,は炭素数 1〜20の 1価の炭
3
化水素基であって、 3個の R'は同一であってもよぐ異なっていてもよい)で示される トリオルガノシロキシ基を示し、 R1または R2が 2個以上存在するとき、それらは同一で あってもよぐ異なっていてもよい。 Zは水酸基または加水分解性基を示し、 Zが 2個 以上存在するときそれらは同一であってもよぐ異なっていてもよい。 aは 0, 1, 2,ま たは 3を、また、 bは 0, 1,または 2を示す。 1は 0〜19の整数である。ただし、 a+∑b
≥1であることを満足するものとする。 }
また上記一般式(1)における 、および R2の具体例としては、例えばメチル基、ェ チル基等のアルキル基、シクロへキシル基等のシクロアルキル基、フエ-ル基等のァ リール基、ベンジル基等のァラルキル基、 R,力 Sメチル基やフエ-ル基等である (R,)
3
SiO で示されるトリオルガノシロキシ基などが挙げられる。 R1 R2, R'としてはメチル 基が特に好ましい。
[0096] 上記 Zのうちの加水分解性基は特に限定されず、従来公知の加水分解性基であれ ば良い。具体的には例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、ァシルォキシ基 、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノォキシ基、メルカプト基、アル ケニルォキシ基等が挙げられる。これらの内では、加水分解性が穏やかで取扱やす いという点でメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ 基が好ましい。
[0097] この水酸基や加水分解性基は 1個のケィ素原子に 1〜3個結合することができ、 (a
+∑b)は 1から 5であるのが好ましい。水酸基や加水分解性基が架橋性シリル基中 に 2個以上存在する場合には、それらは同一であっても良ぐ異なっていてもよい。
[0098] 架橋性シリル基中のケィ素原子の数は 1個でもよく 2個以上でもよいが、シロキサン 結合等によりケィ素原子の連結された架橋性シリル基の場合には 20個程度でもよい
[0099] なお下記一般式(10)で表される架橋性シリル基が入手が容易であるため好ま 、 Si(R2) (Z) (10)
3~a a
(式中 R2、 Zは上記一般式(1)と同様である。また、 aは 1, 2,または 3である。 ) 上記架橋性シリル基はポリエーテル分子鎖の内部に側鎖として存在してもよぐ末 端に存在してもよいが、建築物のシーラント用途等には末端に存在するのが特に好 ましい。架橋性シリル基が内部に側鎖として存在すると、最終的に形成される硬化物 に含まれるポリエーテルオリゴマー成分の有効網目鎖量が小さくなるため、高弾性率 で低伸びを示すゴム状硬化物が得られやすくなる。一方、架橋性シリル基が分子鎖 の末端近傍に存在すると最終的に形成される硬化物に含まれるポリエーテルオリゴ
マー成分の有効網目鎖量が多くなるため、高強度、高伸びで低弾性率を示すゴム状 硬化物が得られやすくなる。特に、架橋性シリル基が分子鎖の末端に存在すると、最 終的に形成される硬化物に含まれるポリエーテルオリゴマー成分の有効網目鎖量が 最も大きくなるため、引張り物性として大きい伸び特性と柔軟性に富むゴム弾性を有 することが望ましい建築物のシーラント用途等にはより好ましい。特に好ましくは、全 ての架橋性シリル基を分子鎖末端に有するものである。
[0100] このような架橋性シリル基導入率を測定するには種々の方法が考えられるが、本発 明においては、架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の1 H— NMR分析に より行う。即ち架橋性シリル基の導入率は、 — NMR分析により架橋性シリル基の 数とポリエーテルオリゴマーの分子鎖末端の数の比率を求める事で算出できる。
[0101] 硬化性組成物の硬化性のみの観点からすれば、架橋性シリル基の数はポリエーテ ルオリゴマーの末端数に対し、 50%以上存在すれば充分である。しかし硬化物の強 度、破断時の伸びを改善するためには、 85%以上存在することが必要である。更な る改善の為には、 90%以上存在するのが好ましぐ 95%以上存在するのがより好ま しい。特に好ましくは 98%以上である。このようなポリエーテルオリゴマーを含有する 硬化性組成物は、一般建築用シーリング材組成物として要求される表面のベたつき が抑えられると共に、従来のものと比べて強度、破断時の伸びを改善した硬化物を 与えることができる。上記値が 85%未満では、硬化物の強度、伸びが少し不足して おり、また表面のベたつきが課題であった。
[0102] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の主鎖構造としては、—R—O—で 示される構造を繰り返し単位とする構造であればよぐこのとき、 Rは水素、酸素及び 炭素からなる群より選択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基であればょ 、。また繰り返し単位の全てが同一である単独重合体であ つても良く、 2つ以上の種類の繰り返し単位を含む共重合体であっても良い。さら〖こ、 主鎖中に分岐構造を有して 、ても良 ヽ。
[0103] このような架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の主鎖構造は、 2価アル コール若しくは多価アルコールまたは水酸基を有する各種オリゴマーを開始剤として 、種々の触媒の存在下で、 2個から 12個の炭素原子を有する置換または非置換ェポ
キシィ匕合物を開環重合させる事によって得られるヒドロキシ基含有ポリエーテルオリゴ マーの主鎖構造に由来するものである。
[0104] 上記エポキシィ匕合物としては特に限定されず、例えば、アルキレンオキサイド類、具 体的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、 a—ブチレンオキサイド、 j8 - ブチレンオキサイド、へキセンオキサイド、シクロへキセンオキサイド、スチレンォキサ イド、 aーメチルスチレンォキシド、およびアルキル、ァリルまたはァリールグリシジル エーテル類、具体的にはメチルダリシジルエーテル、ェチルダリシジルエーテル、ィ ソプロピルグリシジルエーテル、ブチルダリシジルエーテル、ァリルグリシジルエーテ ル、フエ-ルグリシジルエーテル等が挙げられる。なかでも、アルキレンォキシド類が 好ましい。特に、架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の主鎖構造は、原 料の入手性、コスト、反応制御の点から、主にプロピレンオキサイドから形成されたも のが特に好ましい。ここで、「主にプロピレンオキサイド力も形成された」とは、主鎖構 造の全繰返し単位中、 50%以上、好ましくは 70%以上、特に好ましくは 90%以上の 繰返し単位をプロピレンオキサイドが占めるようなことを 、う。
[0105] また、上記開始剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレ ングリコール、ブタンジオール、へキサメチレングリコール、メタリルアルコール、水素 化ビスフエノール A、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレング リコーノレ、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、 ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセ リン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ る。
[0106] 上記開環重合の触媒としては KOH、 NaOH等のアルカリ触媒、トリフルォロボラン —エーテラート等の酸性触媒、アルミノポルフィリン金属錯体ゃシアンィ匕コバルト亜鉛 グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒等の既に公知のものが用い られる。特に、複合金属シアン化物錯体触媒を使用した場合、副反応成分として副 生するァリル末端のポリエーテルオリゴマー成分が少な 、ために、ァリル基以外の不 飽和基を導入する際に該ァリル基以外の不飽和基の導入比率が向上するので好ま しい。
[0107] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー (II)の主鎖構造は、複合金属シアン化 物錯体の存在下にアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテル オリゴマー力も誘導されるものが特に好まし 、。
[0108] また、重合して得られたポリエーテルオリゴマーは、多価ハロゲンィ匕合物等と反応さ せることでさらに高分子量ィ匕してもょ 、し、しなくてもよ 、。
[0109] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)を得る方法としては、例えば、重合 によりヒドロキシ基含有ポリエーテルオリゴマーを得、該ポリエーテルオリゴマーのヒド 口キシ基を特定の不飽和基に変換して架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー( A)の前駆体とし、この末端不飽和基をヒドロシリルイ匕する方法が挙げられる。
[0110] 具体的には、 (a) 1分子中に一般式 (2):
H C = C (R3) -R4-0- (2)
2
(式中 R3は炭素数 10以下の炭化水素基、 R4は水素、酸素及び窒素力もなる群より選 択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基)または 一般式 (3) :
HC (R3) =CH-R4-0- (3)
(式中 R3は炭素数 10以下の炭化水素基、 R4は水素、酸素及び窒素力もなる群より選 択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基)で示さ れる不飽和基を側鎖または末端に少なくとも 1個含有し、主鎖がポリエーテル力ゝらな るポリエーテルオリゴマーと、(b)架橋性シリル基含有化合物とを、(c) VIII族遷移金 属触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
[0111] 従来、不飽和基と架橋性シリル基含有ィ匕合物とのヒドロシリルイ匕反応において、不 飽和基としてァリル基を有するポリエーテルオリゴマーでは、副反応であるァリル基の 内部転位によりプロぺニル基が生成するため、不飽和基に対する反応性ケィ素含有 基の反応収率に限界があった。ところが、一般式 (2)、 (3)に示した不飽和基を含有 するポリエーテルオリゴマーに対して、ヒドロシリルイ匕反応により架橋性シリル基含有 化合物を導入すると、従来得ることができな力つた架橋性シリル基の導入率が 85% 以上のポリエーテルオリゴマーを得ることができる。
[0112] 上記一般式(2)及び(3)において、 R3としては例えば直鎖アルキル基、例えばメチ
ル、ェチル、プロピノレ、ブチル、ペンチノレ、へキシル、ヘプチル、ォクチノレ、ノニノレ、 デシル、分岐アルキル基、例えばイソプロピル、イソブチル、イソペンチル、イソへキ シルゃァリール基、例えばフエ-ル基等を示すことができ、 1種類のみであっても、複 数の種類の混合物であっても良い。さらに反応性の点からは、 CH CH CH一が
3 3 2 特に好ましぐ CH一が特に好ましい。 R4は水素、酸素及び窒素からなる群より選択
3
される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基であり、例 えば、 CH C H C H C H C H C H C H
2 2 4 3 6 4 8 5 10 6 4 6 C H C H C H C H CH(CH ) CH— CH(C
12 7 14 8 16 9 18 10 20 3 2
H ) CH— CH(CH ) CH C H CH(CH ) CH— C H
3 2 3 2 2 4 3 2 6 4
— CH— CH— CH CH— CH—等の基が例示される。合成が容易である
2 6 4 2 2 4 6 4
点で一 CH CH CH CH CH(CH )—が好ましい。さらに、原料入手の
2 2 2 2 3
容易さから、 CH—が特に好ましい。
2
[0113] また、このような不飽和基の具体的な構造としては、 H C = C(CH )—CH—O—
2 3 2
, HC = C(CH CH)-CH -O- 、 H C = C(CH CH(CH ))— CH— O— 、
2 2 3 2 2 2 3 2
HC(CH ) =CH-CH -O- などが挙げられ、特に、反応性の点から、 H C = C(
3 2 2
CH)— CH— O— 、HC(CH)=CH— CH—O が好ましい。さらに、原料入手
3 2 3 2
、および合成の容易さから H C = C(CH )— CH—O が特に好ましい。
2 3 2
[0114] 上述した開環付加重合を行い得られたヒドロキシ基末端ポリエーテルオリゴマーに 不飽和基を導入して (a)を製造する方法としては、公知の方法を用いればよぐたと えば、水酸基末端ポリエーテルオリゴマーに不飽和結合を有する化合物を反応させ て、エーテル結合、エステル結合、ウレタン結合、カーボネート結合などにより結合さ せる方法などが挙げられる。例えばエーテル結合により不飽和基を導入する場合は 、ポリエーテルオリゴマーの水酸基末端のメタルォキシィ匕により OM1 (M1は Naまた は K)を生成した後、一般式 (24):
H 0 = 0(^)-^-^(24)
2
(式中 R3は炭素数 10以下の炭化水素基、 R4は水素、酸素及び窒素力もなる群より選 択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基、 X1はハ ロゲン)または一般式(25):
HC (R3) =CH-R4-X1 (25)
(式中 R3は炭素数 10以下の炭化水素基、 R4は水素、酸素及び窒素力もなる群より選 択される 1種以上を構成原子として含有する炭素数 1から 20の 2価の有機基、 X1はハ ロゲン)で示される有機ハロゲンィ匕合物と反応させて末端に不飽和基を有するポリエ 一テルオリゴマーを製造する方法が挙げられる。
[0115] (a)成分のポリエーテルオリゴマーの分子量には特に制限はないが、数平均分子 量が 1, 000力ら 100, 000であること力 S好ましい。数平均分子量が 1, 000未満では 得られる架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマーの硬化物が脆くなり、 100, 000 を超えると官能基濃度が低くなりすぎ、硬化速度が低下する、また、ポリマーの粘度 が高くなりすぎ、取扱いが困難となるため好ましくない。さらに、数平均分子量が 1, 0 00から 50, 000であること力 得られる架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー の粘度の点から好ましぐ 5, 000〜50, 000であることが機械物性発現上特に好ま しい。
[0116] ここでのポリエーテルオリゴマーの数平均分子量とは、 JISK1557の水酸基価の測 定方法と、 JISK0070のよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直 接的に末端基濃度を測定し、ポリエーテルオリゴマーの構造を考慮して求めた数平 均分子量と定義している。また、数平均分子量の相対測定法として一般的な GPC測 定により求めたポリスチレン換算分子量と上記末端基分子量の検量線を作成し、 GP C分子量を末端基分子量に換算して求めることも可能である。
[0117] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の製造に用いられる架橋性シリル 基含有化合物 (b)とは、上記水酸基や加水分解性基と結合したケィ素含有基を分子 内に 1個以上有し、かつ 1個以上の Si— H基を分子内に有している化合物であれば よい。代表的なものを示すと、例えば下記一般式(15)で表される化合物が挙げられ る。
H— [S R1) (Z) 0] Si (R2) ) (Z) (15)
2-b b 1 3 - a a
R
2、 Z、 a、 b及び 1は、上記一般式(1)と同様である)
具体的には、トリクロルシラン、メチルジクロルシラン、ジメチルクロルシラン、フエ- ルジクロルシラン、トリメチルシロキシメチルクロルシラン、 1, 1, 3, 3—テトラメチルー
1ーブロモジシロキサンの如きハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラ ン、メチノレジェトキシシラン、メチノレジメトキシシラン、フエニノレジメトキシシラン、トリメチ ノレシロキシメチノレメトキシシラン、トリメチノレシ口キシジエトキシシランの如きァノレコキシ シラン類;メチノレジァセトキシシラン、フエニノレジァセトキシシラン、トリァセトキシシラン 、トリメチノレシ口キシメチノレアセトキシシラン、トリメチノレシロキシジァセトキシシランの如 きァシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロへキシ ルケトキシメート)メチルシラン、ビス(ジェチルケトキシメート)トリメチルシロキシシラン 、ビス (メチルェチルケトキシメート)メチルシラン、トリス(ァセトキシメート)シランの如き ケトキシメートシラン類;メチルイソプロべ-ルォキシシランの如きァルケ-ルォキシシ ラン類などが挙げられる。これらの内、特にアルコキシシラン類が好ましぐアルコキシ 基の中でもメトキシ基が特に好まし 、。
[0118] 更に本発明においては、得られる末端シリル基中の加水分解性基 Zを他の加水分 解性基 Z'に変換することができる。特に Z基がハロゲンである場合には水分による硬 化に際し刺激臭の強いハロゲンィ匕水素を発生させるので他の加水分解性基に変換 することが好ましい。変換しうる加水分解性官能基としてはアルコキシ基、ァシルォキ シ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、アミノォキシ基およびメルカプト基など が挙げられる。
[0119] ハロゲン官能基をこれら加水分解性官能基に変換する方法としては種々の方法が 挙げられる。
[0120] 例えばアルコキシ基に変換する方法としては、(1)メタノール、エタノール、 2—メトキ シエタノール、 sec—ブタノール、 ter—ブタノールおよびフエノールなどの如きアルコ ール類およびフエノール類、(2)アルコール類およびフエノール類のナトリウム、力リウ ム、リチウムなどのアルコキシド類、(3)オルトギ酸メチル、オルトギ酸ェチルなどの如き オルトギ酸エステル類、(4)エチレンォキシド、プロピレンォキシド、ァリルグリシジルェ 一テルなどの如きエポキシ化合物類などをハロゲン官能基と反応させる方法が具体 例に挙げられる。特に (1)と (3)を組み合わせたアルコール類およびフエノール類とォ ルトギ酸エステル類とからなる反応系、(1)と (4)を組み合わせたアルコール類およびフ ェノール類とエポキシィ匕合物類とからなる反応系を使用すれば容易に反応を行うこと
ができ好ま 、結果が得られる。
[0121] 同様にァシルォキシ基に変換する方法として、(1)酢酸およびプロピオン酸の如き力 ルボン酸類、(2)無水酢酸のような酸無水物、(3)カルボン酸類のナトリウム塩、カリウム 塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具体的に挙げられる。
[0122] 同様にアミノォキシ基に変換する方法として、(1)N, N—ジメチルヒドロキシルァミン 、 N, N—ジェチルヒドロキシルァミン、 N, N—メチルフエ-ルヒドロキシルァミン及び N—ヒドロキシルピロリジンのようなヒドロキシルァミン類、(2)ヒドロキシルァミン類のナト リウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法が具体的 に挙げられる。
[0123] 同様にアミド基に変換する方法として、(1)N, N—ジメチルァミン、 N, N—ジェチル ァミン、 N—メチルフエ-ルァミン及びピロリジンの如き 1級および 2級ァミン類、(2)1級 及び 2級ァミン類のナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反 応させる方法が具体的に挙げられる。
[0124] 同様に酸アミドに変換する方法として、(1)ァセトアミド、ホルムアミド及びプロピオン アミドの如き窒素原子上に少なくとも 1個の水素原子を有する酸アミド類、(2)該酸アミ ド類のナトリウム塩、カリウム塩及びリチウム塩;等をハロゲン官能基と反応させる方法 が具体的に挙げられる。
[0125] ァセトキシム、メチルェチルケトキシムの如きケトキシム類; N—ォクチルメルカプタ ン、 tーブチルメルカプタンの如きメルカプタン類とオルトギ酸エステル類又はェポキ シ化合物類とを組み合わせた反応系を使用すれば、それぞれケトキシメート基およ びメルカプト基に一部変換させることができ、他の部分はオルトギ酸エステル又はェ ポキシィ匕合物力 誘導されるアルコキシル基に変換させることができる。
[0126] 上述した如くハロゲン官能基の場合だけ、他の加水分解性官能基に変換するので はなぐ種々の加水分解性官能基を別の加水分解性官能基に変換し使用することも 可能である。
[0127] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の製造に用いられる VIII族遷移金 属触媒 (c)としては、白金、ロジウム、コバルト、パラジウム及びニッケル等の VIII族遷 移金属元素から選ばれた金属錯体触媒等が有効に使用される。例えば、 H PtCl ·
6H O, 白金 ビュルシロキサン錯体、白金ーォレフイン錯体、 Ptメタル, RhCl(PPh
2
) 、 RhCl、 Rh/Al O、 RuCl、 IrCl、 FeCl、 A1C1、 PdCl · 2H 0、 NiCl、 TiCl
3 3 3 2 3 3 3 3 3 2 2 2 4 等のような化合物が使用できる力 ヒドロシリルイ匕の反応性の点から、白金ービニルシ ロキサン錯体、白金一ォレフィン錯体のいずれかであることが特に好ましい。
[0128] ここでいう白金 ビニルシロキサン錯体とは、白金原子に対し、配位子として分子内 にビュル基を有する、シロキサン、ポリシロキサン、環状シロキサンが配位している化 合物の総称であり、上記配位子の具体例としては、 1, 1, 3, 3—テトラメチル 1, 3— ジビュルジシロキサン、 1, 3, 5, 7—テトラメチルー 1, 3, 5, 7—テトラビュルシクロテ トラシロキサン等が挙げられる。 白金ーォレフイン錯体のォレフイン配位子の具体例 は 1, 5 へキサジェン、 1, 7—ォクタジェン、 1, 9ーデカジエン、 1, 11ードデカジエ ン、 1, 5 シクロォクタジェン等が挙げられる。上記配位子の中でも 1, 9ーデカジエ ンが特に好ましい。なお、白金—ォレフィン錯体については特公平 8— 9006に開示 されている。
[0129] 触媒使用量としては特に制限は無いが、通常、ァルケ-ル基 1モルに対して白金 触媒を 10— 1から 10— 8モル使用することが好ましぐ更に好ましくは 10— 3から 10— 6モルの 範囲で使用することができる。触媒の量が少ない場合はヒドロシリルイ匕反応が十分に 進行しない可能性がある。また、触媒量が多すぎると触媒消費によるコストの負担が 増えたり、製品への残留触媒が増えるなどの問題がある。
[0130] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の製造におけるヒドロシリルイ匕反応 は、通常 10〜150°C、好ましくは 20〜120°C、さらに好ましくは 40〜100°Cの範囲と するのが好適である。
[0131] また、上記ヒドロシリルイ匕反応においては、反応温度の調節、反応系の粘度の調整 などの必要に応じて、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン 、ペンタン、へキサン、ヘプタンなどの溶剤を用いることができる。
[0132] 特に高分子化合物のヒドロシリルイ匕を行う場合においては、液状化や粘度低下の ために溶媒を用いる方法が好ま U、。高分子化合物の製品化工程にぉ 、て加えら れる可塑剤を反応溶媒とすることもできる。
[0133] 上記ヒドロシリル化反応を行う際の反応器気相部は、窒素やヘリウムなどの不活性
ガスのみ力もなつてもよいし、酸素等が存在してもよい。ヒドロシリルイ匕反応を行う際に は、可燃性物質取扱 、の安全性の観点力 反応器気相部は窒素やヘリウムなどの 不活性ガスの存在下で実施することがある。しカゝしながら、反応器気相部を窒素やへ リウムなどの不活性ガスの存在下行った場合には、ヒドロシリルイ匕の反応系条件によ つては反応速度が低下する場合もある。
[0134] 上記ヒドロシリル化反応では、反応器気相部の酸素濃度を爆発性混合組成を回避 する値に設定することにより、酸素存在下で安全にヒドロシリル化反応を促進すること ができる。反応器気相部の酸素濃度は、例えば 0. 5〜10%とすることができる。
[0135] さらにヒドロシリルイ匕反応においてポリエーテルオリゴマー、反応溶媒、系中の可塑 剤等が酸素により酸化されることを抑制するために、酸ィ匕防止剤の存在下でヒドロシ リルィ匕反応を行うことができる。酸ィ匕防止剤としては、ラジカル連鎖禁止剤の機能を 有するフエノール系酸化防止剤、例えば 2, 6 ジー tert—ブチルー p クレゾール、 2, 6 ジー tert ブチルフエノール、 2, 4 ジメチルー 6 tert ブチルフエノール 、 2, 2,ーメチレンビス(4ーメチルー 6—tert ブチルフエノール)、 4, 4'ーブチリデ ンビス(3—メチルー 6—tert ブチルフエノール)、 4, 4,ーチォビス(3—メチルー 6 —tert ブチルフエノール)、テトラキス {メチレン 3 (3, 5—ジ—tert—ブチルー 4 —ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート }メタン、 1, 1, 3 トリス(2—メチルー 4 ヒドロ キシー 5— tert—ブチルフエ-ル)ブタンなどを用いることができる。同様のラジカル 連鎖禁止剤としてアミン系酸化防止剤、例えばフエ-ルー j8—ナフチルァミン、 a - ナフチルァミン、 N, N'—ジ sec ブチルー p—フエ二レンジァミン、フエノチアジン 、 N, N,一ジフエ-ル一 p フエ-レンジァミンなどを用いることもできるがこれらに限 定されるものではない。
[0136] ヒドロシリル化反応の反応促進と!/ヽぅ点では、酸素の使用による触媒の再活性化 ( 特開平 8— 283339)や硫黄添加を行うのが好ましい。硫黄の添加は高価な白金触 媒の増量などに伴うコストアップや残留触媒の除去などの問題を起こさず製造時間 の短縮を可能とし製造コスト削減、さらには生産性のアップに寄与する。
[0137] 硫黄化合物としては硫黄単体、チオール、スルフイド、スルホキシド、スルホン、チォ ケトン等が挙げられ、特に硫黄が好ましいがこれに限定されるものではない。液相反
応系に硫黄ィ匕合物を添加するには、例えば反応液や溶媒の一部にあら力じめ硫黄 化合物を溶解混合して力も全体に一様に分散することができる。例えばトルエン、へ キサン、キシレンなどの有機溶媒に硫黄ィ匕合物を溶解して力も添加することができる
[0138] 硫黄ィ匕合物の添加量については、例えばその量が金属触媒モル数を基準として 0 . 1〜10倍量、もしくはァルケ-ル基のモル数を基準として 10— 3から 10— 6倍量、あるい は反応液全体重量を基準として 0. 001〜10ppmであるような範囲で設定することが できる。添加量が少ないと本発明の効果が十分に達成されない場合がある。硫黄ィ匕 合物の量が多すぎる場合には触媒活性を低下させたり、反応を阻害するような問題 が起こる場合も有り、添加量を適切に選定することが好ま 、。
[0139] 以上のような方法により得ることができる架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマ 一(Π)は、本発明の硬化性組成物において単独で使用してもよいし、 2種以上併用し てもよい。また、分子末端に対する架橋性シリル基の導入率が1 H— NMR分析により 85%未満である架橋性シリル基含有ポリエーテルを併用してもよい。
[0140] さらに (II)成分として架橋性シリル基を有するポリエーテルオリゴマーの変性体を用 V、ることもできる。代表的な変性体としては架橋性シリル基を有するポリエーテルオリ ゴマー存在下に下記一般式(26)で表される炭素数 1〜8のアルキル基を有するァク リル酸エステルモノマー及び Z又はメタクリル酸エステルモノマーと下記一般式(27) で表される炭素数 9以上のアルキル基を有するアクリル酸エステルモノマー及び Z又 はメタクリル酸アルキルエステルモノマーの混合物を重合して得られる変性体である 。この変性体を用いると硬化性榭脂組成物の硬化物の耐候性がより改善される。 CH =C (R7) (COOR22) (26)
2
(式中 R7は水素原子またはメチル基、 R22は炭素数 1から 8のアルキル基を示す) CH =C (R7) (COOR23) (27)
2
(式中 R7は前記に同じ。 R23は炭素数 9以上のアルキル基を示す)
前記一般式(26)の R22としては、例えばメチル基、ェチル基、プロピル基、 n—プチ ル基、 t ブチル基、 2—ェチルへキシル基などの炭素数 1〜8、好ましくは 1〜4、さ らに好ましくは 1〜2のアルキル基を挙げることができる。なお一般式(26)で表される
モノマーは 1種類でもよぐ 2種以上用いてもよい。
[0141] 前記一般式(27)の R23としては、たとえばラウリル基、トリデシル基、セチル基、ステ ァリル基、ビフエ-ル基などの炭素数 9以上、通常は 10〜30、好ましくは 10〜20の 長鎖アルキル基が挙げられる。なお一般式(27)で示されるモノマーは 1種類でもよく 、 2種以上用いてもよい。
[0142] 式(26)のモノマーと式(27)のモノマーの混合比は、重量比で95 : 5〜40 : 60が好 ましく、 90 : 10〜60 :40カ^さらに好ましぃ。
[0143] この重合には式(26)及び式(27)以外のモノマーを併用してもよぐそのようなモノ マーとしては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸などのアクリル酸やアクリルアミド、メタ クリルアミド、 N—メチロールアクリルアミド、 N—メチロールメタクリルアミドなどのアミド 基、グリシジルアタリレート、グリシジルメタタリレートなどのエポキシ基、ジェチルァミノ ェチルアタリレート、ジェチルアミノエチルメタタリレート、アミノエチルビ-ルエーテル などのアミノ基を含むモノマーやアクリロニトリル、スチレン、 α—メチルスチレン、アル キルビュルエーテル、塩化ビュル、酢酸ビュル、プロピオン酸ビュル、エチレンなど のモノマーが挙げられる。この場合、重合した式(26)及び式(27)のモノマーの合計 が重合したモノマー全体の 50重量%以上、特に 70重量%以上であることが好まし ヽ
[0144] 架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の使用量は、ビニル系重合体 (I) 1 00重量部に対して 1〜 1000重量部の範囲で使用される。特に架橋性シリル基含有 ポリエーテルオリゴマー(Π)は 5〜30重量部の範囲で使用するのが好ましい。架橋性 シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(Π)の使用量が少ない場合には、硬化物の耐 候性、耐熱性が良好であるものの強度、破断時の伸びが少し低ぐ建築用シーリング 材への適用が難し 、ことがある。架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の 使用量が多い場合には、硬化物の強度、破断時の伸びは高いものの、耐候性、耐熱 性が不十分な場合がある。ビニル系重合体 (I) 100重量部と架橋性シリル基含有ポリ エーテルオリゴマー(II) 1〜: L000重量部を使用した場合には、長所がそれほど損な われず両者の欠点が補われ、耐候性、耐熱性、強度、破断時の伸びを兼ね備えた 硬化性組成物が可能となる。
< <錫系硬化触媒 (ΠΙ) > >
本発明における硬化性組成物には、さらに錫系硬化触媒 (III)を配合してもよい。錫 系硬化触媒 (III)としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート
、ジブチル錫ジェチルへキサノレート、ジブチル錫ジォクテート、ジブチル錫ジメチル マレート、ジブチル錫ジェチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジ イソォクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレ ート、ジブチル錫マレエート、ジォクチル錫ジアセテート、ジォクチル錫ジステアレート 、ジォクチル錫ジラウレート、ジォクチル錫ジェチルマレート、ジォクチル錫ジイソオタ チルマレート等のジアルキル錫カルボン酸塩類;
ジブチル錫オキサイド、ジォクチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイドとフタル酸ェ ステルとの混合物等のジアルキル錫オキサイド類;
ジアルキル錫オキサイドゃジアルキル錫ジアセテート等の 4価錫化合物と、テトラエト キシシランやメチルトリエトキシシランゃジフエ-ルジメトキシシランやフエ-ルトリメトキ シシラン等の加水分解性シリル基を有する低分子ケィ素化合物との反応物; ォクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫等の 2価の錫化合物類;
モノブチル錫トリスォタトエートゃモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫 化合物やモノォクチル錫化合物等のモノアルキル錫類;
ラウリルァミンとォクチル酸錫の反応物及び混合物等のアミン系化合物と有機錫化合 物との反応物および混合物;
ジブチル錫ビスァセチルァセトナート、ジォクチル錫ビスァセチルセトナート、ジブチ ル錫ビスェチルァセトナート、ジォクチル錫ビスェチルァセトナート等のキレート化合 物;
ジブチル錫ジメチラート、ジブチル錫ジェチラート、ジォクチル錫ジメチラート、ジォク チル錫ジェチラート等の錫アルコラート類等が挙げられる。
この中でも、ジブチル錫ビスァセチルァセトナート等のキレート化合物や錫アルコラ一 ト類は、シラノール縮合触媒としての活性が高いのでより好ましい。あたジブチル錫ジ ラウレートは、最終の硬化性組成物の着色が少なぐ低コストであり、入手が容易であ るために好ましい。
[0145] これらの錫系硬化触媒 (m)は、単独で使用してもよぐ 2種以上併用してもよい。 この錫系硬化触媒 (III)の配合量は、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリェ 一テルオリゴマー(II)の合計 100重量部に対して 0. 1〜20重量部程度が好ましぐ 0 . 5〜: L0重量部が更に好ましい。錫系硬化触媒の配合量がこの範囲を下回ると硬化 速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くなる場合がある。一方、 錫系硬化縮合触媒の配合量力 Sこの範囲を上回ると硬化時に局部的な発熱や発泡が 生じて良好な硬化物が得られ難くなつたり、ポットライフが短くなつて、作業性が低下 し易い傾向がある。
< <硬化性組成物 > >
本発明の硬化性組成物においては、各架橋性シリル基に応じて、硬化触媒や硬化 剤が必要になるものがある。また、 目的とする物性に応じて、各種の配合剤を添加し ても構わない。
<硬化触媒,硬化剤 >
架橋性シリル基を有する重合体は、従来公知の各種縮合触媒の存在下、あるいは 非存在下にシロキサン結合を形成することにより架橋、硬化する。硬化物の性状とし ては、重合体の分子量と主鎖骨格に応じて、ゴム状のものから榭脂状のものまで幅 広く作成することができる。
[0146] このような縮合触媒としては、既に述べた錫系硬化触媒 (III)以外に、次のようなも のも使用できる。テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エス テル類;アルミニウムトリスァセチルァセトナート、アルミニウムトリスェチルァセトァセテ ート、ジイソプロポキシアルミニウムェチルァセトアセテート等の有機アルミニウム化合 物類;ジルコニウムテトラァセチルァセトナート、チタンテトラァセチルァセトナート等の キレートイ匕合物類;ォクチル酸鉛;ブチルァミン、ォクチルァミン、ラウリルァミン、ジブ チルァミン、モノエタノールァミン、ジエタノールァミン、トリエタノールァミン、ジェチレ ントリアミン、トリエチレンテトラミン、ォレイルァミン、シクロへキシルァミン、ベンジルァ ミン、ジェチルァミノプロピルァミン、キシリレンジァミン、トリエチレンジァミン、グァニ ジン、ジフエ-ルグァ-ジン、 2, 4, 6—トリス(ジメチルアミノメチル)フエノール、モル ホリン、 N—メチルモルホリン、 2—ェチルー 4ーメチルイミダゾール、 1, 8—ジァザビ
シクロ(5, 4, 0)ゥンデセン一 7 (DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのァミン 系化合物のカルボン酸等との塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子 量ポリアミド榭脂;過剰のポリアミンとエポキシィ匕合物との反応生成物; γ—ァミノプロ ピルトリメトキシシラン、 Ν— ( j8—アミノエチル) Ί—ァミノプロピルメチルジメトキシ シラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤;等のシラノール縮合触媒、さらには 他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
[0147] これらの触媒は、単独で使用してもよぐ 2種以上併用してもよぐ錫系硬化触媒 (III )と併用しても良い。この縮合触媒の配合量は、ビュル系重合体 (I)と架橋性シリル基 含有ポリエーテルオリゴマー(Π)の合計 100重量部に対して、 0. 1〜20重量部程度 が好ましぐ 0. 5〜: LO重量部が更に好ましい。シラノール縮合触媒の配合量力この 範囲を下回ると硬化速度が遅くなることがあり、また硬化反応が十分に進行し難くな る場合がある。一方、シラノール縮合触媒の配合量力この範囲を上回ると硬化時に 局部的な発熱や発泡が生じ、良好な硬化物が得られ難くなるほか、ポットライフが短 くなり過ぎ、作業性の点力もも好ましくない。
[0148] 本発明の硬化性組成物においては、縮合触媒の活性をより高めるために、一般式
(28)
R24 Si (OR25) (28)
c 4-c
(式中、 R24および R25は、それぞれ独立して、炭素数 1〜20の置換あるいは非置換の 炭化水素基であり、 R24又は R25がそれぞれ 2個以上存在するときは、それらは同一で あってもよぐ異なっていてもよい。 cは 0、 1、 2、 3のいずれかである。)で示されるシラ ノール基をもたな ヽケィ素化合物を添加しても構わな 、。
[0149] 前記ケィ素化合物としては、限定はされないが、フエニルトリメトキシシラン、フエ二 ルメチルジメトキシシラン、フエ二ルジメチルメトキシシラン、ジフエ二ルジメトキシシラ ン、ジフエ-ルジェトキシシラン、トリフエ-ルメトキシシラン等の一般式(28)中の R24 力 炭素数 6〜20のァリール基であるもの力 組成物の硬化反応を加速する効果が 大きいために好ましい。特に、ジフエ-ルジメトキシシランゃジフエ-ルジェトキシシラ ンは、低コストであり、入手が容易であるために最も好ましい。
[0150] このケィ素化合物の配合量は、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエー
テルオリゴマー(II)の合計 100重量部に対して 0. 01〜20重量部程度が好ましぐ 0 . 1〜: L0重量部が更に好ましい。ケィ素化合物の配合量がこの範囲を下回ると硬化 反応を加速する効果力 、さくなる場合がある。一方、ケィ素化合物の配合量がこの範 囲を上回ると、硬化物の硬度や引張強度が低下することがある。
<接着性付与剤 >
本発明の組成物には、シランカップリング剤や、シランカップリング剤以外の接着性 付与剤を添加することができる。接着付与剤を添加すると、外力により目地幅等が変 動することによって、シーリング材がサイデイングボード等の被着体力 剥離する危険 性をより低減することができる。また、場合によっては接着性向上の為に用いるプライ マーの使用の必要性がなくなり、施工作業の簡略化が期待される。シランカップリン グ剤の具体例としては、 y—イソシァネートプロピルトリメトキシシラン、 γ—イソシァネ ートプロピルトリエトキシシラン、 γ—イソシァネートプロピルメチルジェトキシシラン、 y イソシァネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシァネート基含有シラン類 ; y—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルトリエトキシシラン、 γ アミ ノプロピルメチルジメトキシシラン、 γ—ァミノプロピルメチルジェトキシシラン、 Ν— ( β—アミノエチル) γ—ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν~ ( β—アミノエチル) - γ—ァミノプロピルメチルジメトキシシラン、 Ν— ( j8—アミノエチル) Ί—ァミノプロ ピルトリエトキシシラン、 Ν— ( j8—アミノエチル) Ί—ァミノプロピルメチルジェトキ シシラン、 γ—ウレイドプロピルトリメトキシシラン、 Ν フエ二ノレ一 γ—ァミノプロビルト リメトキシシラン、 Ν ペンジノレー γーァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν ビニノレべ ンジル一 y—ァミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類; y—メルカ プトプロピルトリメトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリエトキシシラン、 γ—メルカ プトプロピルメチルジメトキシシラン、 γ メルカプトプロピルメチルジェトキシシラン等 のメルカプト基含有シラン類; γ—グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、 γ—グリシ ドキシプロピルトリエトキシシラン、 Ίーグリシドキシプロピノレメチノレジメトキシシラン、 2 一(3, 4 エポキシシクロへキシノレ)ェチノレトリメトキシシラン、 2- (3, 4 エポキシシ クロへキシル)ェチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類; β—カルボキシ ェチルトリエトキシシラン、 β—カルボキシェチルフエ-ルビス(2—メトキシエトキシ)
シラン、 N— ( j8—カルボキシメチル)アミノエチル一 γ—ァミノプロピルトリメトキシシ ラン等のカルボキシシラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、 Ί - チルトリエトキシシラン等のビュル型不飽和基含有シラン類; Ύ—クロ口プロピルトリメ トキシシラン等のハロゲン含有シラン類;トリス(トリメトキシシリル)イソシァヌレート等の イソシァヌレートシラン類等を挙げることができる。また、これらを変性した誘導体であ る、ァミノ変性シリルポリマー、シリルィ匕ァミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フエ -ルァミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリルイ匕シリコーン、シリルイ匕ポリエステル等もシ ランカップリング剤として用いることができる。
[0151] 本発明に用いるシランカップリング剤は、通常、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル 基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の合計 100重量部に対し、 0. 1〜20重量部の範 囲で使用される。特に、 0. 5〜10重量部の範囲で使用するのが好ましい。本発明の 硬化性組成物に添加されるシランカップリング剤の効果は、各種被着体、すなわち、 ガラス、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、銅、モルタルなどの無機基材や、塩ビ、アタリ ル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの有機基材に 用いた場合、ノンプライマー条件またはプライマー処理条件下で、著しい接着性改善 効果を示す。ノンプライマー条件下で使用した場合には、各種被着体に対する接着 性を改善する効果が特に顕著である。
[0152] シランカップリング剤以外の具体例としては、特に限定されな 、が、例えば、ェポキ シ榭脂、フエノール榭脂、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシァネート等 が挙げられる。
[0153] 上記接着性付与剤は 1種類のみで使用しても良いし、 2種類以上混合使用しても 良 ヽ。これら接着性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を改善するこ とができる。特に限定はされないが、接着性、特にオイルパンなどの金属被着面に対 する接着性を向上させるために、上記接着性付与剤の中でもシランカップリング剤を 0. 1〜20重量部、併用することが好ましい。
<可塑剤 >
本発明の硬化性組成物には、各種可塑剤を必要に応じて用いても良い。可塑剤を
後述する充填材と併用して使用すると硬化物の伸びを大きくできたり、多量の充填材 を混合できたりするためより有利となる力 必ずしも添加しなければならな 、ものでは ない。可塑剤としては特に限定されないが、物性の調整、性状の調節等の目的により
、例えば、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ(2—ェチルへキシル)フタレ ート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジ ォクチルアジペート、ジォクチルセバケート、ジブチルセバケート、コハク酸イソデシ ル等の非芳香族二塩基酸エステル類;ォレイン酸ブチル、ァセチルリシノール酸メチ ル等の脂肪族エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコー ルジベンゾエート、ペンタエリスリトーノレエステノレ等のポリアノレキレングリコーノレのエス テル類;トリクレジルホスフェート、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;トリメリ ット酸エステル類;ポリスチレンやポリ一 a—メチルスチレン等のポリスチレン類;ポリ ブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン アクリロニトリル、ポリクロロプ レン;塩素化パラフィン類;アルキルジフエニル、部分水添ターフェニル、等の炭化水 素系油;プロセスオイル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ トラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールとこれらポリエーテルポリオールの 水酸基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類;ェポキ シ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤類;セバシン酸、ァ ジピン酸、ァゼライン酸、フタル酸等の 2塩基酸とエチレングリコール、ジエチレングリ コーノレ、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコーノレ等の 2 価アルコール力 得られるポリエステル系可塑剤類;アクリル系可塑剤を始めとするビ
-ル系モノマーを種々の方法で重合して得られるビニル系重合体類等が挙げられる なかでも数平均分子量 500〜15000の重合体である高分子可塑剤は、添加するこ とにより、該硬化性組成物の粘度やスランプ性および該組成物を硬化して得られる硬 化物の引張り強度、伸びなどの機械特性が調整できるとともに、重合体成分を分子 中に含まない可塑剤である低分子可塑剤を使用した場合に比較して、初期の物性を 長期にわたり維持することができる。また屋外等に使用した場合には、可塑剤の表面 層へのブリードが抑えられ埃等が付着しにくぐまた硬化性組成物の表面に塗料等を
塗布する場合においても塗膜の軟化や、それによる塗膜の汚れが生じにくぐ長期に わって美観を保つことができる。なお、限定はされないがこの高分子可塑剤は、官能 基を有しても有しなくても構わな ヽ。
[0155] 上記で高分子可塑剤の数平均分子量は、 500〜15000と記載した力 好ましくは 800〜10000であり、より好ましくは 1000〜8000である。分子量力 すぎると熱や 降雨により可塑剤が経時的に流出し、初期の物性を長期にわたり維持できないことが ある。また、分子量が高すぎると粘度が高くなり、作業性が悪くなる。
[0156] これらの高分子可塑剤のうちで、ビニル系重合体 (I)あるいは架橋性シリル基含有 ポリエーテルオリゴマー(Π)と相溶するものが好ま 、。中でも相溶性および耐候性、 耐熱性の点力もビュル系重合体が好まし 、。ビニル系重合体の中でも (メタ)アクリル 系重合体が好ましぐアクリル系重合体がさらに好ましい。このアクリル系重合体の合 成法は、従来からの溶液重合で得られるものや、無溶剤型アクリルポリマー等を挙げ ることができる。後者のアクリル系可塑剤は溶剤や連鎖移動剤を使用せず高温連続 重合法(USP4414370、特開昭 59— 6207、特公平 5— 58005、特開平 1— 3135 22、 USP5010166)にて作製されるため本発明の目的にはより好ましい。その例と しては特に限定されないが東亞合成 (株)製 ARUFON UP— 1000、 UP— 1020、 UP— 1110等や、ジョンソンポリマー(株)衡 DX— P1000、JDX— P1010、JDX— P1020等が挙げられる。勿論、他の合成法としてリビングラジカル重合法をも挙げる ことができる。この方法によれば、その重合体の分子量分布が狭ぐ低粘度化が可能 なことから好ましぐ更には原子移動ラジカル重合法がより好ましいが、これに限定さ れるものではない。
[0157] 高分子可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、狭いことが好ましぐ 1. 8未満 が好ましい。 1. 7以下がより好ましぐ 1. 6以下がなお好ましぐ 1. 5以下がさらに好 ましぐ 1. 4以下が特に好ましぐ 1. 3以下が最も好ましい。
[0158] 上記高分子可塑剤を含む可塑剤は、単独で使用してもよぐ 2種以上を併用しても よいが、必ずしも必要とするものではない。また必要によっては高分子可塑剤を用い 、物性に悪影響を与えない範囲で低分子可塑剤を更に併用しても良い。
[0159] なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合することも可能である。
[0160] 可塑剤を用いる場合の使用量は、限定されないが、ビニル系重合体 (I)と架橋性シ リル基含有ポリエーテルオリゴマー(Π)の合計 100重量部に対して 5〜800重量部、 好ましくは 10〜600重量部、さらに好ましくは 10〜500重量部である。 5重量部未満 では可塑剤としての効果が発現しなくなり、 800重量部を越えると硬化物の機械強度 が不足する。
<充填材>
本発明の硬化性組成物には、各種充填材を必要に応じて用いても良い。充填材と しては、特に限定されないが、木粉、パルプ、木綿チップ、アスベスト、マイ力、タルミ 殻粉、もみ殻粉、グラフアイト、白土、シリカ(ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シ リカ、溶融シリカ、ドロマイト、無水ケィ酸、含水ケィ酸等)、カーボンブラックのような補 強性充填材;重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケィソゥ 土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸ィ匕第 二鉄、べんがら、アルミニウム微粉末、フリント粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、亜鉛末 、炭酸亜鉛およびシラスバルーンなどのような充填材;石綿、ガラス繊維およびガラス フィラメント、炭素繊維、ケプラー繊維、ポリエチレンファイバ一等のような繊維状充填 材等が挙げられる。
[0161] これら充填材のうちでは沈降性シリカ、フュームドシリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、 ドロマイト、カーボンブラック、炭酸カルシウム、酸化チタン、タルクなどが好ましい。
[0162] 特に、これら充填材で強度の高い硬化物を得たい場合には、主にヒュームドシリカ、 沈降性シリカ、無水ケィ酸、含水ケィ酸、カーボンブラック、表面処理微細炭酸カル シゥム、結晶性シリカ、溶融シリカ、焼成クレー、クレーおよび活性亜鉛華などから選 ばれる充填材を添加できる。なかでも、比表面積 (BET吸着法による)が 50m2Zg以 上、通常 50〜400m2Zg、好ましくは 100〜300m2Zg程度の超微粉末状のシリカ が好ましい。またその表面が、オルガノシランやオルガノシラザン、ジオルガノポリシ口 キサン等の有機ケィ素化合物で予め疎水処理されたシリカが更に好ましい。
[0163] 補強性の高いシリカ系充填材のより具体的な例としては、特に限定されないが、燃 焼法シリカ(ヒュームドシリカ)の 1つである日本ァエロジル社のァエロジルや、沈降法 シリカの 1つである日本シリカ社工業の Nipsil等が挙げられる。特にヒュームドシリカ
につ 、ては、一次粒子の平均粒径 5nm以上 50nm以下のヒュームドシリカを用いると 、補強効果が特に高いのでより好ましい。
[0164] また、低強度で伸びが大である硬化物を得た 、場合には、主に酸化チタン、炭酸 カルシウム、タルク、酸化第二鉄、酸ィ匕亜鉛およびシラスノ レーンなど力 選ばれる 充填材を添加できる。なお、一般的に、炭酸カルシウムは、比表面積が小さいと、硬 化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないことが ある。比表面積の値が大きいほど、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接 着性の改善効果はより大きくなる。
[0165] 更に、炭酸カルシウムは、表面処理剤を用いて表面処理を施してある方がより好ま しい。表面処理炭酸カルシウムを用いた場合、表面処理していない炭酸カルシウムを 用いた場合に比較して、本発明の組成物の作業性を改善し、該硬化性組成物の接 着性と耐候接着性の改善効果がより向上すると考えられる。前記の表面処理剤として は脂肪酸、脂肪酸石鹼、脂肪酸エステル等の有機物や各種界面活性剤、および、シ ランカップリング剤やチタネートカップリング剤等の各種カップリング剤が用いられて いる。具体例としては、以下に限定されるものではないが、カブロン酸、力プリル酸、 ペラルゴン酸、力プリン酸、ゥンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス テアリン酸、ベヘン酸、ォレイン酸等の脂肪酸と、それら脂肪酸のナトリウム、カリウム 等の塩、そして、それら脂肪酸のアルキルエステルが挙げられる。界面活性剤の具体 例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルや長鎖アルコール硫 酸エステル等と、それらのナトリウム塩、カリウム塩等の硫酸エステル型陰イオン界面 活性剤、またアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、ノ ラフィ ンスルホン酸、 aーォレフインスルホン酸、アルキルスルホンコハク酸等と、それらの ナトリウム塩、カリウム塩等のスルホン酸型陰イオン界面活性剤等が挙げられる。この 表面処理剤の処理量は、炭酸カルシウムに対して、 0. 1〜20重量%の範囲で処理 するのが好ましぐ 1〜5重量%の範囲で処理するのがより好ましい。処理量が 0. 1重 量%未満の場合には、作業性、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でないこと があり、 20重量%を越えると、該硬化性組成物の貯蔵安定性が低下することがある。
[0166] 特に限定はされないが、炭酸カルシウムを用いる場合、配合物のチクソ性や硬化物
の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性等の改善効果を特に期待する場合に は膠質炭酸カルシウムを用いるのが好まし 、。
[0167] 一方、重質炭酸カルシウムは配合物の低粘度化や増量、コストダウン等を目的とし て添加することがある力 この重質炭酸カルシウムを用いる場合は必要に応じて下記 のようなものを使用することができる。
[0168] 重質炭酸カルシウムとは、天然のチョーク(白亜)、大理石、石灰石などを機械的に 粉砕'カ卩ェしたものである。粉砕方法については乾式法と湿式法がある力 湿式粉砕 品は本発明の硬化性組成物の貯蔵安定性を悪ィ匕させることが多 、ために好ましくな いことが多い。重質炭酸カルシウムは、分級により、様々な平均粒子径を有する製品 となる。特に限定されないが、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性 の改善効果を期待する場合には、比表面積の値が 1. 5m2/g以上 50m2/g以下の ものが好ましぐ 2m2/g以上 50m2/g以下が更に好ましぐ 2. 4m2/g以上 50m2/ g以下がより好ましぐ 3m2/g以上 50m2/g以下が特に好ましい。比表面積が 1. 5 m2Zg未満の場合には、その改善効果が充分でないことがある。もちろん、単に粘度 を低下させる場合や増量のみを目的とする場合などはこの限りではない。
[0169] なお、比表面積の値とは、測定方法として JIS K 5101に準じて行なった空気透 過法 (粉体充填層に対する空気の透過性力 比表面積を求める方法。 )による測定 値をいう。測定機器としては、島津製作所製の比表面積測定器 SS— 100型を用いる のが好ましい。
[0170] これらの充填材は目的や必要に応じて単独で併用してもよぐ 2種以上を併用して もよい。特に限定はされないが、例えば、必要に応じて比表面積の値が 1. 5m2/g 以上の重質炭酸カルシウムと膠質炭酸カルシウムを組み合わせると、配合物の粘度 の上昇を程々に抑え、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善 効果が大いに期待できる。
<添加量 >
充填材を用いる場合の添加量は、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリェ 一テルオリゴマー(II)の合計 100重量部に対して、充填材を 5〜5000重量部の範囲 で使用するのが好ましぐ 10〜2500重量部の範囲で使用するのがより好ましぐ 15
〜1500重量部の範囲で使用するのが特に好ましい。配合量が 5重量部未満の場合 には、硬化物の破断強度、破断伸び、接着性と耐候接着性の改善効果が充分でな いことがあり、 5000重量部を越えると該硬化性組成物の作業性が低下することがあ る。充填材は単独で使用しても良いし、 2種以上併用しても良い。
<微小中空粒子 >
また、更に、物性の大きな低下を起こすことなく軽量化、低コストィ匕を図ることを目的 として、微小中空粒子をこれら補強性充填材に併用しても良い。
[0171] このような微少中空粒子 (以下バルーンという)は、特に限定はされないが、「機能 性フイラ一の最新技術」 (CMC)に記載されているように、直径が lmm以下、好ましく は 500 m以下、更に好ましくは 200 m以下の無機質あるいは有機質の材料で構 成された中空体が挙げられる。特に、真比重が 1. OgZcm3以下である微少中空体 を用いることが好ましぐ更には 0. 5gZcm3以下である微少中空体を用いることが好 ましい。
[0172] 前記無機系ノ レーンとして、珪酸系バルーンと非珪酸系バルーンとが例示でき、珪 酸系バルーンには、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フ ライアッシュバルーン等が、非珪酸系バルーンには、アルミナバルーン、ジルコ-ァ バルーン、カーボンバルーン等が例示できる。これらの無機系バルーンの具体例とし て、シラスバルーンとしてィヂチ化成製のウィンライト、三機工業製のサンキライト、ガ ラスバルーンとして住友スリーェム製のセルスター Z— 28、 EMERSON&CUMIN G製の MICRO BALLOON, PITTSBURGE CORNING製の CELAMIC G LASSMODULES、 3M製の GLASS BUBBLES,シリカバルーンとして旭硝子 製の Q— CEL、太平洋セメント製の E— SPHERES、フライアッシュバルーンとして、 PFAMARKETING製の CEROSPHERES、 FILLITE U. S. A製の FILLITE 、アルミナバルーンとして昭和電工製の BW、ジルコユアバルーンとして ZIRCOA製 の HOLLOW ZIRCONIUM SPHEES、カーボンバルーンとして呉羽化学製ク レカスフェア、 GENERAL TECHNOLOGIES製カーボスフエアが市販されている
[0173] 前記有機系ノ レーンとして、熱硬化性榭脂のバルーンと熱可塑性榭脂のバルーン
が例示でき、熱硬化性のバルーンにはフエノールバルーン、エポキシバルーン、尿 素バルーンが、熱可塑性バルーンにはサランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメ タクリレートバノレーン、ポリビ-ノレアノレコーノレバノレーン、スチレン一アタリノレ系バノレー ンが例示できる。また、架橋した熱可塑性榭脂のバルーンも使用できる。ここでいぅバ ルーンは、発泡後のバルーンでも良ぐ発泡剤を含むものを配合後に発泡させてバ ルーンとしても良い。
[0174] これらの有機系バルーンの具体例として、フエノールバルーンとしてユニオンカー バイド製の UCAR及び PHENOLIC MICROBALLOONS、エポキシバルーンと して EMERSON&CUMING製の ECCOSPHERES、尿素バルーンとして EMER SON&CUMING製の ECCOSPHERES VF— 0、サランバルーンとして DOW CHEMICAL製の SARAN MICROSPHERES, AKZO NOBEL製のエタスパ ンセル、松本油脂製薬製のマツモトマイクロスフェア、ポリスチレンバルーンとして AR CO POLYMERS製の DYLITE EXPANDABLE POLYSTYRENE, BASF WYANDOTE製の EXPANDABLE POLYSTYRENE BEADS、架橋型ス チレン一アクリル酸バルーンには日本合成ゴム製の SX863 (P) ί 巿販されている。
[0175] 上記ノ レーンは単独で使用しても良ぐ 2種類以上混合して用いても良い。さらに、 これらノ レーンの表面を脂肪酸、脂肪酸エステル、ロジン、ロジン酸リグニン、シラン カップリング剤、チタンカップリング剤、アルミカップリング剤、ポリプロピレングリコール 等で分散性および配合物の作業性を改良するために処理したものも使用することが できる。これらの、バルーンは配合物を硬化させた場合の物性のうち、柔軟性および 伸び ·強度を損なうことなぐ軽量ィ匕させコストダウンするために使用される。
[0176] ノ レーンの含有量は、特に限定されな!、がビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含 有ポリエーテルオリゴマー(Π)の合計 100重量部に対して、好ましくは 0. 1〜50重量 部、更に好ましくは 0. 1〜30重量部の範囲で使用できる。この量が 0. 1重量部未満 では軽量ィ匕の効果が小さく 50重量部以上ではこの配合物を硬化させた場合の機械 特性のうち、引張強度の低下が認められることがある。またノ レーンの比重が 0. 1以 上の場合は 3〜50重量部、更に好ましくは 5〜30重量部が好ましい。
く物性調整剤〉
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて生成する硬化物の弓 I張特性を調整す る物性調整剤を添加しても良 、。
[0177] 物性調整剤としては特に限定されな 、が、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチ ルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、 n—プロピルトリメトキシシラン等のアルキ
プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、 γ —ァミノプロピルトリメトキシシラン、 Ν— ( β—アミノエチル)ァミノプロピルメチルジメト キシシラン、 γ—メルカプトプロピルトリメトキシシラン、 γ—メルカプトプロピルメチル ジメトキシシラン等の官能基を有するアルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシ ロキサン類等が挙げられる。前記物性調整剤を用いることにより、本発明の組成物を 硬化させた時の硬度を上げたり、硬度を下げ、伸びを出したりし得る。上記物性調整 剤は単独で用いてもよぐ 2種以上併用してもよい。
[0178] 物性調整剤は、特に限定されな 、がビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリ エーテルオリゴマー(II)の合計 100重量部に対して、好ましくは 0. 1〜80重量部、更 に好ましくは 0. 1〜50重量部の範囲で使用できる。この量が 0. 1重量部未満では軽 量ィ匕の効果が小さく 80重量部以上ではこの配合物を硬化させた場合の機械特性の うち、引張強度の低下が認められることがある。
< <シラノール含有化合物につ!/、て > >
本発明で用いるシラノール含有ィ匕合物とは、分子内に 1個のシラノール基を有する 化合物、及び Ζ又は、水分と反応することにより分子内に 1個のシラノール基を有す る化合物を生成し得る化合物のことをいう。これらは一方のみを用いてもよいし、両ィ匕 合物を同時に用いてもよい。
[0179] 本発明で用いる成分の一つである分子内に 1個のシラノール基を有する化合物は 、特に限定されず、下記に示したィ匕合物、
(CH ) SiOH、 (CH CH ) SiOH、 (CH CH CH ) SiOH、(n— Bu) SiOH、 (sec
3 3 3 2 3 3 2 2 3 3
-Bu) SiOH、 (t-Bu) SiOH、 (t-Bu) Si(CH ) OH、 (C H ) SiOH、 (C H )
SiOH, (C H ) SiOH, (C H ) Si(CH )OHゝ (C H )Si(CH ) OH、 (C H ) Si(
3 6 5 3 6 5 2 3 6 5 3 2 6 5 2
C H )OH、 C H Si(C H ) OH、 C H CH Si(C H ) OH、 C H Si(CH ) OH
2 5 6 5 2 5 2 6 5 2 2 5 2 10 7 3 2
(ただし、上記式中 C Hはフエ-ル基を、 C Hはナフチル基を示す。 )
6 5 10 7
等のような (R") SiOH (ただし式中 R"は同一または異種の置換もしくは非置換のァ
3
ルキル基またはァリール基)で表すことができる化合物、
[0181] 等のようなシラノール基を含有する環状ポリシロキサンィ匕合物、
[0182] [化 8]
[0183] (式中、 R26は炭素数 1〜20の 1価の炭化水素基を示し、 mは正の整数を示す。 ) 等のようなシラノール基を含有する鎖状ポリシロキサンィ匕合物、
[0184] [化 9]
R26
[0185] (式中、 R ま炭素数 1〜20の 1価の炭化水素基を示し、 mは正の整数を示す。 ) 等のような主鎖が珪素、炭素力 なるポリマー末端にシラノール基が結合した化合物
[0186] [化 10]
[0187] [0188]
CH3 CH^
HO~( Si-0"(CH2ト Oト S CH3
CH3 CH-?
[0189] (式中、 mは正の整数を示し、 nは整数を示す。 )
等のような主鎖が珪素、炭素、酸素力 なるポリマー末端にシラノール基が結合した 化合物等が例示できる。このうち下記一般式 (29)で表される化合物が好ま 、。
(R26) SiOH (29)
3
(式中、 R26は炭素数 1〜20の 1価の炭化水素基を示す。複数の R26は同一であっても よく又は異なっていてもよい。 )
R26は、メチル基、ェチル基、ビニル基、 t ブチル基、フエニル基が好ましぐさらに 易入手性、効果の点力 メチル基が好ましい。
[0190] 上記、分子内に 1個のシラノール基を有する化合物は、ビニル系重合体 (I)の架橋 性シリル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点 の数を減少させ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
また本発明の成分の 1つである、水分と反応することにより分子内に 1個のシラノール 基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、水分と反応して生 成する分子内に 1個のシラノール基を有する化合物 (加水分解生成物)が、上記一般 式(29)で表される化合物が好ましい。例えば、特に限定されるわけではないが、後 述するような一般式 (30)で表される化合物以外に下記の化合物を挙げることができ る。
[0191] N, O—ビス(トリメチルシリル)ァセトアミド、 N— (トリメチルシリル)ァセトアミド、ビス( トリメチルシリル)トリフルォロアセトアミド、 N—メチルー N—トリメチルシリルトリフルォ ロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、 N— (t—ブチルジメチルシリル) N—メチルト リフルォロアセトアミド、 (N, N—ジメチルァミノ)トリメチルシラン、 (N, N—ジェチル ァミノ)トリメチルシラン、へキサメチルジシラザン、 1, 1, 3, 3—テトラメチルジシラザ ン、 N— (トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルォロメタンスルフォネ ート、トリメチルシリルフエノキシド、 n—ォクタノールのトリメチルシリル化物、 2—ェチ ルへキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)化物、トリ メチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリメ チルシリル)ィ匕物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)ィ匕物、 (CH ) SiNH
3 3
Si(CH ) 、 (CH ) SiNSi (CH ) 、
[0192] [化 12]
H3C—
(H3C)3Si- N - C一 N- SiiCH3)3 (H3C)3Si_
O
F3C-S-0-Si(CH3)3
O
[0193] 等が好適に使用できるが加水分解生成物の含有シラノール基の量からは (CH ) Si
3 3
NHSi(CH )が特に好ましい。
3 3
[0194] さらには本発明の成分の 1つである、水分と反応することにより分子内に 1個のシラ ノール基を有する化合物を生成し得る化合物は、特に限定されないが、上記化合物 以外に下記一般式(30)で表される化合物が好ま 、。
( (R26) SiO) R27 (30)
3 q
(式中、 R26は上述したものと同様である。 qは正の整数を、 R27は活性水素含有ィ匕合 物から一部ある 、は全ての活性水素を除 、た基を示す。 )
R26は、メチル基、ェチル基、ビニル基、 t ブチル基、フエ-ル基が好ましぐさらにメ チル基が好ましい。
(R26) Si基は、 3個の R26が全てメチル基であるトリメチルシリル基が特に好ましい。ま
3
た、 qは 1〜5が好ましい。
[0195] 上記 R27の由来となる活性水素含有ィ匕合物としては特に限定されないが、例えば、 メタノール、エタノール、 n—ブタノール、 iーブタノール、 tーブタノール、 n オタタノ 一ノレ、 2—ェチノレへキサノーノレ、ベンジノレアノレコーノレ、エチレングリコーノレ.ジェチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコーノレ 、ポリプロピレングリコール、プロパンジオール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメ チレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコ ール類;フエノール、クレゾール、ビスフエノール A、ヒドロキノン等のフエノール類;ギ 酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、アクリル 酸、メタクリル酸、ォレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ソルビン酸、シユウ酸、マロン酸 、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸 等のカルボン酸類;アンモニア;メチルァミン、ジメチルァミン、ェチルァミン、ジェチ ルァミン、 n—ブチルァミン、イミダゾール等のアミン類;ァセトアミド、ベンズアミド等の 酸アミド類、尿素、 N, N,ージフヱ-ル尿素等の尿素類;アセトン、ァセチルアセトン、 2, 4一へプタジオン等のケトン類等が挙げられる。
[0196] 上記一般式(30)で表される水分と反応することにより分子内に 1個のシラノール基 を有する化合物を生成し得る化合物は、例えば上述の活性水素含有化合物等に、ト リメチルシリルクロリドゃジメチル (t—ブチル)シリルクロリド等のようなシリル化剤とも呼 ばれる (R26) Si基とともにハロゲン基等の活性水素と反応し得る基を有する化合物を
3
反応させることにより得ることができるが、これらに限定されるものではない (ただし、 R 26は上述したものと同様である。 ) o
[0197] 上記一般式 (30)で表される化合物を具体的に例示すると、ァリロキシトリメチルシラ ン、 N, O—ビス(トリメチルシリル)ァセトアミド、 N— (トリメチルシリル)ァセトアミド、ビ ス(トリメチルシリル)トリフルォロアセトアミド、 N—メチルー N—トリメチルシリルトリフル ォロアセトアミド、ビストリメチルシリル尿素、 N— (t—ブチルジメチルシリル) N—メチ ルトリフルォロアセトアミド、 (N, N—ジメチルァミノ)トリメチルシラン、(N, N—ジェチ ルァミノ)トリメチルシラン、へキサメチルジシラザン、 1, 1, 3, 3—テトラメチルジシラ ザン、 N— (トリメチルシリル)イミダゾール、トリメチルシリルトリフルォロメタンスルフォ ネート、トリメチルシリルフエノキシド、 n—ォクタノールのトリメチルシリル化物、 2—ェ チルへキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシリル)ィ匕物、ト リメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのトリス(トリ メチルシリル)ィ匕物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)ィ匕物、等が挙げら
れるが、これらに限定されない。これらは単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよ い。
[0198] また、一般式( (R28) SiO (R290) ) Dで表すことができるような化合物、 CH O (CH
3 s t 3 2
CH (CH ) O) Si(CH )、 CH =CHCH (CH CH (CH ) 0) Si (CH )、 (CH ) S
3 5 3 3 2 2 2 3 5 3 3 3 3 iO (CH CH (CH ) O) Si (CH )、 (CH ) SiO (CH CH (CH ) O) Si(CH )
2 3 5 3 3 3 3 2 3 7 3 3
(式中、 R28は同一または異種の置換もしくは非置換の 1価の炭化水素基または水素 原子、 R29は炭素数 1〜8の 2価の炭化水素基、 s、 tは正の整数で、 tは 1〜6、 s X tは 5以上、 Dは 1〜6価の有機基)
等も好適に使用できる。これらは単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。
[0199] 水分と反応することにより分子内に 1個のシラノール基を有する化合物を生成し得る 化合物の中では、貯蔵安定性、耐候性等に悪影響を及ぼさない点で、加水分解後 に生成する活性水素化合物はフエノール類、酸アミド類及びアルコール類が好ましく 、活性水素化合物が水酸基であるフエノール類およびアルコール類が更に好ま ヽ
[0200] 上記の化合物の中では、 N, O—ビス(トリメチルシリル)ァセトアミド、 N- (トリメチル シリル)ァセトアミド、トリメチルシリルフエノキシド、 n—ォクタノールのトリメチルシリル 化物、 2—ェチルへキサノールのトリメチルシリル化物、グリセリンのトリス(トリメチルシ リル)化物、トリメチロールプロパンのトリス(トリメチルシリル)ィ匕物、ペンタエリスリトー ルのトリス(トリメチルシリル)化物、ペンタエリスリトールのテトラ(トリメチルシリル)化物 等が好ましい。
[0201] この水分と反応することにより分子内に 1個のシラノール基を有する化合物を生成し 得る化合物は、貯蔵時、硬化時あるいは硬化後に水分と反応することにより、分子内 に 1個のシラノール基を有する化合物を生成する。この様にして生成した分子内に 1 個のシラノール基を有する化合物は、上述のようにビニル系重合体 (I)の架橋性シリ ル基あるいは架橋により生成したシロキサン結合と反応することにより、架橋点の数を 減少させ、硬化物に柔軟性を与えているものと推定される。
[0202] シラノール含有ィ匕合物の添加量は、硬化物の期待物性に応じて適宜調整可能で ある。シラノール含有ィ匕合物は、ビュル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエー
テルオリゴマー(Π)の合計 100重量部に対して 0. 1〜50重量部、好ましくは 0. 3〜2 0重量部、さらに好ましくは 0. 5〜: L0重量部添加できる。 0. 1重量部未満では添カロ 効果が現れず、 50重量部を越えると架橋が不十分になり、硬化物の強度やゲル分 率が低下しすぎる。
[0203] また、シラノール含有ィ匕合物をビュル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエーテ ルオリゴマー(II)に添加する時期は特に限定されず、ビュル系重合体 (I)あるいは架 橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(II)の 、ずれかの製造時に添加してもよく 、硬化性組成物の作製時に添加してもよい。
<チクソ性付与剤 (垂れ防止剤) >
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて垂れを防止し、作業性を良くするため にチクソ性付与剤 (垂れ防止剤)を添加しても良!、。
[0204] また、垂れ防止剤としては特に限定されな 、が、例えば、ポリアミドワックス類、水添 ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸 ノ リウム等の金属石酸類等が挙げられる。これらチクソ性付与剤 (垂れ防止剤)は単 独で用いてもよぐ 2種以上併用してもよい。
[0205] チクソ性付与剤は、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマ 一(II)の合計 100重量部に対して 0. 1〜50重量部、好ましくは 0. 2〜25重量部添 加できる。添加量が 0. 1重量部未満ではチクソ付与効果が十分発現せず、また 50 重量部を越えて用いると配合物の粘度が高くなり、さらに配合物の貯蔵安定性が低 下してしまう。
<光硬化性物質につ!、て >
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて光硬化性物質を添加しても良い。光硬 化性物質とは、光の作用によって短時間に、分子構造が化学変化をおこし、硬化な どの物性的変化を生ずるものである。この光硬化性物質を添加することにより、硬化 性組成物を硬化させた際の硬化物表面の粘着性 (残留タックとも 、う)を低減できる。 この光硬化性物質は、光をあてることにより硬化し得る物質であるが、代表的な光硬 化性物質は、例えば室内の日の当たる位置(窓付近)に 1日間、室温で静置すること により硬化させることができる物質である。この種の化合物には、有機単量体、オリゴ
マー、榭脂あるいはそれらを含む組成物など多くのものが知られており、その種類は 特に限定されないが、例えば、不飽和アクリル系化合物、ポリケィ皮酸ビュル類ある いはアジド化榭脂等が挙げられる。
[0206] 不飽和アクリル系化合物としては、具体的には、エチレングリコール、グリセリン、トリ メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルアルコール等の低分子量ァ ルコール類の(メタ)アクリル酸エステル類;ビスフエノール A、イソシァヌル酸等の酸あ るいは上記低分子量アルコール等をエチレンォキシドゃプロピレンォキシドで変性し たアルコール類の (メタ)アクリル酸エステル類;主鎖がポリエーテルで末端に水酸基 を有するポリエーテルポリオール、主鎖がポリエーテルであるポリオール中でビュル 系モノマーをラジカル重合することにより得られるポリマーポリオール、主鎖がポリエス テルで末端に水酸基を有するポリエステルポリオール、主鎖がビュル系あるいは (メタ )アクリル系重合体であり、主鎖中に水酸基を有するポリオール等の (メタ)アクリル酸 エステル類;ビスフエノール A型ゃノボラック型等のエポキシ榭脂と (メタ)アクリル酸を 反応させることにより得られるエポキシアタリレート系オリゴマー類;ポリオール、ポリイ ソシァネートおよび水酸基含有 (メタ)アタリレート等を反応させることにより得られる分 子鎖中にウレタン結合および (メタ)アクリル基を有するウレタンアタリレート系オリゴマ 一等が挙げられる。
[0207] ポリケィ皮酸ビニル類とは、シンナモイル基を感光基とする感光性榭脂であり、ポリ ビュルアルコールをケィ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリケィ皮酸ビニル 系誘導体が挙げられる。
[0208] アジド化榭脂は、アジド基を感光基とする感光性榭脂として知られており、通常はァ ジドィ匕合物を感光剤として加えたゴム感光液のほか「感光性榭脂」(昭和 47年 3月 17 日出版、印刷学会出版部発行、 93頁〜、 106頁から、 117頁〜)に詳細な例示があ り、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加えて使用することができる。
[0209] 上記の光硬化性物質の中では、取り扱い易いという理由で不飽和アクリル系化合 物が好ましい。
[0210] 光硬化性物質は、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオリゴマ 一(Π)の合計 100重量咅に対して 0. 01〜30重量咅添カロするの力好まし!/ヽ。 0. 01
重量部未満では効果が小さぐまた 30重量部を越えると物性への悪影響が出ること がある。なお、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤ゃァミン類等の促進剤を添加する と、効果が高められる場合がある。
<空気酸化硬化性物質にっ 、て >
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて空気酸化硬化性物質を添加しても良 い。空気酸化硬化性物質とは、空気中の酸素により架橋硬化できる不飽和基を有す る化合物である。この空気酸化硬化性物質を添加することにより、硬化性組成物を硬 化させた際の硬化物表面の粘着性 (残留タックとも 、う)を低減できる。本発明におけ る空気酸化硬化性物質は、空気と接触させることにより硬化し得る物質であり、より具 体的には、空気中の酸素と反応して硬化する性質を有するものである。代表的な空 気酸化硬化性物質は、例えば空気中で室内に 1日間静置することにより硬化させる ことができる。
[0211] 空気酸化硬化性物質としては、例えば、桐油、アマ二油等の乾性油;これら乾性油 を変性して得られる各種アルキッド榭脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、 エポキシ系榭脂、シリコーン榭脂; 1, 2 ポリブタジエン、 1, 4 ポリブタジエン、 C5 〜C8ジェンの重合体や共重合体、更には該重合体や共重合体の各種変性物(マレ インィ匕変性物、ボイル油変性物など)などが具体例として挙げられる。これらのうちで は桐油、ジェン系重合体のうちの液状物 (液状ジェン系重合体)やその変性物が特 に好ましい。
[0212] 上記液状ジェン系重合体の具体例としては、ブタジエン、クロ口プレン、イソプレン、 1, 3 ペンタジェン等のジェン系化合物を重合又は共重合させて得られる液状重合 体や、これらジェン系化合物と共重合性を有するアクリロニトリル、スチレンなどの単 量体とをジェン系化合物が主体となるように共重合させて得られる NBR, SBR等の 重合体や更にはそれらの各種変性物(マレイン化変性物、ボイル油変性物など)など が挙げられる。これらは単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。これら液状 ジェン系化合物のうちでは液状ポリブタジエンが好ましい。
[0213] 空気酸化硬化性物質は、単独で用いてもよぐ 2種以上を併用してもよい。また空 気酸化硬化性物質と同時に酸化硬化反応を促進する触媒や金属ドライヤーを併用
すると効果を高められる場合がある。これらの触媒や金属ドライヤーとしては、ナフテ ン酸コバルト、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ォクチル酸コバルト、ォクチル 酸ジルコニウム等の金属塩ゃァミン化合物等が例示される。
[0214] 空気酸化硬化性物質は、ビニル系重合体 (I)と架橋性シリル基含有ポリエーテルオ リゴマー(II)の合計 100重量部に対して 0. 01〜30重量部添加するのが好ましい。 0 . 01重量部未満では効果が小さぐまた 30重量部を越えると物性への悪影響が出る ことがある。
<酸化防止剤、光安定剤 >
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、酸ィ匕防止剤あるいは光安定剤を用い ても良い。酸化防止剤、光安定剤としては、各種のものが知られており、例えば大成 社発行の「酸ィ匕防止剤ハンドブック」、シーエムシー発行の「高分子材料の劣化と安 定化」(235〜242)等に記載された種々のものが挙げられる力 これらに限定される わけではない。
[0215] 酸ィ匕防止剤としては、特に限定はされないがアデカスタブ PEP— 36、アデカスタ ブ AO— 23等のチォエーテル系酸化防止剤(以上 、ずれも旭電化工業製)、 Irgaf os38、 Irgafosl68、 Irgaf osP— EPQ (以上いずれもチノく'スペシャルティ'ケミカル ズ製)等のようなリン系酸ィ匕防止剤;ヒンダードフエノール系酸ィ匕防止剤等が挙げられ る。なかでも、以下に示したようなヒンダードフエノール系化合物が好ましい。
[0216] ヒンダードフ ノール系化合物としては、具体的には以下のものが例示できる。
2, 6 ジー tーブチルー 4 メチルフエノール、 2, 6 ジー tーブチルー 4ーェチルフ ェノール、モノ(又はジ又はトリ)(αメチルベンジル)フエノール、 2, 2'ーメチレンビス (4ェチル 6— t—ブチルフエノール)、 2, 2, 一メチレンビス(4メチル 6— t—ブチ ルフエノール)、 4, 4,ーブチリデンビス(3—メチルー 6— t—ブチルフエノール)、 4, 4'ーチォビス(3—メチルー 6 t ブチルフエノール)、 2, 5 ジー t ブチルハイド ロキノン、 2, 5 ジ一 t—ァミルハイドロキノン、トリエチレングリコール一ビス一 [3— (3 —tーブチルー 5—メチルー 4ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 1, 6 へキサンジ オール ビス [3— (3, 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート] 、 2, 4一ビス一 (n—ォクチルチオ)ー6—(4ーヒドロキシ一3, 5 ジ一tーブチルァ
二リノ) 1, 3, 5 トリァジン、ペンタエリスリチル一テトラキス [3— (3, 5 ジ一 t—ブ チルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、 2, 2 チォージエチレンビス [3— (3 , 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシフエ-ル)プロピオネート]、ォクタデシルー 3— ( 3, 5—ジ—tーブチルー 4ーヒドロキシフエ-ル)プロピオネート、 N, N,一へキサメチ レンビス(3, 5—ジ一 t—ブチル 4—ヒドロキシ一ヒドロシンナマミド)、 3, 5—ジ一 t —ブチルー 4 ヒドロキシ—ベンジルフォスフォネート—ジェチルエステル、 1, 3, 5 —トリメチル 2, 4, 6 トリス(3, 5 ジ一 t ブチル 4 ヒドロキシベンジル)ベン ゼン、ビス(3, 5—ジ— t—ブチル—4—ヒドロキシベンジルホスホン酸ェチル)カルシ ゥム、トリス一(3, 5 ジ一 t—ブチル 4 ヒドロキシベンジル)イソシァヌレート、 2, 4 ビス [ (オタチルチオ)メチル ]o クレゾール、 N, N,一ビス [3—(3, 5—ジ tーブ チル一 4 ヒドロキシフエ-ル)プロピオ-ル]ヒドラジン、トリス(2, 4 ジ一 t—ブチル フエ-ル)フォスファイト、 2- (5—メチル 2 ヒドロキシフエ-ル)ベンゾトリアゾール 、 2— [2 ヒドロキシ一 3, 5 ビス(α , α ジメチルベンジル)フエ-ル]— 2Η ベ ンゾトリァゾール、 2—(3, 5 ジ—tーブチルー 2 ヒドロキシフエ-ル)ベンゾトリァゾ ール、 2— (3— t—ブチル 5—メチル 2 ヒドロキシフエ-ル) 5 クロ口べンゾト リアゾール、 2— (3, 5 ジ一 t—ブチル 2 ヒドロキシフエ-ル)一 5 クロ口べンゾ トリァゾール、 2— (3, 5 ジ一 t ァミル一 2 ヒドロキシフエ-ル)ベンゾトリアゾール 、 2- (2,一ヒドロキシ一 5,一t—ォクチルフエ-ル)一ベンゾトリァゾール、メチル 3 — [3— t ブチル 5— (2H ベンゾトリアゾール 2—ィル) 4 ヒドロキシフエ- ル]プロピオネート ポリエチレングリコール(分子量約 300)との縮合物、ヒドロキシフ ェ-ルベンゾトリアゾール誘導体、 2— (3, 5 ジ— t—ブチル—4 ヒドロキシベンジ ル)ー2— n—ブチルマロン酸ビス(1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチルー 4ーピベリジル)、 2, 4ージー t ブチルフエ二ルー 3, 5 ジー tーブチルー 4ーヒドロキシベンゾエート 等が挙げられる。
商品名で言えば、ノクラック 200、ノクラック M— 17、ノクラック SP、ノクラック SP— N 、ノクラック NS— 5、ノクラック NS— 6、ノクラック NS— 30、ノクラック 300、ノクラック N S— 7、ノクラック DAH (以上いずれも大内新興ィ匕学工業製)、アデカスタブ AO— 3 0、アデカスタブ AO— 40、アデカスタブ AO— 50、アデカスタブ AO— 60、アデ
カスタブ AO— 616、アデカスタブ AO— 635、アデカスタブ AO— 658、アデ力 スタブ AO— 80、アデカスタブ AO— 15、アデカスタブ AO— 18、アデカスタブ 328、アデカスタブ 八0— 37 (以上ぃずれも旭電化ェ業製)、11¾}八?^0 ー245、 I RGANOX- 259, IRGANOX—565、 IRGANOX— 1010、 IRGANOX—1024 、 IRGANOX— 1035、 IRGANOX— 1076、 IRGANOX— 1081、 IRGANOX— 1098、 IRGANOX— 1222、 IRGANOX— 1330、 IRGANOX— 1425WL (以上 いずれもチノく'スペシャルティ'ケミカルズ製)、 SumilizerGM、 SumilizerGA— 80 ( 以上いずれも住友ィ匕学製)等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
[0218] また、光安定剤としては、チヌビン P、チヌビン 234、チヌビン 320、チヌビン 326、チ ヌビン 327、チヌビン 329、チヌビン 213 (以上いずれもチノく'スペシャルティ'ケミカル ズ製)等のようなベンゾトリアゾール系化合物ゃチヌビン 1577等のようなトリアジン系 、 CHIMASSORB81等のようなベンゾフエノン系、チヌビン 120 (チノく'スペシャルテ ィ 'ケミカルズ製)等のようなベンゾエート系化合物等の紫外線吸収剤;ヒンダードアミ ン系化合物等が例示できる。
[0219] なかでも、ヒンダードアミン系化合物がより好ましい。ヒンダードアミン系化合物として は、具体的には以下のものが例示できるがこれらに限定されるものではな 、。
コハク酸ジメチルー 1— (2 ヒドロキシェチル) 4 ヒドロキシ一 2, 2, 6, 6—テトラ メチルビペリジン重縮合物、ポリ [{6—(1, 1, 3, 3—テトラメチルブチル)アミノー 1, 3, 5 トリァジン一 2, 4 ジィル } { (2, 2, 6, 6—テトラメチル一 4 ピペリジル)ィミノ }]、 N, N,一ビス(3ァミノプロピノレ)エチレンジァミン 2, 4 ビス [N ブチノレー N - (1, 2, 2, 6, 6 ペンタメチノレー 4 ピペリジノレ)ァミノ]— 6 クロ口一 1, 3, 5 ト リアジン縮合物、ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチルー 4ーピペリジル)セバケート、コハク 酸ビス(2, 2, 6, 6—テトラメチル— 4 ピペリディ-ル)エステル等が挙げられる。
[0220] 商品名で言えば、チヌビン 622LD、チヌビン 144、 CHIMASSORB944LD、 CH IMASSORB119FL、(以上いずれもチノく'スペシャルティ'ケミカルズ製)、アデカス タブ LA— 52、アデカスタブ LA— 57、アデカスタブ LA— 62、アデカスタブ L A— 67、アデカスタブ LA— 63、アデカスタブ LA— 68、アデカスタブ LA—82、 アデカスタブ LA— 87 (以上いずれも旭電ィ匕工業製)、サノール LS— 770、サノー
ノレ LS— 765、サノーノレ LS— 292、サノーノレ LS— 2626、サノーノレ LS— 1114、サノ ール LS— 744、サノール LS—440 (以上 、ずれも三共製)などが例示できるがこれ らに限定されるものではない。
[0221] 酸ィ匕防止剤と光安定剤とは併用してもよぐ併用することによりその効果を更に発揮 し、耐熱性ゃ耐候性等が向上することがあるため特に好ましい。予め酸化防止剤と光 安定剤を混合してあるチヌビン C353、チヌビン B75 (以上!/、ずれもチノく'スペシャル ティ ·ケミカルズ製)などを使用しても良 、。
[0222] なお、耐候性向上のために、紫外線吸収剤とヒンダードアミン系化合物 (HALS)を 組み合わせることがある力 この組み合わせはより効果を発揮することがあるため、特 に限定はされないが併用しても良ぐ併用することが好ましいことがある。
[0223] 酸ィ匕防止剤あるいは光安定剤は、得には限定されないが、高分子量のものを用い ることにより本発明の耐熱性の改善効果を更に長期に亘つて発現するためより好まし い。
[0224] 酸化防止剤または光安定剤の使用量は、それぞれ、ビニル系重合体 (I)と架橋性 シリル基含有ポリエーテルオリゴマー(Π)の合計 100重量部に対して 0. 1〜20重量 部の範囲であることが好ましい。 0. 1重量部未満では耐熱性改善の効果が少なぐ 2 0重量部超では効果に大差がなく経済的に不利である。
その他の添加剤
本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的と して、必要に応じて各種添加剤が添加してもよい。このような添加物の例としては、た とえば、難燃剤、硬化性調整剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、 オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。 これらの各種添加剤は単独で用いてもよぐ 2種類以上を併用してもよい。
[0225] このような添カ卩物の具体例は、たとえば、特公平 4 69659号、特公平 7— 10892 8号、特開昭 63— 254149号、特開昭 64— 22904号の各明細書などに記載されて いる。
<硬化性組成物の作製 >
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空
気中の湿気により硬化する 1成分型として調製しても良ぐ硬化剤として別途硬化触 媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と重合体組成物を使用 前に混合する 2成分型として調整しても良い。 2成分型にすると、 2成分の混合時に 着色剤を添加することができ、例えば、サイデイングボードの色に合わせたシーリング 材を提供する際に、限られた在庫で豊富な色揃えをすることが可能となるなど、市場 力も要望されている多色化対応が容易となり、低層建物用等により好ましい。着色剤 は、例えば顔料と可塑剤、場合によっては充填材を混合しペーストイ匕したものを用い ると作業し易い。また、更に 2成分の混合時に遅延剤を添加することにより硬化速度 を作業現場にて微調整することができる。
< <硬化物 > >
<用途 >
本発明の硬化性組成物は、限定はされないが、建築用弾性シーリング材ゃ複層ガ ラス用シーリング材、接着剤、弾性接着剤、コーティング材、ガスケット、注型材料、各 種成形材料、人工大理石、および、網入りガラスや合わせガラス端面 (切断部)の防 鲭,防水用封止材、自動車や船舶、家電等に使用される防振,制振,防音,免震材料 、自動車部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤等の 様々な用途に利用可能である。なかでも、接着剤、シーリング材、液状ガスケットとし て、より好適に利用可能である。
実施例
[0226] 以下に、実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例の みに限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それ ぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
[0227] 下記実施例中、「数平均分子量」および「分子量分布 (重量平均分子量と数平均分 子量の比)」は、ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチ レン換算法により算出した。ただし、 GPCカラムとしてポリスチレン架橋ゲルを充填し たもの(shodex GPC K— 804 ;昭和電工 (株)製)、 GPC溶媒としてクロ口ホルムを 用いた。
(合成例 1)
1Lフラスコに臭化銅(I) 2.84g (19. 8mmol)、ァセトニトリル 39mLを仕込み、窒素 気流下 70°Cで 20分間加熱攪拌した。これに 2, 5 ジブロモアジピン酸ジェチル 5.9 3g (16. 5mmol)、アクリル酸ブチル 280mL (1.95mol)、アクリル酸メチル 49mL (0 . 53mol)、アクリル酸ステアリル 54mL (0. 16mol)を加え、さらに 80°Cで 20分間カロ 熱攪拌した。これにペンタメチルジェチレントリァミン (以後トリァミンと称す) 0. 41mL (1. 98mmol)を加えて反応を開始した。さらにトリアミンを 0. 14mL (0. 66mmol) 追カロした。 80°Cで加熱攪拌を続け、この間にトリァミン 0. 14mL (0. 66mmol)を追 加した。反応開始から 180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反応 開始から 240分後、ァセトニトリル 118mL、 1, 7—ォクタジェン 49mL (0. 33mol)、 トリァミン 1. 38mL (6. 59mmol)添カ卩し、引き続き 80°Cで加熱攪拌を続け、反応開 始から 620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、ト ルェンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体とキ ョ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)、キヨ-ワード 7 OOSL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)をキシレン (重合体 100重 量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 3時間後、珪酸アルミを濾 過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を 180°Cで 12時間加熱脱 揮 (減圧度 lOtorr以下)することにより共重合体中力も Br基を脱離させた。重合体と キヨ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)、キヨ-ワード 700SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)をキシレン (重合体 100 重量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 5時間後、珪酸アルミを ろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケ-ル末端重合体 A— 1を得た
[0228] 重合体の数平均分子量は GPC測定により(ポリスチレン換算)により 29000、分子 量分布は 1. 3であった。また、オリゴマー 1分子当たりに導入されたァルケ-ル基は、 JH NMR分析より平均 95 %であった。
[0229] 次に、 200mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(23. 3g)、ジメトキシメチルヒ ドロシラン(2. 55mL、 20. 7mmol)、オノレトぎ酸ジメチノレ(0. 38mL、 3. 45mmol) 、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル
基に対して、モル比で 2 X 10— 4当量とした。反応混合物を 100°Cで 3時間加熱した 。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル 酸 n—ブチル Zアクリル酸メチル Zアクリル酸ステアリル)の重合体 (ポリマー A)を得 た。得られた重合体 (ポリマー A)の数平均分子量は GPC測定 (ポリスチレン換算)に より、 29000分子量分布は 1. 3であった。得られた重合体の1 H—NMR分析より、末 端への架橋性シリル基導入率は 85%であった。
(合成例 2)
1Lフラスコに臭化銅(I) 2.84g (19. 8mmol)、ァセトニトリル 39mLを仕込み、窒素 気流下 70°Cで 20分間加熱攪拌した。これに 2, 5—ジブロモアジピン酸ジェチル 5.9 3g (16. 5mmol)、アクリル酸ブチル 254mL (1.77mol)、アクリル酸ェチル 6 lmL ( 0. 66mol)、アクリル酸ステアリル 71mL (0. 21mol)をカロえ、さらに 80°Cで 20分間 加熱攪拌した。これにペンタメチルジェチレントリァミン (以後トリァミンと称す) 0. 41 mL (l. 98mmol)をカ卩えて反応を開始した。さらにトリアミンを 0. 14mL (0. 66mmo 1)追カロした。 80°Cで加熱攪拌を続け、この間にトリァミン 0. 14mL (0. 66mmol)を 追加した。反応開始から 180分後、反応容器内を減圧にし、揮発分を除去した。反 応開始から 240分後、ァセトニトリル 118mL、 1, 7—ォクタジェン 49mL (0. 33mol) 、トリァミン 1. 38mL (6. 59mmol)添カ卩し、引き続き 80°Cで加熱攪拌を続け、反応 開始から 620分後加熱を停止した。反応溶液を減圧加熱して揮発分を除去した後、 トルエンで希釈して濾過し、ろ液を濃縮することで重合体を得た。得られた重合体と キヨ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)、キヨ-ワード 700SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 2重量部)をキシレン (重合体 100 重量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 3時間後、珪酸アルミを 濾過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去した。重合体を 180°Cで 12時間加熱 脱揮 (減圧度 lOtorr以下)することにより共重合体中力も Br基を脱離させた。重合体 とキヨ-ワード 500SH (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)、キヨ-ヮー ド 700SL (協和化学製:重合体 100重量部に対して 3重量部)をキシレン (重合体 10 0重量部に対して 100重量部)に混合し、 130°Cで攪拌した。 5時間後、珪酸アルミを ろ過し、濾液の揮発分を減圧下加熱して留去しアルケ-ル末端重合体 B— 1を得た
[0230] 重合体の数平均分子量は GPC測定により(ポリスチレン換算)により 27000、分子 量分布は 1. 3であった。また、オリゴマー 1分子当たりに導入されたァルケ-ル基は、 JH NMR分析より平均 95 %であった。
[0231] 次に、 200mLの耐圧ガラス反応容器に、上記重合体(23. 3g)、ジメトキシメチルヒ ドロシラン(2. 55mL、 20. 7mmol)、オノレトぎ酸ジメチノレ(0. 38mL、 3. 45mmol) 、および白金触媒を仕込んだ。ただし、白金触媒の使用量は、重合体のアルケニル 基に対して、モル比で 2 X 10— 4当量とした。反応混合物を 100°Cで 3時間加熱した 。混合物の揮発分を減圧留去することにより、末端にシリル基を有するポリ(アクリル 酸 n ブチル Zアクリル酸ェチル Zアクリル酸ステアリル)の重合体(ポリマー B)を得 た。得られた重合体 (ポリマー B)の数平均分子量は GPC測定 (ポリスチレン換算)に より、 27000分子量分布は 1. 3であった。得られた重合体の1 H—NMR分析より、末 端への架橋性シリル基導入率は 85%であった。
(合成例 3)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛へキサシァノコバルテートグライム錯体触 媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量 20, 000の水酸基末端ポ リエ一テルオリゴマーを得た。続、てこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸 基に対して 1. 2倍当量の NaOMeのメタノール溶液を添カ卩してメタノールを留去し、 さらに 3 クロ口一 2—メチル 1—プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に 変換した。脱塩精製処理を実施した後に得られたオリゴマー 500gに対し、酸化防止 剤として 2, 6ジ—tert—ブチルー p クレゾール、共沸溶媒としてへキサンをカ卩えて 9 0°Cで共沸脱水を行った。へキサンを減圧下留去後、 8%02ZN2で容器内を置換 した。これに対して硫黄(1重量%のトルエン溶液) 25 1、白金ジビュルジシロキサン 錯体(白金換算で 3重量0 /0のキシレン溶液) 56 μ 1を加え、撹拌しながら、 DMS (ジメ トキシメチルシラン) 11. 5gをゆっくりと滴下した。 90°Cで 5時間反応させた後、未反 応の DMSを減圧下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。 得られた重合体の1 H— NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は 98%であ ることを確認した (ポリマー C)。
(合成例 4)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛へキサシァノコバルテートグライム錯体触 媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量 25, 000の水酸基末端ポ リエ一テルオリゴマーを得た。続 、てこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸 基に対して 1. 2倍当量の NaOMeのメタノール溶液を添カ卩してメタノールを留去し、 さらに 3 クロ口一 2—メチル 1—プロペンを添加して末端の水酸基をメタリル基に 変換した。脱塩精製処理を実施した後に得られたオリゴマー 500gに対し、酸化防止 剤として 2, 6ジ—tert—ブチルー p クレゾール、共沸溶媒としてへキサンをカ卩えて 9 0°Cで共沸脱水を行った。へキサンを減圧下留去後、 8%02ZN2で容器内を置換 した。これに対して硫黄(1重量%のトルエン溶液) 25 1、白金ジビュルジシロキサン 錯体(白金換算で 3重量0 /0のキシレン溶液) 56 μ 1を加え、撹拌しながら、 DMS (ジメ トキシメチルシラン) 9. 65gをゆっくりと滴下した。 90°Cで 5時間反応させた後、未反 応の DMSを減圧下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。 得られた重合体の1 H— NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は 96%であ ることを確認した (ポリマー D)。
(合成例 5)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛へキサシァノコバルテートグライム錯体触 媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量 10, 000の水酸基末端ポ リエ一テルオリゴマーを得た。続 、てこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸 基に対して 1. 2倍当量の NaOMeのメタノール溶液を添カ卩してメタノールを留去し、 さらに 3 クロ口 1—プロペンを添加して末端の水酸基をァリル基に変換した。次に 得られたオリゴマー 500g〖こ対し、酸化防止剤として 2, 6ジ一 tert—ブチル p—タレ ゾール、共沸溶媒としてへキサンをカ卩えて 90°Cで共沸脱水を行い、へキサンを減圧 下留去した後、窒素置換した。これに対して塩化白金酸触媒 (5重量%のイソプロパ ノール溶液) 40 μ 1を加え、撹拌しながら、 DMS (ジメトキシメチルシラン) 9. 0gをゆつ くりと滴下した。その混合溶液を 90°Cで 2時間反応させた後、未反応の DMSを減圧 下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の — NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は 79%であることを確認した(
ポリマー E)。
(合成例 6)
ポリプロピレングリコールを開始剤とし亜鉛へキサシァノコバルテートグライム錯体触 媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、数平均分子量 20, 000の水酸基末端ポ リエ一テルオリゴマーを得た。続、てこの水酸基末端ポリエーテルオリゴマーの水酸 基に対して 1. 2倍当量の NaOMeのメタノール溶液を添カ卩してメタノールを留去し、 さらに 3 クロ口 1—プロペンを添加して末端の水酸基をァリル基に変換した。次に 得られたオリゴマー 500g〖こ対し、酸化防止剤として 2, 6ジ一 tert—ブチル p—タレ ゾール、共沸溶媒としてへキサンをカ卩えて 90°Cで共沸脱水を行い、へキサンを減圧 下留去した後、窒素置換した。これに対して塩化白金酸触媒 (5重量%のイソプロパ ノール溶液) 40 1を加え、撹拌しながら、 DMS (ジメトキシメチルシラン) 4. 7gをゆつ くりと滴下した。その混合溶液を 90°Cで 2時間反応させた後、未反応の DMSを減圧 下留去し架橋性シリル基含有ポリオキシプロピレン重合体を得た。得られた重合体の — NMR分析より、末端への架橋性シリル基導入率は 78%であることを確認した( ポリマー F)。
(実施例 1)
合成例 1で得られたポリマー Aを 50重量部、合成例 3で得られたポリマー Cを 50重 量部に対して、可塑剤としてポリプロピレングリコール系可塑剤(三井武田ケミカル( 株)製、商品名;ァタトコール P— 23、分子量 3000) 80重量部、表面処理膠質炭酸 カルシウム(白石工業 (株)製、商品名:白艷華 CCR) 150重量部、重質炭酸カルシゥ ム(丸尾カルシウム (株)商品名;ナノックス 25A) 20重量部、酸化チタン (石原産業( 株)製、商品名:タイペータ R— 820) 10重量部、チクソ性付与剤 (楠本化成 (株)製、 商品名:ディスパロン 6500) 2重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ 'ス ぺシャルティ'ケミカルズ (株)製、商品名:チヌビン 213) 1重量部、ヒンダードアミン系 光安定剤 (三共 (株)製、商品名:サノール LS765) 1重量部を計量、混合して充分混 練りした後、 3本ペイントロールに 3回通して分散させた。この後、 120°Cで 2時間減 圧脱水を行い、 50°C以下に冷却後、脱水剤としてビニルトリメトキシシラン(日本ュ- カー (株)製、商品名: A— 171) 2重量部、接着付与剤として N— β - (アミノエチル)
— γ —ァミノプロピルトリメトキシシラン(日本ュ-カー (株)製、商品名: Α— 1120) 2 重量部、硬化触媒としてジブチル錫ビスァセチルァセトナート(日東ィヒ成 (株)製、商 品名:ネオスタン U— 220) 2重量部を加えて混練し、実質的に水分の存在しない状 態で混練した後、防湿性の容器に密閉し、 1液型硬化性組成物を得た。
(実施例 2)
実施例 1におけるポリマー Αの重量を 70重量部に変更し、ポリマー Cの重量を 30重 量部に変更した以外は、実施例 1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例 3)
実施例 1におけるポリマー Cの代わりにポリマー Dを 50重量部用いた以外は、実施 例 1と同様にして硬化性組成物を得た。
(実施例 4)
実施例 2におけるポリマー Cの代わりにポリマー Dを用いた以外は、実施例 1と同様 にして硬化性組成物を得た。
(実施例 5)
実施例 1におけるポリマー Aの代わりにポリマー Bを用いた以外は、実施例 1と同様 にして硬化性組成物を得た。
(比較例 1)
実施例 1におけるポリマー Cの代わりにポリマー Eを 50重量部用いた以外は、実施 例 1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例 2)
実施例 2におけるポリマー Cの代わりにポリマー Fを用いた以外は、実施例 1と同様 にして硬化性組成物を得た。
(比較例 3)
実施例 1におけるポリマー Cを使用せず、ポリマー Aを 100重量部用いた以外は、 実施例 1と同様にして硬化性組成物を得た。
(比較例 4)
実施例 1におけるポリマー Aを使用せず、ポリマー Cを 100重量部用いた以外は、 実施例 1と同様にして硬化性組成物を得た。
[0232] 上記実施例 1〜5及び比較例 1〜4で得られた硬化性組成物を用いて、各物性に つ!、て以下のようにして測定 ·評価を行 、、その結果を表 1に示した。
(23°Cにおいて硬化性組成物が表面に皮が張るまでの時間)
23°C、 50%R. H.条件下にて上記硬化性組成物を厚みが約 3mmになるよう伸ば し、ミクロスパテユラを用いてときどき硬化性組成物の表面に軽く触れ、組成物がミクロ スパテユラについてこなくなるまでの時間を測定した。
(硬化性組成物の粘度)
硬化性組成物を lOOccのカップに空気が入らないように詰め、 23°C50%R. H.条 件下において (株)トキメック社製 BS型粘度計を用いて、 lrpm、 2rpm、 lOrpmにお ける粘度をそれぞれ測定した。
(硬化物の引張物性)
硬化性組成物を厚さ約 3mmのシート状試験体にして 23°C X 3日、 50°C X 4日の 養生を行って硬化させた後、 3号ダンベル型に打ち抜いた。島津 (株)製オートグラフ を用いて引張速度 200mmZ分で引張試験(23°C、 50%R. H. )を行い、 50%引 張モジュラス、 100%引張モジュラス、破断時の強度 (Tb)、破断時の伸び (Eb)を測 し 7こ。
謹性)
硬化性組成物を厚さ約 3mmのシート状試験体にして 23°C X 3日、 50°C X 4日の 養生を行って硬化させた後、アルミ板にはりつけてスガ試験機 (株)製サンシャインゥ ェザーメーターを用いて、促進耐候性試験を行った。表面が初期と同じ状態であるの を「良好」と評価し、表面〖こクラック (割れ)が生じたものを「不良」と評価した。
[0233] [表 1]
実施例 比較例
1 2 3 4 5 1 2 3 4 架橋性シリル基含有リビングラジカル
重号法にて製造されたビニル系重合体 50 70 50 70 50 70 100 ポリマー A
架橋性シリル基含有リビングラジカル
重号法にて製造されたビニル系重合体 50
ポリ B
架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン
50 30 50 100 重合体ポリマー C
架橋性シリル基含有ポリオキジアルキレン
50 30
重合体ポリマー D
架橋性シリル基含有ポリオキジアルキレン
50
原 重合体ポリマー E
料 架橋性シリル基含有ポリオキシアルキレン
組 30
重合体ポリマー F
成
ポリプロピレングリコール系可塑剤 80 80 80 80 80 80 80 80 80 膠質炭酸カルシウム 150 150 150 150 150 150 150 150 150 重質炭酸カルシウム 20 20 20 20 20 20 20 20 20 酸化チタン 10 10 10 10 10 10 10 10 10 ビスアマイド系チキソ性付与剤 2 2 2 2 2 2 2 2 2 紫外線吸収剤 1 1 1 1 1 1 1 1 1 光安定剤 1 1 1 1 1 1 1 1 1 ビニルトリメトキシシラン 2 2 2 2 2 2 2 2 2
N ( )一 2 2 2 2 2 2 2 2 2 プロビルトリメトキシシラン
硬化触媒 U220 2 2 2 2 2 2 2 2 2
23°Cにおいて表面に皮が張るまでの時間(分) 80 75 70 70 70 60 75 70 120 rpm (Pa-s) 2545 2550 2710 2630 2015 2220 3300 2530 2500 粘
2rpm (Pa-s) 1490 1500 1580 1550 1210 1280 2010 1510 1380 度
10rpm (Pa-s) 455 470 510 510 380 390 720 515 370
50%モジュラス(MPa) 0.19 0.15 0.18 0.15 0.18 0.19 0.13 0.10 0.32 引
張 100¾モジュラス(MPa〉 0.33 0.30 0.29 0.28 0.28 0.34 0.25 0.26 0.45 物 破断時の強度(MPa) 1.80 1.40 1.64 1.31 1.52 1.19 1.09 0.93 2.91 性
破断時の伸び(W 995 770 1 ,060 820 1 ,020 690 650 450 1 ,400
1000時間後 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良 耐 3000時間後 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良 候
性 5000時間後 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好 不良
10000時間後 不良 良好 不良 良好 不良 不良 不良 良好 不良 分子末端に対する架橋性シリル基の導入率が 85%以上であるポリエーテルオリゴ マー(II)の使用量が 30重量部である実施例 2 4は、耐候性試験において 10000時 間後も表面の劣化が見られず耐候性が大変良好であり、破断強度が 1. 3MPa以上 、破断時の伸びは 770%以上と引張物性も良好である。。ポリエーテルオリゴマー(Π )の使用量が 50重量部である実施例 1 3 5は、耐候性試験において 5000時間後 も表面の劣化が見られず耐候性が良好で、破断強度が 1. 5MPa以上、破断時の伸 びは 995%以上と機械物性が優れて 、る。架橋性シリル基の導入率が 85%未満で あるポリエーテルオリゴマーを使用した比較例 1 2は、耐候性試験において 5000時 間後も劣化が見られず耐候性は良好であるが、破断時の強度が 1. 2MPa未満、破
断時の伸びは 690%以下と引張物性が劣る。ポリエーテルオリゴマー(Π)を使用しな Vヽ比較例 3は、耐候性試験にお!、て 10000時間後も表面劣化が生じず耐候性は良 好であるものの、破断時の強度が 0. 93MPa、破断時の伸び力 50%と低ぐ建築 用シーリング材には使用できない。ビニル系重合体 (I)を使用しない比較例 4は、引 張物性は大変良好なものの、耐候性試験において 1000時間後にクラックが入り、長 期の使用に耐えない。
産業上の利用可能性
本発明の硬化性組成物は、室温において空気中の湿分と反応して硬化する 1液型 とすることが可能であり、硬化物の強度、破断時の伸び、耐候性、接着性が優れた硬 化性組成物である。また、当該硬化性組成物は、シーリング材、接着剤等として好適 に使用できる。