JP4839416B1 - 移動過程予測システム、移動過程予測方法、移動過程予測装置及びコンピュータプログラム - Google Patents

移動過程予測システム、移動過程予測方法、移動過程予測装置及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

移動に係る時間を確からしく予測することができる移動過程予測システム、移動過程予測方法、移動過程予測装置及びコンピュータプログラムを提供する。
情報取得装置2は、旅行者等の移動物体が交通機関を利用して移動したときに、発着施設の各通過点を通過した通過日時、交通機関を示す交通機関特定情報及び状況を示す状況情報等を取得する。移動過程予測装置1は、取得された情報を互いに関連付けて記憶しておき、通過予定の特定の通過点の通過時刻、特定の二つの通過点を通過する間の経過時間又は利用予定の交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果と、交通機関特定情報又は状況情報に含まれる複数の項目との関係を表す回帰式を求める。移動過程予測装置1は、予測される交通機関特定情報又は状況情報の内容を回帰式に代入することにより、未来の通過時刻、経過時間又は比較結果の予測値を計算する。
【選択図】図1

Description

本発明は、航空機等の移動手段(以下、交通機関と言う)を用いて移動する際の時間的な過程を予測する移動過程予測システム、移動過程予測方法、移動過程予測装置及びコンピュータプログラムに関する。
航空機又は列車等の交通機関を利用して人が移動する際には、予め、交通機関の運航予定等に基づいて、交通機関を利用することにより必要な移動時間を予測し、移動スケジュールを作成することがある。特許文献1には、交通機関の実際の運航状況に基づいて交通機関の移動時間を予測する技術が開示されている。また人と同様に、手荷物等の物品の移動時間をも予測することも可能である。
特開平11−282913号公報
しかしながら、交通機関自体の移動時間を予測するだけでは、適切な移動スケジュールを作成するには不十分である。なぜならば、交通機関を利用した移動の際には、空港又は駅等の交通機関の発着施設においてある程度の時間が消費されるからである。例えば、航空機を用いた移動の際には、チケット購入、手荷物の預け及び搭乗手続き等のために出発地の空港にある程度滞在する必要があり、また手荷物の受け取り等のために到着地の空港にもある程度滞在する必要がある。また出発地、経由地及び到着地において、発着施設内を移動する時間が必要である。同様に、物品においても、積み込み、積み替え及び積み下ろしの作業、並びにこれらの作業の順番待ち等のために、発着施設等である程度滞在する必要がある。従って、適切なスケジュールを作成するには、交通機関自体の移動時間だけでなく、交通機関の発着施設で人又は物品が滞在する時間をも予測する必要がある。従来では、交通機関を利用する利用者が自己の経験又は伝聞に基づいて発着施設での滞在時間を予測していた。従来の方法では、滞在時間の予測精度が低く、また未知の発着施設における滞在時間の予測が困難であるという問題がある。このため、利用者は不安感が高まり、余裕を持たせるために長すぎる滞在時間を想定しているのが現状である。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、移動に係る時間と移動時の状況との関係を統計処理することにより、移動に係る時間をより確からしく予測することができる移動過程予測システム、移動過程予測方法、移動過程予測装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
本発明に係る移動過程予測システムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、交通機関の発着施設にて複数の通過点の夫々を実際に移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、前記移動物体が利用した交通機関を特定する交通機関特定情報を取得する手段と、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの状況を示す状況情報を取得する手段と、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、過去の移動物体の夫々について、各通過点での通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、交通機関特定情報、状況情報、乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を互いに関連付けた関連付けデータを、記憶する手段と、該手段から、特定の通過点に係る通過日時、乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間が含まれる関連付けデータ中で前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、回帰分析、又は平均若しくは分散を推定する統計計算により、未来の移動物体が特定の通過点を通過する通過時刻、特定の交通機関における未来の乗り込み終了日時に対する特定の通過点に係る通過日時の比較結果又は未来の移動物体が特定の二つの通過点を通過する間に経過する経過時間の推測値を計算する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、未来の移動物体の移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、該移動過程予測装置は、過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付ける手段と、求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算する手段と、計算した通過時刻、前記比較結果又は経過時間を出力する手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、前記移動過程予測装置は、任意の移動物体が利用する候補の複数通りの交通機関を特定する複数通りの交通機関特定情報、又は前記複数通りの交通機関を利用するときの状況を示す複数通りの状況情報、並びに、前記移動物体が前記複数通りの交通機関の夫々を利用する場合に特定の通過点を通過する通過時刻、前記複数通りの交通機関での乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する経過時間を、互いに比較することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、受け付けた交通機関特定情報若しくは状況情報と内容が同等な交通機関特定情報若しくは状況情報に関連付けられた前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関特定情報若しくは前記状況情報に関連付けられた乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間を、前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について複数個ずつ抽出する手段と、前記複数通りの交通機関特定情報又は複数通りの状況情報の夫々について、抽出した前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間の平均値及び分散を計算し、計算した前記平均値又は前記分散の間に差があるか否かを検定する統計計算を行う手段と、前記統計計算による検定結果を出力する手段とを更に有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、前記移動過程予測装置は、前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報の一部の項目の値を受け付ける受付手段と、前記記憶手段から抽出すべき前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間を、前記受付手段で受け付けた前記一部の項目の値に関連付けられた前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に限定する手段とを更に有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、前記移動物体が利用した交通機関を特定する交通機関特定情報を取得する手段と、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、未来の移動物体の移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、該移動過程予測装置は、過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、任意の移動物体が利用する候補の複数通りの交通機関を特定する複数通りの交通機関特定情報、又は前記複数通りの交通機関を利用するときの状況を示す複数通りの状況情報、並びに、前記移動物体が前記複数通りの交通機関の夫々を利用する場合に特定の通過点を通過する通過時刻、前記複数通りの交通機関での乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する経過時間を、互いに比較することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、受け付けた交通機関特定情報若しくは状況情報と内容が同等な交通機関特定情報若しくは状況情報に関連付けられた前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関特定情報若しくは前記状況情報に関連付けられた乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間を、前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について複数個ずつ抽出する手段と、前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について、抽出した前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間の平均値及び分散を計算する手段と、前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について計算した前記平均値又は前記分散の間に差があるか否かを検定する統計計算を行う手段と、前記統計計算による検定結果を出力する手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、前記移動過程予測装置は、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる各項目の値の範囲を検出する手段と、任意の移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付ける前に、検出した前記値の範囲を出力する手段とを更に有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、前記移動過程予測装置は、前記統計計算で利用すべき情報の特徴、及び前記統計計算で得られるべき複数通りの計算結果の夫々に関連付けて、計算結果を説明する説明文を記憶してある手段と、前記統計計算で実際に利用した情報の特徴、及び前記統計計算で実際に得られた計算結果に関連付けて記憶してある説明文を抽出する手段と、抽出した説明文を出力する手段とを更に有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、取得された交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一部の内容が変更された場合に、変更内容を取得する手段と、任意の移動物体が任意の通過点を通過したときの当該移動物体の状態が、予め定められている判定基準から外れた状態である場合に、エラーの判定を行う手段とを更に備え、前記移動過程予測装置は、前記記憶手段で記憶している交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一部の内容を、取得された変更内容に変更する手段と、状況情報の一部の内容が変更されたことを示す変更情報、及びエラーの判定が行われたことを示すエラー情報を、状況情報に含まれる項目として前記記憶手段に記憶させる手段と、前記記憶手段から抽出した情報の内、予定より所定の許容範囲以上に異なっている交通機関の発着日時が関連付けられており、しかも前記変更情報が関連付けられていない情報、又は過去の通過日時から計算される通過時刻の平均よりも許容範囲以上に異なっている移動物体の各通過点の通過時刻が関連付けられており、しかも前記エラー情報が関連付けられていない情報を、前記統計計算の対象から除外する手段とを更に有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、移動物体の未来における移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、該移動過程予測装置は、過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、取得された交通機関特定情報、及び取得された状況情報を互いに関連付けた関連付けデータを、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、移動物体が未来において通過する特定の通過点の通過時刻を予測することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、特定の通過点に係る通過日時と、該通過日時が含まれる関連付けデータ中で前記通過日時に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻を目的変数とし、抽出した前記他の情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、前記説明変数に対応する情報の未来における内容を受け付ける手段と、求めた回帰式に、受け付けた情報の内容を代入することにより、予測すべき通過時刻を計算する手段と、計算した通過時刻を出力する手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、移動物体の未来における移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、該移動過程予測装置は、過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、及び取得された状況情報を互いに関連付けた関連付けデータを、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、移動物体が未来において特定の二つの通過点を通過する間の経過時間を予測することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、該経過時間が含まれる関連付けデータ中で前記経過時間に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記経過時間を目的変数とし、抽出した前記他の情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、前記説明変数に対応する情報の未来における内容を受け付ける手段と、求めた回帰式に、受け付けた情報の内容を代入することにより、予測すべき経過時間を計算する手段と、計算した経過時間を出力する手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測システムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、移動物体の未来における移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、該移動過程予測装置は、過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を互いに関連付けた関連付けデータを、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、移動物体が未来において利用する交通機関への乗り込み終了日時と前記移動物体が未来において通過する特定の通過点の通過日時との比較結果を予測することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、前記交通機関への乗り込み終了日時に対する前記通過点の通過日時の比較結果と、該比較結果が含まれる関連付けデータ中で前記比較結果に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記比較結果を目的変数とし、抽出した前記他の情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、前記説明変数に対応する情報の未来における内容を受け付ける手段と、求めた回帰式に、受け付けた情報の内容を代入することにより、予測すべき比較結果を計算する手段と、計算した比較結果を出力する手段とを有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測方法は、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する方法において、交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々に設けてあるチェック機を用いて、当該通過点を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定し、コンピュータで、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得し、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得し、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定し、過去の移動物体の識別情報、各通過点で取得された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、複数の移動物体別に記憶し、未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付け、記憶内容から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出し、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行い、前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付け、求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算し、計算した通過時刻、前記比較結果又は経過時間を出力することを有することを特徴とする。
本発明に係る移動過程予測装置は、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測装置において、過去の移動物体を識別する識別情報、交通機関の発着施設にて複数の通過点の夫々を前記移動物体が通過した通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付ける手段と、前記記憶手段から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付ける手段と、求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算する手段と、計算した通過時刻、前記比較結果又は経過時間を出力する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンピュータプログラムは、特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する過去の移動物体を識別する識別情報、交通機関の発着施設に設けられた複数の通過点の夫々を前記移動物体が通過した通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を互いに関連付けて複数の移動物体別に記憶するコンピュータに、未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付け、前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付けた場合に、移動物体の移動過程を予測する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータに、記憶内容から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出するステップと、抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行うステップと、求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算するステップとを含む処理を実行させることを特徴とする。
本発明においては、移動過程予測システムは、過去に旅行者等の移動物体が実際に交通機関を利用して移動したときに、発着施設の各通過点を通過した通過日時、利用した交通機関を示す交通機関特定情報及び状況を示す状況情報を取得し、互いに関連付けて記憶しておく。また移動過程予測装置は、特定の通過日時とその通過日時に関連付けられた情報とを抽出し、特定の通過点を通過した通過時刻、特定の二つの通過点を通過する間の経過時間、又は交通機関への乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果と、抽出した情報に含まれる複数の項目との関係を表す回帰式を求める。移動過程予測装置は、求めた回帰式に、交通機関を利用する際の予測される状況情報等の情報の内容を代入することにより、特定の通過時刻、経過時間又は比較結果の予測値を計算する。状況情報等の複数の情報が複雑に通過時刻、経過時間又は比較結果に与える影響度を統計的に解析し、予測される情報を回帰式に代入する事で、精度の高い予測値が得られる。
また本発明においては、移動過程予測装置は、複数の交通機関特定情報又は状況情報の夫々に関連付けられた通過日時等を抽出し、複数の交通機関を用いたときの特定の通過時刻、経過時間、若しくは交通機関への乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果の平均値又は分散に統計的有意差があるか否かを検定する。過去の実績から検定を行うので、移動過程予測装置は、複数の交通機関を用いたときの特定の通過時刻、経過時間又は乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果に差があるか否かを正確に判定することができる。
また本発明においては、移動過程予測装置は、交通機関を利用する際の予測される交通機関特定情報又は状況情報の一部の内容を受け付け、通過日時等のサンプルを抽出する際に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報と同等な内容の交通機関特定情報又は状況情報に関連付けられたサンプルを抽出する。使用者の目的又は用途に適合したサンプルが抽出される。
また本発明においては、移動過程予測装置は、交通機関を利用する際の予測される交通機関特定情報又は状況情報を受け付ける前に、統計計算で使用する交通機関特定情報又は状況情報に含まれる各項目の範囲を出力する。使用者が交通機関特定情報又は状況情報を入力する際には、出力された範囲に含まれる内容を入力する傾向があり、入力された交通機関特定情報又は状況情報が含まれる範囲内で統計計算が行われるので、得られる推測値の精度が向上する。
また本発明においては、移動過程予測装置は、統計計算で利用する情報の量又は取得した時期等の特徴と統計計算で得られる結果に関連付けて予め記憶してある説明文を、実際の統計計算の結果と共に出力する。使用者にとっては、統計量の意味がわからなくても、統計計算処理の結果を理解することが可能となる。
また本発明においては、移動過程予測装置は、移動物体の移動過程を予測する際に、交通機関の発着日時が予定と異なり、しかも交通機関特定情報又は状況情報が変更されていないサンプル、又は移動物体の通過時刻が過去の実績と異なり、しかも移動物体が通過点を通過したときの判定でエラーがないサンプルを、計算対象から除外する。異常なデータが除外された情報から移動物体の移動過程が予測されることとなり、予測精度が向上する。
本発明は、予測値として計算される項目及び当該項目に影響を与える多種多様な項目に対して、計測又は収集時の誤差を減らし、サンプリング誤差を無くし、大量に統計処理する方法を取り入れている。このため、求められた回帰式は、交通機関を利用する際のイレギュラーな条件も含めた種々の条件が特定の通過時刻、経過時間又は乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果に与える影響の大きさを確からしく表している。よって、回帰式から得られた予測値は精度の高いものとなる。また本発明では、専門知識の無い一般の使用者でも、簡単に予測値を得ることができ、従来よりも正確に移動に係る時間を予測することが可能となる。このため、旅行者が移動スケジュールを作成する際には、より正確な移動スケジュールを作成することが可能となり、効率的な移動が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
本発明の移動過程予測システムの全体構成を示す概念図である。 情報取得装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明の移動過程予測システムが最初の通過地点でIDを発行する処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の移動過程予測システムが最初の通過地点で旅行者の通過をチェックする処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の移動過程予測システムが2番目以降の通過地点で旅行者の通過をチェックする処理の手順を示すフローチャートである。 移動過程予測装置の内部構成を示すブロック図である。 情報取得装置から移動過程予測装置へデータを転送する処理の手順を示すフローチャートである。 多変量データの内容例を示す概念図である。 移動過程予測システムが実行する移動過程予測の処理の手順を示すフローチャートである。 移動過程予測システムが実行する移動過程予測の処理の手順を示すフローチャートである。 選択メニューの例を示す概念図である。 設定データの内容例を示す概念図である。 設定データの内容例を示す概念図である。 入力メニューの例を示す概念図である。 入力メニューの例を示す概念図である。 ステップS522の統計計算処理のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。 ステップS522の統計計算処理のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。 説明データの内容例を示す概念図である。 説明データの内容例を示す概念図である。 実施の形態2に係る移動過程予測システムが実行する移動過程予測の処理の手順の一部を示すフローチャートである。 実施の形態2における入力メニューの例を示す概念図である。 実施の形態2におけるステップS522の統計計算処理の手順の一部を示すフローチャートである。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。本実施の形態においては、交通機関として航空機を利用して移動物体が移動する例を主に用いて本発明を説明する。本実施の形態では、本発明における移動物体は、航空機を利用して移動する旅行者、又は航空機で搬送される荷物であるとする。
(実施の形態1)
図1は、本発明の移動過程予測システムの全体構成を示す概念図である。出発地の空港に滞在する時間又は到着地の空港を出る日時等、旅行者又は荷物の移動過程を予測する処理を行う移動過程予測装置1は、インターネット等の通信ネットワークNに接続されている。航空機を利用する旅行者は、航空チケット31を所持しており、搬送される荷物には、荷札32が付けられている。航空チケット31には、旅行者を識別する識別情報であるIDが記録されている。例えば、旅行者のIDは、IDを示すバーコードが航空チケット31に印刷されているか、又はIDを示す電子データを記憶する半導体メモリを航空チケット31が備えている等の方法で航空チケット31に記録されている。同様に、荷物の識別情報であるIDが荷札32に記録されている。
航空機の発着施設である空港には、搭乗手続き窓口、荷物預かり窓口、保安検査所、搭乗口、荷物搬出口、荷物搬入口、航空機からの降り口、到着手続き窓口、荷物受取所及び到着口等、旅行者又は荷物が通過すべき複数の通過地点(通過点)が存在する。各通過地点には、航空チケット31又は荷札32からIDを読み取り、旅行者又は荷物の通過をチェックし、IDを読み取った日時を検出するチェック機21,21,…が設けられている。チェック機21は、チケット31若しくは荷札32を発券する発券装置、コンピュータに接続されてチケット31若しくは荷札32に印刷されているバーコードを読み取るバーコードリーダ、又はチケット31に記録されたIDを読み取り、必要な情報を表示し、必要な情報を記録できる改札機等である。また、チェック機21の他の形態は、オペレータが操作を行うことにより、チケット31のID等の情報を入力するための入力装置である。またチェック機21,21,…は、予め設定された判定基準に基づいて、通過する旅行者又は荷物の状態が正しい状態であるか否かを判定し、正しい状態ではない場合にエラー処理を行う。空港内に設けられた複数のチェック機21,21,…は、空港内に設けられた通信ネットワークを介して情報取得装置2に接続されている。各チェック機21は、取得したID及び検出した日時を情報取得装置2へ送信し、情報取得装置2は、受信した情報を記憶する。情報取得装置2及び複数のチェック機21,21,…は、複数の空港の夫々に設けられている。各情報取得装置2は、通信ネットワークNに接続されており、通信ネットワークNを介して移動過程予測装置1との間で通信を行う。
また、通信ネットワークNには、航空機の運航に関する情報を記憶する交通機関情報記憶装置4が接続されている。交通機関情報記憶装置4は、航空会社別に設けられている。交通機関情報記憶装置4は、図示しない通信ネットワークを介して航空機の運航を管理するデータベースに接続されており、このデータベースから送信される最新の情報を記憶する。なお、交通機関情報記憶装置4はこのデータベースから構成されていてもよい。交通機関情報記憶装置4は、運航されている航空便別に、夫々の航空便を特定する航空便特定情報を記憶している。例えば、航空便特定情報として、航空会社名を含む航空便名、定期便若しくはチャータ便等の便形式、出発地名、到着地名、出発予定日時及び到着予定日時等が記憶されている。また例えば、後述する予約情報に通常は含まれる航空機型式、乗客定員数及び空席率が航空便特定情報に含まれていてもよい。また交通機関情報記憶装置4は、空港の設備に関する情報、並びに空港及び航空機で発生した事件に関する情報を、航空便特定情報に関連付けて記憶する。航空便に関係する空港の設備に関する情報としては、ターミナル番号、ゲートの番号、オペレータの数、駐機場番号、整備場番号、及び発着日時等を示す情報がある。またオペレータ等の空港での作業者を識別する作業者ID、及び作業者数を示す情報も含まれる。旅行者又は荷物に関係する空港の設備に関する情報としては、チケットカウンターの番号、保安検査所の番号、入国審査所の番号、荷物搬送経路の番号、荷物受取所の番号、作業者数及び夫々の設備の通過順序等を示す情報、並びに作業者IDがある。また空港及び航空機で発生した事件に関する情報としては、航空便の欠航の有無、航空機の故障の内容、発生した犯罪の内容、発生した病気の名称、事件の発生場所、事件の発生日時及び被害数等を示す情報がある。尚、空港設備、保安、検疫、出入国、及び税関検査に関する情報は、夫々、特定の団体に管理されている図示しないデータベースから直接取得してもよい。
また、交通機関情報記憶装置4は、特定の旅行者が特定の航空便の利用を予約した予約内容を示す予約情報を、旅行者別に記憶している。予約情報は、旅行者の識別情報であるIDを含み、また旅行者の氏名、年齢、性別及び国籍等の旅行者の状態を示す情報を含む。また予約情報は、出発地名、到着地名、利用する航空便名、及び出発予定年月日等、旅行者が利用する航空便を特定する航空便特定情報の少なくとも一部を含み、互いに関連付けられている。更に予約情報は、エコノミーシート若しくはビジネスシート等の座席の種類、座席番号、又は荷物の数等、旅行者が航空機を利用するときの利用条件を示す情報を含む。航空便特定情報は、交通機関特定情報に相当する。
また、通信ネットワークNには、各地の気象に関する情報を記憶する気象情報記憶装置5が接続されている。気象情報記憶装置5は、空港が存在する夫々の地域における気象の状態を示す気象情報を記憶している。気象情報記憶装置5は、空港気象台又は最寄の気象観測所等のデータベースから図示しない通信ネットワークを介して最新の気象情報を取得する。このデータベースは、例えば、実際の天気、気温、降水確率、各種の気象警報又は注意報等の情報を、空港のある地域別に気象情報記憶装置5へ送信し、気象情報記憶装置5は送信された情報を空港名等の位置情報及び観測日時等の時間情報に関連付けて記憶する。なお、気象情報記憶装置5はこのデータベースから構成されていてもよい。
本発明を利用して移動過程の予想を行わせる使用者は、パーソナルコンピュータ(PC)又は携帯電話機等の入出力装置7を使用することができる。入出力装置7は、必要に応じて通信ネットワークNに接続可能であり、通信ネットワークNを介して移動過程予測装置1と通信することができる。入出力装置7は、液晶パネル等の表示部と、スピーカ等の音声出力部と、キーボード、マウス又はマイク等の入力部とを備え、本発明による予測結果等の各種の情報を表示部及び音声出力部で出力し、使用者が操作することにより各種の情報の入力を入力部で行う。
図2は、情報取得装置2の内部構成を示すブロック図である。情報取得装置2は、サーバ装置等の汎用コンピュータを用いて構成されている。情報取得装置2は、演算を行うCPU(Central Processing Unit )201と、演算に伴って発生する一時的なデータを記憶するRAM(Random Access Memory)202と、ハードディスク等の不揮発性の記憶部204とを備えている。また情報取得装置2は、日時を計測する時計部203と、複数のチェック機21,21,…が接続されたインタフェース部205と、通信ネットワークNに接続された通信部206とを備えている。記憶部204は、コンピュータプログラムを記憶している。コンピュータプログラムは、図示しない光ディスクドライブ等のドライブ部で光ディスク等の記録媒体から読み取られるか、又は通信ネットワークNに接続された図示しない他のサーバ装置からダウンロードされる。コンピュータプログラムは必要に応じてRAM202にロードされ、CPU201は、RAM202にロードされたコンピュータプログラムに従って情報取得装置2に必要な処理を実行する。
記憶部204は、空港内の各通過地点に設けられた複数のチェック機21,21,…に関する情報を記録した通過地点データを記憶している。例えば、通過地点データには、チェック機21のID、チェック機21の名称、及び通過地点の場所等が通過地点別に記録されている。また本発明では、一旦定められた情報の内容が変更されることをイベントと言う。記憶部204には、交通機関の運航、並びに旅行者及び荷物の移動に関する情報が変更されたことを示す変更情報を記録したイベント履歴データを記憶している。例えば、イベント履歴データには、交通機関情報記憶装置4及び気象情報記憶装置5に記憶された情報の内で変更された情報の項目名である変更項目名、変更前後の情報の内容、変更日時及び変更回数を含む変更情報が、少なくとも航空便名及び出発日を含む航空便特定情報に関連付けられて記録されている。また、イベント履歴データには、各チェック機21でエラー処理が行われたことを示すエラー情報が、チェック機21のID、チェックされた旅行者又は荷物のID、及び航空便特定情報に関連付けられて記録されている。エラー情報には、チェック機21で判定を行った際の判定項目、判定前後の結果、判定日時、及び判定回数が含まれる。例えば、旅行者又は荷物に対する初めの判定でエラー処理が行われた場合は、判定前の結果に「判定無」と記録され、判定後の結果に、出力されたエラーメッセージの内容が記録される。また例えば、二回目以降の判定でエラー処理が行われた場合は、判定前の結果に、前回のエラーメッセージが記録されるか又は「正常」と記録され、判定後の結果に、出力されたエラーメッセージが記録される。
また記憶部204には、旅行者又は荷物が各通過地点を通過した日時を記録した移動経過データを記憶している。CPU201は、定期的に、各通過地点を旅行者又は荷物が通過した通過時刻を移動経過データから読み出し、各通過地点毎に航空便別の通過時刻の平均値及び標準偏差を計算し、計算した通過時刻の平均値及び標準偏差を航空便特定情報及びチェック機21のIDに関連付けて移動経過データに記録する処理を行う。例えば、CPU201は、毎日、午前1:00等の所定の時刻に通過時刻の平均値及び標準偏差の計算及び記録を行う。なお、情報取得装置2は、複数のコンピュータを用いて構成した形態であってもよい。
次に、空港に設けられた情報取得装置2及びチェック機21,21,…が実行する処理を説明する。航空チケット31に記録されたIDのない旅行者は、搭乗手続き窓口等の最初の通過地点で、まずIDを発行してもらう必要がある。図3は、本発明の移動過程予測システムが最初の通過地点でIDを発行する処理の手順を示すフローチャートである。発券装置等のチェック機21は、新規のIDが記録された航空チケット31を発券する等の方法で、旅行者を識別するIDを発行する(S11)。チェック機21及び情報取得装置2は、次に、旅行者が航空機を利用するために必要な情報、及び移動過程予測装置1で旅行者又は荷物の移動過程を予測する処理を行うために必要な情報を取得する処理を行う(S12)。尚、チェック機21は、ステップS11及びS12の処理を逆の順番で行ってもよい。
ステップS12では、例えば、航空便の予約がなされている場合は、情報取得装置2は、通信ネットワークNを介して交通機関情報記憶装置4から予約情報を取得する処理を行う。より具体的には、CPU201は、予約番号等に基づいた予約情報の検索指示を通信部206に交通機関情報記憶装置4へ送信させ、交通機関情報記憶装置4は検索指示に従って検索した予約情報を情報取得装置2へ送信し、情報取得装置2は、予約情報を通信部206で受信する。予約がなされていない場合は、オペレータ又は旅行者自身が発券装置等のチェック機21を操作することにより、チェック機21は、航空便特定情報、及び旅行者に関する情報を受け付ける。旅行者に関する情報には、氏名及び年齢等の旅行者の状態を示す情報が含まれており、また席番号等、旅行者が航空便を利用するときの利用条件を示す情報が含まれている。尚、CPU201は、航空便特定情報の一部を受け付けた後、航空便特定情報の残りを、通信ネットワークNを介して交通機関情報記憶装置4から取得する処理を行ってもよい。またCPU201は、取得した航空便特定情報に関連付けられた残りの情報も交通機関情報記憶装置4から取得する。またCPU201は、空港の存在する地域の気象の状態を示す気象情報を、通信ネットワークNを介して気象情報記憶装置5から取得する。尚、CPU201が前記交通機関情報記憶装置4と気象情報記憶装置5から取得する情報は最新情報の複製である。更に、発券装置等のチェック機21は、必要に応じて、取得した情報の一部又は全部を航空チケット31に記録する。チェック機21及び情報取得装置2が取得した情報の内、旅行者のID及び航空便特定情報を除く情報は、旅行者が航空便を利用したときの状況を示す状況情報である。
CPU201は、次に、時計部203が計測する日時に応じて、旅行者が搭乗手続き窓口等の最初の通過地点を通過した通過日時を特定する(S13)。次に、CPU201は、旅行者及び当該チェック機21のID並びに通過日時を含む取得した情報を、移動経過データに記録することにより、互いに関連付けて記憶部204に記憶する(S14)。情報取得装置2及びチェック機21は、以上でID発行の処理を終了する。
移動物体が荷物の場合においても、情報取得装置2及びチェック機21は同様の処理を実行する。荷物預かり窓口等の最初の通過地点で、発券装置等のチェック機21は、ステップS11で、新規のIDが記録された荷札32を発券することにより、荷物を識別するIDを発行する。またステップS12で、情報取得装置2及びチェック機21は、荷物の所有者である旅行者に係る情報を旅行者IDに基づいて読み出す等の方法により、航空便特定情報、及び当該航空機特定情報に関連付けられた情報を取得する。また、オペレータ又は旅行者が必要な機器を操作することにより、荷物の大きさ、重さ、内容、及び透視写真等の他の必要な情報を取得し、チェック機21に入力する。尚、チェック機21はこれらの情報を自動で取得する機器を備えた形態であってもよい。更に、情報取得装置2は、気象情報を気象情報記憶装置5から取得する。チェック機21及び情報取得装置2が取得した情報の内、荷物のID及び航空便特定情報を除く情報は、荷物が航空便を利用したときの状況を示す状況情報である。情報取得装置2は、同様に、ステップS13で荷物の通過日時を特定し、ステップS14で荷物及び当該チェック機21のID並びに通過日時を含む取得した情報を、互いに関連付けて記憶部204の移動経過データに記録する。
既にIDを記録された航空チケット31を旅行者が所有している場合等、既にIDを発行された状態で旅行者が最初の通過地点を通過する場合は、情報取得装置2及びチェック機21は、IDを用いて通過をチェックする処理を行う。図4は、本発明の移動過程予測システムが最初の通過地点で旅行者の通過をチェックする処理の手順を示すフローチャートである。搭乗手続き窓口の端末装置等のチェック機21は、航空チケット31に記録されたIDを読み取る処理を行うことにより、IDを読み取ったか否かを判定する(S201)。IDを読み取ることができなかった場合(S201:NO)、CPU201は、エラー処理を行う(S202)。ステップS202のエラー処理では、CPU201は、例えば、チェック機21のスピーカ又はディスプレイ等を用いて「IDが読み取れません」等のエラーメッセージを出力し、IDを読み取る処理を再度実行する。またCPU201は、IDを再発行する処理を行ってもよい。CPU201は、次に、エラー情報をイベント履歴データに記録し(S203)、処理を終了する。
ステップS201でIDを読み取ることができた場合は(S201:YES)、CPU201は、読み取ったIDが予約済のIDとして交通機関情報記憶装置4に記憶されているか否かを判定する(S204)。読み取ったIDが予約済のIDとして交通機関情報記憶装置4に記憶されていない場合は(S204:NO)、CPU201は、処理をステップS202へ進める。読み取ったIDが予約済のIDとして交通機関情報記憶装置4に記憶されている場合は(S204:YES)、CPU201は、IDに関連付けられた情報を、通信ネットワークNを介して交通機関情報記憶装置4から取得する処理を行う(S205)。取得する情報には、航空便特定情報等が含まれる。CPU201は、次に、IDに関連付けられた情報に基づいて、現在の通過地点は旅行者が通過することができる正しい通過地点であるか否かを判定する(S206)。例えば、CPU201は、取得した航空便特定情報に関連付けられた空港設備に関する情報を交通機関情報記憶装置4から読み出し、現在の通過地点に関する情報と比較することにより判定を行う。現在の通過地点が正しい通過地点ではない場合は(S206:NO)、CPU201は、エラー処理を行う(S207)。ステップS207のエラー処理では、CPU201は、例えば、チェック機21により「搭乗手続き窓口が違います」等のエラーメッセージをスピーカ又はディスプレイを用いて出力する。CPU201は、次に、エラー情報をイベント履歴データに記録し(S208)、処理を終了する。
ステップS206で現在の通過地点が正しい通過地点である場合は(S206:YES)、CPU201は、旅行者が航空機を利用するために必要な情報の内で予約時に取得していない情報を取得する処理を行う(S209)。即ち、CPU201は、チェック機21で、航空便特定情報、旅行者及び荷物に関する情報、及び航空便の利用条件を示す情報等の必要な情報の内、不足している情報を受け付ける。またCPU201は、使用される空港の設備及び作業者を特定する情報、旅行者が通過すべき又は通過することができる通過地点及び通過順序を特定する情報、発生した事件又は事故に関する情報、並びに気象情報等を取得する。チェック機21及び情報取得装置2が取得した情報の内、旅行者又は荷物のID及び航空便特定情報を除く情報は、旅行者が航空便を利用したときの状況を示す状況情報である。更に、発券装置等のチェック機21は、必要に応じて、取得した情報の一部又は全部を航空チケット31に記録する。CPU201は、次に、時計部203が計測する日時に応じて、旅行者が最初の通過地点を通過した通過日時を特定する(S210)。CPU201は、次に、旅行者、荷物及び当該チェック機21のID、エラー処理とならない判定項目名及び判定前後の結果、並びに通過日時を含む取得した情報を、移動経過データに記録することにより、互いに関連付けて記憶部204に記憶する(S211)。情報取得装置2及びチェック機21は、以上で最初の通過地点で旅行者の通過をチェックする処理を終了する。
2番目以降の通過地点では、情報取得装置2及びチェック機21は、旅行者又は荷物の通過をチェックする処理を行う。図5は、本発明の移動過程予測システムが2番目以降の通過地点で旅行者の通過をチェックする処理の手順を示すフローチャートである。バーコードリーダ又は改札機等のチェック機21は、航空チケット31又は荷札32に記録されたIDを読み取る処理を行うことにより、IDを読み取ったか否かを判定する(S301)。IDを読み取ることができなかった場合(S301:NO)、CPU201は、エラー処理を行う(S302)。ステップS302のエラー処理では、CPU201は、例えば、チェック機21のスピーカ又はディスプレイ等を用いて「IDが読み取れません」等のエラーメッセージを出力し、IDを読み取る処理を再度実行する。またCPU201は、ステップS302の処理に付随して、旅行者又は荷物の通過を強制的に禁止するための処理を実行してもよい。例えば、チェック機21が改札機である場合、CPU201は、改札機に通路を閉鎖させる処理を行う。また例えば、CPU201は、荷物が搬送される搬送路の途中でIDを読み取れない場合、荷物の搬送を停止させる処理を行う。CPU201は、次に、エラー情報をイベント履歴データに記録し(S303)、処理を終了する。
ステップS301でIDを読み取ることができた場合は(S301:YES)、CPU201は、読み取ったIDが記憶部204で記憶する移動経過データに記録されているか否かを判定する(S304)。読み取ったIDが移動経過データに記録されていない場合は(S304:NO)、CPU201は、処理をステップS302へ進める。読み取ったIDが移動経過データに記録されている場合は(S304:YES)、CPU201は、IDに関連付けられた情報を記憶部204から読み出す(S305)。CPU201は、読み出した情報を、通信ネットワークNを介して交通機関情報記憶装置4及び気象情報記憶装置5の最新情報と比較し、情報が更新されているか否かを判定する。情報が更新されている場合は、変更された情報の項目名、変更前後の情報の内容、変更日時及び変更回数が、少なくとも航空便名及び出発日を含む航空便特定情報に関連付けて記憶部204のイベント履歴データに記録する。
CPU201は、次に、変更された情報を含むIDに関連付けられた情報に基づいて、現在の通過地点は旅行者又は荷物が通過することができる正しい通過地点であるか否かを判定する(S306)。例えば、CPU201は、IDに関連付けられた最新の情報が特定する通過地点の中に、チェック機21の存在する現在の通過地点が含まれるか否か、及び最新の情報が特定する通過順序と実際の通過日時から計算した通過順序が一致しているか否かを判定する。IDに関連付けられた最新の情報が特定する通過地点の中に現在の通過地点が含まれない場合又は通過順序が一致しない場合、CPU201は現在の通過地点は正しい通過地点ではないと判定する。現在の通過地点が正しい通過地点ではない場合は(S306:NO)、CPU201は、エラー処理を行う(S307)。ステップS307のエラー処理では、CPU201は、例えば、チェック機21により「航空便が違います」、「搭乗口が違います」、「荷物受取所が違います」又は「順路が違います」等のエラーメッセージを出力する。またCPU201は、チェック機21により、正しい通過地点を案内するメッセージを出力する処理を行ってもよい。またCPU201は、ステップS307の処理に付随して、旅行者又は荷物の通過を強制的に禁止するための処理を実行してもよい。CPU201は、次に、エラー情報をイベント履歴データに記録し(S308)、処理を終了する。尚、通過地点に関する判定は、全てのチェック機21で行ってもよい。
ステップS306で現在の通過地点が正しい通過地点である場合は(S306:YES)、CPU201は、時計部203が計測する日時に応じて、旅行者が現在の通過地点を通過した通過日時を特定する(S309)。尚、ステップS306では、更に手荷物の受取間違いを判定する処理を行ってもよい。例えば、チェック機21は、荷物受取所出口にて、旅行者に荷物ID及び旅行者IDを要求し、CPU201は手荷物の受取間違いを判定する。より具体的には、CPU201は、実際に取得した荷物IDと同じ荷物IDを記憶部204から検索し、検索した荷物IDに関連付けられている荷物の所有者のIDを特定し、実際に取得した旅行者IDと一致しているか否か判定する。一致しない場合は、CPU201は、処理をステップS307へ進め、「荷物間違い」と出力する等のエラー処理を行う。一致した場合は、CPU201は処理をステップS309へ進める。
CPU201は、次に、各通過地点での通過時刻が実績に比べて早いか、遅いか、又は平均並みであるかを判定する処理を行う(S310)。具体的には、CPU201は、記憶部204が記憶する移動経過データに記録された各通過地点別航空便別の通過時刻の平均値及び標準偏差に基づいて、判定を行う。例えば、CPU201は、標準偏差をσとして、通過時刻が(平均値−4σ)より小さい場合に早いと判定し、通過時刻が(平均値+4σ)より大きい場合に遅いと判定する。またCPU201は、通過時刻が(平均値−4σ)以上(平均値+4σ)以下の場合に平均並みと判定する。通過時刻が実績に比べて早い又は遅い場合は(S310:NO)、CPU201は、チェック機21により「通常より早すぎます」又は「通常より遅れています」と出力する等のエラー処理を行う(S311)。CPU201は、次に、エラー情報をイベント履歴データに記録する(S312)。尚、通過時刻に関する判定は、全てのチェック機21で行ってもよい。
ステップS312が終了した場合、又はステップS310で通過時刻が実績に比べて平均並みである場合は(S310:YES)、CPU201は、旅行者、荷物及び当該チェック機のID、エラー処理とならない判定項目名及び判定前後の結果、並びに通過日時を含む情報を、移動経過データに記録することにより、互いに関連付けて記憶部204に記憶する(S313)。このとき、チェック機21は、必要に応じて、取得した情報の一部又は全部を航空チケット31に記録する。情報取得装置2及びチェック機21は、以上で2番目以降の通過地点で旅行者の通過をチェックする処理を終了する。ステップS301〜S313の処理は、2番目以降の各通過地点で、旅行者又は荷物が通過する都度実行される。
以上のステップS11〜S14、ステップS201〜S211及びステップS301〜S313の処理を実行することにより、情報取得装置2及びチェック機21,21,…は、旅行者又は荷物が各通過地点を通過した通過日時を特定する。なお、主に出発地の空港に設けられた情報取得装置2及びチェック機21,21,…が行う処理について説明したが、航空便の経由地及び到着地の空港に設けられた情報取得装置2及びチェック機21,21,…も、同様の処理を実行する。なお、以上のステップS11〜S14、ステップS201〜S211及びステップS301〜S313の処理の内、CPU201が実行すると説明した処理の一部は、チェック機21で分散して実行してもよい。
また、情報取得装置2は、航空便の夫々について、旅行者及び荷物の航空機への乗り込みが終了した日時である乗り込み終了日時を取得する処理を行う。例えば、乗り込み終了日時は、旅行者が航空機に乗り込むために最後に通過すべき通過地点である搭乗ゲートが閉鎖された日時である。また例えば、乗り込み終了日時は、荷物が航空機に搬入される搬入口が閉鎖された日時である。乗り込み終了日時は、搭乗ゲート又は搬入口に設けられたチェック機21が特定し、CPU201は、特定された乗り込み終了日時を旅行者又は荷物のID並びに航空便特定情報に関連付けて移動経過データに記録する。尚、インタフェース部205に接続された図示しない入力装置を航空機の搭乗員等の作業員が操作することにより乗り込み終了日時が特定されてもよい。
更に、情報取得装置2は、航空機の到着の所定時間以上の遅れ、航空機の出発の所定時間以上の遅れ、及び航空機の出発の中止等、所定の許容範囲以上に航空機の発着日時が異なり、しかも変更情報がない状態の検知を行う。このような状態となった場合は、旅行者又は荷物が各通過地点を通過する通過日時が影響を受けて変動する一方で、通過日時が変動した要因が不明である。この状態でのデータを含んだ実績に基づいて旅行者又は荷物の移動過程を予測した場合は、予測精度が低下してしまう。そこで、CPU201は、所定の許容範囲以上に航空機の発着日時が異なることがあった場合に、少なくとも同一の航空便名及び出発日を含む航空便特定情報に関連付けられた変更情報がイベント履歴データに記録されているか否かを判定する。この変更情報がイベント履歴データに記録されていない場合は、CPU201は、交通機関の異常を示す情報を、当該航空便特定情報に関連付けてイベント履歴データに記録する処理を行う。また、同様に、CPU201は、旅行者又は荷物の各通過地点での実際の通過時刻が、同一の通過地点における同一の航空便に係る過去の旅行者又は荷物の平均通過時刻に比べて所定の許容範囲以上に異なる状態の検知を行う。この際、CPU201は、日付の差異を考慮した時刻の比較を行う。例えば、CPU201は、平均通過時刻と実際の通過時刻とが予め定められた時間以上異なり、しかも平均通過時刻が日付変更前後の予め設定された時間帯にあるか否かを判定する。例えば、予め定められた時間は12時間とし、日付変更前後の予め設定された時間帯は21:00〜3:00とする。平均通過時刻と実際の通過時刻とが予め定められた時間以上異なり、しかも平均通過時刻が日付変更前後の予め設定された時間帯にある場合は、CPU201は、日付が異なる時刻の差を求めるための次の計算を行う。平均通過時刻と実際の通過時刻との内、数字の大きい時刻をTmax とし、数字の小さい時刻をTmin とし、CPU201は、{(24:00−Tmax )+Tmin }を計算する。CPU201は、次に、計算結果の時刻を所定の許容範囲と比較する。平均通過時刻と実際の通過時刻との差が予め定められた時間より短い時間に収まるか、又は平均通過時刻が日付変更前後の予め設定された時間帯外にある場合は、CPU201は、平均通過時刻と実際の通過時刻との差を直接に許容範囲と比較する。
CPU201は、所定の許容範囲以上に通過時刻が異なることがあった場合に、イベント履歴データに記録されているエラー情報の内、当該旅行者又は荷物のID並びに当該航空便の航空便特定情報に関連付けられたエラー情報が存在するか否かを判定する。このエラー情報がイベント履歴データに記録されていない場合は、CPU201は、移動物体の異常を示す情報を、当該旅行者又は荷物のID並びに当該航空便の航空便特定情報に互いに関連付けてイベント履歴データに記録する処理を行う。以上の様に、情報取得装置2は、ほとんど全ての手順において情報を自動取得することにより、計測又は収集時の誤差を小さくさせる。
次に、移動過程予測装置1について説明する。図6は、移動過程予測装置1の内部構成を示すブロック図である。移動過程予測装置1は、サーバ装置等の汎用コンピュータを用いて構成されている。移動過程予測装置1は、演算を行うCPU11と、演算に伴うデータを記憶するRAM12と、光ディスク等の記録媒体10から情報を読み取るドライブ部13と、ハードディスク等の不揮発性の記憶部14とを備えている。また移動過程予測装置1は、通信ネットワークNに接続された通信部16を備えている。CPU11は、記録媒体10に記録されたコンピュータプログラム15をドライブ部13に読み取らせ、読み取ったコンピュータプログラム15を記憶部14に記憶させる。コンピュータプログラム15は必要に応じて記憶部14からRAM12へロードされ、CPU11は、ロードされたコンピュータプログラム15に基づいて移動過程予測装置1に必要な処理を実行する。記憶部14は、複数の情報取得装置2が取得した情報をまとめて記録した多変量データを記憶している。以上のようにして、情報取得装置2は、過去に航空機を利用した旅行者及び荷物の夫々について、各通過地点での通過日時、航空便特定情報及び状況情報を取得する。
図7は、情報取得装置2から移動過程予測装置1へデータを転送する処理の手順を示すフローチャートである。情報取得装置2のCPU201は、定期的なタイミング、又は所定量の移動経過データが記憶部204に記憶されたタイミング等、随時のタイミングで、記憶部204に記憶する移動経過データ及びイベント履歴データを、通信ネットワークNを介して移動過程予測装置1へ送信する(S41)。なお、情報取得装置2は、データを送信する際に、以前に送信したデータとの差分を送信してもよい。移動過程予測装置1は、複数の情報取得装置2,2,…から送信された移動経過データ及びイベント履歴データを通信部16で受信する。移動過程予測装置1のCPU11は、受信した複数の移動経過データ及びイベント履歴データから、同じIDに関連付けられた情報を抽出する(S42)。ステップS42では、CPU11は、同じIDに関連付けられた情報に更に関連付けられた情報も抽出する。CPU11は、次に、抽出した情報を互いに関連付け、関連付けた情報を、記憶部14が記憶する多変量データに追加することにより、抽出した情報を多変量データに記録する(S43)。なお、抽出した情報が関連付けられたIDが既に多変量データに記録されている場合は、CPU11は、IDに関連付けて記録されている情報と互いに関連付けて、抽出した情報を記録する。移動過程予測装置1が受信した情報の原本は、記憶部14で保存されるか、又は一定期間後にCPU11によって消去される。
図8は、多変量データの内容例を示す概念図である。旅行者に関する情報が記録されており、この情報には、旅行者を識別するIDと、性別、年齢、国籍及び使用する言語等の旅行者の状態を示す情報とが含まれている。また荷物に関する情報が記録されており、この情報には、荷物を識別するIDと、荷物の所有者のID及び荷物の重量等、荷物の状態を示す情報とが含まれている。なお、旅行者に関する情報と荷物に関する情報は、いずれか一方のみが記録されていることもある。また、旅行者又は荷物が利用した航空便に関する情報が記録されており、この情報には、便名及び便形式等の航空便特定情報と、実際の出発日時等の実績を示す情報と、席番号及び空席率等の旅行者が航空便を利用した条件を示す情報とが含まれている。また航空便に関する情報には、乗り込み終了日時が含まれている。また航空便が出発した出発空港に関する情報が記録されている。この情報には、旅行者又は荷物が出発空港を利用した年月日と、空港名及び出発空港内で利用できる言語等の出発空港の状態を示す情報と、ターミナル等の使用される設備を特定する情報と、作業者IDと、作業者数を特定する情報と、空港がある地域での気象状態を示す気象情報とが含まれている。また、同様の項目からなる、航空便が到着した到着空港に関する情報が記録されている。また、一旦定められた情報の内容が変更されるイベントに関する変更情報が記録されており、変更項目名、変更前後の情報の内容、変更日時、及び変更回数等を示す情報が含まれる。また、多変量データには、交通機関の異常又は移動物体の異常を示す情報も含まれている。各項目は、互いに関連付けられており、個々の旅行者又は荷物別にサンプル番号が付されて記録されている。更に、出発空港及び到着空港に関する情報の中には、各通過地点に設けられたチェック機21を示す情報と、通過日時及びエラー情報等のチェック機21で取得された情報とが含まれている。チェック機21で取得された情報には、その情報を取得したチェック機21を示す情報が付されている。図8には、No.aのチェック機21で特定した通過日時である「通過日時(No.a)」を多変量データに記録していることを示している。多変量データに含まれる以上の情報の内、旅行者、所有者又は荷物のID、航空便特定情報及び通過日時を除く情報は、旅行者又は荷物が航空便を利用したときの状況を示す複数の項目からなる状況情報である。
CPU11は、次に、多変量データに記録された各通過地点での通過日時から、二つの通過地点を旅行者又は荷物が通過する間に経過した経過時間を計算する(S44)。CPU11は、次に、各通過地点での通過日時と乗り込み終了日時とを比較した比較結果を示す比較データを計算する(S45)。例えば、CPU11は、ある航空便における乗り込み終了日時と当該航空便を利用する旅行者が各通過地点を通過した通過日時との時間差を計算し、計算した時間差を示すデータを比較データとする。また、比較データは時間差に限るものではない。例えば、比較データは、通過日時が乗り込み終了日時より早い場合は「1」となり、通過日時が乗り込み終了日時に比べて同時又は遅い場合は「0」となる判別値であってもよい。なお、経過時間又は比較データを計算するタイミングは、後述するステップS512で多変量データからサンプルを抽出する前であれば、他のタイミングであってもよい。CPU11は、次に、計算した経過時間及び比較データを、元の通過日時に関連付けて多変量データに記録し(S46)、処理を終了する。
図8には、例えば、No.aのチェック機21がある通過地点を通過してからNo.bのチェック機21がある通過地点まで移動する間に経過した経過時間を多変量データに記録していることを示している。また図8には、各チェック機の通過日時に関連付けて比較データを多変量データに記録していることを示している。またCPU11は、ステップS44及びステップS45で、到着空港についても同様に経過時間及び比較データを計算する。なお、航空便が経由する空港がある場合は、経由空港に関しても出発空港と同様な情報が多変量データ中に記録される。多変量データ中に互いに関連付けられて記録された情報は、個々の旅行者別及び荷物別に記録されている。図8に示すように、多変量データに記録された情報には、量的データと質的データとが混在している。量的データは、日時又は気温等、数値からなり、しかも数値の間隔に意味のある情報である。質的データは、空港名等の数値ではないか、又はターミナル番号等、数値ではあっても数値の間隔に意味は無く数値の違いのみに意味のある情報である。以上のようにして、移動過程予測装置1は、過去に航空機を利用した旅行者及び荷物の夫々について、各通過地点での通過日時、任意の二つの通過地点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、乗り込み終了日時、及び比較データ、並びにこれら以外の情報である航空便特定情報及び状況情報を互いに関連付けて記憶する。多変量データは、本発明における関連付けデータに対応する。
次に、本発明の移動過程予測システムが行う移動過程予測方法を説明する。移動過程予測システムは、未来の旅行者又は荷物が特定の航空便を利用して移動する際の過程を予測する処理を行う。図9及び図10は、移動過程予測システムが実行する移動過程予測の処理の手順を示すフローチャートである。旅行を予定している者等の使用者は、入出力装置7を操作し、入出力装置7は、本発明のためのウェブサイトにアクセスする等の方法で、移動過程予測の要求を、通信ネットワークNを介して移動過程予測装置1へ送信する(S501)。移動過程予測装置1は、移動過程予測の要求を通信部16で受信する。CPU11は、実行可能な処理の名称の一覧を表示して実際に実行すべき処理の選択を受け付けるための選択メニューを入出力装置7に表示させるためのメニュー用データを、通信部16に、通信ネットワークNを介して入出力装置7へ送信させる(S502)。メニュー用データは、予め記憶部14に記憶されている。なお、メニュー用データはコンピュータプログラム15に含まれていてもよい。入出力装置7は、メニュー用データを受信し、メニュー用データに基づいて選択メニューを表示部に表示する(S503)。
図11は、選択メニューの例を示す概念図である。本発明では、特定の航空便を利用した場合に特定の通過地点を通過する通過時刻、二つの通過地点を通過する間に経過する経過時間、又は当該航空便における乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果を示す比較データの予測を行うことができる。また本発明では、二つの航空便を利用した場合の予測される通過時刻、経過時間又は比較データを比較して予測する比較予測と、通過時刻、経過時間又は比較データの平均値を計算する処理等の統計量を計算する統計量計算処理とを行うことができる。図11に示すように、選択メニューは、種々の値に関する予測、比較予測又は統計量計算の内、何れの処理を移動過程予測装置1に行わせるべきかを選択できるようになっている。例えば、出発空港滞在時間、即ち出発空港における最初の通過地点から最後の通過地点まで通過する間に経過する時間、又は到着空港退場時刻、即ち到着空港の出口にある通過地点を通過する時刻等、各種の値に対する予測、比較予測又は統計量計算を選択できる。使用者は、入出力装置7を操作することにより、選択メニューに表示された複数の処理内容の中から、いずれかの処理を選択する。
本発明では、予測の処理において、移動過程予測装置1は、使用者が利用する予定の航空便と同じ航空便を利用した結果及び状況情報を多変量データから読み出し、読み出したデータに基づいて、読み出した結果を目的変数として状況情報の各項目を説明変数とした回帰分析を行う。回帰分析では、移動過程予測装置1は、予測区間を含めた予測値、又は信頼区間を含めた予測値を推測値として算出する。また本発明では、比較予測の処理においては、移動過程予測装置1は、二つの航空便を利用した結果を多変量データから読み出し、読み出した結果に差があるか否かの検定を行う。検定の処理では、移動過程予測装置1は、信頼区間を含めた推定値を推測値として算出する。また本発明では、統計量計算の処理においては、移動過程予測装置1は、使用者が利用する予定の航空便と同じ航空便を利用した結果を多変量データから読み出し、結果の統計量を計算する。
入出力装置7は、使用者の操作により処理内容の選択を受け付け(S504)、選択された処理内容を示す情報を移動過程予測装置1へ送信する(S505)。移動過程予測装置1は、選択された処理内容を示す情報を通信部16で受信し、CPU11は、選択された処理内容を実行するために入力する必要のある入力項目を選定する処理を行う(S506)。入力項目は、航空便を特定するための航空便特定情報を含む。航空便特定情報は、多変量データから解析対象のサンプルデータを抽出するための抽出条件となる。また予測を行う場合の入力項目は、状況情報に含まれる複数の項目の内で、回帰分析の説明変数として解析対象となる複数の解析項目を含んでいる。解析項目としては、状況情報に含まれる複数の項目の内で予測すべき値と相関関係が大きいとされた複数の項目が予め定められている。記憶部14は、移動過程予測装置1が行うべき処理内容の夫々について定められた入力項目を記録した設定データを記憶している。
図12及び図13は、設定データの内容例を示す概念図である。図12は、処理内容が到着空港退場時刻予測である場合について定められた入力項目の例を示している。予測すべき値に対応する予測項目として、到着空港出口通過時刻が定められ、抽出条件項目として、航空会社名及び便名等の航空便特定情報に対応する項目が定められ、解析項目として、出発空港利用月及び到着時刻等の状況情報の一部の項目が定められている。解析項目には、年齢等の旅行者の状態を示す情報と、出発空港を利用した月等の実績を示す情報と、席番号等の旅行者が航空便を利用した条件を示す情報と、旅行者が使用する言語と到着空港で使用される言語とが一致するか否か等の到着空港の状態を示す情報と、気象情報とに対応する項目が含まれている。この他、変更情報、エラー情報、及び交通機関又は移動物体の異常を示す情報を含むイベントに関する情報も解析項目に含める事が出来る。
図13は、処理内容が到着空港退場時刻比較である場合について定められた入力項目の例を示している。比較予測すべき値に対応する比較項目として、到着空港出口通過時刻が定められている。また、比較対象Aと比較対象Bとの夫々について、航空便特定情報に対応する抽出条件項目と、絞り込み条件項目とが定められている。絞り込み条件項目は、抽出条件項目を用いて多変量データから抽出したデータを更に絞り込むための条件である。統計量計算の処理内容に対しても、同様に、計算対象となる項目、抽出条件項目及び絞り込み条件項目が定められている。ステップS506では、選択された処理内容に応じて定められた入力項目を設定データから読み出すことにより、入力項目を選定する。
CPU11は、次に、入力項目の内容を受け付けるための入力メニューを入出力装置7に表示させるためのメニュー用データを、通信部16に入出力装置7へ送信させる(S507)。入出力装置7は、メニュー用データを受信し、メニュー用データに基づいて入力メニューを表示部に表示する(S508)。
図14及び図15は、入力メニューの例を示す概念図である。図14は、処理内容が到着空港退場時刻予測である場合の入力メニューの例である。予測項目と、抽出条件項目と、解析項目との内容を入力するためのメニューが表示される。また入力メニューには、通知日時及び通知先の入出力装置等、処理結果を通知する際の通知条件を入力する欄が含まれる。なお、設定データで定められた解析項目と、入力メニューに含まれる解析項目とは完全に一致していない。例えば、設定データで定められた解析項目には、出発空港利用月及び出発空港利用曜日が含まれるが、入力メニューで入力される項目は、使用者が入力しやすいように、出発空港利用年月日となっている。設定データと入力メニューとで一致していない解析項目については、入力後に変換を行う。例えば、出発空港利用年月日は、出発空港利用月及び出発空港利用曜日へ変換される。また、年齢の項目で例示される様に、値を二乗することによって得られる二乗項目は入力メニューには現れず、年齢の項目と年齢の二乗の項目との関係のように、設定データで二乗項目と二乗すべき値が入力される項目が互いに関連付けて記憶されている。複数の項目の交互作用による影響を計算するための交互作用項目が設定データで定められている場合でも、同様に、交互作用項目と交互作用項目の元になる複数の項目とが互いに関連付けられている。後述する複数の項目(説明変数)で構成されるダミー変数も同様に互いに関連付けがなされている。図15は、処理内容が到着空港退場時刻比較である場合の入力メニューの例である。比較対象Aと比較対象Bとの夫々について抽出条件項目及び絞り込み条件項目の内容を入力し、共通の比較項目を入力するためのメニューが表示される。尚、異なる通過地点の比較を行う場合は、比較対象A及び比較対象Bの夫々に比較項目を設ける。処理内容が統計量計算である場合は、計算対象の値を指定するための項目と、同様の抽出条件項目及び絞り込み条件項目とが入力メニューに表示される。
入力メニューを用いて使用者が入力を行う際には、予測項目、比較項目、統計量計算の対象を指定するための項目、及び抽出条件項目の入力は必須となる。解析項目については、一つ以上の項目の入力が必須であり、全ての項目について内容を入力することが望ましいが、未入力の項目がいくつかあっても予測の処理は可能である。但し、未入力の項目が多くなるほど予測精度は悪化する。絞り込み条件項目については、未入力であっても処理は可能である。通知条件が未入力の場合は、要求を受付けた直後に処理を行い、入力に用いた入出力装置7へ処理結果が通知されることになる。
入出力装置7は、使用者の操作により入力項目に対応する航空便特定情報及び状況情報の内容を入力される(S509)。使用者は、抽出条件項目に対応する内容として、利用する予定の航空便を特定する航空便特定情報を入力し、解析項目又は絞り込み条件項目に対応する内容として、航空便を利用する際に予想される状況を示す状況情報を入力する。入出力装置7は、入力された情報を移動過程予測装置1へ送信し(S510)、移動過程予測装置1は、入出力装置7から送信された情報を通信部16で受信する。
CPU11は、次に、受信した情報に応じて、多変量データから抽出すべき抽出項目を選定する処理を行う(S511)。予測を行う場合は、通過日時、経過時間及び比較データの内で予測の対象となる値と、状況情報に含まれる複数の項目の内で内容を入力された解析項目に対応する項目とが抽出項目である。比較予測を行う場合は、比較予測の対象となる値が抽出項目である。統計量計算を行う場合は、統計量計算の対象となる値が抽出項目である。CPU11は、次に、記憶部14に記憶する多変量データから、抽出項目に対応する情報を含むサンプルを抽出する(S512)。尚、抽出されたサンプルは複製であり、多変量データは変化無く保持される。
予測を行う場合は、CPU11は、入力された抽出条件項目の内容と同じ内容の航空便特定情報に関連付けられた予測対象の特定の通過日時、経過時間又は比較データの値と、同じ航空便特定情報に関連付けられた状況情報の内で内容を入力された解析項目に対応する項目との組み合わせでなるサンプルを抽出する。例えば、サンプルには、同じ航空便特定情報に関連付けられた、到着空港のある出口の通過地点を通過した通過日時と、状況情報に含まれる出発空港利用年月日及び到着時刻等の複数の項目の値との組み合わせが含まれる。ステップS512では、CPU11は、内容が同じ航空便特定情報に関連付けられた複数通りのサンプルを抽出する。複数通りのサンプルの夫々は、同じ出発日時の同じ航空便を利用した別々の旅行者の実績、及び出発地等の航空便特定情報が同一の航空便であって互いに別の日に運航された航空便での実績を示す。比較予測を行う場合は、CPU11は、入力された抽出条件項目の内容と同じ内容の航空便特定情報、及び入力された絞り込み条件項目の内容と同じ内容の状況情報に関連付けられた、比較予測の対象となる特定の通過日時、経過時間又は比較データの値でなるサンプルを抽出する。サンプルは、比較される二つの航空便の夫々について複数通り抽出される。統計量計算を行う場合は、同様に、入力された抽出条件項目の内容と同じ内容の航空便特定情報、及び入力された絞り込み条件項目の内容と同じ内容の状況情報に関連付けられた統計量計算の対象の値でなるサンプルが複数通り抽出される。尚、抽出条件項目及び絞り込み条件項目に年を示す情報が含まれており、しかも抽出されるサンプルが存在しない場合は、CPU11は、この年を示す情報を抽出条件から除外して再度抽出を行い、年を除いた抽出を行う事を示すメッセージを入出力装置7へ送信する。再抽出を行っても抽出されるサンプルが存在しない場合は、CPU11は、抽出されるサンプルが存在しないため移動過程予測を中止した事を示すメッセージを入出力装置7へ送信する。
CPU11は、次に、抽出した夫々のサンプルが異常値又は欠損値のあるサンプルであるか否かを判定する(S513)。異常値のあるサンプルとしては、交通機関の異常又は移動物体の異常を示す情報が関連付けられたサンプルがある。また、状況情報の各項目の内容が取りうる範囲を予め定めておき、CPU11は、抽出した項目の内容が範囲外である場合に、サンプルは異常値を含むと判定してもよい。また欠損値のあるサンプルは、抽出項目の内容が欠損しているサンプルである。いずれかのサンプルが異常値又は欠損値のあるサンプルである場合は(S513:YES)、CPU11は、抽出したサンプルから異常値又は欠損値のあるサンプルを除去又はマスクする(S514)。マスクの処理は、サンプルを計算対象から除外する処理である。マスクの処理では、CPU11は、異常値又は欠損値のあるサンプルに対して、計算対象外であることを示す情報を関連付ける。前述の異常を示す情報が関連付けられたサンプル等、異常値又は欠損値のあるサンプルを除去又はマスクすることにより、移動過程予測の処理量が減少し、また、得られる予測値の精度が向上する。
ステップS514が終了した後、又はステップS513で異常値又は欠損値のあるサンプルがない場合は(S513:NO)、CPU11は、複数通りのサンプルがあるか否かを判定する(S515)。サンプルの数が1通り以下である場合は(S515:NO)、CPU11は、複数通りのサンプルが無く移動過程予測を中止した事を示す情報を通信部16に入出力装置7へ送信させる(S516)。入出力装置7は、この情報を受信し、移動過程予測の処理を実行できないことを示すメッセージを表示部又はスピーカを用いて出力し(S517)、処理を終了する。
ステップS515で複数通りのサンプルがある場合は(S515:YES)、CPU11は、所定の上限数以上のサンプルがあるか否かを判定する(S518)。所定の上限数としては、例えば、サンプルを母数と見なすに足りる60万個等の数を用いる。上限数以上のサンプルがある場合は(S518:YES)、CPU11は、現時点でのサンプルから、情報を取得した時期がより新しいサンプルを上限数通り抽出する(S519)。ステップS519で抽出されなかったサンプルは破棄又はマスクされる。ステップS519が終了した後、又はステップS518でサンプルの数が上限数未満である場合は(S518:NO)、CPU11は、サンプルに含まれる抽出項目はデータ変換が必要であるか否かを判定する(S520)。抽出項目に質的データが含まれている場合は、計算のためには質的データを数値に変換する必要がある。また量的データであっても、計算で使用できるデータへ変換する必要のあるものがある。例えば、抽出した項目が年月日であり、計算で必要な解析項目が月及び曜日である場合は、年月日を月及び曜日に変換し、更に月及び曜日を数値に変換する必要がある。
ステップS520でデータ変換が必要である場合は(S520:YES)、CPU11は、データ変換が必要な各情報に応じた方法でデータ変換を行う(S521)。多変量データに含まれる各項目に対して、データ変換の方法が予め定められており、定められたデータ変換の方法が記憶部14に記憶されている。尚、データ変換の方法はコンピュータプログラム15に予め含まれていてもよい。CPU11は、ダミー変換又はロジット変換等の予め定められた方法で、サンプルに含まれる各情報のデータ変換を行う。例えば、通過日時は通過時刻へ変換される。また数値ではない質的データは数値に変換される。例えば、天気を示す「晴」、「雨」、「その他」は、ダミー変換され、「00」、「01」、「10」の2桁のダミー変数となり、2つの解析項目(説明変数)を使って表現される。また、空席率及び降水確率等の確率で表されている計数値は、ロジット変換により、身長又は体重等と同種の計量値に変換される。ロジット変換は、L(P)=ln{P/(1−P)},{目安条件:np* ≧5、かつn(1−p* )≧5}で表される。ここで、Pは確率で表される計数値、nはサンプル数、p* はPの推定値である。L(P)値がロジットと呼ばれ、正規分布に近似する。目安条件は、ロジットが正規分布に良く近似するための条件である。ステップS521が終了した後、又はステップS520でデータ変換が必要でない場合は(S520:NO)、CPU11は、複数通りのサンプルに基づいて、特定の通過時刻、経過時間若しくは比較データの予測、比較予測又は統計量計算を行う統計計算処理を実行する(S522)。
図16及び図17は、ステップS522の統計計算処理のサブルーチンの手順を示すフローチャートである。CPU11は、まず、行うべき統計計算処理が通過時刻、経過時間又は比較データの予測であるか否かを判定する(S601)。行うべき統計計算処理が通過時刻、経過時間又は比較データの予測である場合は(S601:YES)、CPU11は、回帰分析の説明変数に対応するサンプル中の情報が全て質的データであるか否かを判定する(S602)。サンプルに含まれる情報の内、状況情報の各項目及び各項目をデータ変換した情報が説明変数に対応する情報であり、実際には予測対象となる通過時刻、経過時間又は比較データ以外の情報が説明変数に対応する。一方、回帰分析に使われる項目は、抽出項目に対応する設定データの項目であるので、説明変数に対応する情報の中で抽出項目に対応する設定データの項目が、回帰分析の説明変数に対応するサンプル中の情報となる。説明変数に対応するサンプル中の情報に量的データが含まれている場合は(S602:NO)、CPU11は、回帰分析を実行する(S603)。
回帰分析における目的変数をYとし、説明変数の数をpとし、夫々の説明変数をX1 〜Xp とする。回帰式は下記の(1)式で表される。
Y=a0 +a11 +a22 +…+app +ε …(1)
(1)式に含まれるa0 は定数項、a1 〜ap は偏回帰係数、εは誤差である。pが2以上の場合は(1)式は重回帰式である。ステップS603では、CPU11は、サンプルの夫々について、予測対象となる通過時刻、経過時間又は比較データを(1)式のYに代入し、説明変数に対応する情報の夫々をX1 〜Xp に代入することにより得られるサンプル数と同じ数の式から、εを最小にするようなa0 ,a1 〜ap を求める最小二乗法の計算処理を行う。具体的には、a0 〜ap の推定値をa^ 0〜a^ pとすると、説明変数X1 〜Xp の任意の値に対する目的変数Yの予測値Y^ iは、下記の(2)式で計算できる。尚、本発明の数式説明で用いる「^ 」は、累乗を示す記号ではなく、「ハットマーク」であり、本来左隣に位置する文字真上に示されるものである。
^ i=a^ 0+a^ 1i1+…+a^ jij+…+a^ pip …(2)
ここで、添え字のiはi番目のサンプル番号であることを示し、添え字のjはj番目の説明変数番号であることを示す。説明変数に対応する情報の夫々であるX1 〜Xp を(2)式に代入することにより、サンプル数と同数個の目的変数の予測値Y^ iを得ることができる。ここで、サンプル数をn個とすると、n個の予測値Y^ iが得られる。得られた目的変数の予測値Y^ iと目的変数の実測値Yi との差は、全体として小さい事が望ましいと考えられる。下記の(3)式で表されるYi とY^ iとの残差ei は、小さい事が望まれる。
i =Yi −Y^ i …(3)
よって、残差ei を二乗したものの和である残差平方和Se を最小とするようにa^ 0〜a^ pを定める。この方法を最小二乗法と呼び、得られた推定値a^ 0〜a^ pを最小二乗推定量と呼ぶ。残差平方和Se は、下記の(4)式で表される。
Figure 0004839416
残差平方和Se を最小とするa^ 0〜a^ pは、(4)式をa^ 0〜a^ pの夫々で偏微分してゼロとおいた下記の(5)式で表される連立方程式の解として得られる。
Figure 0004839416
(5)式を整理すると、下記の(6)式が得られる。(6)式は、a^ 0〜a^ pに関する(p+1)元の連立1次方程式であり、正規方程式と呼ばれる。
Figure 0004839416
(6)式の第1式をΣ1=nで割ると、下記の(7)式が得られる。
^ 0=Ym−a^ 1Xm1 −a^ 2Xm2 −…−a^ pXmp …(7)
ここで、Xm1 〜Xmp 及びYmは、夫々の説明変数及び目的変数の平均値を示し、下記の(8)式で表される。
Figure 0004839416
(7)式のa^ 0を(6)式の第2式以降に代入して整理すると、下記の(9)式が得られる。
Figure 0004839416
ここで、{Sjk}は説明変数{Xij}の間の偏差平方和・積和を示し、{SjY}は{Xij}と{Yi }との偏差積和を示す。Sjk及びSjYは、下記の(10)式によって定義される。
Figure 0004839416
即ち、a^ 1〜a^ pは、{Sjk}を係数とし、{SjY}を定数項とするp元の連立1次方程式の解として与えられる。平方和・積和行列を下記の(11)式で表し、その逆行列を下記の(12)式で表すと、(9)式は、下記の(13)式で表すことができる。更に(13)式を変形すると下記の(14)式が得られる。
Figure 0004839416
Figure 0004839416
Figure 0004839416
Figure 0004839416
(14)式をa^ 1〜a^ pについて解くと、a^ j=Sj11Y+Sj22Y+…+SjppY,(j=1,…,p)が得られ、a^ 1〜a^ pの値を算出できる。算出したa^ 1〜a^ pの値を(7)式に代入すると、a^ 0の値を算出できる。a^ 0〜a^ pを(1)式中のa0 〜ap に当てはめることにより、回帰式が得られる。この時、解析に用いるサンプル数nが(p+2)未満である場合は、CPU11は、ステップS603の処理を中止し、サンプル不足による解析中止を示す情報を通信部16に入出力装置7へ送信させる。入出力装置7は、前記情報を受信し、移動過程予測の処理を実行できない事を示すメッセージを表示部又はスピーカを用いて出力する。
次に、CPU11は、説明変数の取捨選択を行う。この選択方法には、いくつかの方法があるが、本実施例ではF値による逐次選択法の中の変数減増法を説明する。CPU11は、求めた回帰式に含まれる説明変数の内の一つを回帰式から取り除いたときに残差平方和が最小となるような説明変数を選択する。CPU11は、次に、選択した説明変数によって増加した残差平方和の増加分の分散比(F値)を計算し、F値が予め設定した基準値FOUT 以下である場合に、この説明変数を回帰式から除去する。またCPU11は、F値が基準値FOUT を超えている場合は、この説明変数を除去しない。CPU11は、次に、回帰式中に含まれない説明変数内の一つを回帰式に取り込んだときに残差平方和が最小となるような説明変数を選択する。CPU11は、次に、選択した説明変数によって減少した残差平方和の減少分のF値を計算し、F値が予め設定した基準値FINを超える場合に、この説明変数を回帰式に取り込む。またCPU11は、F値が基準値FIN以下である場合は、この説明変数を取り込まない。CPU11は、以上の手順を繰り返し、回帰式中に含まれる説明変数については、いずれもF値がFOUT より大きくなり、回帰式中に含まれていない説明変数については、いずれもF値がFIN以下になったら終了する。F値の基準値としては、例えばFOUT =FIN=2.0を用いる。尚、変数減少法は、変数減増法の手順の内、説明変数を取込む手順を行わない方法である。変数増減法は、説明変数を回帰式に含んでいない状態からスタートし、変数減増法と同様な手順を行う方法である。また、変数増加法は、変数減増法の手順の内、説明変数を除去する手順を行わない方法である。CPU11は、変数減増法ではなく、変数減少法、変数増減法又は変数増加法を用いて説明変数の取捨選択を行ってもよい。
複数の説明変数から構成されているダミー変数は、全ての説明変数についてF値がFOUT 以下となれば除去され、一つの説明変数でもF値がFINを超えれば全て回帰式に取り込まれる。二乗項目に対応する説明変数である二乗変数の元となる説明変数は、二乗変数のF値がFINを超えている場合は、自身のF値がFOUT 以下でも除去されない。同様に、交互作用項目に対応する説明変数である交互作用変数の元となる説明変数は、交互作用変数のF値がFINを超えている場合は、自身のF値がFOUT 以下でも除去されない。また、二乗変数又は交互作用変数の元となる説明変数は、二乗変数又は交互作用変数のF値がFINを超える時は、自身のF値がFIN以下であっても二乗変数又は交互作用変数と共に同時に回帰式に取り込まれる。また、二乗変数又は交互作用変数が除去される場合は、二乗変数又は交互作用変数の元となる説明変数が同時に除去されることはない。尚、回帰式中のp個の説明変数(X1 〜Xp )の内、Xj の有意性は、F={(a^ j2 /Sjj}/Ve で表される。ここで、a^ jは第j番目の推定値、Sjjは平方和積和行列の逆行列の(j,j)要素、Ve は残差分散である。また、既にp個の説明変数が回帰式中にあるとき、新たに変数Xr を加える事の有意性は、F={(a^ r *2 /Srr }/Ve *で表される。a^ r * 、Srr 及びVe *は、夫々、変数Xr を含む(p+1)個の説明変数が回帰式に取り込まれているときのar の推定値、平方和積和行列の逆行列の(r,r)要素、及び残差分散である。
次に、CPU11は、テコ比等の統計量を使い、回帰診断を行ってもよい。テコ比をhii、第i番目のサンプルの変数Xj の値をXij、第i番目のサンプルの変数Xk の値をXik、変数Xj の平均値をXmj 、変数Xk の平均値をXmk 、平方和積和行列の逆行列の(j,k)要素をSjkとすると、テコ比hiiは下記の(15)式で表される。
Figure 0004839416
CPU11は、サンプル毎にテコ比を計算し、計算したテコ比が所定の基準値以上となるサンプルを除去又はマスクする。基準値は、本事例では、テコ比の平均の2倍とする。テコ比の平均は、(p+1)/nで求められる。除去又はマスクを行うべきサンプルが無く、他の回帰診断を行わない場合は、CPU11は、回帰式を決定する。サンプルを除去又はマスクした場合は、CPU11は、再度回帰分析を行う。次に、CPUは、決定した回帰式の重相関係数、寄与率、有意差検定結果、自由度調整済み寄与率、ダービン・ワトソン比等の統計量を計算する。重相関係数はR=√(1−Se /ST )、寄与率はR2 =1−Se /ST 、自由度調整済み寄与率はR*2 =1−{Se /(n−p−1)}/{ST /(n−1)}である。またダービン・ワトソン比dは、下記の(16)式で表される。
Figure 0004839416
ここで、Se は残差平方和、ST は目的変数の総平方和、ei は第i番目の残差である。なお、説明変数の取捨選択又は回帰診断等の回帰分析の一部は、手動操作で行うことも可能である。例えば、移動過程予測装置1は図示しない入力手段を備えており、統計及び輸送に関する知識を有するオペレータが入力手段を操作することにより、回帰式を定め、予測値を計算してもよい。
CPU11は、次に、得られた回帰式の説明変数に、入出力装置7を用いて入力された解析項目の内容を代入して目的変数Yの値を計算することにより、予測値である特定の通過時刻、経過時間又は比較データを計算する(S604)。代入する項目がデータ変換を必要とする項目である場合、CPU11は、コンピュータプログラム15にある変換式を使いて変換した後、代入を行う。更に、CPU11は、予測区間を計算する。予測区間は、予測値±t(n−p−1,α)×√[{1+1/n+D0 2/(n−1)}Ve ]で表される。ここで、nはサンプル数、αは有意水準、D0 2はマハラノビスの汎距離、Ve は誤差分散の推定値である。またD0 2は、下記の(17)式で表される。
Figure 0004839416
ここで、Xoj及びXokは、夫々、Yの値を計算するために変数Xj 及びXk に代入する値である。Sjkは、平方和積和行列の逆行列の(j,k)要素である。また、t(n−p−1,α)は、予め記憶部14に記憶してあるt分布表の所定の有意水準αで自由度φ=n―p−1の限界値t(φ,α)である。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。なお、信頼区間を予測区間に代わって用いる場合は、予測値±t(n−p−1、α)×√[{1/n+D0 2/(n−1)}Ve ]を用いる。また、信頼区間と予測区間との違いを説明したメッセージを添付した上で両者を出力してもよい。
ステップS602で説明変数に対応するサンプル中の情報が全て質的データである場合は(S602:YES)、CPU11は、数量化一類分析を実行する(S605)。数量化一類における目的変数をYとし、説明変数(アイテム)の数をpとし、夫々の説明変数をX1 〜Xp とする。夫々の説明変数は質的データであるので、夫々の説明変数が取り得る状態(カテゴリ)の数は予め定められている。例えば、状況情報に含まれる「天気」で、「晴れ」、「雨」及び「その他」に分類している場合は、「天気」の説明変数は3種類の状態を取り得る。説明変数Xi が取り得る値の種類の数をj(i)とする。説明変数Xi の状態は、数量化一類では、いずれか一つが1でその他が0となるXi1,Xi2,…,Xij(i) ,の組み合わせで表される。例えば、1,2又は3の値を取り得る説明変数Xi は、値1の状態がXi1=1,Xi2=0,Xi3=0で表され、値2の状態がXi1=0,Xi2=1,Xi3=0で表され、値3の状態がXi1=0,Xi2=0,Xi3=1で表される。このような数量化一類の回帰式は、下記の(18)式で表される。
y=a0 +a1111+a1212+…+a1j(1)1j(1)
+a2121+…+a2j(2)2j(2) +…
+ap1p1+…+apj(p)pj(p) +ε …(18)
(18)式に含まれるa0 は定数項、a11〜apj(p) はカテゴリスコア、εは誤差である。しかし、前述の三つの状態は、それぞれ、Xi1+Xi2+Xi3=1となり、常に多重共線性が現れる。そこで、Xi1,Xi2,Xi3の内の何れか1つを削除する。すると、(18)式は、全ての説明変数がダミー変数で構成された回帰式と同じ形となる。よって、ステップS605では、CPU11は、サンプルの夫々について、予測対象となる通過時刻、経過時間又は比較データを(1)式のYに対応させ、ダミー変数に変換された質的な説明変数を(1)式の説明変数X1 〜Xpに対応させる。その後の計算方法は、回帰分析の場合と同様である。
CPU11は、次に、引き続き回帰分析と同様な方法で、予測値と予測区間又は信頼区間と各種統計量とを計算する(S606)。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS601で、行うべき統計計算処理が予測でない場合は(S601:NO)、CPU11は、行うべき統計計算処理が比較予測であるか否かを判定する(S607)。行うべき統計計算処理が比較予測でない場合は(S607:NO)、行うべき統計計算処理は統計量計算であり、CPU11は、要求された統計量を計算する(S608)。ステップS608では、CPU11は、サンプルに基づいて、統計量計算の対象となる特定の通過時刻、経過時間若しくは比較データの平均値、標準偏差又は中央値等、要求された統計量を計算する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS607で、行うべき統計計算が比較予測である場合は(S607:YES)、CPU11は、比較予測の対象が平均値であるか否かを判定する(S609)。比較予測の対象が平均値である場合は(S609:YES)、CPU11は、比較される二つの航空便の夫々について複数通り抽出したサンプルの中で、比較予測の対象となる項目からなる二種類の集合の内でいずれか一方が母集団であるか否かを判定する(S610)。本発明では、二つの航空便の夫々について得られたサンプルの集合の一方を母集団とし、他方を標本として、母集団と標本との間に差があるか否かを検定することにより、比較を行う。ステップS610では、CPU11は、二つの航空便の夫々について得られたサンプルの集合に含まれるサンプル数を所定の閾値と比較し、いずれか一方のサンプル数が閾値以上である場合に、サンプルの集合の一方が母集団であると判定する。閾値としては、20万等、ある程度大きい数値が予め定められている。またステップS610では、CPU11は、サンプル数が閾値以上であるサンプルの集合を母集団とし、サンプル数が閾値未満であるサンプルの集合を標本とする。両方のサンプル数が閾値以上である場合は、CPU11は、サンプル数が多い方を母集団とし、サンプル数が少ない方を標本とする。両方のサンプル数が閾値以上で同数の場合は、CPU11は、一方のサンプルの集合を母集団とし、他方のサンプルの集合を標本とする。どちらのサンプル数も閾値未満である場合は、CPU11は、母集団はないと判定し、一方のサンプルの集合を第1標本とし、他方のサンプルの集合を第2標本とする。
ステップS610でサンプルの集合の一方が母集団である場合は(S610:YES)、CPU11は、標本分散と母集団の分散とが異なるか否かのカイ二乗検定を行う(S611)。ステップS611では、CPU11は、標本の偏差平方和Sと母集団の分散σ0 2を計算し、χ2 =S/σ0 2を計算する。またCPU11は、計算したχ2 の値を、予め記憶部14に記憶してあるχ2 分布表の所定の有意水準αで自由度φ=n−1の限界値と比較する。ここで、nは標本のサンプル数である。例えば、有意水準がα=5%である場合は、下側限界値はχ1 2(φ,0.975)で示される値となり、上側限界値はχ2 2(φ,0.025)で示される値となる。CPU11は、計算したχ2 の値が二つの限界値の間にある場合に、標本分散と母集団の分散との間に有意差はあるとはいえないと判定し、計算したχ2 の値が二つの限界値の外側にある場合は、標本分散と母集団の分散との間に有意差があると判定する。
CPU11は、次に、ステップS611でのカイ二乗検定の結果に応じて、標本分散と母集団の分散との間に有意差があるか否かを判定する(S612)。標本分散と母集団の分散との間に有意差がある場合は(S612:YES)、標本平均と母集団の平均とが異なるか否かのt検定を行う(S613)。ステップS613では、CPU11は、標本の平均値ym と母集団の平均値μと標本の標準偏差sとを計算し、t=(ym −μ)/(s/√n)を計算する。nは標本のサンプル数である。またCPU11は、計算したtの値を、予め記憶部14に記憶してあるt分布表の所定の有意水準αで自由度φ=n−1の限界値t(φ,α)と比較する。CPU11は、計算したtの値の絶対値が限界値より大きい場合に、標本平均と母集団の平均との間に有意差があると判定し、計算したtの値の絶対値が限界値以下である場合に、標本平均と母集団の平均との間に有意差はあるとはいえないと判定する。CPU11は、μを推定値とし、信頼区間μ±Z(α)σ0 /√n0 を計算し、母集団の推定値及び信頼区間とする。ここで、Z(α)は、予め記憶部14に記憶してある正規分布表の所定の有意水準αの限界値Z(α)である。σ0 は母集団の標準偏差であり、n0 は母集団のサンプル数である。またCPU11は、標本の推定値をym とし、信頼区間をym ±t(φ,α)s/√nと決定する処理を行う。
CPU11は、次に、ステップS613でのt検定の結果に応じて、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があるか否かを判定する(S614)。ステップS613で標本平均と母集団の平均との間に有意差があるとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があると判定する。またステップS613で標本平均と母集団の平均との間に有意差はあるとは言えないとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差はないと判定する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS612で標本分散と母集団の分散との間に有意差があるとは言えない場合は(S612:NO)、標本平均と母集団の平均とが異なるか否かのZ検定を行う(S615)。ステップS615では、CPU11は、標本の平均値ym と母集団の平均値μと母集団の標準偏差σ0 とを計算し、Z=(ym −μ)/(σ0 /√n)を計算する。nは標本のサンプル数である。またCPU11は、計算したZの値を、予め記憶部14に記憶してある正規分布表の所定の有意水準αの限界値Z(α)と比較する。CPU11は、計算したZの値の絶対値が限界値より大きい場合に、標本平均と母集団の平均との間に有意差があると判定し、計算したZの値の絶対値が限界値以下である場合に、標本平均と母集団の平均との間に有意差はあるとは言えないと判定する。CPU11は、μを推定値とし、信頼区間をμ±Z(α)σ0 /√n0 を計算し、母集団の推定値及び信頼区間とする。ここで、n0 は母集団のサンプル数である。またCPU11は、標本の推定値をym とし、信頼区間をym ±Z(α)σ0 /√nと決定する処理を行う。尚、有意差があるといえない場合、共通の推定値と信頼区間とを作ってもよい。このとき、CPU11は、標本及び母集団のサンプルを合わせたサンプルに対して、新たな平均値μ1 及び標準偏差σ1 を計算する。またCPU11は、μ1 を標本及び母集団の共通の推定値とし、信頼区間をμ1 ±Z(α)σ1 /√(n0 +n)と計算し、共通の信頼区間とする。
CPU11は、次に、ステップS615でのZ検定の結果に応じて、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があるか否かを判定する(S616)。ステップS615で標本平均と母集団の平均との間に有意差があるとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があると判定する。またステップS615で標本平均と母集団の平均との間に有意差はあるとは言えないとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差はないと判定する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS610でどちらのサンプルの集合も母集団ではない場合は(S610:NO)、CPU11は、第1標本の分散と第2標本の分散とが互いに異なるか否かのF検定を行う(S617)。ステップS617では、CPU11は、第1標本の分散V1 と第2標本の分散V2 とを計算し、F=V1 /V2 を計算する。またCPU11は、計算したFの値を、予め記憶部14に記憶してあるF分布表の所定の有意水準αで第1標本の自由度φ1 =n1 −1及び第2標本の自由度φ2 =n2 −1で示される限界値と比較する。ここで、n1 は第1標本のサンプル数であり、n2 は第2標本のサンプル数である。例えば、有意水準がα=5%である場合は、下側限界値はF1 (φ1 ,φ2 ;0.975)で示される値となり、上側限界値はF2 (φ1 ,φ2 ;0.025)で示される値となる。尚、F1 =1/F(φ2 ,φ1 ;0.025)である。CPU11は、計算したFの値が二つの限界値の間にある場合に、第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差はあるとは言えないと判定し、計算したFの値が二つの限界値の外側にある場合は、第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差があると判定する。
CPU11は、次に、ステップS617でのF検定の結果に応じて、第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差があるか否かを判定する(S618)。第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差がある場合は(S618:YES)、CPU11は、第1標本の平均と第2標本の平均とが異なるか否かのt検定を行う(S619)。ステップS619では、CPU11は、第1標本の平均値y1mと第2標本の平均値y2mとを計算し、t=(y1m−y2m)/√(V1 /n1 +V2 /n2 )を計算する。自由度は(1/φ)=c2 /(n1 −1)+(1−c)2 /(n2 −1)及びc=(V1 /n1 )/(V1 /n1 +V2 /n2 )で得られる。またCPU11は、計算したtの値を、予め記憶部14に記憶してあるt分布表の所定の有意水準αで自由度φの限界値t(φ,α)と比較する。CPU11は、計算したtの値の絶対値が限界値より大きい場合に、第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差があると判定し、計算したtの値の絶対値が限界値以下である場合に、第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差はあるとは言えないと判定する。またCPU11は、第1標本における比較対象の値の推定値をy1m 、信頼区間をy1m ±t(n1 −1,α)√V1 /√n1 と決定する処理を行い、第2標本における比較対象の値の推定値をy2m 、信頼区間をy2m ±t(n2 −1,α)√V2 /√n2 と決定する処理を行う。
CPU11は、次に、ステップS619でのt検定の結果に応じて、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があるか否かを判定する(S620)。ステップS619で第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差があるとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があると判定する。またステップS619で第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差はあるとは言えないとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差はないと判定する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差がない場合は(S618:NO)、CPU11は、第1標本と第2標本との共通標準偏差を計算する(S621)。ステップS621では、CPU11は、第1標本の偏差平方和S1 と第2標本の偏差平方和S2 とを計算し、共通の分散V=(S1 +S2 )/{(n1 −1)+(n2 −1)}を計算し、共通標準偏差s=√Vを計算する。CPU11は、次に、第1標本の平均と第2標本の平均とが異なるか否かのt検定を行う(S622)。ステップS622では、CPU11は、第1標本の平均値y1mと第2標本の平均値y2mとを計算し、t=(y1m−y2m)/s√(1/n1 +1/n2 )を計算する。またCPU11は、計算したtの値を、予め記憶部14に記憶してあるt分布表の所定の有意水準αで自由度φ=n1 +n2 −2の限界値t(φ,α)と比較する。CPU11は、計算したtの値の絶対値が限界値より大きい場合に、第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差があると判定し、計算したtの値の絶対値が限界値以下である場合に、第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差はあるとは言えないと判定する。またCPU11は、第1標本における比較対象の値の推定値をy1m 、信頼区間をy1m ±t(n1 +n2 −2,α)√{(S1 +S2 )/(n1 +n2 −2)}/√n1 と決定する処理を行い、第2標本における比較対象の値の推定値をy2m 、信頼区間をy2m ±t(n1 +n2 −2,α)√{(S1 +S2 )/(n1 +n2 −2)}/√n2 と決定する処理を行う。尚、有意差があるとは言えない場合は、CPU11は、二つの標本のサンプルを合わせ、共通の平均値yと標準偏差σとを計算してもよい。このとき、CPU11は、yを推定値とし、信頼区間をy±t(n1 +n2 −1,α)σ/√(n1 +n2 )を計算しても良い。
CPU11は、次に、ステップS622でのt検定の結果に応じて、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があるか否かを判定する(S623)。ステップS622で第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差があるとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差があると判定する。またステップS622で第1標本の平均と第2標本の平均との間に有意差はあるとは言えないとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの間に差はないと判定する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS609で、比較予測の対象が平均値ではなくバラツキである場合は(S609:NO)、CPU11は、比較される二つの航空便の夫々について複数通り抽出したサンプルの中で、比較予測の対象となる項目からなる二種類の集合の内でいずれか一方が母集団であるか否かを判定する(S624)。サンプルの集合の一方が母集団である場合は(S624:YES)、CPU11は、標本分散と母集団の分散とが異なるか否かのカイ二乗検定を行う(S625)。ステップS625では、CPU11は、ステップS611と同様の計算を行う。またCPU11は、標本の分散σ2 =S/(n−1)を計算し、比較対象の値の推定値をσ2 とし、信頼区間をS/χ2 (φ,α/2)<σ2 <S/χ2 (φ,1−(α/2))と決定する処理を行う。また、CPU11は、母集団の偏差平方和S0 を計算し、母集団の分散の推定値をσ0 2とし、信頼区間をS0 /χ2 (φ0 ,α/2)<σ0 2<S0 /χ2 (φ0 ,1−(α/2))とする。尚、有意差があるとは言えない場合、CPU11は、共通する信頼区間を(S0 +S)/χ2 (n0 +n−2,α/2)<σ1 2<(S0 +S)/χ2 (n0 +n−2,1−(α/2))と決定する処理を行ってもよい。ここで、σ1 2は共通の推定値でσ1 2=(S0 +S)/{(n0 −1)+(n−1)}、n0 は母集団のサンプル数、φ0 は自由度でφ0 =n0 −1である。
CPU11は、次に、ステップS625でのカイ二乗検定の結果に応じて、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データのバラツキに差があるか否かを判定する(S626)。ステップS625で標本分散と母集団の分散との間に有意差があるとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データのバラツキに差があると判定する。またステップS625で標本分散と母集団の分散との間に有意差はあるとは言えないとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データのバラツキに差はないと判定する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS624でどちらのサンプルの集合も母集団ではない場合は(S624:NO)、CPU11は、第1標本の分散と第2標本の分散とが互いに異なるか否かのF検定を行う(S627)。ステップS627では、CPU11は、ステップS617と同様の計算を行う。またCPU11は、第1標本における比較対象の値の推定値をV1 とし、第1標本の偏差平方和S1 =V1 (n1 −1)を計算し、信頼区間をS1 /χ2 (φ1 ,α/2)<V1 <S1 /χ2 (φ1 ,1−(α/2))と決定する処理を行う。またCPU11は、第2標本における比較対象の値の推定値をV2 とし、第2標本の偏差平方和S2 =V2 (n2 −1)を計算し、信頼区間をS2 /χ2 (φ2 ,α/2)<V2 <S2 /χ2 (φ2 ,1−(α/2))と決定する処理を行う。尚、第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差があるとは言えない場合に、CPU11は、共通する信頼区間を(S1 +S2 )/χ2 (φ1 +φ2 ,α/2)<V3 <(S1 +S2 )/χ2 (φ1 +φ2 ,1−(α/2))としてもよい。ここで、V3 は共通の推定値でV3 =(S1 +S2 )/{(n1 −1)+(n2 −1)}である。
CPU11は、次に、ステップS627でのF検定の結果に応じて、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データのバラツキに差があるか否かを判定する(S628)。ステップS627で第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差があるとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データのバラツキに差があると判定する。またステップS627で第1標本の分散と第2標本の分散との間に有意差はあるとは言えないとの検定結果が得られた場合は、CPU11は、二つの航空便を利用した場合の特定の通過時刻、経過時間又は比較データのバラツキに差は無いと判定する。CPU11は、次に、ステップS522の統計計算処理を終了し、処理をメインの処理へ戻す。
ステップS522の統計計算処理が終了した後は、CPU11は、まず、推測値又は統計量等の統計計算処理で計算された値の中に、データ変換されたデータがあるか否かを判定する。データ変換されたデータがある場合は、CPU11は、予め記憶部14又はコンピュータプログラム15に定められた方法により、統計計算処理で計算された値のデータ逆変換を行う。例えば、ロジット変換の逆変換は、P=1/[1+exp{−L(P)}]という式を使って行われる。CPU11は、次に、統計計算処理に使用したサンプルの特徴及び統計計算処理の計算結果に応じて、記憶部14に記憶してある説明データから、統計計算処理の計算結果を説明するための説明文を抽出する処理を行う(S523)。図18及び図19は、説明データの内容例を示す概念図である。統計計算処理で用いた第1のサンプル集合の特徴、第2のサンプル集合の特徴、及び統計計算処理により得られる各種統計量に、説明文が関連付けられている。統計計算処理で予測又は統計量計算の処理を行った場合は、第1のサンプル集合は、抽出した複数通りのサンプルに対応する。また統計計算処理で比較予測を行った場合は、第1のサンプル集合が母集団に対応して第2のサンプル集合が標本に対応するか、又は第1のサンプル集合が第1標本に対応して第2のサンプル集合が第2標本に対応する。説明文は、計算結果の信頼性に対する簡単なコメントと、計算結果の信頼性に対するより詳しい判断結果と、計算結果を踏まえて使用者がどう行動するべきかのアドバイスとからなる。図19は、各説明文の内容例を示している。説明データでは、統計計算処理で用いた情報の特徴と統計計算処理の結果とに対して、適切な説明文が予め関連付けられている。例えば、サンプルに含まれる情報の取得期間が一カ月以下である場合は、月が変わることによる変動が考慮されていないことを説明する説明文が関連付けられている。
CPU11は、次に、計算結果及び説明文のデータを通信部16に入出力装置7へ送信させる(S524)。このとき、CPU11は、送信先の入出力装置7を、通知先として指定された入出力装置7とする。通知先として指定された入出力装置7が無い場合は、移動過程予測の要求の送信元の入出力装置を送信先の入出力装置7とする。入出力装置7は、計算結果及び説明文のデータを受信し、計算結果及び説明文を表示部又はスピーカで出力し(S525)、処理を終了する。
以上説明したように、本発明の移動過程予測システムは、過去に旅行者及び荷物が実際に航空機を利用したときに、空港の各通過地点を通過した通過日時、航空便特定情報及び状況を示す状況情報等を取得し、互いに関連付けて記憶しておく。また本発明の移動過程予測装置1は、特定の航空便特定情報に関連付けられた通過日時及び状況情報を抽出し、多変量解析により、特定の通過地点を通過した通過時刻、特定の二つの通過地点を通過する間の経過時間、又は航空機への乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果を示す比較データと、状況情報に含まれる複数の項目との関係を表す回帰式を求める。求められた回帰式は、年齢等の旅行者の状態、空港の違い、空港の状態、席番号等の旅行者が航空便を利用した条件、一旦確定した条件の変化及び気象状態等、航空機を利用する際の種々の条件が特定の通過時刻、経過時間又は比較データに与える影響の大きさを表す。また移動過程予測装置1は、利用する予定の航空便に関して求めた回帰式に、航空便を利用する際の予測される状況の内容を入力することにより、特定の通過時刻、経過時間又は比較データの予測区間又は信頼区間を含む予測値を計算する。特定の通過時刻を、到着空港の出口の通過時刻とすれば、到着空港を出る時刻が予測される。特定の経過時間を、出発空港の最初の通過地点から最後の通過地点まで移動する間に経過する時間とすれば、出発空港での必要な滞在時間が予測される。特定の比較データを、出発空港での搭乗ゲートを通過した日時と搭乗ゲートが閉鎖される日時との時間差であるとすれば、搭乗ゲートでの時間の余裕が予測される。得られた予測値は、過去の実際の通過時刻、経過時間又は比較データと航空便を利用する際の状況との関係から最小二乗法により導き出されたものであるので、従来よりも確からしい値となり、使用者は、従来よりも正確に移動に係る時間を予測することが可能となる。このため、旅行者が移動スケジュールを作成する際には、より正確な移動スケジュールを作成することが可能となり、効率的な移動が可能となる。本実施の形態では、予測したい項目を選択メニューから選択する事と、予測したい条件を解析項目又は抽出条件項目に入力する事とを行うだけで、統計及び運輸に関する専門知識の無い一般の使用者でも簡単に予測値を得ることができる。
また本発明の移動過程予測装置1は、二つの航空便特定情報の夫々に関連付けられた通過日時を抽出し、夫々の航空便特定情報について抽出したサンプル数に応じた適切な検定方法を用いて、二つの航空便を用いたときの特定の通過時刻、経過時間又は比較データに差があるか否かを判定する。過去の実績を適切な検定方法を用いて検定するので、移動過程予測装置1は、二つの航空便を用いたときの特定の通過時刻、経過時間又は比較データに差があるか否かを正確に判定し、信頼区間の計算を含む推定を行うことができる。また移動過程予測装置1は、航空便を利用する際の予測される状況を示す状況情報の一部を受け付け、通過日時のサンプルを抽出する際に、受け付けた状況情報と同等な内容の状況情報に関連付けられたサンプルを抽出することにより、抽出するサンプルを絞り込む。多種多様なデータの中から使用者の目的に合ったサンプル抽出を可能にするので、これも旅行者等の使用者が確からしい予測値を得る手助けとなっている。また、同時に、計算に必要なデータ量を削減し、計算の負担を軽減する結果ももたらされる。予測の場合と同様に、使用者は、専門知識を持たずとも、簡単な操作で素早く比較予測の結果を得ることができる。
更に、本発明の移動過程予測装置1は、統計計算処理で利用する情報の量又は取得した時期等の特徴と統計計算処理で得られる結果に関連付けて予め記憶してある説明文を、実際の統計計算処理の結果と共に出力する。統計計算処理では各種の統計量が計算されるものの、専門家でない使用者にとっては、統計量の意味がわからず、得られた結果の信頼性も不明である。そこで、統計計算処理の結果に応じた説明文が出力されることにより、使用者は、統計計算処理の結果を理解することが可能となり、移動過程の予測結果に応じてより現実的な移動スケジュールを作成することが可能となる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、本発明が行う他の処理形態を説明する。移動過程予測システムの構成は実施の形態1と同様である。図20は、実施の形態2に係る移動過程予測システムが実行する移動過程予測の処理の手順の一部を示すフローチャートである。移動過程予測システムシステムは、実施の形態1と同様にステップS501〜S517の処理を実行する。但し、移動過程予測装置1のCPU11は、ステップS507で、解析項目を含まない入力メニューを表示するためのメニュー用データを通信部16に入出力装置7へ送信させる。入出力装置7は、ステップS508で、解析項目を含まない入力メニューを表示部に表示し、ステップS509で航空便特定情報を入力される。またCPU11は、行うべき処理内容が予測又は統計量計算である場合、ステップS512で、入力された航空便特定情報と同等な内容の航空便特定情報に関連付けられた予測対象の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの値と、同等な航空便特定情報に関連付けられた状況情報の内で予め定められた複数の項目との組み合わせでなるサンプルを抽出する。またCPU11は、行うべき処理内容が比較予測である場合、ステップS512で、入力された航空便特定情報と同等な内容の航空便特定情報に関連付けられた比較対象の特定の通過時刻、経過時間又は比較データの値と、同等な航空便特定情報に関連付けられた状況情報の内で予め定められた複数の絞り込み項目との組み合わせでなるサンプルを比較される二つの航空便の夫々について抽出する。
ステップS515で複数通りのサンプルがある場合、CPU11は、抽出したサンプルに含まれる状況情報の各項目のデータ範囲を特定する(S711)。例えば、サンプル数が3であって、到着時刻の内容が夫々12:00、12:30、13:00である場合は、到着時刻の項目のデータ範囲を12:00〜13:00とする。行うべき処理内容が比較予測である場合は、二つの航空便の夫々について各項目のデータ範囲が特定され、行うべき処理内容が予測又は統計量計算である場合は、各項目のデータ範囲は一通りだけ特定される。CPU11は、次に、特定した各項目のデータ範囲を示す情報を、通信部16に入出力装置7へ送信させる(S712)。入出力装置7は、各項目のデータ範囲を示す情報を受信し、状況情報の各項目のデータ範囲を示すとともに、各項目の内容を入力するための入力メニューを表示部に表示する(S713)。
図21は、実施の形態2における入力メニューの例を示す概念図である。図21には、行うべき処理内容が到着空港退場時刻予測である場合の入力メニューの例を示す。入力すべき解析項目の夫々に付属して、特定されたデータ範囲が表示される。使用者は、表示されたデータ範囲に含まれる内容を入力する。なお、データ範囲は、サンプルに含まれる内容を列挙することで表示されてもよい。行うべき処理内容が比較予測又は統計量計算である場合でも、同様に、絞り込み条件項目の夫々に付属して、特定されたデータ範囲が表示される。使用者は、表示されたデータ範囲を参考にして、状況情報の各項目の内容を入力する。なお、データ範囲を外れた内容を入力することも可能である。使用者が入力を行う際には、データ範囲に含まれる内容を入力する傾向がある。また、データ範囲外には入力できない設定とする事も可能である。データ範囲に含まれる内容を入力された場合は、移動過程予測装置1は、データ範囲に入力された状況情報が含まれるサンプルに基づいて統計計算処理を行うので、計算の精度が向上する。具体的には、量的変数の場合、範囲に含まれる値の平均値により近い状況情報を入力して予測する程、得られる予測値の信頼区間及び予測区間は狭くなる。又、質的変数の場合、列挙された範囲データと同じ値を入力するほど計算精度が向上する。更に、比較予測及び統計量計算においては、絞り込みの可能な範囲を使用者に示す事ができ、範囲外に絞込み指定する事を抑止する効果がある。
入出力装置7は、使用者の操作により入力すべき状況情報の各項目の内容を入力する(S714)。入出力装置7は、入力された情報を移動過程予測装置1へ送信し(S715)、移動過程予測装置1は、入出力装置7から送信された情報を通信部16で受信する。CPU11は、次に、入力された状況情報の各項目に基づいて、サンプルを絞り込む処理を行う(S716)。行うべき処理内容が予測である場合、CPU11は、状況情報の内で内容が入力されなかった項目をサンプルから削除する。行うべき処理内容が比較予測又は統計量計算である場合、CPU11は、入力された内容と同等な内容の状況情報に関連付けられた、比較予測又は統計量計算の対象となる特定の通過時刻、経過時間又は比較データの値でなるサンプルを、元のサンプルから抽出する。CPU11は、次に、ステップS518以降の処理を実行する。
また移動過程予測装置1は、ステップS506で入力項目を選定する際に、回帰式に取り込まれる率が低い解析項目を入力項目から除く形態であっても良い。CPU11は、ステップS522でF値による説明変数の取捨選択を終了した際に、予測を行った回数と、各解析項目毎の回帰式に取り込んだ回数とをカウントし、予測回数に対する取込回数の割合である取込率と予測回数とを記憶部14の設定データに記録する。次に、CPU11は、ステップS506で、予め設定されている解析項目の夫々について、記録した予測回数が所定回数を超え、記録した取込率が所定の率を下回った解析項目を除外した入力項目を選定する。例えば、CPU11は、予測を100回行った後のステップS506で、取込率が1%を下回った解析項目を予め設定された入力項目から除外した入力項目を選定する。多くのデータを処理する多変量解析において、説明変数となる解析項目を減らす事は、計算負荷の軽減及び計算のスピードアップをもたらす。特に天気又は曜日等の沢山の状態を示す質的変数は、ダミー変換された場合に(状態の数−1)個の説明変数を必要とするので、これらの質的変数が除外されることによって計算負荷は大幅に減少する。また、移動過程予測装置1は、取込率の低い項目と入れ替えるべき項目を設定データに予め記録しておき、CPU11は、予測回数が所定回数を超えたステップS506で、取込率が所定の率を下回った項目と入れ替えて入力項目を選定する形態であってもよい。尚、解析項目の除外又は入れ替え等の設定データの変更があっても予め設定された初期データは、変化なく保持される。
また、回帰診断の項目の一つである多重共線性の強い説明変数を検出する工程は、実施の形態1においては回帰式を決定した後に行われるが、実施の形態2においては、回帰式の決定前に行われる。図22は、実施の形態2におけるステップS522の統計計算処理の手順の一部を示すフローチャートである。ステップS601で、行うべき統計計算処理が通過時刻、経過時間又は比較データの予測である場合、CPU11は、抽出したサンプルに基づき、サンプルに含まれる予測対象となる通過時刻、経過時間又は比較データを目的変数とし、状況情報の項目を説明変数として、目的変数及び複数の説明変数の互いの相関係数を計算することにより、相関係数行列を作成する(S721)。CPU11は、次に、作成した相関係数行列に基づき、説明変数間の相関係数の絶対値が所定の閾値以上となる説明変数の組み合わせがあるか否かを判定する(S722)。閾値としては、1より小さい正の値を定めておく。例えば、閾値=0.6としておく。説明変数間の相関係数の絶対値が所定の閾値以上となる説明変数の組み合わせがある場合は(S722:YES)、CPU11は、説明変数間の相関係数の絶対値が所定の閾値以上となる説明変数の組み合わせの内、目的変数との相関係数が小さい方の説明変数を、サンプルから除去又はマスクする(S723)。尚、複数の説明変数で構成されたダミー変数、二乗変数及びその元となる説明変数、並びに交互作用変数及びその元となる説明変数は、夫々、元々互いに相関があり、記憶部14に記憶された設定データで関連付けられている。CPU11は、設定データで互いに関連付けた説明変数に対しては、説明変数間で相関係数が閾値以上であっても除去又はマスクを行わない。またCPU11は、複数の説明変数で構成されたダミー変数の一つが、関連付けられた他のダミー変数以外の説明変数との間で閾値以上の相関係数を示し、このダミー変数を除去又はマスクするときは、このダミー変数に関連付けられた他のダミー変数も除去又はマスクする。CPU11は、同様に、二乗変数の元となる説明変数が二乗変数以外の説明変数との間で閾値以上の相関係数を示し、この説明変数を除去又はマスクするときは、二乗変数も除去又はマスクする。同様に、CPU11は、交互作用変数の元となる複数の説明変数の一つが当該複数の説明変数の内の他の説明変数及び交互作用変数以外の説明変数との間で閾値以上の相関係数を示し、この説明変数を除去又はマスクするときは、交互作用変数も除去又はマスクする。ステップS723が終了した後、又はステップS722で説明変数間の相関係数の絶対値が所定の閾値以上となる説明変数の組み合わせがない場合は(S722:NO)、CPU11は、ステップS602以降の処理を実行する。
また移動過程予測装置1は、回帰分析を行う前に他の方法を用いて多重共線性の強い説明変数を除去する形態であってもよい。例えば、CPU11は、互いの相関係数の絶対値が所定の閾値以上となる説明変数の組み合わせがある場合、説明変数の数が10以上等多いときは目的変数との相関係数が小さい方の説明変数を除去又はマスクし、説明変数の数が10未満等少ないときは二つの説明変数を掛け合わせるか又は合算した新たな説明変数を追加する。多重共線性の強い二つの説明変数の積又は和である追加された新たな変数は、多重共線性を弱める役割を果たす。またCPU11は、新たな変数を追加した後、相関係数行列を再度作成する処理を行ってもよい。
実施の形態1では、多重共線性の強い説明変数を解析から除去することにより、予測精度が向上するものの、回帰式決定後の回帰診断で多重共線性の強い変数を除去するので、回帰式を再計算する必要がある。この為、大量のデータを扱う場合は、移動過程予測装置1の計算負荷及び計算時間が大幅に増大する。しかしながら、実施の形態2では、回帰式の再計算を必要とせず、移動過程予測装置1の計算負荷及び計算時間が軽減される。
また、実施の形態1においては、未来の旅行者又は荷物が移動する際の状況を示す状況情報の一部を入出力装置7で入力され、入力された状況情報を移動過程予測装置1で回帰式中の説明変数へ代入することにより特定の通過時刻、経過時間又は比較データの予測値を計算した。実施の形態2では、実施の形態1と異なり、入出力装置7は、状況情報の入力を行わず、移動過程予測装置1は、設定データで予め定められた状況情報中の複数の項目を説明変数として、回帰式を求める処理を行う。移動過程予測装置1は、求めた回帰式を入出力装置7へ送信し、入出力装置7は、必要な状況情報の内容を入力され、入力された状況情報の内容を回帰式中の説明変数へ代入することにより、特定の通過時刻、経過時間又は比較データの予測値を計算する。また、移動過程予測装置1は、求めた回帰式と共に、ステップS711で特定したデータ範囲を送信してもよい。この実施形態では、移動過程予測装置1は、使用者が入力する状況情報の内容を変更する都度、回帰式を求める処理を行う必要が無い。従って、使用者が入出力装置7に入力する状況情報の内容を様々に変更させて種々の状況での特定の通過時刻、経過時間又は比較データの予測値を調べることが容易となる。また、説明変数以外の変数を入力項目とすることも可能である。入出力装置7の表示する入力画面では、回帰式の全ての変数に対して入力が可能であり、求めたい一つの変数以外の変数に値を入力すれば、求めたい変数の解が得られる。従って、求めたいある一つの説明変数以外の変数に値を入力し、求めたい説明変数の値を得ることも出来る。他の利点としては、使用者が種々の状況での特定の通過時刻、経過時間又は比較データの予測値を調べる際に、移動過程予測装置1の計算の負担が軽減される。
また、実施の形態1においては、移動過程予測の処理において、許容範囲以上に航空機の発着日時が異なり、しかもイベント履歴データに変更情報が無い場合に、交通機関の異常を示す情報を少なくとも航空便名と出発日を含む航空便特定情報に関連付け、移動過程予測の処理において、サンプルを除去又はマスクする処理を行う形態を示した。実施の形態2では、実施の形態1と異なり、移動過程予測装置1は、多変量データに情報を記録する際に、交通機関の異常を示す情報が関連付けられたサンプルを予め除去する処理を行う。なお、情報取得装置2が、移動経過データに情報を記録する際に、交通機関の異常を示す情報が関連付けられたサンプルを予め除去する処理を行ってもよい。この実施形態では、移動過程予測装置1が移動過程予測の処理において抽出するサンプルが減少し、また交通機関の異常を示す情報が関連付けられたサンプルを除去又はマスクする処理が不必要となるので、移動過程予測装置1の計算の負担が軽減される。尚、実施の形態2では、移動物体の異常を示す情報に関連付けられたサンプルに対しても同様な処理を行う。
以上の実施の形態1及び2における予測処理は、目的変数が量的変数である場合であったが、目的変数に質的変数を使った場合は、判別分析又は数量化二類分析を行う事が出来る。例えば、記憶部14の多変量データに記録された比較データが判別値である場合は、目的変数が質的となり、説明変数が全て質的変数であるときに数量化二類分析が行われ、説明変数の何れかが量的であるときに判別分析が行われる。質的な目的変数が判別値でない場合は、解析前にダミー変換されることにより、目的変数は判別値に変換され、同様な処理が行われる。よって、どちらの場合も得られる予測値は0〜1の数値となり、これをデータ逆変換することにより判別予測が得られる。例えば、乗換可能な場合に「1」を示し乗換不可能な場合に「0」を示す判別値を目的変数にした場合、予測値は0〜1の数値となり、CPU11は、記憶部14に予め設定した「Y≦0.5の場合は乗換不可能、Y>0.5の場合は乗換可能」とするデータ逆変換式を用い、乗換可否の判定を行う。また、CPU11は、信頼区間又は予測区間に代えて、正答率及び誤答率を計算し、判定結果に添付する。正答率は、解析に用いたサンプル数の内で回帰式が示す判定結果と一致するサンプルの数の割合である。誤答率は、回帰式が示す判定結果と一致しないサンプルの数の割合である。
また、実施の形態1及び2における予測、比較予測、及び統計量計算処理では、目的変数となる項目が通過時刻、経過時間又は比較データであったが、これらの項目以外の項目も目的変数とする事が出来る。記憶部14に設定されている選択メニュー、設定データ及び入力メニューの項目を変更する事で、通過時刻、経過時間又は比較データ以外の項目を目的変数とすることができる。例えば、予測項目、比較項目又は統計量計算項目に、空席率をとり、計算する事も可能である。尚、この場合空席率は統計計算前にロジット変換等の方法で変換され、計算後に逆変換される。
また、実施の形態1及び2における予測、比較予測、及び統計量計算処理では、抽出条件項目が航空便特定情報に含まれる項目であり、絞り込み条件項目が状況情報に含まれる項目であるとしたが、これらの項目以外の項目も抽出条件項目又は絞り込み条件項目とすることができる。即ち、抽出条件項目は、状況情報に含まれる項目、又は通過時刻、経過時間若しくは比較データの内で目的変数となる項目以外の項目であってもよい。また、絞り込み条件項目は、航空便特定情報に含まれる項目、又は通過時刻、経過時間若しくは比較データの内で目的変数となる項目以外の項目であってもよい。
また、実施の形態1及び2における予測処理では、説明変数となる項目が状況情報に含まれる項目であるとしたが、本発明では、多変量データに含まれる状況情報以外の情報も説明変数とすることができる。例えば、航空便特定情報に含まれる項目を説明変数とすることが可能である。また、通過時刻、経過時間及び比較データの内、目的変数となる項目以外の項目を説明変数とすることができる。例えば、通過時刻が目的変数となる場合に経過時間又は比較データを説明変数とすることが可能であり、また、No.aのチェック機21のある通過地点での通過時刻を目的変数とし、No.bのチェック機21のある通過地点での通過時刻を説明変数とすることも可能である。記憶部14に設定されている選択メニュー、設定データ及び入力メニューの項目を変更する事で、状況情報以外の項目を説明変数とすることができる。ステップS512でのサンプル抽出の際には、状況情報以外の情報を含むサンプルが抽出される。
また、実施の形態1及び2における比較予測の処理は、二つの項目を比較する処理であるとしたが、本発明では、比較予測の処理において、三つ以上の項目を比較する処理を行ってもよい。例えば、三つ以上の項目に含まれる二つの項目の全ての組み合わせについて、実施の形態1又は2で説明した比較予測の処理を行うことにより、三つ以上の項目を比較することが可能である。
更に、実施の形態1及び2における予測、比較予測、及び統計量計算処理では、図12〜図15で示すように、サンプルを多変量データから抽出するための条件である抽出条件項目に対応する情報を、航空便特定情報としたが、本発明では、抽出条件項目に対応する情報として、この目的を満足する航空便特定情報以外の情報を用いてもよい。例えば、移動物体の移動経路の始点及び終点の位置情報等の移動経路を示す情報を、抽出条件項目に対応する情報にしてもよい。より具体的には、位置情報は、出発及び到着空港名、又は移動の始点及び終点となる空港設備名等である。又は、空港設備名に代えて、移動の始点及び終点となるチェック機21の位置情報又はIDであってもよい。更に、抽出条件項目に対応する情報を削除する事も可能である。移動過程予測装置1は、ステップS512で、抽出条件項目に対応する情報を使った抽出を含めなくとも、ステップS511で選定した抽出項目のみを使って抽出する事ができるので、解析可能である。尚、これらの場合、記憶部14に記憶された設定データにおいては、抽出条件項目から除かれた情報を解析項目又は絞込条件項目に含め、解析項目又は絞込条件項目から除かれた情報を抽出条件項目に含める事となる。抽出条件項目に対応する項目の数が減少した場合は、抽出される情報の数は増えるので、移動過程予測装置1での計算負荷及び計算時間が増加する。
なお、以上の実施の形態においては、チケット31又は荷札32に記録されたIDを取得する形態を示したが、本発明においては、IDを記録する媒体として携帯電話機又は磁気カード等、その他の媒体を用いてもよい。また本発明で用いる識別情報は、どの交通機関でも使える固有情報であってもよい。例えば、人の識別情報として、指紋等の生体情報を利用し、異なる会社が運営する鉄道、バス又は航空機で共通の識別情報を使えるようにしてもよい。また、本発明においてバーコードリーダーは、生体認証装置又は非接触ICカードリーダーライターであってもよい。また本発明においては、使用者が使用する入出力装置7は、空港に設置してあって不特定の者が使用できる入出力装置であってもよい。また、以上の実施の形態においては、交通機関を航空機とし、発着施設を空港であるとしたが、本発明は特定の時刻に繰り返し運航を行う交通機関であれば他の交通機関についても適用が可能である。例えば、交通機関は列車、バス、タクシー、自家用車、雪上車、馬車、ロープウェイ、ケーブルカー、リニアモータカー、ホバークラフト、潜水艇又は船であってもよい。また将来的にはエアロトレイン及び宇宙船も交通機関に該当する。発着施設は駅、バスターミナル、又は港であってもよい。また発着施設は、空港又は駅等に付属する駅ビル、停留所、車庫、整備場、折返し場、集配場、集合解散場所、ロータリー、連絡道及び地下道等、チェック機21を配置できる付属エリアをも含んでいる。また、以上の実施の形態においては、移動物体は旅行者又は荷物であるとしたが、本発明における移動物体は、特定の時刻に繰り返し運航を行う交通機関を利用して移動する物体であれば、人を含むどのような物体であってもよい。更に、以上の実施の形態において、通過日時を計測するタイミングは、チェック機21が行う情報取得処理の後半のタイミングであるとしたが、前半のタイミング等の別のタイミングであってもよい。最後に、本発明では統計計算結果を未来を予測する推測値として説明してきたが、統計結果は過去の結果を集計したものであるので、過去の実績をまとめた実績データとして、経営改善や生産性向上等に役立てることも可能である。
1 移動過程予測装置
10 記録媒体
11 CPU
12 RAM
13 ドライブ部
14 記憶部
15 コンピュータプログラム
16 通信部
2 情報取得装置
201 CPU
202 RAM
203 時計部
204 記憶部
205 インタフェース部
206 通信部
21 チェック機
31 航空チケット
32 荷札
4 交通機関情報記憶装置
5 気象情報記憶装置
7 入出力装置
N 通信ネットワーク

Claims (14)

  1. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、
    交通機関の発着施設にて複数の通過点の夫々を実際に移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、
    前記移動物体が利用した交通機関を特定する交通機関特定情報を取得する手段と、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの状況を示す状況情報を取得する手段と、
    前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、
    過去の移動物体の夫々について、各通過点での通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、交通機関特定情報、状況情報、乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を互いに関連付けた関連付けデータを、記憶する手段と、
    該手段から、特定の通過点に係る通過日時、乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間が含まれる関連付けデータ中で前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、回帰分析、又は平均若しくは分散を推定する統計計算により、未来の移動物体が特定の通過点を通過する通過時刻、特定の交通機関における未来の乗り込み終了日時に対する特定の通過点に係る通過日時の比較結果又は未来の移動物体が特定の二つの通過点を通過する間に経過する経過時間の推測値を計算する手段と
    を備えることを特徴とする移動過程予測システム。
  2. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、
    交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、
    前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、
    前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、
    未来の移動物体の移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、
    該移動過程予測装置は、
    過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、
    未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、
    前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付ける手段と、
    求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算する手段と、
    計算した通過時刻、前記比較結果又は経過時間を出力する手段と
    を有することを特徴とする移動過程予測システム。
  3. 前記移動過程予測装置は、
    任意の移動物体が利用する候補の複数通りの交通機関を特定する複数通りの交通機関特定情報、又は前記複数通りの交通機関を利用するときの状況を示す複数通りの状況情報、並びに、前記移動物体が前記複数通りの交通機関の夫々を利用する場合に特定の通過点を通過する通過時刻、前記複数通りの交通機関での乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する経過時間を、互いに比較することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、受け付けた交通機関特定情報若しくは状況情報と内容が同等な交通機関特定情報若しくは状況情報に関連付けられた前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関特定情報若しくは前記状況情報に関連付けられた乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間を、前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について複数個ずつ抽出する手段と、
    前記複数通りの交通機関特定情報又は複数通りの状況情報の夫々について、抽出した前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間の平均値及び分散を計算し、計算した前記平均値又は前記分散の間に差があるか否かを検定する統計計算を行う手段と、
    前記統計計算による検定結果を出力する手段と
    を更に有することを特徴とする請求項2に記載の移動過程予測システム。
  4. 前記移動過程予測装置は、
    前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報の一部の項目の値を受け付ける受付手段と、
    前記記憶手段から抽出すべき前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間を、前記受付手段で受け付けた前記一部の項目の値に関連付けられた前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に限定する手段と
    を更に有することを特徴とする請求項2又は3に記載の移動過程予測システム。
  5. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、
    交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、
    前記移動物体が利用した交通機関を特定する交通機関特定情報を取得する手段と、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、
    前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、
    未来の移動物体の移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、
    該移動過程予測装置は、
    過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、
    任意の移動物体が利用する候補の複数通りの交通機関を特定する複数通りの交通機関特定情報、又は前記複数通りの交通機関を利用するときの状況を示す複数通りの状況情報、並びに、前記移動物体が前記複数通りの交通機関の夫々を利用する場合に特定の通過点を通過する通過時刻、前記複数通りの交通機関での乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する経過時間を、互いに比較することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、受け付けた交通機関特定情報若しくは状況情報と内容が同等な交通機関特定情報若しくは状況情報に関連付けられた前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関特定情報若しくは前記状況情報に関連付けられた乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間を、前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について複数個ずつ抽出する手段と、
    前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について、抽出した前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間の平均値及び分散を計算する手段と、
    前記複数通りの交通機関特定情報又は前記複数通りの状況情報の夫々について計算した前記平均値又は前記分散の間に差があるか否かを検定する統計計算を行う手段と、
    前記統計計算による検定結果を出力する手段と
    を有することを特徴とする移動過程予測システム。
  6. 前記移動過程予測装置は、
    抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる各項目の値の範囲を検出する手段と、
    任意の移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付ける前に、検出した前記値の範囲を出力する手段と
    を更に有することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか一つに記載の移動過程予測システム。
  7. 前記移動過程予測装置は、
    前記統計計算で利用すべき情報の特徴、及び前記統計計算で得られるべき複数通りの計算結果の夫々に関連付けて、計算結果を説明する説明文を記憶してある手段と、
    前記統計計算で実際に利用した情報の特徴、及び前記統計計算で実際に得られた計算結果に関連付けて記憶してある説明文を抽出する手段と、
    抽出した説明文を出力する手段と
    を更に有することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一つに記載の移動過程予測システム。
  8. 取得された交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一部の内容が変更された場合に、変更内容を取得する手段と、
    任意の移動物体が任意の通過点を通過したときの当該移動物体の状態が、予め定められている判定基準から外れた状態である場合に、エラーの判定を行う手段とを更に備え、
    前記移動過程予測装置は、
    前記記憶手段で記憶している交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一部の内容を、取得された変更内容に変更する手段と、
    状況情報の一部の内容が変更されたことを示す変更情報、及びエラーの判定が行われたことを示すエラー情報を、状況情報に含まれる項目として前記記憶手段に記憶させる手段と、
    前記記憶手段から抽出した情報の内、予定より所定の許容範囲以上に異なっている交通機関の発着日時が関連付けられており、しかも前記変更情報が関連付けられていない情報、又は過去の通過日時から計算される通過時刻の平均よりも許容範囲以上に異なっている移動物体の各通過点の通過時刻が関連付けられており、しかも前記エラー情報が関連付けられていない情報を、前記統計計算の対象から除外する手段と
    を更に有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一つに記載の移動過程予測システム。
  9. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、
    交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、
    前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、
    移動物体の未来における移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、
    該移動過程予測装置は、
    過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、取得された交通機関特定情報、及び取得された状況情報を互いに関連付けた関連付けデータを、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、
    移動物体が未来において通過する特定の通過点の通過時刻を予測することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、特定の通過点に係る通過日時と、該通過日時が含まれる関連付けデータ中で前記通過日時に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻を目的変数とし、抽出した前記他の情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、
    前記説明変数に対応する情報の未来における内容を受け付ける手段と、
    求めた回帰式に、受け付けた情報の内容を代入することにより、予測すべき通過時刻を計算する手段と、
    計算した通過時刻を出力する手段と
    を有することを特徴とする移動過程予測システム。
  10. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、
    交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、
    前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、
    移動物体の未来における移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、
    該移動過程予測装置は、
    過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、及び取得された状況情報を互いに関連付けた関連付けデータを、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、
    移動物体が未来において特定の二つの通過点を通過する間の経過時間を予測することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、該経過時間が含まれる関連付けデータ中で前記経過時間に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記経過時間を目的変数とし、抽出した前記他の情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、
    前記説明変数に対応する情報の未来における内容を受け付ける手段と、
    求めた回帰式に、受け付けた情報の内容を代入することにより、予測すべき経過時間を計算する手段と、
    計算した経過時間を出力する手段と
    を有することを特徴とする移動過程予測システム。
  11. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測システムにおいて、
    交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定する手段と、
    前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得する手段と、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得する手段と、
    前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定する手段と、
    移動物体の未来における移動過程を予測する移動過程予測装置とを備え、
    該移動過程予測装置は、
    過去の移動物体の識別情報、各通過点で特定された通過日時、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を互いに関連付けた関連付けデータを、過去の複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、
    移動物体が未来において利用する交通機関への乗り込み終了日時と前記移動物体が未来において通過する特定の通過点の通過日時との比較結果を予測することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、前記交通機関への乗り込み終了日時に対する前記通過点の通過日時の比較結果と、該比較結果が含まれる関連付けデータ中で前記比較結果に関連付けられた他の情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記比較結果を目的変数とし、抽出した前記他の情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、
    前記説明変数に対応する情報の未来における内容を受け付ける手段と、
    求めた回帰式に、受け付けた情報の内容を代入することにより、予測すべき比較結果を計算する手段と、
    計算した比較結果を出力する手段と
    を有することを特徴とする移動過程予測システム。
  12. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する方法において、
    交通機関の発着施設にて移動物体が通過すべき複数の通過点の夫々に設けてあるチェック機を用いて、当該通過点を通過した移動物体を識別する識別情報を取得し、当該通過点を前記移動物体が通過した通過日時を特定し、
    コンピュータで、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報を取得し、
    前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報を取得し、
    前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時を特定し、
    過去の移動物体の識別情報、各通過点で取得された通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、取得された交通機関特定情報、取得された状況情報、前記交通機関特定情報で特定される交通機関について特定された乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、複数の移動物体別に記憶し、
    未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付け、
    記憶内容から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出し、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行い、
    前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付け、
    求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算し、
    計算した通過時刻、前記比較結果又は経過時間を出力すること
    を有することを特徴とする移動過程予測方法。
  13. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する移動物体の移動過程を予測する移動過程予測装置において、
    過去の移動物体を識別する識別情報、交通機関の発着施設にて複数の通過点の夫々を前記移動物体が通過した通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を、互いに関連付けて、複数の移動物体別に記憶する記憶手段と、
    未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付ける手段と、
    前記記憶手段から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出する手段と、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行う手段と、
    前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付ける手段と、
    求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算する手段と、
    計算した通過時刻、前記比較結果又は経過時間を出力する手段と
    を備えることを特徴とする移動過程予測装置。
  14. 特定の時刻に繰り返し運行される交通機関を利用して移動する過去の移動物体を識別する識別情報、交通機関の発着施設に設けられた複数の通過点の夫々を前記移動物体が通過した通過日時、各通過日時から計算される二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過した経過時間、前記移動物体が利用した交通機関を複数の項目で特定する交通機関特定情報、前記移動物体が前記交通機関を利用したときの複数の項目で特定される状況を示す状況情報、前記交通機関で移動物体の乗り込みを実際に終了させた乗り込み終了日時、及び該乗り込み終了日時に対する各通過日時の比較結果を互いに関連付けて複数の移動物体別に記憶するコンピュータに、未来の移動物体が通過を予定する特定の通過点の通過時刻、前記移動物体が利用を予定する交通機関の乗り込み終了日時に対する前記特定の通過点に係る通過日時の比較結果、又は特定の二つの通過点を前記移動物体が通過する間に経過する予定の経過時間を予測することの要求を受け付け、前記移動物体が利用を予定する交通機関を特定する交通機関特定情報又は前記交通機関を利用するときの状況を示す状況情報を受け付けた場合に、移動物体の移動過程を予測する処理を実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    記憶内容から、前記特定の通過点に係る通過日時、前記交通機関の乗り込み終了日時に対する前記通過日時の比較結果、又は前記特定の二つの通過点に係る経過時間と、前記通過日時、前記比較結果又は前記経過時間に関連付けられた交通機関特定情報又は状況情報との組み合わせを、複数通り抽出するステップと、
    抽出した複数通りの前記組み合わせに基づいて、前記通過日時から計算される通過時刻、前記比較結果又は前記経過時間を目的変数とし、抽出した交通機関特定情報又は状況情報に含まれる一又は複数の項目を説明変数として、回帰式を求める統計計算を行うステップと、
    求めた回帰式に、受け付けた交通機関特定情報又は状況情報を代入することにより、予測すべき通過時刻、交通機関での乗り込み終了日時に対する通過日時の比較結果又は経過時間を計算するステップと
    を含む処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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