JP4772249B2 - 電話線上のローカルエリアネットワーク用の電話出口とシステム - Google Patents

Description

【０００１】
［発明の分野]
本発明は有線通信システム（wired communication systems）の分野に関し、特に電話線（telephone lines）を使用したデバイスのネットワーク化（networking）に関する。
【０００２】
［発明の背景］
図１は電話線５で配線された、住宅又は他の建物用の従来技術の電話システム１０の配線構成を示す。住宅電話線５は接続箱（junction box）１６に接続する単線対（single wire pair）から成り、該ボックスは今度はケーブル１７経由で電話網（Public Switched telephone Network）｛ピーエステーエヌ（PSTN）｝１８に接続されるが、該ケーブルは、１つの電話からもう１つへの電話通信（telephony）を確立し、行わせる装置、公共交換器（public switch）１９で成端（terminating）する。用語”アナログ電話通信（analog telephony）”はここでは時には”ピーオーテーエス（POTS）”｛”普通の旧型電話サービス（plain old telephone service）”｝として参照される、典型的に３ｋＨｚ以下で従来型のアナログの低い周波数のオーデイオ音声信号（low-frequency audio voice signal）を示すが、用語”電話通信（telephony）”は一般にサービス総合デジタル網（Integrated Service Digital Network）｛アイエスデーエヌ（ISDN）｝の様なデジタルサービスを含む、何等かの種類の電話サービスを示す。用語”高い周波数（high-frequency）”はここでは、データ用に使用されるそれの様な、かかるアナログ電話通信オーデイオ周波数を実質的に上回る何等かの周波数を示す。アイエスデーエヌは典型的に１００ｋＨｚを超えない周波数を使用する（典型的には該エネルギーは４０ｋＨｚ付近に集中される）。用語”電話線（telephone line）”はここでは主としてアナログ電話通信を担い、配信するよう第１に意図された導電線を示すが、建物内に予め存在し、アナログ電話通信サービスを現在提供する様な線を含んでおり、但しそれに限定はされない。用語”電話デバイス（telephone device）”は、限定されないが、ここではフアックス、音声モデム（voice-modem）、その他の様な電話通信信号を使用する何等かのデバイス（device）のみならず、電話通信用の何等かの装置（apparatus）（アナログ電話通信及びアイエスデーエヌの両者を含む）を示す。
【０００３】
接続箱１６は家庭内回路（in-home circuitry）を該ピーエステーエヌから分離するため使用され、該家庭内の新しい電話出口（telephone outlets）の配線用のみならずトラブルシューテイング用のテスト設備として使用される。複数の電話１３ａ、１３ｂ、そして１３ｃは複数の電話出口１１ａ、１１ｂ、１１ｃ、そして１１ｄを経由して電話線５に接続される。各電話出口はそれぞれ１２ａ、１２ｂ、１２ｃ、そして１２ｄとして図１で示される、コネクター｛屡々”ジャック（jack）”として参照される｝を有する。各電話出口はそれぞれ１４ａ、１４ｂ、そして１４ｃとして図１（３つの電話用に図解された）で示される、コネクター｛屡々”プラグ（plug）”として参照される｝を経由して電話に接続されてもよい。線５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、そして５ｅが電気的に同じ対の導体であることを注意することも重要である。
【０００４】
現在の電話インフラストラクチャー（telephone infrastructure）を電話及びデータの双方のネットワーク化用に使用する要求がある。この方法で、家庭内又は他の建物内に新しいローカルエリアネットワーク（local area network）を確立する課題は簡単化されるが、それは設置するために追加的配線がないからである。クレーン（Crane）への米国特許第４、７６６、４０２号｛以後”クレーン（Crane）”として参照される｝は２線式電話線（two-wire telephone lines）上にラン（LAN）を形成する方法を開示しているが、電話サービスは有しない。
【０００５】
周波数領域分割多重化（frequency domain/division multiplexing）｛エフデーエム（FDM）｝の概念は当該技術で良く知られており、線により担われるバンド幅を、アナログ電話通信信号を担うことが出来る低い周波数バンドとデータ通信他の信号を担うことが出来る高い周波数バンドとに分割する手段を提供する。この様な機構は、例えば、ライヘルト他（Reichert et al.）への米国特許第４、７８５、４４８号（以後”ライヘルト（Reichert）”として参照される）で説明されている。又エックスデーエスエル（xDSL）システム、主として非対称デジタル加入者ループ（Asynmmetric Digital Subscriber Loop）｛エイデーエスエル（ADSL）｝システムは広く使用されている。
【０００６】
この分野の関連従来技術は又デイヒター（Dichter）への米国特許第５、８９６、４４３号｛以後”デイヒター（Dichter）”として参照される｝で開示されている。デイヒターはこの様な技術を住宅電話配線用に応用し、電話とデータ通信の信号を同時に運ぶことを可能にする方法と装置を示唆した最初の人である。該デイヒターのネットワークは図２に図解されるが、それは電話及びローカルエリアネットワークの双方をサービスするネットワーク２０を示す。データ端末装置（Data Terminal Equipment）｛デーテーイー（DTE）｝ユニット２４ａ、２４ｂ、そして２４ｃはそれぞれデータ通信装置（Data Communication Equipment）｛デーシーイー（DCE）｝ユニット２３ａ、２３ｂ、そして２３ｃ経由で該ローカルエリアネットワークへ接続される。データ通信装置の例はモデム（modems）、ラインドライバー（line drivers）、ラインレシーバー（line receivers）、そしてトランシーバー（transceivers）を含む。デーシーイーユニット２３ａ、２３ｂ、そして２３ｃはそれぞれ高域フィルタ（high pass filters）｛エイチピーエフ（HPF）｝２２ａ、２２ｂ、そして２２ｃに接続される。該エイチピーエフは該デーシーイーユニットが電話線５により担われる高い周波数のバンド（high-frequency band）にアクセスすることを可能にする。第１の実施例（図２に示されない）では電話１３ａ、１３ｂ、そして１３ｃはそれぞれコネクター１４ａ、１４ｂ、そして１４ｃを経由して電話線５に直接接続される。しかしながら、該電話により引き起こされる該データネットワークへの干渉を避けるために、第２の実施例が示唆され（図２に示す）、そこでは電話１３ａ、１３ｂ、そして１３ｃを電話線５から分離するために低域フィルタ（low pass filter）｛エルピーエフエス（LPF's）｝２１ａ、２１ｂ、そして２１ｃが追加される。更に、該ピーエステーエヌ配線１７から又はそれへ誘導されるノイズを濾過するために、低域フィルタが又接続箱１６に接続されねばならない。図１がその場合である様に、線５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、そして５ｅは電気的に同じ対の導体であることに注意することが重要である。
【０００７】
しかしながら、該デイヒターネットワークは劣化したデータ通信性能をこうむり、それは下記欠点のためである。
【０００８】
１．該データ通信ネットワークにより使用されたバンド内に誘導されるノイズが該ネットワーク全体に分布する。建物内の電話線は長いアンテナとして働き、建物の外部から、又は空調システム、電気器具（appliances）、他の様な局所的機器により生じる電磁ノイズを受信する。該データ通信ネットワークにより使用される周波数バンド内の電気ノイズは電話線５の端部（図２で線５ｅ又は５ａ）に誘起されて、電話線５を経由して全体システムを通して伝播し得る。これはデータ輸送で誤り（errors）を引き起こしがちである。
【０００９】
２．該配線媒体（wiring media）は１本の長いワイアから成る（電話線５）。この伝送線路（transmission-line）に対する適切なインピーダンス整合（impedance match）を保証するために、該電話線５の各端部にターミネーター（terminators）を設置する必要がある。該電話インフラストラクチャーをデータネットワーク用に使用する利点の１つは、しかしながら、内部配線（internal wiring）を交換することを避けることである。かくして、この様なターミネーターが追加コストで設置されるねばならないか、又はインピーダンスの不整合（impedance mismatch）に付随する性能問題をこうむるか何れかである。
【００１０】
３．該電話１３にエルピーエフ（LPF）２１が装備されない場合、各接続された電話は成端されないスタブ（non-terminated stub）の様に見え、これは望ましくない信号反射を引き起こしがちである。
【００１１】
４．１実施例では、エルピエフ２１は各電話１３に取り付けられる。この様な構成では、該電話自体への追加的変型が必要となる。これはこの様なシステムの実施を更に複雑で、コスト高にして、’あるが儘の（as is）’現在の電話線と電話セットをデータネットワーク用に使用する目的を挫折させる。
【００１２】
５．該デイヒターネットワークで使用される該データ通信ネットワークは’バスタイプ（bus type）’のデータ通信ネットワークのみをサポートし、そこでは全てのデバイスは同じ物理的媒体を共有する。この様なトポロジーは、恰もここに充分に表明されるかの様に、全ての目的で引用により組み入れられる、本発明者への米国特許第５、８４１、３６０号で説明される、多数の欠点をこうむる。又デイヒターは、バスマスタリング（bus mastering）の必要性とデータパケット衝突問題（data packet collision problem）と取り組むロジックを含め、バストポロジーの欠点を開示している。バストポロジーに好ましいトポロジーはトークンリング（Token-Ring）｛アイイーイーイー８０３（IEEE 803）｝、米国特許第５、８４１、３６０号によるピーエスアイシー（PSIC）ネットワーク、そして当該技術で公知の他のポイントツウポイントネットワーク（point-to-point network）｛直列のポイントツウポイントの’デイジーチェーン（daisy chain）’ネットワークの様な｝を含む。この様なネットワークは大抵の場合’バス’トポロジーシステムに優る。
【００１３】
上記欠点は該デイヒターネットワークのデータ通信性能に影響し、従ってこの様なネットワークがサポート出来る総距離（total distance）と最大データレートを制限する。加えて、典型的に該デイヒターネットワークは該データ通信システムをサポートするために複雑な、従って高価なトランシーバーを要する。ライヘルトネットワークはスタートポロジー（star topology）に依存し該バストポロジーのこれらの欠点をこうむらないが、スタートポロジーも又欠点を有する。第１に、該スタートポロジー複雑で、高価なハブモジュール（hub module）を要し、その容量は該ネットワークの容量を制限する。更に、該スター構成（star configuration）は該ネットワーク上の全てのデバイスから、該ハブモジュールが存在する中央位置まで配線があることを要する。これは、特に現在の電話システムの配線が利用されるべき場合に、達成が非実用的そして／又は高価である。該ライヘルトネットワークは中心的電話接続点が既に存在するオフイスでのみの使用を意図されている。更に、該ライヘルトネットワークは各別々の電話デバイス用に別々の電話線を要し、これも又達成するに非実用的そして／又は高価である。
【００１４】
上記従来技術のネットワークは現在の家庭内電話線を利用し、該電話線インフラストラクチャー（配線、出口、等）への何等の追加又は変型無しの容易な設置と使用を特徴とするが、それらは専用（dedicated）、非標準、そして複雑なデーシーイーエス（DCE's）、モデム、そしてフィルタを要し、標準のインターフエースを使用出来ない。例えば、イーサーネット（Ethernet）｛アイイーイーイー（IEEE）８０２．３の様な｝及び他の標準はローカルエリアネットワーク（ラン）環境でパーソナルコンピユータ通信に普通に使用される。従来技術を用いて、コンピユータ間通信をサポートするために、各コンピユータは該電話線上の通信用に追加的モデムを装備しなければならない。これらの追加的モデムが該コンピユータ内に集積化され｛例えばプラグイン（plug-in）又はビルトイン（built-in）ハードウエアとして｝ても、或いは該コンピユータと該電話線との間に外部ユニットとして供給されても、追加的装置は必要である。従って従来技術のネットワークは追加のコスト、スペース、設置労働、電力、そして複雑さをこうむる。従って、必要な標準的インターフエースをそれと一体に有し、それにより該デーテーイーエス（DTE's）内にこの様なインターフエースを供給する必要を解消するネットワークを提供することが望ましい。
【００１５】
かくして、アナログ電話通信をサポートし続ける、任意のトポロジーの現在の電話線を使用してデータ通信ネットワークを実現し、一方又ポイントツウポイントのトポロジーネットワークをサポートすることにより改良された通信特性を見越す手段の広く認識されたニーヅが存在し、該手段を有することは高度に有利である。
【００１６】
更に、現在の電話線を使用してこの様なインハウス（in-house）データ通信ネットワークを実現し、そこではデーテーイーエスへの変型又は外部ユニット追加の必要無しに、標準インターフエースを使用することだけにより該デーテーイーエス（例えば、コンピユータ、電気器具）が相互接続され得る、手段と方法のニーヅがありそして該手段と方法を有することが高度に有利である。
【００１７】
［発明の概要］
従って本発明の目的は、アナログ電話通信サービスと、直列”デイジーチェーン化された”又は他の任意のトポロジーの特徴を有するローカルエリアデータネットワークと、の両者を提供するために、住宅又は他の建物内の現在の電話線配線システムをアップグレード（upgrading）ための方法と装置を提供することである。
【００１８】
この目的で、定例の電話出口は最初にネットワーク出口と置き換えられるがそれは、２つ以上の導体を有する電話線を、２つのネットワーク出口（network outlets）を接続する各セグメント（segment）が全ての他のセグメントから充分に分離されるようなセグメントへ分割することを可能にするためである。各セグメントは、種々のデバイス、他のセグメント、等が該ネットワーク出口を経由して接続されてもよい２つの端部を有しており、そして該セグメントが電話通信とデータ通信の信号を同時に輸送出来る様なものである。ネットワーク出口は該セグメントの各端部に直列に接続される低域フィルタを有し、それにより該低域フィルタの外部ポート間で低い周波数の通路を形成し、該低い周波数のバンドを利用している。同様に、ネットワーク出口は該セグメントの各端部に直列に接続される高域フィルタを有し、それにより該高域フィルタの外部ポート間で高い周波数の通路を形成し、該高い周波数のバンドを利用する。該セグメントにより担われるバンド幅はそれにより非重畳周波数バンドに分割され、該別個の通路は、異なる通路を形成する結合及び分離デバイスとしての該高域フィルター及び低域フィルターを経由して相互接続される。該デバイスと通路が如何に選択的に接続されるかに依り、これらの通路は異なる周波数用には同時に異なってもよい。低い周波数のバンドは定例的電話サービスに割り当てられ、一方高い周波数のバンドはデータ通信ネットワークに割り当てられてもよい。該低い周波数の（アナログ電話通信）バンドでは、結合された低い周波数の通路から成る配線はこの様な仕方で普通の電話線に見えるので、該低い周波数（アナログ電話通信）のバンドが全てのセグメント間で結合され、何れのネットワーク出口に於いても電話デバイスにアクセス可能であるが、該セグメントは該高い周波数（データ）のバンドでは個別に分離されているので、このデータバンドでは該通信媒体は、もし望むなら、１つのネットワーク出口からその次ぎへポイントツウポイント（直列化された”デイジーチェーン”の様に）である様に見え得る。該用語”低域フィルタ（low pass filter）”はここでは低い周波数（アナログ電話通信）のバンドの信号は通過させるが高い周波数（データ）のバンドの信号は阻止する何等かのデバイスを示す。逆に、用語”高域フィルタ（high pass filter）”はここでは高い周波数（データ）のバンドの信号は通過させるが該低い周波数（アナログ電話通信）のバンドの信号は阻止する何等かのデバイスを示す。用語”データデバイス（data device）”はここでは限定しないがモデム、トランシーバー、データ通信装置そしてデータ端末装置を含む、デジタルデータを取り扱う何等かの装置を示す。
【００１９】
各ネットワーク出口は標準的データインターフエースコネクターを有し、該コネクターは１つ以上のセグメントと、該データインターフエースコネクターに接続された、データ端末装置の様なデータデバイスとの間のデータ接続を確立するためのデータインタフエース回路と結合されている。
【００２０】
本発明のネットワークは電話デバイスが普通の電話設置状態にある様に（すなわち電話線上で並列に）接続されることを可能にするが、利用可能な現在の電話線配線により決定されるようにそして何等予め決められたデータネットワークトポロジーへ拘束されることなく、データの輸送と配布用に事実上どんな望ましいトポロジーへも構成され得る。更に、この様なネットワークはポイントツウポイントのネットワークトポロジーの改良されたデータ輸送及び配布性能の能力（potential）を提供する、一方もし望むなら該ネットワークの全部又は１部でバスタイプのデータネットワークトポロジーをなお可能にしている。これはネットワークトポロジーを予め決められたタイプに拘束する従来技術と対照的である。 電話デバイスのみならずデータ端末装置も標準的なインターフエースとコネクターを用いて該ネットワーク出口に容易に接続出来て、それにより電話システムのみならずデータ通信ネットワークも、該データ通信ネットワークと該電話システムの両者が相互に干渉することなく同時に動作出来るように、容易に構成されることを可能にする。説明と付属請求項の文脈内で、”標準的（standard）”は、該インターフエースとコネクターが国際的標準に適合し商業的に入手可能な”在庫（off-the-shelf）”品目である事実を意味する。
【００２１】
本発明のネットワークは、インターネットのみならずエックスデーエスエル（xDSL）、エイデーエスエル（ADSL）の様な、外部システム及びネットワークに接続される時有利に使用される。
【００２２】
第１の実施例では、該高域フィルタは高い周波数のバンド用の仮想の’バス’トポロジーを創る様な仕方で接続され、該高域フィルタを経由して該セグメントに接続されたデーシーイーユニット又はトランシーバーに基づくローカルエリアネットワークを見越している。第２の実施例では、各セグメント端部は専用モデムに接続され、従って直列ポイントツウポイントのデイジーチェーンネットワークを提供する。本発明の全ての実施例で、デーテーイーユニットか又は、該デーシーイーユニットに接続された他のデバイス、は同時のアナログ電話通信サービスと干渉したり、又はそれにより影響されたりせずに該電話線上で通信出来る。従来技術のネットワークと異なり、本発明のネットワークのトポロジーは前もって決定された特定のネットワークトポロジーに拘束されず、現在の電話線設置状態の構成に適合され得る。更に、ポイントツウポイントのデータネットワークを特徴とする本発明の実施例は、該デイヒターネットワーク及びクレーンネットワークの様な、従来技術のバスネットワークトポロジーを上回ってこの様なトポロジーが提供する優れた性能特性を示す。
【００２３】
従って、本発明の第１の側面に依れば、複数のデータデバイス間でデータを輸送するために、建物内のローカルエリアネットワークが提供されるが、該ローカルエリアネットワークは、
（ａ）少なくとも２つのネットワーク出口を具備しており、前記ネットワーク出口の各々は、
ａ）少なくとも１つのデータインターフエースコネクターと、該データインターフエースコネクターに結合されそしてデータデバイスと前記データインターフエースコネクターとの間のデータ接続を確立するよう動作するデータインターフエース回路と、
ｂ）標準的電話デバイスを接続することにより標準的電話通信サービスをサポートするよう動作する少なくとも１つの標準的電話コネクターと、
ｃ）電話通信とデータ通信の信号を分離するよう動作するスプリッターと、そして
ｄ）電話通信とデータ通信の信号を組み合わせるよう動作するカプラーと、
を備えており、該ローカルエリアネットワークは又
（ｂ）該建物の壁内の少なくとも１つの電話線セグメントを具備しており、各前記電話線セグメントは前記ネットワーク出口の少なくとも２つを接続しそして少なくとも２つの導体を有しており、前記電話線セグメントは電話通信とデータ通信の信号を同時発生的に輸送するよう動作しており、そして該ローカルエリアネットワークは更に
（ｃ）前記少なくとも１つの電話線セグメント上にデータ接続を確立するために前記ネットワーク出口の各々内に収容された少なくとも１つのモデムを具備しており、前記少なくとも１つのモデムは前記電話線セグメント上で信号を送信及び受信するよう動作し、そして該セグメントに結合されている。
【００２４】
本発明の第２の側面に依れば、電話線を横切るデータの輸送用にローカルエリアネットワークを構成するための、そしてデータの該輸送と同時に該電話線を横切る電話通信を可能にするための、ネットワーク出口が提供されるが、該ネットワーク出口は、
（ａ）少なくとも１つのデータインターフエースコネクターと、前記少なくとも１つのデータインターフエースコネクターに結合され、データデバイスと前記少なくとも１つのデータインターフエースコネクターとの間のデータ接続を確立するために一緒に動作するデータインターフエース回路と、
（ｂ）標準的電話デバイスをそれに接続することにより標準的電話通信サービスをサポートするよう動作する少なくとも１つの電話コネクターと、
（ｃ）該電話線に結合されるよう適合され、該電話線上で輸送される電話通信とデータ通信の信号を分離するよう動作するスプリッターと、そして
（ｄ）該電話線に結合されるよう適合された出力を有し、該電話線上で輸送される電話通信とデータ通信の信号を組み合わせるよう動作するカプラーと、を具している。
【００２５】
第３の側面に依れば、本発明は、電話通信用に、そして複数のデータデバイス間のデータ輸送用ローカルエリアネットワークとして、両面で動作するよう現在の電話システムをアップグレードする方法であるが、該電話システムは建物の壁内の少なくとも１つの電話線に接続された複数の電話出口を有する場合の、該方法を提供し、該方法は、
（ａ）該建物の該壁から該電話出口の少なくとも２つを機械的に除去する過程と、
（ｂ）前記少なくとも２つの電話出口を該少なくとも１つの電話線から電気的に遮断する過程と、
（ｃ）少なくとも２つのネットワーク出口を提供する過程とを具備しており、前記ネットワーク出口の各々はデータインターフエースコネクターと、前記データインターフエースコネクターに結合されデータデバイスと前記データインターフエースコネクターとの間のデータ接続を確立するよう動作するデータインターフエース回路と、を有しており、該方法は又、
（ｄ）前記ネットワーク出口を該少なくとも１つの電話線に電気的に接続する過程と、そして
（ｅ）前記ネットワーク出口を該壁に機械的に取り付ける過程と、を具備している。
【００２６】
［発明の詳細な記述］
本発明のネットワークの原理と動作は図面と付属する説明を参照して理解されてもよい。図面と説明は単に概念的なものである。実際には、１つの部品が１つ以上の機能を実施出来るし、代わりに各機能は複数の部品と回路により実施されることも可能である。図面と説明では、異なる実施例又は構成で共通な部品は同一参照番号で示されている。
【００２７】
本発明の基本的概念は図３で示される。ネットワーク３０はネットワーク出口３１ａ、３１ｂ、３１ｃ、そして３１ｄに基づいている。電話通信とデータ通信と両者をサポートするネットワークの設置はこの様な出口の設置に関係する。同様に、現在の電話システムのアップグレードは該現在の電話出口をネットワーク出口で置き換えることに関係する。次に続く説明では、現在の電話システムのアップグレードが取り上げられるが、該過程は又、電話通信とデータ通信の両者をサポートする初期設置用にも同様な仕方で適用出来る。
【００２８】
ネットワーク出口は寸法、形状、そして全体的外観に於いて標準的電話出口と物理的に似ているので、ネットワーク出口は建物壁内の標準的電話出口用と置き換え出来る。全体的な電話線レイアウト又は構成では何等変更は要しない。配線の変更は、各ネットワーク出口で配線を導電性媒体の別個のセグメント（distinct segments of electrically-conducting media）に分離することに依る。かくして、２つのネットワーク出口を接続する各セグメントはどちらの端部からも個別にアクセス可能である。従来技術のデイヒター（Dichter）ネットワークでは、該電話配線は変更されず、該システムを通して接続箱１６から連続的に導電性である。本発明に依り、該電話線は電気的に別個に分離されたセグメント１５ａ、１５ｂ、１５ｃ、１５ｄ、そして１５ｅに分けられ、その各々は２つのネットワーク出口に接続される。該媒体に充分にアクセスするためには、コネクター３２ａ、３２ｂ、３２ｃ、そして３２ｄの各々は各セグメントで２つ、すなわち４つの接続をサポートせねばならない。電話線へのこの変型（modification）は電話出口３１ａ、３１ｂ、３１ｃ、そして３１ｄの各々を置き換えることにより行われ得る。後で説明する様に、該交換は、データネットワークデバイスへの接続することが出来ることが望ましい場所でのみ行われる必要がある。最小２つの電話出口がネットワーク出口と置き換えられねばならず、それらのネットワーク出口間のみでのデータ通信を可能にする。
【００２９】
図４は、如何に本発明のネットワーク４０が、ネットワーク出口それぞれ３１ａ、３１ｂ、３１ｃ、そして３１ｄにジャンパー４１ａ、４１ｂ、４１ｃ、そして４１ｄを設置することにより、定例の電話サービスをサポートし続けるかを示す。それらが設置される各ネットワーク出口では、該ジャンパーは両セグメント端部を接続し、該組み合わされたセグメントへの電話接続を可能にする。ジャンパーの設置は設置点での分割された電話線の再接続（re-connection）をもたらす。全てのネットワーク出口でのジャンパーの設置は図１に示す従来技術の電話線構成を再製する。この様なジャンパーは該ネットワーク出口へのアドオン（add-ons）とすることも、該ネットワーク出口内に集積化されることも、或いは別モジュール内に集積化されることも出来る。代わりに、ジャンパーはコネクター１４の部分として電話セット内に集積化されることも出来る。用語”ジャンパー（jumper）”はここでは、別個のセグメントを選択的に結合又は分離するが、該結合又は分離された信号の周波数バンドに特定的でない仕方で該結合又は分離するための何等かのデバイスを示す。ジャンパー４１は、コネクター３２の接続点と該電話の外部接続との間の簡単な電気的接続で実施され得る。
【００３０】
上記説明の様に、ジャンパー４１は、データ通信ネットワークへの接続用には必要でない全てのネットワーク出口で設置されるべきである。しかしながら、データ通信接続をサポートするため必要なネットワーク出口はジャンパー４１を使用せず、寧ろ図５に示す、スプリッター５０を使用する。この様なスプリッターは、第１接続用にポート５４を、第２接続用にポート５５を使用して、コネクター３２を経由して各ネットワーク出口３１内で両セグメントに接続される。スプリッター５０はオーデイオ／電話の低い周波数のバンドの連続性を保持するために２つのエルピーエフエス（LPF's）を有する。ポート５４用エルピーエフ５１ａとポート５５用エルピーエフ５１ｂとによる低域濾過（low pass filtering）後、該アナログ電話通信信号は一緒に接続され、電話コネクター５３に接続されるが、該コネクターは標準的電話コネクターでよい。従って、電話信号のの観点から、該スプリッター５０はジャンパー４１により提供されると同じ連続性と電話アクセスを提供する。他方、該データ通信ネットワークは高い周波数のバンドを使い、該バンドへのアクセスはエイチピーエフエス５２ａと５２ｂを経由して行われる。エイチピーエフ５２ａはポート５４に接続され、エイチピーエフ５２ｂはポート５５に接続される。該高域濾過された（high pass filtered）信号はポート５４からポート５５へは渡されず、分離して保たれ、それぞれデータインターフエースコネクター５６とデータインターフエースコネクター５７へ辿らされる（routed）が、該コネクターは標準的データコネクターでよい。用語”スプリッター（splitter）”はここでは、結合され又は分離される信号の周波数バンドに特定的な別個のセグメントを選択的に結合又は分離するための何等かのデバイスを示す。用語”カプラー（coupler）”はここでは、別々の信号を元の別々の信号を含む組み合わされた信号に組み合わせるために使用される何等かのデバイスを参照して使用され、信号結合に使用されるスプリッターの様なデバイスを含む。
【００３１】
従って、ネットワーク出口に設置された時、スプリッター５０は２つの機能に役立つ。該低い周波数のアナログ電話通信バンドに関しては、スプリッター５０は図１に示す従来技術構成をもたらすカップリングを確立し、そこでは構内の全ての電話デバイスは、該電話線がセグメントに分けられていないかの様に、該電話線を経由した事実上に並列に接続される。他方、該高い周波数のデータ通信ネットワークに関しては、スプリッター５０は図３に示す構成をもたらすために電気的分離を確立するが、そこでは該セグメントは分離され、各セグメント端部へのアクセスが該ネットワーク出口により提供される。スプリッターの使用で、該電話システムと該データ通信ネットワークは実際に減結合（decoupled）され、各々は異なるトポロジーをサポートする。
【００３２】
図６は、１つのセグメント１５ｃを経由して一緒に接続された、隣接するネットワーク出口３１ｂと３１ｃに接続された、２つのデーテーイーユニット２４ａと２４ｂの間のデータ通信ネットワーク６０の第１の実施例を示す。スプリッター５０ａと５０ｂは、それぞれコネクター３２ｂと３２ｃを経由してネットワーク出口３１ｂと３１ｃに接続されている。上記説明の様に、該スプリッターは透明な（transparent）オーデイオ／電話信号接続を可能にする。かくして、アナログ電話通信用には、該電話線は事実上変更されずに留まり、電話１３ａと１３ｃ用に接続箱１６を経由して電話外部接続１７へのアクセスを可能にする。同様に、スプリッター５０ａ上のコネクター５３ａへコネクター１４ｂを経由して接続された電話１３ｂも又該電話線に接続される。同様な仕方で、追加的電話が、スプリッター５０ｂ上のコネクター５３ｂへ該電話を接続することによりネットワーク出口３１ｃへ追加され得る。ジャンパー４１経由か又はスプリッター５０経由か何れかで、ネットワーク出口へ電話を接続することは該データ通信ネットワークに影響しないことは明らかである。
【００３３】
ネットワーク６０（図６）はスプリッター５０ａのポート５７ａとスプリッター５０ｂのポート５６ｂの間の通信路を提供することによりデータ通信をサポートする。それらのポート間には、スプリッター５０内のエイチピーエフ５２ａと５２ｂにより決定される、該信号スペクトラムの高い周波数の部分用のポイントツウポイント接続が存在する（図５）。この通路は、それぞれポート５７ａと５６ｂに接続されたデーシーイーユニット２３ａと２３ｂによりデーテーイーユニット２４ａと２４ｂ間の通信リンクを確立するため使用出来る。デーテーイーユニット２４ａと２４ｂ間の該通信は単向（unidirectional）、半二重（half-duplex）、又は全二重（full-duplex）とすることが出来る。該通信システムに課された唯一の制限はセグメント１５ｃのスペクトラムの該高い周波数の部分を使用する能力である。例として、ライヘルトで説明された電話線ポイントツウポイントのシステム上のデータ送信の実施は又ネットワーク６０でも使用出来る。ライヘルトは、当該技術で良く知られる様に、センタータップに接続されたキャパシターを有する変圧器によりエルピーエフとエイチピーエフの両者を実施している。同様に、スプリッター５０は、各側に１つとして、２つのこの様な回路により容易に実施出来る。
【００３４】
スプリッター５０ａのポート５６ａもスプリッター５０ｂのポート５７ｂもどちらも接続されないので、スプリッター５０ａのエイチピーエフ５２ａとスプリッター５０ｂのエイチピーエフ５２ｂは省略出来ることも明らかである。
【００３５】
ネットワーク６０は従来技術で説明されるネットワーク以上の明らかな利点を提供する。第１に、該通信媒体は通信性能のために多数タップ（バス）接続より優れていると知られている、ポイントツウポイント接続をサポートする。加えて、各スプリッター又はデーシーイーユニット内でターミネータが使用され得て、該伝送線路特性へのより優れた整合を提供する。更に、該媒体内にタップ（ドロップ）が存在せず、それによりインピーダンスマッチング問題とそこから生じる反射を避ける。
【００３６】
更に、ネットワーク６０の該データ通信システムは該ネットワークの’右’部分（セグメント１５ｄと１５ｅ）から誘起されるノイズのみならず該ネットワークと該電話ネットワークの該’左’部分（セグメント１５ａと１５ｂ）と両者からのノイズからも分離される。この様な分離は何れの従来技術の実施例でも提供されない。デイヒターは該接続箱内への低域フィルタの設置を示唆しているが、それは、該接続箱が通常電話サービスプロバイダーにより所有され、常にはアクセスされ得ないので充分な解決策ではない。更に、分離、落雷保護、電力漏洩の様な安全の課題と他の課題がこの様な変型には含まれる。
【００３７】
２つの変圧器と２つのセンタータップキャパシターの様な、受動部品のみによりスプリッター５０を実現することも又有利であるが、それは何れかのデーシーイーユニットの故障の場合でも、電話サービスの信頼性が劣化せず、更に外部電力を要しないからである。これは、他のシステム誤動作（例えば、電気的故障）の場合でも連続的電話サービスを備える’ライフライン（life-line）’機能を融通す。
【００３８】
該スプリッター５０はネットワーク出口３１内に集積化され得る。この様な場合、スプリッター５０を装備したネットワーク出口は２つの種類のコネクターを有し、すなわちポート５３に基づく１つの定例の電話コネクター、とポート５６と５７へのアクセスを提供する１つ又は２つのコネクター｛１つの４回路コネクター（single quadruple-circuit connector）又は２つの２回路コネクター（two double-circuit connectors）｝とを有する。代わりに、スプリッター５０はネットワーク出口３１へのアドオン（add-on）として取り付けられる独立モジュールとすることが出来る。もう１つの実施例では、該スプリッターはデーシーイー２３の部分として含まれる。しかしながら、ネットワーク６０が適切に動作するために、ジャンパー４１か又はスプリッター５０の何れかが、本発明に依ってコネクター３２を分ける（split）ために変型される様にネットワーク出口３１内で使用され、定例の電話サービスを保持することを可能にせねばならない。
【００３９】
又図７はネットワーク７０の２つのデーテーイーユニット２４ａと２４ｂの間のデータ通信を示す。しかしながら、ネットワーク７０の場合、デーテーイーユニット２４ａと２４ｂはネットワーク出口３１ｂと３１ｄに配置され、該出口は直接接続されず、間に間挿（interposed）された追加的ネットワーク出口３１ｃを有する。ネットワーク出口３１ｃはセグメント１５ｃを介してネットワーク出口３１ｂにそしてセグメント１５ｄを介してネットワーク出口３１ｄに接続される。
【００４０】
ネットワーク７０の１実施例では、ジャンパー（図示されてないが、図４のジャンパー４１と同様な）がネットワーク出口３１ｃのコネクター３２ｃに接続される。信号スペクトラムの分割に関する前の討論がここでも又成立し、セグメント１５ｃと１５ｄ間で該スペクトラムの高い周波数の部分を経由したデーテーイーユニット２４ａと２４ｂの間のデータ輸送を見越している。ネットワーク出口３１ｃにジャンパーのみが接続される時は、前に議論したと同じポイントツウポイント性能が期待され、通信性能への唯一の影響はセグメント１５ｄの追加からであるが、該セグメントは媒体の長さを延ばし、従って増加した信号減衰へ導く。しかしながら、ネットワーク出口３１ｃでジャンパー４１に電話が接続された時、幾らかの劣化も又期待され得る。この様な劣化は、通常不整合成端を有する電話接続により引き起こされるタップの追加の結果のみならず、該高い周波数のデータ通信バンド内の電話により生じるノイズの結果でもあり得る。それらの問題は該電話内に低域フィルタを設置することにより克服出来る。
【００４１】
ネットワーク７０の好ましい実施例では、スプリッター５０ｂがネットワーク出口３１ｃ内に設置される。スプリッター５０ｂはエルピーエフ機能を提供し、コネクター５３ｂを経由して電話を接続することを見越している。しかしながら、データ通信の連続性を見越すために、コネクター５６ｂと５７ｂ内の回路間に接続があらねばならない。この様な接続は図７に示す様に、ジャンパー７１により得られる。スプリッター５０ｂとジャンパー７１の設置は、ネットワーク６０（図６）と同様な良好な通信性能を提供する。該デーテーイーユニットが接続されるネットワーク出口間に唯１つの未使用ネットワーク出口があるシステムのこの議論から、該デーテーイーユニットが接続されるネットワーク出口間のどんな数の未使用ネットワーク出口も同じ仕方で取り扱われ得ることは明らかであるはずである。
【００４２】
前記議論の目的で、２つのみが通信しているデーテーイーユニットを説明した。しかしながら、本発明はどんな数のデーテーイーユニットにも容易に適用され得る。図８はそれぞれデーシーイーユニット２３ａ、２３ｂそして２３ｃを経由してそれに接続された３つのデーテーイーユニット２４ａ、２４ｂ、そして２４ｃをサポートするネットワーク８０を図解する。ネットワーク８０の構造はネットワーク７０（図７）のそれと同じであるが、ジャンパー７１をジャンパー８１と置き換えていることが例外となっている。ジャンパー８１はジャンパー７１がすると同じ仕方でポート５６ｂと５７ｂの間の接続を行う。しかしながら、ジャンパー４１（図４）のそれと同様な仕方で、ジャンパー８１は更に一緒になった回路への外部接続を考慮しており、デーシーイーユニット２３ｃの様な、外部ユニットの接続を可能にしている。この仕方では、セグメント１５ｃと１５ｄは高い周波数の信号用には電気的に接続されて見え、そしてデーテーイーユニット２４ａ、２４ｂ、そして２４ｃを接続するデータ通信ネットワーク用媒体を構成する。明らかに、この構成はどんな数のネットワーク出口及びデーテーイーユニットにも適合され得る。事実、２つの導体媒体上の’バス’又は多数点接続をサポートし、そして又該スペクトラムの高い周波数の部分を使用するどんなデータ通信ネットワークとしても使用され得る。加えて、デイヒター特許で説明された議論と技術はここで等しく適用可能である。イーサーネットアイイーイーイー８０２．３（Ethernet IEEE 802.3）インターフエース１０ベーステー及び１００ベーステーエックス（10BaseT and 100BaseTX）の様な幾つかのネットワークは４導体接続、すなわち送信用２導体｛通常は１本のツイステッドワイアペア（twisted-wire pair）｝、及び受信用２導体（通常はもう１本のツイステッドワイアペア）を要する。当該技術で公知の様に、４本から２本への配線変換器（four-to-two wires converter）（普通ハイブリッドとして知られている）が所要の該４本の配線を２本に変換するため使用出来て、それにより本発明に依る電話線上でのネットワークデータ輸送を可能にする。本発明のネットワークは従ってイーサーネットネットワークとすることが出来る。
【００４３】
ジャンパー４１（図４）に於ける様に、ジャンパー８１はスプリッター５０の一体部分（integral part）、デーシーイー２３の一体部分、又は別部品とすることが出来る。
【００４４】
ネットワークの設置と動作を簡単化するために、該ネットワークの全ての部分で同じ装置を使用することが有利である。この取り組みをサポートする１つのこの様な実施例がネットワーク８０を図解する図８で３つの同様なネットワーク出口のセット用で示される。ネットワーク８０で、ネットワーク出口３１ｂ、３１ｃ、そして３１ｄは同様であり、全て該データ通信ネットワークの部分として使用されている。従って、均一性のために、これらのネットワーク出口は全てそれぞれスプリッター５０ａ、５０ｂ、そして５０ｃに結合され、該スプリッターはスプリッター５０ｂに取り付けられたジャンパー８１の様な、ジャンパーが取り付けられており（スプリッター５０ａとスプリッター５０ｃへ取り付けられた対応するジャンパーは明らかなので図８から省略された）、かくしてそれぞれローカルデーシーイーユニット２３ａ、２３ｃ、そして２３ｂへの接続を提供する。本発明の好ましい実施例では、建物の全ての電話出口はスプリッター５０とジャンパー８１との両機能を有するネットワーク出口により置き換えられる。各この様なネットワーク出口は２つのコネクター、すなわち電話接続用のポート５３に結合された１つのコネクターと、デーシーイー接続用のジャンパー８１に結合されたもう１つのコネクターと、を提供する。
【００４５】
用語”標準的コネクター”、”標準的電話コネクター”、そして”標準的データコネクター”はここでは、産業界標準（industry-standard）又はデフアクトスタンダード（de facto standard）コネクターである何等かのコネクターを表すため使用される。同様に、用語”標準的電話デバイス”はここでは商業的標準又はデフアクトスタンダード電話デバイスである何等かの電話デバイスを表すため使用され、そして用語”標準的電話通信サービス”はここでは何等かの商業的標準又はデフアクトスタンダード電話通信を表すため使用される。
【００４６】
なおもう１つの実施例では、デーシーイー２３とスプリッター５０はネットワーク出口３１のハウジング内に集積化され、それにより直接のデーテーイー接続を提供する。好ましい実施例では、標準的デーテーイーインターフエースが使用される。
【００４７】
大抵の’バス（bus）’タイプネットワークでは、該ネットワークをセクションに分け、｛長いケーブル伝送（long cabling）を補償するため｝レピーター（repeater）を経由するか、（他のものから各セクションを減結合するため）ブリッジ（bridge）を経由するか、又はルーター（router）を経由して該セクションを接続することが時々要求される。これも又、レピーター／ブリッジ／ルーターユニット９１を使うネットワーク９０用に図９で図解される様に、本発明に依ってもよい。ユニット９１はレピーテイング（repeating）、ブリッジング（bridging）、ルーテイング（routing）又は２つ以上のネットワーク間の分割（split）に付随する何等かの他の機能を行うことが出来る。図解される様に、スプリッター５０ｂは、ネットワーク９０の他のネットワーク出口及びスプリッターと同様な仕方で、ネットワーク出口３１ｃに結合される。しかしながら、スプリッター５０ｂでは、ジャンパーは使用されない。代わりに、ポート５６ｂとポート５７ｂの間にレピーター／ブリッジ／ルーターユニット９１が接続され、それによりネットワーク９０の別々の部分間の接続が提供される。オプションとして、ユニット９１は又ネットワーク９０へのアクセスのためにデーテーイー２４ｃへのインターフエースを提供出来る。
【００４８】
上記図解の様に、ネットワーク出口は又適当なデータインターフエース回路の包含によりレピーターとして機能することが出来る。該低域フィルタのみならず該高域フィルタの様な、モデム及びスプリッターを実現する回路はデータインターフエース回路として機能出来る。
【００４９】
図９は線１５ａに接続された高域フィルタ９２を経由して、外部デーテーイーユニット又はネットワークへ接続される能力をも展示する。代わりに、エイチピーエフ９２が接続箱１６内に設置され得る。エイチピーエフ９２はネットワーク９０にアクセスする追加的外部ユニットを考慮している。図９に示す様に、エイチピーエフ９２はデーシーイーユニット９３に結合され、該ユニットは今度はネットワーク９４に接続される。この構成では、建物内の局所的データ通信ネットワークはネットワーク９４の部分となる。１実施例では、ネットワーク９４はエイデーエスエルサービスを提供し、それにより該建物内の該デーテーイーユニット２４ｄ、２４ａ、２４ｃ、そして２４ｂが該エイデーエスエルネットワークと通信することを可能にする。外部のデーテーイーユニット又はネットワークと通信する該能力は本発明の全ての他の実施例に等しく適用可能であるが、明きらかなので他の図面からは省略されている。
【００５０】
前記はバストポロジーを使うデータ通信ネットワークに関するが、本発明は又物理層が各通信リンク内で別個であるネットワークもサポート出来る。この様なネットワークは、アイイーイーイー８０２に依るトークンパッシング又はトークンリングネットワーク（Token-Passing or Token-Ring network according to IEEE 802）、又は好ましくは、この様なトポロジーの利点を詳述する、本発明者への米国特許第５、８４１、３６０号で説明されるピーエスアイシー（PSIC）ネットワークとすることが出来る。図１０はこの様なネットワークを実施するためのノード１００を図解する。ノード１００は該通信物理層を取り扱う２つのモデム１０３ａと１０３ｂとを使う。モデム１０３ａと１０３ｂは独立しており、それぞれ専用の通信リンク１０４ａと１０４ｂに結合する。又ノード１００はデーテーイーユニット（図示せず）に接続するためのデーテーイーインターフエース１０１を特徴とする。制御及びロジックユニット１０２は該物理層の上のデータ通信のより高いオーエスアイ層を管理し、接続されたデーテーイーへの及びそれからのデータを処理し、該ネットワーク制御を取り扱う。この様なノード１００とその機能に付いての詳細な議論は米国特許第５、８４１、３６０号と当該技術で公知の他の源で見出すことが出来る。
【００５１】
図１１はスプリッター５０ｄ、５０ａ、５０ｂ、そして５０ｃに直接結合されたノード１００ｄ、１００ａ、１００ｂ、そして１００ｃを含むネットワーク１１０を説明するが、該スプリッターは今度はそれぞれネットワーク出口３１ａ、３１ｂ、３１ｃ、そして３１ｄに結合されている。各ノード１００は２対の接点を経由して対応するスプリッター５０へのアクセスを有し、該対の１つはコネクター５６へのものであり、該対のもう１つはコネクター５７へのものである。この仕方で、例えば、ノード１００ａはセグメント１５ｂと１５ｃの両者への独立したアクセスを有する。この配置はそれぞれノード１００ｄ、１００ａ、１００ｂ、そして１００ｃを経由してデーテーイーユニット２４ｄ、２４ａ、２４ｂ、そして２４ｃに接続するネットワークを作ることを可能にする。
【００５２】
明らかなので、電話は図９と１１から省略されているが、前記データ通信ネットワークに影響することなく電話が接続されたり、或いは除去されたりすることが出来ることは明らかである。電話は必要な様にスプリッター５０のコネクター５３を経由して接続出来る。一般に、本発明に依れば、何等の変型無しに、スプリッター５０（図８に於ける様に）か又はジャンパー４１（図４に於ける様に）の何れかに接続出来る。
【００５３】
本発明が図３に示す様な、電話配線セグメントが分割される、従って電話配線の元の直流電気的連続性（balvanic continuity）を変型する実施例で、これまで説明されて来た。この様な実施例は内部配線にアクセスするために出口の除去を要する。しかしながら、本発明は、電話配線の連続性は妨害されず、そしてそこでは該配線は電気的に別個のセグメントに分割されない、デイヒターネットワーク（図２で図解される様な）の様な従来技術の計画にも等しく良く適用され得る。
【００５４】
かくして、本発明のネットワーク出口を利用するネットワークの実施例がネットワーク１１２として図１１Ｂで示される。一般に、図２のデイヒターネットワークが使用される。しかしながら、ネットワーク出口１１１ａと１１１ｄ（図２のネットワーク出口１１ａと１１ｄに対応する）は全ての部品がその中に収容されるように変型される。この様な場合、該スプリッター／コンビナーは１つの低域フィルタ２１と１つの高域フィルタ２２である。高域フィルタ２２は１つの電話線モデム／デーシーイー２３と結合される。該電話線への接続が１点の接続を有するので、１つの高域フィルタと、１つの低域フィルタと、そして１つのデーシーイーとが使用される。しかしながら、ポイントツウポイントのトポロジーはこの場合使用されないので、モデム２３は該他の説明された実施例に於けるより複雑になると予想される。各出口１１１は該電話セットを接続するための標準的電話コネクター１４と該デーテーイー接続用の標準的データコネクター１１３を有する。例えば、アールジェー４５（RJ-45）コネクターを使用する１０ベーステー（10BaseT）インターフエースが該デーテーイー接続用に使用出来る。
【００５５】
更に、本発明はこれまで、１つのネットワーク出口に接続された１つのデーテーイーで説明されて来たが、対応するノード又はデーシーイーが必要な数の接続をサポートする限り、多数のデーテーイーユニットが該ネットワーク出口に接続出来る。更に、当該技術で公知の多重化技術（multiplexing techniques）を使用して該通信媒体へのアクセスが複数のユーザー用に利用可能である。時間領域／分割多重化（time domain/division multiplexing）｛テーデーエム（TDM）｝の場合、該全バンド幅が与えられた時間間隔の間特定ユーザーに専用化される。周波数領域／分割多重化（frequency domain/division multiplexing）｛エフデーエム（FDM）｝の場合、多数のユーザーが該媒体を同時に共有出来て、各々は該周波数スペクトラムの異なる非重畳部分（non-overlapping portions）を使用する。
【００５６】
説明されたデータ通信目的に加えて、本発明のネットワークは、制御（例えば、ホームオートメーション）、検出、オーデイオ又はビデオ応用品のために使用出来て、該通信は又アナログ信号を利用出来る（ここでは用語”アナログ通信”で表される）。例えば、ビデオ信号は該ネットワークを経由してアナログ形式で送信され得る。
【００５７】
本発明は、唯２つの接続を有し、従って唯２つの他のネットワーク出口に接続出来るネットワーク出口の関係で説明された（すなわち、直列の、又は”デイジーチェーン”構成で）が、該概念は又３つ以上の接続部へ拡大され得る。この様な場合、各追加の接続電話線は、その導体へ作られた接続部を用いて該ネットワーク出口に於いて、２セグメント用で説明され図解されたと同じ仕方で、破られねばならない。この様な多数セグメント応用品用スプリッターは各セグメント接続用に１つの低域フィルタと１つの高域フィルタとを使用すべきである。
【００５８】
又本発明は１対のワイアを有する媒体の関係（term）で説明して来たが、より多くの導体用にも適用されることが可能である。例えば、アイエスデーエヌは通信に２対を使う。各対は上記説明の様に個別にデータ通信ネットワーク用に使用出来る。
【００５９】
又上記説明の様に、本発明のネットワーク出口３１（図３）は少なくとも４つの接続点を有するコネクター３２を備える。オプションとして、ジャンパー４１（図４）、スプリッター５０（図５）、又はジャンパー８１付きスプリッター５０（図８）、低域フィルタ、高域フィルタ、又他の追加的ハードウエアもネットワーク出口３１内に内部的に集積化又は収容されてもよい。更に、該ネットワーク出口はデーテーイーユニットの様な、デバイス用の標準的コネクターを含んでもよい。１実施例では、該ネットワーク出口内には受動的部品のみが含まれる。例えば、スプリッター５０は２つの変圧器と２つのキャパシター（又は受動部品から成る代わりの実施例）を有することが出来る。もう１つの実施例では、該ネットワーク出口は能動的な、電力消費部品を含んでもよい。３つのオプションがこの様な回路へ電力を供給するために使用出来る：
１．局所的電力供給：このオプションでは、供給電力は各電力消費ネットワーク出口へ局所的に供給される。この様なネットワーク出口は入力電力用接続をサポート出来なければならない。
【００６０】
２．電話電力：ピーオーテーエス及びアイエスデーエヌの両電話ネットワークでは、電力は該電話信号と共に該線内を運ばれる。又この電力は、全電力消費が該ピーオーテーエス／アイエスデーエヌシステム仕様を超えない限り該ネットワーク出口回路に電力を与えるために使用出来る。更に、或るピーオーテーエスシステムでは、該電力消費はオフフック／オンフック信号発生（OFF-HOOK/ON-HOOK signaling）用に使用される。この様な場合、該ネットワーク電力消費は該電話ロジックと干渉してはならない。
【００６１】
３．媒体内で運ばれる専用電力：このオプションでは、該データ通信関連部品用の電力は該通信媒体内で運ばれる。例えば、電力は５ｋＨｚ信号を使用して分配され得る。この周波数は該電話信号バンド幅を超えており、かくして該電話サービスとは干渉しない。しかしながら、該データ通信バンド幅はこの５ｋＨｚ周波数の上にあり、又、電力と信号の間の干渉がないことを保証する。
【００６２】
建物内の現在の電話線をアップグレードすることは図１２のフローチャートで図解される方法により行うことが出来る。データ通信をサポートするために少なくとも２つの電話出口がネットワーク出口により置き換えられねばならない。置き換えられるべき各出口用に、図１２の過程が図示の様に行われる。過程１２２で、現在の電話出口が壁から機械的に除去される。次ぎに、過程１２４で現在の電話出口は電話線から電気的に遮断される。過程１２６のこの点で、現在の電話線は２つの分離されたセグメントに分けられ、形成される。これは、該電話線の現在の構成により、現在の電話出口で前に結合されて来た２つの電話線を分離することに依るか、又は該現在の電話線の未使用のワイアの対を第２セグメントとして利用することに依るかして、該電話線を２つのセグメントに切ることにより行われる。次いで、過程１２８で、該２つのセグメントは、該セグメントの１つがコネクター５４に接続され、もう１つのセグメントがコネクター５５に接続される、図５で前に図解された仕方で新しいネットワーク出口に電気的に接続される。該電話線を２つのセグメントに分けることは全ての場合に必要であるとは限らないことは注意すべきである。もし２つのネットワーク出口だけが望まれるならば、該電話線は分けられる必要はなく、何故なら１つのセグメントが該２つのネットワークを出口を接続することを充たすからである。しかしながら、もし２つより多いネットワーク出口が望まれるならば、該電話線は１つより多いセグメントに分けられるか又は形成されねばならない。最後に、過程１３０（図１２）で、該ネットワーク出口は元の電話出口の代わりに壁の中に機械的に置き換えられ取り付けられる。
【００６３】
上記説明は２本ワイアセグメントが（出口１１ａ、１１ｂ、１１ｃ、そして１１ｄの様な）出口に接続される限定しない場合を説明しているが、一般に１本のセグメント又は２本より多いセグメントを該出口に接続することも可能である。
【００６４】
同時の電話通信及びデータ通信用に現在の電話システムのアップグレードを実現するために、前に説明された該ネットワーク出口は、上記説明の方法を行う取扱説明書（instructions）付きのキット形式でパッケージ化されることが出来る。図１３に図解される様に、基本的キットは取扱説明書１３６付きの２つのネットワーク出口１３２と１３４を含んでおり、一方補足キットは１つのネットワーク出口１３２だけを含む必要がある。ネットワーク出口１３２は、図５のそれぞれコネクター５７，５６，そして５３に対応する、２つの標準的データコネクター１３８及び１４０と、標準的電話コネクター１４２を収容している。加えて、ネットワーク出口１３２は、電話線のセグメントへの電気的接続用にコネクター１４４を有する。コネクター１４４は図５のコネクター５５に対応する（図５のコネクター５４は明らかなので図１３から省略されている）。更に、ネットワーク出口１３２は、標準的な壁内接続箱への機械的取付用に、フランジ１４６の様な、フランジを有する。自宅所有者（homeowner）は現在の電話システムをローカルエリアネットワークにアップグレードするために本発明の基本的キットを購入し、次いで、該ローカルエリアネットワークを何等かの所望度合に拡大するために必要とされるどんな補足的キットも購入することが出来る。
【００６５】
本発明は限られた数の実施例に関し説明されたが、本発明の多くの変更、変型そして他の応用が行われることは評価されよう。
【００６６】
本発明はここでは、非限定的例のみにより、付属する図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 住宅又は他の建物用の普通の従来技術の電話線配線構成を示す。
【図２】 住宅又は他の建物用の電話線配線に基づく従来技術のローカルエリアネットワークを示す。
【図３】 ローカルエリアネットワークのための本発明の電話線配線への変型を示す。
【図４】 定例の電話サービス動作をサポートするための、本発明の電話線配線への変型を示す。
【図５】 本発明のスプリッターを示す。
【図６】 本発明の電話線に基づくローカルエリアネットワークを示すが、該ネットワークは隣接するネットワーク出口で２つのデバイスをサポートする。
【図７】 本発明の電話線に基づくローカルエリアネットワークの第１実施例を示すが、該ネットワークは隣接しないネットワーク出口で２つのデバイスをサポートする。
【図８】 本発明の電話線に基づくローカルエリアネットワークの第２実施例を示すが、該ネットワークは隣接するネットワーク出口で３つのデバイスをサポートする。
【図９】 本発明の電話線に基づくローカルエリアネットワークの第３実施例を示すが、該ネットワークはバスタイプネットワークである。
【図１０】 本発明の電話線に基づくローカルエリアネットワークのノードを示す。
【図１１Ａ】 本発明の電話線に基づくローカルエリアネットワークの第４実施例を示す。
【図１１Ｂ】 別個のセグメントに分離されない電話配線で使用するための本発明の実施例を示す。
【図１２】 現在の電話システムをアップグレードするための本発明の設置方法の過程のシーケンスを図解するフローチャートである。
【図１３】 ローカルエリアデータネットワークへ電話システムをアップグレードするための本発明の基本的キットの部品を図解する。

Claims (15)

1. 配線セグメントを有する電話配線を具備する電話配線システムの部分として使用するよう構成されたネットワークデバイスであるが、前記ネットワークデバイスが該電話配線を通してデータ及び電話通信の同時伝送用のローカルエリアネットワークを構成するよう動作するものであって、該ネットワークデバイスが
   各々がそれぞれの配線セグメントをそれに接続するための１対のコネクターと、
   それに結合されたデータデバイスと該電話配線との間のデータ結合を確立するよう動作する少なくとも２つのデータインターフエースコネクターと、
   それに接続された標準電話デバイスと該電話配線との間の標準電話通信接続をサポートするよう動作する少なくとも１つの電話コネクターと、
   該電話配線に結合されるよう適合された出力を有し、該電話配線上で伝送される電話通信とデータ通信信号とを組み合わせるよう動作するスプリッターと、を具備し、
   該スプリッターは、電話通信信号とデータ通信信号との間の分離が、周波数領域多重化を使って達成されることを可能にするために、少なくとも２つのローパスフイルターと少なくとも２つのハイパスフイルターとを備え、
   前記２つのローパスフイルターは直列接続されており、該２つのローパスフイルター間の接続点が前記電話コネクターに結合されており、該直列接続の一方端が前記１対のコネクターのうちの第１コネクターに結合されており、該直列接続の他方端が前記１対のコネクターのうちの第２コネクターに結合されており、
   前記２つのハイパスフイルターのうちの第１ハイパスフイルターの一方端が前記第１コネクターに結合されており、該第１ハイパスフイルターの他方端が前記２つのデータインターフエースコネクターのうちの第１データインターフエースコネクターに結合されており、
   前記２つのハイパスフイルターのうちの第２ハイパスフイルターの一方端が前記第２コネクターに結合されており、該第２ハイパスフイルターの他方端が前記２つのデータインターフエースコネクターのうちの第２データインターフエースコネクターに結合されている、ことを特徴とする該ネットワークデバイス。
2. 更に、前記前記第１ハイパスフイルターと前記第１データインターフエースコネクターの間に接続された少なくとも１つのモデムを具備することを特徴とする請求項１の該デバイス。
3. 更に、該少なくとも１つのデータインターフエースコネクターへ辿る前に該データ通信信号を増幅するために、該スプリッターのそれぞれの出力ポート間に結合されたデータレピーターを具備することを特徴とする請求項１または２の該デバイス。
4. 該少なくとも１つのデータインターフエースコネクターが標準化されているコネクターに適合することを特徴とする請求項１から３の何れか１つの該デバイス。
5. 該電話コネクターが標準化されているコネクターに適合することを特徴とする請求項１から４の何れか１つの該デバイス。
6. 電話配線上でデータを伝送するローカルエリアネットワークとして動作するために、現在の電話システムをアップグレードするキットの部分であることを特徴とする請求項１から５の何れか１つの該デバイス。
7. 共通の配線を介してデータと電話通信の信号を同時に伝送するよう動作するローカルエリアネットワークに於いて、該ローカルエリアネットワークが
   １対の出口と、
   少なくとも１つの電話配線セグメントと
   を具備しており、
   前記電話配線セグメントは、少なくとも２つの導体を備えているとともに、前記１対の出口間で接続されており、前記電話配線セグメントは周波数領域多重化を使って電話通信及びデータ通信の信号を同時に伝送するよう動作しており、
   前記出口のそれぞれは、電話通信信号とデータ通信信号との間を分離するよう動作しており、そして
   前記出口のそれぞれは、
   前記少なくとも１つの電話配線セグメントに接続するための動作をするコネクターと、
   それに接続することによって電話通信サービスをサポートするよう動作する電話コネクターと、
   それに接続することによってデータ通信サービスをサポートするように動作するデータコネクターと、
   前記コネクターと前記電話コネクターとの間に結合されたローパスフイルターと、
   前記コネクターと前記データコネクターとの間に結合されたハイパスフイルターと
   を具備していることを特徴とする該ネットワーク。
8. それぞれの配線セグメントにより前記対の該出口の何れかに結合され、電話通信サービスのみをサポートするよう適合されたさらなる出口を具備することを特徴とする請求項７の該ネットワーク。
9. 該出口の少なくとも１つが、該出口の少なくとも１つのデータコネクターへ辿る前に該データ通信信号を増幅するためのデータレピーターを備えることを特徴とする請求項８の該ネットワーク。
10. 該出口の少なくとも１つのデータコネクターが標準化されているデータコネクターに適合することを特徴とする請求項７の該ネットワーク。
11. イーサーネットプロトコルに基づくことを特徴とする請求項７の該ネットワーク。
12. 電話通信用としてと、そして複数のデータデバイス内でデータを伝送するためのローカルエリアネットワークとしてと、両者で動作するよう現在の電話システムをアップグレードする方法であるが、該電話システムが建物の壁内の少なくとも１つの電話線に接続された２つ以上の電話出口を有する場合の該方法に於いて、該方法が
    （ａ）該建物の該壁から該電話出口の少なくとも２つを取り除く過程と、
    （ｂ）該少なくとも１つの電話線から前記少なくとも２つの電話出口を電気的に遮断する過程と、
    （ｃ）データデバイスと前記ネットワークの間のデイジーチェーンデータ接続を確立するよう動作するデータインターフエースコネクターを各々が有する２つの置き換え用出口により前記少なくとも２つの出口を置き換える過程と、
    （ｄ）該置き換え用出口の各々を該少なくとも１つの電話線に電気的に接続する過程と、そして
    （ｅ）該置き換え用出口の各々を該壁に機械的に取り付ける過程と、を具備し、
    前記置き換え用出口各々は、請求項１から６のいずれかの１項に記載のデバイスであることを特徴とする該方法。
13. 過程（ｄ）で、各電話線配線セグメント接続が該置き換え用出口の別々のコネクターに接続されることを特徴とする請求項１２の該方法。
14. それぞれの電話配線セグメントにより相互接続された少なくとも２つの出口を有するローカルエリア及び電話通信のネットワークを電話配線システム上で構成する方法に於いて、該方法が
    （ａ）該配線上でデータ及び電話通信の信号を搬送するために周波数領域多重化を使う過程と、
    （ｂ）該ネットワーク上で連続的に該電話信号を伝送する過程と、
    （ｃ）該電話通信信号を該出口の少なくとも１つに結合する過程と、
    （ｄ）該データ信号を該出口の該少なくとも１つの別々のデータコネクターに結合し、デイジーチェーントポロジー内の隣接出口へ伝送する過程と、を具備し、
    前記出口の少なくとも１つは、請求項１から６のいずれかの１項に記載のデバイスであることを特徴とする該方法。
15. 更に、該出口の少なくとも１つで終端し、該データ信号をレピートする過程を具備することを特徴とする請求項１４の該方法。

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