JP4729481B2 - 飲食品の保存性向上方法 - Google Patents

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Description

本発明は、飲食品、飲食品の保存性向上剤、飲食品の保存性向上方法および飲食品の製造方法に関する。
飲食品の微生物による腐敗を防止するための方法の一つとして、保存料の添加があげられる。
保存料としては、化学的合成品として、安息香酸またはそのナトリウム塩、ソルビン酸またはそのカリウム塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸エステル類、プロピオン酸またはそのカルシウムもしくはナトリウム塩等が使用されている。
しかし、化学的合成品は、安息香酸、安息香酸誘導体、ソルビン酸、ソルビン酸誘導体等のように抗真菌活性は有するが毒性を有するもの、毒性は低いが、使用する量や飲食品の種類によっては、飲食品の風味を損ねるものがあり、さらに場合によっては飲食品の生産性に影響を与えるものもある。
酢酸、酢酸ナトリウム、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、糖アルコール等が保存料として使用されている。例えば、パンの製造においては酢酸ナトリウムが保存料的に使用されている。
しかし、有機酸、エタノール、糖アルコールも、使用量によっては同様に飲食品に影響を与えることがある。
化学的合成品以外の天然物質としては、エゴノキ抽出物、カワラヨモギ抽出物、白子タンパク質、ペクチン分解物、ホオノキ抽出物、ε−ポリリジン、レンギョウ抽出物等が使用されているが、化学的合成品以外の天然物質は、一般にカビ等の真菌類に対する活性が弱い。
一方、古くから飲食品に使用されてきた乳酸菌は抗菌、防黴活性を有する物質を生産することが知られている。乳酸菌における防黴活性を有する物質としては、例えば、酢酸、カプロン酸、蟻酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ソルビン酸、安息香酸、これらの誘導体(非特許文献1および2参照)、タンパク様物質(非特許文献3参照)、4−ヒドロキシフェニル乳酸(非特許文献4参照)、耐熱性の非有機酸物質(特許文献1参照)等が知られている。
しかし、例えばカプロン酸は、乳酸菌の一つであるラクトバチルス・サンフランシスコ(Lactobacillus sanfrancisco)CB1株において防黴物質の主成分とされている(非特許文献1参照)物質であるが、カプロン酸を飲食品に多量に添加すると飲食品の風味を損ねる恐れがある。
特開2002−291466号公報 アプライド・マイクロバイオロジー・アンド・バイオテクノロジー(Applied Microbiology and Biotechnology)、1998年、第50巻、p.253−256 フード・マイクロバイオロジー・アンド・セーフティー(Food Microbiology and Safety)、2002年、第67巻、p.2271−2277 アプライド・アンド・エンバイアロンメンタル・マイクロバイオロジー(Appliedand Environmental Microbiology)、2001年、第67巻、p.1−5 アプライド・アンド・エンバイアロンメンタル・マイクロバイオロジー(Appliedand Environmental Microbiology)、2000年、第66巻、p.4084−4090
本発明の目的は、風味のよい飲食品の保存性向上剤、飲食品の保存性向上方法、保存性の向上した飲食品および該飲食品の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(23)に関する。
(1)乳酸菌の菌体および油脂を水性媒体中で反応させて得られる反応生成物のリパーゼ処理物を含有することを特徴とする飲食品の保存性向上剤。
(2)水性媒体が生乳、脱脂粉乳または全脂肪粉乳を含有する、(1)記載の保存性向上剤。
(3)乳酸菌がラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属からなる群から選ばれる1種または2種以上の乳酸菌である、(1)または(2)記載の保存性向上剤。
(4)油脂がバターである、(1)〜(3)のいずれかに記載の保存性向上剤。
(5)飲食品がパンである、(1)〜(4)のいずれかに記載の保存性向上剤。
(6)保存性向上剤が防黴剤である、(1)〜(5)のいずれかに記載の保存性向上剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の保存性向上剤を含有する飲食品。
(8)乳酸菌の菌体および油脂を水性媒体中で反応させて得られる反応生成物のリパーゼ処理物を飲食品に添加することを特徴とする飲食品の保存性向上方法。
(9)水性媒体が生乳、脱脂粉乳または全脂肪粉乳を含有する、(8)記載の保存性向上方法。
(10)乳酸菌がラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属からなる群から選ばれる1種または2種以上の乳酸菌である、(8)または(9)記載の保存性向上方法。
(11)油脂がバターである、(8)〜(10)のいずれかに記載の保存性向上方法。
(12)飲食品がパンである、(8)〜(11)のいずれかに記載の保存性向上方法。
(13)保存性向上方法が防黴方法である、(8)〜(12)のいずれかに記載の保存性向上方法。
(14)乳酸菌の菌体および油脂を水性媒体中で反応させて得られる反応生成物のリパーゼ処理物を飲食品に添加することを特徴とする飲食品の製造方法。
(15)水性媒体が生乳、脱脂粉乳または全脂肪粉乳を含有する、(14)記載の製造方法。
(16)乳酸菌がラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属からなる群から選ばれる1種または2種以上の乳酸菌である、(14)または(15)記載の製造方法。
(17)油脂がバターである、(14)〜(16)のいずれかに記載の製造方法。
(18)飲食品がパンである、(14)〜(17)のいずれかに記載の製造方法。
(19)(14)〜(18)のいずれかに記載の製造方法により得られる飲食品。
(20)乳酸菌の菌体および油脂を水性媒体中で反応させて得られる反応生成物のリパーゼ処理物を含有するパン。
(21)水性媒体が生乳、脱脂粉乳または全脂肪粉乳を含有する、(20)記載のパン。
(22)乳酸菌がラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属からなる群から選ばれる1種または2種以上の乳酸菌である、(20)または(21)記載のパン。
(23)油脂がバターである、(20)〜(22)のいずれかに記載のパン。
本発明によれば、風味のよい飲食品の保存性向上剤、保存性の向上した飲食品および該飲食品の製造方法を提供することができる。
図1は、ペニシリウム・エクスパンサムATCC 1117株の胞子懸濁液をスポットしたコントロールの食パンおよび食パン(1)〜(3)において、胞子形成の認められたスポット数の経時変化を示す図である。横軸にスポット後の経過日数を示し、縦軸に胞子形成の認められたスポットの数を示す。横軸の始点は最初の胞子形成の認められた時間を示す。なお、スポットの総数は、食パン4枚の合計として、全部で100個である。
なお、グラフ中、「◆」はコントロールの食パン、「△」は食パン(1)、「○」は食パン(2)、「×」は食パン(3)を示す。
本発明の保存性向上剤は、乳酸菌の菌体と油脂とを水性媒体中で、好ましくは生乳、脱脂粉乳または全脂肪粉乳を含有する水性媒体中で反応させ、得られた反応生成物を、リパーゼ処理して得られる。
本発明に用いられる乳酸菌としては、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属等に属する微生物があげられるが、例えば、ラクトバチルス属またはストレプトコッカス属に属する微生物が好適に用いられる。これらの微生物は単独で用いてもよいし、2種以上の微生物を組合せて用いてもよい。
ラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する微生物としては、例えばラクトバチルス・アシドフィラ(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・サンフランシスエンシス(Lactobacillus sanfranciscencis)、ラクトバチルス・サンフランシスコ(Lactobacillus sanfrancisco)、ラクトバチルス・イタリカス(Lactobacillus italicus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・デルブルッキイ(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)に属する微生物等があげられ、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する微生物としては、例えばラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)に属する微生物等があげられ、ストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する微生物としては、例えばストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ストレプトコッカス・サリバリウス(Streptococcus salivarius)に属する微生物等があげられ、ロイコノストック(Leuconostoc)属に属する微生物としてはロイコノストック・クレモリス(Leuconostoc cremoris)に属する微生物等があげられ、ペディオコッカス(Pediococcus)属に属する微生物としては、例えばペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus acidilactici)に属する微生物等があげられ、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する微生物としては、例えばエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する微生物等があげられ、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属に属する微生物としては、例えばテトラゲノコッカス・ハロフィラス(Tetragenococcus halophilus)に属する微生物等があげられる。
これらの微生物としては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・アシドフィラス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトコッカス・ラクティス、ストレプトコッカス・サーモフィラス等が好ましく用いられ、ラクトバチルス・ブルガリカスおよびストレプトコッカス・サーモフィラスがより好ましく用いられる。
これらの微生物としては、例えばチーズやヨーグルト等の乳発酵製品のスターターカルチャーとして市販されている乾燥菌体、下記(2)等の方法により培養して得られる培養液の処理物等を用いることができる。
培養液の処理物としては、培養液の濃縮物、培養液の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体、該菌体の乾燥物、該菌体の凍結乾燥物等があげられる。
本発明で用いられる油脂としては、通常食用として用いられている油脂であればいずれの油脂でもよいが、動物油脂、植物油脂が好ましく用いられる。
動物油脂としては、例えば、乳脂、牛脂、豚脂等があげられ、乳脂が好ましく用いられ、乳脂としては、牛、羊、山羊、水牛由来の乳脂があげられる。
植物油脂としては、例えば、ヤシ油、パーム油、パーム核油、ナタネ油、大豆油、コーン油、米ぬか油、サフラワー油、ごま油、綿実油、オリーブ油、ひまわり油、落花生油等があげられ、ヤシ油、パーム油、パーム核油が好ましく用いられ、ヤシ油がさらに好ましく用いられる。
動物油脂または植物油脂は常法により調製して用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。動物油脂または植物油脂は、単独で用いてもよいし、組合せて用いてもよい。
乳酸菌の菌体と油脂との水性媒体中での反応は、例えば(1)水性媒体中に乳酸菌の菌体および油脂を添加して、乳酸菌の菌体と油脂との反応を行う方法、(2)乳酸菌の培養液中に油脂を添加して、乳酸菌の菌体と油脂との反応を行う方法等があげられる。
(1)水性媒体に乳酸菌の菌体および油脂を添加して、乳酸菌の菌体と油脂との反応を行う方法
本方法で用いられる水性媒体としては、乳酸菌の菌体と油脂との反応を阻害しない限り、いかなる成分、組成の水性媒体であってもよく、例えば、水、リン酸塩、炭酸塩、酢酸塩、ほう酸塩、クエン酸塩、トリスなどの緩衝剤等をあげることができる。エタノールなどのアルコール類等を含有していてもよい。
また水性媒体としては、乳酸菌が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有する液体培地であれば、例えば天然培地、合成培地等、いずれの培地を用いてもよい。
炭素源としては、該生物が資化し得るものであればよく、グルコース、フラクトース、スクロース、これらを含有する糖蜜、デンプンあるいはデンプン加水分解物等の炭水化物、酢酸、プロピオン酸等の有機酸、エタノール、プロパノール等のアルコール類等を用いることができる。
窒素源としては、アンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸もしくは有機酸のアンモニウム塩、その他の含窒素化合物、並びに、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、大豆粕および大豆粕加水分解物、各種発酵菌体、およびその消化物等を用いることができる。
無機塩としては、リン酸第一カリウム、リン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫酸銅、炭酸カルシウム等を用いることができる。
水性媒体中には、牛乳、馬乳、山羊乳、羊乳等の生乳、脱脂粉乳または全脂肪粉乳等を含有させることが好ましい。
生乳は、水性媒体100重量部に対して100重量部以上となるように含有させることが好ましい。また、生乳をそのまま水性媒体として用いてもよい。
脱脂粉乳または全脂肪粉乳は、水性媒体100重量部に対して1〜70重量部となるように含有させることが好ましく、10〜50重量部となるように含有させることがさらに好ましい。
水性媒体中への油脂の添加量は、特に制限されないが、水性媒体100重量部に対して、100〜900重量部が好ましく、100〜300重量部がさらに好ましい。
水性媒体中への乳酸菌の添加量は、特に制限されないが、油脂を添加した水性媒体1gに対する添加量が、1×10〜1×10個が好ましく、1×10〜1×10個がより好ましく、5×10〜1×10個がさらに好ましい。
反応温度は、使用する乳酸菌の至適温度付近であり、かつ使用する油脂の融点より高い温度であることが好ましい。例えば、10〜50℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、40〜50℃がさらに好ましい。
反応時間は、通常4時間〜10日間であり、12〜24時間が好ましい。
反応中の水性媒体のpHは、通常pH2〜11であり、pH3〜10が好ましく、pH4〜8がより好ましい。pHの調整は、必要に応じて、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウムなどを用いて行う。
(2)乳酸菌の培養液中に油脂を添加して、乳酸菌の菌体と油脂との反応を行う方法
水性媒体中での乳酸菌の菌体と油脂との反応は、乳酸菌を(1)に記載の水性媒体、好ましくは液体培地を培地として用いて培養を行う際に、培養液中に油脂を添加することにより行うことができる。
培養温度は、乳酸菌が生育する条件であれば特に制限はないが、油脂の添加前は10〜50℃が好ましく、20〜43℃がより好ましく、25〜37℃がさらに好ましい。油脂の添加後は、使用する乳酸菌の至適温度付近であり、かつ使用する油脂の融点より高い温度で反応させることが好ましい。例えば、10〜50℃が好ましく、20〜50℃がより好ましく、40〜50℃がさらに好ましい。
培養時間は、通常4時間〜3日間であり、12〜24時間が好ましい。
培養pHは、通常pH2〜11であり、pH3〜10が好ましく、pH4〜8がより好ましい。
pHの調整は、必要に応じて、無機または有機の酸、アルカリ溶液、尿素、炭酸カルシウム、炭酸アンモニウムなどを用いることができる。
油脂の添加量は、特に制限されないが、培地100重量部に対して、100〜900重量部が好ましく、100〜300重量部がさらに好ましい。
油脂は培養開始前に培地中に添加しても、培養開始後に培養液中に添加してもよいが、油脂を添加する培地または培養液1g中に含まれる菌体量が、好ましくは1×10〜1×10個、より好ましくは1×10〜1×10個、さらに好ましくは5×10〜5×10個となる時期に、添加することが好ましい。
上記(1)および(2)の方法における乳酸菌の菌体と油脂との反応は、静置、攪拌または振とうすることにより行うことができる。
乳酸菌の菌体と油脂との反応の終了後、反応液または培養液をそのままリパーゼ処理してもよいが、必要に応じて、濃縮または乾燥したものをリパーゼ処理してもよい。
リパーゼ処理に用いるリパーゼとしては、トリアシルグリセロールリパーゼ(E.C.3.1.1.3)活性を有するリパーゼであれば、動物由来のもの、微生物由来のもの等いずれのリパーゼも用いることができる。
動物由来のリパーゼとしては、ブタ腎臓由来のもの、ヒツジ、ウシまたはヤギの咽頭に由来するリパーゼ等があげられる。
微生物由来のリパーゼとしては、ムコール(Mucor)属、リゾパス(Rizopus)属、キャンディダ(Candida)属、アスペルギルス(Asperugillus)属、アースロバクター(Arthrobacter)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、クロモバクテリウム(Chromobacterium)属等に属する微生物に由来するリパーゼ等があげられる。
これらのリパーゼは常法により調製して用いてもよいし、市販のものを用いてもよい。
リパーゼは精製されたものであってもよいが、トリアシルグリセロールリパーゼ活性を有する微生物の培養物、該培養物の処理物、トリアシルグリセロールリパーゼ活性を有する動植物の細胞、組織、これらの培養物もしくは該培養物の処理物等の当該酵素含有物であってもよい。
培養物の処理物としては、培養物の濃縮物、培養物の乾燥物、培養物を遠心分離して得られる菌体または細胞、該菌体または細胞の乾燥物、該菌体または細胞の凍結乾燥物、該菌体または細胞の界面活性剤処理物、該菌体または細胞の超音波処理物、該菌体または細胞の機械的摩砕処理物、該菌体または細胞の溶媒処理物、該菌体または細胞の酵素処理物、該菌体または細胞の蛋白質分画物、該菌体または細胞の固定化物等をあげることができる。
リパーゼの活性は、例えば、分解により生成するグリセロールを測定する方法〔J.Biol.Chem.,235,1912−1916(1960)〕、遊離脂肪酸を滴定する方法〔J.Biochem.,61,313−319(1967)〕、標識基質から遊離した脂肪酸の放射能を測定する方法〔J.Clin.Invest.,59,185−192(1977)〕等の方法で測定することができる。リパーゼの酵素活性単位(ユニット、以下Uと表記する)は、油化学、1987年、第36巻、p.821に記載の方法に準じて酵素活性を測定した場合に、1分間に1μmolの脂肪酸を生成する酵素量として表す。
リパーゼ処理は、乳酸菌の菌体および油脂を水性媒体中で反応させて得られる反応生成物にリパーゼを添加し、好ましくはホモジナイザー等を用いて乳化処理を行った後、所定の温度で所定の時間保持することにより行う。
リパーゼの添加量は、油脂の種類、処理条件等により異なるが、通常、油脂1gに対して、20〜2000U、好ましくは200〜1600U、さらに好ましくは300〜1300Uとなるように添加する。
リパーゼの処理温度は、リパーゼがトリアシルグリセロールリパーゼ活性を示すことのできる温度であればいずれでもよい。リパーゼ処理温度はリパーゼの種類および油脂の種類により異なるが、使用するリパーゼの至適温度付近であり、かつ使用する油脂の融点より高い温度が好ましい。例えば、20〜50℃が好ましく、40〜50℃がさらに好ましい。
リパーゼ処理時のpHは使用するリパーゼの種類および油脂の種類により異なるが、pH2〜8となるように調整することが好ましく、pH3〜7となるように調整することがさらに好ましい。
処理時間は使用するリパーゼの種類および油脂の種類により異なるが、2〜120時間、好ましくは48〜72時間である。
リパーゼ処理は、静置、攪拌または振とうすることにより行う。
リパーゼ処理後、処理液はそのまま用いてもよいが、リパーゼを失活させるため、50〜100℃、好ましくは60〜90℃で、5〜60分間加熱処理することが好ましい。
リパーゼ処理したものをそのまま、または加熱処理したものを本発明の保存性向上剤としてもよいし、これを濃縮または乾燥したものを本発明の保存性向上剤として用いてもよい。リパーゼ処理したものを、必要に応じで加熱処理した後、沈降分離、ケーク濾過、清澄濾過、遠心濾過、遠心沈降、圧搾、分離、フィルタープレス等の固液分離方法を用いて菌体、細胞等を除去し、さらに必要に応じて、濃縮または乾燥したものを本発明の保存性向上剤としてもよい。
濃縮方法としては、加熱濃縮、凍結濃縮、逆浸透濃縮、減圧濃縮があげられ、減圧濃縮が好適に用いられる。
乾燥方法としては、凍結乾燥、自然乾燥、熱風乾燥、通風乾燥、送風乾燥、噴霧乾燥、減圧乾燥、天日乾燥、真空乾燥、スプレードライ、流動層乾燥、泡沫層乾燥、ドラムドライヤーなどの皮膜乾燥法、超音波乾燥法、電磁波乾燥法等の乾燥方法があげられ、減圧濃縮法、スプレードライ方法、凍結乾燥方法が好適に用いられる。
本発明の飲食品の保存性向上剤としては、防黴剤、防腐剤等があげられるが、防黴剤として好適に用いられる。
本発明の保存性向上剤を添加することにより、細菌、酵母、カビ等の微生物の増殖を抑制し、飲食品の保存性を向上させることができる。特にアスペルギルス(Aspergillus)属、ペニシリウム(Penicillium)属等のカビの増殖を効果的に抑制することができる。
飲食品への添加は、飲食品のいずれの製造工程に行ってもよい。
飲食品への添加量は、飲食品100重量部に対して、乳酸菌の菌体および油脂を水性媒体中で反応させて得られる反応生成物のリパーゼ処理物として0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部である。
添加する飲食品はいずれの飲食品であってもよく、例えば、食パン、ロールパン、硬焼きパン、菓子パン、調理パン等のパン、せんべい、ポテトチップス、クッキー等の菓子スナック類、そうめん、冷や麦、うどん、そば、中華麺等の麺類、味噌、醤油、たれ、だし、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ等の調味料、お吸い物、コンソメスープ、卵スープ、ワカメスープ、フカヒレスープ、ポタージュ、みそ汁等のスープ類、麺類のつゆ、ソース類、おかゆ、雑炊、お茶漬け等の米調理食品、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜産加工品、かまぼこ、干物、塩辛、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、煮物、揚げ物、焼き物、カレー等の調理食品等があげられるが、油脂を添加することにより風味が向上する飲食品に対して好ましく用いられる。油脂を添加することにより風味が向上する飲食品としては、パン等があげられる。
該飲食品は、例えば粉末食品、シート状食品、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルト食品、カプセル食品、タブレット状食品、流動食品、ドリンク剤等の形態のものであってもよい。
該飲食品は、飲食品中に、本発明の保存性向上剤を添加する以外は、一般的な飲食品の製造方法を用いることにより製造することができる。
また、本発明の保存性向上剤を添加する飲食品は、例えば流動層造粒、攪拌造粒、押し出し造粒、転動造粒、気流造粒、圧縮成形造粒、解砕造粒、噴霧造粒、噴射造粒等の造粒方法、パンコーティング、流動層コーティング、ドライコーティング等のコーティング方法、パフドライ、過剰水蒸気法、フォームマット方法、マイクロ波加熱方法等の膨化方法、押出造粒機やエキストルーダー等の押出方法等を用いて製造することもできる。
本発明の保存性向上剤を添加する飲食品の例としてパンをあげ、パンの製造法の例を以下に示す。
パンの製造法としては、パン生地に本発明の保存性向上剤を添加する以外は通常の製パン法が用いられる。
代表的な食パン、菓子パン等のパンの製造法としては、ストレート法と中種法があげられる。ストレート法は、パン生地の全原料を最初から混ぜる方法であり、中種法は、穀物粉の一部に酵母および水を加えて中種をつくり、発酵後に残りのパン生地の原料を合わせる方法である。
ただし、パンの製造法はこの方法に限定されるものではない。
パン生地の原料としては、穀物粉、通常小麦粉、酵母、食塩、水等があげられ、必要に応じて砂糖、脱脂粉乳、卵、イーストフード、ショートニング、バター等が用いられる。
ストレート法では、パン生地の全原料をミキシングした後、25〜30℃で20分〜4時間発酵させた後、分割を行い、ベンチタイム経過後、成型、型詰めする。ホイロ(25〜42℃)を経た後、焼成(170〜240℃)する。
中種法では、使用する穀物粉の全量の30〜100重量%の穀物粉、酵母、イーストフード等に水を加えミキシングして中種を得て、該中種を25〜35℃で1〜5時間発酵させ、穀物粉、水、食塩、砂糖、脱脂粉乳、ショートニング、卵、バター等、残りのパン生地の原料を追加し、ミキシング(本捏)を行い、さらに25〜30℃で20分〜2時間発酵させ、分割を行い、ベンチタイム経過後、成型、型詰めする。ホイロ(25〜42℃)を経た後、焼成(170〜240℃)する。
本発明の保存性向上剤は、製パンの工程のいずれの時期に添加してもよい。
例えば、ストレート法の場合はパン生地の原料中に添加してパン生地を作製してもよいし、原料を混合後にパン生地をミキシングする際に添加してもよい。中種法の場合は中種を作製する原料中に添加してもよいし、中種のミキシング時に添加してもよいし、中種作製後、本捏時にパン生地に添加してもよい。
本発明の保存性向上剤のパンへの添加量は特に限定されないが、パン生地原料である穀物粉100重量部に対して、0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部である。
以下に本発明の実施例を示す。
無塩バター(雪印乳業社製)300gと、脱脂粉乳(高梨乳業社製)35gと、水165mlとを混合し、85℃で10分間保持して加熱殺菌処理を行った。処理後、放置して43℃になった時点で、ラクトバチルス・ブルガリカスとストレプトコッカス・サーモフィラスからなるフリーズドライの乳酸菌(DPL612−GRB、協和ハイフーズ社製)を10mg添加し、混合した。これを43℃で20時間静置状態で反応させ、反応処理物を得た。
該反応処理物にCandida属由来のリパーゼ(リパーゼAY「アマノ」30G、天野製薬社製)150,000Uを添加、混合し、ホモジナイザーを用いて混合液を乳化させた。この乳化液を42℃で72時間静置してリパーゼ処理を行った。リパーゼ処理後、80℃で30分間加熱してリパーゼの失活処理を行い、油脂のリパーゼ処理物(以下、保存性向上剤Aともいう)500gを得た。
比較例1
乳酸菌を添加して反応させないこと以外は、実施例1と同様の方法で、油脂のリパーゼ処理物(以下、保存性向上剤Bともいう)500gを得た。
強力粉(カメリヤ、日清製粉社製)700g、イースト(ダイヤイースト、協和発酵工業社製)20g、イーストフード(パンダイヤC−500、協和発酵工業社製)1gおよび水420gを混ぜ合わせた得られた混合物を、捏上温度が24℃になるようパンミキサー(SS型71E、関東混合機工業社製)を用いて低速で3分間、中高速で2分間ミキシングし、得られた生地を28℃で4時間発酵させた。ここで得られた生地を生地(I)とする。
生地(I)に強力粉300g、砂糖50g、食塩20g、脱脂粉乳20g、および水260gを加え、低速で3分間、中高速で4分間ミキシングし、ショートニング50gを加えて捏上温度が28℃になるように低速で2分間、中高速で3分間、高速で4分間ミキシングした。ここで得られた生地を生地(II)とする。
生地(II)を25〜28℃で20分間静置した後に、これを分割して220gの塊を4個とり、これらを球状に丸めた。丸めた生地4個を25〜28℃で20分間静置した後にガス抜きし、2斤食パン型(プルマン)に入れて成型した後、生地の容積が型容積の80%に達するまで、38℃、相対湿度85%で発酵させた。ここで得られた生地を生地(III)とする。
生地(III)を、オーブン(リールオーブン 608MS型 三幸機械株式会社製)を用いて210℃で28分間焼成して、食パンを製造した。
ここで得られた食パンを以下の試験例でコントロールとして用いた。
上記生地(II)の製造工程において、生地(I)にカプロン酸0.1gを加える以外は同様の工程により食パン(1)を製造し、生地(I)に保存性向上剤Aを5.0g加える以外は同様の工程により食パン(2)を製造し、生地(I)に保存性向上剤Bを5.0g加える以外は同様の工程により食パン(3)を製造した。
無塩バター(雪印乳業社製)300gと、脱脂粉乳(高梨乳業社製)35gと、水165mlとを混合し、85℃で10分間保持して加熱殺菌処理を行った。処理後、放置して43℃になった時点で、ラクトバチルス・ブルガリカスとストレプトコッカス・サーモフィラスからなるフリーズドライの乳酸菌(DPL612−GRB、協和ハイフーズ社製)を50mg添加し、混合した。これを43℃で12時間、静置状態で反応を行った。反応終了後、85℃で10分間保持して、殺菌および酵素の失活処理をした。
殺菌および酵素の失活処理後、Candida属由来のリパーゼ(リパーゼAY「アマノ」30G、天野製薬社製)375,000Uを添加、混合し、ホモジナイザーを用いて混合液を乳化させた。この乳化液を42℃で30時間静置してリパーゼ処理を行った。リパーゼ処理後、80℃で30分間加熱してリパーゼの失活処理を行い、油脂の処理物(以下、保存性向上剤Cともいう)500gを得た。
比較例2
脱脂粉乳(高梨乳業社製)35gと、水165mlとを混合し、85℃で10分間保持して加熱殺菌処理を行った。処理後、放置して43℃になった時点で、ラクトバチルス・ブルガリカスとストレプトコッカス・サーモフィラスからなるフリーズドライの乳酸菌(DPL612−GRB、協和ハイフーズ社製)を50mg添加し、混合した。これを43℃で12時間、静置で培養を行った。培養終了後、無塩バター300gを添加した後、すみやかに85℃で10分間保持して、殺菌および酵素の失活処理をした。殺菌処理後、実施例3に記載の方法と同様の方法により、リパーゼ処理を行い、油脂のリパーゼ処理物(以下、保存性向上剤Dともいう)500gを得た。
実施例2で得られた生地(I)に、実施例3で得られた保存性向上剤Cを加える以外は、実施例2と同様の方法で食パン(4)を製造し、生地(I)に、比較例2で得られた保存性向上剤Dを加える以外は同様の工程により食パン(5)を製造した。
試験例1
(a)実施例2で得られたコントロールの食パンおよび食パン(1)〜(3)の香りについて、熟練したパネラー15人により官能評価を5点評価法を用いて行った。
評価はコントロールの香りを3点として、以下の基準で行い、t検定を行った。
5点:香りが特に好ましい
4点:香りが好ましい
3点:コントロールと同程度
2点:香りが好ましくない
1点:香りが特に好ましくない
結果を第1表に示す。
Figure 0004729481
a:危険率5%以下でコントロールに対して有意差あり
b:危険率5%以下で食パン(3)に対して有意差あり
第1表から明らかなように、カプロン酸を添加した食パン〔食パン(1)〕は添加物なしの食パン(コントロール)に比べて食パンの香りが悪化していたのに対し、保存性向上剤AおよびBを添加した場合は、いずれも香りの向上した食パン〔食パン(2)および食パン(3)〕が得られた。
また、保存性向上剤Aを添加した場合は保存性向上剤Bを添加した場合に比べて、有意に香りの向上した食パン〔食パン(2)〕が得られた。
(b)実施例2で得られた食パンを、それぞれ17mmの厚さにスライスした。
各食パンについて、スライスした食パンを4枚使用し、スライス面の片側に、0.1容量%Tween80溶液に5×10個/mlとなるように調製したペニシリウム・エクスパンサム(Penicillium expansum)ATCC1117株の胞子懸濁液を接種した。
1スライス面へのカビの接種箇所は25箇所とし、1箇所あたり10μlの胞子懸濁液を接種した。
なお、ペニシリウム・エクスパンサムは青カビとしてパンに生える一般的なカビである。
ペニシリウム・エクスパンサムATCC 1117株の胞子懸濁液は以下のようにして調製したものを用いた。
水1Lに麦芽エキス20g、グルコース20g、ペプトン1g、寒天20gを加え、120℃、20分間殺菌して調製した斜面培地に、ペニシリウム・エクスパンサムATCC1117株を一白金耳植菌し、25℃で7日間培養した。該斜面培地に0.1容量%Tween80溶液を5ml加えて胞子を懸濁し、該懸濁液を遠心分離して胞子を集め、0.1容量%Tween80溶液で2回洗浄した。洗浄した胞子に0.1容量%Tween80溶液を5ml加えて懸濁し、該懸濁液を40μmのセルストレナー(FALCON社製)を2回通過させた。
セルストレナーを2回通過させた液を胞子懸濁液とし、15容量%グリセロール液に5×10個/mlとなるように加えて−80℃で使用時まで凍結保存した。
ペニシリウム・エクスパンサムATCC 1117株の胞子懸濁液を接種した食パンは25℃で静置し、食パンのスライス面での胞子の形成を観察し、胞子形成に要する日数を測定した。カビの観察は一日2回(朝、夕各1回)行い、胞子の形成が確認されたスポットの数を数えた。
胞子形成の認められたスポットの数(全数で100個)の経時変化を図1に示す。
図1に示されるとおり、カプロン酸、保存性向上剤AおよびBの添加によって、コントロールに比べて胞子形成の遅延が認められ、中でも保存性向上剤Aの添加による遅延効果が大きかった。
試験例2
実施例4で得られた食パン(4)および食パン(5)を、熟練したパネラー15人により官能評価を5点評価法を用いて行った。
評価はコントロールの香りを3点として、以下の基準で行い、t検定を行った。
5点:香りが特に好ましい
4点:香りが好ましい
3点:コントロールと同程度
2点:香りが好ましくない
1点:香りが特に好ましくない
結果を第2表に示す。
Figure 0004729481
a:危険率5%以下でコントロールに対して有意差あり
b:危険率5%以下で食パン(5)に対して有意差あり
以上の結果から明らかなように、添加物なしの食パン(コントロール)に比べ、保存性向上剤Cおよび保存性向上剤Dを添加した食パン〔食パン(4)および食パン(5)〕は、有意に香りが向上していた。
また、保存性向上剤Dを添加した食パン〔食パン(5)〕に比べ保存性向上剤Cを添加した食パン〔食パン(4)〕は有意に香りが向上していた。
本発明によれば、風味のよい飲食品の保存性向上剤、保存性の向上した飲食品および該飲食品の製造方法を提供することができる。

Claims (7)

  1. (i) 水、緩衝剤および液体培地から選ばれる水性媒体に、乳酸菌の菌体と動物油脂を添加し、10〜50℃で4時間〜10日間、反応させた反応生成物、または、(ii) 乳酸菌の培養液に動物油脂を添加し、10〜50℃で4時間〜3日間、反応させた反応生成物に、トリアシルグリセロールリパーゼを添加し、20〜50℃で2〜120時間、リパーゼ処理させたリパーゼ処理物を含有することを特徴とする、飲食品の保存性向上剤。
  2. 動物油脂が乳脂である、請求項1に記載の保存性向上剤。
  3. 水性媒体が生乳、脱脂粉乳または、全脂肪粉乳のいずれか一つ以上を含有する、請求項1または2に記載の保存性向上剤。
  4. 乳酸菌がラクトバチルス(Lactobacillus)属、ラクトコッカス(Lactococcus)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、ペディオコッカス(Pediococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属、テトラゲノコッカス(Tetragenococcus)属からなる群から選ばれる1種または2種以上の乳酸菌である、請求項1〜3のいずれかに記載の保存性向上剤。
  5. 飲食品がパンである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の保存性向上剤。
  6. 保存性向上剤が防黴剤である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の保存性向上剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の保存性向上剤を飲食品に添加することを特徴とする飲食品の保存性向上方法。
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