JP5114770B2 - 新規乳酸菌およびこの乳酸菌を用いる発酵食品の製造方法 - Google Patents
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Description
本菌株は、タンパク質のみならず、脂質を分解する酵素をも併せもっており、このような脂質分解酵素によって発酵食品の香りを誘導し得ることも知見した。
さらに、本菌株は、他の微生物の共存下でよく生育し、タンパク質および脂質の分解作用を良好に発揮させることについても知見するに至った。
また、本発明の他の目的は、原料に含まれるタンパク質および脂質をよく分解し、ペプチドや遊離アミノ酸、香気を生成するとともに、酸味の過剰な生成を抑えた風味豊かな発酵漬物その他の発酵食品を製造することにある。
第3発明による発酵漬物用スターターカルチャーは、前記第1発明の新規乳酸菌と、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サケィ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)のうち少なくとも一種の乳酸桿菌とを含有してなることを特徴とする。
第4発明による発酵漬物の製造方法は、前記第2または第3発明のスターターカルチャーを、野菜、果実、水産物などの漬物原料に添加して発酵させることを特徴とする。
第5発明による発酵漬物の製造方法は、前記第2または第3発明のスターターカルチャーを、米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳などの漬物床原料に添加して発酵させることを特徴とする。
A.米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳などの原料に、請求項1記載の新規乳酸菌を接種して発酵させて漬物床を得る工程、
B.米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳などの原料に、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サケィ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)のうち少なくとも一種の乳酸桿菌を接種して発酵させて漬物床を得る工程、
C.前記工程AおよびBにより得られた漬物床を混合して得られる混合漬物床に、野菜、果実、水産物などの漬物原料を漬け込む工程を含むことを特徴とする。
第7発明による発酵漬物の製造方法は、前記第4〜第6発明のいずれか一に記載の製造方法であって、乳酸菌の発酵温度を、漬け込み開始温度からしだいに低下させるように調節することで、漬物の過剰な酸味の生成を抑えることを特徴とする。
第8発明による発酵漬物は、前記第4〜第7発明のいずれか一に記載の製造方法により得られることを特徴とする。
第10発明による発酵食品の製造方法は、前記第9発明の新規乳酸菌を含むスターターカルチャーを原料に添加して発酵させることを特徴とする。
第11発明の発酵食品は、前記第9発明の製造方法により得られることを特徴とする。
第12発明の廃棄物の処理方法は、漬物その他の食品の製造過程で生じる食材廃棄物に、前記第1発明の新規乳酸菌を添加して発酵させることで、該食材廃棄物中の糖質および/またはタンパク質を分解することを特徴とする。
同センターによる受領番号は、NITE AP−332、受領日は2007年3月7日、受託番号はNITE P−332号である。
《1》形態的性質
検鏡の結果(形状および大きさ) : 連鎖球菌 大きさ1μ
(1)リトマスミルク試験 : 酸形成あり、凝固性あり
(2)食塩6.5%での生育 : 陽性
(3)pH 9.6での生育 : 陽性
(4)10℃での生育 : 陽性
(5)45℃での生育 : 陽性
(1)グラム染色 : 陽性
(2)カタラーゼ試験 : 陰性
(3)ガス生産(グルコース) : なし
(4)発酵形式 : ホモ乳酸発酵
(5)乳酸の光学活性 : L型
(6)アルギニンからアンモニア分解性 : 陽性
(7)糖の発酵性の有無(発酵した糖を陽性とした)
グリセリン 陽性
エリスリトール 陰性
D−アラビノース 陰性
L−アラビノース 陰性
リボース 陽性
D−キシロース 陰性
L−キシロース 陰性
ガラクトース 陽性
D−グルコース 陽性
D−フルクトース 陽性
D−マンノース 陽性
ラムノース 陰性
イノシトール 陽性
マンニトール 陽性
ソルビトール 陽性
α−メチル−D−グリコシド 陰性
N−アセチルグルコサミン 陽性
アミグダリン 陽性
アルブチン 陽性
エスクリン 陽性
サルシン 陽性
セロビオース 陽性
マルトース 陽性
ラクトース 陽性
メリビオース 陰性
サッカロース 陽性
トレハロース 陽性
イヌリン 陰性
D−ラフィノース 陰性
グリコーゲン 陰性
キシリトール 陰性
β−ゲンチオビオース 陽性
グルコネート 陽性
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株は、グラム染色は陽性、カタラーゼ試験陰性、ホモ乳酸発酵を示し、連鎖球菌、生産する乳酸はL型であることからStreptococci属の乳酸菌である。
さらに、10℃、45℃、6.5%食塩存在下、pH9.6のいずれの条件においても生育し、アルギニンからアンモニア分解性を示し、アラビノースを発酵しないことからエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)と同定するに至った。
そして、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する乳酸菌の中で、AK−1株はタンパク質および脂質の分解能力が高く、糖の資化性も他と同一性がみられないことから新規乳酸菌であることが判明した。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株は、比較的高い塩分の存在下、かつ低温下でも生育が可能で、プロテアーゼやペプチダーゼによるタンパク質の分解能力が高く、リパーゼによる脂質の分解能力も高い。さらに、乳酸を過剰に生成しない性質をもつため、発酵食品の酸味を抑えることができる。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)に属する乳酸菌は、人間の腸内に常在していること、整腸剤として医薬品で使用されている経緯があり、安全性は高い。さらに、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株は食品原材料から分離されることから、これらの生産する物質を含め、安全性は極めて高い。
また、その特徴を生かして、漬物以外の発酵食品を製造するためのスターターカルチャーとして使用することもできる。
さらには、漬物その他の食品の製造過程で生じる食材廃棄物を分解するための処理剤として用いることもできる。
本発明において、漬物および漬物床の原料は、通常用いられるものと同様な食材が使用される。
例えば、漬物の原料としては、キュウリ、ニンジン、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、タマネギ、トマト等の野菜、メロン、スイカ等の果物、イワシ、サバ、イカ、エビ等の水産物等を用いるとよい。
また、漬物床の原料としては、米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳、海草等を用いるとよい。
これらの原料は、生のままで使用してもよいし、必要に応じて加熱殺菌処理等を施してもよい。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株は、野菜や水産物、もしくは米糠の存在下において、10℃から40℃でよく生育し、接種後に乳酸菌数が増加する。さらに得られた漬物は酸味をあまり生成せず、色調を保つ特徴を持つ。
そして、上記の効果は、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)の他、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サケィ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)などの乳酸桿菌についても、同様な効果を期待することができる。
これらの微生物を適宜ブレンドすることで、漬物原料に最適なスターターカルチャーを得ることができる。
円谷らは岐阜県高山市などで生産されている発酵漬物である「赤かぶ漬」について研究報告している(円谷悦造,渡辺篤,正井博之,日本食品工業学会誌,29巻,202ページ,1982年)。それによれば、赤かぶ漬は原料を18〜20℃といった比較的気温の高い時期に漬け込み、原料の赤かぶや容器に付着している乳酸菌が酸を生産することで、他の腐敗菌の生育を阻止する環境を整える。ついで15℃、10℃、5℃、0℃というように徐々に気温が低下するため、100gあたり0.7gほどの酸の生成にとどまり、風味成分が形成されるものと考えられる。岐阜県高山市周辺のような寒冷な気候下では、自然に野菜を発酵させても乳酸発酵は円滑に進行するが、日本の多くの暖地では不可能である。
前述したように、本発明によるエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株は、プロテアーゼやペプチダーゼによるタンパク質の分解能力、およびリパーゼによる脂質の分解能力に優れ、乳酸を過剰に生成しないという特徴をもつ。
このような特徴を生かして、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を、発酵漬物以外の発酵食品を製造するためのスターターカルチャーとして適用することが可能である。
例えば、清酒製造、みそ・たまり・醤油製造、ヨーグルト製造、納豆製造、くさや、健康食品(サプリメント)、土壌改良材、発酵調味料、サイレージ(干し草)、パン、乳酸、発酵豆乳、チーズ、なれずし、発酵ソーセージ、発酵ハム、その他の発酵食品の製造にエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を使用すると、発酵食品の風味を豊かにし品質向上につながることが期待される。
漬物の製造では、野菜、果実、米糠、調味料、香辛料、糖類、アミノ酸液などの原料の一部が廃棄物として生じる。また、海外より塩蔵した野菜を輸入し、日本国内で脱塩したのちに調味、包装する製品も多い。このような廃棄物は、漬物以外の食品の製造過程においても同様に生じている。
また、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株は、食塩6.5%存在下でも生育するため、塩分を含んだ漬物などの製造過程の廃棄物中でも代謝に問題はない。
さらに、本菌株は、ホモ乳酸発酵を示す乳酸菌であり、しかも発酵させて得られる乳酸の光学活性はL型である。このため、発酵食品の製造過程で生じた廃棄物に接種することで、純度の高いL−乳酸を得ることができ、ポリ乳酸などの生分解性に優れた素材の製造にも適した本菌株を役立てることができる。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を用いて米糠を発酵させて発酵米糠を製造した。これに野菜、水産物等を漬けることで糠味噌漬が完成する。図1に糠味噌漬の製造方法のフローチャートを示した。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を接種した糠味噌について、タンパク質の分解性の確認試験を行った。
糠味噌サンプルとして、10℃でそれぞれ5日、15日、33日発酵させたもの、および、20℃でそれぞれ5日、15日、33日発酵させたものを採取し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した。その結果を図3に示した。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を接種した糠味噌(20℃で発酵させたもの)について、乳酸の含量変化を測定した。
なお、比較例として、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) IFO 3070株を接種した糠味噌(20℃で発酵させたもの)について、乳酸の含量を測定した。
これに対し、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) IFO 3070株を同様に接種して10日間発酵させたものは、100gあたり0.9gの乳酸が生成し、酸味が過剰となった。
この結果、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株によれば、糠味噌の発酵過程で過剰な酸味の生成を抑えることが判る。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を接種した牛乳について、脂質分解性の確認試験を行った。
試験方法は、牛乳に乳酸菌(AK−1株)を接種し、30℃で7日間発酵を行い、この発酵乳について脂肪分を抽出精製し、ジアゾメタンでメチル化したものをガスクロマトグラフに供し、脂肪酸の分析を行った。
比較例として、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)IFO 12007、およびラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、IFO 12004についても、同様な条件で脂肪酸の分析を行った。
原料の牛乳に対する発酵乳中の遊離脂肪酸量の相対値について、分析結果を表1に示した。
発酵食品の原料は、通常、加熱殺菌してから使用することが多い。そのため原料に含まれていたリパーゼなどの酵素は効力が消失し、接種する微生物群の酵素により、風味成分が形成させるものと考えられる。エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株によれば、リパーゼによるの高い脂質分解作用により、発酵乳中の脂肪酸含量を増加させ、さらに化学変化をおこして低分子のアルデヒド、ケトンを発生させて特有の香りを形成することができる。
エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を主体として、他の乳酸菌を混合して製造した発酵漬物について、その風味確認試験を行った。
試験には、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株の他、
ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) IFO 3070株、ペディオコッカス・アシディラクチ(Pediococcus acidilactici) IFO 3076株、ロイコノストック・メセンテロイデス(Leuconostoc mesenteroides) IAM 1647株、ストレプトコッカス・ラクチス (Streptococcus lactis )527株を使用した。
図5に示すように、まず、米糠(品種;コシヒカリ、精米歩合90%)に食塩水(6.5%)を加え、よく混合して糠味噌を作成した。これを80℃、15分間加熱殺菌し、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1株を1グラムあたり10の7乗の乳酸菌数となるように接種して20℃の条件で発酵させた。
なお、比較対照として、各乳酸菌により発酵させた糠味噌を調合しないものについても、同様な条件でキュウリを漬け込んで食感を評価した。結果を表2に示した。
なお、本試験においては、漬物床としての糠味噌を調合することにより、各乳酸菌を混合したが、各乳酸菌を予め混合したものを糠味噌に接種するようにしても同様な結果が得られる。
すなわち、単独の乳酸菌で発酵漬物を製造するよりも、各種乳酸菌を混合して互いの長所を生かして発酵漬物を製造することが有効である。
漬物製造時に発生する廃棄物(タンパク系)の分解性について次のようなモデル試験を実施した。
糠味噌漬の製造工場等では、米糠などのタンパク質を含有する廃棄物が生じている。本試験では、廃棄物(タンパク系)のモデルとして、タンパク質(主にカゼイン)を多く含むスキムミルク(タンパク質含量:35.9%)を使用した。
比較対照として、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum) AHU 1526株、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)ATCC 14432株についても、同様な条件で発酵させた。さらに乳酸菌を接種しない対照区を設け、30℃7日間保存した。
以上の試料について遊離アミノ酸含量を調査し、表3に示した。
これにより、漬物製造時に排出される廃棄物中のタンパク質をよく分解し、遊離アミノ酸まで分解することが考えられる。このアミノ酸が土壌中の他の微生物の窒素栄養源となり、より生分解性が高まることで堆肥化が促進されることが期待できる。
Claims (12)
- タンパク質および脂質を分解する能力を有し、過剰な酸味を生産しない乳酸菌であって、受託番号:NITE P−332号として寄託されているエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)AK−1である新規乳酸菌。
- 請求項1記載の新規乳酸菌を含有してなる、発酵漬物用スターターカルチャー。
- 請求項1記載の新規乳酸菌と、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サケィ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)のうち少なくとも一種の乳酸桿菌とを含有してなる、発酵漬物用スターターカルチャー。
- 請求項2または3記載のスターターカルチャーを、野菜、果実、水産物などの漬物原料に添加して発酵させる、発酵漬物の製造方法。
- 請求項2または3記載のスターターカルチャーを、米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳などの漬物床原料に添加して発酵させる、発酵漬物の製造方法。
- A.米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳などの原料に、請求項1記載の新規乳酸菌を接種して発酵させて漬物床を得る工程、
B.米糠、米粉、ふすま、小麦粉、そば粉、大豆粉、牛乳、脱脂粉乳などの原料に、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)、ラクトバチルス・ヘルベチカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・サケィ(Lactobacillus sakei)、ラクトバチルス・デルブルッキー(Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバチルス・キムチ(Lactobacillus kimchii)のうち少なくとも一種の乳酸桿菌を接種して発酵させて漬物床を得る工程、
C.前記工程AおよびBにより得られた漬物床を混合して得られる混合漬物床に、野菜、果実、水産物などの漬物原料を漬け込む工程
を含むことを特徴とする、発酵漬物の製造方法。 - 請求項4〜6のいずれか一項記載の製造方法であって、乳酸菌の発酵温度を、漬け込み開始温度からしだいに低下させるように調節することで、漬物の過剰な酸味の生成を抑える、発酵漬物の製造方法。
- 請求項4〜7のいずれか一項記載の製造方法により得られる、発酵漬物。
- 請求項1記載の新規乳酸菌を含有してなる、発酵食品用スターターカルチャー。
- 請求項9記載の新規乳酸菌を含むスターターカルチャーを原料に添加して発酵させる、発酵食品の製造方法。
- 請求項9記載の製造方法により得られる、発酵食品。
- 漬物その他の食品の製造過程で生じる食材廃棄物に、請求項1記載の新規乳酸菌を添加して発酵させることで、該食材廃棄物中の糖質および/またはタンパク質を分解する、廃棄物の処理方法。
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