JP4684222B2 - 双極型静電チャック - Google Patents

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Description

この発明は、静電的に試料を吸着保持する双極型静電チャックに関する。
エッチング装置、化学気相蒸着(CVD)による薄膜形成などに用いるプラズマ処理装置、電子露光装置、イオン描写装置、イオン注入装置など、シリコン等の半導体ウエハに集積回路を形成する際に必要な半導体製造プロセスで使用される装置をはじめ、ガラス等の絶縁性基板に液晶の圧入を行う際に用いる基板張り合わせ装置、イオンドーピング装置など、テレビ画面やコンピュータ用ディスプレー等に使用される液晶ディスプレーパネルの製造工程で使用される装置では、ウエハやガラス等の試料を静電的に吸着保持する静電チャックが広く用いられている。これは、機械的機構を利用した保持と比較して、試料の損傷の問題、機械的接触による傷等から発生するパーティクルが引き起こす歩留まりの問題、更には保持した試料の平坦性の補償等において静電チャックが優れた性能を発揮するためである。
近年、大型液晶テレビの普及やフラットパネルディスプレーの開発等を受けて、これまでより大型のガラス基板を処理する必要性が生じ、なかでは大型のものとして1m×1mを超える基板を用いた製品も製造されている。また、半導体製造工程においては、直径300mmのシリコンウエハの処理が現在の主流となってきている。いずれの場合も大型化が進み、ガラス基板や半導体ウエハの重量が増すことにも関係して、高い吸着力と共に、静電チャックに吸着された際の吸着面での試料の平坦性がより重要になっている。
一般に、静電チャックに吸着された試料の吸着面での平坦性は、静電チャックが試料を保持する保持力の大きさにも関係してくる。すなわち、上記のように吸着する試料の大型化が進むにつれ、静電チャックが十分な保持力を有さなければならない。
ここで、2つの電極に正負の電圧を印加する双極型の静電チャックでは、下記式(1)で示されるような、不均一な電界の場合に発生するグラディエント力Fの働きによってシリコン等の半導体ウエハやガラス基板等の誘電体を吸着すると考えられており、このグラディエント力は電界強度Eの2乗の空間微分、すなわちグラディエントに比例する。
F∝∇(E2) … …(1)
そこで、これまでに互いに隣接する電極間の距離を狭めた双極型の静電チャックがいくつか報告されている。例えば、互いに帯状くし歯の形状をした電極を互い違いに入り組ませて10cm×10cmの一層櫛型双極電極を形成し、かつ、これらの互いの電極を1mmピッチ(それぞれの電極幅が1mmであり、かつ、互いの電極間隔が1mm)で配列すると共に、表面誘電体層を50μmとした双極型の静電チャックが報告されている(K.Asano, F.Hatakeyama and K. Yatsuzuka, 「Fundamental Study of an Electrostatic Chuck for Silicon Wafer Handling」, IAS '97. Conference Record of the 1997 IEEE Industry Applications Conference Thirty-Second IAS Annual Meeting (Cat. No.97CH36096), Part: vol.3 , Page: 1998-2003.)。そして、この静電チャックでは、被吸着物であるシリコンウエハに対して印加電圧1500Vで〜3Nの吸着力を得ている。これは単位面積あたりの吸着力に換算すると〜3gf/cm2となる。また、絶縁体の内部に対になった帯状電極を備えた双極型の静電チャックにおいて、その帯状電極の線幅及び帯状電極間をそれぞれ0.3〜3mmとした例も報告されている(特開平10−223742号公報)。更には、誘電性のベース上に間隔が離れた電極を配列し、これら電極の電極幅及び電極間隔をそれぞれ100μm以下とする例も報告されている(特表2000−502509号公報)。
しかしながら、互いに隣接する電極間距離を狭めた場合には放電限界が問題となる。すなわち、静電チャックに用いる電極材のエッチング断面の制御や、絶縁体の内部で電極を固定する接着層の形成具合の制御等が難しいため、例えば従来の双極型静電チャックの断面図を示した図28の電極付近の断面模式図(拡大図)のように、第一電極2及び第二電極4の端部のエッチング不揃いによる尖った個所には電界が集中し易く、また、絶縁層どうし、あるいは絶縁層と電極とを固定する接着層を形成するための接着剤が固着する際にボイドが生じるため、隣接する電極間では絶縁耐圧が著しく低下する。そのため、上記のような双極型の静電チャックでは、電極と電極との間がある一定距離に近づくと、電極間で放電を起こすおそれがある。
この放電限界については、一般に、双極型の静電チャックでは、電極間の距離が0.5mmに対して3kV程度であるとされている。実際には、上記のような双極型静電チャックを使用する際には、安全率をみてこれより低い電圧を印加するようにしなければならない。そのため、先に説明したような従来の電極間幅を狭めた双極型の静電チャックでは、実際に印加できる電圧は制限されてしまい、直径サイズの大型化が進む半導体ウエハや、大型化が進む液晶テレビやフラットパネルディスプレー等に使用されるガラス基板に対しては、単位面積当たりの重量が増加するため十分な吸着力(グラディエント力)を発揮することができないといった問題がある。
一方、絶縁性の試料を静電チャックに吸着させた場合、電極に印加する電圧を切っても残留電荷によって静電チャックの試料吸着面から試料がはがれにくいといった問題があり、特に、上記のように試料の大型化が進むと、この問題はより深刻となる。
ところで、双極型の静電チャックについては、先に説明したものを含めて電極を同一平面となるように配設したものほとんどであり、なかには絶縁体の内部に複数の電極を積層するタイプの静電チャックも報告されているが(特許第2838810号公報)、極性の異なる電極を同一平面内に配設する点で上記双極型静電チャックと同じであり、同様に放電限界の問題を抱える。
特開平10−223742号公報 特表2000−502509号公報 特許第2838810号公報 K.Asano, F.Hatakeyama and K. Yatsuzuka, 「Fundamental Study of an Electrostatic Chuck for Silicon Wafer Handling」, IAS '97. Conference Record of the 1997 IEEE Industry Applications Conference Thirty-Second IAS Annual Meeting (Cat. No.97CH36096), Part: vol.3 , Page: 1998-2003.
そこで、本発明者らは、上述したような従来の双極型静電チャックの放電限界が電界強度にして6MV/m程度であることに注目した。この値は一般に経験的に知られている真空中の絶縁破壊電界強度10MV/mより低く、また、絶縁体の材質の耐圧、例えばポリイミドでは160MV/mに比べて圧倒的に低いことから、絶縁体の内部で隣接する、互いに異なる極性の電圧を印加する電極の間では、隣接する電極端部の形状やこれらの電極の間に存在する接着層内のボイド等が絶縁破壊電界強度の低下に大きく影響を与えているという考えに至った。
そして、電界強度に優れ、かつ、大型の試料であっても十分に対応可能な強いグラディエント力を発揮する双極型静電チャックの実現について鋭意検討した結果、異なる極性の電圧を印加する第一の電極と第二の電極とを絶縁体の内部に試料吸着面から深さ方向に向かって順に並べると共に、これらの電極の間には絶縁耐圧に優れた絶縁層を配設することによって、これらの電極の電極間距離を狭めて強いグラディエント力を発現せしめても絶縁耐性に優れることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、絶縁耐性に優れ、かつ、優れた吸着力を発揮する双極型静電チャックを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、電極への電圧の印加を終えた後、試料吸着面からの試料のはがし取りにくさを可及的に解消できる双極型静電チャックを提供することにある。
すなわち、本発明は、絶縁体の内部に第一電極と第二電極とを備えて少なくともグラディエント力による吸着力を発生させ、この絶縁体の表面を試料吸着面として試料を吸着する双極型の静電チャックであり、上記絶縁体は、その深さ方向に試料吸着面から近い順に上部絶縁層、第一電極、電極間絶縁層、第二電極、及び下部絶縁層が積層されてなり、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極は第一電極に対して非重畳領域を有また、第一電極及び第二電極を試料吸着面に投影して第二電極の非重畳領域を複数横切る方向にみて、第一電極と第二電極とが交互にそれぞれ複数存在することを特徴とする双極型静電チャックである。
また、本発明は、上記絶縁体の表面に更に導電性層を形成し、この導電性層の表面を試料吸着面とする双極型静電チャックである。
本発明においては、絶縁体がその深さ方向に試料吸着面から近い順に第一電極、電極間絶縁層、及び第二電極とを有し、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極は第一電極に対して非重畳領域を有する必要がある。第一電極と第二電極は絶縁体の内部において絶縁体の深さ方向(厚み方向)に互いに離れて存在すると共に、この第一電極と第二電極との間には電極間絶縁層が存在する必要がある。
本発明において、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極は第一電極に対して非重畳領域を有するとは、絶縁体の内部に存在する第一電極と第二電極のみを対象として試料吸着面から垂直方向にみた場合、第二電極が第一電極とは重ならない領域を有することを言う。具体的には、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極が第一電極と重ならない場合と、第二電極の一部が第一電極と重なる場合(この重なる部分以外は第二電極が第一電極とは重ならない)とがある。ここで、第一電極と第二電極とが試料吸着面を深さ方向にみて互いに線で接する場合、及び第一電極と第二電極とが試料吸着面を深さ方向にみて互いに点で接する場合については、後者の具体例、すなわち、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極の一部が第一電極と重なる場合に含めるとする。
本発明における第一電極及び第二電極のそれぞれの形状、及び絶縁体の内部における両電極の配置については、上述したように、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極が第一電極に対して非重畳領域を有することができればよく、例えば、以下のような場合を挙げることができる。
すなわち、第二電極が第一電極と重ならない場合として、例えば、第一電極が帯状くし歯に形成されると共に第二電極が帯状くし歯に形成され、これら2つの帯状くし歯が互い違いに入り組まれて第二電極が第一電極と重ならないように配置してもよく、第一電極が半円状に形成されると共に第二電極が第一電極と線対称な半円状に形成され、第二電極が第一電極と重ならないように配置してもよく、第一電極が長方形又は正方形状に形成されると共に第二電極が第一電極と線対称な長方形又は正方形状に形成され、第二電極が第一電極と重ならないように配置してもよい。
第二電極の一部が第一電極と重なる場合として、例えば、第一電極が帯状くし歯に形成されると共に第二電極が所定の領域を有する平板状に形成され、この第二電極の一部が上記第一電極と重なるように配置してもよい。また、第一電極が井桁状に形成されると共に第二電極が所定の領域を有する平板状に形成され、この第二電極の一部が上記第一電極と重なるように配置してもよい。
また、第一電極が所定の領域内に円形、三角形、正方形、長方形、又は四角形以上の多角形の形状をした開口部を複数有したメッシュ状に形成されると共に第二電極が所定の領域を有する平板状に形成され、この第二電極の一部が上記第一電極と重なるように配置してもよい。第一電極における開口部の大きさ(円については直径、四角形以上では対角線の長さ)については、隣接する開口部との距離と同程度か、あるいは隣接する開口部と開口部との距離の120%程度となるように形成するのがよく、第一電極をこのような大きさの開口部を有するメッシュ状にすることにより、第二電極からの電界の漏れを適度に多くすることができる。この開口部の具体的な大きさについては、十分なグラディエント力を発揮せしめる観点から、好ましくは0.1〜3.0mmであるのがよい。更には、吸着力の均一性の観点から、開口部については好ましくは第一電極の所定の領域内に均一に存在しているのがよい。
また、第一電極が所定の幅を有するリング状に形成されると共に第二電極が所定の円形領域を有する平板状に形成され、この第二電極の一部が上記第一電極と重なるように配置してもよい。また、第一電極が、所定の円形領域を有する円形部を中心にしてこの円形部から所定の間隔をおいて同心円状に並ぶ第一環状部を有し、かつ、上記円形部と第一環状部とを結ぶ第一接続部を有するように形成され、第二電極が、上記第一電極の円形部と第一環状部との間隔より小さい幅を有する環状に形成され、この第二電極が試料吸着面の深さ方向にみて上記第一電極の円形部と第一環状部との間に配置されてもよく、また、第一電極が、所定の円形領域を有する円形部を中心にしてこの円形部から所定の間隔をおいて同心円状に並ぶ第一環状部を有し、かつ、上記円形部と第一環状部とを結ぶ第一接続部を有するように形成され、第二電極が、上記第一電極の円形部と第一環状部との間隔と同じ幅を有する環状に形成され、この第二電極が試料吸着面の深さ方向にみて上記第一電極の円形部と第一環状部との間に配置されてもよい。上述したように、第一電極が円形部と第一環状部と第一接続部を有すると共に第二電極が環状に形成される場合、第一電極と第二電極とがそれぞれ複数の同心円状の環状部を有するように形成してもよい。すなわち、第一電極が、互いに所定の間隔をおいて同心円状に並ぶ2つ以上の第一環状部を有し、一方、第二電極が、互いに所定の間隔をおいて同心円状に並ぶ2つ以上の第二環状部を有し、かつ、第二環状部の間を結ぶ第二接続部を有するように形成され、第二電極の各第二環状部が試料吸着面の深さ方向にみて上記第一電極の各第一環状部の間に配置されてもよい。
更には、第一電極と第二電極とが、上記で説明したいずれかの形状に各々形成され、この第一電極と第二電極とを組み合わせて配置し、第二電極の一部が試料吸着面の深さ方向にみて第一電極と重なるように配置してもよい。
本発明における第一電極及び第二電極については、例えば互いに極性の異なる電圧を印加したり、あるいは一方の電極をGround(接地)にして残りの電極をプラス極又はマイナス極とするなどして、互いに電位差を生じさせるようにする。この第一電極については1又は2以上の電極から形成してもよく、第二電極についても1又は2以上の電極から形成するようにしてもよい。
本発明においては、試料吸着面に保持される試料への吸着力の均一性の観点から、好ましくは第一電極と第二電極のそれぞれの外周形状が占める領域が、共に試料吸着面の中央部から周縁部に至るまでの領域を占めることができるのがよい。すなわち、第一電極の外周形状と第二電極の外周形状とが試料吸着面を深さ方向にみて互いに略重なるのが好ましい。更に好ましくは第一電極の外周形状と第二電極の外周形状と試料吸着面に保持される試料の外周形状とが試料吸着面を深さ方向にみて互いに略重なるのがよい。
また、第二電極が、試料吸着面を深さ方向にみて第一電極に対して有する非重畳領域については、吸着力の均一性の観点から、好ましくは試料吸着面の中央部から周縁部に至るまでの領域に均一に存在しているのがよく、更に好ましくは上記非重畳領域が存在する領域が、試料吸着面に吸着される試料が占める領域に均一に存在しているのがよい。
一方、静電チャックの静電容量を低減することができる観点から、好ましくは上記第一電極と第二電極とが試料吸着面を深さ方向にみて互いに重なる領域が少なくなるほどよく、更に好ましくは第二電極が試料吸着面を深さ方向にみて第一電極と重ならないのがよい。静電チャックの静電容量を低減することができれば、両電極への電圧の印加を終えた後に試料吸着面からの試料のはがし取りにくさを可及的に解消することができる。
本発明において、絶縁体の内部における第一電極と第二電極との電極間距離については1〜1000μm、好ましくは50〜500μmであるのがよい。第一電極と第二電極との電極間距離が1μmより小さいと、例えば第一電極、電極間絶縁層及び第二電極を市販されている積層体を利用して形成する場合、すなわち、絶縁性フィルムの表裏両面に金属箔を有するような積層体を用いる場合、電極間絶縁層を形成する絶縁性フィルムが1μmより薄いものを市場にて入手するのが困難であり、反対に、上記電極間距離が1000μmより大きくなると、得られた双極型静電チャックが熱伝導性の観点で問題が生じるおそれがある。また、上記電極間距離が50μm以上であれば市販のポリイミド等の絶縁シートを用いて接着剤により積層して電極間絶縁層を形成することで必要な電極間距離を容易に形成することができ、また、500μm以下であれば市場にて入手可能な1枚の絶縁シートの厚さを厚く設定して電極間絶縁層を形成して必要な電極間距離を容易に形成することができると共に、得られた静電チャックが数kV程度の低電圧動作によって必要な吸着力を発現せしめることができるようになる。尚、上記電極間距離とは、第一電極と第二電極との間を直線で結ぶ最短距離を言う。
また、本発明において第一電極を帯状くし歯に形成する場合、この帯状くし歯の帯状部分の幅(以下、「帯状電極幅」と言うこともある)と隣り合う帯状部分との間隔(以下、「電極間隙間」と言うこともある)とを等しくしたとき(帯状電極幅=電極間隙間=zとする)、このzについては好ましくは0.15〜0.5mmの範囲内であるのがよく、更に好ましくは0.2〜0.4mmであるのがよい。帯状電極幅と電極間隙間とを等しくしてこれらを上記範囲内にすることで優れた吸着力を発揮する。
本発明における第一電極と第二電極については、例えば銅、タングステン、アルミニウム、ニッケル、クロム、銀、白金、錫、モリブデン、マグネシウム、パラジウム等から形成することができ、電導性あるいは生産性の観点から好ましくは銅、アルミニウムであるのがよい。また、第一電極と第二電極とは同じ材質から形成してもよく、互いに異なる材質から形成してもよい。
そして、第一電極及び第二電極については、絶縁性フィルムの表裏両面に上記のような金属からなる箔を有した市販の積層体を利用することも可能である。あるいは、例えば電極間絶縁層の上面及び下面、あるいは後述する上部絶縁層又は下部絶縁層におけるそれぞれの一方の面に通常のスパッタ法を用いて上記金属からなる電極面を形成し、次いで形成した電極面を通常のエッチング方法を用いてそれぞれ所定の形状にしてもよい。また、銅、タングステン、アルミニウム、ニッケル、クロム、銀、白金、錫、モリブデン、マグネシウム、及びパラジウムから選ばれた1以上の金属をペースト状にして印刷処理を用いてもよく、イオンプレーティング蒸着法を用いた処理、メッキ処理、気相成長法で成膜の後に所定のパターンにエッチングする方法、モリブデン、タングステン、タンタル等の高融点金属を用いた溶射を用いる方法等の手段により電極間絶縁層、或は後述する上部絶縁層や下部絶縁層の表面に形成するようにしてもよい。
第一電極と第二電極のそれぞれの厚みについて、絶縁性フィルムの表裏両面に金属箔を有した積層体を利用する場合には、両電極共に0.2〜30μm、好ましくは1〜30μmであるのがよい。電極の厚みが0.2μmより小さいとピンホール等が入りやすく、技術的に製作が難しく、反対に30μmより大きくなると絶縁体の内部における電極付近にボイド等による隙間が形成されて、絶縁体としての強度に問題が生じるおそれがある。また、電極の厚みが1μm以上であれば、特に大型の静電チャックを形成する場合でも、信頼性のある電極を全域に形成することが可能となる。
モリブデン、タングステン、タンタル等の所定の金属で溶射して形成する場合には、第一電極については20〜100μm、好ましくは20〜30μmであるのがよく、第二電極については20〜100μm、好ましくは20〜30μmであるのがよい。両電極共に膜厚が20μmより小さくなるとボイドが発生し、導電膜として機能し難くなる。
上記その他の方法で第一電極と第二電極を形成する場合においても、例えば1〜30μm程度とすることができる。
本発明における第一電極の一部又は全部を試料吸着面の深さ方向に切った断面形状については特に制限はないが、例えば長方形、正方形、円形、三角形、四角形、又はそれ以上の多角形等から選ばれた形状を挙げることができる。また、本発明における第二電極の一部又は全部を試料吸着面の深さ方向に切った断面形状についても、上記第一電極の場合と同様に考えることができ、第一電極及び第二電極の一部又は全部の断面形状を同じ形状に揃えてもよく、互いに異なる形状にしてよい。
本発明における電極間絶縁層については、絶縁体の内部において第一電極と第二電極とが互いに接しないよう離すことができると共に、第一電極と第二電極とが電気的に絶縁されるものであればよい。このような電極間絶縁層としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ、及びアクリルから選ばれた1種又は2種以上の樹脂からなる樹脂層によって形成してもよく、酸化アルミ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア及びチタニアから選ばれた1種又は2種以上からなるセラミックス層によって形成してもよく、あるいは、珪素及び二酸化珪素から選ばれた1種又は2種からなる層などによって形成してもよい。このうち、量産性の観点から、好ましくはポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート及びエポキシから選ばれた1種又は2種以上の樹脂からなる樹脂層によって形成するのがよく、耐絶縁性や化学的耐性の観点から更に好ましくはポリイミドであるのがよい。
上記樹脂層については、好ましくは1又は2以上の樹脂フィルムからなるのがよい。このような樹脂フィルムとしては、具体的には、カプトン(東レ・デュポン社製商品名)、ユーピレックスADシート(宇部興産社製商品名)、アピカル(鐘淵化学工業社製商品名)等を挙げることができ、更に好ましくはポリイミドからなるカプトンである。電極間絶縁層を形成する樹脂層に樹脂フィルムを用いることで、第一電極と第二電極の間をボイドの存在等のおそれを可及的に排除して信頼性のある電極間絶縁層を形成でき、絶縁耐性に優れた静電チャックを得ることができる。例えばカプトン(東レ・デュポン社製商品名)の絶縁破壊電界強度は160MV/mであるとされており、このカプトンを電極間絶縁層とした本発明の静電チャックは、更に優れた絶縁耐性を発揮し得る。
この樹脂層の厚みについては、用いる材質によっても異なるが、例えばポリイミドフィルムを用いる場合、1〜1000μm、好ましくは50〜500μmであるのがよい。電極間絶縁層の厚みが1μmより小さいと、例えば第一電極、電極間絶縁層及び第二電極を市販されている積層体を利用して形成する場合、すなわち、絶縁性フィルムの表裏両面に金属箔を有するような積層体を用いる場合、電極間絶縁層を形成する絶縁性フィルムが1μmより薄いものを市場にて入手するのが困難であり、反対に、電極間絶縁層の厚みが1000μmより大きくなると、得られた双極型静電チャックが熱伝導性の観点で問題が生じるおそれがある。また、電極間絶縁層の厚みが50μm以上であれば市販のポリイミド等の絶縁シートを用いて接着剤により積層して形成することが可能であり、また、500μm以下であれば市場にて入手可能な1枚の絶縁シートの厚さを厚く設定することにより製作可能であると共に、得られた静電チャックが数kV程度の低電圧動作によって必要な吸着力を発現せしめることができるようになる。
電極間絶縁層をセラミックス層から形成する場合は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、イットリア、マグネシア、及びチタニアの単体又はこれらの複合体を大気あるいはプラズマなどによる溶射によって形成してよく、また、焼結済みセラミックス薄板を用いて形成してもよい。
溶射によって形成する際には、電極間絶縁層の膜厚は、一般的な溶射技術によって30〜500μm程度の範囲で形成することができ、必要に応じて最大3mm程度の厚みまでは厚くすることも可能である。この膜厚が30μmより小さいと均一な層が形成し難く、反対に500μmより大きくなるとグラディエント力が小さくなってしまう。また、半導体装置等で使用される最中の侵食によって試料や装置等への汚染の影響を可及的に低減させる目的や、耐絶縁性に優れる観点から、好ましくは99.99%以上の純度の高いものを用いて溶射によりセラミックス層を形成するのがよく、また、試料吸着面に保持した試料を効率良く冷却させる観点から、窒化アルミニウム等の熱伝導性の高いものを用いるのが好ましい。
溶射によってセラミックス層を形成する場合は、溶射後の上面を機械加工等により平坦化するのがよい。この際の平坦度については、絶縁体内における電極の位置関係から重要であって、電界の形成を均一にしてグラディエント力による吸着力を試料吸着面において均一にする観点から、表面粗さRaを5〜50μm程度とするのがよく、10μm以下とするのが好ましい。
一方、焼結済みのセラミックス薄板を用いて電極間絶縁層を形成する場合は、その膜厚については任意に設計することができるが、好ましくは30〜500μmの範囲とするのがよい。この膜厚が30μmより小さいと均一な層の形成が難しく、反対に500μmより大きくなるとグラディエント力が小さくなってしまう。また、用いる材質については、溶射の場合と同様である。
また、電極間絶縁層を珪素及び二酸化珪素から選ばれた1種又は2種からなる層で形成する場合には、例えばCVDあるいはスパッタ法によって膜厚1〜50μmの電極間絶縁層を形成することができる。
また、本発明における絶縁体は、その深さ方向に試料吸着面から近い順に第一電極、電極間絶縁層、及び第二電極とを有する必要があるが、好ましくは絶縁体の深さ方向に試料吸着面から近い順に上部絶縁層、第一電極、電極間絶縁層、第二電極、及び下部絶縁層を有するのがよい。ここで、上部絶縁層及び下部絶縁層を示す上下の方向は、絶縁体の表面の試料吸着面側を上として試料吸着面により近い方を上部、遠い方を下部とする意味である。
この上部絶縁層については、例えば、下面に熱可塑性ポリイミドを有するポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、及びエポキシから選ばれた1種又は2種以上の樹脂からなる樹脂層、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、イットリア、マグネシア、及びチタニアから選ばれた1種又は2種以上からなるセラミックス層等を挙げることができ、生産性及び絶縁性の観点から好ましくは下面に熱可塑性ポリイミドを有するポリイミドであるのがよい。
また、下部絶縁層については、上面に熱可塑性ポリイミドを有するポリイミドのほか上記上部絶縁層の場合と同様であり、生産性及び絶縁性の観点から好ましくは上面に熱可塑性ポリイミドを有するポリイミドであるのがよい。
樹脂層によって上部絶縁層を形成する場合、その膜厚については、10〜200μm、好ましくは50〜100μmであるのがよい。上部絶縁層の膜厚が50μmより小さいと膜の耐久性に影響が考えられ、反対に100μmより大きくなるとグラディエント力が小さくなることが懸念される。また、樹脂層によって下部絶縁層を形成する場合の膜厚については、10μm以上、好ましくは50μm以上であるのがよい。上部絶縁層の膜厚が50μmより小さいと耐電圧性の問題や静電容量の増加等の問題が懸念され、反対に200μmより大きくなると被吸着物から基盤への熱の伝わり方が不十分となるおそれ、すなわち被吸着物の冷却が不十分となるおそれがある。
一方、上部絶縁層及び/又は下部絶縁層をセラミックス層から形成する場合、電極間絶縁層の場合と同様に、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア、イットリア、マグネシア、及びチタニアの単体又はこれらの複合体を大気あるいはプラズマなどによる溶射によって形成することができ、また、焼結済みセラミックス薄板を用いて形成することができる。
溶射によって形成する場合、その膜厚については、上部絶縁層においては樹脂層によって形成する場合と同様の理由から好ましくは10μm〜200μmであるのがよく、下部絶縁層においても同様の理由から好ましくは10μm〜200μmであるのがよい。用いる材質及び平坦化については電極間絶縁層の場合と同様である。
上部絶縁層及び/又は下部絶縁層を焼結済みのセラミックス薄板を用いて形成する場合、その膜厚については任意に設計することができ、上述した樹脂層又は溶射によって形成する場合と同様の理由から好ましくは10〜200μmの範囲とするのがよい。また、用いる材質については、溶射の場合と同様である。
上部絶縁層、下部絶縁層、又は電極間絶縁層のいずれか1以上をセラミックス薄板で形成する場合には、接着手段が必要となり、例えばエポキシ接着剤、ろう付け等による接着方法を用いてもよく、セラミックス薄板を高温状態に保ち、真空炉の中で圧接して接着してもよい。
また、本発明においては、絶縁体の表面に更に導電性層を形成し、この導電性層の表面を試料吸着面としてもよい。絶縁体の表面に更に導電性層を形成してこの導電性層の表面を試料吸着面とすることによって、静電チャックの時定数を低減することができ、双極型電極の両電極への電圧の印加を終えた後に試料吸着面からの試料のはがし取りにくさを可及的に解消することができる。このような導電性層は、例えば絶縁体の表面に導電性ポリイミドシートや導電性フッ素樹脂を積層したり、あるいは絶縁体自体に導電性をもたせるためにカーボン等の充填材を混合させるなどして形成することができる。
本発明における双極型静電チャックを作製する方法としては、例えば、先ず電極間絶縁層の上面及び下面の両面にそれぞれ上述した方法によって第一電極及び第二電極を形成する。次いで、下面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルムを第一電極及び第二電極を備えた電極間絶縁層の上に重ねて処理温度100〜250℃、圧力0.1〜5MPaの条件で低温熱圧着成型して上部絶縁層を形成し、更に上面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルムの上に、一体となった上部絶縁層、第一電極、電極間絶縁層及び第二電極を重ねて上記と同様に低温熱圧着成型して絶縁体を形成してもよい。また、上部絶縁層として下面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルム、上下の両表面に第一電極及び第二電極を形成した電極間絶縁層、下部絶縁層として上面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルムを順じ重ね、処理温度100〜250℃、圧力0.1〜5MPaの条件で一度に低温熱圧着成型して絶縁体を形成してもよい。そして、上記絶縁体を熱可塑性ポリイミドフィルムやエポキシ圧着シート等を介してアルミニウム、アルミニウム合金、MMC(メタル・マトリックス・コンポジット)、ステンレス、ステンレス合金の金属基盤や、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック材等からなるセラミックス基盤に載せ、処理温度100〜250℃、圧力0.1〜5MPaの条件で低温熱圧着して静電チャックを完成することができる。
或は、ポリイミド銅張積層板である市販のユピセルN(宇部興産株式会社製商品名)やネオフレックス(三井化学株式会社製商品名)等の銅表面層を有するポリイミドシートをはじめとした絶縁フィルムの表裏両面に金属箔を有する積層体を用いて、この金属箔を所定の電極パターンにエッチングする等して第一電極、電極間絶縁層及び第二電極を形成し、これに上記と同様にして上部絶縁層及び下部絶縁層を貼付け、さらに上記と同様にして金属基盤に貼り付けて静電チャックを完成してもよい。また、これら静電チャックについては、先に説明した方法によって導電性層を形成してもよい。
本発明の双極型静電チャックは、絶縁体の深さ方向に試料吸着面から近い順に第一電極、電極間絶縁層、及び第二電極とを有する構造を採用するため、優れた絶縁耐性を備え、第一電極と第二電極の電極間距離を可及的に狭くすることが可能となり、優れた吸着力を発揮する。その結果、本発明の双極型静電チャックは、保持する試料の平坦性に優れると共に、近年の大型化に対応した1m×1mを超えるガラス基板や直径300mmあるいはそれ以上のシリコンウエハ等に対しても十分な吸着性能を発揮し、また、優れた吸着力を発現せしめることができるため、低電圧駆動が可能となり、経済性の面で有利であると共に放電の心配が可及的に解消されて信頼性も高い。
更に、本発明の双極型静電チャックは、第一電極と第二電極とが試料吸着面を深さ方向にみて互いに重なる領域を可及的に少なくすることによって、静電チャックの静電容量を低減することができ、両電極への電圧の印加を終えた後に試料吸着面からの試料のはがし取りにくさを解消することができる。更にまた、絶縁体の表面に更に導電性層を形成してこの導電性層の表面を試料吸着面とした場合には、試料吸着面を深さ方向にみた場合の第一電極と第二電極との重なる領域にかかわらずに、静電チャックの時定数を低減することができ、双極型電極の両電極への電圧の印加を終えた後に試料吸着面からの試料のはがし取りにくさを解消できる。
図1は、本発明の実施例1に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図である。 図2は、実施例1に係る双極型静電チャックXの断面説明図(図1のA−A断面の一部)である。 図3は、実施例1に係る双極型静電チャックXの第一電極と第二電極とを試料吸着面の深さ方向にみた一部平面説明図である。 図4は、本発明の実施例2に係る双極型静電チャックの断面説明図である。 図5は、実施例2に係る双極型静電チャックXの第一電極と第二電極とを試料吸着面の深さ方向にみた一部平面説明図である。 図6は、本発明における実施例3に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図である。 図7は、実施例3に係る双極型静電チャックXの断面説明図(図6のA−A断面の一部)である。 図8は、実施例3に係る双極型静電チャックXの第一電極と第二電極とを試料吸着面の深さ方向にみた一部平面説明図である。 図9は、本発明の実施例4に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図である。 図10は、実施例4に係る双極型静電チャックXの第一電極と第二電極とを試料吸着面の深さ方向にみた一部平面説明図である。 図11は、本発明の実施例5に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図である。 図12は、実施例5に係る双極型静電チャックXの第一電極と第二電極とを試料吸着面の深さ方向にみた一部平面説明図である。 図13は、本発明の実施例6に係る双極型静電チャックXの第一電極と第二電極とを試料吸着面の深さ方向にみた一部平面説明図である。 図14は、本発明の実施例7に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図である。 図15は、本発明の実施例8に係る双極型静電チャックの第一電極の一部平面説明図を示す。 図16は、本発明の実施例9に係る双極型静電チャックの第一電極の一部平面説明図を示す。 図17は、本発明の実施例10に係る双極型静電チャックXの一部断面説明図を示す。 図18は、本発明の実施例11に係る双極型静電チャックXの電極間絶縁層及び第一電極の一部断面説明図を示す。 図19は、参考例1の第一電極及び第二電極の平面説明図である。 図20は、参考例1に係る双極型静電チャックのグラディエント力の分布を2次元電界計算で求めた結果を示す。 図21は、参考例1に係る双極型静電チャックの電位等高線の分布図を2次元電界計算で求めた結果を示す。 図22は、本発明の実施例1に係る双極型静電チャックのグラディエント力の分布を2次元電界計算で求めた結果を示す。 図23は、本発明の実施例1に係る双極型静電チャックの電位等高線の分布図を2次元電界計算で求めた結果を示す。 図24は、本発明の実施例3に係る双極型静電チャックのグラディエント力の分布を2次元電界計算で求めた結果を示す。 図25は、本発明の実施例3に係る双極型静電チャックの電位等高線の分布図を2次元電界計算で求めた結果を示す。 図26は、参考例1の双極型静電チャックをモデルとして、上部絶縁層の体積抵抗率を変化させた場合の時定数を示すグラフである。 図27は、吸着力の帯状電極幅(電極間隙間)に対する最適化を示すグラフである。 図28は、従来例を示す双極型静電チャックの断面説明図である。
X:双極型静電チャック、1,11:上部絶縁層、2,12,22,32,42,52,62:第一電極、2a:帯状部分、2b:根元部分、12a:隙間部分、22a:円形部分、22b:環状部分、22c:接続部分、32a,42a:開口部、3,13,23:電極間絶縁層、4,14,24,34,44,54,64:第二電極、4a,14a:帯状部分、4b,14b:根元部分、34a,44a:中央リング、34b,44b:環状部分、34c,44c:接続部分、5,15:下部絶縁層、6:金属基盤、7:試料吸着面、8:ガラス基板、9:絶縁体、10:直流電源
以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。尚、本発明における双極型静電チャックは以下の実施例の場合に限定されない。
[実施例1]
図1には、実施例1に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図が示されており、この双極型静電チャックXは、縦100mm×横100mm、膜厚50μm、及び比誘電率ε=3.5であって下面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルムからなる上部絶縁層1と、膜厚3μmの銅からなる第一電極2と、縦100mm×横100mm、膜厚50μm、及び比誘電率ε=3.5のポリイミドフィルムからなる電極間絶縁層3と、膜厚3μmの銅からなる第二電極4と、縦100mm×横100mm、膜厚50μm、比誘電率ε=3.5であって上面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルムからなる下部絶縁層5と、縦100mm×横100mm×厚さ10mmのアルミニウムからなる金属基盤6とから形成される。また、この双極型静電チャックXには、上部絶縁層1の上面からなる試料吸着面7に縦100mm×横100mm×厚さ0.2mmであって比誘電率ε=5.5のガラス基板8が吸着・保持される。
この実施例1に係る双極型静電チャックXを次のようにして形成した。先ず、上下両面(表裏両面)に銅表面層を有するポリイミド銅張積層シートのネオフレックス(三井化学株式会社製商品名)を用い、その上下両面にシルク印刷によって所定の電極のレジストパターンを形成し、次いで塩化第二鉄からなる腐食剤を用いてエッチングを行った。このようにして、縦80mm×横80mmの領域を有する帯状くし歯の第一電極2、電極間絶縁層3(ポリイミドフィルム)、及び縦80mm×横80mmの領域を有する帯状くし歯の第二電極4を形成した。
次に、上部絶縁層1を形成する下面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有したポリイミドフィルム、第一電極2、ポリイミドフィルム(電極間絶縁層3)、第二電極4、及び下部絶縁層5を形成する上面に熱可塑性ポリイミドフィルムを有したポリイミドフィルムの順となるようにこれらを順次重ね、処理温度150℃、圧力2MPaの条件で低温熱圧着成型を行って絶縁体9を形成した。そして、この絶縁体9を図示外の熱可塑性ポリイミドフィルムを介して上記と同じ条件の低温熱圧着処理を行って金属基盤6に固着し、双極型静電チャックXを完成させた。
この双極型静電チャックXについては、第一電極2側がマイナス極、及び第二電極4側がプラス極となるように直流電源10に接続され、また、金属基盤6はグランド電極とされる。電極に印加する電圧については、第一電極2側をプラス極、第二電極4側をマイナス電極としても上記と同様の吸着効果を発揮する。なお、第一電極2又は第二電極4のいずれかを0V(GND)として残りの電極をプラス極又はマイナス極として、互いの電極に電位差を生じさせるようにしてもよい。
図2は、この実施例1に係る双極型静電チャックXの断面説明図(図1のA−A断面の一部)を示し、また、図3は、この実施例1に係る双極型静電チャックXの第一電極2と第二電極4とを試料吸着面7の深さ方向にみた一部平面説明図を示す。尚、図2中に記した「z」は、下記の試験例5で説明する帯状電極幅と電極間隙間とを表す。
上述したように第一電極2が帯状くし歯に形成されると共に第二電極4が帯状くし歯に形成され、この第一電極2の帯状くし歯と第二電極4の帯状くし歯とが互い違いに入り組まれて、試料吸着面7を深さ方向にみて第一電極2と第二電極4とが互いに線で接して重なるように配置されている。帯状くし歯に形成された第一電極2の帯状部分2aは電極幅1mm及び厚さ3μmであり、この帯状部分2aは間隔1mmピッチで配列されて、電極幅3mm及び厚さ3μmの根元部分2bと一体になって帯状くし歯を形成している。同じく第二電極4の帯状部分4aは電極幅1mm、厚さ3μmであり、この帯状部分4aは間隔1mmピッチで配列され、電極幅3mm、厚さ3μmの根元部分4bと一体になって帯状くし歯を形成している。また、第一電極2と第二電極4との間の電極間距離Yは上記電極間絶縁層3の膜厚の値に相当する50μmである。
ところで、電極間絶縁層3を形成する上記ポリイミドフィルムは、絶縁耐圧160MV/mであるため、この実施例1に係る双極型静電チャックXでは8kVの絶縁耐性を備えることになる。
[実施例2]
図4は、実施例2に係る双極型静電チャックXの断面説明図を示し、また、図5は、この実施例2に係る双極型静電チャックXの第一電極2と第二電極14とを試料吸着面7の深さ方向にみた一部平面説明図を示す。
この実施例2の双極型静電チャックXは、第二電極14の帯状部分14aの電極幅を0.6mmに形成し、この第二電極14の帯状部分14aが、第一電極2の帯状部分2aによって形成される隙間(1mm)の中央に位置するように配置され、第一電極2の帯状くし歯と第二電極14の帯状くし歯とが互い違いに入り組まれ、試料吸着面7を深さ方向にみて第一電極2と第二電極14とがそれぞれの帯状部分2a、14aの先端とそれぞれの根元部分2b、14bとが線で接して重なるように配置されている(試料吸着面7を深さ方向にみて、第一電極2の帯状部分2aと第二電極14の帯状部分14aとの距離は0.2mmである)。上記以外の条件は実施例1と同様にして、この実施例2に係る双極型静電チャックXを完成させた。
[実施例3]
図6には実施例3に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図が示されている。また、図7は、この実施例3に係る双極型静電チャックXの断面説明図(図6のA−A断面の一部)を示し、図8は、この実施例3に係る双極型静電チャックXの第一電極2と第二電極24とを試料吸着面7の深さ方向にみた一部平面説明図を示す。尚、この図8中で点を付した領域部分は、試料吸着面7を深さ方向にみて第二電極24が第一電極2と重なる部分を表す。
この実施例3の双極型静電チャックXは、第二電極24が縦80mm×横80mmの平面領域を有する平板状に形成した以外の条件は上記実施例1と同様にして、双極型静電チャックXを完成させた。
[実施例4]
図9には、実施例4に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図が示されている。また、図10は、この実施例4に係る双極型静電チャックXの第一電極12と第二電極24とを試料吸着面7の深さ方向にみた一部平面説明図を示す。尚、この図10中で点を付した領域部分は、試料吸着面7を深さ方向にみて第二電極24が第一電極12と重なる部分を表す。
この実施例4の双極型静電チャックXでは、第一電極12は井桁状に形成されており、縦100mm×横100mmの領域を縦3mm×横3mmの隙間部分12aが縦横3mmピッチ(井桁を形成する電極幅3mm)で配列された形状を有している。上記以外の条件は実施例3と同様にして、この実施例4に係る双極型静電チャックXを完成させた。尚、上記のように井桁状に第一電極12を形成した場合は、外からの衝撃等で電極の一部が切断されても電位供給が可能となる。
[実施例5]
図11には実施例5に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図が示されており、また、図12は、この実施例5に係る双極型静電チャックXの試料吸着面7から深さ方向に第一電極22及び第二電極34をみた中心付近の一部平面説明図を示す。尚、この図12中で濃く表示した(塗りつぶした)部分は、試料吸着面7を深さ方向にみて第二電極34が第一電極22と重なる部分を表す。
この実施例5に係る第一電極22は、半径2mmの円形部分22aを中心として、電極幅3mmであって互いの電極間の間隔が5mmとなるように同心円状に形成された環状部分22bを有すると共に、これら円形部分22aと環状部分22bとを結ぶ電極幅1mmの接続部分22cとを有し、全体で半径100mmの同心円電極を形成している。一方、第二電極34は、内径3mm及び外径6mmの中央リング34aを中心に、電極幅3mmであって互いの電極間の間隔が5mmとなるように同心円状に形成された環状部分34bを有すると共に、これら中央リング34aと環状部分34bとを結ぶ電極幅1mmの接続部分34cとを有し、全体で半径100mmの同心円電極を形成している。上記以外の条件は実施例1と同様にして、この実施例5に係る双極型静電チャックXを完成させた。
この実施例5に係る第一電極22と第二電極34とを試料吸着面7の深さ方向にみると、環状部分22b、34bが互いに距離d=1mmを有すると共に、この第二電極34の接続部分34cは試料吸着面7を深さ方向にみて上記第一電極22の接続部分22cと重なるように配置されている。
[実施例6]
図13は、実施例6に係る双極型静電チャックXの試料吸着面7から深さ方向に第一電極22及び第二電極44をみた一部平面説明図を示す。尚、この図13中で濃く表示した(塗りつぶした)部分は、試料吸着面7を深さ方向にみて第二電極44が第一電極22と重なる部分を表す。
この実施例6に係る第二電極44は、内径2mm及び外径7mmの中央リング44aを中心に、電極幅5mmであって互いの電極間の間隔が3mmとなるように同心円状に形成された環状部分44bを有すると共に、これら中央リング44aと環状部分44bとを結ぶ接続部分44cとを有し、全体で半径100mmの同心円電極を形成している。上記以外の条件は実施例5と同様にして、この実施例6に係る双極型静電チャックXを完成させた。
この実施例6に係る第一電極22と第二電極44とを試料吸着面7の深さ方向にみると、環状部分22b、44bが互いに線で接するように重なると共に、この第二電極44の接続部分44cは試料吸着面7を深さ方向にみて上記第一電極22の接続部分22cと重なるように配置されている。
[実施例7]
図14には、実施例7に係る双極型静電チャックXの分解斜視説明図が示されており、この実施例7に係る第二電極54は半径100mmの円形領域を有するように形成されている。上記以外の条件は実施例5と同様にして、この実施例7に係る双極型静電チャックXを完成させた。
[実施例8]
図15には、実施例8に係る双極型静電チャックXの第一電極32の一部平面説明図を示す。第一電極32は、厚さ3μmで直径300mmの円形領域を有し、この円形領域の中には半径0.6mmの円形の開口部32aが均一に存在している。図15はこの円形領域の中心部付近の様子を示す一部平面説明図である。この第一電極32において一つの開口部32aに着目すると、その周りに開口部32aが6つ存在し、これらの6つの開口部32aは正六角形の頂点にそれぞれの中心が位置するように配置されている。中央の開口部32aの中心と正六角形の頂点部分に位置する開口部32aの中心との距離Rは1.5mmであり、中央の開口部32aと隣り合う開口部32aとの間隔rは0.3mmである。
上記以外の条件は、実施例3と同様にして、この実施例8に係る双極型静電チャックXを完成させた。このように円の形状をした開口部32aであれば、開口部の角の処理が比較的容易であり、均一なグラディエント力を形成できる。
[実施例9]
図16には、実施例9に係る双極型静電チャックXの第一電極42の一部平面説明図を示す。第一電極42は、厚さ3μmで直径300mmの円形領域を有し、この円形領域の中には一辺が0.6mmの正六角形をした開口部42aが均一に存在している。図16はこの円形領域の中心付近の様子を示す平面説明図である。この第一電極42において一つの開口部42aに着目すると、その周りに6つの開口部42aが互いに各辺が平行となるように配置されている。中央の開口部42aの中心と隣接する開口部42aの中心との距離Rは1.5mmであり、隣接する開口部42a同士の間隔rは0.3mmである。
上記以外の条件は、実施例3と同様にして、この実施例9に係る双極型静電チャックXを完成させた。このように正六角形の開口部42aを有した第一電極42では、電極の線幅が均一に形成できるため、より均一な吸着力を実現できる。
[実施例10]
図17は、実施例10に係る双極型静電チャックXの一部断面説明図を示しており、この双極型静電チャックXは、縦100mm×横100mm×厚さ10mmのアルミニウムからなる金属基盤6の表面に、アルミナを用いてプラズマによる溶射によって縦100mm×横100mm×膜厚0.2mmのセラミックス層からなる下部絶縁層15を形成した。次いで、溶射によって形成したこのセラミックス層の上面を機械加工により表面粗さRaが10μmとなるように平坦化した。
次に、上記で形成した下部絶縁層15の表面にモリブデンを溶射し、縦100mm×横100mm×膜厚50μmの第二電極64を形成した。この際用いる金属は、熱歪を抑えるため熱膨張係数が上記で溶射して形成した下部絶縁層15のセラミック材と同程度とする必要があることから上記のようにモリブデンを用いた。
更に、上記で形成した第二電極64の表面に、下部絶縁層15と同様の手段によって縦100mm×横100mm×膜厚0.1mmの電極間絶縁層13を形成した。この電極間絶縁層13の表面を下部絶縁層15の場合と同様に平坦化した後、実施例1における第一電極2と同じ形状の帯状くし歯となるように上記電極間絶縁層13の表面に所定のマスキングを行い、膜厚50μmとなるようにモリブデンを溶射して第一電極52を形成した。この第一電極52を形成する際には、第二電極64の場合と同様に電極間絶縁層13との熱膨張係数が同程度となるようにモリブデンを用いた。次いで、下部絶縁層15及び電極間絶縁層13を形成した手段と同様にして、上記第一電極52の表面にアルミナを溶射して、縦100mm×横100mm×膜厚0.1mmの上部絶縁層11を形成した。この上部絶縁層11については、その表面を研摩した後、溶射層の表面全面を封孔するための真空含浸をエポキシあるいはシリコンで行い、全表面、特に試料吸着面7となる部分の平坦度を表面粗さRaが5〜20μmの範囲で製造プロセス要求される基準値、偏差内となるように機械加工を行った。その後、有機溶剤の中で超音波洗浄処理を行い、静電チャックXを完成させた。尚、この実施例10に係る第一電極52と第二電極54との電極間距離Yは0.1mmである。
上記のように、第一電極、第二電極、電極間絶縁層、上部絶縁層及び下部絶縁層を溶射によるセラミックスから形成した絶縁体を含む静電チャックによれば、これらのセラミックスは摩耗に強いことから、パーティクル発生が多い等の使用する環境が厳しい場合でも、その耐性において優れた性能を発揮する。また、比較的安価に作製することができることから量産に適している。
[実施例11]
図18は、実施例11に係る双極型静電チャックXにおける電極間絶縁層23及び第一電極62の一部断面説明図を示す。実施例10と同様にして、金属基盤6に下部絶縁層15及び第二電極64を形成したものを用意した。次に、縦100mm×横100mm×厚さ0.1mmのアルミナからなるセラミックス薄板を電極間絶縁層23として、この上面(試料吸着面7側)に実施例10と同様にして第一電極62を形成した。
次いで、一体に形成しておいた金属基盤6、下部絶縁層15及び第二電極64の上面(第二電極64の上面)に上記電極間絶縁層23を積層させ、エポキシ接着剤を介して固着させた。次に、実施例10と同様にして、第一電極62の表面に上部絶縁層11を形成した。上部絶縁層11の表面研摩、封孔処理、平坦化のための機械加工、及び超音波洗浄処理を実施例10と同様に行い、静電チャックXを完成させた。
この実施例の静電チャックXのように、絶縁耐性が最も要求される電極間絶縁層をセラミックス薄板から形成することで、電極間の絶縁の信頼性が向上し、本発明において電極間にポリイミドシートを介在させた場合と同等の絶縁耐性を発揮する。
[試験例1]
上記実施例1及び実施例3の双極型静電チャックXについて、2次元電界計算により計算モデルを作成し、単位面積あたりの吸着力(グラディエント力)をエネルギー変化方法によって算出した。算出条件として、印加電圧をいずれも±1500Vとした。結果を表1に示す。
また、参考例1として、図19に示したように帯状くし歯に形成した第一電極2と第二電極4とを互い違いに入り組むようにして同一平面に配置した双極型静電チャックの計算モデルを作成した。この参考例1では、第一電極2と第二電極4とが電極間ピッチ1mm(両電極の帯状部分の電極幅1mm)となるように同一平面内に配列される。また、これら第一電極2と第二電極4とを、ポリイミドからなる上部絶縁層とポリイミドからなる下部絶縁層とで挟み、隣り合う電極に異なる極性の電位を与えるようにして双極型静電チャックとする。結果を表1に示す。
実施例1及び実施例3の結果は、いずれも参考例1と比較して約4倍であることが分かる。尚、参考例1の結果は、上記で説明した非特許文献1に開示された結果に近い値が算出されていることから、試料の違いがあるものの(本発明の参考例1ではガラス基板であるのに対し、非特許文献1ではシリコンウエハ)、この試験例1の計算結果は他の事例においても信頼できると考えられる。
[試験例2]
上記実施例1、実施例3及び参考例1の双極型静電チャックXの静電容量を上記試験例1と同じ計算により算出した。この静電容量は残留吸着力(電圧印加をやめて、ガラス基板8を試料吸着面7から取り外す際の残留電荷によるはがれにくさ)に比例すると考えられる。結果を表1に示す。この結果より、静電容量に関しては第一電極と第二電極とが試料吸着面を深さ方向にみて重ならない方が有利であることが分かる。
[試験例3]
上記実施例1、実施例3及び参考例1におけるグラディエント力と電位等高線の分布図を2次元電界計算により計算モデルを作成して算出した。結果を図20〜図25に示す(図20及び図21が参考例1、図22及び図23が実施例1、図24及び図25が実施例3を示す)。尚、各図においては各モデルの電極部分を拡大して表示している。ここでグラディエント力Fyは試料吸着面7の深さ方向yについて以下の式(2)で表すものである。
Fy=∂(Ey2)/∂y … …(2)
図22及び図24は、図20と比較して、図中点線で囲む範囲で色の濃い部分(グラディエント力の強い部分)が広く存在していることが読み取れることから、実施例1及び実施例3の静電チャックは参考例1の場合と比べていずれも優れたグラディエント力を有することが分かる。尚、図23及び図25から、このグラディエント力は等電位等高線が狭いところから広がる部分において存在することが分かる。
[試験例4]
参考例1の双極型静電チャックをモデルとして、上部絶縁層の体積抵抗率を変化させて導電性層を想定した場合の時定数の変化をグラフにした。結果を図26に示す。体積低効率をポリイミドの持つ1E14Ω・mからさらに減らしていくと、時定数が小さくなる。およそ1E10Ω・m位のところで、時定数は3桁落ちとなって、はがれやすさに貢献すると考えられる。これは、ガラス基板に蓄積された電荷が導電性層を通って電極へ流れ込み、これが最終的には電源内部で自然に或は外部に取り付ける放電部等によって取り除かれるためである。
[試験例5]
上記実施例1のような帯状くし歯の第一電極2と帯状くし歯の第二電極4とを有し、上部絶縁層1、電極間絶縁層3及び下部絶縁層5をそれぞれ実施例1と同じように膜厚50μmのポリイミドフィルムから形成した双極型静電チャックをモデルにした場合、第一電極2における帯状部分2aの幅z(帯状電極幅z)と隣接する帯状部分2aの間隔z(電極間隙間z)とを等しくすると共に、第二電極4における帯状部分4aの幅z(帯状電極幅z)と隣接する帯状部分4aの間隔z(電極間隙間z)とを等しくするようにして、このz(=帯状電極幅=電極間隙間)を変化させて試料吸着面における単位面積あたりの吸着力(gf/cm2)を計算により求めた。結果を図27に示す。図27においては、z=1mmを1とした場合の吸着力の比を示す吸着力の相対比〔グラフ向かって左側の軸〕、±1.5kVの電位を供給した場合の吸着力(gf/cm2)〔グラフ向かって左側の軸〕、及び±1.5kVの電位を供給した場合に第一電極2を形成する帯状くし歯のくし歯一本(帯状部分2a)に働く単位長さあたりの吸着力(N/m)〔グラフ向かって右側の軸〕の各値の変化をグラフにして表している。このグラフより、zが0.15〜0.5mmの間に相対比及び±1.5kVの電位を供給した場合の吸着力(gf/cm2)の最大点があり、およそ0.3mmのところがその最大点に相当する。この結果より明らかなように、±1.5kVの電位を供給した場合に、最大30gf/cm2の吸着力が得られることが分かった。この値は上記試験例1における参考例1の吸着力の10倍を超える。
また、電極間絶縁層3を形成するポリイミドフィルムの膜厚を25μmとした場合と75μmとした場合とについて、その他の条件は上記と同様にして、z(=帯状電極幅=電極間隙間)を変化させて試料吸着面における単位面積あたりの吸着力(gf/cm2)を計算により求めた。その結果、先の結果と同様に、いずれの膜厚の場合もzが0.15〜0.5mmの間で吸着力が最大となり、およそ0.3mmのところがその最大点となった。電極間絶縁層の膜厚が25μmの場合では、±1.5kVの電位を供給したときに最大吸着力が46gf/cm2の値を示し、電極間絶縁層の膜厚が薄くなるほど吸着力が増大することが分かった。
尚、試験例5の内容については、第二電極が所定の平面領域を有する平板状に形成した場合でも同様の結果を示した。すなわち、実施例3のように帯状くし歯の第一電極2と所定の平面領域を有する平板状の第二電極24とを有する双極型静電チャックのモデルにおいて、上記試験例5に係る条件で計算を行った場合でも、図27のグラフに示した結果と同様の結果が得られることが分かった。
本発明における双極型静電チャックは、電界強度に優れて強いグラディエント力を発揮するため、吸着・保持する試料の平坦性を優れたものとすることができると共に、大型の試料であっても十分な吸着力を発揮する。特に、近時の第四世代と言われる液晶ディスプレー用のガラス基板は900mm×1100mmであり、このガラス基板を吸着させる静電チャックを実現するには、例えば300mm×400mmの本発明の静電チャックを作製し、これらを9枚均一に取り付けることのできる装置台に配置させることで可能となる。
また、本発明における双極型静電チャックは、グラディエント力からなる吸着力のみならず、例えば100gf/cm2程度の吸着力を有するクーロン力もグラディエント力に加えて発揮するため、シリコンウエハ等の半導体基板の吸着保持にも使用することができる。すなわち、この双極型静電チャックを用いれば、上記ガラス基板等の絶縁性基板とシリコンウエハ等の半導体基板とを同じ装置で処理することができ、いずれの場合においても電極に印加する電圧をできるだけ低くした最適化された条件で信頼性よくこれらの基板を吸着保持することができる。
また、電極への電圧の印加を終えた後に試料吸着面からの試料のはがし取りにくさを可及的に解消できる。そのため、近時大型化が進む液晶パネル分野や半導体製造分野をはじめとして、各種フラットパネルディスプレーの製造分野や、シリコン、アモルファスシリコン、ガリウムリン、ガリウム砒素、シリコンオンインシュレータ等の半導体基板、あるいはソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラス等のガラス基板、更に近未来に実現可能とされているフレキシブルディスプレー用の樹脂性フィルム基板等の製造工程に関わる分野等において特に有益である。

Claims (16)

  1. 絶縁体の内部に第一電極と第二電極とを備えて少なくともグラディエント力による吸着力を発生させ、この絶縁体の表面を試料吸着面として試料を吸着する双極型の静電チャックであり、上記絶縁体は、その深さ方向に試料吸着面から近い順に上部絶縁層、第一電極、電極間絶縁層、第二電極、及び下部絶縁層が積層されてなり、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極は第一電極に対して非重畳領域を有また、第一電極及び第二電極を試料吸着面に投影して第二電極の非重畳領域を複数横切る方向にみて、第一電極と第二電極とが交互にそれぞれ複数存在することを特徴とする双極型静電チャック。
  2. 第一電極が帯状くし歯に形成されると共に第二電極が帯状くし歯に形成され、試料吸着面を深さ方向にみて、これら2つの帯状くし歯が互い違いに入り組まれて第二電極は第一電極と重ならない請求項1に記載の双極型静電チャック。
  3. 第一電極が帯状くし歯に形成されると共に第二電極が所定の平面領域を有する平板状に形成され、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極の一部が第一電極と重なる請求項1に記載の双極型静電チャック。
  4. 第一電極が井桁状に形成されると共に第二電極が所定の平面領域を有する平板状に形成され、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極の一部が第一電極と重なる請求項1に記載の双極型静電チャック。
  5. 第一電極が所定の領域内に複数の開口部を有したメッシュ状に形成されると共に第二電極が所定の平面領域を有する平板状に形成され、試料吸着面を深さ方向にみて、第二電極の一部が第一電極と重なる請求項1に記載の双極型静電チャック。
  6. 第一電極が、所定の円形領域を有する円形部を中心にして互いに所定の開隔をおいて同心円状に並ぶ複数の第一環状部を有すると共に、これら円形部及び第一環状部を結ぶ第一接続部を有するように形成され、第二電極が、上記間隔より小さい幅を有する複数の第二環状部が同心円状に並ぶと共に、これら第二環状部を結ぶ第二接続部を有するように形成され、試料吸着面を深さ方向にみて、第一環状部と第二環状部とが交互に配置される請求項1に記載の双極型静電チャック。
  7. 第一電極が、所定の円形領域を有する円形部を中心にして互いに所定の間隔をおいて同心円状に並ぶ複数の第一環状部を有すると共に、これら円形部及び第一環状部を結ぶ第一接続部を有するように形成され、第二電極が、上記間隔と同じ幅を有する複数の第二環状部が同心円状に並ぶと共に、これら第二環状部を結ぶ第二接続部を有するように形成され、試料吸着面を深さ方向にみて、第一環状部と第二環状部とが交互に配置される請求項1に記載の双極型静電チャック。
  8. 第一電極と第二電極との間の電極間距離が1μm以上1000μm以下である請求項1に記載の双極型静電チャック。
  9. 第一電極を帯状くし歯に形成し、この第一電極の帯状電極幅zと電極間隙間zとを等しくした場合、このzが0.15〜0.5mmの範囲内である請求項1に記載の双極型静電チャック。
  10. 電極間絶縁層が、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ、及びアクリルから選ばれた1種又は2種以上の樹脂からなる樹脂層である請求項1に記載の双極型静電チャック。
  11. 樹脂層が1又は2以上の樹脂フィルムからなる請求項10に記載の双極型静電チャック。
  12. 電極間絶縁層が、酸化アルミ、窒化アルミ、炭化珪素、窒化珪素、ジルコニア及びチタニアから選ばれた1種又は2種以上からなるセラミックス層である請求項1に記載の双極型静電チャック。
  13. 電極間絶縁層が、珪素及び二酸化珪素から選ばれた1種又は2種からなる請求項1に記載の双極型静電チャック。
  14. 絶縁体の表面に更に導電性層を形成し、この導電性層の表面を試料吸着面とする請求項1に記載の双極型静電チャック。
  15. 第一電極を試料吸着面の深さ方向に切った断面形状が、長方形、正方形、円形、及び三角形から選ばれた形状である請求項1に記載の双極型静電チャック。
  16. 第二電極を試料吸着面の深さ方向に切った断面形状が、長方形、正方形、円形、及び三角形から選ばれた形状である請求項1に記載の双極型静電チャック。
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