JP2002124446A - 半導体製造・検査装置用セラミックヒータ - Google Patents

半導体製造・検査装置用セラミックヒータ

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JP2002124446A
JP2002124446A JP2001166534A JP2001166534A JP2002124446A JP 2002124446 A JP2002124446 A JP 2002124446A JP 2001166534 A JP2001166534 A JP 2001166534A JP 2001166534 A JP2001166534 A JP 2001166534A JP 2002124446 A JP2002124446 A JP 2002124446A
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heating element
ceramic substrate
ceramic
green sheet
ceramic heater
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JP2001166534A
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Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/20Heating elements having extended surface area substantially in a two-dimensional plane, e.g. plate-heater
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2203/00Aspects relating to Ohmic resistive heating covered by group H05B3/00
    • H05B2203/002Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements
    • H05B2203/006Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements using interdigitated electrodes

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱衝撃性に優れた半導体製造・検査装置用セ
ラミックヒータを提供すること。 【解決手段】 セラミック基板12は、セラミック粉末
を含むスラリーから形成されたグリーンシートの表面上
に発熱体14a,14bが配設されたのち、該発熱体1
4a,14bが配設されたグリーンシートを挟んで上下
にそれぞれ他のグリーンシートが重ね合わされて積層圧
着され焼成されてなる。セラミック基板12の厚さ方向
に関して、発熱体14a,14bの少なくとも一部分
は、その他の部分の位置する水平面P1aから変位した
水平面P1bに配設される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックヒータ
に関し、更に詳しくは、半導体製造及び検査工程におい
て使用されるセラミックヒータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体応用製品は種々の産業において必
要とされる極めて重要な製品であり、その代表例である
半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚さ
にスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリ
コンウエハ上に種々の回路等を形成することにより製造
される。
【0003】この種々の回路等の製造工程では、シリコ
ンウエハ上に導電性薄膜等を形成する際に高周波スパッ
タリングや、プラズマエッチングの際にシリコンウエハ
の加熱がなされる。そしてこのスパッタリングやプラズ
マエッチングを行うために、セラミック焼結体を用いた
セラミックヒータが近年よく用いられるようになってき
ている。
【0004】このセラミックヒータの一種として、抵抗
発熱体(以下、「発熱体」という。)をセラミック基板
内部に備えた発熱体内装型セラミックヒータが周知であ
る。図12は、そのようなセラミックヒータ200のセ
ラミック基板202の側断面構造を示したものであり、
断面扁平の発熱体204の長さ方向に対して垂直な面で
の断面図である。
【0005】同図に示したように、発熱体内装型セラミ
ックヒータ200は、セラミック基板202の内部に、
導電性物質を含んでなる発熱体204が所定のパターン
形状によって同一平面P上に形成され、その発熱体20
4のうちの幾つかの一部分に対して凹部206が設けら
れ、その凹部206に電源接続用端子(図示せず)が接
続され、その電源接続用端子には配線を介して電源(図
示せず)が接続されている。
【0006】このような発熱体204を備えたセラミッ
ク基板202は、セラミック粉末を含むスラリーから形
成されるグリーンシートを積層圧着し焼成してセラミッ
ク基板を得る方法を利用して作製される。即ち、グリー
ンシートの表面上に、指定する任意のパターン形状に従
って、発熱体を配設したのち、この発熱体を配設したグ
リーンシートを挟んで上下にそれぞれグリーンシートの
複数枚を適宜に重ね合せてこれらを積層圧着し焼成す
る。
【0007】このセラミック基板をヒータとし、このヒ
ータが有底状のケーシング(図示せず)の開口部に設置
されてヒータが構成される。そして、被加熱物であるシ
リコンウエハ(図示せず)をヒータの上面側に載置し、
この状態で電源接続用端子に通電を行なうことにより、
該シリコンウエハを加熱するようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来のセラミ
ックヒータは、セラミック基板の組織構造的には、内装
される発熱体によって、セラミック焼結体組織に不連続
部が形成されることになる。然るに、セラミック基板に
は、不連続部分の熱膨張率差によりヒータとしての加熱
又は放熱の際の膨張又は収縮という熱衝撃が加わる。
【0009】この熱衝撃の大きさは、セラミック基板の
耐熱衝撃性ΔTで表わされる。この耐熱衝撃性ΔTは、
熱衝撃を受けた供試体に急速な強度低下が見られる温度
であり、この温度が高いほど耐熱衝撃性が高いといえ
る。しかし、従来のセラミックヒータの場合、セラミッ
ク基板に発熱体を埋設すると熱衝撃によってセラミック
基板の耐熱衝撃性ΔTが150℃程度まで低下してしま
うという問題が見られた。
【0010】本発明は、発熱体の内装位置を変化させる
ことにより、耐熱衝撃性に優れた半導体製造・検査装置
用セラミックヒータを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らはセラミック
基板の耐熱衝撃性ΔT低下の原因について鋭意研究した
結果、セラミック基板の耐熱衝撃性ΔTが低下するの
は、セラミック基板とは熱膨張率が異なる発熱体が一層
に集中して形成されるため、熱衝撃によって応力が発熱
体形成層に集中するからであることをつきとめた。
【0012】また、セラミックヒータの耐熱衝撃性は、
セラミック基板の厚さ方向での各発熱体の位置を一定に
揃えたものよりも、各発熱体の位置を変化させたものの
方が優れていることが、本発明者らの基礎的実験事実に
より明らかとなっている。そこで本発明者らは、この事
実に基づいて、セラミック基板の厚さ方向での各発熱体
の位置に変化を持たせた構成を提案し、本発明を完成す
るに至った。
【0013】上記課題を解決するために、本発明に係る
請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒ
ータは、セラミック基板中に発熱体が配設されてなるも
のであって、発熱体の少なくとも一部分が、その他の部
分よりセラミック基板の厚さ方向に変位した平面位置に
配置されてなることを要旨とするものである。
【0014】上記構成を有する半導体製造・検査装置用
セラミックヒータによれば、セラミック焼結体組織の不
連続部となる発熱体形成部分にヒータ加熱又は放熱の際
の膨張又は収縮という熱衝撃が加わっても、発熱体の少
なくとも一部分がその他の部分よりセラミック基板の厚
さ方向に変位した平面位置に形成されるものであるか
ら、当該熱衝撃を受けても、セラミック基板の耐熱衝撃
性ΔTの大きさは低下しない。発熱体の各部分の膨張又
は収縮は、互いに異なった平面上で生じ極端な応力集中
が発生しないからである。ちなみに、本発明に係る半導
体製造・検査装置用セラミックヒータは、用途に合わせ
て150〜800℃の温度領域で使用できる。
【0015】この場合に、請求項2に記載されるよう
に、前記発熱体は、断面扁平形とすることができる。断
面扁平形とすれば、熱衝撃に起因する応力集中を抑える
ことができるからである。ちなみに、互いに隣接する部
分の変位量は、1〜100μmとすることが望ましい。
この範囲であれば、熱衝撃による影響をセラミック基板
の厚さ方向でより細かく分散させ緩和させることができ
るからである。ここで、「変位量」とは、セラミック基
板の断面を研磨し、光学顕微鏡又は電子顕微鏡で発熱体
の断面の対角線の交点を中心点として求め、この中心点
間のセラミック基板の厚さ方向の距離で定義したものを
いう(図1のδt参照)。
【0016】この場合に、請求項3に記載されるよう
に、前記発熱体の最大変位量は、3〜500μmとする
ことが望ましい。最大変位量が3μm未満では膨張また
は収縮を分散す効果がほとんどみられず、500μmを
超えるとセラミックヒータ表面の温度分布の均一化に問
題が生じるからである。ここで、「最大変位量」とは、
図2のように最低点と最高点の厚み方向の距離δtmaxで
定義され、「互いに隣接する部分(発熱体)」間の変位
量は、図1にあるように、「互いに隣接する部分(発熱
体)」の断面中心点の厚み方向の距離δtで定義したも
のをいう。
【0017】この場合に、請求項4に記載されるよう
に、前記セラミック基板には、静電電極を配設すること
ができる。これにより、本発明に係る半導体製造・検査
装置用セラミックヒータは、静電チャックとして機能さ
せることができる。
【0018】この場合に、請求項5に記載されるよう
に、前記セラミック基板の表面には、チャックトップ導
体層を形成することもできる。これにより、本発明に係
る半導体製造・検査装置用セラミックヒータは、ウエハ
プローバとして機能させることができる。
【0019】ここで、本発明に係る半導体製造・検査装
置用セラミックヒータの主要部をなすセラミック基板
は、窒化アルミニウム焼結体基板を用いて作製するとよ
い。もっとも、セラミック基板の材質は、窒化アルミニ
ウムに限定されるものではなく、例えば、炭化物セラミ
ック、酸化物セラミック及び窒化物セラミック、その他
のセラミック材料を挙げることができる。
【0020】炭化物セラミックの例としては、炭化ケイ
素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭
化タングステン等を挙げることができる。酸化物セラミ
ックの例としては、アルミナ、ジルコニア、コージェラ
イト、ムライト等を挙げることができる。窒化物セラミ
ックの例としては、上述した窒化アルミニウムのほか、
窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等を挙げることが
できる。
【0021】これらのセラミック材料のうち、一般的に
は窒化物セラミック、炭化物セラミックの方が、熱伝導
率が高いので、酸化物セラミックよりも好ましい。尚、
これらの焼結体基板は、単独の材質によるものでも、2
種以上の材質によるものでもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の一実
施の形態について説明する。図1〜図3は、本発明に係
る半導体製造・検査装置用のセラミックヒータ10のセ
ラミック基板12の断面構造を示したものであり、有幅
帯状の発熱体14,16,18,20の長さ方向に垂直
な面でセラミック基板12を厚さ方向tに切断した側断
面図である。図4は、発熱体14,16,18,20の
上面を含む水平面(図1のP1aP1a’図2のP2b
P2b′、図3のP3bP3b′等)での平断面図によ
り、発熱体14,16,18,20の平面的な配線パタ
ーンを模式的に示したものである。
【0023】尚、図1及び図2の側断面視ではそれぞれ
8箇所に発熱体14,16の断面が現れるように、図3
の側断面視では16箇所に発熱体18及び20の断面が
現れるように構成されているが、かかる構成は説明上の
一例である。従って、配設箇所数は任意である。更に
尚、図4に示したように発熱体14,16,18,20
を総称する場合には、以下「発熱体H」とする。また、
同図において、符号22は発熱体Hの端子部、符号24
は半導体ウエハを支持する際の支持ピンの挿通孔を示
す。挿通孔24に近接した発熱体Hは、挿通孔24を迂
回して配設される。
【0024】以下、図1〜図3に示した各実施の形態に
ついて順に詳細に説明する。まず、図1に示した発熱体
14は、互いに隣接する発熱体14a及び発熱体14b
を総称したものであり、各発熱体14は、セラミック基
板12内部の平面P1a及びP1b上に平面的配置が同
心円状(図4参照)になるように配設されている。2つ
の平面P1a及びP1bの位置は、互いに厚さ方向tに
変位量δtだけ変位させている。即ち、セラミックヒー
タ10は、セラミック基板12の厚さ方向tにおいて、
互いに隣接する発熱体Hの変位量δtが1〜100μm
となるように構成される。この構成により熱衝撃による
影響をセラミックの厚さ方向でより細かく緩和できる。
また、発熱体Hは、その厚さが5〜50μmとなるよう
に構成される。この構成により、セラミック基板12の
加熱又は放熱の際、発熱体Hの膨張又は収縮は、互いに
変位量δtだけ変位した平面P1a及びP1b上で生じ
る。このため、応力の分散が行われる。
【0025】次に、図2に示した発熱体16は、互いに
階段状に配設される発熱体16a,16b,16c,1
6dを総称したものであり、各発熱体16は、セラミッ
ク基板12内部の平面P2a,P2b,P2c,P2d
上に平面的配置が同心円状(図4参照)になるように配
設されている。4つの平面P2a,P2b,P2c,P
2dの位置は、互いに厚さ方向tに変位量δtだけ変位
させるとともに、2つの平面P2a及びP2dの位置
は、互いに厚さ方向tに最大変位量δtmaxだけ変位させ
ている。即ち、セラミックヒータ10は、セラミック基
板12の厚さ方向tにおいて、発熱体Hの最大変位量δ
tmaxが3〜500μm、互いに隣接する発熱体Hとの変
位量δtが1〜100μmとなるように構成される。発
熱体Hは、その厚さが5〜50μmとなるように構成さ
れる。
【0026】この構成により、セラミック基板12の加
熱又は放熱の際、発熱体Hの膨張又は収縮は、互いに変
位量δtだけずれ且つ最も離れた平面の最大変位量がδt
maxである平面P2a,P2b,P2c,P2d上で生
じる。
【0027】また、発熱体16を図2に示した配置とす
れば、セラミック基板12全体への熱伝導を中心寄りの
発熱体16c及び16dと、周辺寄りの発熱体16a及
び16bとで、加熱面からの距離を異ならせる、即ち同
図のように周辺寄りの発熱体ほど加熱面に近くすること
ができる。従って、周辺寄り部位の温度低下を防止する
ことができる。また、逆に各発熱体16を上に凸になる
ように配置した場合(図8参照)には、内周部ほど加熱
面に近くすることができるため、内周部の発熱体直下に
電極を接続させても当該内周部の温度低下を防止するこ
とができる。
【0028】次に、図3に示した発熱体18は、互いに
隣接する発熱体18a及び18bを、発熱体20は、互
いに隣接する発熱体20a及び20bを総称したもので
あり、これら発熱体18及び20は、それぞれいわば
「発熱体の群」を構成している。即ち、図3に示したセ
ラミックヒータ10は、「発熱体の群」が2群配設され
たものである。かかる構成においても、各発熱体18及
び20は、セラミック基板12内部の平面P3a,P3
b,P3c,P3d上に平面的配置が同心円状(図4参
照)になるように配設されている。2組の平面P3a及
びP3b,平面P3c及びP3dの位置は、互いに厚さ
方向tに変位量δtだけ変位させるとともに、2つの平
面P3a及びP3dの位置は、互いに厚さ方向tに最大
変位量δtmaxだけ変位させている。即ち、セラミックヒ
ータ10は、セラミック基板12の厚さ方向tにおい
て、発熱体Hの最大変位量δtmaxが3〜500μm、互
いに隣接する発熱体Hとの変位量δtが1〜100μm
となるように構成される。発熱体Hは、その厚さが5〜
50μmとなるように構成される。尚、「発熱体の群」
は、2群に限定されるものではなく、更に多くの複数群
を配設してもよい。
【0029】以上説明したように、図1〜図3に示した
構成によれば、発熱体14,16,18,20は、セラ
ミック基板12の厚さ方向tに関して、発熱体Hの少な
くとも一部分が、その他の部分から変位した配置をとる
ことになる。この構成により、セラミック基板12の加
熱又は放熱の際、発熱体Hの膨張又は収縮は、互いに変
位量δtだけ変位した平面上、又は、互いに変位量δtだ
け変位し且つ最も離れた平面の最大変位量がδtmaxであ
る平面上で生じる。従って、セラミックヒータ10は、
熱衝撃による影響をセラミック基板12の厚さ方向tで
分散させ緩和させることができるとともに、セラミック
基板12全体の均熱性を維持することができる。
【0030】尚、セラミックヒータ10の構成は、上述
した実施の形態に限定されるものではない。例えば、セ
ラミックヒータ10は、発熱体Hの長さ方向に沿って当
該発熱体Hの一部分が変位した水平面上に位置するよう
に構成してもよい(図7参照)。
【0031】次に、本発明に係る半導体製造・検査装置
用セラミックヒータを製造する方法について説明する。
図5は、発熱体Ha,Hbが互いに変位した位置となる
セラミックヒータを製造する工程を示したものである。
尚、同図に示したものは焼成前の状態である。まず、図
5(a)に示したように、グリーンシート成形法の通常
の工程を利用して、発熱体Hbの真下位置の下層のグリ
ーンシート26c上の位置、又は、発熱体Haの真上位
置に、発熱体Haを覆い得るような大きさの領域に、窒
化アルミニウム粉末を含むペースト(以下、単に「ペー
スト」ということがある)を塗布及び乾燥してなるペー
スト層28b及び28aを配設する。
【0032】次に、図5(b)に示したように、このグ
リーンシート26a〜26cの上層側にセラミック基板
を構成する所要の複数枚のグリーンシート26x、26x
+1、…(図示は2枚のみ)を重ね合わせ、同様に、下層
側に複数枚のグリーンシート26y、26y+1、…(図示
は2枚のみ)を重ね合せて積層圧着させる。そうする
と、発熱体Ha,Hbがその位置が変位して配設された
グリーンシート積層体30が得られる。
【0033】尚、このようにペーストによって形成する
層を製法に由来してペースト層と記載しているが、塗布
後、乾燥した状態ではペースト状ではなく、膜状であ
る。また、図5(b)において、ペースト層28a及び
28bは、その層厚による段差が吸収されてグリーンシ
ート積層体30の層状構造のうちに一体化されているこ
とを示す意味で破線で示した。ペーストについては再度
後述する。
【0034】尚、発熱体の真上位置又は真下位置にペー
スト層を設けるとき、ペースト層を直接発熱体に接して
設けてもよく、他のグリーンシートを1枚又は複数枚適
宜介在させてもよい。ただし、発熱体の真下位置にペー
スト層を設けるときは、グリーンシート表面上にまずペ
ースト層を設けるので、発熱体とペースト層との、設け
る順が逆となる。即ち、図5(a)で例示すれば、発熱
体Hbとグリーンシート26bとの間にペースト層28
bが入る構成となる。
【0035】以下、隣接する発熱体が互いに変位した配
置をとるセラミック基板12の一例の製造方法をグリー
ンシート成形法の工程順に説明する。特に、従来のシー
ト成形法と異なる点については詳細に説明する。特に説
明しない点は、従来と同様である。
【0036】一般に、グリーンシートを製造するには、
まず、窒化アルミニウム原料粉末にバインダ及び溶媒等
や焼結助剤等が所定の配合組成に従って、それぞれ所定
量添加され、これらの混合物をボールミル等に投入して
所定時間混合混練することによってスラリーが調製され
る。窒化アルミニウム原料粉末や焼結助剤は、周知のも
のを利用することができる。
【0037】グリーンシート用のバインダとしては、ア
クリル樹脂系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、
ポリビニラールのうちから選ばれる少なくとも1種が好
ましい。そして、溶媒としては、α−テルピオーネ、グ
リコールのうちから選ばれる少なくとも1種が好まし
い。本発明においては、バインダとして、アクリル系樹
脂を用いる。アクリル系樹脂は、一般に、溶剤等に対す
る可溶性を有し、シート強度や柔軟性が得やすく、寸法
精度が優れていること等の成形性が良好であり、かつ熱
分解性に優れているからである。従って、セラミック材
料の成形等にしばしば用いられるようになってきてい
る。
【0038】一方、成形用下地フィルムは、ポリエチレ
ンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PE
T)等を基材としてグリーンシートの定厚成形を保証す
べく平面性、平滑性と離型性とを備えるよう適切に表面
処理されている。
【0039】前記スラリーは、例えば、ドクターブレー
ド法等のシート成形法の定法に従って所定形状のグリー
ンシートに成形される。このスラリーは、後述するよう
に、前記ペースト層を形成する際の塗布用ペーストとし
ても用いる。尚、薄層シートを作製する方法はドクター
ブレード法に限定されず、圧延工程を伴う成形法であっ
てもよい。ドクターブレード法によってグリーンシート
を成形するには、ドクターブレード装置や、成形用下地
フィルム、乾燥炉等を備えてなるドクターブレード成形
機等が用いられる。
【0040】前記スラリーは、ドクターブレード装置と
下地フィルムとの間隙から下地フィルムの移送に伴って
薄層状に引き出される。このとき、前記間隙によってス
ラリーの厚さが制御されて定量的にスラリーが下地フィ
ルム上に引出され、下地フィルムとともに乾燥炉に送ら
れる。グリーンシートの厚さは0.1〜5mm程度が好
ましい。そして、乾燥炉中で、スラリー中に含有される
揮発溶剤成分等が乾燥蒸発されてシートが薄層樹脂状と
なって、グリーンシートが得られる。
【0041】このとき、後述するように、ペースト層を
介挿した状態でグリーンシート積層体として一体化する
ことを行いやすくし、グリーンシート積層体が焼成後に
ペースト層周辺等で剥離等の欠陥を生じなくする観点か
ら、グリーンシートの厚さは0.2〜0.7mm、密度
は、1.7〜2.3g/cmが好適であり、適度の熱
的柔軟性(易変形性)を備えていることが望ましい。
【0042】そのグリーンシートの所望の位置に発熱体
を形成する。発熱体は、上面視円形又は矩形等の形状を
有し、グリーンシート積層体の焼成後に発熱体を構成
し、通電によりジュール発熱し得る導電材料を含有する
粘液状の発熱体ペーストを用いてスクリーン印刷法等の
定法に従って、グリーンシート表面に指定する任意の各
領域に形成される。かかる任意の各領域に対しては、通
常、これらをパターン化したマスクを備えたメタルマス
クを用いる。
【0043】これらの発熱体ペーストに含有される導電
材料としては、タングステン又はモリブデンの炭化物が
酸化しにくく熱伝導率が低下しにくいので好適である。
また、金属粒子としては、例えば、タングステン、モリ
ブデン、白金、ニッケル等の何れか、又は、2種以上を
併用して用いることができる。これらの導電性セラミッ
ク粒子や金属粒子の平均粒子径は0.5〜3.0μmで
ある。
【0044】このような発熱体ペーストとして、導電材
料85〜97重量部、アクリル系樹脂、エチルセルロー
ス、ブチルセロソルブ及びポリビニラールから選ばれる
少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部、α−テ
ルピオーネ、グリコール、エチルアルコール及びブタノ
ールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10
重量部混合して均一に混練して調製した発熱体ペースト
が好適である。
【0045】また、発熱体は、前記発熱体ペーストが、
グリーンシート積層体を構成して一体的に焼成できるの
で好適であるが、グリーンシート上に形成でき、セラミ
ック基板中に適用できる材質及び形状であれば、他の材
料を使用してもよい。
【0046】次に、ペースト層の配設工程及び積層圧着
工程について説明する。図6は、グリーンシートを積層
する際の主要な層だけを上層側から(a)〜(c)の順
に示した平面図である。図6(a)は、ペースト層のみ
を、その配置パターンに従って示しており、このパター
ンのペースト層28aが図6(b)の発熱体Ha上に配
設されることを表す。
【0047】尚、発熱体Ha及びHbは、図6(b)で
は同一平面(紙面)上に描かれているが、積層圧着され
たのち、発熱体Haは下層側に変位し、発熱体Hbは上
層側に変位することになるので、符号を区別して示して
いる。
【0048】ペースト層の配設工程において、まず、図
6(b)に示すパターンに従って、グリーンシート26
b表面上に発熱体Ha及びHbを配設する。次に、図6
(a)のパターンに従って、窒化アルミニウム粉末を含
むペーストを塗布及び乾燥してなるペースト層28aを
発熱体Ha(図6(b))上に配設し、更に、グリーン
シート26cに図6(c)のパターンに従ってペースト
層28bを配設する。ペースト層は、発熱体を覆う面積
広がりを有することが好ましい。
【0049】即ち、発熱体Haを配設した位置(図6
(b))に対して、グリーンシートを積層圧着した際に
真上位置にくる他のグリーンシート上の領域(図6
(a)の28a)、又は、真下位置にくる他のグリーン
シート上の領域(図6(c)の28b)に窒化アルミニ
ウム粉末を含むペーストを塗布及び乾燥してペースト層
を形成する。ペースト層の塗布の際、塗布及び乾燥を繰
返して(いわゆる重ね塗り)厚さを調整し、変位量δt
を変えることもできる。
【0050】窒化アルミニウム粉末を含むペーストは、
グリーンシートを構成する材料と同一材料を含み、印刷
等により塗布し、乾燥することによって窒化アルミニウ
ムの層を特定の領域のみを選択的に形成することができ
るように、有機バインダ、溶剤を配合して調製したもの
である。このペーストは、前記スラリーを真空脱泡や加
熱により増粘して粘度50000〜200000cps
(50〜200Pa・s)として調製することもでき
る。なお、焼結助剤を添加してもよく、酸化リチウム、
酸化カルシウム、酸化ルビジウム、酸化イットリウム、
アルミナなどを加えることができる。
【0051】次に、積層圧着工程について説明する。図
6(b)に示す発熱体Ha及びHbを配設するグリーン
シート26bを挟むようにして、上層側から下層側へ順
に、何も形成しないグリーンシート(図示せず)を所
望の複数枚と、発熱体Haの直上に(a)のパターン
に従ったペースト層28aを配設した(b)のグリーン
シート26bと、下層側に(c)のグリーンシート6
1cと、そして、何も形成しないグリーンシート(図
示せず)の所望の複数枚と、を重ね合わせる。
【0052】こののち、図6(a)〜(c)の各パター
ンを、前述したように重ねるようにして、即ち、ペース
ト層を複数枚のグリーンシート中に介挿した状態で全体
を積層し厚さ方向に圧着する。
【0053】図2や図3に示したパターンに従ってペー
スト層を配設してグリーンシート積層体を作製する場合
についても、以上の説明の場合と同様に行なう。すなわ
ち、図2に示したパターンに従う場合には、ペースト層
の厚さを順番に変えていく、若しくは発熱体及びペース
ト層を配設するグリーンシートを変えていくことによっ
てグリーンシート積層体を作製すればよい。また、図3
に示したパターンに従う場合には、上述したグリーンシ
ート26a〜26cを一群としてこれを複数群所定の間
隔で複数積層してグリーンシート積層体を作製すればよ
い。
【0054】次に、発熱体の長さ方向に沿って当該発熱
体の一部分が変位した平面上に位置する構成の場合につ
いて図7を参照して説明する。まず、発熱体Hを設けた
グリーンシート32bに対して、上層側にパターン34
kによって、ペースト層34kを発熱体H上に配設し、
下層側に、グリーンシート32c上にペースト層34h
を配設し、図5(b)に示した場合と同様に他のグリー
ンシートを加えて積層圧着し、図7(d)に示すグリー
ンシート積層体32を作製する。尚、パターン34kや
発熱体Hのパターンは、同心円状が好ましい。
【0055】以上説明したように、互いに隣接する発熱
体同士が、変位して位置する構成を作製する場合と、発
熱体の長さ方向に沿って発熱体の一部分が変位して位置
する構成を作製する場合の何れにしても、ペースト層を
配設する段階が付加される点が従来と異なる。ペースト
はグリーンシートのセラミック粉末と同一材料であり、
ペースト層の塗布及び乾燥は、マスクを準備する必要が
あるが、周知の手法であることから、ペースト層の配設
工程は、従来の工程を大きく変更することなく容易に実
施できる。
【0056】また、ペースト層の配設に際し、セラミッ
ク基板の厚さ方向に関して発熱体の位置を選択的にずら
すので、ペースト層の配設は、定量的に設定することが
できる。また、いわゆる重ね塗りにより、平面位置の変
位量を大きくすることもできる。更に、塗布及び乾燥
は、確立された形成技術であるため再現性よく発熱体の
位置ずれを得ることができる。
【0057】また、本実施形態においては、積層圧着方
法は、セラミック基板の厚さ方向の発熱体位置をずらせ
るようにペースト層を配設すると同時に、ペースト層に
よって生じる段差をグリーンシートが吸収してグリーン
シート積層体になじませるため、熱圧着であることが好
ましい。
【0058】そこで、熱圧着の条件としては、温度13
0℃及び圧力80kgf/cmがペースト層をグリー
ンシート積層体になじませるため好適である。また、グ
リーンシート積層体は、所望形状に切断されたりして焼
成前の生成形体としての最終的な形状に整えられる。
【0059】以上のような製造方法により、前記ペース
ト層を介挿した状態でグリーンシートを積層圧着するの
で、厚さ方向での発熱体の位置を、ペースト層の厚さ分
ずつ選択的に互いに変位させた状態を容易に作製でき
る。上記実施の形態によれば、従来の製造工程を殆ど変
更することなく低コストで厚さ方向での発熱体の位置の
変位量を可変に設定して再現性よくセラミック基板を作
製できる。
【0060】従って、以上に説明したペースト層の配設
工程及び積層圧着工程によれば、セラミック基板の厚さ
方向に関して、発熱体又は複数の発熱体の少なくとも一
部分を、その他の部分の位置する水平面から変位した水
平面に位置させる際の位置を容易に定量的に変位させる
ことができる。
【0061】こののち、このようにして得られた生成形
体は、ルツボ又はセッター等に装入され300〜500
℃の温度下でバインダー等が所定温度及び所定時間で脱
脂分解され、そののち、約1800℃にて所定時間焼成
される。以上のような工程を経て、発熱体を備えた所望
のセラミック基板が作製される。
【0062】更にこののち、電源接続用端子を接続し、
ケーシングと接合してセラミックヒータを完成する。
尚、本実施形態においては本発明を電源接続用端子を有
するヒータに適用した例によって説明しているが、例え
ば、セラミック基板表面にチャックトップ導体層を、ま
た、セラミック基板内部にグランド電極、ガード電極を
形成し、発熱体付きウエハプローバとしてもよい。ま
た、セラミック基板内部に静電電極を埋設して発熱体付
き静電チャックとしてもよい。このように、内装型発熱
体を配設した構造と同様の形態の応用製品であれば、本
発明は、同様に適用され得る。
【0063】次に、他の実施形態について説明する。こ
の実施形態では、上述したグリーンシート積層する点で
は同一であるが、図8に示したように、成形型36とし
て凸又は凹面を持つものを使用する。しかも、上下にグ
リーンシート38の枚数を5〜50枚程度増やして加圧
加熱して焼結させ(図8(a),(b))、反ったセラ
ミック基板40を製造し、上下面を研削によって平坦化
するのである(図8(c))。凸面又は凹面のそり量
は、最大変位量δtmaxを確保するために、3μm〜50
0μmであることが望ましい。研削量は、5μm〜10
00μmであることが望ましい。平坦度を確保するため
である。
【0064】図8では、発熱体Hにスルーホール42を
設け、このスルーホール42にコバール製、ステンレス
製の端子44を接続させている(図8(d))。端子4
4からは熱伝導で熱が放散してしてしまうため、中央部
分の温度が低下しやすいが、図8の構成では、中央部分
の発熱体Hが加熱面に近い位置にあるため、温度低下し
にくいという効果をも有する。
【0065】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこの実施例に限定されるものではなく、例示にすぎな
い。
【0066】(実施例1) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製:平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリル系バインダ11.5重量
部、分散剤0.5重量部、及び、1−ブタノールとエタ
ノールとからなるアルコール混合物53重量部を混合し
たセラミックペースト組成物(粘度100Pa・s)を
用いてドクターブレード法によってPET等からなる下
地シート上にシート成形を行って厚さ0.47mmのグ
リーンシートを得た。グリーンシートには、所定箇所に
スルーホール用の穴をパンチングで形成した。
【0067】(2)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピオーネ溶媒を3.5重量、分散剤
0.3重量部を混合して導電性ペーストAとした。ま
た、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピオー
ネ溶媒を3.7重量、分散剤0.2重量部を混合して導
電性ペーストBとした。
【0068】(3)スクリーン印刷法で、導電性ペース
トAを発熱体パターンとして印刷し、スルーホール用の
穴に導電性ペーストBを充填した。更に、発熱体パター
ンの上に一つおきに(1)のセラミックペースト組成物
を厚さ100、250、1200μmで印刷した。
【0069】(4)このグリーンシートを80℃で5時
間乾燥させた後、発熱体パターン及びペースト層が形成
された厚さ0.5mmのグリーンシートを20枚重ね合
せし、80kg/cmの圧力、130℃の温度で積層
圧着して一体化してグリーンシート積層体を作製した。
【0070】実施例(本発明品)の作製にあたり、発熱
体及びペースト層の配置パターンは、図1に示した配置
パターン、又は、図2に示した配置パターンに従った。
発熱体が同一平面上のもの(従来品)を比較例とした。
【0071】(5)こののち、このグリーンシート積層
体を窒素ガス中で約600℃で5時間程度脱脂し、約1
890℃且つ圧力150kg/cmで3時間ホットプ
レスし、厚さ4.2mmの窒化アルミニウムの板状のセ
ラミック基板を得た。この得られたセラミック基板を直
径210mmの円板状に切り出し、コバール製の電源接
続用端子を接続し、ケーシングと接合した。
【0072】(実施例2) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製:平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリル系バインダ11.5重量
部、分散剤0.5重量部、及び、1−ブタノールとエタ
ノールとからなるアルコール混合物53重量部を混合し
た組成物(粘度100Pa・s)を用いてドクターブレ
ード法によってPET等からなる下地シート上にシート
成形を行って厚さ0.47mmのグリーンシートを得
た。グリーンシートには、所定箇所にスルーホール用の
穴をパンチングで形成した。
【0073】(2)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピオーネ溶媒を3.5重量、分散剤
0.3重量部を混合して導電性ペーストAとした。ま
た、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピオー
ネ溶媒を3.7重量、分散剤0.2重量部を混合して導
電性ペーストBとした。
【0074】(3)スクリーン印刷法で、導電性ペース
トAを発熱体パターンとして印刷し、スルーホール用の
穴に導電性ペーストBを充填した。
【0075】(4)発熱体パターン、導電ペーストを印
刷したグリーンシートと印刷していないグリーンシート
30枚を、図8のような高低500μmの凸面を持つ治
具37にはめ込み、このグリーンシート積層体を窒素ガ
ス中で約600℃で5時間程度脱脂し、約1890℃且
つ圧力14.7MPa・s(150kg/cm) で
3時間ホットプレスし、厚さ6.0mmの窒化アルミニ
ウムの板状のセラミック基板を得た。この得られたセラ
ミック基板を、両面1mmづつ研削して表面を平坦度3
μmまで平坦化し、更に直径210mmの円板状に切り
出し、更に、ウエハ加熱面の反対側の中央部分を研磨し
て深さ1mmの凹所を設け、この凹所から露出するスル
ーホールに電源接続用端子を接続し、ケーシングと接合
した。
【0076】(実施例3) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製:平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.
4μm)4重量部、アクリル系バインダ11.5重量部
を成形型に入れて、圧力14.7MPa・s(150k
g/cm)で加圧して厚さ7mmの生成形体を得た。
【0077】(2)次いで、この生成形体の表面を直径
2.5mmのドリルで渦巻き状にザグリ加工した。深さ
は、1周おきに、0.5mm、1.7mmとしたもの、
1周おきに0.5mm、0.75mmとして加工し、断
面が千鳥になるようにした。
【0078】(3)更に、タングステン線をらせん状に
し、断面の長径2.5mm、短径0.5mmの発熱体を
溝にそって配置し、その上から窒化アルミニウム粉末
(トクヤマ社製:平均粒径1.1μm)100重量部、
イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部、アクリル
系バインダ11.5重量部の混合粉末を投入し、圧力1
4.7MPa・s(150kg/cm)で加圧し、厚
さ15mmの生成形体とした。 (4)次いで、窒素ガス中で約600℃で5時間程度脱
脂し、約1890℃且つ圧力14.7MPa・s(15
0kg/cm)で3時間ホットプレスし、厚さ6.0
mmの窒化アルミニウムの板状のセラミック基板を得
た。
【0079】(比較例1)セラミックペーストを印刷し
ない他は、実施例1と同様の構成とし、これを比較例1
とした。
【0080】(比較例2)セラミックペーストを150
0μmの一定の厚さで印刷した他は、実施例1と同様の
構成とし、これを比較例2とした。
【0081】(比較例3)ザグリ加工の深さを0.5m
mで統一した他は、実施例3と同様の構成とし、これを
比較例3とした。
【0082】(比較例4)ザグリ加工の深さを1周おき
に、0.5mm、6.0mmとした他は、実施例3と同
様の構成とし、これを比較例4とした。
【0083】(実施例4)実施例4として発熱体及び静
電チャック用静電電極を内部に有するセラミックヒータ
を製造したのでこれについて説明する。 (1)実施例3のセラミック基板に、実施例2の導電ペ
ーストAを用い、図9に示す櫛歯電極52を印刷した。 (2)次に、実施例2のグリーンシートを積層し、窒素
ガス中で約1890℃且つ圧力150kg/cmで3
時間ホットプレスし、誘電体膜の厚さ300μmの静電
チャックを形成した。これにより、実施例4に係るセラ
ミックヒータ54は、静電チャックとして使用すること
ができる。
【0084】(実施例5)実施例5として発熱体及びウ
エハプローバ用電極を内部、表面に有するセラミックヒ
ータを製造したのでこれについて説明する。 (1)実施例3のセラミック基板に、実施例2の導電ペ
ーストBを用い、グランド電極を印刷した。 (2)実施例2のグリーンシートに導電ペーストBを用
い、ガード電極を印刷した。
【0085】(3)図10(a)に示すようにグリーン
シート56及びセラミック基板58を積層し、窒素ガス
中で約1890℃且つ圧力150kg/cmで3時間
ホットプレスし、内部にガード電極60、グランド電極
62を持つセラミック基板58とした。 (4)次いで、ドリルで孔を開けて貫通孔64を設け
た。(図10(b))
【0086】(5)次に平均粒子径3.0μmのタング
ステン粉を1900℃で焼結させた多孔質金属板を銀ろ
うペーストを介して(4)のセラミック基板に載置し、
970℃に加熱して接着した(図10(c))。
【0087】(6)セラミック基板58の側面に孔を開
けて、80%Sn−20%Pbの半田ペーストを用い
て、300℃に加熱して端子ピン66を接着し、ウエハ
プローバ68とした(図10(d))。
【0088】(評価方法)実施例1〜3の試料及び比較
例の試料について、位置変位量を断面を光学顕微鏡(S
OKIA製 SI−7055MB)によって測定し、熱
衝撃試験を行い、その結果を表1にまとめた。上述した
ように、耐熱衝撃性ΔTは、その値が大きいほど高い。
この耐熱衝撃性ΔTは、次のように測定した。まず、3
mm x 4mm x 40mmの供試体を発熱体を含むよう
に切出し、この供試体を一定温度(400℃)に加熱
し、これを水中に投下して熱衝撃を与え、熱衝撃試験後
に、株式会社島津製作所製のオートグラフを用いて曲強
度試験を実施し、急速な強度低下が見られた温度を耐熱
衝撃性ΔTとした。更に試験結果の一例を図11に示
す。
【0089】また、発熱させた場合にウエハ加熱面の温
度差をサーモビュア(日本データム株式会社製 IR1
62012−0012)により測定した。その結果も表
1にまとめて示す。
【0090】
【表1】
【0091】まず、耐熱衝撃性について実施例と比較例
とを較べると、実施例の耐熱衝撃性は、ΔT=190〜
200(℃)と高い値を示したのに対し、比較例の耐熱
衝撃性は、ΔT=150〜160(℃)と低い値を示し
た。従って、発熱体の少なくとも一部分をその他の部分
からセラミック基板の厚さ方向に変位した平面位置に配
設することで耐熱衝撃性が改善されることが判明した。
特に、実施例1(ペースト層の厚さを250μmとした
もの)及び実施例2の試料は、耐熱衝撃性ΔT=200
℃という優れた値を示した。
【0092】次に、セラミック基板の温度の均一性につ
いて実施例と比較例とを較べると、実施例は、温度差が
8〜10℃と低めの範囲に収まったのに対し、比較例
は、10〜20℃とやや広がった範囲となっている。従
って、発熱体の少なくとも一部分をその他の部分からセ
ラミック基板の厚さ方向に変位した平面位置に配設する
ことは、セラミック基板の温度の均一化に効果的である
ことが判明した。
【0093】次に、実施例4に係るセラミックヒータに
ついて、静電チャックとして使用できるか否かについて
試験を行った。その結果、実施例4については、300
℃まで30秒で昇温しても、クラック等は発生しなかっ
た。また、1kVの印加で1kgf/cm(9.8 x
10Pa)の吸着力が確認された。従って、実施例
4に係るセラミックヒータは、静電チャックとしての使
用に耐えるものであることが判明した。
【0094】更に、実施例5に係るセラミックヒータに
ついて、ウエハプローバとして使用できるか否かについ
て試験を行った。その結果、実施例5については、20
0℃まで20秒で昇温しても、クラック等は発生しなか
った。また、200℃においてウエハの導通試験を行っ
ても誤動作等は見られなかった。従って、実施例5に係
るセラミックヒータは、ウエハプローバとしての使用に
耐えるものであることが判明した。
【0095】以上本発明の実施形態について説明したが
本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく種
々の改変が可能である。例えば、以上説明した実施形態
によれば、セラミックヒータは、互いに隣接する発熱体
同士が変位した水平面上に位置する構成、若しくは発熱
体の長さ方向に沿って発熱体の一部分が変位した水平面
上に位置する構成のいずれかをとるものであったが、こ
れらの構成を適宜組合せても本発明の趣旨を何ら逸脱す
るものではない。要するに、セラミック基板内部に配設
される一又は複数の発熱体の配設位置が当該セラミック
基板の高さ方向に変位した構成であれば本発明の趣旨は
実現されるものである。
【0096】
【発明の効果】本発明に係る請求項1乃至5に記載の半
導体製造・検査装置用セラミックヒータは、セラミック
基板中に配設された発熱体の少なくとも一部分が、該発
熱体の他の部分から前記セラミック基板の厚さ方向に変
位した平面位置に配設されたものであるから、発熱体の
少なくとも一部分がその他の部分より変位した位置に形
成されるので各発熱体の膨張又は収縮が互いに変位した
平面上で生じる。従って、本発明に係る半導体製造・検
査装置用セラミックヒータは、熱衝撃による影響をセラ
ミック基板全体で分散させ緩和することができるため、
耐熱衝撃性の優れたものとなる。また、ウエハ加熱表面
の均熱性を低下させることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るセラミックヒータ
のセラミック基板の要部を示す側断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るセラミックヒータ
のセラミック基板の要部を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るセラミックヒータ
のセラミック基板の要部を示す側断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係わるセラミックヒー
タのセラミック基板の要部を示す平面断面図である。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の一実施の形態に
係るセラミックヒータのセラミック基板における発熱体
の位置ずれを得る工程を示した工程図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態に係
るセラミックヒータのセラミック基板におけるペースト
層の配置のさせ方を積層順に示した平面図である。
【図7】(a)〜(c)は、本発明の一実施の形態に係
るセラミックヒータのセラミック基板におけるペースト
層の配置のさせ方を積層順に示した工程図、(d)は、
その積層後の側断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るセラミックヒータ
の製造工程図である。
【図9】本発明の応用例に係る静電チャックの電極を示
した図である。
【図10】本発明の応用例に係るウエハプローバの製造
工程図である。
【図11】熱衝撃試験後の曲強度試験の結果を示したグ
ラフである。
【図12】従来のセラミック基板の要部を示す側断面図
である。
【符号の説明】
10 セラミックヒータ 12 セラミック基板 14,16,18,20,H 発熱体 Ha,Hb 発熱体 50 コイル δt 変位量 δtmax 最大変位量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/68 H05B 3/68 Fターム(参考) 3K034 AA02 AA03 AA04 AA08 AA10 AA21 AA34 AA37 BB06 BB14 BC02 BC08 BC17 CA03 HA10 JA10 3K092 PP20 QA05 QB02 QB03 QB04 QB08 QB18 QB20 QB30 QB43 QC02 RF03 RF27 VV26 VV36 4M106 AA01 BA01 DD30 5F031 HA18 HA37 MA29 MA32 MA33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板中に発熱体が配設されて
    なる半導体製造・検査装置用セラミックヒータにおい
    て、 発熱体の少なくとも一部分が、その他の部分よりセラミ
    ック基板の厚さ方向に変位した平面位置に配置されてな
    ることを特徴とする半導体製造・検査装置用セラミック
    ヒータ。
  2. 【請求項2】 前記発熱体が、断面偏平形状である請求
    項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒー
    タ。
  3. 【請求項3】 前記発熱体のセラミック基板厚さ方向の
    最大変位量は、3〜500μmである請求項1または2
    に記載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板に静電電極を配設し
    たことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記
    載の半導体製造・検査装置用セラミックヒータ。
  5. 【請求項5】 前記セラミック基板の表面にチャックト
    ップ導体層を配設したことを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか一項に記載の半導体製造・検査装置用セラミ
    ックヒータ。
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