JPH0864663A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH0864663A
JPH0864663A JP19412194A JP19412194A JPH0864663A JP H0864663 A JPH0864663 A JP H0864663A JP 19412194 A JP19412194 A JP 19412194A JP 19412194 A JP19412194 A JP 19412194A JP H0864663 A JPH0864663 A JP H0864663A
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JP
Japan
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sample
electrostatic chuck
electrode
insulating layer
layer
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Application number
JP19412194A
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English (en)
Inventor
Masashi Inoue
雅司 井上
Toshiki Ehata
敏樹 江畑
Koichi Iio
浩一 飯尾
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 電極12の表面に絶縁層11を設け、載置す
る試料Sと電極12との間に直流電圧を印加して絶縁層
11上に試料Sを吸着保持する静電チャックにおいて、
絶縁層11の試料Sが吸着される側の表面11aの一部
に、導電層13が形成されている静電チャック。 【効果】 静電吸着力により試料Sを保持することがで
きる一方、プラズマ処理後、試料Sを短時間に脱離させ
ることができ、スループットの増大を図ることができる
と共に、プラズマ処理の際、試料S全体を所定温度に均
一に維持することができ、試料Sのプラズマ処理品質を
高めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電チャックに関し、よ
り詳細には半導体装置製造工程においてウエハを吸着・
保持する際に用いられる静電チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】例えばECR(Electron Cyclotron Res
onance) を利用して生成させたプラズマを用い、ウエハ
等の試料表面に所望の物質の薄膜を形成するためのCV
D(Chemical Vapor Deposition)処理装置、あるいは試
料表面に微細な回路パターンを形成するためのエッチン
グ処理装置等には、高真空状態に維持される処理室が装
備されている。この処理室内には前記試料を保持するた
めの試料保持装置が配設されており、該試料保持装置に
おける試料保持機構として最近では静電チャックが広く
用いられている。
【0003】図8は試料保持装置における従来の静電チ
ャック近傍を模式的に示した断面図であり、図中41は
冷却板を示している。冷却板41内には流路42が形成
され、流路42には冷却液が循環しており、冷却板4
1、静電チャック43を介して試料S全体が所定温度に
維持されるようになっている。冷却板41上には例えば
セラミックス等から成る絶縁層44が形成され、絶縁層
44内には電極45が埋設された態様で形成されてい
る。また電極45は直流電源46、あるいはスイッチ4
7aを介してアース47に接続されており、これら絶縁
層44、電極45、直流電源46を含んで静電チャック
43が構成されている。
【0004】このように構成された静電チャック43を
用いる場合、プラズマを照射すると共に電極45に直流
電圧を印加すると、絶縁層44上に載置された試料Sが
前記プラズマを介して電気的に接地され、電極45と試
料Sとの間に電荷が蓄積されて静電容量が形成され、こ
の静電容量に基づく吸着力により試料Sが静電チャック
43上に保持される。一方、試料Sに前記CVD処理ま
たは前記エッチング処理(以下、単にプラズマ処理と記
す)を施した後、プラズマを照射しつつ、電圧の印加を
停めて電極45をアース47に接続したり、あるいは電
極45に逆電圧を印加すると、前記吸着力が消失して試
料Sが静電チャック43より脱離可能となる。
【0005】しかし従来の静電チャック43において
は、電荷の散逸速度が遅く、吸着力が減少し難く、試料
Sの脱離に時間が掛かるという問題があった。この問題
に対処するため、接地された金属端子が試料裏面に接触
するように構成された静電チャックが提案されている。
【0006】図9は従来のこの種静電チャックを模式的
に示した断面図であり(特開平3−211725号公
報)、図中51は略T字形状の絶縁体を示している。絶
縁体51内には略T字形状の電極52が形成され、電極
52上には絶縁層53が形成されており、絶縁層53及
び電極52中央部には導電性を有するウエハ押し上げピ
ンとしての金属端子54が上下動可能に挿入されるとと
もに、アース(図示せず)に接続されている。また電極
52には直流電源55が接続されており、これら絶縁体
51、電極52、絶縁層53、金属端子54、直流電源
55を含んで静電チャック50が構成されている。さら
に静電チャック50上方には試料Sを搬送するためのア
ーム56が上下動、回転可能に付設されており、アーム
56はアース56aに接続されている。
【0007】このように構成された静電チャック50を
用いる場合、金属端子54を下げた状態でアーム56を
試料S表面の外周部に接触させると共に、電極52に直
流電圧を印加すると、絶縁層53上に載置された試料S
がアーム56を介して接地され、試料Sと電極52との
間に電荷が蓄積されて静電容量が形成され、この静電容
量に基づく吸着力により試料Sが静電チャック50上に
保持される。次にアーム56を系外に取り出した後、試
料Sにプラズマ処理を施す。プラズマ処理終了後、電極
52への電圧の印加を止めると共に、金属端子54を上
昇させてこの上面を試料S裏面に当接させると、試料S
に蓄積されていた電荷が金属端子54を介して前記アー
スに散逸し、吸着力が消失して試料Sが静電チャック5
0より脱離可能となる。この後、金属端子54をさらに
上昇させて試料Sを静電チャック50から脱離させ、ア
ーム56で把持して試料Sを系外に搬出する。
【0008】図10は接地された金属端子が試料裏面に
接触するように構成された従来の別の静電チャックを模
式的に示した断面図であり(特開昭63−281430
号公報)、図中61は電極を示している。電極61表面
には絶縁層62が形成され、電極61は高周波電源(図
示せず)に接続されており、電極61の略中央部にはス
テンレス製の略T字形状を有する金属端子63が上下動
可能に挿入されている。金属端子63上面の外周部には
平面視略リング形状の突起部63aが形成され、突起部
63a先端を除く金属端子63外面には絶縁層64が形
成されており、金属端子63はアース(図示せず)に接
続されている。これら電極61、絶縁層62、金属端子
63を含んで静電チャック60が構成されている。
【0009】このように構成された静電チャック60か
ら試料Sを脱離させる場合、電極61に高周波を印加す
ると共に、金属端子63の突起部63a上面を試料S裏
面に当接さて試料Sにプラズマ処理を施すと、試料Sに
蓄積されていた電荷が金属端子63を介して前記アース
に散逸し、吸着力が消失して試料Sが静電チャック60
より脱離可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記した静電チャック
50においては、金属端子54を試料Sに接触させる
と、この接触箇所近傍の試料Sに蓄積されていた電荷は
金属端子54を介して前記アース側へ散逸する。しか
し、金属端子54の試料Sに対する接触面積が狭く、こ
の接触箇所以外に広く存在している電荷を急速に散逸さ
せるのが難しく、したがって試料Sの脱離時間の短縮に
よりスループットの増大を図ることが依然として困難で
あるという課題があった。
【0011】また静電チャック60においては、静電チ
ャック50の場合に比べて金属端子63の試料Sに対す
る接触面積が広くなっており、試料Sの脱離時間は比較
的短縮される。しかし突起部63a先端の形状がなお小
さく、試料Sに対する接触面積がそれほど広くないた
め、脱離時間の短縮がまだ不十分であるという課題があ
った。また金属端子63が介装されているため、試料S
の略中央部近傍は絶縁層62と接触不能になっており、
冷却板(図示せず)、電極61を介して試料S全体を所
定温度に均一に維持するのが難しく、したがって試料S
にプラズマ処理を均一に施すのが困難であるという課題
があった。
【0012】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、プラズマ処理後、ウエハを短時間で脱離させ
ることができ、スループットの増大を図ることができる
と共に、プラズマ処理の際、ウエハ全体を所定温度に均
一に維持してウエハに対するのプラズマ処理の均質化を
高めることができる静電チャックを提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る静電チャックは、電極の表面に絶縁層が
形成され、載置される試料と前記電極との間に直流電圧
が印加されて前記絶縁層上に試料が吸着保持される静電
チャックにおいて、前記絶縁層の試料が吸着される側の
表面の一部に、導電層が形成されていることを特徴とし
ている(1)。
【0014】また本発明に係る静電チャックは、電極の
表面に絶縁層が形成され、載置される試料と前記電極と
の間に直流電圧が印加されて前記絶縁層上に試料が吸着
保持される静電チャックにおいて、前記絶縁層の試料が
吸着される側の表面の一部または全部に、前記絶縁層の
主部に比べ電気抵抗の小さい低抵抗層が形成されている
ことを特徴としている(2)。
【0015】
【作用】上記構成の静電チャック(1)によれば、絶縁
層の試料が吸着される側の表面の一部に導電層が形成さ
れており、前記電極に直流電圧を印加すると、該電極
と、プラズマアシスト等を通じて接地された試料との間
における前記導電層が形成されていない前記絶縁層部分
に電荷を蓄積し得るため、前記電極と前記試料との間に
静電容量が形成され、この静電容量により吸着力が発生
して前記試料が保持されることとなる。また前記直流電
圧の印加を停止して前記電極を接地したり、あるいは逆
電圧を印加すると、前記導電層により電荷の移動が速め
られ、プラズマアシスト等を通じて接地された試料の前
記電荷は急速に散逸され、あるいは中和されることとな
る。したがって短時間に吸着力が消減し、前記試料を素
早く脱離させ得ることとなり、この結果、スループット
を増大し得ることとなる。また前記導電層により前記電
荷が効率的に散逸するため、従来用いられていたアース
用の金属端子と前記試料または前記導電層との接触面積
の削減が可能となり、この結果、前記試料に対する温度
制御が均一に行なわれ、前記試料に対するプラズマ処理
の均質化を高め得ることとなる。
【0016】また上記構成の静電チャック(2)によれ
ば、絶縁層の試料が吸着される側の表面の一部または全
部に、前記絶縁層の主部に比べ電気抵抗の小さい低抵抗
層が形成されており、前記電極に直流電圧を印加する
と、該電極と、プラズマアシスト等を通じて接地された
試料との間における前記低抵抗層が形成されていない前
記絶縁層部分、あるいは所定の比較的小さい電気抵抗を
有する前記低抵抗層に電荷を蓄積し得るため、前記電極
と前記試料との間に静電容量が形成され、この静電容量
により吸着力が発生して前記試料が保持されることとな
る。また前記直流電圧の印加を停止して前記電極を接地
したり、あるいは逆電圧を印加すると、前記低抵抗層に
より電荷の移動が速められ、プラズマアシスト等を通じ
て接地された試料の前記電荷は急速に散逸され、あるい
は中和されることとなる。したがって短時間に吸着力が
消減し、前記試料を素早く脱離させ得ることとなり、こ
の結果、スループットを増大し得ることとなる。また前
記低抵抗層により前記電荷が効率的に散逸するため、従
来用いられていたアース用の金属端子と前記試料または
前記低抵抗層との接触面積の削減が可能となり、この結
果、前記試料に対する温度制御が均一に行なわれ、前記
試料に対するプラズマ処理の均質化を高め得ることとな
る。
【0017】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る静電チャック
の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係
る静電チャックの実施例1を示した模式図であり、
(a)は断面図、(b)は平面図である。酸化アルミニ
ウムの焼結体により構成された絶縁層11内には、タン
グステン層より成る電極12が埋設されている。絶縁層
11の表面11aにはこれと面一に厚さが約0.05μ
m以下のアルミニウムより成る導電層13が形成され、
導電層13は真空蒸着法により略八方放射状に形成され
ており、静電チャック10表面には導電層13と絶縁層
11とが表出している。電極12には直流電源14の例
えばマイナス側が接続され、直流電源14のプラス側は
接地されており、また電極12はスイッチ15aを介し
てアース15に接続されている。これら絶縁層11、電
極12、導電層13、直流電源14を含んで静電チャッ
ク10が構成されている。
【0018】このように構成された静電チャック10を
用い、プラズマ照射を行ないつつ、直流電源14を接続
して電極12に所定の直流電圧を印加すると、試料Sが
静電チャック10上に吸着・保持される。またプラズマ
照射を行ないつつ、直流電源14を切断して印加電圧を
ゼロに設定すると共に、スイッチ15aをオンして電極
12を接地する脱離操作を行うと、試料Sが静電チャッ
ク10から脱離可能となる。
【0019】以下に、実施例1に係る静電チャック10
を用い、試料Sを吸着させた後、脱離操作を行ない、脱
離操作後における残留吸着力の時間的変化を調査した結
果について説明する。実験条件は下記の表1に示した。
また比較例1として図10に示した静電チャック60を
用いた場合について説明する。
【0020】
【表1】
【0021】図2は残留吸着力の時間的変化を示した曲
線図であり、図中Aは実施例1の場合、Bは比較例1の
場合を示している。図2から明らかなように、比較例1
のものでは、脱離操作の約100秒後においても残留吸
着力があるのに対し、実施例1に係る静電チャック10
では、約1秒後に残留吸着力はほとんど消滅した。
【0022】上記結果及び説明から明らかなように、実
施例1に係る静電チャック10では、絶縁層11の試料
Sが吸着される側の表面11aの一部に導電層13が形
成されているので、電極12に直流電圧を印加すると、
電極12と、プラズマアシスト等を通じて接地された試
料Sとの間における導電層13が形成されていない絶縁
層11b部分に電荷を蓄積することができるため、電極
12と試料Sとの間に静電容量を形成することができ、
この静電容量により吸着力が発生して試料Sを保持する
ことができる。また前記直流電圧の印加を停止して電極
12を接地15すると、導電層13により前記電荷の移
動を速めることができ、プラズマアシストを通じて接地
された試料Sの前記電荷を急速に散逸させることができ
る。したがって短時間に吸着力を消減することができ、
試料Sを素早く脱離させることができ、この結果、スル
ープットを増大することができる。
【0023】なお、実施例1のものでは、導電層13が
略八方放射状に形成された場合について説明したが、対
称形状であればどのような形状でもよい。
【0024】また、実施例1のものでは、導電層13が
アルミニウムを用いて形成された場合について説明した
が、試料Sへの金属汚染源とならなければ特に制限はな
い。
【0025】図3は本発明に係る静電チャックの実施例
2を模式的に示した断面図であり、図中21はアルミニ
ウム製の電極を示している。電極21上には溶射法によ
り酸化アルミニウムから成る絶縁層22が形成され、絶
縁層22の表面22aの一部には、溶射法により絶縁層
22に比べて電気抵抗の小さい低抵抗層23が一様に形
成されている。低抵抗層23の材料には酸化アルミニウ
ム粉末と酸化チタン微粉末との混合物が用いられてお
り、酸化チタン微粉末の混合量が増加すると、低抵抗層
23の電気抵抗が減少される。電極21には図1に示し
たものと同様の直流電源14における例えばマイナス側
が接続され、直流電源14のプラス側は接地されてお
り、また電極21はスイッチ15aを介してアース15
に接続されている。これら電極21、絶縁層22、低抵
抗層23、直流電源14を含んで静電チャック20が構
成されている。
【0026】このように構成された静電チャック20を
用い、プラズマ照射を行ないつつ、直流電源14を接続
して電極21に所定の直流電圧を印加すると、試料Sが
静電チャック20上に吸着・保持される。またプラズマ
照射を行ないつつ、直流電源14を切断して印加電圧を
ゼロに設定すると共に、スイッチ15aをオンして電極
21を接地する脱離操作を行うと、試料Sが静電チャッ
ク20から脱離可能となる。
【0027】以下に、実施例2に係る静電チャック20
を用い、試料Sを吸着させた後、脱離操作を行ない、脱
離操作後における残留吸着力の時間的変化を調査した結
果について説明する。絶縁層22は電気抵抗が約1010
Ωm、低抵抗層23は電気抵抗が約107 Ωmのものを
用いた。その他の実験条件は上記の表1に示したものと
同様に行なった。この結果は図4に示したように、残留
吸着力は脱離操作の約2秒後にほとんど消滅した。
【0028】上記結果及び説明から明らかなように、実
施例2に係る静電チャック20では、絶縁層22の試料
Sが吸着される側の表面22aの一部に、絶縁層22の
主部に比べ電気抵抗の小さい低抵抗層23が形成されて
いるので、電極21に直流電圧を印加すると、電極21
と、プラズマアシスト等を通じて接地された試料Sとの
間における低抵抗層23が形成されていない絶縁層22
部分に電荷を蓄積することができるため、電極21と試
料Sとの間に静電容量を形成することができ、この静電
容量により吸着力を発生させて試料Sを保持することが
できる。また前記直流電圧の印加を停止して電極21を
接地すると、低抵抗層23により電荷の移動を速めるこ
とができ、プラズマアシスト等を通じて接地された試料
の前記電荷を急速に散逸させることができる。したがっ
て短時間に吸着力を消減させることができ、試料Sを素
早く脱離させることができ、この結果、スループットを
増大することができる。
【0029】図5は本発明に係る静電チャックの実施例
3を模式的に示した断面図であり、図中31はアルミニ
ウム製の電極を示している。電極31上には溶射法によ
り酸化アルミニウムから成る絶縁層32が形成され、絶
縁層32の表面32aの略全面には、溶射法により絶縁
層32に比べて所定の小さい電気抵抗を有する低抵抗層
33が形成されている。図3に示したものと同様、低抵
抗層33の材料には酸化アルミニウム粉末と酸化チタン
微粉末との混合物が用いられており、酸化チタン微粉末
の混合量が増加すると、低抵抗層33の電気抵抗が減少
される。電極31、絶縁層32、低抵抗層33の所定箇
所には所定形状の孔34aが形成され、孔34a内には
例えば丸棒形形状を有するアルミニウム製の金属端子3
4が上下動可能に挿入されており、金属端子34は接地
34bされている。その他は図3に示したものと同様に
構成されており、これら電極31、絶縁層32、低抵抗
層33、金属端子34を含んで静電チャック30が構成
されている。
【0030】このように構成された静電チャック30を
用い、プラズマ照射を行ないつつ、直流電源14を接続
して電極31に所定の直流電圧を印加すると、試料Sが
静電チャック30上に吸着・保持される。またプラズマ
照射を行ないつつ、直流電源14を切断して印加電圧を
ゼロに設定し、スイッチ15aをオンして電極31を接
地すると共に、金属端子34を上昇させて金属端子34
上面と試料S下面とを接触させる脱離操作を行うと、試
料Sが静電チャック30から脱離可能となる。
【0031】以下に、実施例3に係る静電チャック30
を用い、試料Sを吸着させた後、脱離操作を行ない、脱
離操作後における残留吸着力の時間的変化を調査した結
果、及びプラズマ処理中の試料Sの温度分布を調査した
結果について説明する。実験条件は実施例2の場合と同
様にして行なった。また比較例2として図9に示した静
電チャック50を用いた場合について説明する。
【0032】図6は残留吸着力の時間的変化を示した曲
線図であり、図中Aは実施例3の場合、Bは比較例2の
場合を示している。図6から明らかなように、比較例2
のものでは、脱離操作の約100秒後においても残留吸
着力があるのに対し、実施例3に係る静電チャック30
では、約1秒後に残留吸着力はほとんど消滅した。また
冷却板41(図8)の温度を約7℃に設定した際におけ
る試料Sの温度分布は略均一であった。
【0033】上記結果及び説明から明らかなように、実
施例3に係る静電チャック30では、絶縁層32の試料
Sが吸着される側の表面32aの全部に、絶縁層32の
主部に比べ電気抵抗の小さい低抵抗層33が形成されて
おり、電極31に直流電圧を印加すると、電極31と、
プラズマアシスト等を通じて接地された試料Sとの間に
おける所定の小さい電気抵抗を有する低抵抗層33に電
荷を蓄積することができるため、電極31と試料Sとの
間に静電容量を形成することができ、この静電容量によ
り吸着力を発生させて試料Sを保持することができる。
また前記直流電圧の印加を停止して電極31を接地する
と、低抵抗層33により前記電荷の移動を速めることが
でき、プラズマアシスト等を通じて接地された試料Sの
前記電荷を急速に散逸することができる。したがって短
時間に吸着力を消減することができ、試料Sを素早く脱
離させることができ、この結果、スループットを増大す
ることができる。また低抵抗層33により前記電荷が効
率的に散逸するため、従来用いられていたアース用の金
属端子34と試料Sとの接触面積の削減を図ることがで
き、この結果、試料Sに対する温度制御を均一に行うこ
とができ、試料Sに対するプラズマ処理の均質化を高め
ることができる。
【0034】図7は本発明に係る静電チャックの実施例
4を模式的に示した断面図であり、電極31、絶縁層3
2の所定箇所には所定形状の孔44aが形成され、孔4
4a内には例えば丸棒形形状を有するアルミニウム製の
金属端子34が上下動可能に挿入されており、金属端子
34を上方に駆動させると、金属端子34先端が低抵抗
層43を破ることなくこれと確実に接触するようになっ
ている。その他は図5に示したものと同様に構成されて
おり、これら電極31、絶縁層32、低抵抗層43、金
属端子34を含んで静電チャック40が構成されてい
る。
【0035】上記説明から明らかなように、実施例4に
係る静電チャック40では、図5に示した実施例3のも
のと略同様に試料Sを保持することができる。また直流
電圧の印加を停止して電極31を接地すると共に、金属
端子34を低抵抗層43に接触させると、低抵抗層43
により電荷の移動が速められ、プラズマアシストを通じ
て接地された試料S、及び低抵抗層43の電荷を急速に
散逸させることができ、実施例3のものに比べて一層短
時間に吸着力を消減することができ、試料Sを一層素早
く脱離させることができる。
【0036】なお、上記した実施例3、4のものでは、
低抵抗層33、43が絶縁層32の表面32a全部に形
成された場合について説明したが、一部に形成されてい
てもよい。
【0037】また、上記した実施例2、3、4のもので
は、低抵抗層23、33、43は電気抵抗が略107 Ω
mのものを用いたが、装置の使用条件により変化しても
よいのはもちろんである。
【0038】また、上記した実施例のものでは、いずれ
も電極12、21、31が接地された場合について説明
したが、電極12、21、31に逆電圧を印加してもよ
い。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る静電チ
ャック(1)にあっては、絶縁層の試料が吸着される側
の表面の一部に導電層が形成されているので、直流電圧
の印加を停止して電極を接地したり、あるいは逆電圧を
印加すると、前記導電層により電荷の移動を速めること
ができ、プラズマアシスト等を通じて接地された試料の
前記電荷を急速に散逸し、あるいは中和することができ
る。したがって短時間に吸着力を消減させ、前記試料を
素早く脱離させることができ、この結果、スループット
を増大することができる。また前記導電層により前記電
荷を効率的に散逸することができるため、従来用いられ
ていたアース用の金属端子と前記試料または前記導電層
との接触面積を削減することができ、この結果、前記試
料に対する温度制御を均一に行なうことができ、前記試
料に対するプラズマ処理の均質化を高めることができ
る。
【0040】また本発明に係る静電チャック(2)にあ
っては、絶縁層の試料が吸着される側の表面の一部また
は全部に、前記絶縁層の主部に比べ電気抵抗の小さい低
抵抗層が形成されているので、直流電圧の印加を停止し
て電極を接地したり、あるいは逆電圧を印加すると、前
記低抵抗層により電荷の移動を速めることができ、プラ
ズマアシスト等を通じて接地された試料の前記電荷を急
速に散逸し、あるいは中和することができる。したがっ
て短時間に吸着力を消減させ、前記試料を素早く脱離さ
せることができ、この結果、スループットを増大するこ
とができる。また前記低抵抗層により前記電荷を効率的
に散逸することができるため、従来用いられていたアー
ス用の金属端子と前記試料または前記低抵抗層との接触
面積を削減することができ、この結果、前記試料に対す
る温度制御を均一に行なうことができ、前記試料に対す
るプラズマ処理の均質化を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックの実施例1を示した
模式図であり、(a)は断面図、(b)は平面図であ
る。
【図2】残留吸着力の時間的変化を示した曲線図であ
り、図中Aは実施例1の場合、Bは比較例1の場合を示
している。
【図3】実施例2に係る静電チャックを模式的に示した
断面図である。
【図4】実施例2に係る静電チャックにおける残留吸着
力の時間的変化を示した曲線図である。
【図5】実施例3に係る静電チャックを模式的に示した
断面図である。
【図6】残留吸着力の時間的変化を示した曲線図であ
り、図中Aは実施例3の場合、Bは比較例2の場合を示
している。
【図7】実施例4に係る静電チャックを模式的に示した
断面図である。
【図8】試料保持装置における従来の静電チャック近傍
を模式的に示した断面図である。
【図9】接地された金属端子が試料裏面に接触するよう
に構成された従来の静電チャックを模式的に示した断面
図である。
【図10】接地された金属端子が試料裏面に接触するよ
うに構成された従来の別の静電チャックを模式的に示し
た断面図である。
【符号の説明】
10 静電チャック 11 絶縁層 11a 表面 12 電極 13 導電層 14 直流電源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極の表面に絶縁層が形成され、載置さ
    れる試料と前記電極との間に直流電圧が印加されて前記
    絶縁層上に試料が吸着保持される静電チャックにおい
    て、前記絶縁層の試料が吸着される側の表面の一部に、
    導電層が形成されていることを特徴とする静電チャッ
    ク。
  2. 【請求項2】 電極の表面に絶縁層が形成され、載置さ
    れる試料と前記電極との間に直流電圧が印加されて前記
    絶縁層上に試料が吸着保持される静電チャックにおい
    て、前記絶縁層の試料が吸着される側の表面の一部また
    は全部に、前記絶縁層の主部に比べ電気抵抗の小さい低
    抵抗層が形成されていることを特徴とする静電チャッ
    ク。
JP19412194A 1994-08-18 1994-08-18 静電チャック Pending JPH0864663A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6771483B2 (en) 2000-01-21 2004-08-03 Tocalo Co., Ltd. Electrostatic chuck member and method of producing the same
WO2005091356A1 (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Creative Technology Corporation 双極型静電チャック

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JP4684222B2 (ja) * 2004-03-19 2011-05-18 株式会社クリエイティブ テクノロジー 双極型静電チャック

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