JP4655342B2 - ポリ乳酸樹脂組成物および成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維に関するものである。さらに詳細には、高い耐熱性と高い耐加水分解性を兼ね備えたポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、繊維やフィルムなどの成形品の材料としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミドなどが用いられており、消費量が年々増加している。それに伴い、使用後の廃棄物の量も増加している。これら廃棄物は現在焼却あるいは埋め立てにより処理されるため、様々の環境問題や処分場確保などの問題が起こっている。
【0003】
このような問題に対処するため、近年、土中や水中に存在する微生物の作用により自然環境下で樹脂が分解される種々の生分解性ポリマーの検討が各方面で盛んに行われている。中でも、ポリL−乳酸は比較的融点および結晶性が高く成形品としたときの機械的物性が高いなどの優れた特徴を有しているため、実用的な生分解性樹脂成形品として工業的に生産化するための検討が活発になされている。
【0004】
しかしながら、ポリL−乳酸の融点は170℃程度であり、例えば、衣料用繊維として用いる場合ではアイロン可能な温度が低温に限られてしまうことや、産業用繊維として用いる場合ではゴム資材や樹脂コート布帛など成形品の製造工程で150℃程度の高温にさらされる用途には適さないなどの問題があった。
【0005】
一方、乳酸には光学異性体が存在し、それぞれL−乳酸とD−乳酸の重合体であるポリL−乳酸とポリD−乳酸の混合物からなるステレオコンプレックス結晶を形成させるとポリL−乳酸あるいはポリD−乳酸単独結晶よりも融点が上昇することが知られている。特開昭61−36321号公報には、ポリL−乳酸とポリD−乳酸をブレンドすることにより上記の特異な特性を工業的に利用することが初めて開示されている。また、特開昭63−264913号公報には、ポリL−乳酸とポリD−乳酸を溶液状態でブレンドした後に溶液紡糸に供する技術についての開示があるが、この方法ではブレンドした溶液の安定性が低くポットライフが短いために安定した製糸ができず得られる繊維も品位に欠ける、あるいは巻取速度が高々数十m/分であり工業的に効率の高い生産を行うことができないといった問題があった。さらに、特開昭63−241024号公報では、ポリL−乳酸とポリD−乳酸を等モル量含む組成物を用いた溶融紡糸についての実施例が開示されているが、得られた繊維の物性は高々0.5cN/dTex程度であり、実用的強度を有する繊維を得るには至っていなかった。
【0006】
さらに、京都工芸繊維大学の山根らはポリL−乳酸とポリD−乳酸の溶融ブレンド物を溶融紡糸した未延伸糸あるいはこれを延伸した延伸糸を熱処理することでステレオコンプレックス結晶を含むポリ乳酸繊維を得ている(Sen-i Gakkai Preprints 1989)。しかしながら、この方法では未延伸糸および延伸糸の内部構造としてポリL−乳酸分子とポリD−乳酸分子が十分に分散しておらず部分的にドメイン構造を作っているためステレオコンプレックス結晶を生成・成長させるためには製糸後に200℃で2〜10分間熱処理する必要がある。そのため、熱処理時に繊維内部の分子配向が緩和してしまい、得られる繊維の強度は高々2.3cN/dTex程度に留まっている。また、熱処理前の延伸糸では4.2cN/dTexの強度が得られるものの、ポリL−乳酸あるいはポリD−乳酸単独結晶が相当量存在し、ステレオコンプレックス結晶の生成が不十分であるために耐熱性が不十分であった。
【0007】
また、特開平9−25400号公報および特開2000−17164号公報では、ポリL−乳酸とポリD−乳酸の混合物を加熱溶融する方法あるいはそれぞれを加熱溶融した後混合することにより高結晶化したポリ乳酸成形品を得る方法についての技術が開示されているが、いずれも繊維化に関する具体的示唆はされていない。
【0008】
他方、ポリ乳酸は室温や高温の水中における加水分解性が非常に高く、さらには空気中の水分によっても分解されうるという性質を持っている。このように容易に加水分解される性質により、例えば繊維やスリットフィルムとして使用する場合では、染料の水分散溶液による高温での染色を行うと布帛の引裂強度が急激に低下してしまうことから比較的低温での染色しか行えず、濃色に染めることができない、あるいは漁網などの水産資材用として水中で使用する場合にはその使用可能期間がごく短期間に限定されてしまう、さらには経時安定性に乏しく製造後長期間経た後では劣化のため当初の性能が発揮できないといった問題点があった。また、繊維やフィルム関連で種々の乾熱加工時や高温雰囲気中での使用に際して、空気中の水分による加水分解が問題となる場合があった。そのため、従来から医療用途などごく限られた用途でしか使用できず、汎用用途への展開においては、これらの問題の解決が必要であった。
【0009】
このような問題点を解決する手段として、特開平7−316273号公報には、ポリ乳酸のカルボキシル基末端を脂肪族アルコールとの縮合反応により末端封鎖する技術が開示されている。また、特開平9−21017号公報には、脂肪族アルコールによるカルボキシル基末端の封鎖に加えて紡糸温度を低くすることによりポリ乳酸繊維のカルボキシル基末端濃度を下げる技術が開示されている。しかしながら、これらの技術ではポリ乳酸の耐加水分解性を向上させる効果は得られるものの、同時にポリ乳酸の耐熱性を向上させることについては具体的な示唆はされていない。
【0010】
以上のように高い耐熱性と高い耐加水分解性を兼ね備えたポリ乳酸樹脂組成物および成形品については、未だ達成されていないのが実状であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前述のような従来技術ではなしえなかった、高い耐熱性と高い耐加水分解性を兼ね備えたポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維は、次の構成を有する。すなわち、
(1)ポリL−乳酸とポリD−乳酸とのブレンド物からなり、該ポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されているポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維であって、該繊維は溶融紡糸法により得られ、DSC測定により求められるポリL−乳酸単独結晶およびポリD−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHlとポリL−乳酸およびポリD−乳酸からなるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHhの比ΔHh/ΔHlが10以上であることを特徴とする繊維。
【0013】
(2)付加反応型の化合物によりポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されていることを特徴とする前記(1)に記載の繊維。
【0014】
(3)ポリL−乳酸およびポリD−乳酸のカルボキシル基末端濃度が10当量/103 kg以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の繊維。
【0015】
(4)カルボキシル基末端に付加する化合物が、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維。
【0016】
(5)カルボジイミド化合物が、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドであることを特徴とする前記(4)に記載の繊維。
【0020】
(6)繊維の強度が2.6cN/dTex以上であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維。
【0021】
(7)繊維の複屈折Δnが18以上であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維。
【0022】
(8)繊維の沸騰水収縮率Sbが3%以上であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の繊維。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のポリ乳酸樹脂組成物についてさらに詳しく説明する。
【0025】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物はポリL−乳酸とポリD−乳酸とのブレンド物からなることを特徴とする。
【0026】
ポリL−乳酸およびポリD−乳酸の製造方法には、それぞれL−乳酸、あるいはD−乳酸を原料として一旦環状2量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラクチド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明で用いるポリ乳酸はいずれの製法によって得られたものであってもよいが、ポリマー中に含有される環状2量体が溶融紡糸時に気化して糸斑の原因となるため、繊維として溶融紡糸する場合には、溶融紡糸以前の段階でポリマー中に含有される環状2量体の含有量を0.3wt%以下とすることが望ましい。直接重合法の場合には環状2量体に起因する問題が実質的にないため、製糸性の観点からはより好適である。
【0027】
本発明に用いるポリL−乳酸はL−乳酸を主たるモノマー成分とする重合体であり、L−乳酸のほかにD−乳酸成分を15モル%以下含有する共重合ポリL−乳酸であっても良いが、ステレオコンプレックス結晶の形成性を高める観点から、ポリL−乳酸中のD−乳酸成分は少ないほど好ましく、ホモポリL−乳酸を用いることがさらに好ましい。
【0028】
同様に、本発明に用いるポリD−乳酸はD−乳酸を主たるモノマー成分とする重合体であり、D−乳酸のほかにL−乳酸成分を15モル%以下含有する共重合ポリD−乳酸であっても良いが、ステレオコンプレックス結晶の形成性を高める観点から、ポリD−乳酸中のL−乳酸成分は少ないほど好ましく、ホモポリD−乳酸を用いることがさらに好ましい。
【0029】
さらに、本発明に用いるポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸は、本発明の効果を損なわない範囲で、他のエステル形成能を有するモノマー成分を共重合しても良い。共重合可能なモノマー成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
【0030】
上述したポリL−乳酸およびポリD−乳酸の重量平均分子量は好ましくは5万以上、さらに好ましくは10万以上、より好ましくは15万以上とするものである。重量平均分子量が10万に満たない場合には繊維の強度物性を優れたものとすることができにくくなるので好ましくない。なお、一般にポリL−乳酸あるいはポリD−乳酸の平均分子量を50万以上とすることは困難である。
【0031】
なお、本発明で用いるポリL−乳酸およびポリD−乳酸には本発明の効果を損なわない範囲で主体をなすポリマー以外の成分を含有してもよい。例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤あるいは着色顔料等として無機微粒子や有機化合物を必要に応じて添加してもよい。特に、紫外線安定化剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系薬剤を好ましく用いることができる。この際の配合量は繊維重量に対して0.005〜1.0wt%が好ましい。着色顔料としては酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料の他、シアニン系、スチレン系、フタロシアイン系、アンスラキノン系、ペリノン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、キノクリドン系、チオインディゴ系などのものを使用することができる。
【0032】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、ポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の一部または全部が封鎖されていることを特徴とする。ポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端を封鎖する方法としては、例えば、脂肪族アルコールやアミド化合物などの縮合反応型化合物や、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物などの付加反応型の化合物などをカルボキシル基末端に反応させて封鎖すれば良い。後者の付加反応型の化合物を用いれば、例えば、アルコールとカルボキシル基の脱水縮合反応による末端封鎖のように余分な副生成物を反応系外に排出する必要がないため、例えばポリL−乳酸とポリD−乳酸のブレンド物を溶融成形する際に付加反応型の化合物を添加・混合・反応させることにより、最適な条件でのポリマー重合と成形時のカルボキシル基末端生成の抑制による十分な末端封鎖を両立することができ、実用的に十分な高い分子量や耐熱性および耐加水分解性を兼ね備えた繊維およびフィルム等の成形物を得るにあたり有利である。
【0033】
本発明においては、ポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の一部または全部が封鎖されていることを特徴とするものであるが、カルボキシル基末端を全量封鎖できるに十分な量の末端封鎖剤を添加した場合に、滴定などにより、酸末端量を測定すると0(ゼロ)にはならないような場合においても、本発明のカルボキシル基末端の全部が封鎖されている範疇とする。
【0034】
本発明に用いることのできる末端封鎖剤のうちカルボジイミド化合物の例としては、例えば、N,N´−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N´−ジフェニルカルボジイミド、N,N´−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−2,6−ジ−tert. −ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N´−フェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N´−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N´−ジ−p−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド,N,N′−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N′−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N′−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N′−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N′−トリルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。さらには、これらのカルボジイミド化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択してポリ乳酸のカルボキシル末端を封鎖すればよいが、反応性および耐熱性の点でN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが好ましい。
【0035】
本発明に用いることのできる末端封鎖剤のうちエポキシ化合物の例としては、例えば、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グリシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−(2−キセニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、α−クレシルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、オクチレンオキサイド、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどが挙げられ、さらには、テレフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジメチルジグリシジルエステル、フェニレンジグリシジルエーテル、エチレンジグリシジルエーテル、トリメチレンジグリシジルエーテル、テトラメチレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのエポキシ化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択してポリ乳酸のカルボキシル末端を封鎖すればよいが、反応性の点でエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどが好ましい。
【0036】
本発明に用いることのできる末端封鎖剤のうちオキサゾリン化合物の例としては、例えば、2−メトキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブトキシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オキサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキシ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オキサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾリン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−オキサゾリンなどが挙げられ、さらには、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4,4′−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−9,9′−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物など、例えばスチレン・2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体などが挙げられる。これらのオキサゾリン化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択してポリ乳酸のカルボキシル末端を封鎖すればよい。
【0037】
本発明に用いることのできる末端封鎖剤のうちオキサジン化合物の例としては、例えば、2−メトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−プロポキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ブトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘプチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−オクチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ノニルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−デシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−アリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−メタアリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−クロチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどが挙げられ、さらには、2,2′−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2′−P,P′−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン化合物などが挙げられる。これらのオキサジン化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択してポリ乳酸のカルボキシル末端を封鎖すればよい。
【0038】
さらには、既に例示したオキサゾリン化合物および上述のオキサジン化合物などの中から1種または2種以上の化合物を任意に選択し併用してポリ乳酸のカルボキシル末端を封鎖してもよいが、耐熱性および反応性や脂肪族ポリエステルとの親和性の点で2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)や2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
【0039】
本発明に用いることのできる末端封鎖剤のうちアジリジン化合物の例としては、例えば、モノ,ビスあるいはポリイソシアネート化合物とエチレンイミンとの付加反応物などが挙げられる。
【0040】
また、本発明に用いることのできる末端封鎖剤として上述したカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物などの化合物うち、2種以上の化合物を末端封鎖剤として併用することもできる。
【0041】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物では、用途に応じて適度にカルボキシル末端基の封鎖を行えばよいが、具体的なカルボキシル基末端封鎖の程度としてはポリ乳酸樹脂組成物中のポリL−乳酸およびポリD−乳酸のカルボキシル基末端の濃度が10当量/103 kg以下であることが耐加水分解性向上の点から好ましく、6当量/103 kg以下であることがさらに好ましい。ここでカルボキシル基末端の濃度とは実施例中に記載の方法によって測定した値を指す。
【0042】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物に用いるポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端を封鎖する方法としては縮合反応型あるいは付加反応型などの末端封鎖剤を反応させればよく、縮合反応によりカルボキシル基末端を封鎖する方法としては、ポリマー重合時に重合系内に脂肪族アルコールやアミド化合物などの縮合反応型の末端封鎖剤を適量添加して減圧化で脱水縮合反応させるなどしてカルボキシル基末端を封鎖することができるが、ポリマーの高重合度化の観点から、重合反応終了時に縮合反応型の末端封鎖剤を添加することが好ましい。縮合反応型の末端封鎖剤を使用する場合は、あらかじめカルボキシル基末端が封鎖されたポリL−乳酸とポリD−乳酸をブレンドすれば良い。
【0043】
付加反応によりカルボキシル基末端を封鎖する方法としては、ポリ乳酸の溶融状態でカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物などの末端封鎖剤を適量反応させることで得ることができるが、ポリ乳酸の高重合度化、残存低分子量物の抑制などの観点から、ポリマーの重合反応終了後に末端封鎖剤を添加・反応させることが好ましい。上記した末端封鎖剤とポリ乳酸との混合・反応としては、例えば、重合反応終了直後の溶融状態のポリ乳酸ポリマーに末端封鎖剤を添加し攪拌・反応させる方法、ポリ乳酸のチップに末端封鎖剤を添加・混合した後に反応缶あるいはエクストルーダなどで混練・反応させる方法、エクストルーダでポリ乳酸に液状の末端封鎖剤を連続的に添加し、混練・反応させる方法、末端封鎖剤を高濃度含有させたポリ乳酸のマスターチップとポリ乳酸のホモチップとを混合したブレンドチップをエクストルーダなどで混練・反応させる方法などにより行うことができる。
【0044】
ポリL−乳酸とポリD−乳酸のブレンド方法としては、例えば、ポリL−乳酸チップとポリD−乳酸チップのチップブレンド(ドライブレンド)物を溶融押出し機に供する方法や、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロメタン、ジオキサンなどの溶媒を用いたポリL−乳酸溶液とポリD−乳酸溶液とを溶液状態で混合した後に溶媒を除去する方法などが挙げられる。溶融押出し機に供する場合は、プレッシャーメルター型や1軸あるいは2軸エクストルーダー型など通常の溶融押出し機を使用することができるが、ポリL−乳酸とポリD−乳酸を十分混練しステレオコンプレックス結晶を形成しやすくする観点から1軸あるいは2軸エクストルーダー型が好まい。さらには、溶融押出し後のポリマー流路中に静止混練機を組み込む方法、ポリL−乳酸チップとポリD−乳酸チップのチップブレンド物を2軸エクストルーダー型の混練機にて溶融・混練した後チップ化することで予備混練されたポリL−乳酸とポリD−乳酸のブレンド物からなるチップをあらかじめ用意し、この予備混練されたチップを溶融成形機に供する方法などが好ましい。あるいは、ポリL−乳酸とポリD−乳酸を別々の溶融押出し機で溶融の後混合しても良い。上述のいずれの場合においても濾過層や吐出部口金通過時の剪断応力による混練が期待されるが、特にポリL−乳酸とポリD−乳酸を別々の溶融押出し機で溶融後混合する場合は、混練強化の観点から混合後に静止混練機を組み込むことが好ましい。
【0045】
ポリL−乳酸とポリD−乳酸のブレンドはそれぞれのカルボキシル基末端を封鎖してから行っても良いし、ポリL−乳酸とポリD−乳酸をブレンドした後にカルボキシル基末端を封鎖しても良いが、ポリマーの熱分解あるいは熱劣化抑制の観点から、ポリL−乳酸とポリD−乳酸のブレンドおよびカルボキシル基末端の封鎖を同時に行うことが好ましい。上記したブレンドと末端封鎖を同時に行う方法としては、例えば、ポリL−乳酸チップとポリD−乳酸チップのチップブレンド(ドライブレンド)物を溶融押出し機に供する際に、溶融直前のチップあるいは溶融押出し機内の溶融ポリマーへ液状の末端封鎖剤を連続的に直接添加すれば良い。
【0046】
また、本発明のポリ乳酸樹脂組成物に用いるポリL−乳酸とポリD−乳酸のブレンド割合としては重量比で、ポリL−乳酸:ポリD−乳酸が30:70から70:30の間であることが好ましいが、ステレオコンプレックス結晶の生成促進および含有割合向上の観点から、40:60から60:40の間であることがさらに好ましく、50:50であることがより好ましい。
【0047】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、溶融状態から繊維に成形加工することが可能であり、高い耐熱性と高い耐加水分解性を兼ね備えていることで、従来以上に広い分野での利用が可能である。例えば、繊維分野では衣料用途、釣り糸、漁網、海苔網、植生保護用不織布、土木用ネット、土嚢、育苗用ポット、農業用資材、水切り袋などが挙げられる。
【0048】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、上述した形態のなかでも体積比表面積が大きく実用に供されたとき十分な耐加水分解性が求められる繊維分野において特に有効である。
【0049】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物を、例えば、繊維として使用する場合では、染料の水分散溶液による高温での染色が可能となり、布帛の引裂強度を損なうことなく濃色あるは鮮明な色合いに染めることができる。また、漁網などの水産資材用として水中で使用する場合には、その使用期間中は実用的に必要十分な強度が発揮される繊維を得ることができる。さらには経時安定性に富んでおり製造後長期間経た後でも劣化することもなく当初の性能を発揮する繊維を得ることができる。また、繊維やフィルム関連で種々の乾熱加工時や高温雰囲気中での使用においても、安定した強度物性や耐久性を発揮する繊維やフィルムを得ることができる。
【0050】
また、本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維は衣料用あるいは産業用として広く実用に供する観点から、強度が2.6cN/dTex以上であることが好ましく、3.5cN/dTex以上であることがさらに好ましい。さらに、同様の観点から、本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維では、複屈折Δnが18以上であることが好ましい。
【0051】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維では、耐熱性の観点から、DSC測定により求められるポリL−乳酸単独結晶およびポリD−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHlとポリL−乳酸およびポリD−乳酸からなるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHhの比ΔHh/ΔHlが10以上であり、好ましくはΔHh/ΔHlが20以上である。なお、ホモポリL−乳酸およびホモポリD−乳酸のブレンド物からなるポリ乳酸繊維の場合、ΔHlのピーク温度は160〜180℃付近に存在し、ΔHhのピーク温度は210℃〜230℃付近に存在する場合が多い。
【0052】
さらには、製糸時における延伸・弛緩・熱処理などの行程における糸たるみの抑制あるいは布帛の仕上げ行程におけるセット性確保などの観点から、本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維では沸騰水収縮率Sbが3%以上であることが好ましい。
【0053】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維は、工業的に効率の高い生産を行う観点から、溶融紡糸法による。例えば、溶融紡糸法により本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維を得るには以下の方法とすればよいが、以下に説明する方法に限られるものではない。
【0054】
前述の方法により得られたポリ乳酸樹脂組成物は、エクストルーダー型やプレッシャーメルター型の溶融押出し機で溶融された後、メタリングポンプによって計量され、紡糸パック内等で濾過を受けた後、所望の口金形状や口金数を有する口金から吐出される。吐出された糸はポリマーの融点よりも温度の低い気体中を通過させることによって冷却・固化された後、油剤を付与されて引き取られるが、紡糸時の分子配向を上げることにより、ポリ乳酸ステレオコンプレックス結晶が形成されやすくなることから、300m/分以上で引き取ることが好ましい。同様の観点から、紡糸ドラフトは50以上であることが好ましい。また、冷却の上流側または冷却部では吐出糸条からの昇華物を除去するために、気流吸引装置を用いることが好ましい。さらに、紡出直下、冷却・固化の前には加熱帯を設置して糸条をポリマーの融点以上の温度に加熱することが、繊維の強度を高める点からは好ましい。冷却は環状チムニー、ユニフロチムニーのいずれを用いることもできる。引き取られた未延伸糸はその後延伸に供される。延伸の前に一旦巻き取る2工程法を用いても、紡糸後巻き取ることなく引き続いて延伸を行う直接紡糸延伸法を用いてもどちらでも構わないが、生産性の観点からは直接紡糸延伸法が好ましい。
【0055】
延伸工程は1段でも2段以上の多段でも良いが、高強度化の観点から2段以上の多段延伸を行うことが好ましい。また、延伸倍率が高すぎると繊維の白化現象が生じ強度が低下してしまうため、繊維の白化現象が起こらないような延伸倍率とすることが好ましい。延伸熱源としては通常用いられる任意の方法を採れば良く、例えばホットローラー、接触式熱板、非接触熱板、熱媒浴、ピンなどでも良い。
【0056】
延伸に引続いて、巻き取り前にはポリマーの融点より10〜80℃程度低い温度で熱処理が行われることが好ましい。熱処理には、ホットローラー、接触式熱板、非接触式熱板など任意の方法を採ることができる。また寸法安定性の観点から、熱処理に引き続いて0〜20%の弛緩処理が行われることが好ましい。
【0057】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維では、用途に応じてモノフィラメントやマルチフィラメント、ステープル、不織布など任意の形態を選択できる。マルチフィラメントとして使用する場合には単繊維繊度は使用形態に応じて選択すればよいが、通常0.1dTex以上、22dTex以下とするのが好ましい。また、マルチフィラメントの総繊度は、5dTex以上、3330dTex以下とするのが好ましい。さらに、断面形状は、丸、扁平、中空、Y型、T型、多角形など任意であるが、高強度を容易に達成しやすい観点からは、丸断面が好ましい。
【0060】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
【0061】
なお、実施例中の物性は次の方法で測定した値である。
(1)カルボキシル基末端濃度(当量/103kg):
精秤した試料をo−クレゾール(水分5%)調整液に溶解し、この溶液にジクロロメタンを適量添加の後、0.02規定のKOHメタノール溶液にて滴定することにより測定した。
(2)強度Te(cN/dtex):
(株)オリエンテック社製“テンシロン”引張試験機タイプを用い、試料長25cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。
(3)強度保持率Rt(%):
サンプル30gと水300mlを密閉可能な容器に入れた後、容器内の水温が120℃となるように加熱して2時間保持した後に冷却・水洗を行って熱水処理後の試料を作製して強度を評価し、熱水処理後試料の強度の、熱水処理前の強度に対する割合として求めた。
(4)複屈折Δn:
OLYMPUS(株)社製BH−2型偏光顕微鏡を用い、フィルターにより光源の波長を589nmとしてコンペンセーター法により測定した。
(5)沸騰水収縮率Sb(%):
測定に供する糸を常圧において沸騰水中・無加重で15分間処理する際、0.0882cN/dTexの加重下において処理前と処理後の糸長を測定し、処理前の糸長に対する処理後の糸長の収縮割合として求めた。
(6)ポリL−乳酸単独結晶およびポリD−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHl(J/g)とポリL−乳酸およびポリD−乳酸からなるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHh(J/g):
セイコー電子工業(株)社製“SSC5200/DSC120”示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃/分で測定を行って得られたDSCカーブから求めた。
(7)200℃耐熱性:
テストする繊維を用いて10cm四方の布帛を成し、200℃に温度を調整したアイロンに30秒間接触させた後の布帛の様子を観察した。
【0062】
○:単糸間の熱融着もなく処理前の布帛形状を保っていた。
【0063】
×:単糸間の熱融着や布帛の熱変形あるいは熱溶融が見られた。
【0064】
(実施例1)
L−ラクチドに対しオクチル酸錫を150ppm混合し、撹拌装置付きの反応容器中で窒素雰囲気中192℃で10分間重合し、さらに2軸混練押出し機にてチップ化後、140℃の窒素雰囲気中で固相重合して、融点176℃、重量平均分子量15.1万のポリL−乳酸ホモポリマー(PLLA)チップを得た。また、ポリD−乳酸ホモポリマーとしては重量平均分子量が30.2万のPURAC社製ポリD−乳酸(PDLA)チップを用いた。このPLLAとPDLAとをPLLA:PDLA=50:50の重量割合でチップブレンドした後、100℃で12時間減圧乾燥し、2軸混練押出し機にて溶融混練・チップ化して、PLLA(50部)とPLDA(50部)からなる混合物の予備混練チップを作製した。
【0065】
この予備混練チップを100℃で12時間減圧乾燥し、予備混練チップ:N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド=99.28:0.72(重量部)となるように加熱溶融したN,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(バイエル社製品“スタバクゾール”(登録商標)I。以下、TICという。)を計量して連続的に予備混練チップに添加しながらシリンダー温度260℃のエクストルーダー型溶融紡糸機に供することで両者を反応させ、0.6φの吐出孔を36個持つ口金から吐出させ、吐出直後に長さ100mm、温度280℃の加熱筒内の雰囲気を通過させた後、風速30m/分のチムニー風により冷却し油剤を付与した後、1000m/分の速度で引取ることにより333dTex/36filの未延伸糸を一旦巻き取った。この未延伸糸をそれぞれ80℃と120℃の2対のネルソンローラーを用いて、総延伸倍率2.8倍として1段延伸を行い延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.8(cN/dTex)、Δn:20、Sb:10.8(%)、ΔHh/ΔHl:48であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても高い強度保持率を示した。
【0067】
(実施例2)
予備混練チップ:TIC=98.91:1.09(重量部)となるように加熱溶融したTICを計量して連続的に予備混練チップに添加したこと、および巻き取った未延伸糸をそれぞれ80℃、120℃、180℃の3対のネルソンローラーを用いて、総延伸倍率3.6倍として2段延伸を行ったこと以外は実施例1と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:3.7(cN/dTex)、Δn:28、Sb:15.9(%)、ΔHh/ΔHl:62であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても非常に高い強度保持率を示した。
【0068】
(実施例3)
PLLAとPDLAとをPLLA:PDLA=60:35の重量割合でチップブレンドしたこと、および予備混練チップ:TIC=99.35:0.65(重量部)となるように加熱溶融したTICを計量して連続的に予備混練チップに添加したこと以外は実施例1と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.7(cN/dTex)、Δn:19、Sb:9.9(%)、ΔHh/ΔHl:17であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても高い強度保持率を示した。
【0069】
(実施例4)
末端封鎖剤として2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)(以下、PBOという)を使用し、予備混練チップ:PBO=99.40:0.60(重量部)となるように加熱溶融したPBOを計量して連続的に予備混練チップに添加したこと以外は実施例1と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.8(cN/dTex)、Δn:20、Sb:11.0(%)、ΔHh/ΔHl:51であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても非常に高い強度保持率を示した。
【0070】
(実施例5)
実施例1と同様にしてPLLAとPDLAとをPLLA:PDLA=50:50の重量割合でチップブレンドした後、100℃で12時間減圧乾燥し、PLLA/PDLAブレンドチップ:p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル=99.00:1.00(重量部)となるように加熱溶融したp−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル(ナガセ化成社製品“デナコールEX−146”(登録商標) 以下、BPGという)を計量して連続的にPLLA/PDLAブレンドチップに添加しながらシリンダー温度260℃のエクストルーダー型溶融紡糸機に供することで両者を反応させ、0.6φの吐出孔を36個持つ口金から吐出させ、吐出直後に長さ150mm、温度280℃の加熱筒内の雰囲気を通過させた後、風速30m/分のチムニー風により冷却し油剤を付与した後、1000m/分の速度で引取ることにより333dTex/36filの未延伸糸を一旦巻き取った。この未延伸糸をそれぞれ80℃と120℃の2対のネルソンローラーを用いて、総延伸倍率2.8倍として1段延伸を行い延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.7(cN/dTex)、Δn:20、Sb:10.3(%)、ΔHh/ΔHl:44であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても非常に高い強度保持率を示した。
【0071】
(実施例6)
末端封鎖剤としてフェニルグリシジルエーテル(ナガセ化成社製品“デナコールEX−141”(登録商標) 以下、PGEという)を使用し、PLLA/PDLAブレンドチップ:PGE=99.58:0.42(重量部)となるように加熱溶融したPGEを計量して連続的にPLLA/PDLAブレンドチップに添加したこと以外は実施例5と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.7(cN/dTex)、Δn:19、Sb:10.9(%)、ΔHh/ΔHl:41であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても高い強度保持率を示した。
【0072】
(実施例7)
末端封鎖剤としてN−グリシジルフタルイミド(ナガセ化成社製品“デナコールEX−731”(登録商標) 以下、GPIという)を使用し、PLLA/PDLAブレンドチップ:GPI=99.39:0.61(重量部)となるように加熱溶融したPGEを計量して連続的にPLLA/PDLAブレンドチップに添加したこと以外は実施例5と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.6(cN/dTex)、Δn:18、Sb:9.7(%)、ΔHh/ΔHl:39であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有しており、さらに2h熱水処理後においても高い強度保持率を示した。
【0073】
(比較例1)
予備混練チップに末端封鎖剤を添加することなく溶融紡糸に供したこと以外は実施例1と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.8(cN/dTex)、Δn:21、Sb:12.0(%)、ΔHh/ΔHl:49であった。巻き取った延伸糸は200℃耐熱性のテストの結果からわかるように良好な耐熱性を有していが、さらに2h熱水処理を行ったところ強度が急激に低下し強度保持率は非常に低い値となった。
【0074】
(比較例2)
PLLAとPDLAをブレンドすることなくPLLAチップのみ溶融紡糸に供したこと、PLLA:TIC=98.90:1.10(重量部)となるように加熱溶融したTICを計量して連続的にPLLAチップに添加したこと以外は実施例1と同様にして延伸糸を巻き取った。この延伸糸の強度Te、複屈折Δn、沸騰水収縮率Sb、ΔHh/ΔHlを評価したところ、それぞれTe:2.9(cN/dTex)、Δn:22、Sb:12.8(%)であった。巻き取った延伸糸は2h熱水処理後においても非常に高い強度保持率を示したものの、200℃耐熱性のテストの結果からわかるように耐熱性が不十分であった。
【0075】
【発明の効果】
本発明のポリ乳酸樹脂組成物および成形品では、高い耐熱性と高い耐加水分解性を兼ね備えていることで、従来以上に広い分野での利用が可能である。
Claims (8)
- ポリL−乳酸とポリD−乳酸とのブレンド物からなり、該ポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されているポリ乳酸樹脂組成物からなる繊維であって、該繊維は溶融紡糸法により得られ、DSC測定により求められるポリL−乳酸単独結晶およびポリD−乳酸単独結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHlとポリL−乳酸およびポリD−乳酸からなるステレオコンプレックス結晶の結晶融解に基づく吸熱量ΔHhの比ΔHh/ΔHlが10以上であることを特徴とする繊維。
- 付加反応型の化合物によりポリL−乳酸および/またはポリD−乳酸のカルボキシル基末端の少なくとも一部が封鎖されていることを特徴とする請求項1に記載の繊維。
- ポリL−乳酸およびポリD−乳酸のカルボキシル基末端濃度が10当量/103 kg以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維。
- カルボキシル基末端に付加する化合物が、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の繊維。
- カルボジイミド化合物が、N,N´−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドであることを特徴とする請求項4に記載の繊維。
- 繊維の強度が2.6cN/dTex以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の繊維。
- 繊維の複屈折Δnが18以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維。
- 繊維の沸騰水収縮率Sbが3%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の繊維。
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