JP5250178B2 - ステレオコンプレックスポリ乳酸、その製造方法、組成物および成形品 - Google Patents

ステレオコンプレックスポリ乳酸、その製造方法、組成物および成形品 Download PDF

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本発明はステレオコンプレックスポリ乳酸およびその製造方法に関する。また、本発明は前記ステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する組成物に関する。さらに本発明は前記ステレオコンプレックスポリ乳酸からなる成形品に関する。
ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどのプラスチック製品は、食品包装、建築材料、家電製品などの我々が生活する上で、必要不可欠なものに利用されている。しかし、これらプラスチック製品は、耐久性がある反面、自然環境下では分解されず残り、廃棄物として捨てられ、環境破壊の一因でもある。近年、地球環境保護の目的から、自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目され、世界中で研究されている。生分解性ポリマーとして、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステルやポリ乳酸が知られ、これらは溶融成形が可能であり、汎用性ポリマーとしても期待されている。
これらの中で特にポリ乳酸は、ポリ乳酸の原料である乳酸あるいはラクチドが、天然物から製造することが可能であり、さらに、単なる生分解性ポリマーとしてではなく、地球環境に配慮した石油代替ポリマーであり、汎用性ポリマーとして期待されている。
ポリ乳酸のような生分解性ポリマーは、透明性が高く、強靭であるが、水の存在下では容易に加水分解され、さらに廃棄後には環境を汚染することなく分解するので、環境負荷の少ない汎用樹脂である。
ポリ乳酸の融点はおよそ170℃であるが、汎用樹脂として用いるには、十分であるとは言い難く、さらなる耐熱性向上が叫ばれている。
一方で、L−乳酸単位のみからなるポリ−L−乳酸(PLLA)とD−乳酸単位のみからなるポリ−D−乳酸(PDLA)を溶液あるいは溶融状態で混合することにより、ポリ乳酸ステレオコンプレックスが形成されることが知られている(特許文献1および非特許文献1参照)。このステレオコンプレックスポリ乳酸はPLLAやPDLAに比べて、高融点、高結晶性を示し、興味深い現象が発見されている。
しかし、ステレオコンプレックスポリ乳酸を製造する際に、PLLAおよびPDLAの分子量が10万以上であると、ステレオコンプレックスポリ乳酸が得られにくいという欠点がある。一方、成形品としての実用的な強度を有するためには、分子量10万以上であることが必要である。また、溶液ブレンドにおいて、10万以上の高分子量のPLLAおよびPDLAからステレオコンプレックスの形成が試みられているが、溶液状態で長期間にわたって保持する必要があり、生産性に問題あった。
また、L−乳酸単位を70〜95モル%有する分子量20万程度の非結晶性ポリマーとD−乳酸単位を70〜95モル%有する分子量20万程度の非結晶性ポリマーとを溶融ブレンドしステレオコンプレックスを製造する方法も開示されている(特許文献2参照)。しかしその融点は194℃程度であり、耐熱性に改良の余地がある。
以上のように、光学純度が100%に近いポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を用いて高分子量のステレオコンプレックスポリ乳酸を製造する方法は生産性に問題がある。一方、光学純度の70〜95モル%程度の非結晶性ポリ−L−乳酸と非結晶性ポリ−D−乳酸を用いると、生産性には支障がないものの、高融点のステレオコンプレックスポリ乳酸が得られないという問題点がある。
特開昭63−241024号公報 特開2000−17163号公報 Macromolecules, 24, 5651 (1991)
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、成形加工性に優れ、高分子量で、高結晶性で、高融点のステレオコンプレックスポリ乳酸およびその製造方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、ステレオコンプレックスポリ乳酸の組成物、成形品を提供することにある。
本発明者は、主としてL(D)−乳酸単位からなる特定の結晶性ポリマーと、主としてD(L)−乳酸単位からなる特定の結晶性ポリマーとを、特定の重量比で共存させ、従来にない高温で熱処理することにより、高分子量で、高結晶性で、高融点のステレオコンプレックスポリ乳酸が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(A)L−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であるポリ乳酸単位Aおよび
(B)D―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Bからなり、(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあるか、
(C)D−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であるポリ乳酸単位Cおよび
(D)L―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Dからなり、(C)と(D)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあり、
重量平均分子量が10万〜50万であり、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、205℃以上の融解ピークの割合が80%以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸である。
また本発明は、(A)L−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であり、融点が160〜180℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーAと、
(B)D―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜170℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーBとを、(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲で共存させるか、
(C)D−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であり、融点が160〜180℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーCと、
(D)L―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜170℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーDとを、(C)と(D)との重量比が10:90〜90:10の範囲で共存させ、
245〜300℃で熱処理することを特徴とするステレオコンプレックスポリ乳酸の製造方法である。
さらに、本発明は前記ステレオコンプレックスポリ乳酸100重量部に対し、0.01〜10重量部の可塑剤を含有する組成物を包含する。また、本発明は前記ステレオコンプレックスポリ乳酸からなる成形品を包含する。
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸は、高分子量で、成形加工性に優れ、耐熱性に優れる。本発明の製造方法によれば、前記ステレオコンプレックスポリ乳酸を簡便かつ低コストで製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<ステレオコンプレックスポリ乳酸>
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸は、ポリ乳酸単位Aおよびポリ乳酸単位Bからなるか、ポリ乳酸単位Cおよびポリ乳酸単位Dからなる。ポリ乳酸単位A、ポリ乳酸単位B、ポリ乳酸単位Cおよびポリ乳酸単位Dは、下記式で表わされるL−乳酸単位ないしD−乳酸単位から主としてなる。
Figure 0005250178
(ポリ乳酸単位A)
ポリ乳酸単位Aは、主としてL−乳酸単位から構成される。D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位を含んでいてもよい。L−乳酸単位は、99モル%を超え100モル%以下である。好ましくは99.2モル%以上100モル%以下、より好ましくは99.5モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは99.8モル%以上100モル%以下である。またD−乳酸単位および/またはD−乳酸以外の共重合成分単位は、0モル%以上1モル%未満である。好ましくは0モル%以上0.8モル%以下、より好ましくは0モル%以上0.5モル%以下、さらに好ましくは0モル%以上0.2モル%以下である。
(ポリ乳酸単位B)
ポリ乳酸単位Bは、D−乳酸単位と、L−乳酸単位および/またはL−乳酸以外の共重合成分単位とから構成される。D−乳酸単位は、90モル%以上99モル%以下である。好ましくは92モル%以上99モル%以下、より好ましくは95モル%以上99モル%以下である。またL−乳酸単位および/またはL−乳酸以外の共重合成分単位は、1モル%以上10モル%以下である。好ましくは1モル%以上8モル%以下、より好ましくは1モル%以上5モル%以下である。
(ポリ乳酸単位C)
ポリ乳酸単位Cは、主としてD−乳酸単位から構成される。L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位を含んでいてもよい。D−乳酸単位は、99モル%を超え100モル%以下である。好ましくは99.2モル%以上100モル%以下、より好ましくは99.5モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは99.8モル%以上100モル%以下である。またL−乳酸単位および/またはL−乳酸以外の共重合成分単位は、0モル%以上1モル%未満である。好ましくは0モル%以上0.8モル%以下、より好ましくは0モル%以上0.5モル%以下、さらに好ましくは0モル%以上0.2モル%以下である。
(ポリ乳酸単位D)
ポリ乳酸単位Dは、L−乳酸単位と、D−乳酸単位および/またはD−乳酸以外の共重合成分単位とから構成される。L−乳酸単位は、90モル%以上99モル%以下である。好ましくは92モル%以上99モル%以下、より好ましくは95モル%以上99モル%以下である。またD−乳酸単位および/またはD−乳酸以外の共重合成分単位は、1モル%以上10モル%以下である。好ましくは1モル%以上8モル%以下、より好ましくは1モル%以上5モル%以下である。
共重合成分単位は、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位を単独、もしくは混合して用いることができる。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール等あるいはビスフェノールにエチレンオキシドが付加させたものなどの芳香族多価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシブチルカルボン酸等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ポリ乳酸単位Aとポリ乳酸単位Bとの重量比は、10:90〜90:10である。25:75〜75:25であることが好ましく、さらに好ましくは40:60〜60:40である。同様にポリ乳酸単位Cとポリ乳酸単位Dとの重量比は、10:90〜90:10である。25:75〜75:25であることが好ましく、さらに好ましくは40:60〜60:40である。
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸中の、L−乳酸単位とD−乳酸単位とのモル比は、20:80から80:20の範囲で任意に設定することが出来るが、好ましくは25:75から75:25、より好ましくは40:60から60:40である。この比率の範囲であれば、高融点のステレオコンプレックスポリ乳酸を製造できるが、この比率が50:50からずれるほどステレオコンプレックスポリ乳酸の結晶性が損なわれるので好ましくない。
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸の重量平均分子量は、10万〜50万である。より好ましくは10万〜30万である。重量平均分子量は溶離液にクロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量値である。
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸は、ガラス状態の樹脂の示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、205℃以上の融解ピークの割合が80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、もっとも好ましいのは100%である。
融点は、205〜250℃の範囲、より好ましくは205〜220℃の範囲である。融解エンタルピーは、20J/g以上、好ましくは30J/g以上である。
具体的には、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、205℃以上の融解ピークの割合が90%以上であり、融点が205〜250℃の範囲にあり、融解エンタルピーが20J/g以上であることが好ましい。
<ステレオコンプレックスポリ乳酸の製造方法>
ステレオコンプレックスポリ乳酸は、結晶性ポリマーAおよびBを所定の重量比で共存させるか、結晶性ポリマーCおよびDを所定の重量比で共存させ、245〜300℃で熱処理することにより製造することができる。
(結晶性ポリマーA)
結晶性ポリマーAは、主としてL−乳酸単位から構成される。D−乳酸単位および/またはD−乳酸以外の共重合成分単位を含んでいてもよい。L−乳酸単位は、99モル%を超え100モル%以下である。好ましくは99.2モル%以上100モル%以下、より好ましくは99.5モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは99.8モル%以上100モル%以下である。また、D−乳酸単位および/またはD−乳酸以外の共重合成分単位は、0モル%以上1モル%未満である。好ましくは0モル%以上0.8モル%以下、より好ましくは0モル%以上0.5モル%以下、さらに好ましくは0モル%以上0.2モル%以下である。
D−乳酸以外の共重合成分単位は、前述の2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位を単独、もしくは混合して用いることができる。
結晶性ポリマーAの融点は、160〜180℃、好ましくは165〜176℃のである。結晶性ポリマーAの重量平均分子量は、10万〜50万である。好ましくは10万〜30万、より好ましくは15万〜25万である。
(結晶性ポリマーB)
結晶性ポリマーBは、D―乳酸単位と、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位とから構成される。D―乳酸単位は、90モル%以上99モル%以下である。好ましくは92モル%以上99モル%以下、より好ましくは95モル%以上99モル%以下である。また、L−乳酸単位および/またはL−乳酸以外の共重合成分単位は、1モル%以上10モル%以下である。好ましくは1モル%以上8モル%以下、より好ましくは1モル%以上5モル%以下である。
L−乳酸以外の共重合成分単位は、前述の2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位を単独、もしくは混合して用いることができる。
結晶性ポリマーBの融点は、140〜170℃、好ましくは150〜160℃である。この範囲であれば、ポリマーB自身が高い結晶性を有し、さらにステレオコンプレックスポリ乳酸となった場合にも高融点の結晶を形成し、さらにその結晶化度も高くなるので好ましい。結晶性ポリマーBの重量平均分子量は、10万〜50万である。好ましくは10万〜30万、より好ましくは15万〜25万である。
(結晶性ポリマーC)
結晶性ポリマーCは、主としてD−乳酸単位から構成される。L−乳酸単位および/またはL−乳酸以外の共重合成分単位を含んでいてもよい。D−乳酸単位は、99モル%を超え100モル%以下である。好ましくは99.2モル%以上100モル%以下、より好ましくは99.5モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは99.8モル%以上100モル%以下である。また、L−乳酸単位および/またはL−乳酸以外の共重合成分単位は、0モル%以上1モル%未満である。好ましくは0モル%以上0.8モル%以下、より好ましくは0モル%以上0.5モル%以下、さらに好ましくは0モル%以上0.2モル%以下である。
L−乳酸以外の共重合成分単位は、前述の2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位を単独、もしくは混合して用いることができる。
結晶性ポリマーCの融点は、160〜180℃、好ましくは165〜176℃のである。結晶性ポリマーCの重量平均分子量は、10万〜50万である。好ましくは10万〜30万、より好ましくは15万〜25万である。
(結晶性ポリマーD)
結晶性ポリマーDは、L―乳酸単位と、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位とから構成される。L―乳酸単位は、90モル%以上99モル%以下である。好ましくは92モル%以上99モル%以下、より好ましくは95モル%以上99モル%以下である。また、D−乳酸単位および/またはD−乳酸以外の共重合成分単位は、1モル%以上10モル%以下である。好ましくは1モル%以上8モル%以下、より好ましくは1モル%以上5モル%以下である。
D−乳酸以外の共重合成分単位は、前述の2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位を単独、もしくは混合して用いることができる。
結晶性ポリマーDの融点は、140〜170℃、好ましくは150〜160℃である。この範囲であれば、ポリマーD自身が高い結晶性を有し、さらにステレオコンプレックスポリ乳酸となった場合にも高融点の結晶を形成し、さらにその結晶化度も高くなるので好ましい。結晶性ポリマーDの重量平均分子量は、10万〜50万である。好ましくは10万〜30万、より好ましくは15万〜25万である。
本発明方法においては、結晶性ポリマーAおよびBを所定の重量比で共存させるか、または結晶性ポリマーCおよびDを所定の重量比で共存させ、所定の温度で熱処理する。以下に、結晶性ポリマーAおよびBを用いた場合について説明するが、結晶性ポリマーCおよびDを用いた場合は、結晶性ポリマーAを結晶性ポリマーCに読み替え、結晶性ポリマーBを結晶性ポリマーDに読み替えるものとする。
本発明方法に用いる結晶性ポリマーAおよびBは、その末端基に各種の末端封止が施されたものを用いてもよい。このような末端封止基としては、アセチル基、エステル基、エーテル基、アミド基、ウレタン基、などを例示することが出来る。
本発明方法に用いる結晶性ポリマーAおよびBは、樹脂の熱安定性を損ねない範囲で重合に関わる触媒を含有していてもよい。このような触媒としては、各種のスズ化合物、チタン化合物、カルシウム化合物、有機酸類、無機酸類などを上げることが出来、さらに同時にこれらを不活性化する安定剤を共存させていてもよい。
結晶性ポリマーAおよびBは、既知の任意のポリ乳酸の重合方法により製造方法することができ、例えばラクチドの開環重合、乳酸の脱水縮合、およびこれらと固相重合を組み合わせた方法などにより製造することができる。
本発明方法における結晶性ポリマーAとBとの共存比は、重量比で、10:90〜90:10であるが、好ましくは25:75〜75:25でり、さらに好ましくは40:60〜60:40である。一方の重量比が10未満、90を超えると、ホモ結晶化が優先してしまい、ステレオコンプレックスを形成し難くなるので好ましくない。
本発明方法において結晶性ポリマーAと結晶性ポリマーBとを共存させる方法は、それらが熱処理したときに均一に混合される方法であればいかなる方法をとることも出来る。そのような方法としては、結晶性ポリマーAとBとを溶媒の存在下で混合した後、再沈殿して混合物を得る方法や、加熱により溶媒を除去して混合物を得る方法が例示できる。この場合には、ポリマーAおよびBを別々に溶媒に溶解した溶液を調製し両者を混合するか、ポリマーAおよびBを一緒に溶媒に溶解させ混合することにより行うことが好ましい。
溶媒は、結晶性ポリマーAおよびBが溶解するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、フェノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ブチロラクトン、トリオキサン、ヘキサフルオロイソプロパノール等の単独あるいは2種以上混合したものが好ましい。
加熱により溶媒を除去する方法は、溶媒の蒸発の後、無溶媒の状態で加熱することができるので後述の熱処理が同時に行うことが出来、好ましい。溶媒の蒸発後(熱処理)の昇温速度は、長時間、熱処理をすると分解する可能性があるので短時間で行うのが好ましいが特に限定されるものではない。
また別の混合方法としては、結晶性ポリマーAおよびBを溶媒の非存在下で混合することにより行うことができる。即ち、結晶性ポリマーAおよびBの所定量を溶融し混練によって混合する方法が挙げられる。また、結晶性ポリマーA、Bのいずれか一方を溶融させた後に残る一方を加えて混練し、混合する方法が挙げられる。
さらに、所定のサイズの結晶性ポリマーAおよびBの粉体あるいはチップを均一に混合した後に溶融する方法が挙げられる。粉体あるいはチップの大きさは、結晶性ポリマーAおよびBの粉体あるいはチップが均一に混合されれば特に限定されるものではないが、3mm以下が好ましく、さらには1から0.25mmのサイズであることが好ましい。
溶融混合する場合、粉体あるいはチップの大きさに関係なく、ステレオコンプレックス結晶を形成するが、粉体あるいはチップを均一に混合した後に単に溶融する場合、粉体あるいはチップの直径が3mm以上の大きさになると、ホモ結晶も晶析するので好ましくない。
本発明方法において、結晶性ポリマーAおよびBを混合するために用いる混合装置としては、溶融によって混合する場合にはバッチ式の攪拌翼がついた反応器、連続式の反応器のほか、二軸あるいは一軸のエクストルーダー、粉体で混合する場合にはタンブラー式の粉体混合器、連続式の粉体混合器、各種のミリング装置などを好適に用いることができる。
本発明方法は、結晶性ポリマーAおよびBを上記重量比で混合し、245〜300℃で熱処理することを特徴とする。
本発明の製造法における熱処理とは、結晶性ポリマーAおよびBを上記重量比で共存させ245℃〜300℃の温度領域で維持することをいう。熱処理の温度は好ましくは250〜280℃である。300℃を超えると、分解反応を抑制するのが難しくなるので好ましくない。熱処理の時間は結晶性ポリマーAおよびBが均一に混合されれば特に限定されるものではないが、0.2〜60分、好ましくは1〜20分である。熱処理時の雰囲気は、常圧の不活性雰囲気下、または減圧のいずれも適用可能である。
本発明方法において、熱処理に用いる装置、方法としては、雰囲気調整を行いながら加熱できる装置、方法であれば用いることができるが、たとえば、バッチ式の反応器、連続式の反応器、二軸あるいは一軸のエクストルーダーなど、またはプレス機、流管式の押し出し機を用いて、成型しながら処理する方法をとることが出来る。
<組成物>
本発明の組成物は、上記ステレオコンプレックスポリ乳酸100重量部に対して可塑剤を0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜10重量部含有する。可塑剤としては特に限定されるものではないが、ラクチドや脂肪族エステル等が挙げられる。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、通常の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、各種フィラー、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌・抗カビ剤、核形成剤、染料、顔料を含む着色剤などの1種あるいは2種以上を含有することができる。
<成形品>
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸を用いて、射出成形品、押出成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、フィルム、シート不織布、繊維、布、他の材料との複合体、農業用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品またはその他の成形品を得ることができる。成形は常法により行うことができる。
例えば、結晶性ポリマーAと結晶性ポリマーBとを、重量比A:B=10:90〜90:10で溶媒中に含有する溶液を流延した後、溶媒を蒸発させフィルム状にして、245〜300℃で熱処理することによりフィルムを製造することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何等限定を受けるものではない。また実施例中における各値は下記の方法で求めた。
(1)還元粘度:
ポリマー0.12gを10mLのテトラクロロエタン/フェノール(容量比1/1)に溶解し、35℃における還元粘度(mL/g)を測定した。
(2)重量平均分子量(Mw):
ポリマーの重量平均分子量はGPC(カラム温度40℃、クロロホルム)により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
(3)結晶化点、融点、融解エンタルピーおよび205℃以上の融解ピークの割合:
DSCを用いて、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で測定し、結晶化点(Tc)、融点(Tm)および融解エンタルピー(ΔHm)を求めた。
205℃以上の融解ピークの割合(%)は、205℃以上(高温)の融解ピーク面積と140〜180℃(低温)融解ピーク面積から以下の式により算出した。
205以上(%)=A205以上/(A205以上+A140〜180)×100
205以上:205℃以上の融解ピークの割合
205以上:205℃以上の融解ピーク面積
140〜180:140〜180℃の融解ピーク面積
(製造例1:ポリマーBの製造)
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)1.25gとD−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)48.75gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、触媒としてオクチル酸スズ25mgを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーBを製造した。ポリマーBの還元粘度は2.26(mL/g)、重量平均分子量19万であった。融点(Tm)は156℃であった。結晶化点(Tc)は117℃であった。
(製造例2:ポリマーBの製造)
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)1.25gとD−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)48.75gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.05g、触媒としてオクチル酸スズ25mgを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを得た。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーB2を得た。得られたポリマーB2の還元粘度は2.71(mL/g)、重量平均分子量20万であった。融点(Tm)は159℃であった。結晶化点(Tc)は132℃であった。
(製造例3:ポリマーAの製造)
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)50gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.1g、触媒としてオクチル酸スズ25mgを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーAを製造した。得られたポリマーAの還元粘度は2.92(mL/g)、重量平均分子量19万であった。融点(Tm)は168℃であった。結晶化点(Tc)は122℃であった。
(製造例4:ポリマーAの製造)
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)50gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.1g、触媒としてオクチル酸スズ25mgを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを製造した。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーA2を得た。得られたポリマーA2の還元粘度は2.65(mL/g)、重量平均分子量20万であった。融点(Tm)は176℃であった。結晶化点(Tc)は139℃であった。
(製造例5:ポリマーDの製造)
L−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製)48.75gとD−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所製)1.25gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.1g、触媒としてオクチル酸スズ25mgを加え、190℃、2時間、重合を行いポリマーDを製造した。得られたポリマーDの還元粘度は2.48(mL/g)、重量平均分子量17万であった。融点(Tm)は158℃であった。結晶化点(Tc)は117℃であった。
(製造例6:ポリマーCの製造)
D−ラクチド(株式会社武蔵野化学研究所)50gをフラスコに加え、系内を窒素置換した後、ステアリルアルコール0.1g、触媒としてオクチル酸スズ25mgを加え、190℃、2時間、重合を行い、ポリマーを製造した。このポリマーを7%5N塩酸のアセトン溶液で洗浄し、触媒を除去し、ポリマーCを得た。得られたポリマーCの還元粘度は2.80mL/g、重量平均分子量22万であった。融点(Tm)は168℃であった。結晶化点(Tc)は122℃であった。
<実施例1>
ポリマーBの5%クロロホルム溶液およびポリマーAの5%クロロホルム溶液を等量混合し、キャスト製膜を行った後、窒素雰囲気下で加熱し、クロロホルムを蒸発させ、その後20℃/分で280℃まで昇温し、280℃で3分間維持した後、液体窒素でクエンチしてフィルムを得た。
得られたフィルムの重量平均分子量は19万であった。このフィルムについてDSC測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点211℃の融解ピークが観測され、その融解エンタルピーは51J/gであった。140〜180℃の融解ピークは観測されず、205℃以上の融解ピークの割合(R205以上)は100%であった。結晶化点は99℃であった。このDSCチャートを図1に示す。
<実施例2>
ポリマーBおよびポリマーAを等量、フラスコに加え、窒素置換後、260℃まで昇温し、260℃で3分間、溶融ブレンドを行った。
得られた樹脂の重量平均分子量は16万で、還元粘度は2.65mL/gであった。
この樹脂についてDSCを測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点209℃の融解ピークが観測され、その融解エンタルピーは32J/gであった。140〜180℃の融解ピークはわずかに観測されたが、205℃以上の融解ピークの割合(R205以上)は93%であった。結晶化点は116℃であった。
<実施例3>
280℃で熱処理すること以外は、実施例2と同じ操作を行った。
得られた樹脂の重量平均分子量は16万で、還元粘度は2.42mL/gであった。
この樹脂についてDSCを測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点209℃の融解ピークが観測され、その融解エンタルピーは38J/gであった。140〜180℃の融解ピークは観測されず、205℃以上の融解ピークの割合(R205以上)は100%であった。結晶化点は107℃であった。
<実施例4>
ポリマーCおよびポリマーDを等量、フラスコに加え、窒素置換後、260℃まで昇温し、260℃で3分間、溶融ブレンドを行った。
得られた樹脂の重量平均分子量は15万で、還元粘度は2.35mL/gであった。
この樹脂についてDSCを測定を行った。その結果、DSCチャートには、融点211℃の融解ピークが観測され、その融解エンタルピーは31J/gであった。140〜180℃の融解ピークはほとんど観測されず、205℃以上の融解ピークの割合(R205以上)は97%であった。結晶化点は114℃であった。
<比較例1>
キャスト製膜を行った後、240℃で熱処理すること以外は、実施例1と同じ操作を行った。
得られたフィルムの重量平均分子量は19万であった。DSCチャートには、ホモ結晶に由来するピークとステレオコンプレックス結晶に由来するピークが観測された。R205以上は、39%であった。
<比較例2>
以下に示すポリ−L−乳酸(PLLA)とポリ−D−乳酸(PDLA)を用いた以外は実施例1と同じ操作を行いフィルムを得た。得られたフィルムについてDSC測定を行った。その結果、融点173℃の融解ピークおよび融点220℃の融解ピークが観測された。R205以上は、40%であった。
PLLA:L−乳酸単位99.5モル%、D−乳酸単位0.5モル%、還元粘度2.70mL/g、重量平均分子量25万、融点(Tm)166℃、結晶化点(Tc)125℃。
PDLA:D−乳酸単位99.3モル%、L−乳酸単位0.7モル%、粘度2.80mL/g、重量平均分子量26万、融点(Tm)168℃、結晶化点(Tc)122℃。
Figure 0005250178
Figure 0005250178
本発明のステレオコンプレックスポリ乳酸は、耐熱性が要求される分野への利用が期待される。
実施例1で得られたステレオコンプレックスポリ乳酸のDSCチャート図である。

Claims (8)

  1. (A)L−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であるポリ乳酸単位Aおよび
    (B)D―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Bからなり、(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあるか、
    (C)D−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であるポリ乳酸単位Cおよび
    (D)L―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であるポリ乳酸単位Dからなり、(C)と(D)との重量比が10:90〜90:10の範囲にあり、
    重量平均分子量が10万〜50万であり、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、205℃以上の融解ピークの割合が80%以上であるステレオコンプレックスポリ乳酸。
  2. 示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、205℃以上の融解ピークの割合が90%以上であり、融点が205〜250℃の範囲にあり、その融解エンタルピーが20J/g以上である請求項1記載のステレオコンプレックスポリ乳酸。
  3. (A)L−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であり、融点が160〜180℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーAと、
    (B)D―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜170℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーBとを、(A)と(B)との重量比が10:90〜90:10の範囲で共存させるか、
    (C)D−乳酸単位が99モル%を超え100モル%以下であり、L−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が0モル%以上1モル%未満であり、融点が160〜180℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーCと、
    (D)L―乳酸単位が90モル%以上99モル%以下であり、D−乳酸単位および/または乳酸以外の共重合成分単位が1モル%以上10モル%以下であり、融点が140〜170℃であり、重量平均分子量が10万〜50万の結晶性ポリマーDとを、(C)と(D)との重量比が10:90〜90:10の範囲で共存させ、
    245〜300℃で熱処理することを特徴とするステレオコンプレックスポリ乳酸の製造方法。
  4. ステレオコンプレックスポリ乳酸が、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、205℃以上の融解ピークの割合が90%以上であり、融点が205〜250℃の範囲にあり、その融解エンタルピーが20J/g以上である請求項3記載の製造方法。
  5. (i)結晶性ポリマーAおよび結晶性ポリマーB、または(ii)結晶性ポリマーCおよび結晶性ポリマーDを、溶媒の存在下で混合するか溶媒の非存在下で溶融混合し、熱処理することを特徴とする請求項3記載の製造方法。
  6. 請求項1記載のステレオコンプレックスポリ乳酸100重量部に対し、0.01〜10重量部の可塑剤を含有する組成物。
  7. 可塑剤がラクチドである請求項6記載の組成物。
  8. 請求項1記載のステレオコンプレックスポリ乳酸からなる成形品。
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