JP2008069271A - ポリラクチドの製造方法 - Google Patents

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清綱 豊原
Ryuji Nonokawa
竜司 野々川
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啓高 鈴木
Shin To
振 唐
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Abstract

【課題】本発明の目的は、色相、熱安定性、分子量変動の少ないポリラクチドの製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、(i)ラクチドを金属触媒および開始剤の存在下で開環重合し重量平均分子量5万〜12万プレポリマーを製造する第1重合工程、並びに
(ii)プレポリマーをさらに重合し重量平均分子量12万〜50万のポリラクチドを製造する第2重合工程を含むポリラクチドの製造方法であって、
第1重合工程におけるラクチド反応率が90%以上であり、第2重合工程において、プレポリマーにラクチドおよび金属触媒を添加して、ラクチド反応率が90%以上になるまで重合することを特徴とするポリラクチドの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明はポリラクチドの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、色調、熱安定性に優れ、Mw変動の少ないポリラクチドの製造方法に関する。
近年、地球環境保護の目的から、自然環境下で分解される生分解性ポリマーが注目され、世界中で研究されている。生分解性ポリマーとして、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、脂肪族ポリエステル、ポリラクチド等が知られている。
ポリラクチドは、生体由来の原料から得られるラクチドを原料とするため生体安全性が高く、環境にやさしい高分子材料としてのみならず、汎用ポリマーとしての利用も検討され、一軸、二軸延伸フィルム、繊維、射出成形品などとして、手術用縫合糸、徐放性カプセル、骨折時の補強材料などの医療用途をはじめとし種々の用途が検討されている。
しかし、ポリラクチドは透明性が高く、強靭であるが、融点は170℃であるため、汎用ポリマーとして利用するには耐熱性が充分にあるとはいいがたい。
一方、ポリ−D−ラクチドおよびポリ−L−ラクチドを溶液あるいは溶融状態で混合することにより得られるポリラクチドステレオコンプレックスは、生分解性、生体適合性を有するとともに、ポリラクチドより高い耐熱性、安定性を有する材料として、より厳しい環境での使用が可能な材料として期待されている。
ポリラクチドステレオコンプレックスの製造に用いるポリラクチドは、構造上脂肪族ポリエステルであるため、実用的、機械的、熱的物性を発揮させるためには、重量平均分子量(Mw)が10万以上である必要がある。加えて、安定性低下の原因となるラクチド含有量が少ないことが必要である。
従来、高分子量ポリラクチドの製造に関しては、乳酸の直接溶融重合法、固相重合法、ラクチドの溶融開環重合法などがよく知られている。なかでもラクチドの溶融開環重合法は製造プロセスが単純で、生産効率が高く製造コストを低く抑えられる可能性が大きく、得られるポリラクチドの色調が良好で、不純物含有量が比較的少なく、優れた安定性を有するポリラクチドを製造する有望な方法と考えられている。
しかしMwが15万を超える高分子量ポリラクチドは溶融開環重合の際、溶融粘度が極めて高くなるため、混合撹拌が十分に行われにくくなり、好ましくない分子量のポリラクチドが混入する場合が発生したり、重合装置内で撹拌熱の発生が大となりポリラクチドの局所的熱分解が起こり、色相が悪くなったりするなどの問題が発生している。
さらに残存ラクチドは水分存在下で容易に乳酸になり、ポリラクチドの安定性を低下させる原因の一つとなるため、残存ラクチドは十分低レベルにまで除去する必要がある。高分子量ポリラクチド中のラクチド低減には溶媒洗浄が通常使用されるが、溶媒などの余分な材料を使用する必要があり、加えて溶媒によるポリラクチドが汚染されることがある。その結果、ポリラクチドの安定性が低下することがある。また乾燥などの余計なプロセスが必要となり製造効率が低下する場合がある。
また溶媒洗浄のほか、ラクチド含有ポリラクチドの真空ベント処理なども検討されているが、従来の方法で製造されるポリラクチドは高濃度のラクチドを含有するため、脱気プロセス中でラクチドが分解し、色相が悪化したり、高純度ポリラクチドの製造効率を低下させ製造コストを高めたりする原因ともなっている。また多量に存在するラクチドを十分減少させがたく、残存ラクチドが品質低下の原因の一つとなりやすく、このためポリラクチドの用途拡大の障害になる可能性も大きい。
高分子量ラクチドの溶融開環重合に関しては、上記問題を解決するため、各種混合撹拌翼の縦型重合槽、あるいは溶融粘度の上昇に対応し縦型重合槽と横型重合槽を組み合わせる方法(特許文献1参照)などが提案されている。
特許文献1には、スズ含有触媒をラクチドに対し50ppm以下、好ましくは30ppm以下の添加量で使用し、重合反応を遅延させ、ポリラクチドの溶融粘度をゆっくりと上昇させ、粘度の上昇に対応し、縦型重合槽と横型重合槽を組み合わせて使用することによりポリマーの洗浄操作をしなくても、触媒含有量50ppm以下で、Mwが11万5000〜26万3000の高分子量ポリラクチドが得られることが記載されている。
特許文献1では、第1重合工程では、大型パドル翼を有する縦型重合装置を使用し6時間以上反応させ、モノマー転化率を20〜50%にすることが記載されている。また第2重合工程では、ダブルヘリカル翼を有する縦型重合装置を使用し2時間以上反応させ、モノマー転嫁率を40〜80%にすることが記載されている。また第3重合工程では、横型または管式重合装置を使用して1〜5時間反応させ、モノマー転化率を60〜95%とすることが記載されている。
しかし、モノマー転化率が40〜80%と低く反応が比較的早く進行するする段階でプロセス制御することは、各重合段階でのモノマー転化率が変動しやすく、最終ポリマーの重合度、Mw変動が商品として許容される範囲を超えてしまう危険性が大きい。
かかるMw変動の大きいポリラクチドから各種成形品を製造するときは、重合度の変動にあわせて成形条件を変化、対応させる必要あるが、このような対応は工業的に困難であり商品として完成したものを得られるとは言いがたい。
また成形加工時のポリラクチドの分解は、触媒量を少量に抑えたことにより、ある程度抑制されたとはいえ、ポリラクチドの製造時、長時間にわたり加熱撹拌を継続することためポリラクチドの熱分解よる着色は大きくなる。
さらに、最終重合装置を出た段階でのラクチド反応率は85%以上であるが、好適条件が開示されている実施例においてすら、ラクチド転化率は高々90%であり、かかる多量のラクチドの存在は、二軸混練押出機により脱気処理する場合にはラクチドの分解などの好ましくない副反応もおこり、ポリマーの色相をさらに低下させる因子として懸念される。
また、脱気処理後、得られるポリマー中の残存ラクチド量はもっとも優れた実施例の場合において、0.1wt%程度であるが、この程度の純度では、成形加工時の色調劣化、重合度劣化が大きく製品としてはいまだ完成したものとはいい難い。
また、ポリラクチド自体の色相が悪いため、品質の良好なポリラクチドステレオコンプレックスの製造のためには、更に一層の改良が必要と判断される。
特許第3352890号公報
本発明の目的は、色調、熱安定性が良好で、分子量変動の少ないポリラクチドを効率良く製造する方法を提供することにある。本発明の目的は、該方法により製造された、色調、熱安定性に優れ、分子量変動の少ないポリラクチドを提供することにある。本発明の他の目的は、ポリラクチドステレオコンプレックスの製造に好適なポリラクチドを提供することにある。
本発明者は、ラクチドを開環重合しポリラクチドを製造する方法において、ラクチド反応率を所定の範囲とし所定の分子量のプレポリマーを製造した後、プレポリマーにラクチドおよび金属触媒を追加添加し、所定のラクチド反応率となるまで重合することにより、色調、熱安定性に優れ分子量変動の少ないポリラクチドが得られることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、(i)ラクチドを金属触媒および開始剤の存在下で開環重合し重量平均分子量5万〜12万プレポリマーを製造する第1重合工程、並びに
(ii)プレポリマーをさらに重合し重量平均分子量12万〜50万のポリラクチドを製造する第2重合工程を含むポリラクチドの製造方法であって、
第1重合工程におけるラクチド反応率が90%以上であり、第2重合工程において、プレポリマーにラクチドおよび金属触媒を添加して、ラクチド反応率が90%以上になるまで重合することを特徴とするポリラクチドの製造方法である。
本発明によれば、色調、熱安定性が良好で、分子量変動の少ないポリラクチドを効率良く製造することができる。本発明によれば、ラクチド含有量が少なく耐湿熱性に優れたポリラクチドが得られる。
[第1重合工程]
第1重合工程は、ラクチドを金属触媒の存在下で開環重合し重量平均分子量5万〜12万プレポリマーを製造する工程である。
〔ラクチド〕
本発明で使用するラクチドは、L−ラクチド、D−ラクチド、およびD/L−ラクチド(L−およびD−ラクチドの混合物あるいはL−、D−ラクチドおよびメソラクチドの混合物)の群より選択される少なくとも一種である。L−ラクチドまたはD−ラクチドは、好ましくは光学純度90〜100%、より好ましくは光学純度95〜100%のものである。
即ちL−ラクチドは、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上のL−乳酸を含有する。他の成分としては、D−乳酸、乳酸以外の成分が挙げられる。D−乳酸、乳酸以外の成分は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは2モル%以下である。
またD−ラクチドは、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは98モル%以上のD−乳酸を含有する。他の成分としては、L−乳酸、乳酸以外の成分が挙げられる。L−乳酸、乳酸以外の成分は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは2モル%以下である。
乳酸以外の成分として、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位が例示される。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール等あるいはビスフェノールにエチレンオキシドが付加させたものなどの芳香族多価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
L/D比が0/100〜100/0のラクチドが好適に使用できる。また、L/Dが100/0〜90/10のラクチドまたはD/Lが100/0〜90/10のラクチドも好適に使用できる。
〔金属触媒〕
金属触媒として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移金属類、アルミニウム、ゲルマニウム、スズ、アンチモンなどの脂肪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラート等が挙げられる。金属触媒は、錫、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、チタン、ゲルマニウム、マンガン、マグネシウム、稀土類元素の脂肪酸塩、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、アルコラートが好ましい。金属触媒は特に、スズ、アルミニウムおよびチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む化合物が好ましい。
より具体的には、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第二スズ、ミリスチン酸スズ、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、テトラフェニルスズ、スズメトキシド、スズエトキシド、スズブトキシド、酸化アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−イミン錯体、四塩化チタン、チタン酸エチル、チタン酸ブチル、チタン酸グリコール、チタンテトラブトキシド、塩化亜鉛、酸化亜鉛、ジエチル亜鉛、三酸化アンチモン、三臭化アンチモン、酢酸アンチモン、酸化カルシウム、酸化ゲルマニウム、酸化マンガン、炭酸マンガン、酢酸マンガン、酸化マグネシウム、イットリウムアルコキシドなどの化合物が例示される。
このうち、触媒活性、副反応の少なさを考えると、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第二スズ、ミリスチン酸スズ、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、テトラフェニルスズなどのスズ含有化合物およびアルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムブトシキド、アルミニウム−イミン錯体などのアルミニウム含有化合物が好ましい。
さらに好ましくものとしては、ジエトキシスズ、ジノニルオキシスズ、ミリスチン酸スズ、オクチル酸スズ、ステアリン酸スズ、塩化スズ、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムイソプロポキシドなどが例示される。
金属触媒の使用量は金属触媒中の金属元素に換算して、ラクチド1kg当たり0.42×10−4〜100×10−4モルであり、反応性、得られるポリラクチドの色調、安定性を考慮すると1.68×10−4〜42.1×10−4モル、特に好ましくは2.53×10−4〜16.8×10−4モルである。
〔開始剤〕
開始剤は、下記式(1)、式(2)および式(3)で表されるアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。
−OH (1)
式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。脂肪族炭化水素基として、炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。式(1)で表される一価アルコールとして、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、n−デシルアルコール、n−ドデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ラウリルアルコール、エチルラクテート、ヘキシルラクテートなどが例示される。
−(OH) (2)
式中、Rは、炭素数2〜20のn価の炭化水素基を、nは2〜5の整数を表す。
炭化水素基として、炭素数2〜20のアルカン−ジイル基、アルカン−トリイル基、アルカン−テトライル基などが挙げられる。式(2)で表される多価アルコールとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが例示される。
HO−(R−O)−H (3)
式中Rは、炭素数2〜5のアルキレン基、mは2〜100の整数を表す。式(3)で表されるポリアルキレングリコールとして、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、その他フェノール類のエチレンオキシド付加体、ビスフェノールのエチレングリコール付加体などが例示される。
反応性、ポリラクチド物性の点から、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが好ましいものとして例示される。
第1重合工程におけるかかる開始剤の使用量は第一義的に、プレポリマーのMw、およびラクチド類の反応率を勘案して決められる。
開始剤の使用量は、ラクチド1kg当たり、好ましくは0.008〜0.04モル、より好ましくは0.01〜0.03モル、さらに好ましくは0.015〜0.025モルである。
よって、第1重合工程において、ラクチド1kg当たり、開始剤を0.008〜0.04モル、金属触媒を金属触媒中の金属元素に換算して0.42×10−4〜100×10−4モル使用することが好ましい。
〔開環重合〕
開環重合は、原料ラクチドの揮散を防ぐため不活性ガス雰囲気下、内圧は、好ましくは17.33〜506.6kPa、より好ましくは111.5〜202.7kPaで行うことが好ましい。重合温度は、好ましくは180〜230℃、より好ましくは185〜220℃である。複数の重合槽を使用する場合、下流側の重合槽の内温は上流側で使用される重合槽の内温より低くない方が好ましい。
ラクチド、金属触媒、開始剤は、十分乾燥低減したものが好ましく使用される。これらの水分率は100ppm以下、好ましくは50ppm、さらに好ましくは10ppm以下に乾燥したものが使用される
第1段重合工程では、滞留時間が好ましくは0.1〜10時間、より好ましくは0.3〜8時間、さらに好ましくは0.5〜4時間で、ラクチド反応率を90%以上にすることができる。
従って、第1重合工程は、温度180〜230℃、圧力17.33〜506.6kPa、滞留時間0.1〜10時間で重合を行うことが好ましい。
〔ラクチド反応率〕
開環重合は、ラクチド反応率が90%以上、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上になるまで行う。ラクチド反応率は、反応時間と触媒量により制御することができる。触媒量が少なく、反応時間が短いと残存ラクチドが多くなる。ラクチド反応率を90%以上にすることで、プレポリマーのMw制御が容易になり、Mw変動の少ないプレポリマーを得られる。ラクチド反応率は、残存ラクチドをGPCにより算出し、残存ラクチドと仕込みラクチド量の比から求める。
〔装置〕
第1重合工程は、少なくとも1基の縦型重合槽を含むことが好ましい。第1重合工程は、縦型重合槽の上流側に仕込み溶融槽を設けることが好ましい。
(仕込み溶融槽)
連続重合プロセスを採用するときは、重合装置に先行する仕込み溶融槽を使用するのが好ましい。仕込み溶融槽としては効率よく撹拌できるフルゾーン翼撹拌槽を使用するのが好ましい。
仕込み溶融槽は内温130〜170℃、不活性雰囲気下、微減圧から微加圧で使用される。より好ましくは内温135〜170℃、内圧13.3〜506.6kPaで使用される。しかし反応系内に外気、水分などを取り込まないよう101.3〜304kPaで使用するのがさらに好ましい。特に内圧が111.5〜202.7kPaの範囲は扱いも簡単で、水分、外気の防護効果も十分大きく好ましい範囲である。回分プロセスを採用する場合、各重合槽での生成物を所望により、固化、取り出しすることもできる。
(縦型重合槽)
第1重合工程で使用される縦型重合槽は、碇翼重合槽、傾斜翼重合槽、スパイラル掻きあげ翼重合槽、フルゾーン翼重合槽、マックスブレンド翼重合槽、ログボーン翼重合槽などの従来公知の撹拌翼を具備した低粘度から中粘度用溶融重合装置が好適に使用できる。
中でも、ラクチド、開始剤、触媒、プレポリマーを効率よく混合し、開環重合熱を効率よく除去できるフルゾーン翼おおよび比較的溶融粘度の高いプレポリマーの重合に適した碇翼を具備する縦型重合槽を直列で使用するのが好ましい。
重合装置は連続プロセスを採用することもできるし、回分式プロセスを採用することもできるが、装置効率を勘案し適宜反応プロセスを選択するのが好ましい。
〔ラクチド含有量の調整〕
第1重合工程で得られたプレポリマーは、4〜6重量%のラクチドを含有する。このプレポリマーを減圧下、加熱し、プレポリマー中のラクチドを低減させることが好ましい。
加熱は、プレポリマーを溶融状態に保持できる程度でよい。圧力は、好ましくは6.66〜26.6kPaである。保持時間は、好ましくは0.1〜1時間、より好ましくは0.1〜0.5時間、さらに好ましくは0.1〜0.3時間である。
第2重合工程へ供給するプレポリマーのラクチド含有量は、好ましくは1〜5重量%である。ラクチド含有量を調整しておくことにより、第2重合工程で重合時の熱分解を抑え、色調、熱安定性、耐熱性良好で、Mw変動を抑えたポリラクチドを製造することができる。
〔プレポリマー〕
第1重合工程で得られるプレポリマーの重量平均分子量(Mw)は、第1重合工程での生産効率および第2重合工程での生産効率およびポリラクチドの品質、特にMwの点より選択される。ポリラクチドのMwが12〜40万の場合、プレポリマーのMwは、好ましくは5万〜12万、より好ましくは5万〜7万である。ポリラクチドのMwが50万〜100万の場合、プレポリマーのMwは、好ましくは6万〜14万である。
プレポリマーのMw/Mnは、1に近いほど分子量の広がりが少なく、得られるポリラクチドの機械的物性も良好になる。プレポリマーのMw/Mnは、好ましくは1〜2.5の範囲である。Mw/Mnを1〜2.5の範囲にコントロールするには、活性に優れた触媒を所定量使用することが好ましい。即ち、スズ系金属触媒を使用し、ラクチド1kg当たり、好ましくは0.42×10−4〜100×10−4モル、より好ましくは1.68×10−4〜42.1×10−4モル、さらに好ましくは2.53×10−4〜16.8×10−4モル使用すると良い。
プレポリマーの酸価は、好ましくは3〜30(当量/トン)である。この範囲にあることが、プレポリマーの安定性、反応性および製造費用の点から好ましい。
即ちプレポリマーの酸価は、原料ラクチドに由来するものおよびプレポリマー製造時に由来するものが主なものと推定されるが、重合雰囲気その他の条件を設定し、酸価3(当量/トン)より小さくしても、必要とされる労力の大きさに比較して、得られる効果はあまり大きくならない。また、酸価が30(当量/トン)を越えると、プレポリマーの安定性および反応性が低化し好ましくない。より好ましい酸価は、効果対費用およびプレポリマーの安定性および反応性を考えると5〜10(当量/トン)である。プレポリマーの酸価は原料ラクチドに由来するものがあるので、原料ラクチドの酸価は低く抑えたほうが好ましい。ラクチドの酸価は、好ましくは5〜20(当量/トン)、より好ましくは5〜9(当量/トン)、さらに好ましくは3〜8(当量/トン)である。プレポリマー製造時に生成する酸価は重合槽に持ち込まれる水分にも依存するので、重合槽、および原材料は十分水分を除去した状態で使用することが好ましい。
[第2重合工程]
第2重合工程は、プレポリマーをさらに重合し重量平均分子量12万〜50万のポリラクチドを製造する工程である。第2重合工程は、第1重合工程で得られたプレポリマーにラクチドおよび金属触媒を添加して重合を継続することを特徴とする。
追加添加するラクチドおよび金属触媒は、第1重合工程と同じものであることが好ましいが、必ずしも同一である必要はない。同様にラクチドに対する金属触媒の使用量も第1重合工程と同じであることが好ましい。
ラクチドは、プレポリマー1kg当り、好ましくは0.5〜3kg、より好ましくは1.0〜2.5kg追加添加する。金属触媒は、ラクチド1kg当り金属換算で好ましくは0.42×10−4〜100×10−4モル、好ましくは0.42×10−4〜100×10−4モル、より好ましくは1.68×10−4〜42.1×10−4モル、さらに好ましくは2.53×10−4〜16.8×10−4モル追加添加することが良い。
金属触媒を第2重合工程で新たに追加添加することにより、第1重合工程ですべての触媒を投入する場合と比較して、着色、熱分解などの副反応を低い程度に抑えることができる。触媒は、第1重合工程から第2重合工程と長時間使用することにより、重合活性に比較し、着色、熱分解などの活性が相対的に高まるものと推定される。そのため、触媒を途中で追加添加することによりこの不利益を回避できるものと推定される。
〔重合条件〕
第2重合工程は、内圧13.3〜506.6kPaで行うことが好ましい。しかし反応系内に外気、水分などを取り込まないよう101.3〜304kPaで使用するのがさらに好ましい。特に内圧が111.5〜202.7kPaの範囲は扱いも簡単で、水分、外気の防護効果も十分大きく好ましい範囲である。
重合温度は、好ましくは190〜から230℃である。重合温度が高ければ重合速度が大きくなり、好ましいが副反応の反応速度もまた大きくなる。よって重合温度は、好ましくは190〜230℃、より好ましくは190〜215℃である。滞留時間は、好ましくは0.2〜5時間、より好ましくは0.5〜4時間、さらに好ましくは1〜3時間である。
よって重合は、温度190〜230℃、圧力13.33〜506.6kPa、滞留時間0.2〜5時間で行うことが好ましい。第2重合工程ではこのような条件で、ラクチドの反応率を90%以上にすることができる。その結果、Mwが12万〜50万、より好ましくは15万〜30万のポリラクチドを製造することができる。
〔ラクチド反応率〕
重合は、ラクチド反応率が、90%以上、好ましくは92%以上、よい好ましくは95%以上になるまで行う。ラクチド反応率は触媒量と反応時間により制御することができる。ラクチド反応率を90%以上にすることで、Mw変動の少ないポリラクチドが得られる。
ラクチド反応率は、ポリマー中の残存ラクチドをGPCより求め、仕込みラクチド量と残存ラクチド量の比から求める。
〔装置〕
第2重合工程は、少なくとも1基の横型重合槽を含むことが好ましい。横型重合槽として、従来よく知られている比較的高い溶融粘度の樹脂の製造に好適な重合装置が好ましく使用できる。例えば、一軸、2軸の押し出し機、ニーダー、無軸籠型撹拌槽、住友重機械工業株式会社製バイボラック、三菱重工業株式会社製N−SCR、日立製作所製めがね翼、格子翼あるいはケニックス式、あるいはズルツァー式SMLXタイプスタチックミキサー具備管型重合槽などを使用できる。ポリラクチドの色調の点でセルフクリーニング式の重合装置が好ましい。例えば、セルフクリーニング式無軸籠型撹拌翼具備横型撹拌槽(以下、フィニッシャーと略記することがある。)、N−SCR、2軸押し出しルーダーなどが第2重合工程において好適に使用できる。中でも生産効率、ポリラクチド類の色調、安定性、耐熱性などよりフィニッシャー、N−SCRを使用するのが最も好適である。
セルフクリーニング性の重合装置を使用することにより、重合槽の器壁に付着し長時間の熱履歴を経た熱劣化ポリラクチドが樹脂中に落下混入する危険性を大幅に低下することができ、ポリラクチドの色調も大幅に良化させることができる。
以上より、第1重合工程が少なくとも1基の縦型重合槽を含み、第2重合工程が少なくとも1基の横型重合槽を含むことが好ましい。
〔ポリラクチド〕
得られるポリラクチドの重量平均分子量(Mw)は、12万〜50万、好ましくは12〜40万である。ポリラクチドのMw/Mnは好ましくは2〜4である。
本発明によれば、重合により消費したラクチドを重合の途中で追加添加することにより、重合反応を速やかに進めることができる。その結果、得られるポリラクチドの分子量変動を好ましくは±10%以下、より好ましくは±7%以下、さらに好ましくは±5%以下にすることができる。本発明により得られるポリラクチドは、色相、安定性、耐熱性が良好で、Mw変動が少ない。
得られるポリラクチドは、金属触媒を金属触媒に含まれる金属元素に換算してポリラクチド1kg当たり0.42×10−4〜20.0×10−4モル含有することが好ましい。
(ラクチドの低減)
第2重合工程終了後、ポリラクチドを減圧下、加熱し、ポリラクチド中のラクチドを低減させることが好ましい。
ポリラクチドは、脱気装置によりラクチドを低減させることが好ましい。ラクチド低減は、1軸あるいは2軸ルーダーにより、少なくとも一段の真空ベントにより減圧処理を行うことができる。ルーダーにおける加熱温度は好ましくは180〜220℃である。真空ベントは必要に応じ2段、3段で使用することができる。
このとき、窒素、炭酸ガス、水、水蒸気などのキャリアーを使用するのが好ましい。なかでも水蒸気、窒素ガス、炭酸ガス、特に亜臨界、超臨界炭酸ガスを併用することにより効率よくラクチド類を除去することができる。
混練部の圧力は、好ましくは506.6〜3040kPaであり、混練部に続くベント部で減圧処理される。ベントの真空度は、好ましくは0.133〜13.3kPa、より好ましくは0.133〜6.67kPa、さらに好ましくは0.133〜2.67kPaである。ラクチド低減装置としてはその他、フィニッシャーあるいはN−SCRなどを比較的高度の真空条件たとえば0.133〜13.3kPaで、より好ましくは0.133〜6.67kPaで運転することも有効である。
ポリラクチド中のラクチド含有量は、好ましくは0.1重量%以下である。より好ましくは0.001〜0.1重量%である。
(触媒失活)
第2重合工程の後、ラクチドの低減に先立ち、ポリラクチドに触媒失活剤を添加し、金属触媒を失活させることが好ましい。ポリラクチドを触媒存在下、ラクチドの低減を試みるとポリラクチドの開環反応が進行し、期待通りのラクチド低減効果が実現されない場合があり、また得られるポリラクチドの耐熱性、安定性が低い水準にとどまり好ましくない。
金属触媒の失活には、ポリラクチド中に存在する金属触媒の金属元素1当量あたり、好ましくは0.3〜20当量、より好ましくは0.4〜10当量、さらに好ましくは0.5〜8当量の触媒失活剤を使用する。
本発明で使用される触媒失活剤は、イミン化合物、リンオキソ酸、リンオキソ酸エステルおよび下記式(4)
−P(=O)(OH)(OR2−s(4)
(式中qは0または1、sは1または2、RおよびRは、各独立に炭素数1〜20の置換基を有していても良いアルキル基等の炭化水素基を表す。)
で表される有機リンオキソ酸化合物からなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
イミン化合物は、その構造中にイミノ基を有し、且つ金属触媒に配位し得る四座のキレート配位子である。イミン化合物は、従来の触媒失活剤の様なブレンステッド酸や塩基ではないため、ポリラクチドの耐加水分解性を悪化させることなく熱安定性を向上させることが可能である。
かかるイミン化合物としてはN,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)プロパンジアミン、N,N−ビス(サリチリデン)−cis−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−trans−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−o−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−m−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)プロパンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)−cis−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)−trans−シクロヘキサンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)−o−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)−m−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(2−シアノベンジリデン)−p−フェニレンジアミン、N−メチルイミノメチルフェノール、N−エチルイミノメチルフェノール、N−イソプロピルイミノメチルフェノール、N−t−ブチルイミノメチルフェノール等が挙げられるが、特に好ましくはN,N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、N,N’−ビス(サリチリデン)プロパンジアミンである。
リンオキソ酸としては、たとえばジヒドリドオキソリン(I)酸、ジヒドリドテトラオキソ二リン(II,II)酸、ヒドリドトリオキソリン(III)酸、ジヒドリドペンタオキソ二リン(III)酸、ヒドリドペンタオキソ二(II,IV)酸、ドデカオキソ六リン(III)III、ヒドリドオクタオキソ三リン(III,IV,IV)酸、オクタオキソ三リン(IV,III,IV)酸、ヒドリドヘキサオキソ二リン(III,V)酸、ヘキサオキソ二リン(IV)酸、デカオキソ四リン(IV)酸、ヘンデカオキソ四リン(IV)酸、エネアオキソ三リン(V,IV,IV)酸等の酸価数5以下の低酸化数リン酸、式xHO・yPで表され、x/y=3のオルトリン酸、2>x/y>1であり、縮合度より二リン酸、三リン酸、四リン酸、五リン酸等と称せられるポリリン酸およびこれらの混合物、x/y=1で表されるメタリン酸、なかでもトリメタリン酸、テトラメタリン酸、1>x/y>0で表され、五酸化リン構造の一部を残した網目構造を有するウルトラリン酸、およびこれらの酸の一価、多価のアルコール類、あるいはポリアルキレングリコール類の部分エステル、完全エスエテルが例示される。触媒失活能から酸あるいは酸性エステル類が好適に使用される。
リンオキソ酸のエスエテルを形成するアルコールに関しては特に制限はないが、一価アルコールとしては炭素数1〜22個の置換基を有していても良い、下記式(5)
Y−OH (5)
(式中Yは炭素数1〜22の置換基を有していても良い炭化水素基を表す。)
で表されるアルコールが好ましく使用される。
一価アルコールとして、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デカノール、ドデカノール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ヘキシルアルコール、フェノール、ヘキサデシルアルコールなどが挙げられる。
多価アルコールとしては炭素数2〜22個の置換基を有していても良い下記式(6)
X(−OH) (6)
(式中Xは炭素数2〜22個の置換基を有していても良い炭化水素基、aは2〜6の整数を表す。)
で表される多価のアルコール類、糖アルコール類などが挙げられる。
具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、myo−イノシトール、D−,L−イノシトール、scyllo−イノシトールなどノイノシトール類、シクリトールなどが挙げられる。
失活剤として特に好ましくは、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、トリメタリン酸、テトラメタリン酸、フェニルホスホン酸、ベンジルホスフィン酸、リン酸ジブチル、リン酸ジノニル、N’−ビス(サリチリデン)エチレンジアミン、N、N’−ビス(サリチリデン)プロパンジアミンが例示され、なかでもリン酸、亜燐酸、ピロ燐酸が特に好ましい。これらの失活剤は単独で使用しても良いし場合によっては、複数を併用することもできる。
失活剤は、第2重合工程最下流の横型重合槽の出口から、ラクチド低減処理を行う押し出し機の樹脂溶融帯までの間に樹脂中に添加することが好ましい。
本発明においては、連続、回分式プロセスにかかわらず各重合槽の生成物は溶融状態を保ったまま次の重合槽に移送されるが、所望により、各重合槽での生成物を固化したのち次の重合ステップに移送することもできる。
各工程で製造されたプレポリマー、ポリラクチドは製造効率を向上させるため、固化させることなく溶融状態を維持したまま、次の重合槽に移送されるのが好ましいが、場合によっては所定の形状、たとえばチップとして固化させたのち移送することも可能である。特に第1重合工程の生成物であるプレポリマーはチップ化され、適宜保存されたのち、第2重合工程に移送することもできる。このとき溶融重合の常として、プレポリマーが水分を吸収、光、酸素などにより劣化を防ぐ必要があるが、通常公知の方法あるいはその組み合わせ方法を使用すれば十分所望の目的を達成することが可能である。第2重合工程での重合活性を十分高いレベルに保つためには、水分の含有量は20重量ppm以下、好ましくは10重量ppm以下、さらに好ましくは5重量ppm以下にするのが好ましい。
〔ポリラクチドの用途〕
本発明は、本発明方法によって得られたポリラクチドを包含する。ポリ−L−ラクチドとポリ−D−ラクチドとを混合するとステレオコンプレックスが形成されることが知られている。本発明により得られるポリラクチドは、このステレオコンプレックスを含有するポリラクチドの製造に用いることができる。即ち本発明は、ポリ−L−ラクチドとポリ−D−ラクチドとを混合し、ステレオコンプレックスを含有するポリラクチドを製造する方法において、ポリ−L−ラクチドとポリ−D−ラクチドの少なくとも一方に本発明方法により得られたポリラクチドを用いることを特徴とするポリラクチドの製造方法を包含する。
本発明により得られるポリラクチドは、フィラーを含有させた組成物とすることができる。フィラーとしては有機フィラー、無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、ガラス繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラストナイト、セピオライト、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ.アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化珪素繊維、ホウ素繊維、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、タルク、クレイ、マイカ、セリサイト、ベントナイト、カオリン、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸価マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、石膏、ドーソナイト等が上げられる。
また、有機フィラーとしては天然繊維、パラ型アラミド繊維、ポリアゾール繊維、ポリアリレート、ポリオキシ安息香酸ウイスカー、ポリオキシナフトエ酸ウイスカーおよびセルロースウイスカー等が挙げられる。
これらのフィラーは繊維状、板状、または針状のものを用いることができる。これらのフィラーの中で、繊維状の無機フィラーが好ましく、特にガラス繊維が好ましい。
またこれらフィラーのアスペクト比は5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。特に好ましいものは100以上である。
アスペクト比とは繊維状フィラーの場合は繊維長を繊維直径で除した値であり、板状フィラーの場合長周期方向の長さを厚さで除した値である。フィラーの弾性率は50GPa以上であることが好ましい。
フィラーは熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で被覆または集束処理されていることも好ましい。たとえばアミノシランやエポキシシランなどのカップリリング剤などで処理、または各種有機物で処理されていても良い。フィラーは一種で用いても二種以上併用してもかまわない。
天然繊維はその単繊維としての強度が好ましくは200MPa以上、さらに好ましくは300MPa以上である。この範囲であれば複合体として十分な力学的物性を発揮でき、さらにフィラーとして混合する量が減るため成形体表面の形状がより良好な結果を生むことができるからである。
天然繊維はその繊維直径が0.1μm〜1mmの範囲、好ましくは1μm〜500μmの範囲である。またアスペクト比は50以上有することが好ましい。かかる繊維は樹脂との混合が良好に行われ複合化により優れた物性の組成物とすることが可能である。アスペクト比はより好ましくは100〜500、さらに好ましくは100〜3000である。
天然繊維は、前述の条件を満たすものであれば特にその種類を問わず有効に使用することができる。なかでもケナフ、竹、亜麻、麻、木材パルプ、木綿などの植物繊維を好適に使用することができる。特に廃材から得られる木質パルプや廃紙から得られるパルプ、ケナフを原料とする繊維は環境負荷が低く、再生能力が高いため非常に好ましい。
天然繊維はその形態、強度が適切な範囲に保たれる方法であればどのような方法で製造されたものでも好適に使用することができる。
たとえば(i)化学パルピングによる繊維化、(ii)バイオパルピングによる繊維化、(iii)爆砕、(iv)機械的解砕等を挙げることができる。
天然繊維はその表面が修飾されていてもよい。天然繊維の表面を修飾することによって樹脂と繊維の界面強度が増大しさらに耐久性がますような場合にはさらに好ましい。その様な修飾の方法としては、(i)化学的に官能基を導入する方法、(ii)機械的に表面を疎化する方法、あるいは(iii)滑化する方法(iv)表面修飾剤を機械的刺激によって反応させる方法などを例示することができる。天然繊維は単繊維であっても、繊維集合体であってもよい。
ポリラクチドと天然繊維との重量比は前者/後者=98/2〜1/99である。好ましくは前者/後者=85/15〜40/60、さらに好ましくは70/30〜50/50である。
ポリラクチドは、上記のフィラー以外に各種添加剤、たとえば可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離形剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤、充填剤、抗菌、抗黴剤、核形成財、染料、顔料を含む着色剤等の一種あるいは二種以上を含有させることができる。また他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、軟質熱可塑性樹脂等の少なくても一種をさらに添加することができる。
組成物は例えば次のような方法で製造される。
(i)ポリラクチドを加熱溶融し例えば天然繊維と配合し、均一に分散させる方法:
(ii)予めポリラクチドのフィルムを作成しその上に例えば天然繊維を複数並べ、さらにその上にポリラクチドフィルムを重ね、この操作を複数回繰り返して得た積層体をポリラクチドの融点以上に加熱複合化する方法:
(iii)予め賦形した例えば天然繊維に粉末化したポリラクチドを付着させ、これをポリラクチド類の融点以上に加熱し複合化する方法:
(iv)ポリラクチドを繊維状に加工し、例えば天然繊維とあわせてヤーンをつくり、これに所定の形状を与えた後ポリラクチド類のガラス転移温度以上に加熱し複合化する方法などが挙げられる。
このようにして得られた組成物は良好な生分解性と十分な強度を示すとともにポリラクチド類および天然繊維はともに環境に負荷を与えることはないので、様々な成形品として好適に使用できる。特に強度を必要とする構造部材、建築材料はもちろんのこと建具材料、建設仮設材などに好適である。組成物は、熱変形温度が好ましくは240℃以下、さらに好ましくは200℃以下、さらに好ましくは170℃以下である。該組成物はシート、マットなどの成形体として種々の用途に使用できる。
本発明のポリラクチドを用いて、射出成形品、押し出し成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、フィルム、シート、シート不織布、繊維、布、他の材料との複合体、農業用資材、漁業用資材、土木.建築用資材、文具、医療用品またはその他の成形品を従来公知の方法により得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが本発明はこれらの実施例により何等限定を受けるものではない。
I. 物性値は以下の方法で求めた。
(1)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn):
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定器により、ポリスチレン標準サンプルとの比較で求めた。
なお、GPC測定器は、
検出器:示差屈折計 (株)島津製作所製 RID−6A
ポンプ:(株)島津製作所製 LC−9A
カラム:(株)東ソーTSKgelG3000HXL,TSKgelG4000HXL
を用い、TSKgelG5000HXLとTSKguardcokumnHXL−Lを直列に接続、クロロホルム溶離液を使用、カラム温度40℃、流速1.0ml/minで流し濃度1mg/ml(1%ヘキサフルオロイソプロパノール含有クロロフォルム)の試料10μLを注入し、常法により、MwとMnとを求めた。
(2)ポリマー(チップ)色調:
試料(チップ)を90℃、90分乾燥機中熱処理し結晶化させた後、チップの色調を日本電色(株)製Z−1001DP色差計を用いて測定し、チップカラーL/b値を求めた。
(3)熱安定性:
フィニッシャーより、ラクチド低減装置を経ないで出てきたポリラクチド10gをコック付きパイレックス製試験管に入れ、内部を窒素置換したものを260℃、10分間保持して熱安定性を評価した。試験前後のポリラクチドの重量平均分子量(Mw)をGPCにて測定し、下記式により求めた。
熱安定性=Mw(試験後)/Mw(試験前)×100
(4)分子量変動:
上記(3)と同じように、フィニッシャーより、ラクチド低減装置を経ないで出てきたポリラクチドを1時間毎に5回サンプリングしMWを測定し、最大値から最小値を減じた値を平均値で除し100をかけた値を分子量変動とした。
(5)酸価:
酸価は滴定法によって求める。すなわち標準的な方法として、100mgの樹脂をクロロホルム10mlに溶解し、これにメタノール10mlを加えて溶液とし、指示薬としてBTBを1滴加える。これを0.05M水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定して、カルボン酸の量を測定した。
(6)ラクチド反応率
ラクチド反応率はGPC(Waters Allience)により測定する。すなわち、得られた樹脂のクロロホルム溶液を、クロロホルムを溶出液とする、GPCカラム(Shodex GPC−804L、RI検出)にて測定し、出現するラクチドピークの面積を検量線によって定量する。
II.原料は以下のもの使用した。
原料L−ラクチド、D−ラクチドは株式会社武蔵野化学研究所製のラクチドを使用した。オクチル酸スズ、ステアリルアルコール、リン酸は市販特級品をそのまま使用した。
[実施例1〜7および比較例1〜5]
装置:
(第1重合工程)
第1重合工程は、送液配管で連結された、溶解槽、第1縦型撹拌槽および第2縦型撹拌槽からなる。
溶解槽(容積1000L)は、縦型で、フルゾーン翼、真空配管、窒素ガス配管および加熱冷却装置を具備する。
第1縦型撹拌槽(容積40L)は、フルゾーン翼、真空配管、窒素ガス配管、触媒/ラクチド溶液添加配管、アルコール開始剤添加配管および冷却装置を具備する。
第2縦型撹拌槽(容積53L)は、マックスブレンド翼、真空配管、窒素ガス配管および加熱冷却装置を具備する。第2縦型撹拌槽(容積53L)は、送液配管でチップカッターおよび第2重合工程のフィニッシャーに連結されている。
(第2重合工程)
第2重合工程は、フィニッシャー(容積200L)からなる。フィニッシャーは、入り口部に触媒/ラクチド溶液添加配管、出口部に失活剤添加配管、窒素ガス配管、真空配管および加熱冷却装置を具備する。フィニッシャーからの配管は、ラクチド低減装置に連結されている。また配管は、チップカッターにも連結しており、フィニッシャー内容物を直接チップ化することもできる。
(ラクチド低減装置)
ラクチド低減装置は、真空ベントを具備した二軸ルーダーである。触媒失活処理は、特別に記載しないかぎり、ラクチド低減装置で行った。さらに二軸ルーダーの出口にチップカッターを配置しチップ化した。
運転条件:
溶解槽は140℃、内圧111.5kPaに保持した。第1縦型撹拌槽は、内温185〜195℃、内圧111.5kPaで運転を行った。第2縦型撹拌槽は、内温190から200℃、内圧111.5kPaで運転を行った。
フィニッシャーは、内温200〜210℃、内圧111.5kPaで運転を行った。
その他の条件は表1の運転条件に記載したとおりとした。滞留時間の変動は送液量、撹拌槽の充填量の変更で対応した。ラクチド低減装置は3段の真空ベントを使用、210℃、ベント圧0.133kPaで実施した。
フィニッシャーからポンプを経由してラクチド低減処理を行うことなくチップカッターでチップ化したポリラクチドについて、Mw、分子量変動、熱安定性を測定した。
触媒失活剤を添加しラクチド低減装置を経由してチップ化された樹脂は色調の測定に使用した。触媒失活剤はリン酸を使用し、触媒1モルあたり、1.05モル添加した。
ラクチド低減装置を経由して失活処理された樹脂は、ラクチド含有量はいずれも0.005重量%以下であり、熱安定性はほぼ100%であり、失活処理、ラクチド低減処理前の樹脂に比較し、良好なレベルであった。したがって個々の、失活、ラクチド低減処理された樹脂については、熱安定性は記載しない。
以下運転条件と結果とを表1〜4に示す。
Figure 2008069271
Figure 2008069271
Figure 2008069271
Figure 2008069271
実施例1と、比較例1および2とを対比すると明らかなように、プレポリマーのMwを適切な範囲に選択することにより、ポリラクチドの分子量変動の所定の範囲にすることができる。
実施例1において、フィニッシャーからポンプを経由してラクチド低減処理を行うことなくチップカッターでチップ化したポリラクチドのラクチド含有量は、5重量%で、ラクチド低減処理を行うことにより0.05重量%に低減した。
実施例1と、比較例3、4、5を対比すると明らかなように、第2重合工程においてラクチドおよび触媒を追加添加することにより、色調、安定性、分子量変動の良好なポリラクチドが得られることがわかる。
[実施例8]
(第1重合工程:バッチ式重合)
真空配管および窒素ガス配管、触媒/ラクチド溶液添加配管、アルコール開始剤添加配管を具備した第1縦型撹拌槽(容積40L)を窒素置換後L−ラクチド30Kg、ステアリルアルコール0.69kg(0.023モル/kg−LD)、オクチル酸スズ6.14g(5.05×10−4モル/1Kg−LD)を仕込み、窒素圧106.4kPaの雰囲気下、150℃まで昇温し、内容物が溶解した時点で、撹拌を開始、内温をさらに190℃にまで昇温した。内温が180℃を超えると反応が始まるので冷却を開始し、内温を185℃〜190℃に保持しつつ2時間反応を継続した。
ついで内圧を202.65kPa(2気圧)〜506.6kPa(5気圧)に昇圧し、内容物を第2縦型撹拌槽(容積53L)に送液した。撹拌しつつ、窒素圧106.4kPa(1.05気圧)、内温200℃〜210℃で、2.5時間反応を行なった後、撹拌を停止し、内圧を13.3kPaに減圧し、20分間ラクチド量の調節を行った。その後内圧を窒素圧で2から3気圧に昇圧しプレポリマーをチップカッターに押し出しペレット化した。
(第2重合工程)
反応を3回繰り返して実施した後、第一の無軸籠型撹拌翼具備重合装置(容積60L)にプレポリマーを16kg/時間で送液、触媒、L−ラクチド16kg/時間、オクチル酸スズ触媒をラクチド1kgあたり5.05×10−4モル/1Kg L−LDを送液し、200℃〜210℃で滞留時間2時間で重合を行った。
一部をチップ化し残りを同じ形式の無軸籠型撹拌翼具備重合装置に移送、入り口で失活剤のリン酸触媒1モルあたり1.05モルを添加し、内圧1.33kPa、滞留時間0.5時間でラクチド低減処理を行った後、定量ポンプでチップカッターに移送しチップ化した。
ラクチド低減処理したポリラクチドはラクチド含有量0.005重量%、熱安定性はほぼ100%であった。触媒未失活チップにつき、Mw、Mw変動、熱安定性を測定、失活チップにつき色調を測定した。運転条件を表5および6、結果を表7および8に示す。
Figure 2008069271
Figure 2008069271
Figure 2008069271
Figure 2008069271
[実施例9]
実施例1および2で得られた、失活処理、ラクチド低減処理を行った樹脂の重量比50/50の混合物をクロロホルムの2重量%の溶液とした。無水酢酸を樹脂に対し、0.02重量%添加し1時間撹拌し、末端封鎖処理を行った。その後ヘキサフロロイソプロパノール10容量/容量%となるよう添加、完全に溶解させたのち、メタノール10倍量に希釈、樹脂を沈殿させた、樹脂をろ過、分離後、真空乾燥機にて、室温で2時間、60℃で2時間、80℃で6時間かけて乾燥させ、ステレオコンプレックスポリ乳酸を作成した。得られたステレオコンプレックスポリ乳酸は、示差走査熱量計による分析で、L−、R−ポリラクチドの融解ピークが消失し、ステレオコンプレックスによる214℃のピークが新たに生成していた。
本発明により得られるポリラクチドは、フィルム、シート、シート不織布、繊維、布等として、農業、漁業、土木、建築、文具、医療の各分野で利用することが期待される。

Claims (19)

  1. (i)ラクチドを金属触媒および開始剤の存在下で開環重合し重量平均分子量5万〜12万プレポリマーを製造する第1重合工程、並びに
    (ii)プレポリマーをさらに重合し重量平均分子量12万〜50万のポリラクチドを製造する第2重合工程を含むポリラクチドの製造方法であって、
    第1重合工程におけるラクチド反応率が90%以上であり、第2重合工程において、プレポリマーにラクチドおよび金属触媒を添加して、ラクチド反応率が90%以上になるまで重合することを特徴とするポリラクチドの製造方法。
  2. ラクチドの光学純度が90〜100%である請求項1記載の方法。
  3. 金属触媒が、スズ、アルミニウムおよびチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種の金属を含む化合物である請求項1記載の方法。
  4. 開始剤が、下記式(1)、式(2)および式(3)で表されるアルコールからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の方法。
    −OH (1)
    (式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基を表す。)
    −(OH) (2)
    (式中、Rは、炭素数2〜20のn価の炭化水素基を、nは2〜5の整数を表す。)
    HO−(R−O)−H (3)
    (式中Rは、炭素数2〜5のアルキレン基、mは2〜100の整数を表す。)
  5. 第1重合工程において、ラクチド1kg当たり、開始剤を0.008〜0.04モル、金属触媒を金属触媒中の金属元素に換算して0.42×10−4〜100×10−4モル使用する請求項1記載の方法。
  6. 第1重合工程において、重合を、温度180〜230℃、圧力17.33〜506.6kPa、滞留時間0.1〜10時間で行う請求項1記載の方法。
  7. 第1重合工程で得られたプレポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が、1〜2.5である請求項1記載の方法。
  8. 第1重合工程で得られたプレポリマーの酸価が、3〜30(当量/トン)である請求項1記載の方法。
  9. 第1重合工程で得られたプレポリマーを減圧下、加熱し、プレポリマー中のラクチドを低減させる請求項1記載の方法。
  10. ラクチドの低減を、圧力6.66〜26.6kPaで0.1〜1時間行う請求項9記載の方法。
  11. 第2重合工程において、プレポリマー1kg当たりラクチドを0.5〜3kg、金属触媒を金属触媒に含まれる金属元素に換算して、ラクチド1kgあたり0.42×10−4〜100×10−4モル添加する請求項1記載の方法。
  12. 第2重合工程において、重合を、温度190〜230℃、圧力13.33〜506.6kPa、滞留時間0.2〜5時間で行う請求項1記載の方法。
  13. 第2重合工程終了後、ポリラクチドを減圧下、加熱し、ポリラクチド中のラクチドを低減させる請求項1記載の方法。
  14. ラクチドの低減を、圧力0.133〜13.33kPa、温度180〜220℃で行う請求項13記載の方法。
  15. ポリラクチドが、金属触媒を金属触媒に含まれる金属元素に換算してポリラクチド1kgあたり0.42×10−4〜20.0×10−4モル含有する請求項1記載の方法。
  16. 第2重合工程の後、ポリラクチドに触媒失活剤を添加する請求項1記載の方法。
  17. 第1重合工程が少なくとも1基の縦型重合槽を含み、第2重合工程が少なくとも1基の横型重合槽を含む請求項1記載の方法。
  18. 請求項1に記載の方法によって得られたポリラクチド。
  19. ポリ−L−ラクチドとポリ−D−ラクチドとを混合し、ステレオコンプレックスを含有するポリラクチドを製造する方法において、ポリ−L−ラクチドとポリ−D−ラクチドの少なくとも一方に請求項18に記載のポリラクチドを用いることを特徴とするポリラクチドの製造方法。
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