JP2003227035A - 防虫繊維およびそれからなる織編み物 - Google Patents
防虫繊維およびそれからなる織編み物Info
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Abstract
加することにより防虫効果に優れ、且つ紡糸中に防虫剤
の分解も無く生産性に優れ、織編みでも問題のない強度
を持ったポリ乳酸フィラメントを提供しようとする物で
ある。 【解決手段】L体が95%以上のポリ乳酸にピレスロイ
ド系忌避剤を0.3〜7%添加する事により害虫の防虫
(忌避)効果に優れ、又紡糸時に防虫剤の分解が少ない
ために強度・生産性に優れ、且つ織編みに問題の無いポ
リ乳酸フィラメント。
Description
し、防虫効果に優れた繊維に関するものである。
れているピレスロイド系防虫剤を添加した繊維は、ポリ
エチレンやポリプロピレンを原料とするものが知られて
いる。しかし、ポリエチレンテレフタレートや6ナイロ
ンのような、より汎用性の高い熱可塑性樹脂を原料とす
るものは得られていない。これは、これらの樹脂の溶融
紡糸温度が忌避剤の分解温度よりも高く添加することが
できない為である。
に安価に製造できるというメリットがある反面、使用後
の廃棄方法をめぐる問題がある。すなわち、上述した合
成樹脂からなる繊維は自然環境中では殆ど分解せず、焼
却すると高い燃焼熱を発生する恐れがある。
優れ、且つ紡糸中に防虫剤の分解も無く生産性に優れ、
織編みでも問題のない強度を持った防虫繊維を提供しよ
うとするものである。
決するためにL体が98%以上のポリ乳酸にピレスロイ
ド系防虫剤を0.3〜5%添加する事により害虫の防虫
(忌避)効果に優れ、又紡糸時に防虫剤の分解が少ない
ために強度・生産性に優れ、且つ織編みに問題の無いポ
リ乳酸フィラメントが提供出来ることを見出した。
ド系防虫剤を添加していることが重要である。ピレスロ
イド系防虫剤は他の有機りん系等の防虫剤に比べて自然
界での分解性が高く、又人畜に対する毒性が低く、安全
性が高い。
30℃前後であるために、紡糸時のポリマー温度は23
0℃以下にて実施する事が好ましい。ピレスロイド系防
虫剤は特に限定されないが、ペルメトリン、フェノトリ
ンなどが好ましい。
要である。0.3%未満では防虫剤としての忌避効果が
少ない。又、7.0%を超えると紡糸時に防虫剤のブリ
ードアウトが激しく、ポリマーの粘度低下が大きいため
に繊維の強度が低く実用上使用する事は出来ない。防虫
剤の添加量は1.0〜5.0%が好ましく、さらに好ま
しくは2.0〜4.0%である。
ために、無機粒子に担時させたのちに、ポリ乳酸樹脂と
混練機にて混練チップを作って添加するマスターバッチ
法が好ましい。
れないが、フィラメントで使用するには平均粒径が5μ
m以下の無機粒子である事が好ましい。
類によって異なる。ヒトスジシマカ(雌成虫)を使用し
た評価であれば静止率(吸血率)が25%以下、忌避率
が50%以上であれば実用上問題ないレベルである。
ト、モノフィラメント、ステープルファイバー、フラッ
トヤーンがあり用途によって最適な繊維形態の繊維を使
用すれば良い。
は、L体が98%以上である事が必要である。98%以
上であれば繊維の延伸工程での配向・結晶性に優れ、糸
の熱収縮を抑える事ができ寸法安定性に優れた繊維を得
る事ができる。L体の比率が98%未満であると繊維が
非晶構造になってくるために、熱収縮が高く寸法安定性
が悪い。
が15%以下である事が好ましい。15%以下であれば
織物の熱セット時や染色工程等で寸法安定性に優れた繊
維を得る事ができ、さらに好ましくは12%以下であ
る。
粘度(ηrel)は2.7〜4.5である事が好まし
い。繊維形態によって最適な相対粘度は異なるが、モノ
フィラメント、フラットヤーンであれば3.5〜4.2
がさらに好ましく、マルチフィラメント、ステープルフ
ァイバーであれば2.9〜3.5がさらに好ましい。
cN/dtex以上であれば織編み工程は問題なく、得
られた布帛も実用上使用するのにはなんら問題はない。
さらに好ましくは3.0cN/dtex以上である。
造を有する事が好ましい。すなわち分岐構造を殆ど持た
ないものである。従来の提案では、溶融粘度や重合度を
改良する目的でポリ乳酸を重合する際に少量の分岐剤を
添加する事が行われていた。しかしながら、分岐構造が
僅かでも存在するポリ乳酸は分岐構造が無い物に比べる
と引張り強度が弱いという問題がある。
に分岐構造を生成させるもの、例えば3価、4価のアル
コールやカルボン酸等を一切利用しないのが良いが、何
らかの理由でこれらの構造を持つ成分を使用する場合で
あっても、紡糸時の糸切れ等、紡糸操業性に影響を及ぼ
さない必要最小限度の量にとどめることが肝要である。
い範囲内であれば、顔料や紫外線安定剤等を添加するこ
とも出来る。
編みのどちらでも良く、分散染料を用いて染色すること
も可能である。用途としては、蚊帳やテント生地等のア
ウター用途に適する。
であるが、防虫性能を損なわない範囲内であれば、他の
繊維素材と混合して利用することも出来る。
る。最初に、ポリ乳酸物性、および繊維・布帛の物性分
析方法を紹介する。
クロロエタン=60/40(質量比)の混合溶媒に試料
を1g/dlの濃度になるよう溶解し、20℃でウベロ
ーデ粘度管を用いて相対粘度を測定した。
ノール性水酸化ナトリウム溶液1.0Nを溶媒として高
速液体クロマトグラフィー(HPLC:島津製作所製
LC10AD型)を使ってL体の比率を求めた。
験機(RTM−100)を用い、試料長20cm、速度
20cm/minで引っ張り試験を行った。破断強度を
引っ張り強度、破断伸度を伸度とした。
期過重200mgをかけて沸騰水中に15分間浸漬し、
5分間風乾した後、次式により沸水収縮率を求めた。沸
水収縮率(%)=(初期試料長−収縮後の試料長)/初
期試料長×100
きさの蚊飼育用ケージに、供試蚊30匹を放ち25±2
℃、湿度70〜80%の条件下で、モニターの人の腕に
筒状にした試料を巻き、(指部分の刺咬を防除するため
にビニール手袋をはめた。)ゲージ中に2分間暴露し
た。この間、腕に巻いた試料に止まった蚊の数を計数し
た。計数した蚊の数から、次式より静止率を算出した。
また、未加工布での蚊の静止数との比較により、忌避率
を算出した。 静止率(吸血率)%=静止蚊数(吸血蚊数)/供試蚊数
(30匹)×100 忌避率(%)=(対照区の蚊数−試験区の蚊数)/対照
区の蚊数×100 供試虫:ヒトスジシマカ雌成虫
編み工程での加工性、防虫効果を合わせて総合的に判断
した。 ◎:防虫効果、紡糸時の操業性・糸質に優れ、布帛工程
の加工性、寸法安定性が非常に良好である。 ○:防虫効果、紡糸時の操業性・糸質に優れ、布帛工程
の加工性、寸法安定性が良好である。 △:紡糸時の操業性・糸質に優れ、布帛工程の加工性、
寸法安定性が良好であるが、防虫効果がやや劣る。 ×:布帛工程で糸切れが多発し操業性が非常に悪かった
り、寸法安定性が悪かったり、防虫効果に劣る。
比率、溶液粘度を調整したポリ乳酸ポリマ−と、L体が
98.4%の直鎖状の構造を有し、溶液粘度3.1のポ
リ乳酸に平均粒径1.5μmのシリカとフェノトリンを
1:1で担時させポリ乳酸マスターチップ(フェノトリ
ン含有量10%)を所定量混合し、単軸の押出機を使用
し、孔径0.25mmを有する紡糸ノズルより空中に押
し出し、3500m/minで巻き取った後、延伸機に
て95℃で2倍延伸した後、140℃にてセットした、
マルチフィラメント(84デシテックス/24フィラメ
ント)を得た。得られた、マルチフィラメントにてニッ
トを試作し、防虫効果を分析・評価した。
性も問題なく、引張強度、沸水収縮率も問題のないポリ
乳酸繊維を得る事ができた。
十分な防虫効果を持ったポリ乳酸フィラメントを得る事
が出来なかった。
に、紡糸時に防虫剤のブリードアウトや粘度低下が大き
く、十分な強度を持ったフィラメントを得る事が出来ず
編み立て時に糸切れが多発し、実用上使用することがで
きない。
率が低いために、延伸時に糸の配向結晶が進まず、沸水
収縮率が高くなってしまい、布帛工程での熱セット時に
収縮が大きく寸法安定性に欠け、変形が大きいために、
実用上使用することができない。
Claims (3)
- 【請求項1】 主としてポリ乳酸からなり、ポリ乳酸の
L体が98%以上であり、ピレスロイド系防虫剤を0.
3〜7.0%含有することを特徴とする防虫繊維。 - 【請求項2】 引張強度が2.5cN/dtex(セン
チニュートン/デシテックス)、沸水収縮率が15%以
下である事を特徴とする請求項1記載の防虫繊維。 - 【請求項3】 請求項1、2いずれかに記載の繊維を使
用した、織編み物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002029403A JP2003227035A (ja) | 2002-02-06 | 2002-02-06 | 防虫繊維およびそれからなる織編み物 |
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Cited By (3)
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-
2002
- 2002-02-06 JP JP2002029403A patent/JP2003227035A/ja active Pending
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