JP4256243B2 - ポリ乳酸系親水性繊維 - Google Patents

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Description

本発明は、変性ポリビニルアルコール樹脂を含有するポリ乳酸系樹脂からなる繊維であって、親水性、吸湿性と放湿性、生分解性を備えたポリ乳酸系親水性繊維に関するものである。
従来から、合成繊維に親水性や吸湿性、放湿性を付与した繊維は、衣料、生活資材や産業資材分野において各種の繊維が提案されている。
例えば、特許文献1には、ポリビニルピロリドンやポリエーテルエステルアミドをポリアミドに含有させて吸放湿性(吸湿性と放湿性を有していること)を発現させているポリアミド繊維が提案されている。また、特許文献2では、ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂をポリアミドやポリエステル中に含有させて吸放湿性を発現させている繊維が提案されている。
しかしながら、これらの繊維に含有されている吸放湿性成分は水酸基を有していないため、これらの繊維は、天然繊維のような水酸基由来の吸水性、吸放湿性を有しておらず、使用する用途によっては、吸水性、吸放湿性能が不十分である場合があった。
また、これらは、生分解性を有しないため、廃棄時に焼却もしくは産業廃棄物として処理しなければならなかった。
これに対し、特許文献3では、ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂を生分解性脂肪族ポリエステルに練り込むことで吸放湿性を発現させている繊維が提案されているが、ポリエチレンオキサイドの架橋物からなる熱可塑性吸水性樹脂は生分解性を有しないため、脂肪族ポリエステルが分解した後も残存し、また、この繊維においても吸放湿性成分は水酸基を有していないため、天然繊維のような水酸基由来の吸水性、吸放湿性を有しておらず、使用する用途によっては、吸水性、吸放湿性能が不十分である場合があった。
特開平7−150414号 特開平8−260244号 特開平9−95823号
本発明は、上記のような問題点を解決し、合成繊維でありながら水酸基に由来する十分な吸水性及び吸放湿性能を有し、各種の用途に使用することが可能となり、また使用後は生分解性を有するため廃棄時に焼却もしくは産業廃棄物として処理する必要のないポリ乳酸系親水性繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール樹脂が混合されてなるポリ乳酸系樹脂からなり、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール樹脂の含有量が繊維質量に対して3〜40質量%であることを特徴とするポリ乳酸系親水性繊維を要旨とするものである。
本発明のポリ乳酸系親水性繊維は、吸水性物質として水酸基を有する変性ポリビニルアルコールを含有しているため、吸水性や吸放湿性が向上した親水性繊維とすることができ、吸汗発散、吸湿性に優れたものとなり、さらには、実用的な強度、伸度等の物性も兼ね備えており、このため、インナー、靴下、スキーウェア等の衣料分野や土木建設資材用途や水産資材等各種の用途に利用することが可能となる。さらに、生分解性を有するため使用後は水中又は土中で生分解されるので、廃棄時に焼却もしくは産業廃棄物として処理する必要がない。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明の繊維を構成する主体となるポリ乳酸系樹脂としては、ポリL−乳酸、ポリD−乳酸、L−乳酸とD−乳酸の共重合体であるポリDL−乳酸、あるいはこれらの混合体が好適に使用でき、数平均分子量が3万〜15万であるものが好ましく、9万〜11万の範囲にあるものがより好ましい。
数平均分子量が3万未満であると、溶融押出による繊維化が困難となるだけでなく、繊維の機械的強力が低下する傾向にある。また、数平均分子量が15万を超えても、溶融押出が困難となることがある。
また、本発明におけるポリ乳酸には、分子量の増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えば、有機過酸化物、ビスオキサゾリン化合物、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などが配合されていてもよい。
さらに、本発明におけるポリ乳酸には、繊維に柔軟性を付与するために、脂肪族−芳香族共重合ポリエステルをブレンドしてもよい。つまり、ポリ乳酸は室温では硬くて脆いという性質を有するが、脂肪族―芳香族共重合ポリエステルとともに用いることで柔軟性を付与することができる。このとき、脂肪族―芳香族共重合ポリエステルをブレンドすることにより柔軟性の付与と強度の低下を考慮して、質量比で、(ポリ乳酸)/(脂肪族−芳香族共重合ポリエステル)=95/6〜50/50(質量%)の割合でブレンドすることが好ましい。脂肪族−芳香族共重合ポリエステルとしては、少なくとも構成成分として脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、及び脂肪族ジオールを有する共重合ポリエステルであり、そのガラス転移温度は、0℃以下であることが好ましく、より好ましくは−20℃以下である。
このような脂肪族−芳香族共重合ポリエステルを構成する脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる。また、芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。さらに、脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられる。
そして、これらから少なくとも1種以上選択して重縮合することにより、目的とする脂肪族−芳香族共重合ポリエステルが得られ、必要に応じて、イソシアネートや酸無水物、エポキシ化合物、有機過酸化物などを用いてジャンプアップ及び長鎖分岐を構造上もたせることもできる。また、生分解性に影響を与えない範囲で、ウレタン結合、アミド結合、エーテル結合などを導入してもよい。
なお、本発明において、上記したようなポリ乳酸系樹脂には、必要に応じて、例えば酸化チタン、酸化ケイ素、炭酸カルシウム、チッ化ケイ素、クレー、タルクなどの各種無機粒子や架橋高分子粒子、各種金属粒子などの粒子類のほか従来公知の酸化防止剤、抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、包接化合物、帯電防止剤、各種着色剤、各種界面活性剤、各種強化繊維類等の各種添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加されていてもよい。
本発明の繊維は、上記のようなポリ乳酸系樹脂中に変性ポリビニルアルコール樹脂が含有されたものであるが、変性ポリビニルアルコール樹脂は、ポリ乳酸系樹脂中にブレンドされて含有されているものである。すなわち、ポリ乳酸系樹脂中に変性ポリビニルアルコール樹脂からなる層が独立して存在するのではなく、ポリ乳酸系樹脂中に略均一に変性ポリビニルアルコール樹脂が混合されているものであり、本発明の繊維は、このようなブレンド体を紡糸して繊維としたものであることが好ましい。これにより、変性ポリビニルアルコール樹脂が繊維中から剥落、溶出することを防ぐことができ、吸水性、吸放湿性の耐久性が向上する。
そして、変性ポリビニルアルコールの含有量は、繊維質量に対して3〜40質量%であり、さらには5〜30質量%とすることが好ましい。3質量%未満であると、十分な吸水性、吸放湿性を有する繊維とすることが困難となる。一方、40質量%を超えると、製糸性に劣ったり、強伸度等の物性値が低下しやすくなり、好ましくない。
次に、本発明の繊維に含有する変性ポリビニルアルコール樹脂としては、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールが用いられる。オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、具体的には、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルとを共重合し、ついでケン化することにより得られる。この場合、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルの共重合割合(含有量)は0.1〜20モル%、中でも0.1〜5モル%とすることが好ましく、ポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテルにおけるポリオキシアルキレンの縮合度は1〜300、中でも3〜50とすることが好ましく、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール全体に占めるオキシアルキレン単位の割合が3〜40質量%であることが好ましい。このことは、共重合体におけるオキシアルキレン単位の局在−非局在の程度およびオキシアルキレン単位の長さに最適範囲があることを示している。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールにおける酢酸ビニル単位のケン化度は50〜100モル%、さらには70〜99モル%が好ましく、ポリビニルアルコールの平均重合度は150〜1500、さらには200〜1000が好ましい。なお、共重合成分としてポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル以外の成分が本発明の目的を損なわない範囲で含有されていてもよく、例えばα−オレフィン(エチレン、プロピレン、長鎖α−オレフィン等)、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマー、(アクリレート、メタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、ビニルエーテル等)等を30モル%以下程度であれば含有してもよい。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールを得るときの重合方法としては通常、溶液重合法が採用され、場合により懸濁重合法、エマルジョン重合法などを採用することもできる。ケン化反応としては、アルカリケン化法、酸ケン化法などが採用される。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは上記のほか、酢酸ビニルと、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルアミド、ポリオキシプロピレンアリルアミド、ポリオキシエチレンビニルアミド、ポリオキシプロピレンビニルアミドなどを共重合し、ついでケン化することによっても得ることができる。
この他、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、ポリビニルアルコールに対するアルキレンオキシドの反応、あるいはポリオキシアルキレングリコールに対する酢酸ビニルの重合およびそれに引き続くケン化によっても得ることができる。
このようにして得られたオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールは、さらに、(1)融点が50〜250℃のフェノール系化合物、(2)チオエーテル系化合物、(3)ホスファイト系化合物のうちの1種以上を、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールに対して0.01〜5.0質量%、中でも0.1〜0.5質量%添加することが好ましい。これにより、熱安定性を向上させることができる。これらの添加量が0.01質量%未満では熱安定性の向上が期待できず、5.0質量%を超える場合は親水性の低下を招きやすい。
(1)融点が50〜250℃のフェノール系化合物としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニルプロピオネート]メタン、オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタンなどが挙げられる。
(2)チオエーテル系化合物としては、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリルチオプロピオネート)、テトラキス[メチレン−3−(ドデシルチオ)プロピオネート]メタン、ビス[2−メチル−4−{3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ}−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等が挙げられる。
(3)ホスファイト系化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイトやフェニルジイソオクチルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリステアリルホスファイト、その他のテトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンホスホナイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
さらには、本発明におけるオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールには、(4)炭素数が10以上の脂肪酸あるいはその塩、脂肪酸アミド系化合物、脂肪酸エステル系化合物の少なくとも1種を、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールに対して0.01〜3.0質量%、中でも0.1〜0.5質量%添加することが好ましく、これにより熱安定性がさらに向上する。
(4)炭素数10以上の脂肪酸あるいはその塩とは、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、アラキジニン酸、ベヘニン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸または、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシリシノール酸等のヒドロキシ脂肪酸、あるいはこれらのマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛等の金属塩等が挙げられ、中でもステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ベヘニン酸マグネシウムが実用的である。また、(4)の脂肪酸アミド系化合物とは、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘニン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミドあるいはメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等のアルキレンビス脂肪酸アミドが挙げられる。さらに、脂肪酸エステル系化合物とは、ブチルステアレート、ブチルパルミチレート等の1価アルコールの脂肪酸エステル、エチレングリコールモノステアレート等の多価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコールに(1)〜(4)の化合物を添加する方法としては、常用の方法、すなわち、撹拌機付き溶融缶、押出機、ロール混練機等を用いて溶融混合し、ペレット化することが好ましい。溶融混合温度は160〜250℃、中でも180〜230℃とすることが好ましい。
前記したように変性ポリビニルアルコール樹脂をポリ乳酸系樹脂中に添加して混合する際には、変性ポリビニルアルコールに各種の成分を含有させたペレットを作製した後、ポリ乳酸系樹脂中に添加し、溶融混合してもよいが、(1)〜(4)の各成分を前以て変性ポリビニルアルコール中に溶融ブレンドしたペレットとせず、変性ポリビニルアルコール樹脂、(1)〜(4)の各成分、ポリ乳酸系樹脂をそれぞれ添加して直接溶融混合してもよい。
また、変性ポリビニルアルコール樹脂中には、発明の効果を損なわない範囲で他のポリマーを配合することもでき、また、可塑剤、充填剤、着色剤、安定剤をはじめ、種々の添加剤を配合することもできる。
さらに、本発明の繊維は芯鞘型の複合繊維としてもよく、この場合、芯部又は鞘部のいずれかを変性ポリビニルアルコール樹脂を含有するポリ乳酸系樹脂からなるものとする。そして、変性ポリビニルアルコール樹脂を含有しない他方の芯部又は鞘部は、ポリ乳酸系樹脂からなるものとすることが好ましい。
複合繊維の芯部又は鞘部のポリ乳酸系樹脂中に変性ポリビニルアルコール樹脂を含有する場合、芯部又は鞘部の質量中、3〜50質量%の変性ポリビニルアルコール樹脂を含有することが好ましい。また、芯鞘複合比(質量比)は、芯/鞘=80/20〜20/80とすることが好ましい。
芯鞘複合比や変性ポリビニルアルコールの含有量が上記範囲外であると、十分な吸水性、吸放湿性を有する繊維とすることが困難となりやすかったり、製糸性に劣ったり、強伸度等の物性値が低下しやすくなり、好ましくない。
そして、本発明の繊維を構成する変性ポリビニルアルコールとポリ乳酸ともに生分解性を有しており、ポリ乳酸に比べて変性ポリビニルアルコールの生分解速度は若干遅いが、本発明の繊維を用いた製品を使用した後は、微生物が存在する環境(土中又は水中)に放置しておけば一定期間後には完全に分解される。
本発明の繊維は、マルチフィラメント、モノフィラメントのいずれでもよく、繊維を構成する単繊維の断面形状はいかなるものでもよく、例えば丸、楕円、3角、多葉形状、正方形、長方形、菱形、繭型、馬蹄型等を挙げることができ、これらの形状を一部変更したものであってもよい。また、これら各種断面形状の繊維を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明の繊維がマルチフィラメントの場合、マルチフィラメントを構成する単糸の繊度は3.3〜22dtex、マルチフィラメントの総繊度は55〜2200dtexが好ましい。
本発明の繊維がモノフィラメントの場合、集束性、耐久性及び製織性等の点から単糸繊度は、55〜1100dtexが好ましく、さらには220〜670dtexとすることが好ましい。
そして、本発明の繊維は、衣料用途、産業資材用途ともに好適に使用することができる。そして、織編物や不織布として用いたり、製網して網として用いることができ、また製紐してロープ等とすることもできる。このとき、本発明の繊維を100%使用した製品とすることが好ましいが、用途に応じて他の繊維と交編、交織、交撚して用いてもよい。なお、得られる製品の生分解性を考慮すると、他の繊維としても生分解性繊維を用いることが好ましい。
また、本発明の繊維の特性を利用して産業資材として用いる場合、特に水産資材用途に好適である。つまり、変性ポリビニルアルコール樹脂を含有することにより、水酸基に由来する親水性に優れ、海苔や海藻類の付着性がよく、これにより、これらの胞子の付着、生育が良好となり、海苔や海藻類の収量が向上するという効果がある。このような用途に使用する場合、芯鞘複合繊維とする際には、鞘部に変性ポリビニルアルコール樹脂が含有されていることが好ましい。
このように、本発明の繊維を用いて海藻類や海苔等の養殖網に製網するにあたっては、本発明の繊維のみを用いて複数本集束して用いることができるが、網強度、海藻胞子の付着性、海藻胞子の間引き性および比重調整などの目的に応じて、本発明以外の生分解性繊維と交撚して用いてもよい。この場合、本発明のポリ乳酸系繊維が網糸総繊度の30%以上使用されることが好ましい。
次に、本発明の繊維の製造方法について説明する。
前記したようにして得た変性ポリビニルアルコール樹脂を含有するポリ乳酸系樹脂を、常用の溶融紡糸装置を用いて製造することができる。芯鞘型複合繊維の場合は、常用の複合繊維紡糸装置を用いて製造することができる。
マルチフィラメントの場合、まず、常用の紡糸装置より溶融紡出し、その溶融紡出糸条を冷却装置で冷却し、紡糸油剤を付与した後、引き取りローラで未延伸糸として引き取る。冷却風の温度や風量、引き取りローラの速度等は特に限定されるものではなく、適宜選定される。この未延伸糸を一旦捲き取ってから延伸する二工程法、糸条を延伸することなく高速で捲き取り、高配向未延伸糸を得る方法、捲き取ることなく連続して延伸する直接紡糸延伸法によって目的とする繊維を得る。延伸を行う際には、1段又は2段以上の多段延伸方法で行うことができ、延伸方法や延伸温度、延伸倍率等は、繊維を構成する重合体の種類や所望の強伸度特性等を考慮して適切に選定される。また、延伸された糸条は、必要に応じて熱処理や弛緩処理が行われる。
また、モノフィラメントの場合、常用の紡糸装置より溶融紡出し、紡出されたモノフィラメントを液体等で冷却し、次いで、冷却固化したモノフィラメントを一旦巻き取った後又は巻き取ることなく延伸する。延伸は、一段又は二段以上の多段で行うことができる。延伸後、気体中で弛緩熱処理を行い、巻き取る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。実施例中の各種の特性値については以下のようにして測定、評価を行った。
A.繊維の強度(cN/dtex)及び伸度(%):JIS L−1013に従い、島津製作所製オートグラフDSS−500を用い、つかみ間隔25cm、引張速度30cm/分で測定した。
B.吸放湿性(%):得られた繊維を33“28Gの丸編機(福原精機株式会社製LPJ−H型)を用い、インターロック組織にて目付150g/mの編物に編成して試料とし、これを温度105℃で2時間乾燥して質量W0を測定した。そしてこの試料を、温度25℃、相対湿度60%の条件下で2時間調湿して質量W1を測定し、下記の1)式により初期水分率M0を求めた。次にこの試料を温度34℃、相対湿度90%の条件下で24時間吸湿させた後、質量W2を測定し、下記の2)式により水分率M1を求めた。その後、この試料を引き続き温度25℃、相対湿度60%の条件下でさらに24時間放置した後、質量W3を測定し、下記の3)式により放湿後の水分率M2を求めた。
M0(%)=〔(W1−W0)/W0〕×100 1)
M1(%)=〔(W2−W0)/W0〕×100 2)
M2(%)=〔(W3−W0)/W0〕×100 3)
C.吸水性(cm):得られた繊維を33“28Gの丸編機(福原精機株式会社製LPJ−H型)を用い、インターロック組織にて目付150g/mの編物に編成して試料とし、この試料を温度25℃、相対湿度60%の条件下で2時間調湿した後、JIS L−1907(繊維製品の吸水性試験方法)に記載されたバイレック法に従い、10分後の水の吸い上げ高さを測定した。
D.胞子付着数:得られた繊維を長さ5cmに切断してサンプル糸条とし、18℃に保持されたインキュベータ中に海水と海苔胞子種貝入りの枝付ビーカーを入れ、ビーカー内の海水中にサンプル糸条の全長がビーカー内の海水に浸るようにして吊し、3000ルックスの光を1日10時間照射して、これを1週間繰り返して海苔胞子を付着させた後、サンプル糸条表面を顕微鏡下100倍の倍率で観察した時の1視野中の胞子を合計10視野計数し、1視野あたり胞子数を平均値として求め胞子付着数とした。
E.胞子残存率:得られた繊維を長さ5cmに切断してサンプル糸条とし、500ccのビーカー中に上記Dの方法で胞子を付着させたサンプル糸条と300ccの海水をいれ、マグネットスターラーで300rpmで2週間撹拌した。この後、サンプル糸条表面を顕微鏡下100倍の倍率で観察した時の1視野中の胞子を合計10視野計数し、1視野あたり胞子数を平均値として求め、残存胞子数とした。上記の胞子付着数に対する残存胞子数の割合から胞子残存率(下式により算出)を求めた。
胞子残存率(%)=(残存胞子数/胞子付着数)×100
参考例
<変性ポリビニルアルコール樹脂の製造方法>
オキシアルキレンの縮合度が平均20のポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテルと酢酸ビニルとをメタノール中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下に共重合し、ついで残存モノマーを追い出した後、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えてケン化した。ケン化反応により生じたスラリーから共重合体をろ別し、メタノールで3回洗浄を行い、ついで、酢酸ナトリウム1モルあたり1.5モルの酢酸を加えた後、再びメタノールで2回洗浄を行い、酢酸ナトリウム含有量を0.07質量%、酢酸0.026質量%(酢酸ナトリウム1モルに対して0.5モル)に調整した後、乾燥して、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、EO−PVAと略記する)を得た。
このポリマーの平均重合度は270、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテル単位の共重合割合は1.0モル%、ポリマー全体に占めるオキシアルキレン単位の割合は16.1質量%、酢酸ビニル成分のケン化度は96モル%、酢酸ナトリウム含有量は0.07質量%、酢酸含有量は0.026質量%であった。
上記で得たEO−PVAにフェノール系化合物として、融点120℃のペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.3質量%添加し、ラウンドダイを備えた二軸押出機に供給し、温度210℃で押出してペレット状の変性ポリビニルアルコール樹脂を得た。
実施例1
融点が167℃、D−乳酸とL−乳酸のモル比がD/L=1.2/98.8、数平均分子量が99600のポリ乳酸(カーギル・ダウ社製、ネイチャーワークス)と上記参考例で得られた変性ポリビニルアルコールを、変性ポリビニルアルコールの含有量が全体の20質量%となるようにドライブレンドして、1軸エクストルダーに連続供給し、常法により紡糸パックを通して円形断面糸用紡糸口金より溶融紡出した。この際、紡糸温度を210℃、36孔の複合紡糸用口金を使用し、溶融紡出された糸条を冷却装置にて15℃の空気を吹き付けて冷却し、油剤を付与した後、1500m/分の速度で温度90℃の引き取りローラで引き取り、続いて温度110℃の最終延伸ローラに掛けて3.1倍延伸し、4500m/分の速度で捲き取り、総繊度が83dtex、フィラメント数が36本の丸断面のマルチフィラメントを得た。
実施例2
芯成分として融点が167℃、D−乳酸とL−乳酸のモル比がD/L=1.2/98.8、数平均分子量が99600のポリ乳酸(カーギル・ダウ社製、ネイチャーワークス)を用いた。また、鞘成分として、実施例1と同様のポリ乳酸と変性ポリビニルアルコールのブレンド体を用いた。そして、芯成分と鞘成分とが質量比で(芯成分)/(鞘成分)=70/30となるようにして36孔の紡糸孔を有する紡糸口金を有する複合紡糸装置を用いた以外は実施例1と同様に行い、総繊度が83dtex、フィラメント数が36本、丸断面のマルチフィラメントを得た。
比較例1
融点が167℃、D−乳酸とL−乳酸のモル比がD/L=1.2/98.8、数平均分子量が99600のポリ乳酸のみを用いた以外は実施例1と同様に行い、総繊度が83dtex、フィラメント数が36本のマルチフィラメントを得た。
実施例1〜2、比較例1で得られたマルチフィラメントの強度、伸度、吸放湿性、吸水性、胞子付着数、胞子残存率を測定及び評価した結果を表1に示す。
Figure 0004256243
表1から明らかなように、実施例1〜2で得られた繊維は、強度、伸度も十分な値であり、吸放湿性、吸水性ともに優れたものであった。さらに、海苔胞子の付着数、胞子残存率も高く、海苔網用として用いるのに適していた。
一方、比較例1の繊維は、変性ポリビニルアルコールを含有していない繊維であったため、吸放湿性、吸水性ともに有していないものであった。さらに、海苔胞子の付着数、胞子残存率も低く、海苔網用として用いるのに適していなかった。

Claims (2)

  1. オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール樹脂が混合されてなるポリ乳酸系樹脂からなり、オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール樹脂の含有量が繊維質量に対して3〜40質量%であることを特徴とするポリ乳酸系親水性繊維。
  2. 芯鞘型の複合繊維であって、芯部又は鞘部がオキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール樹脂が混合されてなるポリ乳酸系樹脂からなる請求項1記載のポリ乳酸系親水性繊維。
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