JPH10110332A - 生分解性モノフィラメントおよびその用途 - Google Patents

生分解性モノフィラメントおよびその用途

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JPH10110332A
JPH10110332A JP26596096A JP26596096A JPH10110332A JP H10110332 A JPH10110332 A JP H10110332A JP 26596096 A JP26596096 A JP 26596096A JP 26596096 A JP26596096 A JP 26596096A JP H10110332 A JPH10110332 A JP H10110332A
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monofilament
poly
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biodegradable
biodegradable monofilament
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Hisayoshi Nagai
久芳 永井
Kiyoshi Amano
清 天野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水産資材あるいは各種産業資材用途に使用
する繊維としての生分解性と力学的性質が均衡して優れ
たモノフィラメント、およびこのモノフィラメントから
なる水産資材、特に釣糸を提供する。 【解決手段】 本発明の生分解性モノフィラメント
は、融点が70℃以上であるポリアルキレンジカルボキ
シレート類の少なくとも一種を第一成分とし、ポリ乳
酸、ポリ乳酸の共重合ポリマー、およびポリ(β−ヒド
ロキシアルカノエート)類から選ばれた少なくとも一種
を第二成分とするブレンドポリマーを溶融紡糸してなる
ことを特徴とし、前記第一成分/第2成分の重量比が9
5/5〜40/60(合計100重量部)の範囲にある
ことが好ましい。また、本発明の生分解性モノフィラメ
ントは、各種水産資材、特に釣糸の用途に好適であり、
なかでも本発明の生分解性モノフィラメントからなる釣
糸は、優れた生分解性と共に、引張強度4.0g/d以
上、結節強度3.0g/d以上という優れた力学的性質
を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性と力学的
性質が均衡して優れたモノフィラメント、およびこのモ
ノフィラメントからなる水産資材、特に釣糸に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、釣糸など水産資材用途に使用され
るモノフィラメント素材としては、その力学的な要求特
性から、主としてポリアミド、ポリエステル、ポリオレ
フィンおよびポリ弗化ビニリデンなどの合成樹脂が用い
られてきた。
【0003】しかしながら、これらの合成樹脂からなる
水産資材用モノフィラメントは、自然の環境下ではほと
んど分解しないため、使用後に捨てられたり、放置され
た場合には、そのまま半永久的に自然界に残存すること
になり、環境衛生上大きな問題となっていた。
【0004】より具体的には、捨てられた廃棄釣糸が海
底に林立していたり、またこれらの廃棄釣糸や切断釣糸
が鳥や海洋生物に絡み付いて、殺傷したりする事態が頻
発しており、環境保護および自然保護の両面よりその改
善が強く望まれていた。
【0005】そこで、近年では、実用後に自然界の菌類
や微生物により生分解して自然消滅する釣糸、漁網、海
苔網などの水産資材、あるいは各種産業資材用途に使用
する生分解性繊維に関する開発が盛んになっている。
【0006】そして、上記生分解性繊維を構成する生分
解性ポリマーとしては、ポリブチレンサクシネートを代
表とするポリアルキレンジサクシネート類、ポリ−3−
ヒドロキシブチレートを代表とするポリ(β−ヒドロキ
シアルカノエート)類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、
およびポリ−ε−カプロラクトンなどが知られている
が、それぞれのポリマー単独では、生分解性と繊維とし
ての力学的な性能の両方を満足することが難しいことか
ら、最近では異種のポリマーを組合せてブレンドした組
成物からなる繊維の検討が行われており、具体的には
(A)ポリグリコール酸とその他の分解性高分子との混
合物からつくられた漁網(特開平3−262430号公
報)、および(B)ポリ(β−ヒドロキシアルカノエー
ト)とポリ−ε−カプロラクトンとの混合物からなる繊
維(特開平6−264305号公報)などすでに提案さ
れている。
【0007】しかしながら、上記(A)および(B)の
繊維は、いずれも生分解性には優れるものの、上記
(A)の繊維は脆く耐疲労性に問題があり、また上記
(B)の繊維は耐熱性の向上を主題としたものであり力
学的性質の向上については考慮が払われていないことか
ら、いずれも水産資材、あるいは各種産業資材用途に使
用する繊維としての十分な力学的な性能を満足している
とはいい難いものであった。したがって、従来の生分解
性繊維は、いずれも繊維としての十分な力学的性能と、
特に水産資材用途としての十分な生分解性能を兼ね備え
たものではなく、その改良が望まれているのが実状であ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結
果、達成されたものである。
【0009】したがって、本発明の目的は、水産資材あ
るいは各種産業資材用途に使用する繊維としての生分解
性と力学的性質が均衡して優れたモノフィラメント、お
よびこのモノフィラメントからなる水産資材、特に釣糸
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の生分解性モノフィラメントは、融点が7
0℃以上であるポリアルキレンジカルボキシレート類の
少なくとも一種を第一成分とし、ポリ乳酸、ポリ乳酸の
共重合ポリマー、およびポリ(β−ヒドロキシアルカノ
エート)類から選ばれた少なくとも一種を第二成分とす
るブレンドポリマーを溶融紡糸してなることを特徴と
し、前記第一成分/第2成分の重量比が95/5〜40
/60(合計100重量部)の範囲にあることが好まし
い。
【0011】また、本発明の生分解性モノフィラメント
は、各種水産資材、特に釣糸の用途に好適であり、なか
でも本発明の生分解性モノフィラメントからなる釣糸
は、優れた生分解性と共に、引張強度4.0g/d以
上、結節強度3.0g/d以上という優れた力学的性質
を発揮する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。
【0013】本発明の生分解性モノフィラメントの第一
成分を構成する融点が70℃以上であるポリアルキレン
ジカルボキシレート類としては、ポリブチレンサクシネ
ート、ポリエチレンサクシネート、およびポリブチレン
(サクシネート/アジペート)などが挙げられ、これら
は単独または2種以上を組合わせたブレンドの形で用い
ることができる。なお、ポリアルキレンジカルボキシレ
ート類はこれらのみに限定されるものではない。
【0014】また、本発明の生分解性モノフィラメント
の第二成分を構成するポリ乳酸としてはポリ−L−乳酸
および/またはポリ−D−乳酸が、ポリ乳酸の共重合ポ
リマーとしてはL−乳酸/D−乳酸/ラセミ体乳酸の混
合物をモノマーとする共重合ポリマーなどが挙げられる
が、これに限定されるものではない。
【0015】同じく、第二成分を構成するポリ(β−ヒ
ドロキシアルカノエート)類としては、ポリ−3−ヒド
ロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシバリレート、
およびポリ−3−ヒドロキシ(ブチレート/バリレー
ト)などが挙げられるが、これに限定されるものではな
い。
【0016】なお、本発明で用いる上記各ポリマーに
は、例えば顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、結晶化抑制剤、および可塑剤などの各種添加剤
を、目的とする性能を疎外しない範囲で、その重合工
程、重合後あるいは紡糸直前に添加することができる。
【0017】本発明の目的は、水産資材あるいは各種産
業資材用途に使用される繊維としての十分な力学的性能
と生分解性とを均衡に兼備したをモノフィラメントを得
ることであるが、ここでその力学的性能と生分解性につ
いて説明すれば次のとおりである。
【0018】すなわち、本発明でいう繊維としての力学
的性能とは、特に耐摩耗性と耐疲労性である。もちろ
ん、ある程度の引張強さなどの基本的な性能は必要であ
るが、さらにこの耐摩耗性と耐疲労性を兼ね備えること
が、水産資材あるいは各種産業資材用途に使用される繊
維として必要な条件である。
【0019】上述したように、生分解性ポリマーとして
は、ポリアルキレンジカルボキシレート類、ポリ(β−
ヒドロキシアルカノエート)類、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、およびポリ−ε−カプロラクトンなどが存在す
るが、それぞれのポリマー単独で造られた繊維では、こ
の耐摩耗性と耐疲労性の両方を併せて具備することが困
難であった。例えば、ポリアルキレンジカルボキシレー
ト類を代表するポリブチレンサクシネート(曲げ弾性率
0.7GPa)から造られた繊維は、耐疲労性に優れる
が耐摩耗性に劣り、ポリ乳酸(曲げ弾性率3.3GP
a)またはポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)類を
代表するポリ−3−ヒドロキシ(ブチレート/バリレー
ト)(曲げ弾性率2.7GPa)から造られた繊維は、
耐摩耗性に優れるが耐疲労性に劣るといった具合に、一
般的に二律背反的な面があった。
【0020】そこで、本発明者らは、この両特性に優れ
る繊維を造ることを目的に鋭意検討した結果、比較的曲
げ弾性率の低いポリアルキレンジカルボキシレート類を
第一成分とし、比較的曲げ弾性率の高いポリ乳酸、ポリ
(β−ヒドロキシアルカノエート)類を第二成分とした
複合モノフィラメントとすることによって、耐摩耗性と
耐疲労性が共に優れた繊維が得られることを見出したの
である。
【0021】そして、特に第一成分/第二成分の重量比
を95/5〜40/60、好ましくは90/10〜50
/50の範囲として得られるモノフィラメントは、強度
が高く、釣糸として使用した場合のチヂレ難さについて
も良好であることから、水産資材用途、取り分け釣糸と
してきわめて優れている。
【0022】ただし、本発明の生分解性モノフィラメン
トにおいて、上記第二成分の混合割合が5重量部未満で
は、耐摩耗性が低下するばかりか、釣糸とした場合にチ
ヂレを発生し易くなるため好ましくない。また、同じく
60重量部を越えると、結節強度および耐疲労性の低下
が著しくなり、しかも釣糸とした場合にチヂレを発生し
易くなるため好ましくない。
【0023】次に、生分解性について説明する。生分解
性については客観的な評価がなかなか難しい面がある
が、一般的には自然環境下(たとえば土壌中)3〜6か
月程度で引張強力が50%以下に低下、あるいは形状消
失することが理想的である。生分解性を制御する手法と
しては、鞘成分を比較的分解速度の遅いポリマー、芯成
分を鞘成分より分解速度の速いポリマーとした芯鞘複合
繊維の技術(特開平7−305234号公報および特開
平7−324277号公報)が既に知られているが、本
発明の生分解性モノフィラメントは、そのように複合化
手段をとらなくても、優れた生分解性を有すると共に、
従来技術に比較して、引張強度、結節強度、耐摩耗性お
よび耐疲労性などの力学的性質が格段に優れており、釣
糸に代表される水産資材用としてきわめて有用であるこ
とが判明したのである。
【0024】本発明の生分解性モノフィラメントは、以
下に説明する方法により効率的に製造することができ
る。
【0025】まず、上記生分解性モノフィラメントを溶
融紡糸するに際しては、押出紡糸機を用いる通常の条件
を採用することができ、ポリマー温度170〜240
℃、押出圧力10〜500Kg/cm3 、口金孔径0.
1〜5mm、紡糸速度0.3〜100m/分などの条件
を適宜選択することができる。
【0026】紡出されたモノフィラメントは、短い気体
ゾーンを通過した後、冷却浴中で冷却されるが、ここで
冷却媒体としてはポリマーに不活性な液体、通常は水が
用いられる。また、冷却温度は60℃以下である必要が
あり、それを越える温度で冷却する場合には、次の延伸
工程での延伸性が阻害される場合がある。
【0027】冷却固化されたモノフィラメントは、引続
き1段目の延伸工程に送られるが、延伸および熱固定の
雰囲気(浴)としては、ポリエチレングリコール、グリ
セリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体、
乾熱気体浴、および温水浴などが用いられる。
【0028】次いで延伸を行うに際しては、先ず1段目
の延伸を2.5〜5.0倍の倍率に設定し、その後全延
伸倍率が6.0倍以上となる延伸倍率で2段目または2
〜3段目の多段延伸を行う。
【0029】ここで、1段目の延伸倍率が2.5倍未
満、および6.0以上では次工程での糸切れが発生しや
すくなるため好ましくない。
【0030】また、全延伸倍率が6.0倍未満では、得
られるモノフィラメントの引張強度、結節強度が低くな
るため好ましくない。
【0031】多段延伸後には、必要に応じて延伸歪みを
除去することなどを目的として、適度な定長、弛緩熱処
理を行うこともできる。
【0032】このようにして得られる本発明の生分解性
モノフィラメントは、強度、耐摩耗性、耐疲労性など繊
維としての力学的性能と、適度な生分解性(土壌中3〜
6か月で引張強力が50%以下に低下、あるいは形状消
失する)を兼備していることから、各種産業資材用途、
なかでも釣糸、漁網、生簀網などの水産資材用途、取り
分け釣糸としてきわめて有用である。
【0033】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明するが、実施例におけるモノフィラメントの評価は以
下の方法に準じて行った。
【0034】(1)引張強度および結節強度:JISL
1013の規定に準じて測定した。 (2)チヂレ難さ:スピニングリールにモノフィラメン
トを50m巻いて、実際にルアーフィッシングを3時間
行った後のモノフィラメントのチヂレ具合を目視で相対
評価した結果を、下記の基準で示した。 ○ チヂレがほとんどない △ チヂレがややある × チヂレがひどい。
【0035】(3)耐摩耗性:直径50mmの回転体表
面に#320のサンドペーパーを巻つきけて、これを毎
分180回転で回転させる。一方モノフィラメントに1
/20デニールの荷重をかけて垂直にたらし、これを前
記回転体に対し90°の角度で接触させ、モノフィラメ
ントが切断するまでの回転数(回)を測定した。試験回
数は5回とし、その平均値で示した。回数が多いほど耐
摩耗性が優れている。 (4)耐疲労性:屈曲疲労試験機(TOYOSEIKI
社製)用いて測定した。すなわち、試長8cmのモノフ
ィラメントの一端側に500gの荷重をかけ他端側にチ
ャックを振角度220°、回転数180回/分の条件で
振子運動させた場合に、モノフィラメントが切断するま
での運動回数を測定した。試験回数は5回とし、その平
均値で示した。回数が多いほど耐屈曲疲労性が優れてい
る。
【0036】(5)生分解性:資料を土壌中に3か月間
放置して取り出し、モノフィラメントがその形状を消失
しているか、引張強力保持率が50%以下になるものを
「良好」、生分解性を示すがそこまで至らないものを
「やや遅い」と評価した。
【0037】[実施例1]ポリブチレンサクシネート
(MI:1.0g/10分、融点:114℃…ポリマー
A1)を第一成分(80重量部)とし、ポリ−L−乳酸
(MI:1.5g/10分、融点:175℃…ポリマー
B1)を第二成分(20重量部)としたブレンドポリマ
ーを、エクストルーダー型複合紡糸機で230℃で溶融
し、孔径1.5mmの口金を通して紡糸し、さらに20
℃の水浴中で冷却した。
【0038】次に、この未延伸糸を70℃の温水1段目
延伸浴中で4.5倍(E1)に延伸し、引続いて85℃
の2段目乾熱浴中で2.13倍(E2)に延伸し、全延
伸倍率(E1×E2)が9.6倍のモノフィラメントを
得た。
【0039】引続いて、80℃の乾熱浴中に処理倍率
0.9倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0040】[実施例2]ポリブチレン(サクシネート
/アジペート)(MI:1.5g/10分、融点:95
℃…ポリマーA2)を第一成分(80重量部)とし、ポ
リ−3−ヒドロキシ(ブチレート/バリレート)(M
I:8g/10分、融点:162℃…ポリマーC1)を
第二成分(20重量部)として、実施例1と同様に溶融
紡糸、冷却し未延伸糸を得た。
【0041】次に、この未延伸糸を80℃の温水1段目
延伸浴中で3.7倍(E1)に延伸し、引続いて95℃
の2段目乾熱浴中で2.22倍(E2)に延伸し、全延
伸倍率(E1×E2)が10.0倍のモノフィラメント
を得た。
【0042】続いて、80℃の乾熱浴中に処理倍率0.
9倍で通過させ熱処理を施すことにより、0.22mm
のモノフィラメントを得た。
【0043】[実施例3]実施例1で用いたポリマーA
1を第一成分(70重量部)とし、実施例1で用いたポ
リマーB1(15重量部)と実施例2で用いたポリマー
C1(15重量部)のブレンドポリマーを鞘成分とし
て、実施例1と同様に溶融紡糸、冷却し未延伸糸を得
た。
【0044】次に、この未延伸糸を75℃の温水1段目
延伸浴中で4.3倍(E1)に延伸し、引続いて90℃
の2段目延伸浴中で2.18倍(E2)に延伸し、全延
伸倍率(E1×E2)が9.4倍のモノフィラメントを
得た。
【0045】続いて、80℃の乾熱浴中に処理倍率0.
9倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.22
mmのモノフィラメントを得た。
【0046】[比較例1]実施例1で用いたポリマーA
1単独とした以外は、実施例1と同一の製法で直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0047】[比較例2]実施例1で用いたポリマーB
1単独とした以外は、実施例1と同一の製法で直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0048】[比較例3]実施例2で用いたポリマーC
1単独とした以外は、実施例2と同一の製法で直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0049】[比較例4]実施例2で用いたポリマーA
2(第一成分)の混合比を97重量部とし、ポリマーC
1(第二成分)の混合比を20重量部とした以外は、実
施例2と同一の製法で直径0.22mmのモノフィラメ
ントを得た。
【0050】[比較例5]実施例1で用いたポリマーA
1(第一成分)の混合比を30重量部とし、ポリマーB
1(第二成分)の混合比を70重量部とした以外は、実
施例1と同一の製法で直径0.22mmのモノフィラメ
ントを得た。
【0051】上記実施例1〜3および比較例1〜5で得
られた各モノフィラメントについて、モノフィラメント
としての上記各特性を評価した結果を表1に併せて示
す。
【0052】
【表1】 表1の結果から明らかなように、融点が70℃以上であ
るポリアルキレンジカルボキシレート類を第一成分と
し、ポリ乳酸およびそれの共重合ポリマー、ポリ(β−
ヒドロキシアルカノエート)類から選ばれた少なくとも
一種を第二成分とし、取り分け第一成分/第二成分の重
量比が95/5〜40/60の範囲にある本発明のモノ
フィラメント(実施例1〜3)は、繊維としての優れた
力学的性能と生分解性を兼ね備えたものであり、生分解
性モノフィラメントとしての要求性能を理想的に満たす
ものである。
【0053】また、この生分解性モノフィラメントを実
際に釣糸として使用した場合には、使用後のチヂレもほ
とんどなく、釣糸としてきわめて良好であった。
【0054】一方、ポリアルキレンジカルボキシレート
類、ポリ乳酸、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)
類をそれぞれ単独に用いたモノフィラメント(比較例1
〜3)は、強度、耐摩耗性、耐疲労性、生分解性のいず
れかが劣り、水産資材用途における要求性能を満足する
ものではなかった。
【0055】また、本発明の範疇にはあるが、第一成分
/第二成分の重量比が95/5〜40/60の範囲から
外れたモノフィラメント(比較例4,5)は、本発明が
目的とする効果を充分に満たすものではなかった。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生分解性
モノフィラメントは、繊維としての力学的性能および生
分解性が均衡に優れていることから、環境、自然保護の
両面から改善が強く望まれている各種産業資材用途、中
でも水産資材用途、取り分け釣糸用途のモノフィラメン
トとしての要求性能を十分に満たすものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が70℃以上であるポリアルキレ
    ンジカルボキシレート類の少なくとも一種を第一成分と
    し、ポリ乳酸、ポリ乳酸の共重合ポリマー、およびポリ
    (β−ヒドロキシアルカノエート)類から選ばれた少な
    くとも一種を第二成分とするブレンドポリマーを溶融紡
    糸してなることを特徴とする生分解性モノフィラメン
    ト。
  2. 【請求項2】 第一成分/第2成分の重量比が、95
    /5〜40/60(合計100重量部)の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1記載の生分解性モノフィラメン
    ト。
  3. 【請求項3】 融点が70℃以上であるポリアルキレ
    ンジカルボキシレート類が、ポリブチレンサクシネー
    ト、ポリエチレンサクシネート、およびポリブチレン
    (サクシネート/アジペート)から選ばれた少なくとも
    一種であることを特徴とする請求項1または2記載の生
    分解性モノフィラメント。
  4. 【請求項4】 ポリ乳酸がポリ−L−乳酸および/ま
    たはポリ−D−乳酸であり、ポリ乳酸の共重合ポリマー
    がL−乳酸/D−乳酸/ラセミ体乳酸の混合物をモノマ
    ーとする共重合ポリマーであることを特徴とする請求項
    1または2記載の生分解性モノフィラメント。
  5. 【請求項5】 ポリ(β−ヒドロキシアルカノエー
    ト)類が、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3
    −ヒドロキシバリレート、およびポリ−3−ヒドロキシ
    (ブチレート/バリレート)から選ばれた少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項1または2記載の生分
    解性モノフィラメント。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の生分解性モノフィ
    ラメントからなることを特徴とする水産資材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5記載の生分解性モノフィ
    ラメントからなり、引張強度4.0g/d以上、結節強
    度3.0g/d以上であることを特徴とする釣糸。
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