JP5128986B2 - ポリアミド繊維 - Google Patents

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本発明は、ナイロン11を少なくとも繊維表面に配したフィラメントであって、低温環境下で使用する際の結節強力の低下が少なく、かつ耐屈曲疲労性にも優れており、各種の生活用品、産業資材用途に好適に使用することができるポリアミド繊維に関するものである。
従来、ポリアミドを使用した繊維としては、ナイロン6やナイロン66を使用したモノフィラメントやマルチフィラメントがコスト面でも有利であることから多く用いられている。
これらのフィラメントは、通常の環境下で使用する際にはある程度の耐久性や耐疲労性を有しているものである。
しかしながら、各種の装置内部に設置されるフィルター用途に用いたり、極寒の地で使用する漁網やネット等の産業資材に用いる場合、ナイロン6やナイロン66からなるポリアミド繊維は、耐久性や耐疲労性に乏しいものであった。
特許文献1には、ナイロン11を用いた繊維が記載されているが、この繊維はポリアミド樹脂中に導電性カーボンブラックを含有するものであり、電気抵抗値の安定性に優れることを特徴とするものであった。
また、近年、石油資源の減少や地球環境の温暖化が問題視されており、世界的規模で環境問題に対する取り組みが行われるようになってきた。そこで、石油を原料としない資源で、再生が可能である植物を原料とする繊維、フィルム等の樹脂製品が提案されている。
このような環境に配慮した繊維としては、ポリ乳酸からなる繊維が多く提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ポリ乳酸からなる繊維は、通常のナイロン6やナイロン66からなる繊維と比べて、強度も耐摩耗性等も低く、産業資材用途には不向きであるという問題があった。
特開2003−73923号公報 特開平12−27030号公報
本発明は、上記のような問題点を解決し、低温環境下で使用する際の結節強力の低下が少なく、かつ耐屈曲疲労性にも優れており、各種の生活用品、産業資材用途に好適に使用することができ、さらには、地球環境に配慮した植物を原料とするポリマーからなるポリアミド繊維を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、単糸の横断面形状において少なくとも繊維表面にナイロン11が配されたフィラメントであって、ナイロン11のモノマー量が0.35%未満であり、下記式(1)で算出される強力保持率が100〜140%であり、かつ下記式(2)で算出される2万回屈曲後の強度保持率が8%以上であることを特徴とするポリアミド繊維。
(1)・・強力保持率(%)=〔(B/A)×100〕
ただし、温度20℃で測定した結節強力をA(N)、温度マイナス40℃で測定した結節強力をB(N)とする。
(2)・・2万回屈曲後の強度保持率(%)=〔(M/L)×100〕
ただし、屈曲試験前の強度をL(cN/dtex)、屈曲試験後の強度をM(cN/dtex)とする。
本発明のポリアミド繊維は、単糸の横断面形状において少なくとも繊維表面にナイロン11が配されたフィラメントからなるものであるので、低温環境下で結節強力の低下が小さく、低温耐性に優れており、かつ耐屈曲疲労性にも優れており、温度変化の大きい装置内部に設ける部品に用いたり、耐久性が要求される各種の用途に好適に用いることができる。
また、ナイロン11はヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたひまし油を元に、11-アミノウンデカン酸を生成、合成して得られるものであるため、本発明のポリアミド繊維は、再生が可能な植物を原料とする繊維であり、地球環境に配慮した繊維である。
中でも、本発明のポリアミド繊維を構成するナイロン11としてモノマー量が0.35%以下のものを用いると、通常の溶融紡糸、延伸条件で操業性よく得ることができ、結節強力の強力保持率、耐屈曲疲労性ともにさらに優れたものとすることができる。さらには、繊維中から溶出されるモノマー量が微量となるため、衛生的や工業的な基準の厳しい用途にも用いることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のポリアミド繊維は、単糸の横断面形状において少なくとも繊維表面にナイロン11が配されたフィラメントからなるものである。
少なくとも繊維表面にナイロン11が配された横断面形状のものとしては、ナイロン11のみを用いた単成分型のものが好ましいが、他の熱可塑性樹脂とナイロン11とを複合した複合型のものであってもよい。複合型の場合は、このような横断面形状のものとするには、鞘部にナイロン11を配した芯鞘型形状のもの、最外層にナイロン11を配した多層形状のものとすることが好ましい。
そして、単成分型、複合型ともに丸断面のみでなく、三角、四角等の多角形の異形断面形状であってもよく、中空部を有していてもよい。
複合型とする場合は、ナイロン11の割合を50質量%以上とすることが好ましく、中でも60質量%以上とすることが好ましい。ナイロン11の割合が少なすぎると、後述するような低温耐性や耐屈曲疲労性に劣るものとなりやすい。
また、本発明のポリアミド繊維は、単糸の横断面形状が上記のような形状を満足するものであれば、単糸1本のみからなるモノフィラメントでも、複数本の単糸からなるマルチフィラメントであってもよい。さらには、モノフィラメントやマルチフィラメントを短くカットした短繊維であっても、カットせずに用いる長繊維のいずれであってもよい。
中でも長繊維として用いることが好ましく、釣糸やネット用に好適なモノフィラメントとして用いることが好ましい。
マルチフィラメント、モノフィラメントともに、フィラメントの繊度(マルチフィラメントの場合は総繊度、モノフィラメントの場合は単糸繊度)は45〜100000dtexとすることが好ましく、中でも100〜5000dtexとすることが好ましい。
本発明で用いるナイロン11は、11−アミノウンデカン酸を重縮合することにより得られるものである。そして、11−アミノウンデカン酸は、ヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたひまし油を元に生成されるものであるため、植物由来成分からなるものである。
なお、ナイロン11中には、少量であればε−カプロラクタムやヘキサメチレンジアンモニウムアジペートなどの他のポリアミド形成単量体を共重合したものでもよく、ナイロン6やナイロン66等の他のポリアミドをブレンドしたものでもよい。
さらには、ナイロン11中には、効果を損なわない範囲であれば、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、艶消剤、無機充填剤、補強剤、耐熱剤、着色剤、顔料等の各種添加剤を含有していてもよい。
また、前記したように、本発明のポリアミド繊維を複合型とする場合に、ナイロン11とともに用いる他の熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等を用いることができるが、中でも接合面の剥離を防止する観点からポリアミドを用いることが好ましく、特にナイロン6やナイロン66、ナイロン12、ナイロン46等が好ましい。
他の熱可塑性樹脂においても、効果を損なわない範囲であれば他の成分を共重合したりブレンドしたものであってもよく、各種の添加剤を含有するものであってもよい。
そして、本発明のポリアミド繊維は、低温耐性に優れるものであるが、その指標として、温度20℃で測定した結節強力をA(N)、温度マイナス40℃で測定した結節強力をB(N)とし、下記式(1)で算出される強力保持率を用いるものである。そして、強力保持率が100〜10%である
(1)・・強力保持率(%)=〔(B/A)×100〕
温度20℃での結節強力は、通常の室温雰囲気下におけるものを示し、温度マイナス(−)40℃での結節強力は、極寒の地や低温環境下となる装置内における結節強力をいうものである。
(1)式で算出される強力保持率が100%未満であると、マイナス40℃の雰囲気下に晒した際の結節強力の低下が大きく、低温耐性に優れていないことを示す。なお、強力保持率が10%を超える場合というのは、20℃よりもマイナス40℃で測定した結節強力のほうが高い場合をいう
そして、本発明のポリアミド繊維の温度20℃で測定した結節強力は、2.4cN/dtex以上、中でも2.8cN/dtex以上であることが好ましい。
さらに、本発明のポリアミド繊維は、強度4.0cN/dtex以上、伸度15〜55%であることが好ましい。
結節強力が2.4cN/dtex未満であったり、強度が4.0cN/dtex未満であると、産業資材用途として強度が不十分なものとなる。また、伸度が15〜55%の範囲を外れると、強度や耐久性に劣るものとなりやすい。
本発明におけるポリアミド繊維が長繊維の場合の各種の特性値の測定方法について説明する。強度、伸度は、JIS−L−1013 引張強さ及び伸び率の標準時試験に記載の方法に従い、定速伸長型の試験機を使用し、つかみ間隔25cm、引っ張り速度30cm/分で測定するものである。
そして、温度20℃、温度マイナス40℃で測定した結節強力とは、JIS−L−1013 結節強さの標準時試験に従い、かつ上記の引張強さの測定と同様にして、切断時の強さ(N)を測定するものである。なお、それぞれの温度条件下に15時間放置した後に、その温度条件下で測定するものとする。
本発明におけるポリアミド繊維が短繊維の場合の各種の特性値の測定方法について説明する。強度、伸度は、JIS−L−1015 引張強さ及び伸び率の標準時試験に記載の方法に従い、定速伸長型の試験機を使用し、つかみ間隔20mm、引っ張り速度20mm/分で測定するものである。
そして、温度20℃、温度マイナス40℃で測定した結節強力とは、JIS−L−1015 結節強さの標準時試験に従い、かつ上記の引張強さの測定と同様にして、切断時の強さ(N)を測定するものである。なお、それぞれの温度条件下に15時間放置した後に、その温度条件下で測定するものとする。
さらには、本発明のポリアミド繊維は、耐屈曲疲労性に優れるものである。その指標として、2万回屈曲させる屈曲試験を行い、屈曲試験前の強度L(cN/dtex)と屈曲試験後の強度M(cN/dtex)を求めて(2)式で算出される2万回屈曲後の強度保持率を用いるものである。本発明のポリアミド繊維においては、2万回屈曲後の強度保持率が8%以上でさらには90%以上であることが好ましい。
(2)・・2万回屈曲後の強度保持率(%)=〔(M/L)×100〕
本発明における屈曲試験とは、スコット型磨耗試験機を用い、30mmのチャック間に40mmの試料をセットし、直線状態から左右に40°、ストローク速度120回/分で屈曲運動を行うものであり、これを2万回実施する。なお、本発明のポリアミド繊維を短繊維とする場合であって、糸長40mmに満たない場合は、カットする前の繊維を用いるものとする。
そして、屈曲試験前後のポリアミド繊維の強度は、長繊維の場合、短繊維の場合ともに上記の方法で測定するものである。
(2)式で算出される2万回屈曲後の強度保持率が8%未満であると、屈曲疲労性が大きく、使用に際して屈曲されることが多い用途においては、強度の低下が大きく、耐久性に乏しいものとなる。
さらに、本発明のポリアミド繊維においては、ナイロン11のモノマー量が0.35%未満である通常、ポリマー中にはモノマーが存在するものであるが、このモノマー量を通常よりも少なくすることで、溶融紡糸、延伸条件等を厳しく制御することなく、強度、伸度が上記範囲となるようなポリアミド繊維を操業性よく得ることができる。さらには上記したような(1)式で示す強力保持率、(2)式で示す2万回屈曲後の強度保持率ともに高いものとなる。
なお、ナイロン11のモノマー量の測定は、以下のようにして行うものである。ナイロン6チップを凍結粉砕して1mm角以下になるようにし、これを0.5g分精秤し、純水10mlを添加して、60℃のウォーターバス中で2時間抽出する。0.45μmのフィルターでろ過し、GC/MS測定用試料とし、以下に示す条件でGC/MSの測定を行うものである。
装置:GC:アジレント6890N、MS:アジレント 5975C
カラム:5%−ジフェニル−95%−ジメチルポリシロキサン
カラム温度:50℃、昇温測定 20℃/分
キャリアガス:ヘリウム
注入口温度:250℃、注入量1μリットル、スプリット比 10:1
検出器温度:280℃
また、ナイロン11のモノマー量を0.35%未満とする方法としては、チップとイオン交換水を向流で接触させ、浴比(チップ/イオン交換水=1/10〜1/4)、97℃で8〜16時間、抽出処理を行う方法が挙げられる。
次に、本発明のポリアミド繊維(モノフィラメント)の製造方法について一例を用いて説明する。上記のようにしてモノマー量を0.35%未満としたナイロン11チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度230℃で溶融し、紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させる。紡糸糸条を15℃の水で冷却後、引き続きこれを95℃の湯浴中で3.3倍に延伸(第一段延伸)し、その後、190℃の乾熱ヒーター中で1.8倍に延伸(第二段延伸)する。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、347dtexのモノフィラメントを得る。
本発明のポリアミド繊維は、低温環境下で結節強力の低下が小さく、低温耐性に優れており、かつ耐屈曲疲労性にも優れているため、釣糸や漁網、ネット等の産業資材や、温度変化の大きい装置内部に設けるフィルター等の工業製品に好適に用いることができる。さらに、耐屈曲疲労性に優れていることから、各種清掃用ブラシや歯ブラシ等のブラシ用途をはじめとする生活用品にも好適に用いることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例中の強度、伸度、結節強力、強力保持率、2万回屈曲後の強度保持率は前記の方法で測定したものである。
実施例1
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が2.01、モノマー量が0.25%のナイロン11チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度230℃で溶融し、孔径が1.0mmの紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させた。糸条を15℃の水で冷却後、引き続いてこれを95℃の湯浴中で3.3倍に延伸(第一段延伸)し、その後、190℃の乾熱ヒーター中で1.8倍に延伸(第二段延伸)した。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、347dtexのモノフィラメントを得た。
実施例2
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が2.49、モノマー量が0.05%のナイロン11チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度265℃で溶融し、孔径が1.0mmの紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させた。糸条を15℃の水で冷却後、引き続いてこれを95℃の湯浴中で3.4倍に延伸(第一段延伸)し、その後、185℃の乾熱ヒーター中で1.7倍に延伸(第二段延伸)した。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、347dtexのモノフィラメントを得た。
実施例3
紡糸口金より吐出させるナイロン11の量を変更した以外は実施例2と同様行い、523dtexのモノフィラメントを得た。
実施例4
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.50のナイロン6チップを芯成分とし、相対粘度が2.49、モノマー量が0.05%のナイロン11を鞘成分として用い、両成分を複合紡糸装置に導入し、単糸の形状を芯鞘型複合繊維となるようにして溶融紡糸を行った。このとき、芯成分と鞘成分の質量比(芯成分:鞘成分)は50:50とした。
紡糸温度260℃で溶融し、孔径が1.0mmの紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させた。糸条を15℃の水で冷却後、引き続いてこれを90℃の湯浴中で3.1倍に延伸(第一段延伸)し、その後、185℃の乾熱ヒーター中で1.7倍に延伸(第二段延伸)した。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、直径353dtexのモノフィラメントを得た。
比較
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が1.98、モノマー量が0.4%のナイロン11チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度230℃で溶融し、孔径が1.0mmの紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させた。糸条を15℃の水で冷却後、引き続いてこれを95℃の湯浴中で3.3倍に延伸(第一段延伸)し、その後、190℃の乾熱ヒーター中で1.8倍に延伸(第二段延伸)した。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、347dtexのモノフィラメントを得た。
比較例
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.51、モノマー量が0.7%のナイロン6チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度285℃で溶融し、孔径が1.0mmの紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させた。糸条を15℃の水で冷却後、引き続いてこれを95℃の湯浴中で3.1倍に延伸(第一段延伸)し、その後、185℃の乾熱ヒーター中で1.7倍に延伸(第二段延伸)した。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、359dtexのモノフィラメントを得た。
比較例
相対粘度(96%硫酸を触媒として、濃度1g/dl、温度25℃で測定)が3.2、モノマー量が0.8%のナイロン66チップを用い、このチップの水分率を0.05質量%に調整した後、エクストルーダー型溶融押出機に供給し、紡糸温度275℃で溶融し、孔径が1.0mmの紡糸孔を1個有する紡糸口金より吐出させた。糸条を25℃の水で冷却後、引き続いてこれを98℃の湯浴中で3.1倍に延伸(第一段延伸)し、その後、185℃の乾熱ヒーター中で1.7倍に延伸(第二段延伸)した。その後、190℃の温度で0.9倍の弛緩熱処理を行い、362dtexのモノフィラメントを得た。
実施例1〜、比較例1〜で得られたモノフィラメントの特性値を表1に示す。

表1から明らかなように、実施例1〜のモノフィラメントは、強力保持率、強度保持率ともに高く、本発明の(1)、(2)式を満足するものであり、また、強度、伸度も適切な範囲のものであり、低温耐性及び耐屈曲疲労性に優れるものであった。
一方、比較例1〜3のナイロン6モノフィラメント、ナイロン66モノフィラメントともに強度と伸度は適切な数値範囲のものであったが、(1)、(2)式を満足せず、低温耐性及び耐屈曲疲労性に劣るものであった。


Claims (3)

  1. 単糸の横断面形状において少なくとも繊維表面にナイロン11が配されたフィラメントであって、ナイロン11のモノマー量が0.35%未満であり、下記式(1)で算出される強力保持率が100〜140%であり、かつ下記式(2)で算出される2万回屈曲後の強度保持率が8%以上であることを特徴とするポリアミド繊維。
    (1)・・強力保持率(%)=〔(B/A)×100〕
    ただし、温度20℃で測定した結節強力をA(N)、温度マイナス40℃で測定した結節強力をB(N)とする。
    (2)・・2万回屈曲後の強度保持率(%)=〔(M/L)×100〕
    ただし、屈曲試験前の強度をL(cN/dtex)、屈曲試験後の強度をM(cN/dtex)とする。
  2. 強度4.0cN/dtex以上、伸度20〜60%であることを特徴とする請求項1記載のポリアミド繊維。
  3. ナイロン11が、ヒマ(トウゴマ)の種子から抽出されたひまし油を元に生成された11−アミノウンデカン酸を重縮合することにより得られるものであることを特徴とする請求項1又は2記載のポリアミド繊維。
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