JP6736444B2 - 海島型複合繊維及びそれを用いた布帛 - Google Patents

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本発明は、一般衣料及びスポーツウェア等の衣料品、寝具、車両内装材等に使用される、優れた温度調節性能を有する複合繊維及びそれを用いた布帛に関する。
従来より温度調節機能を有する繊維は種々提案されている。例えば、特許文献1、2では、常温付近に融点を有する物質をマイクロカプセルに封入し、このマイクロカプセルを基材に付着させたり、繊維中にマイクロカプセルを混入した布帛を用いた衣料品に関する技術が提案されている。
また、特許文献3、4では、パラフィンワックス組成物を芯成分として用いた温度調節性能に優れる複合繊維に関する技術も提案されている。
また、特許文献5では、芯成分と鞘成分の界面において突起部を形成することで両成分の接触面積が増加し、効率的に熱を移動させることのできる芯鞘型複合繊維に関する技術も提案されている。
特開昭58−55699号公報 特開平1−85374号公報 特開平8−311716号公報 特開2004−11032号公報 特開2015−34367号公報
しかしながら、特許文献1、2のように、マイクロカプセルを繊維又は布帛等の基材に付着させたものでは、マイクロカプセルが点在してしまい繊維全体がその性能を充分に発揮できないといった問題や、使用によって性能が低下し、洗濯耐久性に乏しいといった問題があった。またマイクロカプセルを繊維に混入した場合は、繊維形成樹脂への練り込みや紡糸時の溶融でマイクロカプセルが破壊されるという問題があった。
特許文献3、4のように、相転移材料としてパラフィンワックス組成物を芯成分として用いた複合繊維は、繊維作製時に熱などによりパラフィンワックスが飛散する等により、繊維の製造に困難が伴い、また得られた繊維は優れた温度調節性能が発揮されない等の問題があった。
特許文献5に記載の繊維は、曲げ応力が大きく加わった際、芯鞘界面の剥離が生じやすい問題がある。
本発明の目的は、本発明は上記の課題を解決し、界面の剥離を改善でき、かつ、紡糸性に優れ、より温度調節性能が向上した繊維及び布帛を得ることを目的とする。
本発明者達は、芯鞘型複合繊維の界面剥離の原因を検討した。繊維に曲げの力を加えた際、最も大きな引張応力が生じる部分を上端、最も大きな圧縮応力が生じる部分を下端とすると、芯鞘型複合繊維の上端側の芯鞘界面に発生する引張応力と下端側の芯鞘界面に発生する圧縮応力による芯鞘界面のひずみが剥離の原因になるであろうと考えた。その考えの下に、芯比率だけが異なる2種類の芯鞘型複合繊維の剥離程度を比較したところ、芯比率の小さな芯鞘型複合繊維の方が剥離程度は小さかったことから、芯部の直径が小さくなると剥離が改善することを見出した。さらに、芯比率は同じで、単芯の芯鞘型から多芯の海島型に変更したところ、剥離程度が小さい繊維を提供できることを見出した。さらに、海島型複合繊維は、同じ芯比率の芯鞘型複合繊維と比べて海成分と島成分の接触面積が増加し、より効率的に熱が移動できるため、より優れた温度調節性能を有することを見出した。
すなわち、本発明は、海部と個以上の島部からなり、島部は、式1に示す結晶性ポリαオレフィン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物からなり、海部は、繊維形成樹脂であり、結晶性ポリαオレフィンは、融点が、20℃以上、50℃以下、凝固点が、15℃以上、45℃以下である相転移材料であることを特徴とする海島型複合繊維である。
Figure 0006736444
また、上記海島型複合繊維において、結晶性ポリαオレフィンの融解熱量(ΔHm)は、60J/g以上、100J/g以下、凝固熱量(ΔHc)は、60J/g以上、100J/g以下であることが好ましい。
また、上記海島型複合繊維は、島部及び海部における繊維形成樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びこれらの樹脂の共重合体の少なくとも1つから選ばれる樹脂であることが好ましく、特にポリアミドであることが好ましい。
さらに、本発明は上記海島型複合繊維を含む布帛でもある。
本発明によれば、特定の断面形状とした繊維中に、融点が、20℃以上、50℃以下、凝固点が、15℃以上、45℃以下である結晶性ポリαオレフィンを含有させることで、上記繊維を含む衣料の着用を想定した際、夏場及び冬場で、屋内から屋外への移動時等に生じる環境温度変化に対して、優れた温度調節性能を有し、性能低下がなく、紡糸性が良好で、剥離が改善された繊維およびその布帛を提供できる。
本発明は、海部と島部とからなる海島型複合繊維である。
本発明の海島型複合繊維において、島部は、結晶性ポリαオレフィン及び繊維形成樹脂を含み、海部は、繊維形成樹脂である。また、結晶性ポリαオレフィンは、式1に示される樹脂であることが好ましい。
Figure 0006736444
本発明の海島型複合繊維において、結晶性ポリαオレフィンは、特定の融点と凝固点を有する相転移材料である。
結晶性ポリαオレフィンの融点は、良好な温度調節性能を備える点から、20℃以上、50℃以下である。より好ましくは、25℃以上、45℃以下である。
また、結晶性ポリαオレフィンの凝固点は、良好な温度調節性能を備える点から、15℃以上、45℃以下である。より好ましくは、17℃以上、40℃以下である。
結晶性ポリαオレフィンの融解熱量(ΔHm)は、60J/g以上、100J/g以下、凝固熱量(ΔHc)は、60J/g以上、100J/g以下であることが好ましい。この範囲とすることによって、繊維化した時に優れた温度調節性能が得られる。
島部において、結晶性ポリαオレフィンの含有量は、島部全体に対し、5質量%以上、40質量%以下であることが好ましい。結晶性ポリαオレフィンの含有量が40質量%以下であれば、紡糸性が良好であり、5質量%以上であれば優れた温度調節性能が発揮し易い。より好ましくは、10質量%以上、30質量%以下である。
島部の繊維形成樹脂としては、ポリアミド6(以下、PA6と呼ぶことがある)、ポリアミド12、ポリアミド66等の重合体又はこれらの共重合体であるポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと呼ぶことがある)、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル等の重合体又はこれらの共重合体である芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネート等の重合体又はこれらの共重合体である脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の重合体又はこれらの共重合体であるポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
特に、結晶性ポリαオレフィンが繊維形成樹脂へ分散し易い点から、ポリプロピレンが好適である。
島部は、上記繊維形成樹脂と、結晶性ポリαオレフィンを混練等により混合した樹脂組成物を用いることが好ましい。
海部の繊維形成樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリアミド66等の重合体又はこれらの共重合体であるポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル等の重合体又はこれらの共重合体である芳香族ポリエステル樹脂、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネート等の重合体又はこれらの共重合体である脂肪族ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等の重合体又はこれらの共重合体であるポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
特に、衣料用途に用いる場合は、ポリアミド樹脂又はポリエステル樹脂が好適である。
結晶性ポリαオレフィンを混合した樹脂組成物が繊維表面に露出すると、結晶性ポリαオレフィンがブリードアウトする傾向がある。よって、上記樹脂組成物が露出しないような断面形状を形成することが好ましい。
本発明の複合繊維は、海部及び2個以上の島部からなる海島型複合繊維である。同じ量の結晶性ポリαオレフィンを用いる複合繊維の場合、芯鞘型複合繊維の芯部の直径に比べて海島型複合繊維の島部の直径が小さくなり、曲げにより1つの島に加わる最大引張応力と最大圧縮応力による海島界面のひずみが小さくなるため、剥離が改善されると考えられる。
本発明の海島型複合繊維は、島部の数(島数)としては2個以上、好ましくは4個以上、より好ましくは7個以上である。全島部の総面積が同じ場合、島数が多いほど、剥離が改善する。
海部と島部の比率である海島比率(質量比)は、海部:島部が20:80〜80:20が好ましい。島部比率が80質量%以下であれば、海島型複合繊維の良好な断面形状を形成し易く、島部比率が20質量%以上であれば、優れた温度調節性能を得やすい。より好ましくは30:70〜70:30である。
本発明の海島型複合繊維は、織編物などの布帛とし、一般衣料及びスポーツウェア等の衣料用、寝具、車両内装材用等に用いることができる。
本発明の海島型複合繊維は、織編物に用いる場合、一部に用いても、全部に用いてもよい。一部に用いる場合の具体的な使用比率は、本発明の海島型複合繊維が、混率20質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは、混率35質量%以上である。全部に用いる場合でも何ら問題はない。
本発明の海島型複合繊維の好適な製造方法の例を以下に説明する。
まず、海部及び島部に使用する繊維形成樹脂、結晶性ポリαオレフィンを準備する。島部の繊維形成樹脂と結晶性ポリαオレフィンを、結晶性ポリαオレフィンが均一に混合されるよう溶融混練し、島部に用いる樹脂組成物を得る。その後、島部に用いる樹脂組成物、海部に用いる繊維形成樹脂を、それぞれ溶融し、口金から吐出し、溶融紡糸することによって、本発明の海島型複合繊維を得ることができる。
以下、実施例及び具体例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
以下に示す、融点、凝固点、融解熱量(ΔHm)、凝固熱量(ΔHc)は、示差走査熱量計(Diamond DSC:パーキンエルマージャパン社製)を用いて測定した。示差走査熱量計の測定は以下の条件で行った。
サンプルパン:Al
パージガス:N
温度範囲:−30℃〜60℃
加熱冷却速度:10℃/min
〔実施例1〕
(1)ポリプロピレン系樹脂組成物の作製
ポリプロピレンを、フィーダーによって16.0kg/hrで二軸押出混練機に供給し、融点34℃、凝固点23℃、融解熱量(ΔHm)が77.1 J/g、凝固熱量(ΔHc)が78.5J/gの上記式1の結晶性ポリαオレフィンを、4.0kg/hrにて同時添加し、240℃にて溶融混練し、索状溶融物を水冷してペレタイザーによりペレット化してポリプロピレン系樹脂組成物を得た。
ここで得られたポリプロピレン系樹脂組成物を、示差走査熱量計を用いて測定したところ、ポリプロピレン系樹脂組成物中に含まれる結晶性ポリαオレフィンの融点が29.7℃、凝固点が24.3℃、ポリプロピレン系樹脂組成物は、融解熱量(ΔHm)が11.8 J/g、凝固熱量(ΔHc)が12.0 J/gであった。
(2)紡糸方法
前記ポリプロピレン系樹脂組成物及びポリアミド6を紡糸原料としてエクストルーダ型複合紡糸機を用いて温度250℃で複合紡糸を行った。
紡糸に際しては、ポリプロピレン系樹脂組成物を島部(島数は7)、ポリアミド6が海部となるように別々に溶融してから250℃の温度で海島型紡糸用口金より紡出し、冷却、オイリングしつつ紡速800m/分で捲取った。その後、延伸機を使用して80℃で3.0倍に熱延伸し、プレートヒーターにて150℃で熱セットし、78dtex/24fの延伸糸である海島型複合繊維を得た。この海島型複合繊維の海島比率は、50:50(質量比)である。
(3)繊維の物性
得られた繊維を、示差走査熱量計を用いて測定したところ、融解熱量(ΔHm)が 4.1J/g、凝固熱量(ΔHc)が3.1J/gであり、繊維中に含まれる結晶性ポリαオレフィンの融点が31.7℃、凝固点が25.6℃であった。
(4)温度調節性能評価用の筒編布部材の作製
得られた繊維を、筒編試験機(英光産業株式会社製CR−B、径3.5インチ、針数260本)にて幅8cmの筒編地を作製した。その筒編地を長さ10cmにカットした部材を2枚作製し、得られた2枚の部材を重ねて、筒編布部材とした。
〔実施例2〕
海島型複合繊維の島数を、19と変更する以外は、実施例1と同様に紡糸して海島型複合繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔実施例3〕
海島型複合繊維の海部をポリエチレンテレフタレートに変更し、繊度を84dtex/24f、海島比率(質量比)を海:島=60:40、紡糸温度を285℃に変更した以外は、実施例1と同様に紡糸して海島型複合繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔実施例4〕
海島型複合繊維の島数を、19と変更した以外は、実施例3と同様に紡糸して海島型複合繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔比較例1〕
島数を、1と変更した芯鞘型複合繊維とする以外は、実施例1と同様に紡糸して芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔比較例2〕
島数を1と変更した芯鞘型複合繊維とする以外は、実施例3と同様に紡糸して芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔比較例3〕
芯鞘比率(質量比)を芯:鞘=7:93の芯鞘型複合繊維とする以外は、比較例1と同様に紡糸して芯鞘型複合繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔比較例4〕
ポリアミド6を紡糸原料とし、紡糸用口金を海島型用から単独糸用に変更する以外は、実施例1と同様の条件で紡糸し、78dtex/24fのポリアミド繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
〔比較例5〕
ポリエチレンテレフタレートを紡糸原料とし、紡糸用口金を海島型用から単独糸用に変更した以外は、実施例3と同様の条件で紡糸し、84dtex/24fのポリエステル繊維を得た。得られた繊維を用いて実施例1と同様に筒編布部材を作製した。
実施例1〜実施例4、比較例1〜5について、以下のような評価方法で、紡糸性及び温度調整性能の評価を行った。
<紡糸性>
以下の基準により紡糸性評価を行った。
○:24時間連続紡糸時、糸切れが発生せず、得られた繊維について毛羽等の不良は発生しない。
△:24時間連続紡糸時、糸切れが2回以下で発生し、得られた繊維について毛羽等の不良が発生しないか、あるいは僅かに発生する。
×:24時間連続紡糸時、糸切れが3回以上で発生し、紡糸性が不良である。
<温度調節性能評価>
実施例及び比較例から得られた筒編布部材を準備した。ここで、芯鞘型複合繊維については、鞘部を海部として、以下の通り、評価する。
昇温時の温度調節性能測定では、まず、得られた繊維からなる筒編布部材と、得られた繊維の海部に用いた樹脂の単独糸からなる筒編布部材にそれぞれ温湿度センサを包んだ。2つの筒編布部材を同時に25℃、30%RHに設定された恒温恒湿機で0.5hr静置後、36℃、70%RHに設定された恒温恒湿機に筒編布部材を移動させ0.5hr静置した。その間、温湿度センサは10秒に1回、温湿度を測定、記録しており、温湿度センサにより測定された温度のデータを、縦軸を温度(℃)、横軸を時間(分)のグラフにプロットし、海島型複合繊維と単独糸の2つの曲線を得た。
降温時の温度調節性能測定では、まず、得られた繊維からなる筒編布部材と、得られた繊維の海部に用いた樹脂の単独糸からなる筒編布部材にそれぞれ温湿度センサを包んだ。2つの筒編布部材を同時に36℃、70%RHに設定された恒温恒湿機で0.5hr静置後、25℃、30%RHに設定された恒温恒湿機に筒編布部材を移動させ0.5hr静置した。その間、温湿度センサは10秒に1回、温湿度を測定、記録しており、温湿度センサにより測定された温度のデータを、縦軸を温度(℃)、横軸を時間(分)のグラフにプロットし、海島型複合繊維と単独糸の2つの曲線を得た。
同一の時間での、2つの曲線の温度の差の絶対値を「性能温度差」とし、「性能温度差」が最大となる値を「最大性能温度差」、環境変化後から「性能温度差」が0℃になるまでの時間を「継続時間」とした。「最大性能温度差」は大きいほど温調性能が高く、「継続時間」は長いほど温調性能が高い。
<耐剥離性>
得られた海島型複合繊維を、海部樹脂がポリアミド6の場合はピン仮撚で1ヒーター(温度150℃)、Z撚り、3300T/mの撚りをかけ、海部樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合はピン仮撚で1ヒーター(温度170℃)、Z撚り、2000T/mの撚りをかけ、ポリエチレンにて包埋後、ミクロトームで切片を作製した。顕微鏡にて糸断面を観察し剥離状態を確認した。以下の式で示される剥離程度を求め、以下の基準により耐剥離性を評価した。
〔数1〕
剥離程度(%)=〔100−{島部面積/(海島型複合繊維全体の面積−海部面積)}×100〕
○:剥離程度が、5%未満
△:剥離程度が、5%以上、10%以下
×:剥離程度が、10%を超える
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0006736444
以上の通り、実施例1〜4から得られた海島型複合繊維は、紡糸性に優れ、環境温度変化時の温度調節性能に優れ、耐剥離性に優れたものであった。

Claims (5)

  1. 海部と個以上の島部からなり、島部は、式1に示す結晶性ポリαオレフィン及びポリプロピレンを含む樹脂組成物からなり、海部は、繊維形成樹脂であり、結晶性ポリαオレフィンは、融点が、20℃以上、50℃以下、凝固点が、15℃以上、45℃以下である相転移材料であることを特徴とする海島型複合繊維。
    Figure 0006736444
  2. 結晶性ポリαオレフィンの融解熱量(ΔHm)は、60J/g以上、100J/g以下、凝固熱量(ΔHc)は、60J/g以上、100J/g以下である請求項1に記載の海島型複合繊維。
  3. 島部及び海部における繊維形成樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びこれらの樹脂の共重合体の少なくとも1つから選ばれる樹脂である請求項1又は2に記載の海島型複合繊維。
  4. 海部の繊維形成樹脂がポリアミド樹脂である請求項1〜3いずれか1項に記載の海島型複合繊維。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の海島型複合繊維を含む布帛。
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