JP2779972B2 - 分解性釣糸及びその製造法 - Google Patents

分解性釣糸及びその製造法

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昌和 鈴木
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、釣糸及びその製造法に関し、加水分解性を
有する特殊な素材をもって構成したことに特徴を有する
ものである。
(従来技術) 従来、釣糸を構成する素材としては安価で強度的に優
れるナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成
繊維が用いられている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、かかる合成繊維より成る釣糸は自然の
環境下で殆んど分解せず、捨てられたり放置されればそ
のまま半永久的に自然界に残存する問題がある。
特に、近年では釣人口の増加とともに野鳥等への影響
も深刻化しており、環境、自然保護の両面よりその改善
が強く望まれているところである。
本発明はかかる点、自然環境下で徐々に分解し、最終
的に消失してしまう従来にない新規な釣糸並びにその製
造法を提供したものである。
(問題を解決するための手段) しかるに、本発明はポリグリコール酸、或はグリコリ
ドと他の分解性高分子モノマーとの共重合物、更にはポ
リグリコール酸と他の分解性高分子との混合物をその構
成素材とすること、及び、これに親水性の加工剤を添加
した構成、また、釣糸を構成したときの固有粘度が0.6
以上であるポリグリコール酸をその構成素材としたこ
と、その切断強度が6g/d以上,切断伸度が30〜40%の範
囲であること、20℃の淡水または海水中に14日間放置し
たとき、その切断強度が初期に対して25%以上維持され
ていることを特徴とする分解性釣糸の構成であり、その
製法においては、固有粘度が0.7以上であるポリグリコ
ール酸を少なくともその構成素材とし、これを溶融紡糸
し、5〜10倍に熱延伸した後0.85〜0.95倍の弛緩熱処理
を行なうこと、及び、かかる溶融紡糸,熱延伸,弛緩熱
処理後の糸条に対し更に真空下において結晶化温度以
上、融点以下の熱処理を2時間以上加えることに特徴を
有するものである。
(作用) 本発明は、その構成において、特に分解性を有するポ
リグリコール酸、或はグリコリドと他の分解性高分子モ
ノマーとの共重合物、更には、ポリグリコール酸と他の
分解性高分子との混合物をその構成素材としているた
め、水分による分解性を有し、特に、その固有粘度、共
重合化率、混合率、熱処理条件等にもよるが自然環境下
に放置し、例えば、20℃の淡水、海水中において14日後
にはその強度が約1/4〜1/2に低下し、遅くとも約120日
以上経過後においてはモノマー化して微生物の餌とな
り、消失してしまうため従来のような放置に伴う諸問題
が解消できる。
本発明を構成する素材であるポリグリコール酸とは、
以下の構造を有するものを指し、 これと共重合化し、或は、混合する分解性高分子として
は、L−ラクチド、D,L−ラクチド、D−ラクチド、L
体とD体の混合ラクチドを原料として化学的に重合、合
成されたポリラクチド、或はパラジオキサノン、カプロ
ラクトン等を例示できる。
一般に、これらの分解性高分子はポリグリコール酸と
は異なった分解性を示し、分解速度が遅い。従って、こ
れとの共重合化、混合において、その比率を変えること
によって所望の機能、例えば、分解速度を調整すること
ができる。
尚、かかる構成において、親水性の加工剤、例えば、
有機、無機の親水性剤を添加させることは、水中での分
解性を促進し、即ち、不要となった釣糸は、一刻も早く
分解することが望まれるため、吸水してその分解を促進
する目的において、有効である。
また、その物性において、切断強度を6g/d以上,切断
伸度を30〜40%(これの測定はJIS法による)とした構
成は、かかる散の範囲にあることが使用時における釣糸
としての要求機能を満足させるものである。
なお、釣糸を構成したときのポリグリコール酸の固有
粘度を0.6以上と特定したのもかかる性能を付与するた
めである。
一方、本発明はその製造法において固有粘度0.7以上
のものを溶融紡糸後5〜10倍に熱延伸し、かかる後0.85
〜0.95倍の弛緩熱処理を行なうことを特徴とする。かか
る製造条件は前記した必要機能を付与するために必要な
条件である。
即ち、ポリグリコール酸は通常230〜250℃て溶融紡糸
されるが、かかる段階において固有粘度がおよそ10〜15
%程度低下し、紡糸性、強度を損なう原因となる。従っ
てそのために予め分子量の高い、即ち、固有粘度0.7以
上のポリグリコール酸を用いる必要があり、かかる要件
と延伸、弛緩等の処理によって前記した性能が付与され
る。従って、かかる条件によって製造された釣糸はポリ
グリコール酸の固有粘度が0.6以上となり、必要機能が
付与される。
尚、ここでいう固有粘度とは、ヘキサフルオロイソプ
ロパノール10に対しトリクロロフェノール7の割合で混
合した溶媒中にポリグリコール酸を0.5g/dlの割合で添
加し、これを230℃で10分間加熱処理して溶融させた
後、30℃の恒温槽中にて測定したときの粘度であり、こ
の値が高いことは、分子量が高いことを示す。
また、紡糸、延伸、弛緩熱処理後において適宜の条件
による熱処理、例えば、真空下において結晶化温度以
上、融点以下の熱処理を2時間以上具体的には、80〜20
0℃で2〜36時間の熱処理を行なえば、強度劣化の程度
を遅延させ、或は調整することが可能になる。
本発明は、かかる素材構成、製造方法の適用により、
少なくとも自然界におけるごく一般的な条件、即ち、20
℃の淡水,海水中に14日間放置した場合において強度が
25%以上維持され、さらにかかる状態においておよそ12
0日以上放置後においては完全に分解してモノマー化
し、微生物の作用によって消失してしまう理想的な機能
を有することになる。
以下、実施例を挙げて説明する。
(実施例1) 固有粘度0.8のポリグリコール酸を原料とし、これを
ノズル温度250℃で溶融紡糸した後30℃に急冷し、90℃
の環境下で6倍に延伸し、次いで0.9倍の弛緩熱処理を
行って直径0.22ミリの本発明釣糸を構成した。
(実施例2) 上記のようにして得た釣糸に対し、更にこれをボビン
に巻き、真空下において98℃,12時間熱処理して本発明
釣糸を得た。
このようにして得た本発明各実施例の釣糸は以下の第
1表に示すような性能を有した。
かかる性能は、通常の釣糸として必要な機能を備えた
ものであり、また、長期的には徐々に分解して強力低下
を来し自然界に消失する。
尚、かかる評価において、14日後の評価は浴比1:600,
20℃の生理食塩水中に継続して浸漬した後の測定データ
であり、その測定はJIS法によって行なった。
(発明の効果) 本発明は以上のように経時的に強化劣化し、最終的に
は自然の中で消失してしまう特性を有するので従来のよ
うな環境汚染等の問題を生じない。
また、かかる釣糸の特徴としてヤング率が比較的高い
ためアタリが分かりやすい特徴も有する。
尚、本発明においては、分子量を変えたりポリラクチ
ド、パラジオキサノン、カプロラクトン等との混合、共
重合化、親水性剤の添加、熱処理等によって分解性のコ
ントロールが可能であるため目的に応じて、その性能に
変化を持たせることができる。
また、本発明においては機能改善のため釣糸に対して
通常行われるところのコーティング等の加工、あるい
は、素材中への界面活性剤、無機物等の充填を行っても
良い。
また、かかる釣糸の構成は、モノフィラメト、マルチ
フィラメント、合撚、組紐状等その形態は任意である。
更に、かかる素材を適用して糸、紐、ロープ、綱、シ
ート、フィルム、成型物等を構成し、漁業、農業等の産
業分野において、使い捨て、放置に伴う環境汚染を回避
するに必要があればこれを利用すれば同一効果を得るこ
とができる。
特に、その使用後放置される可能性の高い遠洋漁業用
の綱、成長にあわせて張替、入替えが行なわれるホタテ
貝、真珠貝等貝の養殖用綱、高級魚養殖用の綱等におい
ては有効である。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリグリコール酸と他の分解性高分子との
    混合物をその構成素材とすることを特徴とする分解性釣
    糸。
  2. 【請求項2】釣糸を構成したときの固有粘度が0.6以上
    であるポリグリコール酸をその構成素材としたことを特
    徴とする分解性釣糸。
  3. 【請求項3】その切断強度が6g/d以上、切断伸度が30〜
    40%の範囲に調整されて成ることを特徴とする分解性釣
    糸。
  4. 【請求項4】切断強度が6g/d以上、切断伸度が30〜40%
    の範囲に調整されたポリグリコール酸と他の分解性高分
    子モノマーとの共重合体より成る分解性釣糸。
  5. 【請求項5】親水性の加工剤が添加されていることを特
    徴とする請求項1〜4記載の分解性釣糸。
  6. 【請求項6】20℃の淡水又は海水中に14日間放置したと
    き、その切断強度が初期に対して25%以上維持されてい
    ることを特徴とする請求項1〜5記載の分解性釣糸。
  7. 【請求項7】固有粘度が0.7以上であるポリグリコール
    酸を少なくともその構成素材とし、これを溶融紡糸し、
    5〜10倍に熱延伸した後、0.85〜0.95倍の弛緩熱処理を
    行うことを特徴とする分解性釣糸の製造法。
  8. 【請求項8】溶融紡糸、熱延伸、弛緩熱処理後の糸条に
    対し更に真空下において結晶化温度以上、融点以下の熱
    処理を2時間以上加えることを特徴とする分解性釣糸の
    製造法。
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