JP2855228B2 - 漁 網 - Google Patents

漁 網

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は漁網に関し、分解性を有する特殊な素材をも
って構成したことに特徴を有するものである。
(従来技術) 従来、漁網を構成する素材としては安価で強度的に優
れるポリアミド系、ポリエステル系、ポリエチレン系等
の合成繊維糸が用いられている。
(発明が解決しようとする問題点) かかる素材より成る漁網は自然の環境下において極め
て安定であり、長期にわたってその強度を維持するた
め、逆に不要時の処分に困難を来し、環境汚染の原因と
なっている。
例えば、近海漁業においてはほぼ1シーズンで老朽化
し、その処分が必要となってくるが陸上に放置すると長
期にわたって産業廃棄物として残存し、また、焼却する
となると炉を傷めたり、大気汚染の原因となる。
また、遠洋漁業においては、一般海の漁獲量を高める
ためしばしば漁網を漁場に投棄してくるが、これとて前
記した性質が災いし、半永久的に海中に残存して海洋汚
染の原因となっている。
一方、近年獲る漁業から育てる漁業へと栽培漁業も盛
んになってきているが、これに使用される網、例えば、
生簀用の網、貝の養殖用の網等においても老朽化に伴う
取り替え、処分が必要であり、また、老朽化しないまで
も養殖している魚介類の成長に合せて新規な網への入れ
替え、網の張り替え作業が必要となってくる。
本発明は、かかる点、自然の環境下、特に水分の影響
によって劣化し、長期的には分解して自然の中に消失し
てしまう従来にない新規な漁網を提供したもので従来の
放置に伴う環境汚染の問題を解消でき、また、養殖等に
おいては新規な網への入れ替え、張り替え作業を軽減で
きる特徴を有するものである。
(問題を解決するための手段) しかるに、本発明はその構成において、分解性高分子
をその素材としたこと、かかる分解性高分子をポリグリ
コール酸,ポリ乳酸,或は、グリコリドと他の分解性高
分子モノマーとの共重合物,更には、ポリグリコール酸
と他の分解性高分子との混合物で構成したことに特徴を
有するものである。
(作用) 本発明は、前記のように分解性、特に、水分により分
解する高分子にて漁網を構成したので、水中に放置して
およそ数ヵ月〜1年以上経過後にはモノマー化し、最終
的には微生物の餌となって消失してしまうので従来のよ
うな放置に伴う環境汚染の問題を生じない。
また、かかる性質を利用し、養殖用としては例えば、
分解性の速い小網を内側に、分解性の遅い大網をその外
側に配置しておけば、或は、ある一定期間経過後新たに
小網の外側に網を張れば、内側の網が先に分解、消失し
てしまうので結果として大網と張り替え、或は、成長し
た魚介類と入れ替えたと同じ状況となり、従来の張り替
え、入れ替えに伴う過酷な作業を軽減することができ
る。
尚、本発明を構成するポリグリコール酸は、以下の構
造式で示され、 グリコリドは以下の構造式で示される。
また、ポリ乳酸は、L体、D,L体、D体等の異性体,L
体とD体の混合ラクチドを原料として化学的に重合、合
成されたものがあるが、以下の構造式で示される。
本発明においては、これらポリグリコール酸,グリコ
リド、l−ラクチド、D,L−ラクチド、D−ラクチド、
L体とD体の混合ラクチドを原料として化学的に重合、
合成されたポリラクチドを夫々単独で用い、或は、これ
らグリコリドとラクチドの共重合物、混合物として、更
には、グリコリドとパラジオキサノン、またはカプロラ
クトン等との混合,共重合物として、更には、ラクチド
とラジオキサノン、または、カプロラクトン等との混
合,共重合物として用いる。
これらの分解性ポリマーは夫々異なった分解性、弾
性、強度を示し、その分子量、重合比率、混合比率によ
っても様々な特性を示す。
従ってその目的、用途によって適宜これらを選択して
用いることができ、例えば、2ヵ月単位で分解性の異な
る構成とすることができる。
前記したポリマーの性状について一例を挙げると、ポ
リグリコール酸、グリコリドは他のポリマーと比較して
分解速度が速く、約20℃に維持された水中において数ヵ
月でモノマー化し、分解してしまうが、漁網として必要
とされる4g/d以上の強度、25〜40%の伸度を備え、透明
感、乱反射のない性質も有する。以下、実施例を挙げて
説明する。
(実施例1) 固有粘度0.8のポリグリコール酸を原料とし、これを
ノズル温度250℃で溶融紡糸した後30℃に急冷し、90℃
の環境下で6倍に延伸し、次いで0.9倍の弛緩熱処理を
行って直径0.221ミリのモノフィラメント糸を得た。
かかる糸条件について、JISの測定法に準じてその物
性を測定したところ強度5.8g/d,伸度27.9%の性能を有
した。
尚、ここでいう固有粘度とは、ヘキサフルオロイソプ
ロパノール10に対しトリクロロフェノール7の割合で混
合した溶媒中にポリグリコール酸を0.5g/dlの割合で添
加し、これを230℃で分間加熱処理して溶融させた後、3
0℃の恒温槽中にて測定したときの粘度であり、この値
が高いことは、分子量が高いことを示す。
以上のようにして得た糸条を用い、漁網を編成し、20
℃の水中に継続して浸漬してその強度低下、分解の変化
を観察したところ、約1週間後には強度が約50%に半減
し、3週間後においては強度がほぼゼロとなり、6週間
以上経過後においてはモノマー化して繊維状のものが消
滅してしまった。
尚、かかるポリグリコール酸においては、これによて
糸条を構成する際には、固有粘度0.7以上のものを溶融
紡糸後5〜10倍に熱延伸し、しかる後0.85〜0.95倍の弛
緩熱処理を行なうのが好適である。
即ち、ポリグリコール酸は通常230〜250℃て溶融紡糸
されるが、かかる段階において固有粘度がおよそ10〜15
%程度低下し、紡糸性、強度を損なう原因となる。従っ
て、そのために予め分子量の高い、即ち、固有粘度0.7
以上のポリグリコール酸を用いる必要がある。
また、かかる処理後の糸に対し、更に、結晶化温度以
上、溶融以下の熱処理を2時間以上具体的には、80〜20
0℃で2〜36時間の熱処理を行なうことは、強度劣化の
程度を遅延させ、或は調整する上において有効な手段で
ある。
(発明の効果) 本発明は以上のように経時的に強度劣化し、最終的に
は自然の中で消失してしまう特性を有するので、老朽化
した網の処分も不要となり、海中に投棄して、或は陸上
に放置して、何れも水分の影響を受けて分解、消失する
ため従来のような環境汚染の問題を生じない。
また、本発明においては、分子量を変えたり異種のポ
リマーとの共重合化、混合により分解性のコントロール
が可能であり、その目的に応じて、性能に変化を持たせ
ることができる利点がある。
例えば、網の張り替え、魚介類の入れ替えが必要な養
殖の場合においては予め分解速度の異なるものを組み合
わせて網を構成しておけば、網の張り替え、入れ替えに
伴なう余計な作業が省略でき、一例を挙げるならば、帆
立貝、真珠貝等の養殖においては成長の段階に応じて大
きさの異なる網への入替えが必要であるが、かかる構成
の網を用いれば過酷な作業を行なわなくて済む。
尚、かかる構成において、親水性の加工剤、例えば、
有機、無機の親水性剤をポリマーに添加させることは、
水中での分解性を促進し、不要となった漁網を早期に分
解し、消失させるために有効である。
また、養殖等、長期間水中に放置するものにおいて
は、銅線、銀糸と合撚し、或は銅イオン、銀イオンを発
生する微粒子をコーティングし、或はポリマー中に練り
込んで抗菌性を付与した糸条とすれば、藻の付着を防止
でき、酸欠によるトラブルを解消できる。
尚、網を構成する糸の形態としては、モノフィラメ
ト、マルチフィラメント、合撚、組紐状等その態様は任
意であり、また、かかる素材を適用して糸、紐、ロー
プ、網、シート、フィルム、成型物等を構成し、当該分
野において使い捨て、放置に伴う環境汚染を回避するに
必要があればこれを用いれば本発明と同一の効果を得る
ことができるものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固有粘度が0.7以上のポリグリコール酸を
    構成素材としたことを特徴とする漁網。
  2. 【請求項2】ポリ乳酸を構成素材としたことを特徴とす
    る漁網。
  3. 【請求項3】グリコリドと他の分解性高分子モノマーと
    の共重合物を構成素材としたことを特徴とする漁網。
  4. 【請求項4】グリコール酸と他の分解性高分子との混合
    物を構成素材としたことを特徴とする漁網。
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