JPH07126914A - 生分解性モノフイラメントとその製造法 - Google Patents

生分解性モノフイラメントとその製造法

Info

Publication number
JPH07126914A
JPH07126914A JP30090593A JP30090593A JPH07126914A JP H07126914 A JPH07126914 A JP H07126914A JP 30090593 A JP30090593 A JP 30090593A JP 30090593 A JP30090593 A JP 30090593A JP H07126914 A JPH07126914 A JP H07126914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
monofilament
strength
polymer
biodegradable
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30090593A
Other languages
English (en)
Inventor
Madoka Hirano
まどか 平野
Yoshihiro Kan
喜博 冠
Shuji Takahashi
修治 高橋
Masatsugu Mochizuki
政嗣 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP30090593A priority Critical patent/JPH07126914A/ja
Publication of JPH07126914A publication Critical patent/JPH07126914A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価で、一定の耐熱性を有する高強度の生分
解性モノフィラメントを提供する。 【構成】 高重合度のポリブチレンサクシネートとポリ
エチレンサクシネートとのモル比 100/0 〜70/30又は
15/85〜 0/100 の共重合体からなり、引張強度が 4.0
g/d以上、結節強度が 3.0g/d以上である生分解性
モノフィラメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性を有するポリ
ブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート又は
これらの共重合体からなる生分解性モノフィラメントと
その製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、漁業や農業、土木用として用いら
れる産業資材用繊維としては、強度及び耐候性の優れた
ものが要求されており、主としてポリアミド、芳香族ポ
リエステル、ビニロン、ポリオレフィン等からなるもの
が使用されている。しかし、これらの繊維は自己分解性
がなく、使用後、海や山野に放置すると種々の公害をひ
き起こすという問題がある。この問題は、使用後、焼
却、埋め立てあるいは回収再生により処理すれば解決さ
れるが、これらの処理には多大の費用を要するため、現
実には海や山野に放置され、景観を損なうばかりでな
く、鳥や海洋生物、ダイバー等に絡みついて殺傷した
り、船のスクリューに絡みついて船舶事故を起こしたり
する事態がしばしば発生している。
【0003】このような問題を解決する方法として、自
然分解性(微生物分解性又は生分解性)の素材を用いる
ことが考えられる。
【0004】従来、自然分解性ポリマーとして、セルロ
ースやキチン等の多糖類、カット・グット(腸線)や再
生コラーゲン等の蛋白質やポリペプチド(ポリアミノ
酸)、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)、ポリグ
リコリドやポリラクチドのようなポリ(α−オキシ
酸)、ポリ−ε−カプロラクトン等の脂肪族ポリエステ
ル等がよく知られている。
【0005】しかし、これらのポリマーから繊維を製造
する場合、多糖類やポリアミノ酸のように湿式紡糸法で
製造しなければならなかったり、ポリ(α−オキシ酸)
のように素材のコストが極めて高いため、製造原価が高
価になったり、高強度の繊維が得ることができなかった
りするという問題があった。また、ポリ−ε−カプロラ
クトンは比較的安価な完全生分解性のポリマーであっ
て、溶融紡糸可能であるが、融点が60℃と低いためにそ
の用途が一部制限されるという問題があった。
【0006】また、安価な自然崩壊性の素材として、ポ
リエチレンに澱粉を配合したものが検討されており、買
物袋として一部実用化されているが、完全に生分解され
ないばかりか、強度等の機械的特性が著しく劣ったもの
となる。
【0007】微生物が自然界で産生するポリ(β−ヒド
ロキシアルカノエート)は、融点が130 ℃〜180 ℃の熱
可塑性ポリエステルとしてよく知られており、繊維を製
造することも試みられている。例えば、引張強度が3g
/dのモノフィラメントが得られたという報道(1992年
1月17日付日刊工業新聞)があるが、この強度では実用
上十分でないとともに、このポリマーは極めて高価であ
るという問題があった。
【0008】このような問題を解決するものとして、本
発明者らは、先に、ポリプロピオラクトンから高強度
で、かつ、一定の耐熱性を有する生分解性モノフィラメ
ントが得られることを見出した(特開平5−78912
号)。この生分解性モノフィラメントは従来品に比べ良
好な特性を示したが、ポリプロピオラクトンポリマーは
工業的に生産されていないため、原料ポリマーが安定し
て得られないという点で問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価で、か
つ、実用に供することができる一定の耐熱性を有し、自
然環境下で、微生物により完全に分解される生分解性モ
ノフィラメントとその製造法を提供しようとするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、比較的安価に合成することができ
るポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネー
ト又はこれらの共重合体からなるポリマーを用い、これ
を適切な条件で製糸することによりこの目的が達成され
ることを見い出し、本発明に到達した。
【0011】すなわち、本発明の要旨は、次のとおりで
ある。 (1) 高重合度のポリブチレンサクシネートとポリエチレ
ンサクシネートとのモル比 100/0 〜70/30又は15/85
〜 0/100 の共重合体からなる生分解性モノフィラメン
トであって、その引張強度が 4.0g/d以上、結節強度
が 3.0g/d以上であることを特徴とする生分解性モノ
フィラメント。 (2) 高重合度のポリブチレンサクシネートとポリエチレ
ンサクシネートとのモル比 100/0 〜70/30又は15/85
〜 0/100 の共重合体からなるポリマーを溶融紡糸し、
紡出糸条をポリマーの結晶化温度より10℃低い温度から
結晶化温度より40℃低い温度までの温度範囲で冷却し、
その後一旦巻き取った後又は巻き取ることなく連続して
延伸することを特徴とする生分解性モノフィラメントの
製造法。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるポリブチレンサクシネート、ポリエチレン
サクシネート又はこれらの共重合体は、高重合度のもの
であることが必要であり、数平均分子量約30,000以上の
ものが、製糸性及び得られる糸条の特性の点で好まし
い。
【0013】ポリブチレンサクシネートとポリエチレン
サクシネートとの共重合組成は、モル比で 100/0 〜70
/30又は15/85〜 0/100 の範囲にあることが必要であ
り、この範囲外では融点が低く、耐熱性が劣り、好まし
くない。
【0014】本発明のモノフィラメントは、高重合度の
ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート
又はこれらの共重合体からなるポリマーを溶融紡糸し
て、延伸することにより製造することができる。紡糸温
度は、用いるポリマーの共重合組成により異なるが、 1
50〜220 ℃とすることが望ましい。紡糸温度が 150℃未
満では溶融押出しが困難であり、 220℃を超えるとポリ
マーの分解が顕著となり、高強度のモノフィラメントを
得ることが困難となる。
【0015】溶融紡出されたモノフィラメントは、結晶
化温度より10℃低い温度から結晶化温度より40℃低い温
度範囲内の水、エチレングリコール等の冷媒で冷却した
後、5〜30m/分程度の速度で引取り、一旦巻き取った
後又は巻き取ることなく連続して延伸する。冷却温度が
上記の温度範囲より高い場合には、冷却不足によりバス
内糸道変更ローラやガイド上で変形が起こることがあ
る。また、この種のポリマーは結晶化速度が遅いため
に、上記の温度範囲より低い場合には、逆に結晶化が進
まず、同一ノズルより複数のフィラメントを紡出する際
に、フィラメント同士の密着が起こることがある。
【0016】延伸は、多段階で行われ、第1段目の延伸
は、室温、熱風又は加熱された水、グリセリン、エチレ
ングリコール、シリコーンオイル等の熱媒中で、用いた
ポリマーの融点以下の温度で、 4.5〜8.5 倍の延伸倍率
で行われる。第1段目の延伸倍率が 4.5倍未満では延伸
斑が発生し、一方、 8.5倍を超えると切断が多発してい
ずれも好ましくない。第2段目以降の延伸は、通常、加
熱時間(加熱長÷延伸速度)にもよるが、用いるポリマ
ーの融点近辺、好ましくは融点より15℃低い温度から30
℃高い温度の範囲内の加熱雰囲気下で行われる。いずれ
にしても高強度モノフィラメントを得るためには、全延
伸倍率が 5.0倍以上となるように延伸することが必要で
ある。
【0017】このようにして、引張強度が 4.0g/d以
上、結節強度が 3.0g/d以上という優れた強伸度特性
を有し、実用に耐え得る一定の耐熱性と生分解性を有す
るモノフィラメントを得ることができる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、強伸度特性は、JIS L 1013に準じて測定を行
い、結晶化温度は、DSC 測定により行った。また、生分
解性は、試料を5月から8月にかけての3カ月間土壌中
に埋設後取り出し、引張強伸度及び重量減少率を測定し
て評価した。
【0019】実施例1 数平均分子量が約40,000のポリブチレンサクシネートを
エクストルーダー型溶融紡糸機に供給し、紡糸温度 160
℃で溶融し、直径 2.1mm、2ホールのノズルより紡出
後、25℃の水浴中で冷却した後、10m/分の速度で引き
取り、直ちに65℃の温水浴中で、延伸倍率(DR1) 5.5
倍で第1段目の延伸を行い、次いで、加熱長3m、加熱
温度 120℃のオーブン中で、全延伸倍率(DRT ) 7.8
倍になるように第2段目の延伸を行い、さらに、加熱長
1.5m、加熱温度 125℃のオーブン中で0.95倍の弛緩熱
処理を行った後巻取り、直径 0.286mmのモノフィラメン
トを得た。
【0020】実施例2〜5及び比較例1〜3 表1に示した共重合組成のポリブチレンサクシネート
(PBS)とポリエチレンサクシネート(PES)との
共重合体を用い、製糸条件を表1に示したように変更
し、実施例1と同様にしてモノフイラメントを得た。
【0021】上記の実施例及び比較例の製糸条件等を表
1に、得られたモノフィラメントの特性値等を表2に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、一般の産業用資材とし
て実用に供することができる一定の耐熱性を有し、か
つ、高強度の生分解性モノフィラメントが提供される。
そして、本発明の生分解性モノフィラメントは漁網や釣
り糸等の漁業資材、防虫、防鳥ネットや植生ネットのよ
うな農業資材、コンポスト用バッグのような生活資材、
その他一般産業資材用として好適であり、使用後は微生
物が存在する環境下に放置しておけば一定期間後には完
全に分解するため、本発明のモノフィラメントを使用す
れば、特別な廃棄物処理を必要とすることなく、公害を
防止することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 望月 政嗣 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高重合度のポリブチレンサクシネートと
    ポリエチレンサクシネートとのモル比 100/0 〜70/30
    又は15/85〜 0/100 の共重合体からなり、引張強度が
    4.0g/d以上、結節強度が 3.0g/d以上である生分
    解性モノフィラメント。
  2. 【請求項2】 高重合度のポリブチレンサクシネートと
    ポリエチレンサクシネートとのモル比 100/0 〜70/30
    又は15/85〜 0/100 の共重合体からなるポリマーを溶
    融紡糸し、紡出糸条をポリマーの結晶化温度より10℃低
    い温度から結晶化温度より40℃低い温度までの温度範囲
    で冷却し、その後一旦巻き取った後又は巻き取ることな
    く連続して延伸することを特徴とする生分解性モノフィ
    ラメントの製造法。
JP30090593A 1993-11-05 1993-11-05 生分解性モノフイラメントとその製造法 Pending JPH07126914A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30090593A JPH07126914A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 生分解性モノフイラメントとその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30090593A JPH07126914A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 生分解性モノフイラメントとその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07126914A true JPH07126914A (ja) 1995-05-16

Family

ID=17890545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30090593A Pending JPH07126914A (ja) 1993-11-05 1993-11-05 生分解性モノフイラメントとその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07126914A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3474482B2 (ja) 生分解性複合繊維およびその製造方法
JPWO2005090657A1 (ja) ポリグリコール酸系樹脂フィラメントおよびその製造方法
JPH0593318A (ja) 微生物分解性複合繊維及びその不織布
JP3519480B2 (ja) 微生物分解性モノフィラメントの製造法
JPH06264306A (ja) 微生物分解性マルチフイラメントとその製造法
JP3499053B2 (ja) 生分解性ポリエステル繊維
JP3304237B2 (ja) 芯/鞘型生分解性複合繊維
JP3342566B2 (ja) 生分解性複合モノフィラメントとその製造法
JPH06264305A (ja) 微生物分解性繊維とその製造法
JPH07126914A (ja) 生分解性モノフイラメントとその製造法
JP4256243B2 (ja) ポリ乳酸系親水性繊維
JP4664167B2 (ja) 生分解性の制御された生分解性樹脂フィラメント及びその製造方法
JP3468884B2 (ja) 生分解性フィラメントとその製造法
JP2000154425A (ja) 生分解性モノフィラメントの製造法
JPH1060733A (ja) 生分解性モノフィラメントの製造方法
JPH0559611A (ja) 高強度ポリカプロラクトンモノフイラメントとその製造法
JP2779972B2 (ja) 分解性釣糸及びその製造法
JP3599310B2 (ja) ポリ乳酸モノフィラメントとその製造方法
JP3156811B2 (ja) 生分解性漁業用繊維集合体
JP2736390B2 (ja) 釣糸及びその製造法
JPH07126915A (ja) 生分解性マルチフイラメントとその製造法
JP2003027345A (ja) 生分解性釣糸およびその製造方法
JPH09195122A (ja) 生分解性繊維
JPH0593316A (ja) 微生物分解性複合繊維
JPH07324227A (ja) 生分解性複合繊維