JP4100162B2 - 芯鞘複合繊維 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、従来にない強度に優れたポリ乳酸系樹脂を用いた芯鞘複合繊維であって、漁網等に用いた場合に耐摩耗性が向上し、かつ加水分解が抑えられるために使用期間が大幅に向上するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリ乳酸繊維は植物由来の非石油系原料から作成され、生分解性を有するため、環境性に優れた材料として様々な分野において使用されている。しかし、漁網などの分野では強度、耐摩耗性が必要となるため、ナイロン6やPET等の合成繊維が用いられることが多い。一方、ナイロン6等に関しては、生分解性がなく産業廃棄物の削減という観点からナイロン6等で形成された漁網の廃棄が問題となっていた。このように、環境特性の観点からポリ乳酸は優れているにもかかわらず、強度、耐摩耗性が低いため、ポリ乳酸繊維については漁網、陸上ネット等の用途への代替が進んでいないのが現状であった。これまで得られているポリ乳酸繊維としては、4.4cN/dtex(5g/d)(特許文献1参照)と漁網や陸上ネットとして用いるためには強度が低いものである。また、ポリ乳酸繊維は、ナイロン、PET等と比べて非常に耐摩耗性が劣り、摩耗によって繊維表面がフィブリル化のような状態となり強度が著しく低下するものである。またさらに、漁網等とした場合には、水中で使用した後、引き上げられてから日光などによって繊維が高温に曝されるため、加水分解を生じることがあり、繰り返しの使用に関しては注意が必要であった。これらのことから、より強度が高く、耐摩耗性に優れる、かつ使用中は加水分解が引き起こされることが少ないポリ乳酸繊維の開発が望まれているのが現状であった。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−131323号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、非石油系原料であり、生分解性を有するポリ乳酸系樹脂、およびナイロン6を用いて、環境負荷が少なく、かつ、高強度で耐摩耗性を有し、耐加水分解の向上した芯鞘複合繊維を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の芯鞘複合繊維は、芯鞘複合型の繊維であって、該繊維の芯成分がポリ乳酸系樹脂、鞘成分がナイロン6からなり、かつナイロン6の体積分率が5〜20vol%であり、総繊度が250〜1850dtex、単糸繊度が5〜40dtex、強度が4.5〜7.5cN/dtexであることを特徴とするものである。
【0006】
ここで、本発明の芯鞘複合繊維は、以下の場合に、更なる効果を発揮することができる。
【0007】
(1)総繊度が550〜1850dtexであること。
【0008】
(2)強度が5.5〜7.5cN/dtexであること。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の芯鞘複合繊維はポリ乳酸系樹脂とナイロン6からなる。
本発明に用いられるポリ乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸、ポリ乳酸を主体とする共重合物またはそれらの混合物をいう。
【0012】
本発明のポリ乳酸系樹脂を製造するための乳酸としては、D体のみ、L体のみ、D体とL体の混合体のいずれでも良い。L体を主体とする場合にはD体の増加は融点の低下を引き起こすため、D体は3%以下の含有率であることが好ましい。また、ラセミ結晶化によって該ポリマーの融点を向上させる場合には各々50%であることが好ましい。この場合に融点が最も高くなるからである。本発明のポリ乳酸系樹脂はこれらを重合してポリ乳酸を得る。本発明はポリ乳酸系樹脂のみからなる場合に高い強度を得やすいため、乳酸のみからなる場合が最も好ましいが、ポリ乳酸を主体とするポリ乳酸系樹脂であってもよい。ポリ乳酸を主体とする共重合物としては、前記乳酸と、例えばε―カプロラクトン等の環状ラクトン類、α―ヒドロキシイソ酪酸、α―ヒドロキシ吉草酸等のα−オキシ酸類、エチレングリコール、1,4−ブタンジンオール等のグリコール類、コハク酸、セバシン酸等のジカルボン酸類から選ばれるモノマーの一種または二種以上とを共重合したものが挙げられる。中でもポリマーの重合特性から、環状ラクトン類およびグリコール類が好ましい。共重合の割合としては特に限定されないが、乳酸100重量部に対して、共重合させるモノマーは100重量部以下が好ましく、1〜50重量部がより好ましい。また、本発明に用いるポリ乳酸系樹脂の分子量は5万以上が好ましく、さらに高強度を得るためには10万以上が好ましい。
【0013】
また、上記ポリ乳酸系樹脂が水酸基を持つ化合物によって該ポリ乳酸系樹脂中のカルボキシル基をエステル化されてなるものであっても良い。水酸基を持つ化合物としては、例えばオクチルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数が6以上の高級アルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール類が挙げられる。水酸基を持つ化合物でポリ乳酸系樹脂の分子末端のカルボキシル基をエステル化処理することにより、溶融紡糸時の熱安定性および溶融紡糸後の繊維の経時安定性を改善することができる。中でも延伸性の観点から、炭素数6〜18の高級アルコールが好ましい。また、同様の効果を得る目的でカルボキシル基にカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物から選ばれる1種または2種以上の化合物を反応させても良い。
【0014】
ポリ乳酸系樹脂の合成は、例えば、触媒存在下にてL−ラクチドを120〜180℃の重合温度にて開環重合することにより得ることができる。ここで、重合に用いる触媒としては、オクチル酸スズなどのスズ系化合物、テトライソプロピルチタネート等のチタン系化合物、ジルコニウムイソプロポキシド等のジルコニウム化合物、三酸化アンチモンなどのアンチモン系化合物等の触媒が挙げられるられる。また、添加する触媒量によって最終ポリマーの分子量を調整することもできる。触媒量が少ないほど反応速度は遅くなるが、分子量は高くなる。また、タルク、クレー、酸化チタン等の核材を添加しても良い。重合反応は触媒の種類によって異なるが、例えばオクチル酸スズを用いる場合、ラクチド重量に対して0.0001〜0.1重量%の触媒を用い、通常1〜30時間加熱重合する。反応は窒素などの不活性ガス雰囲気または気流中にて行うのが好ましい。また、重合反応の終了時に減圧操作によってポリマー中の残留ラクチドを除去し、その後成型器にてペレット状にすることによって、本発明のポリ乳酸系樹脂を得ることができる。残留ラクチドがポリマー中に存在する場合には、製糸性を悪化させることがあるからである。また、共重合する場合には上記の重合と同様に共重合するモノマー、またはオリゴマーとL−ラクチドを触媒存在下にて開環重合して共重合ポリ乳酸樹脂を得る。
【0015】
また、本発明で用いるポリ乳酸系樹脂には、例えば、可塑剤、紫外線安定剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、抗酸化剤あるは着色願料として無機微粒子や有機化合物などの機能薬剤や添加剤を必要に応じて添加、含有させてもよい。
【0016】
この際、芯鞘複合繊維の製造における製糸性の観点から、これらの配合量は各々ポリ乳酸系樹脂の重量に対して0.005〜1.0wt%が好ましい。
【0017】
また、かかる着色顔料としては、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機顔料の他、シアニン系、スチレン系、フタロシアイン系、アンスラキノン系、ペリノン系、イソインドリノン系、アンスラキノン系、ベリノン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、キノクリドン系、チオインディゴ系などのものを使用することができる。
【0018】
また、本発明では、融点がポリ乳酸系樹脂と近く、耐摩耗性が優れることからナイロン6を用いるが、ナイロン6は他のアミド形成可能な化合物、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンなどから導かれる単位を少量共重合させたものであってもよい。本発明のナイロン6樹脂はε−カプロラクタムを用いて重合することにより得られる。重合温度は245℃〜260℃の温度で行い、重合時間は10〜20時間程度が好ましい。重合の段階において、適宜共重合成分を添加する事ができる。その後、ペレタイズを行い、そして低分子量物を熱水抽出し、さらに乾燥を行ってナイロン6樹脂を得る。またさらに、本発明のナイロン樹脂は高強度を得るために固相重合を行う。固相重合は150〜200℃の温度で数時間以上行う。また、本発明のナイロン6の98%硫酸相対粘度ηrは2.5〜3.5であり、好ましくは3.0〜3.5である。
【0019】
本発明では、芯成分としてポリ乳酸系樹脂、鞘成分としてナイロン6を用いる。一般にポリ乳酸樹脂が加水分解することは知られているが、鞘にナイロン6を用いた場合には、ポリ乳酸系樹脂が水分と触れることが少なくなるため、加水分解を抑制でき、使用期間を大幅に向上させることができる。また、ナイロン6はポリ乳酸系樹脂と比較して、耐摩耗性が非常に優れるため、鞘成分にナイロン6を用いることにより繊維としたときに大幅な耐摩耗性能向上をすることができる。さらに、一般にナイロン6の方が強度がポリ乳酸系樹脂に比べて優れるが、強度の高い方の樹脂によって、繊維の表面を覆う方が、高強度を得る観点から好ましいためである。これは表面近傍が最も大きな応力が発生するからである。
【0020】
また、本発明のポリ乳酸系樹脂およびナイロン6からなる芯鞘複合繊維は、総繊度が250〜1850dtexであることを要する。総繊度がこの範囲よりも大きくなる場合には製織工程にて工程通過性が悪化するため好ましくない。また、250dtex以下の場合には、撚り合わせる糸条数が多くなるため製織工程が煩雑となり好ましくない。上記範囲の場合には、工程通過性、工程の簡略化の観点から好ましい。総繊度が550〜1850dtexである場合には工程簡略化の観点から特に好ましい。また、本発明においては、単糸繊度が5〜40dtexであることを要する。すなわち、単糸繊度が5dtex以下の場合には、耐摩耗性が低減するため好ましくなく、単糸繊度が40dtex以上の場合には、糸条の工程通過性が悪くなるため好ましくない。本発明の範囲の場合には耐摩耗性、工程通過性の観点から好ましいものである。
【0021】
また、本発明ポリ乳酸系樹脂およびナイロン6からなる芯鞘複合繊維においては強度が4.5〜7.5cN/dtexであることを要する。すなわち、強度が4.5cN/dtex以下である場合には、漁網や、陸上ネット等として使用した場合に網の強度が不足し、低荷重で破断するため本発明の目的を達成することができない。4.5cN/dtex以上である場合には、これらの用途として使用した場合であっても十分な強度を発揮する。より好ましくは5.5cN/dtex以上である。強度はより高い方がこれらの産業用の用途としては好ましいが、ポリマーの特性から自ずと限界がある。従って強度が7.5cN/dtexを越える場合には、生産時に単糸切れ等を発生し、毛羽の発生を誘発するため、製品の品位を悪化させることとなる。また、生産時に糸切れも多発し生産性を低下させる等の問題があり好ましくない。
【0022】
また、ナイロン6を体積分率で5〜20vol%用いることは、非石油系材料であるポリ乳酸系樹脂の使用量が増加するため、環境保護の観点から必要である。ポリ乳酸系樹脂の使用量が多いほど二酸化炭素の排出を低減することができ、かつコンポスト中で生分解することができる量が増加して、環境負荷が少なくなるからである。この観点からナイロン6の体積分率が5〜15%vol%である場合には好ましい。
【0023】
本発明の芯鞘複合繊維は、成分の1つとして用いるナイロン6が生分解性を持たないため、コンポスト中で完全に生分解することはないが、繊維中のポリ乳酸系樹脂部分が生分解するため、産業廃棄物の減少という観点から好ましい。また、例えば鞘部分がナイロン6である場合でも、本発明の芯鞘複合繊維を用いて作製した漁網を使用後に微細に切断することによってポリ乳酸部分に微生物を付着させ、生分解させることができる。また、使用中はナイロン6が加水分解されず、鞘成分として芯部のポリ乳酸繊維部分を保護するため、耐加水分解性に優れた芯鞘複合繊維とすることができる。
【0024】
本発明のポリ乳酸系樹脂およびナイロン6からなる芯鞘複合繊維は、以下の溶融紡糸法により得ることができる。溶融紡糸時の溶融温度はポリ乳酸系樹脂の融点以上270℃以下であることが好ましい。270℃を越えるとポリ乳酸系樹脂が熱劣化を生じるからである。
【0025】
次に本発明の芯鞘複合繊維の製造方法の詳細について記述する。ポリ乳酸系樹脂およびナイロン6を各々エクストル−ダ型紡糸機を用いて溶融した後、計量し、複合紡糸パック中で濾過し、口金の細孔から芯鞘状に紡出する。紡出糸は冷却固化された後、紡糸油剤を付与され引き取りロ−ルに捲回して引き取られる。
【0026】
ここで、本発明のポリ乳酸系樹脂およびナイロン6からなる芯鞘複合繊維の製造方法の特徴として、紡出された糸条に対し延伸前に60℃〜ポリ乳酸系樹脂の融点−20℃の表面温度を有する加熱ローラーを用いて予熱を行う。次に80℃〜ポリ乳酸系樹脂の融点の表面温度を有する加熱ローラーにより糸条を多段延伸する。これにより、芯部のポリ乳酸繊維が十分に延伸され高強度を得ることができるからである。
【0027】
次に、ポリ乳酸系樹脂の融点−50℃〜ポリ乳酸系樹脂の融点の表面温度を有する加熱ローラーを用いて熱処理を行う。この範囲の温度において熱処理を行うことによって繊維構造を熱セットすることができ繊維構造を安定させることができる。
【0028】
次に、延伸熱処理後一定の値のリラックス率で弛緩を与えた後巻き取る。例えばリラックス率としては1.5〜10%の範囲で適用することができる。これによって、得られる繊維の熱収縮をコントロールすることができる。
【0029】
また、前記本発明の芯鞘複合糸は、2500m/分以上、好ましくは3000m/分以上、更に好ましくは4000m/分以上の速度で巻き取られる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を述べ、本発明を具体的に説明する。
【0031】
なお、明細書本文および実施例に示した物性の定義および測定法は次の通りである。
(1) 強度、伸度:JIS L−1013により、試長25cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。伸度は最高強力時伸度である。
(2)引掛強度:引掛強度はJIS L−1013により求めた引掛強力を測定試料のデシテックス単位に当たりに換算して得た値である。
(3) ポリ乳酸系樹脂の融点 : パーキンエルマー社製DSC−7型を用いて2mgのサンプルを溶融し、液体窒素により急冷固化した後、そのサンプルを20℃/分の速度でスキャンすることによって得た熱量変化トレースから求めた。融点は最大吸熱ピークの温度とした。本発明によって得られた延伸糸の融点は175℃であった。
(4) ナイロン6の体積分率 : 光学顕微鏡にて繊維の断面観察を行い、断面積の比から求めた。
(5) 加熱ローラー表面温度 : 接触式温度計によって加熱ローラー表面温度を測定した。回転中の加熱ローラーに該温度計を接触させ、表示温度が安定した時の温度を加熱ローラーの表面温度とした。測定は加熱ローラーの回転軸方向に対して3点測定し、測定個所はローラー上の糸条走行位置とした。
(6) 耐摩耗性試験 : 無結節編網機を用いて製網した漁網の編み地を構成する網糸(網足部分)を長さ40cmに採取して網糸試料とする。日立製作所(株)製EBKグラインダーに250mmの直径、粒度120、砥石種GC、結合材V、結合度Hとする松永トイシ(株)製の砥石を設置し、一方を固定し他方に100gの荷重を加えた網糸試料と該グラインダーとの摩擦部分が水中にくるようにセットして、グラインダーを網糸試料の固定部分を引張る方向に180rpmの回転数で回転させて、網糸試料を摩耗させた。耐摩耗性は、摩耗処理前の網糸試料の強力と1000回転後の摩耗部分の強力を前述の強度測定法にて測定し、これらの比率である強力保持率(%)を耐摩耗性の尺度として求めた。
(7)98%硫酸相対粘度:試料を98%硫酸に1重量%の濃度で溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定した。
(8)耐加水分解性評価:得られたポリ乳酸繊維を、温度70℃、湿度90%中の恒温湿機内で10日間処理後の引張強度を測定し、次式により強度保持率(%)を求め、下記のように評価した。
強度保持率(%)=(10日後の引張強度/初期引張強度)×100
・・・強度保持率が90%以上
○・・・強度保持率が60〜90%未満
△・・・強度保持率が40〜60%未満
×・・・強度保持率が40未満
[実施例1]
平均分子量15.1万のポリ乳酸チップおよび98%硫酸相対粘度ηr=3.30のナイロン6チップを各々エクストルーダ型溶融紡糸装置に供給して溶融紡糸した。紡糸温度は250℃とし、15μmの空隙を有する金属フィルターを通して濾過し、孔数96個の口金を通してナイロン6を鞘にポリ乳酸を芯としていわゆる芯鞘状に紡糸した。
【0032】
紡糸糸条を口金面から130mmの間を240℃の高温雰囲気下を通過させた後、約20℃の冷風を吹きつけて冷却固化させた。その後、オイリングローラーで油剤を付与し、第1ゴデットローラーで引き取り、得られた未延伸糸を一旦巻き取ることなく第1ゴデットローラー、第2ゴデットローラー間で1.86%のプレストレッチを行い、次いで第2ゴデットローラー、第3ゴデットローラー間で2.44倍に延伸し、第3ゴデットローラー、第4ゴデットローラー間で1.63倍に延伸し、第4ゴデットローラー、第5ゴデットローラー間で1.45倍の延伸を行って、第5ゴデットローラーと第6ゴデットローラーの間で3%のリラックスを行った後、3000m/分の速度でワインダーで巻取ることにより、延伸糸を得た。
【0033】
各ゴデットローラー温度は、第1ゴデットローラーが60℃、第2ゴデットローラーが95℃、第3ゴデットローラーが105℃、第4ゴデットローラーが140℃、第5ゴデットローラーが160℃、第6ゴデットローラーが非加熱とした。また、各ゴデットローラーへの糸条の捲回数は、第1ゴデットローラーが5回、第2ゴデットローラーが7回、第3ゴデットローラーが7回、第4ゴデットローラーが7回、第5ゴデットローラーが11回、第6ゴデットローラーが4.5回とした。
【0034】
得られた延伸糸は高強度を有すると共に耐摩耗性に優れており本発明の芯鞘複合糸の用途に対して優れた特性を有するものであった。
【0035】
得られた延伸糸の特性を表1に示す。
【0036】
[実施例2]〜[実施例4]
実施例1において、表1に示す通りに条件を変更した。得られた結果を、表1に記載した。得られた延伸糸はいずれも高強度かつ耐摩耗性に優れており本発明の芯鞘複合糸の用途に対して優れた特性を有していた。
【0037】
[比較例1〜3]
ナイロン6を用いずにポリ乳酸系樹脂のみを用いた他は実施例1と同様の条件によって延伸糸を得た。この延伸糸は、強度、耐摩耗性共に実施例に対して低いものであり、本発明の芯鞘複合糸の用途に適しないものであった。
【0038】
[比較例4]
ナイロン6のみを用いて実施例1と同様の条件により延伸糸を得た。
この延伸糸は、耐加水分解性には優れるが、生分解性を有さないため、環境性の観点から本発明の効果を発揮しないものであった。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
本発明の芯鞘複合繊維を漁網、陸上ネットとして用いることにより、ポリ乳酸系樹脂のみを用いた場合に比べて強度、耐摩耗性、耐加水分解性が著しく向上し、また、ナイロン6のみを用いた場合に比べて生分解性を有する非石油原料であるポリ乳酸系樹脂を用いることによって環境性が格段に向上し、産業廃棄物を大きく減少させることができる。
Claims (3)
- 芯鞘複合型の繊維であって、該繊維の芯成分がポリ乳酸系樹脂、鞘成分がナイロン6からなり、かつナイロン6の体積分率が5〜20vol%であり、総繊度が250〜1850dtex、単糸繊度が5〜40dtex、強度が4.5〜7.5cN/dtexであることを特徴とする芯鞘複合繊維。
- 総繊度が550〜1850dtexであることを特徴とする請求項1記載の芯鞘複合繊維。
- 強度が5.5〜7.5cN/dtexであることを特徴とする請求項1または2に記載の芯鞘複合繊維。
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