JP2000234233A - シートベルト用ウェッビング - Google Patents

シートベルト用ウェッビング

Info

Publication number
JP2000234233A
JP2000234233A JP11031913A JP3191399A JP2000234233A JP 2000234233 A JP2000234233 A JP 2000234233A JP 11031913 A JP11031913 A JP 11031913A JP 3191399 A JP3191399 A JP 3191399A JP 2000234233 A JP2000234233 A JP 2000234233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
webbing
sheath
core
acid
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP11031913A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshige Matsumoto
太成 松本
Yoshiharu Okumura
由治 奥村
Yuhei Maeda
裕平 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP11031913A priority Critical patent/JP2000234233A/ja
Publication of JP2000234233A publication Critical patent/JP2000234233A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2401/00Physical properties
    • D10B2401/04Heat-responsive characteristics
    • D10B2401/041Heat-responsive characteristics thermoplastic; thermosetting

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐光性と実用上十分な機械的強度を合
わせ持つシートベルト用ウェッビングを提供する。 【解決手段】 経糸および/または緯糸を構成する繊維
が芯鞘型複合繊維からなるシートベルト用ウェッビング
であって、該芯鞘型複合繊維の鞘部が融点130℃以上
の脂肪族ポリエステルを主体とすることを特徴とするシ
ートベルト用ウェッビング。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト用ウ
ェッビングに関するものである。さらに詳細には、高い
耐光性を持ち実用上十分な機械的強度をもつシートベル
ト用ウェッビングに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シートベルト用ウェッビングに要求され
る特性としては、第1にウェッビングの安全装置として
の性能、すなわち衝突時に乗員が受ける衝撃力を十分に
吸収緩和することであり、第2にウェッビング自体の機
能性、すなわち軽量性、耐光性、耐薬品性、格納性など
である。第3にウェッビングの意匠性、すなわち形状、
模様、色彩などのデザインとなる。
【0003】特に車載されたシ−トベルトなどでは、夏
季の炎天下で直射日光および輻射熱にさらされることで
高い温度と強い光(紫外線)による分解・劣化が進み、
強力および耐久性が低下してしまうという使用環境上の
問題があるが、他の汎用素材であるポリアミド繊維など
に比較して耐光性に優れるということからポリエチレン
テレフタレートに代表されるポリエステル繊維がシート
ベルト用ウェッビングに好んで使用されてきた。しかし
ながら、車の耐用年数が飛躍的に伸びている現在、車が
使用される長期間にわたって安定した機械的特性を保持
することがますます求められてきており、ポリエステル
繊維からなるシートベルト用ウェッビングでさえ耐光性
が十分とはいえないのが実状であった。そのため、現在
に至るまでさらに耐光性の優れたものが要望されてき
た。
【0004】そこでこのような要望に答えるため、ポリ
エステル繊維に紫外線吸収剤などの添加剤を加えてシー
トベルト用ウエッビングの耐光性を改善する種々の方法
が提案されている。例えば、未延伸繊維にベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤の水分散液を付与した後、延伸す
る方法(特開昭59−192724号公報)、固有粘度
0.80以上のポリエステル繊維にベンゾフェノン系紫
外線吸収剤を含有させる方法(特開昭59−13031
8号公報)、ポリエステルポリマーにシアノアクリレー
ト系紫外線吸収剤を含有させる方法(特表昭62−50
1856号公報および特表昭62−501857号公
報)、また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤をポリ
エステルポリマーに混和するまたは共重合により配合
し、該ポリマーに紫外線吸収性能を付与する方法(特公
昭57−35221号公報および米国特許第3,21
4,436号明細書)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤とベンゾフェノン系紫外線吸収剤を併用し相乗効果
を得んとするする方法(特開平3−193912号公
報)、2−ヒドロキシフェニールベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤を共重合あるいは含有させる方法などが挙
げられる。しかしながら、ポリエステル繊維に種々の紫
外線吸収剤を含有させる方法では、ある程度の耐光性改
善効果は得られるものの十分な効果は得られず、また、
紫外線吸収剤添加の影響により製糸性が悪化して毛羽が
増加し、シートベルト用ウェッビングとしたときの品位
が低下してしまうという問題があった。さらに、紫外線
吸収剤の含有量を増やしてもその効果は飽和状態に達し
てしまい十分な耐光性を持つシートベルト用ウェッビン
グは得られていなかった。
【0005】また、紫外線吸収剤を使用するもの以外の
方法としては、例えば、ポリエステル繊維の結晶化度お
よび非晶配向を厳密に制御する方法(特開平1−280
015号公報)、ポリエステルポリマーの改質により繊
維構造内部の欠陥を少なくする方法(特開平3−234
812号公報)などが挙げられる。しかしながらこれら
の繊維内部構造を厳密に制御する方法では、紡糸・延伸
雰囲気の温度や湿度、風速など種々の製糸条件を厳密に
制御する技術が必要であり、そのために工業的に安定し
て生産することが難しいという問題があった。さらに、
このような技術でも耐光性改善効果には限界があり十分
満足のいくレベルには達していなかった。
【0006】以上のように従来のシートベルト用ポリエ
ステル繊維を改質することでシートベルト用ウェッビン
グに十分な耐光性を付与しようとする様々な試みが成さ
れてきたが、高い耐光性を持ち実用上十分な機械的強度
をもつシートベルト用ウェッビングを提供することにつ
いては未だ達成されていないのが実状であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
のようなポリエステルの改質を中心とした従来技術では
なしえなかった、高い耐光性を持ち実用上十分な機械的
強度をもつシートベルト用ウェッビングを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明のシートベルト用ウェッビングは、主として次の
構成を有する。すなわち、経糸および/または緯糸を構
成する繊維が芯鞘型複合繊維からなるシートベルト用ウ
ェッビングであって、該芯鞘型複合繊維の鞘部が融点1
30℃以上の脂肪族ポリエステルを主体とすることを特
徴とするシートベルト用ウェッビングである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明のシートベルト用ウ
ェッビングについて説明する。本発明に用いる芯鞘型複
合繊維は芯部と鞘部を持つが、鞘部が芯部を実質的に覆
う形態であれば、その複合形態に特段の制限はない。複
合形態は3重、4重の多重あるいは多芯複合などでもか
まわないが、強度、耐久性の観点からは同心円状複合が
好ましく、2重同心円状複合がさらに好ましい。
【0010】本発明に用いる芯鞘型複合繊維の鞘部の主
体をなす脂肪族ポリエステルポリマーの融点は、130
℃以上、好ましくは150℃以上、さらに好ましくは1
70℃以上とするものである。融点が130℃よりも低
いと、製糸時、特に紡糸時に単繊維間の融着が著しくな
り、更に延伸性不良や毛羽の多発などによりシートベル
ト用ウェッビングを構成した時の品位が著しく損なわれ
る。なお、本発明において融点とは、DSC測定で得ら
れる溶融ピークのピーク温度をいう。
【0011】本発明で用いる芯鞘型複合繊維の鞘部の主
体をなす脂肪族ポリエステルの例としては、例えば、ポ
リ乳酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート共重合
体、ポリ−3−ヒドロキシブチレートおよびポリ−3−
ヒドロキシブチレートバリレート共重合体ならびにこれ
らのブレンド物、変性物など用いることができる。
【0012】なお、本発明で用いるポリエステル繊維に
は本発明の効果を損なわない範囲で主体を成す脂肪族ポ
リエステル以外の成分を含有してもよい。例えば、可塑
剤、紫外線安定化剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸摩
擦低減剤、抗酸化剤、あるいは着色顔料等として無機微
粒子や有機化合物を必要に応じて添加してもよい。特に
紫外線安定化剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾト
リアゾール系、ヒンダードアミン系薬剤を好ましく用い
ることができる。この際の配合量は繊維重量に対して
0.005〜1.0wt%が好ましい。着色顔料として
は無機顔料の他、シアニン系、スチレン系、フタロシア
イン系、アンスラキノン系、ペリノン系、イソインドリ
ノン系、キノフタロン系、キノクリドン系、チオインデ
ィゴ系などのものを使用することができる。
【0013】シートベルト用ウェッビングとしての機械
的強度、耐光性、耐熱性を優れたものとする観点から、
本発明で用いる芯鞘型複合繊維の鞘部の主体をなす脂肪
族ポリエステルはL−乳酸および/またはD―乳酸を単
量体の主成分とするポリ乳酸であることが好ましい。ポ
リ乳酸の製造方法には、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳
酸(ラセミ体)を原料として一旦環状2量体であるラク
チドを生成せしめ、その後開環重合を行う2段階のラク
チド法と、当該原料を溶媒中で直接脱水縮合を行う一段
階の直接重合法が知られている。本発明で用いるポリ乳
酸はいずれの製法によって得られたものであってもよ
い。ラクチド法によって得られるポリマーの場合にはポ
リマー中に含有される環状2量体が溶融紡糸時に気化し
て糸斑の原因となるため、溶融紡糸以前の段階でポリマ
ー中に含有される環状2量体の含有量を0.3wt%以
下とすることが望ましい。直接重合法の場合には環状2
量体に起因する問題が実質的にないため、製糸性の観点
からはより好適である。
【0014】ポリ乳酸の重量平均分子量は高いほど好ま
しく、通常少なくとも5万、好ましくは少なくとも10
万、好ましくは10〜30万、さらに好ましくは15万
〜20万である。重量平均分子量をかかる範囲にする場
合には繊維の強度物性を優れたものとすることができ
る。なお、一般にポリ乳酸の重量平均分子量を35万以
上とするのは困難である。
【0015】また、本発明において好ましく用いられる
ポリ乳酸は、L−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成
能を有するその他の単量体成分を共重合した共重合ポリ
乳酸であってもよい。共重合可能な単量体成分として
は、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキ
シ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロ
ン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセ
リン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基
を含有する化合物類またはそれらの誘導体、コハク酸、
アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホ
ニウムスルホイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン
酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げら
れる。
【0016】また、溶融粘度を低減させるため、ポリカ
プロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレ
ンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマーを
内部可塑剤として、あるいは外部可塑剤として用いるこ
とができる。
【0017】本発明で用いる芯鞘型複合繊維の芯部の主
体をなすポリマーは、任意の熱可塑性重合体、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリア
ミド系、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレン2,6ナフタレートなどの芳香族ポリエステル
系、ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族ポリエステ
ル系、あるいはポリフェニレンスルフィド系、ポリ塩化
ビニリデン系、ポリ塩化ビニル系、フェノール系などが
挙げられる。これらの中でも、繊維の高強度化および芯
部と鞘部の接着性を良好にする観点から芳香族ポリエス
テル系および/またはポリアミド系であることが好まし
い。上記芳香族ポリエステルとは、ジカルボン酸成分と
ジオール成分からなるポリエステルをいい、ジカルボン
酸成分は少なくともその85モル%が芳香族ジカルボン
酸であり、ジオール成分は少なくともその85モル%が
脂肪族ジオールである。
【0018】芳香族ジカルボン酸としては、たとえばテ
レフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、
ジフェニルカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、メチルテレフタル酸、メチルイソフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。芳香族
ジカルボン酸以外のジカルボン酸成分としては、たとえ
ばアジピン酸、セバシン酸などの炭素数4〜8の脂肪族
ジカルボン酸、またはシクロヘキサンジカルボン酸など
の炭素数8〜12の脂環族ジカルボン酸などが挙げら
れ、これらの1種以上を芳香族ジカルボン酸と併用する
ことができる。なかでも好ましいジカルボン酸成分はテ
レフタル酸である。
【0019】また、脂肪族ジオールとしては、たとえば
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコールなどの炭素数2〜10の脂肪族ジオールが挙
げられる。脂肪族ジオール以外のジオール成分として
は、たとえばシクロヘキサン−1,4−ジメタノールな
どの炭素数6〜15の脂環族ジオール、またはビスフェ
ノールA、ビスフェノールSなどの炭素数6〜15の芳
香族ジオール、またはこれらジオールのアルキレンオキ
シド付加物、またはポリオキシエチレングリコール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシトリメチレ
ングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールお
よびこれらのオキシアルキレン単位の2種以上を繰り返
し単位とする共重合ポリオキシアルキレングリコールな
どが挙げられ、これらの1種以上を脂肪族ジオールと併
用することができる。なかでも好ましいジオール成分は
炭素数2〜6の脂肪族ジオールである。
【0020】本発明に使用するポリエステルは、上記ジ
カルボン酸成分およびジオール成分がそれぞれ1種から
なるホモポリマーであってもよく、また上記ジカルボン
酸成分および/またはジオール成分が2種以上からなる
共重合体であってもよい。また、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、ジカルボン酸成分およびジオール成分以外
の成分が共重合されていてもよい。好ましいポリエステ
ルとしては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポ
リプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート、ポリ(エチレンテレフタレート・エチレンイソ
フタレート)共重合体などを挙げることができるが、こ
れらのうち特にポリ(エチレンテレフタレート・エチレ
ンイソフタレート)共重合体あるいはポリエチレンテレ
フタレートが高強度化の達成のためには好ましい。
【0021】本発明で用いる芯鞘型複合繊維の芯部の主
体をなすポリマーの好ましい例のうち、芳香族ポリエス
テル以外のポリマーとしてポリアミドが挙げられる。本
発明で用いるポリアミドとしては、ポリカプラミド、ポ
リヘキサメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジ
パミド、ポリヘキサメチレンセバカミドなど挙げられる
が、これらに限定されるものではない。なかでも、ポリ
カプラミド、ポリヘキサメチレンアジパミドが好まし
く、特にポリカプラミドが好ましい。これらポリアミド
は共重合成分を含有していても良い。共重合成分として
は、例えばカプラミド、テトラメチレンアジパミド、ヘ
キサメチレンアジパミド、ヘキサメチレンセバカミド、
ヘキサメチレンイソフタラミド、テトラメチレンテレフ
タラミド、キシリレンフタラミドなどがある。
【0022】本発明に用いる芯鞘型複合繊維は、シート
ベルトの衝撃吸収性能、軽量化、形態保持、格納性の観
点から、強度が5.0cN/dtex以上であることが
好ましく、強度が5.5cN/dtex以上であること
がさらに好ましい。また、特にエネルギー吸収性能を優
れたものとする観点から、シートベルト用ウェッビング
の経糸用として使用する場合は伸度20%以上であるこ
とが好ましい。
【0023】本発明に用いる繊維の単繊維繊度は使用形
態に応じて選択すればよく特に規制されるものではない
が、通常1dtex以上、22dtex以下とするのが
好ましい。また、本発明に用いる繊維の総繊度は、11
0dtex以上、3330dtex以下とするのが好ま
しい。さらに断面形状は任意であるが、高強度、耐久性
を優れたものとする観点から丸断面が好ましい。
【0024】本発明のシートベルト用ウェッビングは経
糸および/または緯糸が前記した芯鞘型複合繊維からな
るが、本発明の効果を損なわない範囲で、他の汎用のポ
リエステル繊維やポリアミド繊維などを併用しても良
い。耐光性、強力保持の観点から、少なくとも経糸の一
部に、前記した脂肪族ポリエステルを主体とした繊維が
用いられることが好ましい。織布の形態は特に制限はな
く、衝撃吸収性、軽量性、柔軟性、意匠性など使用目的
に合わせて選択すればよいが、通常、経糸の総繊度は5
50〜2220dtex、経糸本数は250〜450本
/50mm巾、緯糸の総繊度は278〜2220dte
x程度のものが好ましく用いられる。
【0025】本発明のシートベルト用ウェッビングは、
本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じて染色あ
るいは樹脂コーティングなどの処理が行われても良い。
【0026】本発明に用いる芯鞘型複合繊維は通常の複
合紡糸で得ることができる。すなわち、芯成分と鞘成分
をそれぞれ別々のエクストルーダーやプレッシャーメル
ター型紡糸機で溶融した後メタリングポンプによって計
量して複合紡糸パックに導き、複合紡糸口金内で所望の
複合形態となるよう複合流を形成させ、紡糸口金から吐
出する。
【0027】芯成分/鞘成分の複合比率は任意である
が、製糸性、高強度、耐久性を優れたものとする観点か
ら20/80〜98/2とするのが好ましく、60/4
0〜90/10とするのがさらに好ましい。
【0028】吐出した芯鞘型複合糸条は、固化温度以下
に冷却する。この際、紡糸口金直下に設置した加熱雰囲
気域を通して遅延冷却し、冷却域に導入して冷却風を吹
き付け、紡糸筒を通過して糸条を形成することが好まし
い。前記加熱雰囲気域の温度は120〜400℃、その
長さは5〜300cmであればよく、この加熱雰囲気域
の条件は、紡出する糸条の粘度、単繊維太さ、ドラフト
率、単繊維数等の設定条件によって選択すればよい。前
記冷却域では、常温空気のような120℃未満の気体
を、15〜50m/分の速度で吹き付ければよい。この
冷却域の条件も、紡出する糸条の粘度、単繊維太さ、ド
ラフト率、単繊維数等の設定条件によって選択すればよ
い。前記加熱雰囲気域および冷却域における各条件を前
記の範囲内とすることによって、紡出糸条の冷却配向パ
ターンを適切なものとすることができる。
【0029】前記加熱雰囲気域および冷却域を通過し、
冷風によって冷却固化した紡出糸条に紡糸油剤を付与
し、回転するローラーに巻回した後、一旦巻き取った後
延伸するか、巻き取らずに引き続き延伸する。製糸毛
羽、延伸糸切れが頻繁に発生して製糸性が悪化するのを
防ぐ観点および繊維強度の観点から、紡糸速度は400
0m/分以下、さらには2000m/分以下が好まし
い。また、生産性の観点から300m/分以上であるこ
とが好ましい。延伸倍率は引取速度によって変わり、得
られる繊維の強度と弾性率が好ましくは前述のような範
囲になるように調整されればよい。さらに、紡出直下、
冷却・固化の前には加熱帯を設置して糸条をポリマーの
融点以上の温度に加熱し、繊維の強度を高めることが好
ましい。延伸は1段延伸でも2段以上の多段延伸でも構
わないが、高強度化の観点から2〜3段延伸が好まし
く、巻き取り前にはポリマーの融点より15〜80℃程
度低い温度で熱処理が行われることが好ましく、また寸
法安定性の観点から0〜20%の弛緩処理が行われるこ
とが好ましい。
【0030】延伸、熱処理に必要な熱を糸条に与える方
法としては、ローラー加熱、スチーム、熱板、熱液等公
知の手法を用いればよい。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の物性は次の方法で測定した値であ
る。 強度(cN/dtex)および伸度(%):(株)オリ
エンテック社製“テンシロン”引張試験機を用い、試料
長25cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。 耐光強度保持率性:スガ試験機(株)社製“サンシャイ
ンウェザーメーター”WEL−SUN−HC(カーボン
アークタイプ)を用い、ブラックパネル温度83℃・水
噴霧なしの条件として所定の時間強制光劣化処理を行
い、処理前の強力に対する処理後の強力の割合としてと
して耐光強度保持率を算出した。 融点:セイコー電子工業(株)社製“SSC5200/
DSC120”示差走査熱量計を用い、昇温速度10℃
/分での測定における結晶融解ピークのピーク温度を融
点とした。
【0032】(実施例1)L−ラクチドに対しオクチル
酸錫を150ppm混合し、撹拌装置付きの反応容器中
で窒素雰囲気中192℃で10分間重合し、さらに2軸
混連押出し機にてチップ化後、140℃の窒素雰囲気中
で固相重合して、融点176℃、重量平均分子量13.
1万のポリL−乳酸ホモポリマーチップを得、これを芯
成分用とした。さらに、常法の固相重合によって得られ
た融点256℃・固有粘度1.02のポリエチレンテレ
フタレート(PET)チップを130℃で12時間減圧
乾燥して、鞘成分として用いるチップを得た。芯および
鞘成分用ポリマは別々のエクストルダ型紡糸機で溶融し
た後、複合紡糸パック中に導き、芯鞘複合紡糸口金よ
り、同心円型複合繊維となるよう紡糸した。芯/鞘複合
比率は、重量比率で75/25とした。また、芯成分用
は295℃で、鞘成分用は240℃でそれぞれ溶融さ
せ、280℃に加熱した複合紡糸パックによって紡糸し
た。
【0033】紡糸口金は環状2列配孔で、孔径0.8m
mΦ、孔数は60ホ−ルであり、口金直下には30cm
の加熱筒を取り付け、筒内雰囲気温度を280℃となる
ように加熱した。筒内雰囲気温度は、口金面より10c
m下の位置で、且つ最外周糸条より1cm離れた位置で
測定した。加熱筒の下には長さ40cmの環状型チムニ
−を取り付け、糸条の周囲より25℃で40m/分の冷
風を糸条に直角に吹き付け、冷却した。次いで油剤を付
与した後、1000m/分の速度で引取ることにより未
延伸糸を一旦巻き取った。この未延伸糸を1段目延伸温
度80℃、2段目延伸温度150℃、総延伸倍率3.5
倍にて2段延伸し、引き続いて温度155℃において熱
固定、3%の弛緩処理を施した後320m/分にて延伸
糸を引き取った。このようにして1670dtex/3
00fil、強度5.6cN/dtex、伸度23%の
芯/鞘=ポリエチレンテレフタレート(PET)/ポリ
L−乳酸(PLLA)からなる芯鞘型複合繊維を得た。
【0034】経糸には上記繊維に70T/mのよりを付
与したものを360本用い、緯糸には上記繊維をそのま
ま無よりで用い、緯糸の繊密度が16本/25mmとな
るように打ち込み、巾51mmのシートベルト用ウェッ
ビングを構成した。評価結果を表1に示す。なお、表1
中、PETはポリエチレンテレフタレート、PLLAは
ポリL−乳酸を表す。表1から、本発明のシートベルト
用ウェッビングでは優れた耐光性を有し、実用上十分な
機械的強度をもち、シートベルト用ウェッビングとして
きわめて好適かつ有用であることがわかる。
【0035】
【表1】
【0036】(実施例2)芯成分として用いるチップ
を、イソフタル酸成分を全酸成分に対して11.5mo
l%共重合したポリエチレンテレフタレート(PE(T
P/IP))とし、鞘成分の溶融温度を270℃、複合
紡糸パックの温度を260℃とした以外は実施例1と同
様の方法にて、1670dtex/300fil、強度
4.8cN/dtex、伸度27%の芯/鞘=PE(T
P/IP)/ポリL−乳酸(PLLA)からなる芯鞘型
複合繊維を得た。さらに上記繊維を用いて、実施例1と
同様の方法にてシートベルト用ウェッビングを構成し
た。評価結果を表1に併せて示す。なお、表1中、PE
(TP/IP)はイソフタル酸成分を全酸成分に対して
11.5mol%共重合したポリエチレンテレフタレー
トを表す。
【0037】(実施例3)DL−ラクチドを混合した後
に重合して融点155℃、重量平均分子量11.5万の
D体共重合率5mol%ポリL−乳酸共重合体を得、こ
れを鞘成分とし、未延伸糸の延伸において2段目延伸温
度を140℃、熱固定温度を145℃とした以外は実施
例1と同様の方法にて、1670dtex/300fi
l、強度5.2cN/dtex、伸度23%の芯/鞘=
ポリエチレンテレフタレート(PET)/D体共重合率
5mol%ポリL−乳酸共重合体(P(L/D)LA)
からなる芯鞘型複合繊維を得た。さらに上記繊維を用い
て、実施例1と同様の方法にてシートベルト用ウェッビ
ングを構成した。評価結果を表1に併せて示す。なお、
表1中、P(L/D)LAはD体共重合率5mol%ポ
リL−乳酸共重合体を表す。
【0038】(実施例4)芯成分として用いるチップを
融点219℃、硫酸相対粘度3.1のポリカプラミドと
し、芯成分の溶融温度・溶融雰囲気を260℃・減圧雰
囲気下、複合紡糸パックの温度を240℃とした以外は
実施例1と同様の方法にて、1670dtex/300
fil、強度5.8cN/dtex、伸度26%の芯/
鞘=ポリカプラミド(N6)/ポリL−乳酸(PLL
A)からなる芯鞘型複合繊維を得た。さらに上記繊維を
用いて、実施例1と同様の方法にてシートベルト用ウェ
ッビングを構成した。評価結果を表1に併せて示す。な
お、表1中、N6はポリカプラミドを表す。
【0039】(比較例1)芯成分として用いるチップを
融点112℃、重量平均分子量12.4万のポリブチレ
ンサクシネートとし、芯成分の溶融温度を180℃、複
合紡糸パックの温度を240℃、未延伸糸の延伸におけ
る1段目延伸温度を70℃、2段目延伸温度を90℃、
熱固定温度を90℃とした以外は実施例1と同様の方法
にて、1670dtex/300fil、強度5.2c
N/dtex、伸度25%の芯/鞘=ポリブチレンサク
シネート(PBS)/ポリL−乳酸(PLLA)からな
る芯鞘型複合繊維を得た。さらに上記繊維を用いて、実
施例1と同様の方法にてシートベルト用ウェッビングを
構成した。評価結果を表1に併せて示す。なお、表1
中、PBSはポリブチレンサクシネートを表す。
【0040】(比較例2)鞘成分として用いるチップを
芯成分と同じポリエチレンテレフタレートとし、鞘成分
の溶融温度・複合紡糸パックの温度を295℃、加熱筒
の筒内雰囲気温度を320℃、未延伸糸の延伸において
2段目延伸温度を225℃、総延伸倍率3.9倍、熱固
定温度を230℃とした以外は実施例1と同様の方法に
て、1670dtex/300fil、強度6.0cN
/dtex、伸度20%の芯/鞘=ポリエチレンテレフ
タレート(PET)/ポリL/D乳酸共重合体(P(L
/D)LA)からなる芯鞘型複合繊維を得た。さらに上
記繊維を用いて、実施例1と同様の方法にてシートベル
ト用ウェッビングを構成した。評価結果を表1に併せて
示す
【0041】
【発明の効果】本発明により得られるシートベルト用ウ
ェッビングは、従来では得られない格段の耐光性と実用
上十分な機械的強度を合わせ持ち、シートベルト用ウェ
ッビングとしてきわめて好適かつ有用であり本発明を完
成するに至った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D018 BA03 BA04 4L041 AA07 AA20 BA02 BA05 BA21 BC06 BC20 BD01 BD20 CA05 CA06 CA12 CA15 CA21 DD01 DD14 4L048 AA20 AA24 AA28 AA48 AB07 AB14 AC09 BB01 CA00 CA01 CA15 DA25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸および/または緯糸を構成する繊維
    が芯鞘型複合繊維からなるシートベルト用ウェッビング
    であって、該芯鞘型複合繊維の鞘部が融点130℃以上
    の脂肪族ポリエステルを主体とすることを特徴とするシ
    ートベルト用ウェッビング。
  2. 【請求項2】 繊維の強度が5.0cN/dtex以上
    であることを特徴とする請求項1記載のシートベルト用
    ウェッビング。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のシートベルト用
    ウェッビング。
  4. 【請求項4】 芯鞘型複合繊維の芯部が芳香族ポリエス
    テルおよび/またはポリアミドを主体とすることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載のシートベルト用
    ウェッビング。
JP11031913A 1999-02-09 1999-02-09 シートベルト用ウェッビング Withdrawn JP2000234233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11031913A JP2000234233A (ja) 1999-02-09 1999-02-09 シートベルト用ウェッビング

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11031913A JP2000234233A (ja) 1999-02-09 1999-02-09 シートベルト用ウェッビング

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000234233A true JP2000234233A (ja) 2000-08-29

Family

ID=12344232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11031913A Withdrawn JP2000234233A (ja) 1999-02-09 1999-02-09 シートベルト用ウェッビング

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000234233A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003050337A1 (de) * 2001-12-12 2003-06-19 Diolen Industrial Fibers Gmbh Gewebtes sicherheitsgurtband
WO2004013393A1 (de) * 2002-08-01 2004-02-12 Berger Gmbh & Co. Holding Kg Verfahren zur herstellung eines gewebten gurtbandes
JP2004197276A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Toray Ind Inc 芯鞘複合繊維
WO2007061010A1 (ja) * 2005-11-28 2007-05-31 Takata Corporation 製織ベルト及びシートベルト装置
JP2007145197A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Takata Corp 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003050337A1 (de) * 2001-12-12 2003-06-19 Diolen Industrial Fibers Gmbh Gewebtes sicherheitsgurtband
WO2004013393A1 (de) * 2002-08-01 2004-02-12 Berger Gmbh & Co. Holding Kg Verfahren zur herstellung eines gewebten gurtbandes
JP2004197276A (ja) * 2002-12-19 2004-07-15 Toray Ind Inc 芯鞘複合繊維
WO2007061010A1 (ja) * 2005-11-28 2007-05-31 Takata Corporation 製織ベルト及びシートベルト装置
JP2007145197A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Takata Corp 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置
JP4664193B2 (ja) * 2005-11-28 2011-04-06 タカタ株式会社 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0905292B1 (en) Spontaneously degradable fibers
KR100546741B1 (ko) 폴리락트산 수지 및 이를 이용한 섬유제품, 및 섬유제품의 제조방법
EP1937878B1 (en) High crimp bicomponent fibers
KR100901325B1 (ko) 폴리유산 섬유
KR100364302B1 (ko) 가공성이 우수한 폴리에스테르 섬유 및 그의 제조방법
US20120260436A1 (en) Normal pressure dyeable polyester fiber and method for producing the same
US6254987B1 (en) Monofil bicomponent fibres of the sheath/core type
US6921803B2 (en) Poly(trimethylene terephthalate) fibers, their manufacture and use
JP2000234233A (ja) シートベルト用ウェッビング
JP2008057082A (ja) ポリ乳酸モノフィラメントの製造方法
JP2000234234A (ja) シートベルト用ウェッビング
JP2004100087A (ja) 再生ポリエステル繊維
JP3614020B2 (ja) 脂肪族ポリエステルマルチフィラメントの製造方法
JP2003082530A (ja) ポリエステル系複合繊維及びその製造方法
JP4049940B2 (ja) 熱融着性複合繊維及びその製造方法
JP2008297680A (ja) 捲縮糸及びインテリア製品
JP2000220030A (ja) 異形断面脂肪族ポリエステル繊維および繊維構造物
JP3659379B2 (ja) 人工芝用原糸およびそれを用いた人工芝
JP2989365B2 (ja) 芯鞘型ポリエステル複合繊維
JP4706120B2 (ja) 高強度複合繊維
JP3657418B2 (ja) ポリエステル繊維およびその製造方法
JPS5930912A (ja) 易染性複合繊維
JP2000226757A (ja) 安全ネット
JPH11302924A (ja) カチオン染料可染鞘芯ポリエステル繊維
JP2003200814A (ja) チャイルドシートベルト用ウエビング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060203

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070612