JP4664193B2 - 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置 - Google Patents

乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4664193B2
JP4664193B2 JP2005342919A JP2005342919A JP4664193B2 JP 4664193 B2 JP4664193 B2 JP 4664193B2 JP 2005342919 A JP2005342919 A JP 2005342919A JP 2005342919 A JP2005342919 A JP 2005342919A JP 4664193 B2 JP4664193 B2 JP 4664193B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
webbing
seat belt
belt
occupant restraint
weft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005342919A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007145197A (ja
Inventor
定幸 嶋崎
逸男 多林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takata Corp filed Critical Takata Corp
Priority to JP2005342919A priority Critical patent/JP4664193B2/ja
Priority to US11/601,727 priority patent/US7563735B2/en
Priority to EP20060024034 priority patent/EP1790762B1/en
Priority to DE200660017024 priority patent/DE602006017024D1/de
Priority to CN2006101630051A priority patent/CN1982515B/zh
Publication of JP2007145197A publication Critical patent/JP2007145197A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4664193B2 publication Critical patent/JP4664193B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D03WEAVING
    • D03DWOVEN FABRICS; METHODS OF WEAVING; LOOMS
    • D03D1/00Woven fabrics designed to make specified articles
    • D03D1/0005Woven fabrics for safety belts
    • DTEXTILES; PAPER
    • D02YARNS; MECHANICAL FINISHING OF YARNS OR ROPES; WARPING OR BEAMING
    • D02GCRIMPING OR CURLING FIBRES, FILAMENTS, THREADS, OR YARNS; YARNS OR THREADS
    • D02G3/00Yarns or threads, e.g. fancy yarns; Processes or apparatus for the production thereof, not otherwise provided for
    • D02G3/22Yarns or threads characterised by constructional features, e.g. blending, filament/fibre
    • D02G3/40Yarns in which fibres are united by adhesives; Impregnated yarns or threads
    • D02G3/402Yarns in which fibres are united by adhesives; Impregnated yarns or threads the adhesive being one component of the yarn, i.e. thermoplastic yarn
    • DTEXTILES; PAPER
    • D10INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10BINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
    • D10B2401/00Physical properties
    • D10B2401/04Heat-responsive characteristics
    • D10B2401/041Heat-responsive characteristics thermoplastic; thermosetting
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/20Coated or impregnated woven, knit, or nonwoven fabric which is not [a] associated with another preformed layer or fiber layer or, [b] with respect to woven and knit, characterized, respectively, by a particular or differential weave or knit, wherein the coating or impregnation is neither a foamed material nor a free metal or alloy layer
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/30Woven fabric [i.e., woven strand or strip material]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/30Woven fabric [i.e., woven strand or strip material]
    • Y10T442/3065Including strand which is of specific structural definition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T442/00Fabric [woven, knitted, or nonwoven textile or cloth, etc.]
    • Y10T442/30Woven fabric [i.e., woven strand or strip material]
    • Y10T442/3179Woven fabric is characterized by a particular or differential weave other than fabric in which the strand denier or warp/weft pick count is specified

Description

本発明は、車両において事故の際に乗員を拘束するために用いられる乗員拘束ベルトの構築技術に関するものである。
この種の乗員拘束ベルトを構築する従来技術が、例えば下記特許文献1に記載されている。この特許文献1では、車両乗員を拘束する長尺状の乗員拘束ベルトとしてのシートベルトに関し、当該シートベルトに利用する繊維束やその製織構成などの改良によって、コンパクト性及び快適性などに優れたシートベルトを構築する可能性が提示されている。
特開2004−315984号公報
ところで、この種のシートベルトの設計に際しては、車両事故の際に乗員を拘束可能な剛性を有する基本性能が要請されるが、更に上記特許文献1に記載のようなシートベルト装着時の快適性や、リトラクタからのシートベルト引き出し性を考慮した場合、長尺であるシートベルトの軽量化が要請される。そこで、シートベルトの軽量化を図るべくシートベルト繊維の繊維本数を減少させることが考えられる。しかしながら、単に繊維本数を減少させる方法では、軽量化が可能となる反面、繊維本数の減少による剛性低下が懸念されることとなり、乗員を拘束するという本来の基本性能を全うするのが難しい。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両に装着される乗員拘束ベルトの剛性化及び軽量化の両立を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。なお、本発明は、自動車をはじめとする車両において、乗員を拘束する手段として用いられるシートベルトや安全ベルトの構築技術に適用され得る。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの乗員拘束ベルト用ウェビングである。
本発明の乗員拘束ベルト用ウェビングは、シートベルトリトラクタによって巻き取り及び巻き出しが行われる長尺状のシートベルトや、航空機用の安全ベルトといった乗員拘束ベルトして用いられる。この乗員拘束ベルト用ウェビングは、合成繊維からなる経糸(「縦糸」ともいう)及び緯糸(「横糸」ともいう)が互いに直交して延在するように織り込まれたウェビングとして構成される。
特に、本発明の乗員拘束ベルト用ウェビングでは、緯糸は、第1の繊維中に当該第1の繊維よりも融点が低い第2の繊維が介在する合成繊維であって、150[℃]以上、180[sec(秒)]以上の処理条件下において第2の繊維にて融解したのち20〜60[%]の寸法収縮率で収縮する高収縮性の合成繊維を用いて構成される。第1の繊維中に第2の繊維が介在する構成には、第1の繊維中に第2の繊維が概ね均質に点在する態様や、第1の繊維中に第2の繊維が偏在する態様などが包含される。このような高収縮性の合成繊維は、「高収縮型合成繊維」或いは「高収縮糸」とも称呼されるこの高収縮性の合成繊維として、具体的にはポリエステル系繊維を用いることができる。経糸や緯糸における繊維の寸法収縮率、すなわち長手寸法方向に関する収縮の度合いは、前記の処理条件下において得られる((処理後の長さ−処理前の長さ)/処理後の長さ)×100によって示すことができる。この寸法収縮率は、例えばJIS L 1909に準拠した処理方法又は測定方法を用いて導出される。
本発明の乗員拘束ベルト用ウェビングでは、緯糸を、20〜60[%]の寸法収縮率を有する高収縮性の合成繊維を用いて構成することによって、ウェビングが前記の処理条件において加熱されると、高収縮性の合成繊維のうち融点の低い第2の繊維が優先的に融解して緯糸の長手寸法方向への収縮化及び収束化が起こる。これによって緯糸の収縮後における単糸材の断面積が増大して硬くなり、ウェビング全体の剛性が高まることとなる。従って、高収縮性の合成繊維を含む糸によって構成されるウェビングの剛性が高まる分緯糸の繊維本数を予め間引くことで軽量化を図ることができる。これによって、当該ウェビングの重量が60[g/m]以下、引張り強度が25[kN]以上、六角耐磨耗保持率が70[%]以上の乗員拘束ベルト用ウェビングが得られることとなり、剛性及び軽量性を兼ね備えた乗員拘束ベルトを提供することができる。このとき、ウェビングの引張り強度(強力)は、JIS L1096 8.12.1A法に準拠した方法によって測定することができ、ウェビングの六角耐磨耗保持率は、JIS D4604法に準拠した方法によって測定することができる。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの乗員拘束ベルト用ウェビングである。
本発明のこの乗員拘束ベルト用ウェビングは、請求項1に記載の構成において、緯糸の1インチ(inch)当たりの打ち込み本数が20本以下となるように構成されている。
この種のウェビングの断面構造に関しては、直線状に延在する緯糸に対し、経糸は、曲線状のいわゆる「クリンプ(なみうち現象)」を形成するようにして延在する。これは、経糸を交互に開合させた部位へ緯糸を打ち込むことによって織り上げるという、織物の織り方法(織り構造)に起因する特有の現象である。このような構成において、緯糸の打ち込み本数を20本以下、更に好ましくは17本以下に抑えることによって、曲線状のクリンプの蛇行形状が穏やかになるようにすることができ、曲線部分の応力集中を緩和することができる。これにより、ウェビングの剛性化及び軽量化の両立に関し、更なる性能向上を図ることが可能となる。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの乗員拘束ベルト用ウェビングである。
本発明のこの乗員拘束ベルト用ウェビングは、請求項1または請求項2に記載の構成において、更に経糸及び緯糸のうちの少なくとも一方が、撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いて構成されている。本発明には、経糸及び緯糸のいずれかを撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いて構成する態様や、経糸及び緯糸の両方を撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いて構成する態様が包含される。このような糸材を用いることによって、繊維間の絡み合いが増え抱合力が向上するため、ウェビングの剛性をより高めることが可能となる。特に、無撚糸を交絡させた糸材を用いれば、撚糸からなる糸材を用いるよりも材料コストを抑えることが可能となり、乗員拘束ベルト用ウェビングの製造コスト低減を図ることが可能となる。
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのシートベルトである。
本発明のシートベルトは、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の乗員拘束ベルト用ウェビングを用いて構成された乗員拘束ベルトである。このような構成によれば、シートベルトの剛性化及び軽量化の両立を図ることが可能とされる。
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのシートベルト装置である。
本発明のシートベルト装置は、請求項4に記載のシートベルト、シートベルトリトラクタ、バックル、タングを少なくとも備える。シートベルトリトラクタは、シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行う機能を有し、リトラクタハウジングにスプールを収容する構成とされる。このシートベルトリトラクタは、スプールを駆動する駆動機構や当該駆動を制御する制御機構を備えていてもよい。そして、シートベルトに設けられたタング(トング)は、シートベルト装着時において車両に対し固定されたバックルに係合するようになっている。このような構成によれば、シートベルトの剛性化及び軽量化が両立されたシートベルト装置を提供することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、合成繊維からなる経糸及び緯糸が互いに直交して延在するように織り込まれた乗員拘束ベルト用ウェビングに関し、特に経糸及び緯糸のうちの少なくとも一方を高収縮性の合成繊維を用いて構成することによって、乗員拘束ベルトの剛性化及び軽量化の両立を図るのに有効な技術が提供されることとなった。
以下に、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施の形態では、自動車に搭載されるシートベルト装置に係り、当該シートベルト装置を構成するのに最適なシートベルト及びその製造方法を提案するものである。
まず、図1を参照しながら、本発明における「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成について説明する。この図1には、本発明における一実施の形態のシートベルト装置100の概略構成が示される。
図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ101、シートベルト110、タング(トング)104、バックル106等を主体に構成されている。
本実施の形態のシートベルトリトラクタ101は、リトラクタハウジング101aに少なくとも円筒状のスプール102を収容する構成とされ、このスプール102を介してシートベルト110の巻き取り及び巻き出しを可能とする。このスプール102は、バネやモータなどを用いて構成される駆動手段によって駆動される。このシートベルトリトラクタ101は、図1に示す例では、車両のBピラー10内の収容空間に装着されている。このシートベルトリトラクタ101が、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。
本実施の形態のシートベルト110は、車両乗員Cの拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルトであって、合成繊維材料で作った帯状のもの(ウェビング)を長尺状としたベルトである。このシートベルト110が、本発明における「乗員拘束ベルト」、「シートベルト」に対応している。このシートベルト110は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ101から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー103を経由し、タング(トング)104を通ってアウトアンカー105に連結されている。そして、車両に対し固定されたバックル106にタング(トング)104が挿入される(係合する)ことによって、当該シートベルト110が車両乗員Cに対しシートベルト装着状態となる。このタング104が本発明における「タング」に対応しており、バックル106が本発明における「バックル」に対応している。
本発明者らは、実用性に優れたシートベルトを構築するべく、後述する所定の製織条件にしたがってシートベルト用ウェビングを製織し、当該シートベルト用ウェビングのウェビング物性についての評価を実施した。このシートベルト用ウェビングが、本発明における「乗員拘束ベルト用ウェビング」に相当する。
ここで、図1中のシートベルト110を構成するシートベルト用ウェビングの製織条件及びウェビング物性に関し、本実施の形態(実施例−1〜実施例−9)及び比較例についての一覧表が図2に示される。これら本実施の形態及び比較例に記載のシートベルト用ウェビングは、いずれも合成繊維からなる縦糸(「経糸」ともいう)及び横糸(「緯糸」ともいう)が互いに直交して延在するように織り込まれた織物として構成される。特に、本実施の形態(実施例−1〜実施例−9)では、繊維の長手寸法方向に関し収縮率の高い高収縮性の高収縮糸を横糸に用いる一方、比較例では、当該高収縮糸を横糸に用いていない。
図2に示すように、「実施例−1」では、1670[dtex(デシテックス)]で144[f(フィラメント)]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から34本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が246本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、560[dtex]で96[f]の高融点ポリエステル繊維と、84[dtex]で12[f]の低融点ポリエステル繊維、具体的には210[℃]、180[sec]の処理条件下において熱収縮率30[%]の高収縮糸(本発明における「高収縮性の合成繊維」に対応する繊維)とによる横糸を第2繊維束として用いた。この熱収縮率は、繊維の長手寸法方向に関する収縮の度合いであって、本発明における「寸法収縮率」に相当する。この高収縮糸としては、150[℃]以上、180[sec]以上の処理条件下において熱収縮率20〜60[%]のものを適宜選択して用いることができる。
なお、この横糸における高融点ポリエステル繊維と低融点ポリエステル繊維との配合に関しては、例えば560[dtex]で96[f]の高融点ポリエステル繊維の1本に対し、84[dtex]で12[f]の低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)の4本(合計で336[dtex]で48[f]の低融点ポリエステル繊維とされる)を配合することができる。この場合、高融点ポリエステル繊維と低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)との配合比率は、およそ1.7とされる。本実施の形態において、この横糸における高融点ポリエステル繊維と低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)との配合比率を、例えば1〜2:1に設定することができる。
なお、横糸を構成する前記の高融点ポリエステル繊維は、典型的にはテレフタル酸とエチレングリコールを用いたエステル化反応によって製造されたポリエチレンテレフタレートの重合体からなる。これに対し、横糸を構成する前記の低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)は、典型的にはテレフタル酸及びイソフタル酸とエチレングリコールを用いたエステル化反応によって製造されたポリエチレンイソフタレートと前記ポリエチレンテレフタレートの共重合体からなる。
ここで、本実施の形態の低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)の概要が図3に示される。図3に示すように、この低融点ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート中にポリエチレンイソフタレートが点在した構成を有する。すなわちこの低融点ポリエステル繊維は、高融点のポリエチレンテレフタレートに、低融点のポリエチレンイソフタレートが混入された共重合体として構成される。本実施の形態では、この低融点ポリエステル繊維(モノフィラメント)が束になった繊維体、いわゆるマルチフィラメントを横糸の一部に用いている。このような横糸によって形成されたウェビングが加熱されると、ポリエチレンテレフタレートよりも相対的に融点が低いポリエチレンイソフタレート(低融点繊維)が優先的に融解してモノフィラメント同士が溶け合い、収縮及び収束化する。そして、隣り合うマルチフィラメントが収束することによってモノフィラメント化して硬くなり、その結果、横糸の収縮後における単糸材の断面積が増大して硬くなりウェビング全体としての剛性が高まることとなる。ここでいうポリエチレンテレフタレートが、本発明における「第1の繊維」に相当し、ポリエチレンイソフタレートが、本発明における「第1の繊維よりも融点が低い第2の繊維」に相当する。
なお、この低融点ポリエステル繊維においては、ポリエチレンイソフタレートの共重合比率、すなわち使用量を増やすほどに原糸の融点が低くなる。例えばポリエチレンイソフタレートの共重合比率が10[%](ポリエチレンテレフタレートが90[%])の場合では、低融点ポリエステル繊維の融点が230[℃]とされ、ポリエチレンイソフタレートの共重合比率が30[%](ポリエチレンテレフタレートが70[%])の場合では、低融点ポリエステル繊維の融点が160[℃]とされる。本実施の形態では、特にポリエチレンイソフタレートの共重合比率が10[%]で融点が230[℃]の低融点ポリエステル繊維を高収縮糸として用いている。
そして、上記実施例−1の第1繊維束及び第2繊維束を、図2中に示す製織条件に基づいてニードル型織機にて製織加工し、シートベルト用ウェビング(評価用ウェビング)を得た。なお、この製織加工では、横糸(緯糸)の1インチ(inch)当たりの打ち込み本数を19本とした。その後、この評価用ウェビングに対し必要に応じて染色処理及び予備乾燥処理を行った後、熱安定化処理を行った。この熱安定化処理では、評価用ウェビングを210[℃]近傍に制御された加熱処理炉中を約180[sec(秒)]で通過させた。なお、この熱安定化処理における処理条件は、150[℃]以上、180[sec]以上の範囲において適宜選択可能であり、例えば150[℃]、300[sec]という処理条件を選択することもできる。更に、図2中のウェビング物性を測定するに際し、評価用ウェビングを既定寸法の試験片に裁断し、当該試験片を自然乾燥した後、所定の恒温恒湿条件下(20℃、65%RH)に曝した。
この実施例−1では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が52.53[g/m]とされ、軽量化率が14.72[%]とされた。
また、「実施例−2」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から34本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が246本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−1と同様のものを用いたうえで、横糸の1インチ当たりの打ち込み本数を20本とした。その他の条件等に関しては、実施例−1と同様とした。
この実施例−2では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が53.47[g/m]とされ、軽量化率が13.20[%]とされた。
また、「実施例−3」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から30本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が250本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−1と同様のものを用いた。その他の条件等に関しては、実施例−1と同様とした。
この実施例−3では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が54.90[g/m]とされ、軽量化率が10.88[%]とされた。
また、「実施例−4」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から30本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が250本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−2と同様のものを用いた。その他の条件等に関しては、実施例−2と同様とした。
この実施例−4では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が56.00[g/m]とされ、軽量化率が9.09[%]とされた。
また、「実施例−5」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から26本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が254本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−1と同様のものを用いた。その他の条件等に関しては、実施例−1と同様とした。
この実施例−5では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が55.25[g/m]とされ、軽量化率が10.31[%]とされた。
また、「実施例−6」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から26本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が254本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−2と同様のものを用いた。その他の条件等に関しては、実施例−2と同様とした。
この実施例−6では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が56.05[g/m]とされ、軽量化率が9.01[%]とされた。
また、「実施例−7」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から16本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が264本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−1と同様のものを用いたうえで、横糸の1インチ当たりの打ち込み本数を18本とした。その他の条件等に関しては、実施例−1と同様とした。
この実施例−7では、第1繊維束における縦糸の間引きや第2繊維束における打込み本数の減少等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が56.34[g/m]とされ、軽量化率が8.54[%]とされた。
また、「実施例−8」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束を、通常品(縦糸本数が280本のもの)から16本を間引きして軽量化したものを第1繊維束として用いた。この間引きにより縦糸本数が264本とされている。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−1と同様のものを用いた。その他の条件等に関しては、実施例−1と同様とした。
この実施例−8では、第1繊維束における縦糸の間引き等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が57.35[g/m]とされ、軽量化率が6.90[%]とされた。
また、「実施例−9」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束であって、縦糸本数が通常(280本)のものを第1繊維束として用いた。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、第2繊維束としては実施例−1と同様のものを用いたうえで、横糸の1インチ当たりの打ち込み本数を17本とした。その他の条件等に関しては、実施例−1と同様とした。
この実施例−9では、第2繊維束における打込み本数の減少等によって、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量が59.69[g/m]とされ、軽量化率が3.10[%]とされた。
また、「比較例」では、1670[dtex]で144[f]の縦糸の繊維束であって、縦糸本数が通常(280本)のものを第1繊維束として用いた。この第1繊維束としては、無撚糸を交絡させた糸材を用いている。また、830[dtex]で96[f]の横糸の繊維束であって、実施例−1〜実施例−9のような高収縮糸が含まれないものを第2繊維束として用い、この第2繊維束における打込み本数を19本とした。
この比較例において、シートベルト用ウェビング全体としての単位長さあたりの重量は60.80[g/m]とされ、この重量を軽量化基準として規定した。
ここで、本発明者らは、上記製織条件に基づいて製織した実施例−1〜実施例−9及び比較例に記載のシートベルト用ウェビングにつき、ウェビング物性を評価するべく、以下に示す測定項目の測定を実施した。なお、本発明者らは、各測定を各ウェビングごとに少なくとも5個の試験片を準備して行い、測定結果につき再現性があることを確認した。
(測定項目)
本実施の形態では、シートベルト用ウェビングのウェビング物性を評価する測定項目として、「引張り強度(「強力」或いは「強度」ともいう)」、「六角耐磨耗保持率」を使用した。
(強力の測定)
本実施の形態では、ウェビングの引張り強度(強力)を、JIS L1096 8.12.1A法に準拠した方法によって測定した。このウェビングの引張り強度が例えば25[kN]を上回るように設計することによって、シートベルトに必要とされる所望の耐荷重性を得ることが可能とされる。
(六角耐磨耗保持率の測定)
本実施の形態では、ウェビングの六角耐磨耗保持率を、JIS D4604法に準拠した方法によって測定した。このウェビングの六角耐磨耗保持率が例えば70[%]を上回るように設計することによって、シートベルトに必要とされる所望の耐摩耗性を得ることが可能とされる。
(評価項目)
次に、本発明者らは、実施例−1〜実施例−9及び比較例に記載の各シートベルト用ウェビングを上記測定結果に基づいて評価した。この評価項目として、ウェビングの「軽量性」、「強度」、「耐摩耗性」等を用いた。
図2に示すように、実施例−1のウェビングは、第1繊維束における34本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が14.72[%]となり、特に軽量性に関し突出して優れていることが確認された。また、その他の引張り強度や六角耐磨耗保持率に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、いずれも所定のレベルである引張り強度25[kN]以上、六角耐磨耗保持率70[%]以上を満足するものであり、強度及び耐摩耗性に関しても優れていることが確認された。
また、実施例−2のウェビングは、第1繊維束における34本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が13.2[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、引張り強度に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、所定のレベルである引張り強度25[kN]以上を満足するものであり、強度に関しても優れていることが確認された。更に、六角耐磨耗保持率が87.59[%]であり比較例を大幅に上回っていることから、特に耐摩耗性に関し突出して優れていることが確認された。
また、実施例−3のウェビングは、第1繊維束における30本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が10.88[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、その他の引張り強度や六角耐磨耗保持率に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、いずれも所定のレベルである引張り強度25[kN]以上、六角耐磨耗保持率70[%]以上を満足するものであり、強度及び耐摩耗性に関しても優れていることが確認された。
また、実施例−4のウェビングは、第1繊維束における30本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が9.09[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、その他の引張り強度や六角耐磨耗保持率に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、いずれも所定のレベルである引張り強度25[kN]以上、六角耐磨耗保持率70[%]以上を満足するものであり、強度及び耐摩耗性に関しても優れていることが確認された。
また、実施例−5のウェビングは、第1繊維束における26本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が10.31[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、その他の引張り強度や六角耐磨耗保持率に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、いずれも所定のレベルである引張り強度25[kN]以上、六角耐磨耗保持率70[%]以上を満足するものであり、強度及び耐摩耗性に関しても優れていることが確認された。
また、実施例−6のウェビングは、第1繊維束における26本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が9.01[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、引張り強度に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、所定のレベルである引張り強度25[kN]以上を満足するものであり、強度に関しても優れていることが確認された。更に、六角耐磨耗保持率が87.50[%]であり比較例を大幅に上回っていることから、特に耐摩耗性に関し突出して優れていることが確認された。
また、実施例−7のウェビングは、第1繊維束における16本の縦糸の間引き、及び第2繊維束における横糸の1インチ当たりの打込み本数の低減(18本)によって、比較例に対する軽量化率が8.54[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、その他の引張り強度や六角耐磨耗保持率に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、いずれも所定のレベルである引張り強度25[kN]以上、六角耐磨耗保持率70[%]以上を満足するものであり、強度及び耐摩耗性に関しても優れていることが確認された。
また、実施例−8のウェビングは、第1繊維束における16本の縦糸の間引きによって比較例に対する軽量化率が6.90[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、引張り強度に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、所定のレベルである引張り強度25[kN]以上を満足するものであり、強度に関しても優れていることが確認された。更に、六角耐磨耗保持率が83.94[%]であり比較例を上回っていることから、耐摩耗性に関し優れていることが確認された。
また、実施例−9のウェビングは、第2繊維束における横糸の1インチ当たりの打込み本数の低減(17本)によって、比較例に対する軽量化率が3.10[%]となり、軽量性に関し優れていることが確認された。また、その他の引張り強度や六角耐磨耗保持率に関しては、比較例よりも若干低下しているものの、いずれも所定のレベルである引張り強度25[kN]以上、六角耐磨耗保持率70[%]以上を満足するものであり、強度及び耐摩耗性に関しても優れていることが確認された。
(総合評価)
上記評価結果を踏まえ、図2中では、実施例−1〜実施例−9のシートベルト用ウェビングは、軽量性、強度、耐摩耗性の全般にわたって優れたシートベルトを構成することが可能であるとして、その総合評価を「◎」とし、比較例のシートベルト用ウェビングは、軽量性、強度、耐摩耗性についての総合的なレベルに関し所望のレベルを下回るものとして、その総合評価を「×」とした。特に、比較例のシートベルト用ウェビングは、重量が60[g/m]を上回ることから軽量性に難がある。
以上のように、本実施の形態によれば、軽量性、強度、耐摩耗性等の実用性に優れたシートベルト(ウェビング)、及び当該シートベルトを用いて構成されたシートベルト装置が提供される。
すなわち、本実施の形態において製織した実施例−1〜実施例−9のシートベルト用ウェビングは、比較例のシートベルト用ウェビングに比して、重量、引張り強度、六角耐磨耗保持率の全般にわたって優れた性能を有するものであり、シートベルトの強度低下を抑えたうえで軽量化を図るのに有効である。
具体的には、実施例−1〜実施例−9では、高融点ポリエステル繊維に対し、210[℃]、180[sec]以上の処理条件下において融解したのち30[%]の熱収縮率で収縮する高収縮性の低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)を配合した横糸(緯糸)を用いているため、横糸(緯糸)収縮後における単糸材の断面積を増大させて剛性を高めることができ、その分、繊維本数を間引くことで軽量化を図ることができる。これによって、重量が60[g/m]以下、引張り強度が25[kN]以上、六角耐磨耗保持率が70[%]以上のシートベルト用ウェビングが得られることとなり、剛性及び軽量性を兼ね備えたシートベルトを提供することができる。なお、繊維の熱収縮率、すなわち長手寸法方向に関する収縮の度合いは、前記の処理条件下において得られる((処理後の長さ−処理前の長さ)/処理後の長さ)×100によって示すことができ、例えばJIS L 1909に準拠した処理方法又は測定方法を用いて導出される。
なお、本発明では、150[℃]以上、180[sec]以上の処理条件下における熱収縮率(寸法収縮率)が20〜60[%]の範囲内にある高収縮性の合成繊維を適宜用いることによって、重量が60[g/m]以下、引張り強度が25[kN]以上、六角耐磨耗保持率が70[%]以上の範囲内の物性を有するシートベルト用ウェビングが少なくとも得られればよく、縦糸や横糸に用いる繊維の種類、処理条件等は、必要に応じて適宜変更可能である。上記実施の形態では、高融点ポリエステル繊維に低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)を配合して横糸を構成したが、高融点繊維や低融点繊維の種類、またこれら高融点繊維と低融点繊維との組み合わせや配合比率等は、必要に応じて適宜変更可能である。
また、本実施の形態において製織した実施例−1〜実施例−9のシートベルト用ウェビングでは、撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いて縦糸(経糸)を構成することができる。これによって、繊維間の絡み合いが増え抱合力が向上するため、ウェビングの剛性をより高めることが可能となる。特に、無撚糸を交絡させた糸材を用いれば、撚糸からなる糸材を用いるよりも材料コストを抑えることが可能となり、ウェビングの製造コスト低減を図ることが可能となる。
また、この種のウェビングの断面構造に関しては、直線状に延在する緯糸に対し、経糸は、曲線状のいわゆる「クリンプ(なみうち現象)」を形成するようにして延在する。これは、経糸を交互に開合させた部位へ緯糸を打ち込むことによって織り上げるという、織物の織り方法(織り構造)に起因する特有の現象である。そこで、実施例−1〜実施例−9のシートベルト用ウェビングの如く、横糸(緯糸)の1インチ当たりの打ち込み本数を20以下に抑えることによって、更には実施例−7や実施例−9のように1インチ当たりの打ち込み本数を18本や17本に抑えることによって、曲線状のクリンプの蛇行形状が穏やかになるようにすることができ、曲線部分の応力集中を緩和することができる。これにより。ウェビングの剛性化及び軽量化の両立に関し、更なる性能向上を図ることが可能となる。なお、本発明では、横糸(緯糸)の1インチ当たりの打ち込み本数を20本以下の範囲内において適宜設定することができ、また高収縮性の合成繊維を用いることで所望のウェビング物性が得られる場合には、横糸の1インチ当たりの打ち込み本数が20本を上回るように設定することもできる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、縦糸(経糸)及び横糸(緯糸)のうち横糸のみを、高収縮性の合成繊維を用いて構成する場合について記載したが、本発明では、糸のみ、或いは縦糸及び横糸の両方を、高収縮性の合成繊維を用いて構成することもできる。
また、上記実施の形態では、縦糸(経糸)及び横糸(緯糸)のうち縦糸のみを、無撚糸を交絡させた糸材を用いて構成する場合について記載したが、本発明では、横糸のみ、或いは縦糸及び横糸の両方を、撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いて構成することもできる。また、本発明では、高収縮性の合成繊維を用いることで所望のウェビング物性が得られる場合には、撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いることなく、縦糸及び横糸を構成してもよい。
また、上記実施の形態では、自動車の運転席用のシートベルト装置100について記載したが、本発明は、自動車の運転席をはじめ助手席や後部席の乗員を拘束するシートベルトの構成や、自動車以外の飛行機、船舶等に装着されるシートベルトの構成に適用され得る。
本発明における一実施の形態のシートベルト装置100の概略構成を示す図である。 図1中のシートベルト110を構成するシートベルト用ウェビングの製織条件及びウェビング物性に関し、本実施の形態(実施例−1〜実施例−9)及び比較例についての一覧表である。 本実施の形態の低融点ポリエステル繊維(高収縮糸)の概要を示す図である。
100 シートベルト装置
101 シートベルトリトラクタ
102 スプール
103 ショルダーガイドアンカー
104 タング(トング)
105 アウトアンカー
106 バックル
110 シートベルト(ウェビング)

Claims (5)

  1. 車両乗員を拘束する長尺状の乗員拘束ベルトを構成する乗員拘束ベルト用ウェビングであって、
    合成繊維からなる経糸及び緯糸が互いに直交して延在するように織り込まれるとともに、前記緯糸は、ポリエチレンテレフタレート中に当該ポリエチレンテレフタレートよりも融点が低いポリエチレンイソフタレートが点在する合成繊維であって、150[℃]以上、180[sec]以上の処理条件下において前記ポリエチレンイソフタレートにて融解したのち20〜60[%]の寸法収縮率で収縮する高収縮性の合成繊維を用いて構成されており、当該ウェビングの重さが60[g/m]以下、引張り強度が25[kN]以上、六角耐磨耗保持率が70[%]以上であることを特徴とする乗員拘束ベルト用ウェビング。
  2. 請求項1に記載の乗員拘束ベルト用ウェビングであって、
    前記緯糸の1インチ当たりの打ち込み本数が20本以下となるように構成されていることを特徴とする乗員拘束ベルト用ウェビング。
  3. 請求項1または2に記載の乗員拘束ベルト用ウェビングであって、
    前記経糸及び緯糸のうちの少なくとも一方が、撚糸からなる糸材、或いは無撚糸を交絡させた糸材を用いて構成されていることを特徴とする乗員拘束ベルト用ウェビング。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の乗員拘束ベルト用ウェビングを用いて構成された前記乗員拘束ベルトとしてのシートベルト。
  5. 請求項4に記載のシートベルトと、
    前記シートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うシートベルトリトラクタと、
    車両に対し固定されたバックルと、
    前記シートベルトに設けられ、シートベルト装着時に前記バックルに係合するタングと、
    を備えることを特徴とするシートベルト装置。
JP2005342919A 2005-11-28 2005-11-28 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置 Expired - Fee Related JP4664193B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005342919A JP4664193B2 (ja) 2005-11-28 2005-11-28 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置
US11/601,727 US7563735B2 (en) 2005-11-28 2006-11-20 Webbing for a seat belt
EP20060024034 EP1790762B1 (en) 2005-11-28 2006-11-20 Webbing for passenger restraint belt, seat belt, and seat belt device
DE200660017024 DE602006017024D1 (de) 2005-11-28 2006-11-20 Gurtband für Fahrzeugsicherheitsgurt, Sicherheitsgurt und Sicherheitsgurtsvorrichtung
CN2006101630051A CN1982515B (zh) 2005-11-28 2006-11-28 乘员约束带用织带、安全带、安全带装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005342919A JP4664193B2 (ja) 2005-11-28 2005-11-28 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007145197A JP2007145197A (ja) 2007-06-14
JP4664193B2 true JP4664193B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=37888345

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005342919A Expired - Fee Related JP4664193B2 (ja) 2005-11-28 2005-11-28 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7563735B2 (ja)
EP (1) EP1790762B1 (ja)
JP (1) JP4664193B2 (ja)
CN (1) CN1982515B (ja)
DE (1) DE602006017024D1 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007146325A (ja) 2005-11-28 2007-06-14 Takata Corp 製織ベルト及びシートベルト装置
JP2008144308A (ja) 2006-12-11 2008-06-26 Takata Corp 製織ベルト及びシートベルト装置
JP2008144311A (ja) 2006-12-11 2008-06-26 Takata Corp 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置
JP2008302907A (ja) * 2007-06-11 2008-12-18 Takata Corp 伸縮性ウェビング、エアベルト、エアベルト装置
JP2008302905A (ja) 2007-06-11 2008-12-18 Takata Corp 伸縮性ウェビング、エアベルト、エアベルト装置
CN104441805B (zh) * 2013-09-25 2016-04-27 南通海汇科技发展有限公司 经纬向水洗尺寸变化率为-0.6%~0.5%的水溶性粘合衬
DE102018116275A1 (de) * 2018-06-21 2019-12-24 Voith Patent Gmbh Bespannung für eine Maschine zur Herstellung von Faserzement-Bauteilen und Herstellverfahren für eine solche Bespannung

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234233A (ja) * 1999-02-09 2000-08-29 Toray Ind Inc シートベルト用ウェッビング
JP2001294122A (ja) * 2000-04-11 2001-10-23 Toray Ind Inc シートベルト用ウェビングの製造方法およびシートベルト用ウェビング
JP2003193348A (ja) * 2001-12-18 2003-07-09 Kikuchi Kogyo Kk シートベルト用ウェビング及びシートベルト用ウェビングの製造方法
WO2004048658A1 (de) * 2002-11-27 2004-06-10 Berger Gmbh & Co. Holding Kg Verfahren zur herstellung eines gewebten gurtbandes

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2551819B2 (ja) 1988-08-09 1996-11-06 株式会社パル パチンコ機
US5298321A (en) * 1991-07-05 1994-03-29 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Recyclable vehicular cushioning material and seat
CN1069353C (zh) * 1993-08-06 2001-08-08 可乐丽股份有限公司 聚酯纤维及其复合纤维
JP3291106B2 (ja) 1994-01-11 2002-06-10 ユニチカ株式会社 シートベルト用ポリエステル原着糸
JPH0872668A (ja) 1994-09-09 1996-03-19 Kuraray Co Ltd 安全ベルト
EP0717133B1 (de) * 1994-12-16 2001-03-21 Hoechst Trevira GmbH & Co. KG Hybridgarn und daraus hergestelltes schrumpffähiges und geschrumpftes, permanent verformbares Textilmaterial, seine Herstellung und Verwendung
JPH08188938A (ja) 1994-12-28 1996-07-23 Unitika Ltd 布帛テープ
JPH07309200A (ja) 1995-01-30 1995-11-28 Nippon Seiko Kk 車両用シートベルト装置のウエビングの製造方法
JP3639639B2 (ja) 1995-05-02 2005-04-20 株式会社米澤物産 カーテンの芯地基材
JPH0931850A (ja) 1995-07-18 1997-02-04 Unitika Ltd シートベルト用平滑剤およびシートベルト織物
DE59605711D1 (de) * 1995-10-11 2000-09-14 Arteva Tech Sarl Schwerentflammbare Sicherheitsgurte enthaltend phosphor-modifizierte Polyesterfasern
JPH09254740A (ja) * 1996-03-19 1997-09-30 Nippon Seiko Kk シートベルト装置
JPH09323619A (ja) 1996-06-05 1997-12-16 Yasuaki Suzuki 自動車用シートベルトの製造方法
JP3608885B2 (ja) 1996-10-15 2005-01-12 帝人テクノプロダクツ株式会社 シートベルト用ウエビングの製造方法
DE19857034C1 (de) 1998-10-02 2000-08-31 Johann Berger Zweilagiges Gurtband und Verfahren zu dessen Herstellung
JP2000248469A (ja) 1999-03-02 2000-09-12 Toray Ind Inc シートベルト用ウェビングおよびその製造方法
JP2001234477A (ja) 2000-02-21 2001-08-31 Toyobo Co Ltd 収納性に優れたシートベルト及びその製造方法
JP2001295153A (ja) 2000-04-11 2001-10-26 Toray Ind Inc シートベルト用ウェビングの製造方法およびシートベルト用ウェビング
JP4390984B2 (ja) 2000-07-19 2009-12-24 帝人ファイバー株式会社 シートベルト用ウェッビング
JP2002240680A (ja) 2001-02-20 2002-08-28 Toyoda Spinning & Weaving Co Ltd シートベルト用ウェビング
JP4734737B2 (ja) * 2001-03-07 2011-07-27 タカタ株式会社 エアベルト及びエアベルト装置
JP2002362304A (ja) 2001-06-11 2002-12-18 Toyobo Co Ltd シートベルトウェビング及びその製造方法
DE20120160U1 (de) * 2001-12-12 2003-04-24 Acordis Ind Fibers Gmbh Gewebtes Sicherheitsgurtband
DE10235227A1 (de) * 2002-08-01 2004-02-19 Johann Berger Verfahren zur Herstellung eines gewebten Gurtbandes
JP4175162B2 (ja) 2003-04-11 2008-11-05 東レ株式会社 シートベルト用ウェビングおよびその製造方法
CN1570236A (zh) * 2004-04-26 2005-01-26 明新弹性织物(中国)有限公司 防缩筋弹性织带

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000234233A (ja) * 1999-02-09 2000-08-29 Toray Ind Inc シートベルト用ウェッビング
JP2001294122A (ja) * 2000-04-11 2001-10-23 Toray Ind Inc シートベルト用ウェビングの製造方法およびシートベルト用ウェビング
JP2003193348A (ja) * 2001-12-18 2003-07-09 Kikuchi Kogyo Kk シートベルト用ウェビング及びシートベルト用ウェビングの製造方法
WO2004048658A1 (de) * 2002-11-27 2004-06-10 Berger Gmbh & Co. Holding Kg Verfahren zur herstellung eines gewebten gurtbandes

Also Published As

Publication number Publication date
US7563735B2 (en) 2009-07-21
EP1790762A3 (en) 2009-05-06
CN1982515B (zh) 2010-12-15
EP1790762A2 (en) 2007-05-30
US20070123126A1 (en) 2007-05-31
JP2007145197A (ja) 2007-06-14
CN1982515A (zh) 2007-06-20
EP1790762B1 (en) 2010-09-22
DE602006017024D1 (de) 2010-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4666495B2 (ja) 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置
JP4664193B2 (ja) 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置
EP2003026B1 (en) Stretchable webbing, inflatable belt, and inflatable belt apparatus
EP2883986B1 (en) Woven fabric and process for producing same
US7845676B2 (en) Stretchable webbing, inflatable belt, and inflatable belt apparatus
EP1932956B1 (en) Woven belt and seatbelt device
US7662734B2 (en) Woven belt and seat belt apparatus
JP2008144311A (ja) 乗員拘束ベルト用ウェビング、シートベルト、シートベルト装置
US7799709B2 (en) Woven belt and seatbelt device
JP2000185624A (ja) ウエビングの織り構造
JP2007023411A (ja) エアバッグ用織物およびエアバッグならびにエアバッグ用織物の製造方法
JPH09254740A (ja) シートベルト装置
JPH0681244A (ja) 衝撃吸収用ベルト
JP2001260813A (ja) 乗員拘束装置
JP2000190810A (ja) シ―トベルト用合成繊維およびシ―トベルトウェビング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101014

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4664193

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S343 Written request for registration of root pledge or change of root pledge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316354

SZ02 Written request for trust registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316Z02

S343 Written request for registration of root pledge or change of root pledge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316354

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S343 Written request for registration of root pledge or change of root pledge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316354

SZ02 Written request for trust registration

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R316Z02

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees