JPH0681244A - 衝撃吸収用ベルト - Google Patents
衝撃吸収用ベルトInfo
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- JPH0681244A JPH0681244A JP4118316A JP11831692A JPH0681244A JP H0681244 A JPH0681244 A JP H0681244A JP 4118316 A JP4118316 A JP 4118316A JP 11831692 A JP11831692 A JP 11831692A JP H0681244 A JPH0681244 A JP H0681244A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 車両等の衝突時に乗員を保護拘束するシート
ベルト装置による乗員の初期拘束性を向上させる。衝突
エネルギーの吸収により衝撃を緩和することができる衝
撃吸収用ベルトを簡易に得る。傷害値(HIC)を軽減
し、安全性を向上させる。 【構成】 ベルト11の基本組材1である縦糸13の長
手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸からなる付加組
材15を挿入する。付加組材15を横糸14,14間で
夫々挾持する。前記付加組材15を乾強力20g /de以
上、破断伸度4%以下、原糸繊度1100de以下の炭素
繊維やアラミド繊維より形成する。衝撃荷重が加えられ
た場合に、付加組材15をその長手方向に沿ってランダ
ムに破断させる。
ベルト装置による乗員の初期拘束性を向上させる。衝突
エネルギーの吸収により衝撃を緩和することができる衝
撃吸収用ベルトを簡易に得る。傷害値(HIC)を軽減
し、安全性を向上させる。 【構成】 ベルト11の基本組材1である縦糸13の長
手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸からなる付加組
材15を挿入する。付加組材15を横糸14,14間で
夫々挾持する。前記付加組材15を乾強力20g /de以
上、破断伸度4%以下、原糸繊度1100de以下の炭素
繊維やアラミド繊維より形成する。衝撃荷重が加えられ
た場合に、付加組材15をその長手方向に沿ってランダ
ムに破断させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車及び飛行機等の
高速走行時の衝撃や衝突及び落下の際に乗員を保護する
シートベルト装置、チャイルドシートのシートベルト装
置等に適用することができる衝撃吸収用ベルトに関し、
更に詳細に説明すると、縦糸と横糸を基本組材として織
成して構成される衝撃吸収用ベルトに関する。
高速走行時の衝撃や衝突及び落下の際に乗員を保護する
シートベルト装置、チャイルドシートのシートベルト装
置等に適用することができる衝撃吸収用ベルトに関し、
更に詳細に説明すると、縦糸と横糸を基本組材として織
成して構成される衝撃吸収用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車及び飛行機等の乗員の
保護装置としてシートベルト装置が知られている。この
シートベルト装置に適用されるシートベルト1は、図7
に示す如く、縦糸2と横糸3とを基本組材として織成し
た2/2綾織り、4/4綾織り等より形成されている。
保護装置としてシートベルト装置が知られている。この
シートベルト装置に適用されるシートベルト1は、図7
に示す如く、縦糸2と横糸3とを基本組材として織成し
た2/2綾織り、4/4綾織り等より形成されている。
【0003】従来のシートベルト1は一例として、縦糸
2が原糸繊度1000〜1500de、破断強度8〜10
g/de、破断伸度10〜20%、のものが用いられ、ま
た横糸3は原糸繊度500〜750de、破断強度5〜7
g/de、破断伸度15〜25%のものが用いられてい
る。
2が原糸繊度1000〜1500de、破断強度8〜10
g/de、破断伸度10〜20%、のものが用いられ、ま
た横糸3は原糸繊度500〜750de、破断強度5〜7
g/de、破断伸度15〜25%のものが用いられてい
る。
【0004】また、近時特公昭54−20732号公
報、及び特開昭60−261474号公報等に衝撃吸収
用ベルトとしてのエネルギー吸収ベルトが示されてい
る。前記特公昭54−20732号公報に示されている
エネルギー吸収ベルトは、ベルトのタテ糸に2種以上の
異なった原糸を使用し、且つその中の少なくとも1種の
原糸として芳香族ポリアミド繊維もしくは芳香族ポリヒ
ドラジドーポリアミド共重合繊維を使用したものであ
る。
報、及び特開昭60−261474号公報等に衝撃吸収
用ベルトとしてのエネルギー吸収ベルトが示されてい
る。前記特公昭54−20732号公報に示されている
エネルギー吸収ベルトは、ベルトのタテ糸に2種以上の
異なった原糸を使用し、且つその中の少なくとも1種の
原糸として芳香族ポリアミド繊維もしくは芳香族ポリヒ
ドラジドーポリアミド共重合繊維を使用したものであ
る。
【0005】また、特開昭60−261474号公報に
示されているエネルギー吸収ベルトは、基礎素材と、そ
れに組合わせた少なくとも1種の付加素材から成り、同
一の力をかけた時基礎素材が少なくとも1種の付加素材
より大きく変形できるようになされている。これらのベ
ルトは衝突エネルギーを吸収する際、塑性変形し得るよ
うになされているものである。
示されているエネルギー吸収ベルトは、基礎素材と、そ
れに組合わせた少なくとも1種の付加素材から成り、同
一の力をかけた時基礎素材が少なくとも1種の付加素材
より大きく変形できるようになされている。これらのベ
ルトは衝突エネルギーを吸収する際、塑性変形し得るよ
うになされているものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のシートベルト装
置のシートベルトにおいては、ベルトの長手方向の破断
伸度が3〜8%の低伸度であっても、シートベルトリト
ラクタによる巻取軸のベルト引出回転が停止した後の伸
び出しが発生するため乗員の初期拘束が遅れ、乗員を十
分に保護拘束することができない欠点を有していた。
置のシートベルトにおいては、ベルトの長手方向の破断
伸度が3〜8%の低伸度であっても、シートベルトリト
ラクタによる巻取軸のベルト引出回転が停止した後の伸
び出しが発生するため乗員の初期拘束が遅れ、乗員を十
分に保護拘束することができない欠点を有していた。
【0007】また図8に示す如く、ポリエステル繊維を
用いたシートベルトの荷伸特性より明らかな如く、初期
立ち上がりが緩やかで、乗員の初期拘束が遅れ、乗員を
十分に保護拘束することができないものであった。また
伸び出し防止としてリトラクタの出口ロック機構がある
が、高価であり且つベルト切れの虞れを有していた。
用いたシートベルトの荷伸特性より明らかな如く、初期
立ち上がりが緩やかで、乗員の初期拘束が遅れ、乗員を
十分に保護拘束することができないものであった。また
伸び出し防止としてリトラクタの出口ロック機構がある
が、高価であり且つベルト切れの虞れを有していた。
【0008】また特開昭54−20732号公報に示さ
れるエネルギー吸収ベルトはタテ糸原糸を通常の織縮み
率より少なく織成したものと、通常の織縮み率より多い
状態で織成したものとから構成されている。通常の織縮
み率より少ないタテ糸原糸により第1次立ち上がりが得
られるが、織縮み率が少ないとは言え織成構成であるた
め伸びが発生し、第1次立ち上がり、即ち乗員の初期拘
束が遅れる欠点を有し、傷害値(HIC)を軽減するこ
とができない欠点を有していた。
れるエネルギー吸収ベルトはタテ糸原糸を通常の織縮み
率より少なく織成したものと、通常の織縮み率より多い
状態で織成したものとから構成されている。通常の織縮
み率より少ないタテ糸原糸により第1次立ち上がりが得
られるが、織縮み率が少ないとは言え織成構成であるた
め伸びが発生し、第1次立ち上がり、即ち乗員の初期拘
束が遅れる欠点を有し、傷害値(HIC)を軽減するこ
とができない欠点を有していた。
【0009】また特開昭60−261474号公報に示
されるエネルギー吸収ベルトはベルトを形成する基礎素
材及び付加素材に、遅くとも組合わせ加工の際に機械的
な及び/又は加熱手段による前処理を行うことにより異
なる伸長特性を与えていた。この機械的な前処理は延
伸、収縮及び/または撚りによる機械的な加工により、
所定の基準伸張値に設定するものである。
されるエネルギー吸収ベルトはベルトを形成する基礎素
材及び付加素材に、遅くとも組合わせ加工の際に機械的
な及び/又は加熱手段による前処理を行うことにより異
なる伸長特性を与えていた。この機械的な前処理は延
伸、収縮及び/または撚りによる機械的な加工により、
所定の基準伸張値に設定するものである。
【0010】また加熱手段による前処理は、前記素材を
温熱状態で延伸、収縮させ、次いで冷却するものであ
る。従って衝撃吸収用ベルトを簡易に形成することがで
きず、コストアップとなる欠点を有し、またベルトの伸
びにより乗員の初期拘束性が悪く、エネルギーの吸収が
十分に行えず、乗員に加えられる衝撃を十分に緩和する
ことができないものであった。
温熱状態で延伸、収縮させ、次いで冷却するものであ
る。従って衝撃吸収用ベルトを簡易に形成することがで
きず、コストアップとなる欠点を有し、またベルトの伸
びにより乗員の初期拘束性が悪く、エネルギーの吸収が
十分に行えず、乗員に加えられる衝撃を十分に緩和する
ことができないものであった。
【0011】本発明の目的は車両等の衝撃時に乗員の初
期拘束を迅速に行え、また所定の設定荷重(ヒューズ荷
重)で、所定時間一定荷重を維持することができ、ヒュ
ーズ伸び量を大きくしてヒューズ荷重を長く維持でき、
傷害値(HIC)を軽減することができる著しく安全性
に優れた衝撃吸収用ベルトを提供するものである。
期拘束を迅速に行え、また所定の設定荷重(ヒューズ荷
重)で、所定時間一定荷重を維持することができ、ヒュ
ーズ伸び量を大きくしてヒューズ荷重を長く維持でき、
傷害値(HIC)を軽減することができる著しく安全性
に優れた衝撃吸収用ベルトを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上述せる課題に
鑑みてなされたもので、縦糸と横糸を基本組材として織
成して構成される衝撃吸収用ベルトにおいて、前記ベル
トの縦糸の長手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸か
らなる付加組材が横糸方向に略平行状態で挿入され、該
低伸度高強力糸からなる付加組材は前記縦糸の長手方向
に沿って順次織成される横糸間で夫々挾持されるように
なされ、前記低伸度高強力糸からなる付加組材が乾強力
15g /de以上、好ましくは20g /de以上、破断伸度
8%以下、好ましくは4%以下、原糸繊度1500de以
下、好ましくは1100de以下の炭素繊維やアラミド繊
維より形成され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場
合に、前記低伸度高強力糸からなる付加組材が破断する
ようになされていることを特徴とする。
鑑みてなされたもので、縦糸と横糸を基本組材として織
成して構成される衝撃吸収用ベルトにおいて、前記ベル
トの縦糸の長手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸か
らなる付加組材が横糸方向に略平行状態で挿入され、該
低伸度高強力糸からなる付加組材は前記縦糸の長手方向
に沿って順次織成される横糸間で夫々挾持されるように
なされ、前記低伸度高強力糸からなる付加組材が乾強力
15g /de以上、好ましくは20g /de以上、破断伸度
8%以下、好ましくは4%以下、原糸繊度1500de以
下、好ましくは1100de以下の炭素繊維やアラミド繊
維より形成され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場
合に、前記低伸度高強力糸からなる付加組材が破断する
ようになされていることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明に依れば、縦糸の長手方向に沿って挿入
された低伸度高強力糸からなる付加組材が前記縦糸の長
手方向に沿って順次織成される横糸間で夫々挾持され、
前記低伸度高強力糸からなる付加組材が乾強力15g /
de以上、好ましくは20g /de以上、破断伸度8%以
下、好ましくは4%以下、原糸繊度1500de以下、好
ましくは1100de以下の炭素繊維やアラミド繊維より
形成され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場合に、
横糸間で付加組材がより強力に挾持され、然も縦糸の長
手方向に沿って挾持された状態となり、基本組材の縦糸
の伸張に伴い、付加組材の伸度が小さいため、付加組材
がその長手方向に沿ってランダムに破断し、所定の設定
荷重(ヒューズ荷重)で、所定時間一定荷重を維持する
ことができ、ヒューズ荷重を長く維持でき、衝撃荷重の
エネルギーを吸収することができる。また衝撃時の乗員
に対する初期拘束性が速く傷害値を軽減するすることが
できるものである。
された低伸度高強力糸からなる付加組材が前記縦糸の長
手方向に沿って順次織成される横糸間で夫々挾持され、
前記低伸度高強力糸からなる付加組材が乾強力15g /
de以上、好ましくは20g /de以上、破断伸度8%以
下、好ましくは4%以下、原糸繊度1500de以下、好
ましくは1100de以下の炭素繊維やアラミド繊維より
形成され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場合に、
横糸間で付加組材がより強力に挾持され、然も縦糸の長
手方向に沿って挾持された状態となり、基本組材の縦糸
の伸張に伴い、付加組材の伸度が小さいため、付加組材
がその長手方向に沿ってランダムに破断し、所定の設定
荷重(ヒューズ荷重)で、所定時間一定荷重を維持する
ことができ、ヒューズ荷重を長く維持でき、衝撃荷重の
エネルギーを吸収することができる。また衝撃時の乗員
に対する初期拘束性が速く傷害値を軽減するすることが
できるものである。
【0014】
【実施例】以下本発明に係る衝撃吸収用ベルトを図面を
参照して詳述する。図1乃至図6は本発明の一実施例の
概略を夫々示すもので、本発明に係る衝撃吸収用ベルト
は、図示説明を省略する種々のシートベルト装置に適用
することができ、また衝撃感知時にシートベルトを巻き
閉めるシートベルトテンショナー付きのシートベルト装
置に適用することもできる。
参照して詳述する。図1乃至図6は本発明の一実施例の
概略を夫々示すもので、本発明に係る衝撃吸収用ベルト
は、図示説明を省略する種々のシートベルト装置に適用
することができ、また衝撃感知時にシートベルトを巻き
閉めるシートベルトテンショナー付きのシートベルト装
置に適用することもできる。
【0015】図1及び図2に示す如く、衝撃吸収用ベル
ト11は縦糸13と横糸14を基本組材12として織成
して構成される。また衝撃吸収用ベルト11の前記縦糸
13の長手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸からな
る付加組材15が横糸14方向に略平行状態で挿入され
ている。
ト11は縦糸13と横糸14を基本組材12として織成
して構成される。また衝撃吸収用ベルト11の前記縦糸
13の長手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸からな
る付加組材15が横糸14方向に略平行状態で挿入され
ている。
【0016】前記低伸度高強力糸からなる付加組材15
は前記縦糸13の長手方向に沿って順次織成される上下
の横糸14,14間で夫々挾持されるように織成されて
いる。即ち、縦糸13に対して2本の横糸14,14が
織り込まれ、付加組材15は2本の横糸14,14で挟
まれ、基本組材12による締付圧を受けて把持されてい
る。尚本実施例では2/2綾織りで形成した場合が示さ
れているが4/4綾織りや、その他付加組材15を直線
状態で挿入することができる織り方法を適用することが
できる。
は前記縦糸13の長手方向に沿って順次織成される上下
の横糸14,14間で夫々挾持されるように織成されて
いる。即ち、縦糸13に対して2本の横糸14,14が
織り込まれ、付加組材15は2本の横糸14,14で挟
まれ、基本組材12による締付圧を受けて把持されてい
る。尚本実施例では2/2綾織りで形成した場合が示さ
れているが4/4綾織りや、その他付加組材15を直線
状態で挿入することができる織り方法を適用することが
できる。
【0017】前記基本組材12の縦糸13及び横糸14
は一例として、乾強力10g /de以下、好ましくは7g
/de以下、破断伸度15%以上、好ましくは20%以
上、原糸繊度2000de以下、好ましくは1700de以
下の高ηポリエステル繊維が用いられる。尚、縦糸12
と横糸13とは同一の素材及び強度のものより形成され
るものに限定されるものではなく、種々変更することが
できるものである。
は一例として、乾強力10g /de以下、好ましくは7g
/de以下、破断伸度15%以上、好ましくは20%以
上、原糸繊度2000de以下、好ましくは1700de以
下の高ηポリエステル繊維が用いられる。尚、縦糸12
と横糸13とは同一の素材及び強度のものより形成され
るものに限定されるものではなく、種々変更することが
できるものである。
【0018】前記低伸度高強力糸からなる付加組材15
は一例として、乾強力15g /de以上、好ましくは20
g /de以上、破断伸度8%以下、好ましくは4%以下、
原糸繊度1500de以下、好ましくは1100de以下の
炭素繊維やアラミド繊維が用いられる。付加組材15に
低伸度高強力糸を用いることによりシートベルトとして
の品質特性である初期引張強度、2300kg以上を得る
ことができる。
は一例として、乾強力15g /de以上、好ましくは20
g /de以上、破断伸度8%以下、好ましくは4%以下、
原糸繊度1500de以下、好ましくは1100de以下の
炭素繊維やアラミド繊維が用いられる。付加組材15に
低伸度高強力糸を用いることによりシートベルトとして
の品質特性である初期引張強度、2300kg以上を得る
ことができる。
【0019】次に、表1に示す性能特性、表2に示す織
構成、及び表3に示す糸品質を用いた衝撃吸収用ベルト
11の伸び試験における荷伸特性を図3及び図4a,b
を用いて説明する。尚、図3の荷伸特性図は伸び試験に
おける平均値を基本として作成したものであり、また図
4a,bの荷伸特性図は伸び試験における具体的な数値
に基づくものである。
構成、及び表3に示す糸品質を用いた衝撃吸収用ベルト
11の伸び試験における荷伸特性を図3及び図4a,b
を用いて説明する。尚、図3の荷伸特性図は伸び試験に
おける平均値を基本として作成したものであり、また図
4a,bの荷伸特性図は伸び試験における具体的な数値
に基づくものである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】まず、衝撃吸収用ベルト11に引張荷重が
加えられると、初期拘束としての第1次立ち上がりaが
得られ、基本組材12の織りによる締付圧により上下の
横糸14,14間で付加組材15がより強力に挾持さ
れ、然も縦糸13の長手方向に沿って多数の位置で挾持
された状態となり、基本組材12の縦糸13の伸張に伴
い、所定のヒューズ荷重b点に達し、この時点で付加組
材15がその長手方向に沿ってランダムに破断するヒュ
ーズ伸び量cが得られる。
加えられると、初期拘束としての第1次立ち上がりaが
得られ、基本組材12の織りによる締付圧により上下の
横糸14,14間で付加組材15がより強力に挾持さ
れ、然も縦糸13の長手方向に沿って多数の位置で挾持
された状態となり、基本組材12の縦糸13の伸張に伴
い、所定のヒューズ荷重b点に達し、この時点で付加組
材15がその長手方向に沿ってランダムに破断するヒュ
ーズ伸び量cが得られる。
【0024】このヒューズ伸び量cの終了後、衝撃吸収
用ベルト11が荷重1130kgを受けるd点まで伸び
る。前記付加組材15が破断するヒューズ伸び量cの間
は複数の付加組材15がその長手方向に沿って複数の位
置でランダムに破断している状態にあり、この破断間隔
は2〜10cmであった。また図5には衝撃吸収用ベルト
11の付加組材15が破断した状態の一部平面が示され
ており、図中点線で示す部分が付加組材15の破断部分
である。この付加組材15の一部を基本組材12より抜
き出し分解状態で並べた破断状態を図6に示す。
用ベルト11が荷重1130kgを受けるd点まで伸び
る。前記付加組材15が破断するヒューズ伸び量cの間
は複数の付加組材15がその長手方向に沿って複数の位
置でランダムに破断している状態にあり、この破断間隔
は2〜10cmであった。また図5には衝撃吸収用ベルト
11の付加組材15が破断した状態の一部平面が示され
ており、図中点線で示す部分が付加組材15の破断部分
である。この付加組材15の一部を基本組材12より抜
き出し分解状態で並べた破断状態を図6に示す。
【0025】本発明に依れば、基本組材の縦糸の長手方
向に沿って挿入された低伸度高強力糸からなる付加組材
が前記縦糸の長手方向に沿って順次織成される横糸間で
夫々挾持され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場合
に、縦糸により押圧された横糸間で付加組材がより強力
に挾持され、然も縦糸の長手方向に沿って挾持された状
態となり、基本組材の縦糸の伸張に伴い、付加組材の伸
度が小さいため、付加組材がその長手方向に沿ってラン
ダムに破断し、ヒューズ伸び量を大きくしてヒューズ荷
重を長く維持でき、衝撃荷重のエネルギーを吸収するこ
とができる。
向に沿って挿入された低伸度高強力糸からなる付加組材
が前記縦糸の長手方向に沿って順次織成される横糸間で
夫々挾持され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場合
に、縦糸により押圧された横糸間で付加組材がより強力
に挾持され、然も縦糸の長手方向に沿って挾持された状
態となり、基本組材の縦糸の伸張に伴い、付加組材の伸
度が小さいため、付加組材がその長手方向に沿ってラン
ダムに破断し、ヒューズ伸び量を大きくしてヒューズ荷
重を長く維持でき、衝撃荷重のエネルギーを吸収するこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上が本発明に係る衝撃吸収用ベルトの
一実施例の構成であるが、係る構成に依れば、低伸度高
強力糸からなる付加組材が乾強力15g /de以上、好ま
しくは20g /de以上、破断伸度8%以下、好ましくは
4%以下、原糸繊度1500de以下、好ましくは110
0de以下の炭素繊維やアラミド繊維より形成され、ベル
トに衝撃荷重が加えられた場合に、基本組材の横糸間で
付加組材がより強力に挾持され、然も基本組材の縦糸の
長手方向に沿って挾持された状態となり、基本組材の縦
糸の伸張に伴い、付加組材の伸度が小さいため、付加組
材がその長手方向に沿ってランダムに破断し、車両等の
衝撃時に乗員の初期拘束を迅速に行え、ヒューズ伸び量
を大きくしてヒューズ荷重を長く維持でき、傷害値(H
IC)を軽減することができる。また破断した付加組材
がベルトの表面に露出し、シートベルトの着用の履歴が
判明するし、また付加組材は通常の状態では直接ベルト
の表面に露出していないため、摩耗や光の影響を受け
ず、耐摩耗性及び耐光性に優れ、著しく安全性に優れた
衝撃吸収用ベルトを得ることができる。
一実施例の構成であるが、係る構成に依れば、低伸度高
強力糸からなる付加組材が乾強力15g /de以上、好ま
しくは20g /de以上、破断伸度8%以下、好ましくは
4%以下、原糸繊度1500de以下、好ましくは110
0de以下の炭素繊維やアラミド繊維より形成され、ベル
トに衝撃荷重が加えられた場合に、基本組材の横糸間で
付加組材がより強力に挾持され、然も基本組材の縦糸の
長手方向に沿って挾持された状態となり、基本組材の縦
糸の伸張に伴い、付加組材の伸度が小さいため、付加組
材がその長手方向に沿ってランダムに破断し、車両等の
衝撃時に乗員の初期拘束を迅速に行え、ヒューズ伸び量
を大きくしてヒューズ荷重を長く維持でき、傷害値(H
IC)を軽減することができる。また破断した付加組材
がベルトの表面に露出し、シートベルトの着用の履歴が
判明するし、また付加組材は通常の状態では直接ベルト
の表面に露出していないため、摩耗や光の影響を受け
ず、耐摩耗性及び耐光性に優れ、著しく安全性に優れた
衝撃吸収用ベルトを得ることができる。
【図1】本発明に係る衝撃吸収用ベルトの織り状態の一
部縦断面図。
部縦断面図。
【図2】本発明に係る衝撃吸収用ベルトの付加組材の挿
入状態を示すもので、aは一部正面図、bは横断面図。
入状態を示すもので、aは一部正面図、bは横断面図。
【図3】本発明に係る衝撃吸収用ベルトの伸び試験の平
均値の荷伸特性図。
均値の荷伸特性図。
【図4】a,bは夫々本発明に係る同一組材からなる衝
撃吸収用ベルトの伸び試験における荷伸特性図。
撃吸収用ベルトの伸び試験における荷伸特性図。
【図5】本発明に係る衝撃吸収用ベルトの伸び試験にお
ける付加組材の破断状態を示す一部正面図。
ける付加組材の破断状態を示す一部正面図。
【図6】本発明に係る衝撃吸収用ベルトの伸び試験にお
ける付加組材の破断状態を示すもので、付加組材の一部
を基本組材より抜き出した状態の分解平面図。
ける付加組材の破断状態を示すもので、付加組材の一部
を基本組材より抜き出した状態の分解平面図。
【図7】従来のシートベルトの織り状態の縦断面図。
【図8】従来のシートベルトの伸び試験における荷伸特
性図。
性図。
11 衝撃吸収用ベルト 12 基本組材 13 縦糸 14 横糸 15 付加組材
Claims (1)
- 【請求項1】 縦糸と横糸を基本組材として織成して構
成される衝撃吸収用ベルトにおいて、前記ベルトの縦糸
の長手方向に沿って複数本の低伸度高強力糸からなる付
加組材が横糸方向に略平行状態で挿入され、該低伸度高
強力糸からなる付加組材は前記縦糸の長手方向に沿って
順次織成される横糸間で夫々挾持されるようになされ、
前記低伸度高強力糸からなる付加組材が乾強力15g /
de以上、好ましくは20g /de以上、破断伸度8%以
下、好ましくは4%以下、原糸繊度1500de以下、好
ましくは1100de以下の炭素繊維やアラミド繊維より
形成され、前記ベルトに衝撃荷重が加えられた場合に、
前記低伸度高強力糸からなる付加組材が破断するように
なされていることを特徴とする衝撃吸収用ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4118316A JPH0681244A (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 衝撃吸収用ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4118316A JPH0681244A (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 衝撃吸収用ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0681244A true JPH0681244A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=14733662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4118316A Pending JPH0681244A (ja) | 1992-04-10 | 1992-04-10 | 衝撃吸収用ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0681244A (ja) |
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- 1992-04-10 JP JP4118316A patent/JPH0681244A/ja active Pending
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