JP2014514469A5 - - Google Patents

Download PDF

Info

Publication number
JP2014514469A5
JP2014514469A5 JP2014502481A JP2014502481A JP2014514469A5 JP 2014514469 A5 JP2014514469 A5 JP 2014514469A5 JP 2014502481 A JP2014502481 A JP 2014502481A JP 2014502481 A JP2014502481 A JP 2014502481A JP 2014514469 A5 JP2014514469 A5 JP 2014514469A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fabric
polyester
airbag
yarn
polyester fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014502481A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014514469A (ja
Filing date
Publication date
Priority claimed from KR1020110029869A external-priority patent/KR20120111417A/ko
Priority claimed from KR1020110029870A external-priority patent/KR20120111418A/ko
Application filed filed Critical
Priority claimed from PCT/KR2012/002396 external-priority patent/WO2012134227A2/ko
Publication of JP2014514469A publication Critical patent/JP2014514469A/ja
Publication of JP2014514469A5 publication Critical patent/JP2014514469A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Description

ポリエステル織物およびその製造方法
本発明は、エアバッグ用織物およびその製造方法に関するものであって、より詳細には、高強力高伸率および低モジュラスのポリエステル原糸を含み、長期間の高温および多湿の熱処理後も強靭性およびエネルギー吸収性能に優れたポリエステル織物およびその製造方法、これを含む車両用エアバッグに関するものである。
一般に、エアバッグ(air bag)とは、走行中の車両が約40km/h以上の速度で正面衝突時、車両に加えられる衝突衝撃を衝撃感知センサで感知した後、火薬を爆発させてエアバッグクッションの内部にガスを供給して膨張させることにより、運転者および搭乗者を保護する装置をいう。
エアバッグ用織物として要求される項目は、衝突時に円滑に展開されるようにする低通気性、エアバッグ自体の損傷および破裂を防止するための高強力、高耐熱性、および搭乗者に加えられる衝撃を低減させるための柔軟性などがある。
特に、自動車に用いられるエアバッグは、一定の形態に製造された後、その体積を最少化するために、折り畳まれた状態で自動車のハンドルや自動車の側面ガラス窓または側面構造物などに装着されて折り畳まれた状態を維持し、インフレータなどの作動時にエアバッグが膨張して展開されるようにする。
したがって、自動車への装着時にエアバッグのホールディング性およびパッケージ性を効果的に維持し、エアバッグ自体の損傷および破裂を防止して優れたエアバッグクッションの展開性能を発揮し、搭乗者に加えられる衝撃を最少化するためには、エアバッグ織物の優れた機械的物性と共に、ホールディング性、および搭乗者に加えられる衝撃を低減させるための柔軟性が極めて重要である。しかし、搭乗者の安全のために優れた空気遮断効果および柔軟性を同時に維持し、エアバッグの受ける衝撃に十分に耐えて、自動車内に効果的に装着されて使用されるエアバッグ用織物は未だ提案されていない。
従来は、ナイロン66などのポリアミド繊維がエアバッグ用原糸の材料として使用されているが、ナイロン66は、耐衝撃性は優れているが、ポリエステル繊維に比べて耐湿熱性、耐光性、形態安定性の面で性能が低く、原料価格が非常に高いという欠点がある。
一方、日本国特開平04−214437号には、このような欠点を軽減させることができるポリエステル繊維の使用が提案されている。しかし、このように既存のポリエステル原糸を用いてエアバッグを製造する場合には、高い剛軟度(stiffness)によって自動車内への装着時に狭い空間に収納することが難しく、高弾性率および低伸率によって高温の熱処理などで過度な熱収縮が発生し、高温の苛酷な条件下で十分な機械的物性および展開性能を維持するのに限界があった。
したがって、車両用エアバッグ用織物に使用するのに適した優れた機械的物性および空気遮断効果を維持し、搭乗者に加えられる衝撃を低減させるための柔軟性、収納性、および長時間収納状態で存在するエアバッグクッションの特徴上、長期間の高温および多湿の苛酷な条件下でも優れた物性を維持する特性を有する繊維織物の開発に対する研究が必要である。
本発明は、エアバッグ用織物に使用可能な優れた機械的物性、柔軟性、収納性を確保し、長時間の高温および多湿の苛酷な条件下で十分な性能を維持するポリエステル織物を提供する。
本発明はまた、前記ポリエステル織物を製造する方法を提供する。
本発明はさらに、前記ポリエステル織物を含む車両用エアバッグを提供する。
本発明は、繊度が300〜700デニールのポリエステル原糸を含み、下記計算式1 定義される強靭性(Toughness)が3.2KJ/m 3 以上であるポリエステル織物を提供する。
[計算式1]
Figure 2014514469
式中、
Fは、ポリエステル織物の長さがdlだけ伸びる時に加えられる荷重を示す。本発明はまた、繊度が300〜700デニールのポリエステル原糸でエアバッグ用生地を製織するステップと、前記製織されたエアバッグ用生地を精練するステップと、前記精練された織物をテンタリングするステップとを含む前記エアバッグ用ポリエステル織物の製造方法を提供する。
本発明はさらに、前記エアバッグ用ポリエステル織物を含む車両用エアバッグを提供する。
以下、発明の具体的な実施形態にかかるポリエステル織物、その製造方法、およびこれを含む車両用エアバッグについてより詳細に説明する。ただし、これは発明に対する1つの例として提示されるもので、発明の権利範囲がこれによって限定されるものではなく、発明の権利範囲内で実施形態が多様に変形可能であることは当業者に自明である。
追加的に、本明細書全体において、特別な言及がない限り、「含む」または「含有する」という表現は、ある構成要素(または構成成分)を特別な制限なく含むことを意味し、他の構成要素(または構成成分)の付加を除外するものと解釈されない。
本発明において、エアバッグ用織物とは、自動車用エアバッグの製造に使用される織物または不織布などをいい、一般的なエアバッグ用織物としては、レピア織機やエアジェット織機で製織されたナイロン66平織物またはナイロン66不織布が使用されているが、本発明のエアバッグ用織物は、ポリエステル原糸を使用して、形態安定性、強靭性、空気透過度、剛軟度などの基本的物性が優れるという特徴を有する。
ただし、従来のナイロン66などのポリアミド繊維の代わりにポリエステルをエアバッグ用原糸に適用するためには、既存のポリエステル原糸の高いモジュラスおよび剛軟度などによるホールディング性の低下、および低い溶融熱容量に起因した長期間の高温および多湿の熱処理条件下での物性の低下、これに伴う展開性能の低下を克服しなければならない。
ポリエステルは、分子構造上、ナイロンなどに比べて剛軟性(stiffness)の高い構造からなり、高いモジュラス(high modulus)の特性を有する。これによって、エアバッグ用織物として用いて自動車に装着する場合、収納性(packing)が顕著に低くなる。また、ポリエステル分子鎖内のカルボキシル末端基(Carboxyl End Group、以下、「CEG」という)は、高温および高湿条件でエステル基(ester bond)を攻撃して分子鎖の切断をもたらし、エージング後の物性を低下させる原因となる。
これにより、本発明は、高強力高伸率低モジュラスのポリエステル原糸を使用して、原糸の繊度および織物の引裂強度、縫目強度などの物性範囲を最適化することにより、剛軟度を顕著に低下させつつ、優れた機械的物性および空気遮断性能などを維持することができ、エアバッグ用織物として向上した物性の改善効果を得ることができる。
特に、本発明者らの実験の結果、所定の特性を有するポリエステル織物でエアバッグクッションを製造することによって、より向上したホールディング性、形態安定性、および空気遮断効果を示し、エアバッグ用織物に使用する時、自動車への装着などにおいてより優れた収納性(packing)および高温高湿の苛酷な条件下でも優れた機械的物性、空気流出防止、気密性などを維持することができることが明らかになった。
そこで、発明の一実施形態により、所定の特性を有するポリエステル織物が提供される。このようなポリエステル織物、つまり、エアバッグ用ポリエステル織物は、繊度が300〜700デニールのポリエステル原糸を含み、優れた強靭性を有するものである
本発明者らの実験の結果、既存のポリエステル原糸に比べて高強力高伸率の低いモジュラスを有するポリエステル原糸を使用して、織物の引裂強度および縫目強度を最適化することにより、高温−高圧のガスのエネルギーを効果的に吸収しかつ耐えられるエアバッグ用織物が提供されることが明らかになった。特に、前記織物は、低繊度高強力のポリエステル原糸を含むことができ、前記ポリエステル原糸は、繊度が300〜700デニールとなり得る。
本発明では、エアバッグ作動時に瞬間的に発生する衝撃エネルギーを効果的に吸収するためには、織物を構成する原糸の繊度、引裂強度および縫目強度を同時に最適範囲に調節することにより、最終織物の機械的物性およびホールディング性などを共に高めることができる。エアバッグ内部の火薬の爆発で発生する排出ガスの瞬間的な衝撃エネルギーを初期に織物が安全に吸収し、これと同時に、効果的な展開が行われ、優れたホールディング性を有するためには、引裂強度および縫目強度と共に最適化する必要がある。ここで、本 発明のポリエステール織物は、高温−高圧のガスによって急速に膨張するので優れた引裂 強度の水準は要求されるが、このような織物の引裂強度はできるだけ高い水準に維持することが好ましいが、増加しすぎる場合には、織物の滑脱抵抗力(Edge Comb Resistance)が低くなり、エアバッグの展開時に空気遮断性が急激に劣化することもある。
このように、織物の引裂強度を20kgf以上に維持すると同時に、織物の縫目強度を670N以上に維持することにより、基本的に高い織物の強靭性と共に、高い引裂強度および縫目強度を備える場合、ポリエステルエアバッグ用織物は、実際のエアバッグクッションの展開時に十分なエネルギー吸収性能を確保することができる。前記織物の引裂強度および縫目強度を最小値以上に維持することができない場合、実際の自動車衝突によるエアバッグクッションの展開時に織物破れおよび縫製部の縫目ずれの原因として作用し、自動車搭乗者を安全に保護することができず大きな損傷を及ぼすこともある。
特に、本発明のエアバッグ用ポリエステル織物は、下記計算式1で定義される強靭性(Toughness)が3.2kJ/m3以上または3.2kJ/m3〜6.5kJ/m3となり得る。
[計算式
Figure 2014514469
前記計算式において、Fは、ポリエステル織物の長さがdlだけ伸びる時に加えられる荷重を示し、dlは、ポリエステル織物の長さが伸びた長さを示す。
前記ポリエステル織物は、既存の織物に比べて高い水準の強靭性(Toughness、破断仕事)を満足することにより、高温−高圧のガスのエネルギーを効果的に吸収しかつ耐えられる。この時、強靭性とは、前記計算式に示すように、織物が引張力によって切断されるまで消費されるエネルギーであって、急激な衝撃に対する繊維の抵抗性を意味する。ある繊維が、荷重Fにおいてその長さがlからl+dlに伸びる場合、この時の仕事(work)はF・dlとなるので、繊維を切断するのに必要な強靭性は前記計算式の通りである。つまり、このような強靭性は、原糸および織物の強伸度曲線の断面積を示すもので(図1参照)、織物に使用される原糸の強度および伸度値が高いほど、織物で発現する強靭性は高い値を有するようになる。特に、エアバッグ用織物の強靭性が低くなると、エアバッグの展開時に高温−高圧を有するインフレータの瞬間的な展開衝撃を十分に吸収する織物の抵抗性が低くなるため、エアバッグ用織物が破れやすい結果をもたらす。したがって、本発明において、織物の強靭性が、例えば、3.2kJ/m3未満になる場合には、エアバッグ用織物への適用が難しくなることがある。
前記ポリエステル織物は、前述のように、高強力高伸率低モジュラスの原糸を使用することにより、優れた滑脱抵抗力(Edge Comb Resistance)を確保し、最終織物の機械的物性、高温高圧のガスに対するエネルギー吸収性能、およびホールディング性などを同時に向上させることができる。特に、本発明にかかるポリエステル織物は、米国材料試験協会規格ASTMD6479方法で常温(25℃)で測定した滑脱抵抗力が280N以上または280N〜1,100Nとなり得る。また、前記ポリエステル織物は、90℃で測定した滑脱抵抗力が240N以上または240N〜1000Nとなり得る。この時、前記ポリエステル織物の滑脱抵抗力は、常温(25℃)、および90℃で測定する時、それぞれ280N未満および240N未満の場合には、エアバッグの展開時にエアバッグクッション縫製部位の織物の強度が急激に劣化することにより、実際のエアバッグの展開時に織物でピンホール(pin hole)の発生と縫目滑り現象による織物破れ現象が発生して好ましくない。
この時、前記ポリエステル織物は、経糸密度および緯糸密度、つまり、経糸方向および緯糸方向の製織密度がそれぞれ36〜65となり得る。前記ポリエステル織物の経糸密度および緯糸密度は、エアバッグ用織物の強靭性および滑脱抵抗力を確保する面ではそれぞれ36以上となり得、織物のホールディング性を向上させ、引裂強度を低下させる面でそれぞれ65以下となり得る。
また、前記ポリエステル織物において、気密性のためには、高圧の空気などによる引張力に耐えて伸張が最小限になり、これと同時に、エアバッグ作動時に十分な機械的物性を確保するためには、高温高圧のガスの排出においてエネルギー吸収性能が最大限になることが極めて重要である。これにより、前記織物は、下記計算式によって織物のカバーファクターが1,800〜2,460となるように製織および加工することにより、エアバッグの展開時に気密性およびエネルギー吸収性能をより良くすることができる。
[計算式
カバーファクター(CF)
Figure 2014514469
ここで、前記織物のカバーファクターが1,800未満の時は、空気膨張時、空気が外部に排出されやすい問題が発生することがあり、前記織物のカバーファクターが2,460を超える場合、エアバッグの装着時にエアバッグクッションの収納性およびホールディング性が顕著に低いことがある。
本発明にかかるポリエステル織物は、米国材料試験協会規格ASTMD1776の方法で測定した経糸方向および緯糸方向の織物収縮率がそれぞれ1.0%以下、好ましくは0.8%以下となり得。ここで、織物の形態安定性の面では、経糸方向および緯糸方向の織物収縮率が1.0%を超えないことが最も好ましい。
前記ポリエステル織物は、前述のように、高強力低モジュラスの特性を有するポリエステル原糸を使用して、織物の強靭性および引裂強度を維持すると同時に、織物の剛軟度(stiffness)を顕著に低下させることができる。前記エアバッグ用織物は、米国材料試験協会規格ASTMD4032方法による剛軟度が2.0kgf以下または0.3〜2.0kgfを示すことができる。このように、既存のポリエステル織物に比べて織物の剛軟度(stiffness)を顕著に低下させることにより、本発明のエアバッグ用織物は、優れたホールディング性と柔軟性、およびエアバッグ装着時の向上した収納性を示すことができる。
本発明の織物は、エアバッグ用に使用するためには、前記剛軟度範囲を維持することが好ましく、剛軟度が低すぎる場合には、エアバッグの膨張展開時に十分な保護支持機能を果たさないこともあり、車両への装着時にも形態維持性能が低くて収納性が低下することがある。また、硬すぎた状態になって折り畳みにくくなり、収納性が低くなるのを防止し、織物の変色現象を防止するためには、前記剛軟度は2.0kgf以下が好ましく、特に460デニール未満の場合には0.8kgf以下が好ましく、550デニール以上の場合にも2.0kgf以下となるのが良い。
前記ポリエステル織物の米国材料試験協会規格ASTMD737方法による静的空気透過度は、非コーティング織物に対して、△Pが125paの時、10.0cfm以下または0.3〜10.0cfm、好ましくは8.0cfm以下または0.3〜8.0cfm、さらに好ましくは5.0cfm以下または0.3〜5.0cfmとなり得、△Pが500paの時、14cfm以下または4〜14cfm、好ましくは12cfm以下または4〜12cfmとなり得る。また、米国材料試験協会規格ASTMD6476方法による動的空気透過度は1,700mm/s以下、好ましくは1,600mm/s以下または200〜1,600mm/s、より好ましくは1,400mm/s以下または400〜1,400mm/sとなり得る。この時、静的空気透過度とは、エアバッグ用織物に一定の圧力を付与する時に織物に透過する空気量を意味し、原糸の単繊度(Denier per Filament)が小さく、織物の密度が高いほど、低い値を有することができる。また、動的空気透過度とは、30−70kPaの平均瞬間差等圧力を付与する場合の、織物への空気透過程度を意味し、静的空気透過度と同様、原糸の単繊度が小さく、織物の密度が高いほど、低い値を有することができる。
特に、前記ポリエステル織物の空気透過度は、織物にゴム成分コーティング層を含むことによって顕著に低下させることができ、ほぼ0cfmに近い値の空気透過度を確保することもできる。ただし、このようにゴム成分コーティングを行った場合に、本発明のエアバッグ用コーティング織物は、米国材料試験協会規格ASTMD737方法による静的空気透過度が、△Pが125paの時、0.1cfm以下または0〜0.1cfm、好ましくは0.05cfm以下または0〜0.05cfmとなり得、△Pが500paの時、0.3cfm以下または0〜0.3cfm、好ましくは0.1cfm以下または0〜0.1cfmとなり得る。
ここで、本発明のポリエステル織物は、非コーティング織物およびコーティング織物に対して、それぞれ前記静的空気透過度範囲の上限値を超えたり、または動的空気透過度範囲の上限値を超えた場合には、エアバッグ用織物の気密性を維持する面では好ましくない。
前記ポリエステル織物は、好ましくは、表面にコーティングまたはラミネートされたゴム成分コーティング層をさらに含むことができる。前記ゴム成分としては、粉末(powder)型シリコーン、液状(liquid)型シリコーン、ポリウレタン、クロロプレン、ネオプレンゴム、およびエマルジョン型シリコーン樹脂からなる群より選択された1種以上が挙げられ、コーティングゴム成分の種類は前記言及された物質にのみ限定されない。ただし、環境配慮型および機械的特性の面で液状シリコーンのコーティングが好ましい。
前記ゴム成分コーティング層の単位面積あたりのコーティング量は20〜200g/m2、好ましくは20〜100g/m2となるように使用することができる。特に、OPW(One Piece Woven)タイプのサイドカーテンエアバッグ用織物の場合においては、前記コーティング量が30g/m2〜95g/m2が好ましく、エアバッグ用平織織物の場合は、前記コーティング量が20g/m2〜50g/m2の水準が好ましい。
また、本発明のポリエステル織物は、国際標準化機構規格ISO5981の方法による耐スクラブ性回数が600回以上または600〜2,500回となり得る。特に、エアバッグ用織物が十分な耐スクラブ特性を有しない場合、高温多湿の気候条件でエアバッグクッションがモジュールに収納された状態にある場合、実際の自動車衝突によるエアバッグの展開時にコーティング層が激しく剥がれて、高温−高圧のインフレータ圧縮ガスの圧力をエアバッグクッションが耐えられない状況が発生することがある。本発明のポリエステル織物は、好ましくは、既存のナイロン66用液状シリコーンコーティング薬剤でない、エアバッグ用ポリエステル織物に適した液状シリコーンコーティング薬剤を適用することにより、優れた耐スクラブ性能を満足することができる。
本発明のポリエステル織物に使用可能な液状シリコーンコーティング薬剤は、基本(base)シリコーン高分子の粘度調節と共に、ポリエステル織物とシリコーン薬剤との接着力強化のために、接着促進剤および架橋剤を追加的に含むことができる。この時、前記接着促進剤は、全体コーティング薬剤の総重量100重量部に対して約0.2〜8.0重量部、好ましくは0.5〜7.5重量部が含まれ、前記架橋剤成分は約0.2〜8.0重量部、好ましくは0.5〜7.5重量部を含むことができる。前記接着促進剤としては、1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアネートあるいは3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどを使用することができ、前記架橋剤としては、2個以上の反応性水素化ケイ素官能基を有するシリコン架橋結合剤を使用することができる。また、前記液状シリコーンコーティング薬剤は、常温(25℃)で測定した粘度が30,000〜350,000mPa・s、好ましくは35,000〜330,000mPa・sとなり得る。
前記コーティング織物の場合、エアバッグクッションへの適用時の優れた収納性およびホールディング性確保の面だけでなく、エアバッグクッション展開時に高温−高圧のインフレータガス圧力に耐えつつ強い摩擦にも耐えるためには、十分な耐スクラブ性が必要であるが、特に、エアバッグクッションが自動車内で長期間収納状態で装着されている状況で時間の経過に伴うコーティング薬剤層が剥がれやすい場合、エアバッグの展開時に深刻な織物損傷が誘発され、自動車搭乗者の安全を確保することができなくなる。
一方、発明の他の実施形態により、所定の特性を有するポリエステル原糸で製造されたポリエステル織物が提供される。このようなエアバッグ用ポリエステル織物に使用されるポリエステル原糸は、低繊度高強力で維持しなければならないため、繊度が300〜700デニールとなり得る。
特に、本発明は、高強力、低伸率、高いモジュラスを有する既存のポリエステル原糸でない、高強力、高伸率、低いモジュラスの特性を有するだけでなく、長期間の高温多湿の条件下でも物性の低下なく優れた物性を維持するポリエステル原糸を開発するために、別の末端基封鎖剤、酸化防止剤、加水分解防止剤などをポリエステル高分子チップに適用することができる。このように、別の末端基封鎖剤、酸化防止剤、加水分解防止剤を追加的に含むポリエステル原糸を使用することができる。このようなポリエステル原糸をエアバッグ製品(クッション/織物)に適用することにより、実際の自動車衝突によるエアバッグクッションの展開時に高温−高圧のインフレータ展開エネルギーを吸収する性能が優れるだけでなく、長期間の高温多湿の気候条件でエアバッグクッションが収納された状態にあっても、織物物性の低下なく優れた形態安定性および強靭性を有するエアバッグ用ポリエステル織物を提供することができる。
本発明の織物には、従来知られたポリエステル原糸に比べてより向上した固有粘度、つまり、0.8dl/g以上または0.8〜1.3dl/gの固有粘度を有する原糸を使用することができる。前記エアバッグ用織物が長期間の高温熱処理条件で優れた物性を維持するためには、前記範囲の固有粘度を有するポリエステル原糸を使用することが好ましい。
前記原糸の固有粘度は0.8dl/g以上となり得、高い固有粘度によってポリエステル高分子の分子量が増大することにより、低延伸条件でも高強力の物性を発揮するエアバッグ用原糸を製作することができ、このような原糸の使用により、エアバッグ用織物としての製造時に要求強力を満足させることができて好ましい。そうでない場合、高延伸条件で高強力の物性を発現するしかないが、この場合、繊維配向度が上昇して高いモジュラスの物性が現れるため、織物の優れたホールディング性などを達成することが難しい。したがって、前記原糸の固有粘度を0.8dl/g以上に維持して低延伸を適用し、低モジュラスの発現を可能にすることが好ましい。また、原糸の粘度が1.3dl/g以上であれば、延伸時に延伸張力が上昇して工程上問題を発生させることがあるため、1.3dl/g以下がより好ましい。特に、本発明のポリエステル原糸は、このように高い程度の固有粘度を維持することにより、低延伸で低い剛軟度を提供すると同時に、エアバッグ用織物に十分な機械的物性および耐衝撃性、強靭性(toughness)、引裂強度、縫目強度などを提供する高強力特性がさらに付与できる。
これと同時に、長期間の高温熱処理後も引裂強度および縫目強度などの物性の低下を防止するためには、既存のポリエステル高分子製法とは異なり、高温の長時間熱処理によるポリエステル高分子主鎖のチェーン切断現象を防止するために、末端基封鎖剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などを追加的に含むことができる。この時、前記末端基封鎖剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などは、ポリエステル重合体100重量部に対して0.1から2.0重量部、好ましくは0.3〜1.7重量部で含まれる。例えば、前記ポリエステル高分子は、1次酸化防止剤として、フェノリックアミン(Phenolic amine)系酸化防止剤のN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド)を200〜1,500ppm含有し、2次酸化防止剤のN,N’−トリメチレンビス−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド)を0.2〜1.0wt%で含有することができる。また、加水分解防止剤としては、カルボジイミド系加水分解防止剤を0.1〜0.7wt%で含有することができる。前記末端基封鎖剤としては、下記化学式1で表される化合物中の1種以上を使用することができ、架橋剤の水酸基当量に対して0.5〜5当量で使用することができる。
[化学式1]
Figure 2014514469
式中、Xは、水素、炭素数1−6の脂肪族炭化水素ラジカル、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン元素である。
前記ポリエステル原糸は、常温で米国材料試験協会規格ASTMD885の方法で測定した原糸のモジュラス(Young’s modulus)が伸度1%で、つまり、1%伸張した地点で60〜115g/de、好ましくは75〜105g/deであり、伸度2%で、つまり、2%伸張した地点で50〜90g/de、好ましくは55〜88g/deとなり得る。しかし、既存の一般産業用糸のポリエステル原糸の場合、常温で測定した1%伸張した地点でのモジュラス(Young’s modulus)は115g/de以上であり、2%伸張した地点でのモジュラは90g/de以上の値を有することにより、本発明のポリエステル原糸は、既存のポリエステル産業用糸に比べて顕著に低いモジュラスを有することが分かる。
この時、前記ポリエステル原糸のモジュラスは、引張試験時に得られる応力−変形度線図の弾性区間の傾きから得られる弾性係数の物性値で、物体を両側から引き伸ばす時、物体の伸びる程度と変形する程度を示す弾性率に相当する値である。前記繊維のモジュラスが高ければ、弾性は良いが、織物の剛軟度(stiffness)が劣化することがあり、モジュラスが低すぎる場合、織物の剛軟度は良いが、弾性回復力が低くなって織物の強靭性が劣化することがある。このように、常温だけでなく、熱処理後も、既存に比べて低い範囲の初期モジュラスを有するポリエステル原糸から製造されたエアバッグ用織物は、既存のポリエステル織物の高い剛軟度(stiffness)問題などを解決し、優れたホールディング性、柔軟性、および収納性を示すことができる。
前記ポリエステル原糸の強靭性(Toughness)は、前記計算式において、ポリエステル織物の代わりにポリエステル原糸を用いて測定することができ、常温で測定した原糸の強靭性は60〜130J/m3となり得る。特に、本発明では、既存のポリエステル原糸に比べて高い水準の強靭性(Toughness、破断仕事)を満足する特定のポリエステル原糸を使用することにより、高温−高圧のガスのエネルギーを効果的に吸収しかつ耐えられるエアバッグ用織物が提供可能である。
したがって、このような低い初期モジュラスおよび高い伸率、好ましくは、高い固有粘度を示すポリエステル原糸を使用して、優れた機械的物性および収納性、形態安定性、耐衝撃性、空気遮断効果を同時に示すエアバッグ用織物を製造することが可能になる。そのため、本発明のポリエステル織物は、前記ポリエステル原糸を使用して、より低い剛軟度およびホールディング性、柔軟性、収納性を示しつつ、優れた耐衝撃性、形態安定性、機械的物性、気密性を示すエアバッグ用織物として製造できる。このようなポリエステル織物は、優れた機械的物性、形態安定性、空気遮断効果を示しつつ、自動車の狭い空間への装着時に優れたホールディング性、収納性を提供すると同時に、優れた柔軟性で搭乗者に加えられる衝撃を最少化して搭乗者を安全に保護することができるため、エアバッグ用織物などに好ましく適用可能である。
また、前記ポリエステル原糸は、原糸の一般的なコーティング織物のコーティング温度に相当する150℃から200℃の温度範囲における収縮応力が0.005〜0.075g/dであることが好ましい。つまり、前記150℃および200℃での収縮応力がそれぞれ0.005g/d以上になってはじめて、コーティング工程中において熱による織物の垂れ下がり現象を防ぐことができ、0.075g/d以下になってはじめて、コーティング工程を経て常温で冷却する時に弛緩応力を緩和させることができる。前記収縮応力は、0.10g/dの固定荷重下で測定した値を基準とする。
特に、前記ポリエステル原糸は、常温で測定した乾熱収縮率が1.0%以上または1.0%〜10%、好ましくは1.5%以上または1.5%〜8.0%、より好ましくは2.0%以上または2.0%〜6.0%を示すことができる。このようにポリエステル原糸の乾熱収縮率を最適範囲に維持することにより、高強度高伸率の低モジュラス特性で優れた強度および柔軟性を確保すると同時に、優れた収縮率特性によって織物の空気透過度を効果的に制御し、滑脱抵抗力などの機械的物性を向上させることができる。
以上のように、コーティングなどの熱処理工程で変形を防止するためには、前記ポリエステル原糸はさらに、結晶化度が40%〜55%であり、好ましくは41%〜52%、さらに好ましくは41%〜50%となり得る。このような前記原糸の結晶化度は、エアバッグ用織物への適用時、熱的形態安定性維持などのために40%以上にならなければならず、前記結晶化度が55%を超える場合、非結晶領域が減少するので衝撃吸収性能が低くなる問題が発生することがあり、55%以下となることが好ましい。
また、前記ポリエステル原糸は、常温での原糸の引張強度は8.5g/d〜11.0g/dとなり得、好ましくは8.7g/d〜10g/d、好ましくは9.0g/d〜9.8g/dを示すことができ、切断伸度は15%〜30%、好ましくは16%〜26%、より好ましくは17%〜25%を示すことができる。
前記ポリエステル原糸は、通常のポリエステル原糸の中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)原糸であることが好ましく、さらに好ましくは、PETを90モル%以上含むPET原糸であることが好ましい。特に、本発明の織物には、固有粘度が1.05dl/g以上または1.05〜2.0dl/gのポリエステル重合体、つまり、PETチップで製造されたポリエステル原糸を使用することができる。前記エアバッグ用織物が常温および長期間の高温熱処理後も優れた物性を維持するためには、ポリエステル原糸を固有粘度1.05dl/g以上のポリエステル重合体で製造することが好ましい。また、原糸の製造時に重合体の熱的安定性を確保し、分子鎖の切断によるカルボキシル末端基含有量の増加を最少化するためには、固有粘度2.0dl/g以下のポリエステル重合体で製造することはもちろん、高温の長時間熱処理によるポリエステル高分子主鎖のチェーン切断現象を防止するために、末端基封鎖剤、加水分解防止剤、酸化防止剤などが含有されたポリエステル原糸を含むことができる。
この時、前記ポリエステル原糸は、カルボキシル末端基(CEG、Carboxyl End Group)の含有量が低い、好ましくは30meq/kg以下の高粘度PET重合体を用いて製造されたもので、高強力高伸率の特性を有するものとなり得る。
また、前記ポリエステル原糸は、単糸繊度が2.5〜6.8DPFとなり得る。前記原糸の単糸繊度は、エアバッグ用織物の製織性能および原糸製造(紡糸)性能の面で2.5DPF以上が好ましく、エアバッグ用織物の空気遮断性および収納性の面で6.8DPF以下が好ましい。前記原糸のフィラメント数は多いほど、ソフトな触感を与えることができるが、多すぎる場合には、紡糸性が良くないことがあるため、フィラメント数は96〜160となり得る。
すでに上述したように、本発明のポリエステル織物は、固有粘度、耐熱性、初期モジュラスおよび伸率範囲を最適範囲として有するポリエステル原糸を使用することにより、エアバッグ用織物としての製造時に優れた性能を発揮することができる。
本発明の織物の製造に使用されるポリエステル原糸は、PET重合体を溶融紡糸して未延伸糸を製造する工程と、前記未延伸糸を延伸する工程とが、1つの工程で連結された方法で製造できる。このような原糸製造工程において、各ステップの具体的条件や進行方法がポリエステル原糸の物性に直接/間接的に反映され、本発明のエアバッグ用織物に効果的に使用されるポリエステル原糸が製造できる。
特に、より好ましい一実施形態において、前記高強力高伸率低モジュラスのポリエステル原糸は、ポリエチレンテレフタレートを90モル%以上含み、固有粘度が1.05dl/g以上の高粘度重合体を用いて、270〜320℃の低温で溶融紡糸してポリエステル未延伸糸を製造するステップと、前記ポリエステル未延伸糸を4.8〜6.7の延伸比条件下で延伸するステップとを含む方法で製造することができる。この時、カルボキシル末端基(CEG)の含有量が低い、好ましくは30meq/kg以下の高粘度PET重合体を用いて、低温条件下で、さらに好ましくは低温/低速条件下で溶融紡糸することにより、原糸の固有粘度の低下およびCEG含有量の増加を最大限に抑制し、原糸の優れた機械的物性を維持しながら、同時に高伸率特性を確保することができる。さらに、後続の延伸工程で4.8〜6.7の最適化した延伸比条件下で延伸を行って原糸の伸率の低下を最大限に抑制することにより、高強力高伸率の低モジュラスを有するポリエステル原糸を製造し、エアバッグ用織物に効果的に適用することができる。
ここで、前記溶融紡糸工程を高温で行う場合、例えば、320℃を超えて行う場合には、PET重合体の熱分解が多量発生し、固有粘度の低下およびCEG含有量の増加が大きくなることがあって好ましくない。また、高温で分子内配向性の増加で伸率の低下およびモジュラスの増加が大きくなることがあり、原糸の表面損傷で全般的な物性の低下をもたらすことがあって好ましくない。これと共に、高すぎる延伸比、例えば6.7を超える延伸比条件下で前記延伸工程を進行すると、過延伸水準になって前記延伸糸に糸切れまたは毛羽などが発生することがあり、前記製造方法により製造されたポリエステル原糸もエアバッグ用織物に使用するのに適した物性を示すことが難しい。そして、比較的低い延伸比下で延伸工程を進行すると、繊維配向度が低く、これから製造されたポリエステル原糸の強度が一部低くなることがあるため、好ましくは4.8以上の延伸比下で延伸工程を行うことが、エアバッグ用織物などへの適用に適した高強力高伸率低モジュラスのポリエステル原糸の製造が可能である。
一方、このように高い延伸比条件下で高強力でかつ低モジュラス高伸率のポリエステル原糸を製造する面で、後続工程の諸条件、例えば、弛緩率などを適切な範囲に調節して行うことができる。この時、前記弛緩率は16%以下または1%〜16%となり得、好ましくは10%以下または1%〜10%、より好ましくは7%以下または1.1%〜7%となり得る。前記弛緩率の下限値は、原糸に十分な収縮率を発現させる範囲で選定することができ、例えば、1%以上となり得る。場合に応じて、前記弛緩率が小さすぎると、例えば、1%未満になる場合には、高い延伸比条件下と同様に、高い繊維配向度の形成により高伸率低モジュラスの繊維の製造が難しくなることがある。また、前記弛緩率が16%を超える場合には、ゴデットローラ上で糸振れが激しくなり、作業性を確保しにくいことがある。
このような工程の最適化により、低い初期モジュラスを有し、高強力高伸率のエアバッグ用ポリエステル原糸を確保することができる。また、このような溶融紡糸および延伸工程の最適化により、高い湿度条件下で酸として存在し、ポリエステル原糸の基本分子鎖の切断を誘発させるカルボキシル末端基(CEG、Carboxyl End Group)を最少化することができる。したがって、このようなポリエステル原糸は、低い初期モジュラスおよび高い伸率範囲を同時に示し、優れた機械的物性および収納性、形態安定性、強靭性、耐衝撃性、空気遮断効果を有するエアバッグ用織物に好ましく適用可能である。
一方、発明の他の実施形態により、ポリエステル原糸を用いたエアバッグ用織物の製造方法が提供される。本発明にかかるエアバッグ用織物の製造方法は、繊度300〜700デニールのポリエステル原糸を用いてエアバッグ用生地を製織するステップと、前記製織されたエアバッグ用生地を精練するステップと、前記精練された織物を熱固定するステップとを含むことができる。
本発明において、前記ポリエステル原糸は、通常の製織方法と、精練およびテンタリング工程を経て最終的なエアバッグ用織物として製造できる。この時、織物の製織形態は特定の形態に限定されず、平織タイプおよびOPW(One Piece Woven)タイプの製織形態とも好ましい。
特に、本発明のエアバッグ用織物は、前記ポリエステル原糸を緯糸および経糸として用いて、ビーミング(beaming)、製織、精練、および熱固定工程を経て製造できる。前記織物は、通常の製織機を用いて製造することができ、ある特定の織機を用いることに限定されない。ただし、平織形態の織物は、レピア織機(Rapier Loom)やエアジェット織機(Air Jet Loom)またはウォータージェット織機(Water Jet Loom)などを用いて製造することができ、OPW形態の織物は、ジャカード織機(Jacquard Loom)を用いて製造することができる。
ただし、本発明は、既存のポリエステル原糸に比べて高強力高伸率の低い収縮率を有するポリエステル原糸を使用することにより、既存に比べてより高い温度で熱処理工程を行うことができる。つまり、本発明では、前記製織された生地を精練および熱固定する工程を経ることになるが、エアバッグ用織物として優れた物性を発現し、長期間の高温熱処理後も織物の物性を維持するためには、熱固定工程中、pinタイプの設備のオーバーフィード(OF)を1.5−6.0%水準に維持し、熱固定工程を連続2回から3回程度に処理することも好ましい。熱固定された織物にゴム成分でコーティングして乾燥した後に、加硫温度を140〜210℃で硬化させる過程を行うが、前記加硫温度は、織物の引裂強度などの機械的物性維持の面で140℃以上にならなければならず、剛軟度の面で210℃以下にならなければならない。特に、長期間の高温熱処理後も優れた物性を維持するためには、前記熱処理工程を多段階で行うことができ、例えば、150〜170℃で1次熱処理工程を行った後、170〜190℃で2次熱処理工程を行った後に、190〜210℃で3次熱処理工程を行うことができる。
このように、本発明のポリエステル織物を高温熱処理工程により製造する場合に、ポリエステル原糸自体の最適化した収縮率特性による形態安定性および空気遮断効果、剛軟性の向上、および引裂強度の改善効果をより大きく付与することができる。
また、前記加硫温度で、硬化時間は30〜120秒、好ましくは35〜100秒、および最も好ましくは40〜90秒の範囲で行うことができる。ここで、前記硬化時間が30秒未満の場合に、ゴム成分によるコーティング層の硬化作業が効果的に行われず織物の機械的物性が低くなり、コーティングが剥がれるなどの問題があり、前記硬化時間が120秒を超える場合に、最終製造された織物の剛軟度および厚度が増加し、ホールディング性が低くなる問題が発生する。
本発明のエアバッグ用織物は、織物の一面または両面に、前述のようなゴム成分によるコーティングを実施することができ、前記ゴム成分のコーティング層は、ナイフコート法、ドクターブレード法、または噴霧コーティング法で適用可能であるが、これも前記言及された方法にのみ限定されない。
このようにコーティングされたエアバッグ用織物は、裁断および縫製工程を経て一定の形態を有するエアバッグクッションの形態に製造できる。前記エアバッグは特別な形態に限定されず、一般的な形態に製造できる。
一方、発明のさらに他の実施形態により、上述したポリエステル織物を含む車両用エアバッグが提供される。また、前記エアバッグを含むエアバッグシステムが提供され、前記エアバッグシステムは、関連業者によく知られた通常の装置を備えることができる。
前記エアバッグは、大きく、フロンタルエアバッグ(Frontal Airbag)およびサイドカーテンエアバッグ(Side Curtain Airbag)に区分される。前記フロンタル用エアバッグには、運転席用、助手席用、側面保護用、膝保護用、足首保護用、歩行者保護用エアバッグなどがあり、サイドカーテンタイプのエアバッグは、自動車の側面衝突や転覆事故時に搭乗者を保護するようになる。したがって、本発明のエアバッグは、フロンタル用エアバッグおよびサイドカーテンエアバッグをすべて含む。
本発明において、前記記載された内容以外の事項は必要に応じて加減可能であるため、本発明では特に限定しない。
本発明によれば、エアバッグの展開時にエネルギー吸収性能などに優れたポリエステル織物およびこれを用いて得られる車両用エアバッグが提供される。
このようなポリエステル織物は、低いモジュラス、高強力、高伸率のポリエステル原糸を用いて、高温の熱処理工程によっても熱収縮を最少化し、優れた形態安定性、機械的物性、および空気遮断効果が得られるだけでなく、これと同時に、優れたホールディング性および柔軟性を確保することができ、自動車への装着時に収納性を顕著に改善し、同時に搭乗者に加えられる衝撃を最少化して搭乗者を安全に保護することができる。
特に、長期間の高温および多湿の熱処理後も引裂強度、縫目強度などの物性維持の水準が非常に優れたエアバッグ用織物およびクッションを製造することにより、実際に高温多湿の苛酷な条件下で長期間収納された状態にあったエアバッグが、自動車の衝突事故でクッションが展開された場合にも、安全に搭乗者を保護することができるという優れた利点を有する。
したがって、本発明のポリエステル織物は、車両用エアバッグの製造などに非常に好ましく使用可能である。
一般的な繊維の強伸度曲線の例を示すもので、この強伸度曲線の面積が強靭性(Toughness;破断仕事、J/m3)で定義される。 国際標準化機構規格ISO5981による耐スクラブ性測定装置を示す模式図である。
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示するが、下記の実施例は本発明を例示するためのもので、本発明の範囲が下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1−5
1.18−1.83dl/gの固有粘度を有するPETチップを、溶融紡糸機により、紡糸温度306−312℃および延伸比6.10の条件下で1stepとしてポリエステル原糸を製造した後に、前記原糸を用いて、レピア織機によりエアバッグ用織物生地を製織した。前記織物生地を精練後、OFは約4.5%を与え、熱処理工程を連続3回進行してエアバッグ用織物を製造し、前記織物に液状シリコーンゴム(LSR)樹脂をナイフコーティング(knife over ro1l coating)方法でコーティングし、シリコーンコーティングされた織物を製造した。
前記液状シリコーンコーティング薬剤は、常温(25℃)で測定した粘度が55,000mPa・sであり、前記シリコーンゴム(LSR)樹脂と共に全体コーティング薬剤の総重量100重量部に対して、接着促進剤として1,3,5−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアネートを0.65wt%含み、架橋剤として2個以上の反応性水素化ケイ素官能基を有するシリコン架橋結合剤を0.65wt%含むものである。
この時、ポリエステル原糸の固有粘度、強靭性、伸度1%および2%で、モジュラス、引張強度、切断伸度、乾熱収縮率などの物性は下記表1に示す通りであり、前記原糸の物性は常温(25℃x65%RH)で測定した。
また、織物の経糸および緯糸の製織密度、製織形態、熱処理温度、ゴム成分、樹脂コーティング量は下記表1に示す通りであり、残りの条件はエアバッグ用ポリエステル織物製造のための通常の条件に従った。
Figure 2014514469
実施例5のポリエステール織物は、エアバッグクッションが長時間自動車に収納されている状態で存在しても、自動車の衝突によるエアバッグクッションが展開される場合、クッション縫製部のほつれ現象と織物破れ現象が発生しないことにより、自動車の衝突から搭乗者の安全を保護することができる
一方、比較例5のポリエステール織物を用いたエアバッククッションは、長時間自動車に収納されている状態で存在する場合、自動車の衝突によるエアバッグクッションが展開されても、高温−高圧のインフレータガスによって破れやすく、縫製部位がほつれる現象が発生し、ついには搭乗者の安全を保護できない結果をもたらすことがある
また、前記実施例1−5により製造されたポリエステル織物に対して、次の方法で多様な織物物性を測定し、測定された織物物性は下記表にまとめた。
)引張強度および引張伸度
前記ポリエステル織物は、コーティングおよび非コーティングの織物試験片を裁断し、国際標準化機構規格ISO13934−1方法による引張強度測定装置の下部クランプに固定させ、上部クランプを上に移動させながら、エアバッグ織物試験片が破断する時の引張強度および引張伸度を測定した。
)織物の強靭性(Toughness)
下記計算式によって強靭性(Toughness、J/m3)値を計算した。
[計算式
Figure 2014514469
前記計算式において、Fは、ポリエステル織物の長さがdlだけ伸びた時に加えられる荷重を示し、dlは、ポリエステル織物の長さが伸びた長さを示す。
この時、織物の強靭性は、コーティング処理前の非コーティングされた織物で測定した。
)滑脱抵抗力
コーティング処理前の非コーティングされた織物を用いて、米国材料試験協会規格ASTMD6479による方法で常温(25℃)および90℃での織物の滑脱抵抗力をそれぞれ測定した。
)カバーファクター(CF)
下記計算式によって非コーティング織物に対するカバーファクター値を計算した。
[計算式
カバーファクター(CF)
Figure 2014514469
)織物収縮率
米国材料試験協会規格ASTMD1776により経糸/緯糸方向の織物収縮率を測定した。まず、コーティング処理前の非コーティングされた織物で試験片を裁断した後、経糸および緯糸方向に収縮前の長さである20cmずつを表示し、149℃で1時間チャンバで熱処理した試験片の収縮した長さを測定し、経糸方向および緯糸方向の織物収縮率{(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さx100%}を測定した。
)剛軟度
コーティング処理前の非コーティングされた織物に対して、米国材料試験協会規格ASTMD4032による剛軟度測定装置を用いて、サーキュラーベンド(Circular
Bend)法で織物の剛軟度を測定した。また、剛軟度測定法としてカンチレバー法を適用することができ、織物に曲げを与えるために、一定角度の傾斜を与えた試験台のカンチレバー測定機器を用いて織物の曲げ長さの測定により剛軟度を測定することができる。
)厚度
米国材料試験協会規格ASTMD1777によってコーティング処理前の非コーティングされた織物の厚度を測定した。
)耐スクラブ性
図2に示すような国際標準化機構規格ISO5981による耐スクラブ性測定装置を用いて、織物の耐スクラブ特性を評価した。
まず、コーティング織物で試験片を裁断し、前記スクラブテスト装置でプレス(PRESS)で織物試験片を押し、織物試験片の両側をつかんで繰り返し運動させてスクラブテストを実施し、織物のコーティング層が剥がれはじめる前までの回数を測定した。
この時、耐スクラブ性の測定は、荷重(pressure force)10Nの条件下で摩耗子の往復運動の全体回数を測定して示すが、毎50回(stroke)ごとの往復運動後にコーティング層が剥がれなければ「pass」となって往復運動を継続して進行し、コーティング層が剥がれると「fail」として前記往復運動を中止するが、この時のコーティング層の剥がれる時点の回数を測定した。
このように測定した耐スクラブ性回数が600回以上の場合を「良好」と評価し、600回未満の場合を「不良」と評価した。
Figure 2014514469
比較例1−5
下記表に記載された条件を除いては、実施例1−5と同様の方法により比較例1−5のエアバッグ用ポリエステル織物を製造した。
Figure 2014514469
比較例1−5のポリエステール織物は、実際に高温の気候条件で長時間自動車モジュール内でエアバッグクッションが収納された状態にある場合、実際の自動車衝突によるエアバッグクッションが展開されても、自動車搭乗者の安全を全く保護できない問題があり得る。
また、前記比較例1−5により製造されたポリエステル織物に対する多様な織物物性を下記表にまとめた。
Figure 2014514469
前記表1−に示すように、本発明により、高強力高伸率低モジュラスのポリエステル原糸を使用して、関連物性を最適化した実施例1−5のポリエステル織物は、強靭性が3.90〜5.95kJ/m3で、エアバッグの展開時に高温−高圧のインフレータガス(gas)に十分に耐えられる優れた機械的物性を示した。また、前記織物は、経糸方向および緯糸方向での織物収縮率がそれぞれ0.3%〜0.5%および0.3%〜0.5%で、非常に優れた特性を有することが分かる。これと同時に、実施例1−5のポリエステル織物は、剛軟度が0.63〜1.22kgfと優れた最適範囲を有することにより、優れた形態安定性と共に、優れたホールディング性、収納性を有することを確認することができる。
特に、実施例1−5のポリエステル織物は、高強力高切断伸度低モジュラスの原糸を用いて、織物のカバーファクターは2,081〜2,226であり、25℃および90℃での滑脱抵抗力値がそれぞれ495N〜630Nおよび472N〜610Nと非常に優れた値を示すことにより、エアバッグクッションの展開時にクッションの外郭縫い代(seam)部位での縫目ずれ現象が大きく向上し、クッションの気密性およびエネルギー吸収性能をさらに向上させることが分かる。
反面、前記表3−4に示されるように、底粘度の一般産業用ポリエステル原糸を用いた比較例1−5のポリエステル織物の場合、このような特性を満足しないことが確認された。特に、比較例1−5のポリエステル織物は、強靭性が2.1〜2.7kJ/m3であり、経糸方向および緯糸方向の収縮率がそれぞれ1.2%〜1.4%および1.0%〜1.2%と顕著に低いことが分かる。このように機械的物性が顕著に低い織物がエアバッグ装置に使用される場合、エアバッグの展開時にエアバッグが破裂するなどの機械的物性の低下につながる問題が発生することがある。
また、前記比較例1−5の織物は、実施例1−5の織物と類似する程度のカバーファクターを示すが、25℃および90℃での滑脱抵抗力値がそれぞれ215N〜250Nおよび198N〜230Nと顕著に低く、エアバッグクッションの展開時にクッションの外郭縫い代(seam)部位での縫目ずれ現象が大きくなることにより、搭乗者の安全に大きな問題となり得ることが分かる。
実験例1
前記実施例1−5および比較例1−5でコーティング工程を行わなかった非コーティング織物とコーティング工程を行ったポリエステルコーティング織物を共に使用してエアバッグクッションを製造し、それぞれ下記表に示すように、DAB(driver airbag)クッションアセンブリおよびPAB(passenger airbag)クッションアセンブリで車両用エアバッグを製作した。このように完成した車両用エアバッグに対して、3つの熱処理条件(常温:25℃x4hrオーブン放置、Hot:85℃x4hrオーブン放置、Cold:−30℃x4hrオーブン放置)下で静的展開性能テスト(static test)を実施した。
前記静的展開性能テスト(static test)を実施した結果、織物破れ、ピンホール(pin hole)の発生、および織物炭化現象が発生しない場合に「Pass」と評価し、織物破れ、縫製部のピンホール(pin hole)の発生、または織物炭化現象のいずれか1つでも発生した場合には「Fail」と評価した。ここで、展開テストの結果が「Pass」の場合はエアバッグ用クッションとして使用可能であるが、「Fail」の場合はエアバッグ用クッションとして使用不可能であることを意味する。
前記実施例1−5および比較例1−5のポリエステル非コーティング織物を用いて製造されたエアバッグクッションに対する静的展開性能テスト(static test)の結果は下記表に示した。
Figure 2014514469
実験例2
前記実験例1の静的展開性能テスト(static test)で「Pass」と評価された実施例1−5のポリエステル非コーティング織物を用いて製造されたエアバッグクッションに対して、追加的に限界展開性能テスト(upper limit test)を実施した。
前記限界展開性能テスト(upper limit test)は、下記表に示すように、クッションアセンブリの仕様およびインフレータの圧力を異ならせたことを除いては、実験例1と同様の方法で前面用エアバッグを製作して実施し、その評価結果は下記表 に示す通りである。
Figure 2014514469
前記表および表に示されるように、本発明により、特定の繊度範囲のポリエステル原糸を使用して、関連された物性範囲を最適化した実施例1−5のポリエステル織物を含む車両用エアバッグに対して、それぞれ3つの熱処理温度条件下でオーブンに放置した後、静的展開性能テスト(static test)および限界展開性能テスト(upper limit test)をすべて進行した結果、織物破れ、縫製部のピンホール(pin hole)の発生、および織物炭化現象などが発生せず、いずれも車両用エアバッグとして優れた性能を有することが分かる。
ここで、静的展開性能テスト(static test)は、初期にエアバッグ用クッションが設計されて評価を受ける最も基本的な展開テストで、エアバッグクッションが装着されたモジュール状態でのみ評価を行い、インフレータの出せる最も正常な(normal)温度および展開圧力下で評価が進行する。前記静的展開性能テスト(static
test)が正常完了する場合に、次のステップに進む評価が限界展開性能テスト(upper limit test)である。前記限界展開性能テスト(upper limit test)は、インフレータの出せる最も高い温度および展開圧力下で評価が進行するが、最も苛酷な(高温の温度および高い圧力)条件で進行する評価であるため、実際にこのステップで性能が満足されない場合が非常に多く、最終的には、静的展開性能テスト(static test)および限界展開性能テスト(upper limit test)が共に「Pass」と評価されてはじめて、エアバッグ用クッションとして量産可能になる。
反面、比較例1−5のポリエステル織物を含む車両用エアバッグに対する静的展開性能テスト(static test)の結果では、エアバッグの展開時、織物破れ、織物の摩擦による織物破断現象、縫製部のピンホール(pin hole)の発生による織物破断現象、織物炭化現象などにより、各クッションがすべて「Fail」と評価された。これにより、比較例1−5のポリエステル織物を含む車両用エアバッグは、限界展開性能テスト(upper limit test)の評価が行われる前に、すでに実際のエアバッグとして使用不可能であることが分かる。特に、比較例1、2、3の織物を含むDAB(driver airbag)クッションアセンブリに対する展開テストでは、クッションの外郭縫製部とテザー部で織物破れ現象が発生し、比較例4、5の場合では、インフレータの入口部での織物破れと共に、外郭縫製部での縫目ずれ現象が発生した。
また、このような比較例1−5の織物を含む車両用エアバッグに対する展開テスト(static test)で、織物破れの発生は基本的にポリエステル原糸および織物自体の物性が非常に低いために発生するが、織物縫製部のピンホール(pin hole)の発生、耐摩擦性不足、織物炭化現象などに起因して共に発生したことを確認することができた。したがって、比較例1−5のエアバッグ用織物は、実際の車両用エアバッグクッションに適用する時、エアバッグの破裂などでエアバッグ機能に大きな危険をもたらすことがある。同時に、常温と高温、低温の短い熱処理時間の条件下でもエアバッグクッションとしての性能を満足しない織物が高温の長時間収納された状態で自動車の衝突事故が発生した場合、搭乗者の安全は全く保障できない結果をもたらすことがある。

Claims (12)

  1. 繊度が300〜700デニールのポリエステル原糸を含み、下記計算式1で定義される強靭性(Toughness)が3.2kJ/m3以上であることを特徴とする、ポリエ ステル織物
    [計算式
    Figure 2014514469
    式中、Fは、ポリエステル織物の長さがdlだけ伸びた時に加えられる荷重を示す。
  2. 米国材料試験協会規格ASTMD4032方法による剛軟度が2.0kgf以下であることを特徴とする、請求項1記載のポリエステル織物。
  3. 米国材料試験協会規格ASTMD6479方法で常温で測定した滑脱抵抗力が300N以上であり、90℃で測定した滑脱抵抗力が280N以上であることを特徴とする、請求項1記載のポリエステル織物。
  4. 常温で測定した原糸の引張強度が8.5g/d〜11.0g/dであり、切断伸度が15%〜30%であるポリエステル原糸を含むことを特徴とする、請求項1記載のポリエステル織物。
  5. 米国材料試験協会規格ASTMD885の方法で常温で測定したモジュラス(Young’s modulus)が伸度1%で60〜110g/deであり、伸度2%で50〜87g/deであるポリエステル原糸を含むことを特徴とする、請求項1記載のポリエステル織物。
  6. 下記計算式で定義される織物のカバーファクターが1,800〜2,460であることを特徴とする、請求項1記載のエアバッグ用ポリエステル織物。
    [計算式
    カバーファクター(CF)
    Figure 2014514469
  7. 粉末(powder)型シリコーン、液状(liquid)型シリコーン、ポリウレタン、クロロプレン、ネオプレンゴム、およびエマルジョン型シリコーン樹脂からなる群より選択された1種以上のゴム成分でコーティングされていることを特徴とする、請求項1記載のポリエステル織物。
  8. 前記ゴム成分の単位面積あたりのコーティング量が20〜200g/m2であることを特徴とする、請求項記載のポリエステル織物。
  9. 繊度300〜700デニールのポリエステル原糸でエアバッグ用生地を製織するステップと、前記製織されたエアバッグ用生地を精練するステップと、前記精練された織物をテンタリングするステップとを含む、請求項1ないしのいずれか1項記載のポリエステル織物の製造方法。
  10. 前記テンタリングステップにおいて、熱処理温度は140〜210℃であることを特徴とする、請求項記載のポリエステル織物の製造方法。
  11. 請求項1ないしのいずれか1項記載のポリエステル織物を含むことを特徴とする、車両用エアバッグ。
  12. 前記エアバッグは、フロンタル用エアバッグまたはサイドカーテン型エアバッグであることを特徴とする、請求項11記載の車両用エアバッグ。
JP2014502481A 2011-03-31 2012-03-30 ポリエステル織物およびその製造方法 Pending JP2014514469A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020110029869A KR20120111417A (ko) 2011-03-31 2011-03-31 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR10-2011-0029869 2011-03-31
KR10-2011-0029870 2011-03-31
KR1020110029870A KR20120111418A (ko) 2011-03-31 2011-03-31 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
PCT/KR2012/002396 WO2012134227A2 (ko) 2011-03-31 2012-03-30 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014514469A JP2014514469A (ja) 2014-06-19
JP2014514469A5 true JP2014514469A5 (ja) 2016-08-12

Family

ID=46932169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014502481A Pending JP2014514469A (ja) 2011-03-31 2012-03-30 ポリエステル織物およびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20140021704A1 (ja)
EP (1) EP2692919A4 (ja)
JP (1) JP2014514469A (ja)
CN (2) CN104499147A (ja)
WO (1) WO2012134227A2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103132343A (zh) * 2011-11-29 2013-06-05 东丽纤维研究所(中国)有限公司 一种气囊用涂层织物
JP2015526600A (ja) * 2012-06-29 2015-09-10 コーロン インダストリーズ インク エアバッグ用原たんおよびその製造方法
BR112016018965B1 (pt) 2014-03-14 2022-01-04 Toray Industries, Inc Tecido-base para airbag não revestido e airbag
CN105771045A (zh) * 2014-12-23 2016-07-20 周宇 新鲜空气采集及使用装置
JP6601395B2 (ja) * 2015-03-30 2019-11-06 東レ株式会社 エアバッグ用ポリエステル製基布、ポリエステル製エアバッグおよびエアバッグ用ポリエステル製基布の製造方法
CN108463586B (zh) * 2015-11-06 2021-05-28 英威达纺织(英国)有限公司 低渗透率和高强度织物及其制造方法
WO2018204154A1 (en) 2017-05-02 2018-11-08 Invista Textiles (U.K.) Limited Low permeability and high strength woven fabric and methods of making the same
TWI642385B (zh) * 2017-08-31 2018-12-01 川湖科技股份有限公司 滑軌總成及其滑軌機構
US11708045B2 (en) 2017-09-29 2023-07-25 Inv Performance Materials, Llc Airbags and methods for production of airbags
CN109881335A (zh) * 2019-03-29 2019-06-14 吕庆菊 一种折叠丝垫布及其制备方法与应用

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4004216A1 (de) 1990-02-12 1991-08-14 Hoechst Ag Gewebe fuer einen airbag
JPH05214632A (ja) * 1992-01-31 1993-08-24 Unitika Ltd エアーバツグ用シート
JPH07186856A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Toray Ind Inc エアバッグ用基布
EP0753395B1 (en) * 1995-01-24 2003-05-21 Toray Industries, Inc. Polyester product and process for producing the same
JP3336931B2 (ja) * 1996-12-02 2002-10-21 東レ株式会社 エアバッグ用基布およびエアバッグ
AR010847A1 (es) * 1997-01-20 2000-07-12 Rhone Poulenc Filtec Ag TEJIDO TÉCNICO EN PARTICULAR, PARA BOLSAS DE AIRE, Y METODO PARA LA FABRICACIoN DEL HILO DE FILAMENTO PARA EL TEJIDO.
JPH11293540A (ja) * 1998-04-10 1999-10-26 Toray Ind Inc エアバッグ用基布およびその製造方法
CN100415574C (zh) * 2003-05-15 2008-09-03 因温斯特技术公司 充气袋用聚酯纤丝机织织物
KR101055393B1 (ko) * 2009-03-20 2011-08-09 코오롱인더스트리 주식회사 에어백용 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
WO2010123298A2 (ko) * 2009-04-23 2010-10-28 주식회사 코오롱 에어백용 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR101025598B1 (ko) * 2009-04-23 2011-03-30 주식회사 코오롱 에어백용 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR20100117527A (ko) * 2009-04-24 2010-11-03 주식회사 코오롱 에어백 가스 주입용 튜브형 직물 부재 및 그의 제조방법
KR20110001498A (ko) * 2009-06-30 2011-01-06 코오롱인더스트리 주식회사 사이드 커튼형 에어백, 그의 제조방법, 및 이를 포함하는 에어백 시스템
KR20110001498U (ko) * 2009-08-05 2011-02-11 박삼술 차량용 바닥매트
CN101634052B (zh) * 2009-08-24 2011-05-18 浙江海利得新材料股份有限公司 汽车安全气囊用聚酯工业丝制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101055394B1 (ko) 에어백용 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
JP2014514469A5 (ja)
KR101736421B1 (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
JP2014514469A (ja) ポリエステル織物およびその製造方法
EP2557210B1 (en) Polyester fabric and method for manufacturing same
JP6040146B2 (ja) ポリエステル織物およびその製造方法
WO2012036511A2 (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조 방법
WO2011122802A2 (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조 방법
KR20120029958A (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR101621079B1 (ko) 에어백용 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR101055393B1 (ko) 에어백용 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR101709260B1 (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR20120111418A (ko) 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR20120111416A (ko) 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR101680203B1 (ko) 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR20120067768A (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR101553017B1 (ko) 에어백용 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR101802475B1 (ko) 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR20120111417A (ko) 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR101680202B1 (ko) 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR101621080B1 (ko) 에어백용 폴리에스테르 원단 및 그의 제조 방법
KR20110109116A (ko) 에어백용 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR20120067770A (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR20120029959A (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법
KR20110109949A (ko) 폴리에스테르 원사 및 그의 제조방법