JP3336931B2 - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するも
のであり、さらに詳しくは、製織性に優れ、かつ織物の
重量、厚さが自由にコントロールできる低通気性に優れ
たエアバッグ用基布およびエアバッグに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグには400〜1000
デニールのナイロン66またはナイロン6フィラメント
糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性など
の向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフ
ィン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマー樹
脂を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して作ら
れていた。しかしながら、エラストマー樹脂を塗布、積
層したエアバッグ用基布は重量が増大して軽量性に欠
け、また加工工程が繁雑で生産性に劣ると言う問題かあ
った。
【0003】また、近年、エアバッグは低価格化ならび
にモジュールカバーの縮小化のため、エアバッグ用基布
の収納性向上すなわち軽量、柔軟化が強く要望されお
り、ノンコート基布を使用したエアバッグが鋭意検討さ
れている。ノンコート基布を使用したエアバッグの対応
技術として、ナイロン66、ナイロン6などのポリアミ
ド繊維織物およびポリエステル繊維織物から構成される
高密度ノンコートエアバッグの検討が進められている。
例えば、特開平4−2835号公報は、コーティングを
されていない低通気性の織布が提案されているが、織布
を構成する経糸と緯糸の構成については特定の開示はな
い。また好適な素材としてポリエステルが記載され、さ
らに低通気性を付与するためにカレンダー加工の採用が
開示されている。この提案により得られるエアバッグ用
基布は低通気性はかなり改善されるが、エアバッグとし
ての機械的特性すなわち引裂強力が低下する欠点があ
る。また、高密度ノンコートエアバッグは、コーティン
グ品に比べ、経済性は向上するが製織性に問題があり、
すなわち品位面で安定した高密度織物が得られ難いのが
実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のエアバッグの欠点に鑑み、優れた製織性を有し、かつ
織物の重量、厚さを自由にコントロールでき、しかも低
通気性に優れた特徴を同時に達成するエアバッグ用基布
およびエアバッグを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグ用基布は、合成繊維織物からな
るエアバッグにおいて、該織物を構成する経糸と緯糸
が、繊度の異なったフィラメント糸からなり、かつ下記
一般式1で示される関係にあることを特徴とするもので
ある。
【0006】[一般式1] D1 <D2 、N1 >N2 において、 D1 ×N1 <D2 ×N2 900≦D1 1/2 ×N1 ≦1300 900≦D2 1/2 ×N2 ≦1300 75≦D1 ≦700 75≦D2 ≦700 [ここでD1 、D2 :総繊度(デニール)、N1
2 :織密度(本/インチ)、D1 とN1 が経糸、D2
とN2 が緯糸、それぞれ示す。] また、本発明のエアバッグは、かかるエアバッグ用基布
を用いて構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、前記課題を一挙に達成
するエアバッグについて鋭意検討したところ、エアバッ
グの合成繊維織物基布を構成する経糸と緯糸として、繊
度の異なったフィラメント糸を採用したところ、優れた
製織性を有し、かつ織物の重量、厚さが経糸と緯糸の繊
度組み合わせにより自由にコントロールできる上に、低
通気性にも優れたエアバッグを提供することができるこ
とを究明したものである。
【0008】本発明における合成繊維織物とは、ナイロ
ン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4・
6、およびナイロン6とナイロン6・6の共重合体、ナ
イロンにポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やア
ミンなどを共重合したポリアミド繊維、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモ
ポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する
酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを
共重合したポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタ
ルアミドおよび芳香族エーテルとの共重合に代表される
アラミド繊維、レーヨン、サルフォン系繊維などからな
る織物を言う。また織物組織としては、平織、綾織、朱
子織およびこれらの変化織、多軸織などが適用できる
が、これらの中でも地薄な面から平織物が好ましい。ま
たこれらの織物の中でも特にポリアミド繊維、ポリエス
テル繊維が好ましい。なお、かかる繊維には、原糸の製
造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために
通常使用される各種添加剤を含んでいても良い。例えば
熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止
剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめる
ことができる。
【0009】また本発明で言う該織物を構成する経糸と
緯糸は、繊度の異なったフィラメント糸からなり、かつ
下記一般式1で示される関係にあることが必須である。
【0010】[一般式1] D1 <D2 、N1 >N2 において、 D1 ×N1 <D2 ×N2 900≦D1 1/2 ×N1 ≦1300 900≦D2 1/2 ×N2 ≦1300 75≦D1 ≦700 75≦D2 ≦700 [ここでD1 、D2 :総繊度(デニール)、N1
2 :織密度(本/インチ)、D1 とN1 が経糸、D2
とN2 が緯糸、それぞれ示す。] ここで、D1 <D2 、N1 >N2 において、900≦D
1 1/2 ×N1 ≦1300、900≦D2 1/2 ×N2 ≦1
300であることが低通気性と製織性の面から必須であ
る。900>であると低通気性が得られず、>1300
であると製織性すなわち品位面で好ましくない。なお、
1 1/2 ×N1 、D2 1/2 ×N2 は経あるいは緯方向の
カバーファクターを意味する。一方、強力と軽量性の面
から75≦D1 、D2 ≦700であることが必要であ
る。75>D1 、D2 であると強力が低過ぎ、D1 、D
2 >700であると軽量、柔軟性の面に欠け好ましくな
い。
【0011】また、製織性、低通気性および軽量、柔軟
性の面からD1 1/2 ×N1 <D2 1/ 2 ×N2 であること
がより効果を発揮し、さらに好ましくはD1 ≦0.8D
2 、特に好ましくはD1 ≦0.7D2 である。
【0012】一方、製織工程で用いられる織機として
は、ウォータジェットルーム、エアジェットルーム、レ
ピアルームが適宜使用され、D1 、N1 が経糸、D2
2 が緯糸であることが必須である。また該経糸、緯糸
を構成するフィラメント糸は引張強力は6.5g/d以
上、破断伸度が15%以上、単糸繊度としては2〜7デ
ニールが好ましいが特に制約する必要はない。
【0013】またエアバッグ膨脹展開性の面から該エア
バッグ用基布の通気度は、流体(空気)を0.2kg/
cm2 の圧力に調整して流し、その時通過する空気流量
を測定した時に、好ましくは40cc/cm2 /sec
以下、さらに好ましくは30cc/cm2 /sec以下
である。なお、かかるエアバッグ用基布は、製織上り品
すなわち生機、精練・乾燥上り品、熱セット上り品を使
用することができるのでノンコートエアバッグとして好
適な素材であり、もちろん必要に応じては加圧圧縮など
の物理的加工を施してもよい。また、かかるエアバッグ
用基布は、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、
後部座席用エアバッグ、側面用エアバッグなどに適宜使
用することができる。
【0014】また、上記エアバッグにおいては、インフ
レータ取り付け口やベントホール部分などに用いられる
補強布またはバッグ展開形状を規制する部材が、該エア
バッグ用基布と同一基布であることが縫製性の面から有
利であり好ましい。またエアバッグの縫製にあたって
は、打抜きまたは溶断によって形成された1枚もしくは
複数枚のかかるエアバッグ用基布を用い、その周縁部を
縫製することが好ましく、さらには周縁部の縫製が、一
重または二重の合せ縫製のみで構成されたエアバッグが
好ましい。
【0015】本発明のエアバッグ用基布の特徴は、製織
性に優れ、低通気性を有し、かつ織物の重量、厚さが経
糸と緯糸の繊度組み合わせにより自由にコントロールで
きるという点にある。
【0016】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例中のエアバッグ用基布の特性は下
記の方法によりを測定した。
【0017】引張強力 :JIS L1096(スト
リップ法)により求めた。 破断伸度 :JIS L1096(ストリップ法)に
より求めた。
【0018】引裂強力 :JIS L1096(シン
グルタング法)により求めた。 通気度 :層流管式通気度測定機を用い、流体(空
気)を0.2kg/cm2の圧力に調整して流し、その時通
過する空気流量(cc/cm2 /sec)を測定した。
【0019】収納性 :エアバッグ袋体を所定の形
に折り曲げて、98Nの押圧をかけた時の折りたたみ高
さを測定した。標準品として、シリコーンゴムコート品
(45g/m2 塗工品)の嵩高さを100とした時の相
対値で示した。
【0020】膨脹展開特性:ダイセル化学製の電気着火
式インフレータにて膨脹展開特性をシリコーンゴムコー
ト品と相対比較した。
【0021】実施例 緯糸 に総繊度420デニール、72フィラメント、強度
9.8g/デニール、伸度22.1%のナイロン6・6
繊維からなるフィラメント糸、経糸に総繊度315デニ
ール、72フィラメント、強度9.7g/デニール、伸
度22.5%のナイロン6・6繊維からなるフィラメン
ト糸を用い、ウォータージェットルームにて緯糸の織密
度54本/インチ、経糸の織密度が62本/インチにな
るように平織物を製織した[実施例1]。
【0022】いで、該織物をオープンソーパー装置に
てノニオン系界面活性剤を含む80℃の温水で15秒間
精練し、130℃で3分間乾燥した後、連続熱セット装
置にて有幅で180℃で30秒間熱セットし、エアバッ
グ用基布を得た。
【0023】しかる後、該エアバッグ用基布から直径7
15mmの円状布帛2枚を打抜き法にて裁断し、一方の
円状布帛の中央に同一布帛からなる直径190mmの円
状補強布を3枚積層して、直径110mm、145m
m、175mm線上を上下糸ともナイロン6・6繊維の
420D/1×3から構成される縫糸で本縫いによるミ
シン縫製し、直径90mmの孔を設け、インフレータ取
付け口とした。さらに中心部よりバイアス方向に250
mmの位置に相反して同一布帛からなる直径75mmの
円状補強布を一枚当て直径50mm、60mmの線上を
上下糸ともナイロン6・6繊維の420D/1×3から
構成される縫糸で本縫いによるミシン縫製し、直径35
mmの孔を設けたベントホールを2カ所設置した。
【0024】次いで、本円状布帛の補強布帛側を外に
し、他方の円状布帛と経軸を45度ずらして重ね合わ
せ、直径700mm、710mmの円周状を上下糸とも
ナイロン6・6繊維の1260D/1から構成される縫
糸で二重環縫いによるミシン縫製した後、袋体を裏返
し、60L容量の運転席用エアバッグを作製した。
【0025】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、実施例のエアバッグ用基布は、エ
アバッグに必要な機械的特性を保持しつつ、優れた低通
気性を有していた。また製織性に優れているため品位が
良好であった。一方、該エアバッグ用基布を用いて作製
したエアバッグにおいてもエアバッグに必要な膨脹展開
特性を有し、かつモジュールカバーへの収納性に優れて
いた。
【0026】比較例1.2 経糸と緯糸に総繊度420デニール、72フィラメン
ト、強度9.8g/デニール、伸度22.1%のナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータ
ージェットルームにて経糸、緯糸ともに織密度が54本
/インチになるように平織物を製織した[比較例1]。
【0027】一方、経糸と緯糸に総繊度315デニー
ル、72フィラメント、強度9.7g/デニール、伸度
22.5%のナイロン6・6繊維からなるフィラメント
糸を用い、ウォータージェットルームにて経糸、緯糸と
もに織密度が62本/インチになるように平織物を製織
した[比較例2]。
【0028】次いで、該織物をオープンソーパー装置に
て実施例1と同様にノニオン系界面活性剤を含む80℃
の温水で15秒間精練し、130℃で3分間乾燥した
後、連続熱セット装置にて有幅で180℃で30秒間熱
セットし、エアバッグ用基布を得た。しかる後、実施例
1と同様に60L容量の運転席用エアバッグを作製し
た。
【0029】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。表1から明らかなように、比較例1、2のエ
アバッグ用基布は、エアバッグとしての機械的特性は保
持していたが、製織性の面で緯糸が打ち込み難く、毛羽
の発生が見られ高品位のものが得られにくい言う問題
があった。また、比較例1のエアバッグ用基布を用いて
作製したエアバッグは、やや厚く、モジュールカバーへ
の収納性が十分でなかった。
【0030】比較例3 経糸と緯糸に総繊度420デニール、72フィラメン
ト、強度9.8g/デニール、伸度22.1%のナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータ
ージェットルームにて経糸、緯糸ともに織密度が45本
/インチになるように平織物を製織した。次いで、実施
例1と同様に該織物を精練、乾燥した後、180℃で3
0秒間熱セットした。しかる後、該織物をコンマコータ
ーを用い、塗工量が45g/m2 になるようにメチルビ
ニル系シリコーンゴムにてコーティングを行なった後、
180℃で3分間の加硫処理し、エアバッグ用基布を得
た。次いで、実施例1と同様に60L容量の運転席用エ
アバッグを作製した。
【0031】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表1
に示した。表1から明らかなように、比較例3のエアバ
ッグ用基布は、低通気性に優れていたが、加工工程が煩
雑で生産性の面にも問題があった。また該エアバッグ用
基布を用いて作製したエアバッグは、基布が硬く、モジ
ュールカバーへの収納性が十分ではなかった。
【0032】
【表1】 実施例 経糸に総繊度210デニール、36フィラメント、強度
9.5g/デニール、伸度21.5%のナイロン6・6
繊維からなるフィラメント糸、緯糸に総繊度420デニ
ール、72フィラメント、強度9.8g/デニール、伸
度22.1%のナイロン6・6繊維からなるフィラメン
ト糸を用い、ウォータージェットルームにて経糸の織密
度73本/インチ、緯糸の織密度が54本/インチにな
るように平織物を製織した[実施例]。
【0033】また経糸に総繊度210デニール、36フ
ィラメント、強度9.5g/デニール、伸度21.5%
のナイロン6・6繊維からなるフィラメント糸、緯糸に
総繊度315デニール、72フィラメント、強度9.7
g/デニール、伸度22.5%のナイロン6・6繊維か
らなるフィラメント糸を用い、ウォータージェットルー
ムにて経糸の織密度が73本/インチ、緯糸の織密度が
62本/インチになるように平織物を製織した[実施例
]。
【0034】次いで、実施例1と同様に該織物を精練、
乾燥した後、180℃で30秒間熱セットし、エアバッ
グ用基布を得た。しかる後、該エアバッグ用基布につい
て実施例1と同様に60L容量の運転席用エアバッグを
作製した。
【0035】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表2
に示した。表2から明らかなように、実施例のエ
アバッグ用基布は、エアバッグに必要な機械的特性を保
持しつつ、優れた低通気性を有していた。また製織性に
優れているため品位が良好であった。一方、実施例3、
4のエアバッグ用基布から作製したエアバッグにおいて
もエアバッグに必要な膨脹展開特性を有し、かつ軽量、
柔軟でモジュールカバーへの収納性に優れていた。 較例4 経糸と緯糸に総繊度210デニール、36フィラメン
ト、強度9.5g/デニール、伸度21.5%のナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータ
ージェットルームにて経糸、緯糸ともに織密度が73本
/インチになるように平織物を製織した。次いで、実施
例1と同様に該織物を精練、乾燥した後、180℃で3
0秒間熱セットし、エアバッグ用基布を得た。しかる
後、実施例1と同様に60L容量の運転席用エアバッグ
を作製した。
【0036】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表2
に示した。表2から明らかなように、比較例4のエアバ
ッグ用基布は、軽量、柔軟性には優れていたが、エアバ
ッグとしての機械的特性がやや低く、また製織性の面で
緯糸が打ち込み難く、毛羽の発生が見られ高品位のもの
が得られにくい言う問題があった。
【0037】
【0038】
【0039】比較例5 経糸と緯糸に総繊度420デニール、144フィラメン
ト、強度9.1g/デニール、伸度16.3%のポリエ
チレンテレフタレート繊維からなるフィラメント糸を用
い、レピア織機にて経糸、緯糸ともに織密度が56本/
インチになるように平織物を製織した。次いで、該織物
を実施例1と同様に精練、乾燥し、180℃で30秒間
熱セットした後、150℃に加熱した表面がフラットな
金属ロールとプラスチックロールとの間で圧力30ト
ン、速度15m/分で片面に加圧圧縮加工を施し、エア
バッグ用基布を得た。しかる後、該エアバッグ用基布に
ついて、120L容量の助手席用エアバッグを作製し
た。
【0040】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を実施例1と同様に評価し表2
に示した。表2から明らかなように、比較例5のエアバ
ッグ用基布は、低通気性に優れるが、ペーパーライクの
ためやや硬く、また引裂強力が十分とは言えなかった。
また加圧圧縮加工を施すために生産性にも問題があっ
た。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、エアバッグとしての必
要な機械的特性を保持しつつ、かつ基布の重量、厚さが
自由にコントロールできる低通気性ならびに収納性に優
れたエアバッグを提供でき、また製織性に優れるため、
品位が良好である。また従来のコーティングを施したも
のやカレンダー加工品に比べて、安価なエアバッグの提
供が可能になり、エアバッグによる乗員保護システムを
普及促進させることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−193647(JP,A) 特開 平4−201650(JP,A) 特開 平4−2835(JP,A) 特開 平4−281038(JP,A) 特開 平4−214437(JP,A) 特開 平7−119030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維織物からなるエアバッグにおい
    て、該織物を構成する経糸と緯糸が、繊度の異なったフ
    ィラメント糸からなり、かつ下記一般式1で示される関
    係にあることを特徴とするエアバッグ用基布。 [一般式1] D1 <D2 、N1 >N2 において、 D1 ×N1 <D2 ×N2 900≦D1 1/2 ×N1 ≦1300 900≦D2 1/2 ×N2 ≦1300 75≦D1 ≦700 75≦D2 ≦700 [ここでD1 、D2 :総繊度(デニール)、N1
    2 :織密度(本/インチ)、D1 とN1 が経糸、D2
    とN2 が緯糸、それぞれ示す。]
  2. 【請求項2】 該一般式1において、D1 1/2 ×N1
    2 1/2 ×N2 が、下記一般式2で示される関係にある
    請求項1記載のエアバッグ用基布。 [一般式2] D1 1/2 ×N1 <D2 1/2 ×N2
  3. 【請求項3】 該一般式1において、D1 とD2 が、下
    記一般式3で示される関係にある請求項1、2記載のエ
    アバッグ用基布。 [一般式3] D1 ≦0.8D2
  4. 【請求項4】 該一般式1において、D1 とD2 が、下
    記一般式4で示される関係にある請求項1、2記載のエ
    アバッグ用基布。 [一般式4] D1 ≦0.7D2
  5. 【請求項5】 該織物の通気度が、流体(空気)を0.
    2kg/cm2 の圧力に調整して流し、その時通過する
    空気流量を測定した時に、40cc/cm2 /sec以
    下である請求項1〜のいずれかに記載のエアバッグ用
    基布。
  6. 【請求項6】 該空気流量が、30cc/cm2 /se
    c以下である請求項記載のエアバッグ用基布。
  7. 【請求項7】 該織物が、ポリアミド系繊維またはポリ
    エステル系繊維である請求項1〜のいずれかに記載の
    エアバッグ用基布。
  8. 【請求項8】 該織物が、1×1の平織物である請求項
    1〜のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  9. 【請求項9】 請求項1〜のいずれかに記載のエアバ
    ッグ用基布を用いて構成されていることを特徴とするエ
    アバッグ。
  10. 【請求項10】 請求項記載のエアバッグにおいて、
    補強布が、該エアバッグ用基布と同一基布であることを
    特徴とするエアバッグ。
  11. 【請求項11】 請求項9または10のいずれかに記載
    のエアバッグにおいて、バッグ展開形状を規制する部材
    が、該エアバッグ用基布と同一基布であることを特徴と
    するエアバッグ。
  12. 【請求項12】 該エアバッグが、該基布を打抜きまた
    は溶断して形成されたエアバッグ構成基布片の周縁部が
    縫製されて形成されている請求項11のいずれかに
    記載のエアバッグ。
  13. 【請求項13】 該周縁部の縫製が、一重または二重の
    合せ縫製のみで構成される請求項12のいずれかに
    記載のエアバッグ。
  14. 【請求項14】 該エアバッグが、ノンコートエアバッ
    グである請求項13のいずれかに記載のエアバッ
    グ。
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