JP2001270407A - エアバッグ用基布の製造方法およびエアバッグ用基布 - Google Patents

エアバッグ用基布の製造方法およびエアバッグ用基布

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JP2001270407A
JP2001270407A JP2000083742A JP2000083742A JP2001270407A JP 2001270407 A JP2001270407 A JP 2001270407A JP 2000083742 A JP2000083742 A JP 2000083742A JP 2000083742 A JP2000083742 A JP 2000083742A JP 2001270407 A JP2001270407 A JP 2001270407A
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Hirotaka Hananouchi
裕隆 花之内
Tomomichi Fujiyama
友道 藤山
Masao Seki
昌夫 関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エアバッグとしての強力などの機械
的特性や低通気性を保持しつつ、柔軟でバッグ収納性に
優れ、かつ生産性に優れたエアバッグ用基布およびその
製造方法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のエアバッグ用基布の製造方法は、
合成繊維織物からなるエアバッグ用基布の製造方法にお
いて、経糸に糊剤を付与するためにサイジングを行い、
ウォータージェットルームにて製織した後、精練処理に
より、該糊剤を除去することを特徴とする物であり、ま
た、本発明のエアバッグは、かかる製造方法によって製
造された基布であって、かつ、JIS L1096
(6.35A法)に規定される残留油分が0.3%以下
であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するも
のであり、さらに詳しくは、柔軟でバッグ収納性に優れ
たエアバッグ用基布およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、各種交通機関、特に自動車の事故
が発生した際に、乗員の安全を確保するために、種々の
エアバッグが開発され、その有効性が認識され、急速に
実用化が進んでいる。通常エアバッグは、車両衝突時に
乗員の衝撃を吸収するため展開する。様々な衝突状態か
ら乗員の身を守るために、エアバッグには等方展開性が
望まれている。
【0003】従来、エアバッグには300〜1000デ
ニールのナイロン6・6またはナイロン6フィラメント
糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性など
の向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフ
ィン、シリコーンなどのエラストマー樹脂を塗布、積層
した基布を裁断し、袋体に縫製して作られていた。
【0004】これらのエラストマー樹脂を塗布、積層す
る際、一般にナイフコート、ロールコート、リバースコ
ートなどによるコーティング方式が採用されている。し
かしながら、クロロプレンエラストマー樹脂を用いた場
合では、フィラメント織物で構成されているエアバッグ
基布に対して、通常、基布表面に90〜120g/m 2
塗布されており、エアバッグの厚みが厚くなり、収納性
の面においてもパッケージボリュームが大きくなる問題
があった。またクロロプレンエラストマー樹脂に比べ、
より耐熱性、耐寒性に優れたシリコーンエラストマー樹
脂を用いた場合では、塗布量がエアバッグ基布に対し
て、通常、40〜60g/m2 であり、軽量化、収納性
コンパクト性の面でかなり向上した。しかしながら、軽
量化、パッケージボリュームの面でまだ不十分であり、
またエアバッグをパッケージに折り畳んで収納する際に
折り畳みにくいという問題があった。さらにエラストマ
ーの塗布、積層の工程が繁雑で生産性の面にも問題があ
った。
【0005】そこで、近年、このような問題点を解消す
るために、エラストマー樹脂の塗布を行わない、いわゆ
るノンコート基布を使用したエアバッグが注目されてき
た。その対応技術として、ナイロン6・6、ナイロン6
などのポリアミド繊維織物あるいはポリエステル系繊維
織物から構成される高密度ノンコートエアバッグの検討
が進められている。
【0006】例えば、特開平5−339840号公報に
は、柔軟性に優れたノンコート織布が提案され、柔軟性
を付与するために紡糸工程で油剤を付与し、糊剤を付与
することなく製織する方法が開示されている。また、ま
た、米国特許第5,421,378号公報および米国特
許第5,503,197号公報では、経糸および緯糸に
サイジングをサイジングすることなくウォータージェッ
トルームで織られるエアバッグ用基布の製造方法が開示
されている。
【0007】しかし、上記の文献のいずれも基布の製織
性および柔軟性向上の面から十分とは言い難いのが実状
である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のエアバッグの欠点に鑑み、エアバッグとしての強力な
どの機械的特性や低通気性を保持しつつ、柔軟でバッグ
収納性に優れ、かつ生産性に優れたエアバッグ用基布の
製造方法を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明のエアバッグ用基布の製造方法
は、合成繊維織物からなるエアバッグ用基布の製造方法
において、経糸に糊剤を付与するためにサイジングを行
い、ウォータージェットルームにて製織した後、精練処
理により、該糊剤を除去することを特徴とする物であ
り、また、本発明のエアバッグは、かかる製造方法によ
って製造された基布であって、かつ、JIS L109
6(6.35A法)に規定される残留油分が0.3%以
下であることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、経糸に糊剤を付与する
ためにサイジングを行い、ウォータージェットルームに
て製織した後、精練処理をすることで糊剤を除去し、熱
セットを行うかあるいは行わずして製品化することによ
り、上述課題を一挙に解決することを究明したものであ
る。
【0011】本発明における合成繊維織物を構成する糸
としては、ナイロン6・6、ナイロン6、ナイロン1
2、ナイロン4・6などのポリアミド単独重合体もしく
はナイロン6とナイロン6・6の共重合、ナイロン6に
ポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やアミンなど
を共重合した共重合ポリアミドからなるポリアミド繊
維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル単独重合体あるいは、酸成
分としてイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを
共重合した共重合ポリエステルからなるポリエステル繊
維、パラフェニレンテレフタルアミドおよび芳香族エー
テルとの共重合に代表されるアラミド繊維、レーヨン繊
維、ポリサルフォン系繊維、超高分子量ポリエチレン繊
維および上記合成繊維を主体とする海島構造を有する高
分子配列体繊維から構成される合成繊維などが用いられ
る。これらの中でもポリアミド繊維、ポリエチレンテレ
フタレート繊維が好ましく、さらにはナイロン6・6、
ナイロン6が耐衝撃性の面から好ましい。かかる繊維に
は、原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性
改善のために通常使用されている各種添加剤を含んでも
よい。たとえば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑
剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを
含有せしめることができる。
【0012】本発明の該織物を製織する方法としては、
経糸に糊剤を付与するためにサイジングを行うことが必
須である。経糸に糊剤を付与することで製織性が向上す
る。とくに単繊維繊度が細くなると無糊では製織時に毛
羽が発生し製織効率が下がることから糊付けは必須とな
る。また、後述するが、糊剤を付与して製織後、精練処
理によって糊剤を除去することで、糸−糸間に若干の隙
間ができ、織組織の自由度が大きくなることから基布に
柔軟性がでる。糊剤の種類については特に限定はされな
いが、高縮合アミノホルムアルデヒド樹脂、アクリル酸
エステル共重合体などのアクリル系樹脂、ポリビニルア
ルコールなどのビニル系樹脂が用いられる。サイジング
方式についても特に限定はされないがワーパーサイジン
グ方式やローラーサイジング方式が適用される。
【0013】織機についてはウォータージェットルーム
を用いることが製織コスト面からみて必須である。レピ
ア織機では製織速度が遅く、エアージェットルームでは
緯糸打ち込みにエアーを用いるためにコンプレッサーを
用いるとから電気代がかなり必要になり、ともにコスト
面で不利である。
【0014】また、基布を構成する織物の構造として
は、一般的には平織、綾織、朱子織およびこれらの変化
織、多軸織などの織物が使用されるが、これらの中で
も、特に、機械的特性に優れることから平織物が好まし
い。また、織物のカバーファクターは1500〜250
0であることが好ましい。このカバーファクターが15
00より小さいと機械的特性が下がったり、通気度が高
くなる傾向がある。また、カバーファクターが2500
より大きいと織物が硬くなり柔軟性が悪くなる傾向があ
る。ここで、カバーファクターとはタテ糸総繊度をD1
(dtex) 、タテ糸密度をN1(本/2.54cm)
とし、ヨコ糸総繊度をD2(dtex)、ヨコ糸密度を
2(本/2.54cm)とすると(D1×0.9
1/2 ×N1 +(D2×0.9)1/2 ×N2で表される。
【0015】従来のエアバッグ用基布はタテ糸方向とヨ
コ糸方向の引張強度を等しくするために、タテ糸とヨコ
糸の織り密度を等しくすることが一般的であった。しか
しながら本発明においては、タテ糸の織り密度とヨコ糸
の織り密度が異なることが好ましい。
【0016】また、その際のタテ糸の織り密度とヨコ糸
の織り密度との差は、タテ糸の織り密度あるいはヨコ糸
の織り密度のどちらか一方の織り密度に対して他方の織
り密度を3〜20%少なくする、すなわち、どちらか一
方の織り密度に対して他方の織り密度を80%から97
%の範囲とすることがよい。より好ましくは85%から
95%の範囲とすることがよく、さらに好ましくは88
%から92%の範囲とすることがよい。また、特にタテ
糸の織り密度に対してヨコ糸の織り密度を少なくする方
が、強力特性や製織性の観点において好ましい。タテ糸
の織り密度に対してヨコ糸の織り密度を小さくすること
と、ヨコ糸の織り密度に対してタテ糸の織り密度を小さ
くすることを対比すると、前者のほうが一定時間で製織
できる基布の長さが長くなる。したがって、コスト面で
有利になり、安価なエアバッグ用基布が得られることか
ら、前者のほうが好ましい。
【0017】また、ウォータージェットルームにて製織
後、精練処理をすることが必須である。前述したよう
に、精練処理によって糊剤を除去することで、糸−糸間
に若干の隙間ができ、織組織の自由度が大きくなること
から基布に柔軟性がでる。精練処理に用いる精練剤につ
いては糊剤が除去できれば特に限定されないが、非イオ
ン活性剤とソーダ灰の組み合わせや高級アルコール硫酸
塩とソーダ灰の組み合わせが用いられる。精練温度につ
いも特に限定されないが60℃〜98℃が好ましい。
【0018】また、上記の方法で製織、精練した後、通
常の熱セットを施しても、施さなくても特に本発明の柔
軟化に悪影響を及ぼさないが、熱セットを施さない方が
コスト面でより好ましい。
【0019】また、本発明の製造方法に用いられる糸の
総繊度については、バッグ収納性および機械的特性の面
から、100〜700dtexが好ましく、さらに好ま
しくは300〜500dtexがよい。また、単繊維繊
度については、バッグ収納性の面から1.0〜6.5d
texが好ましく、さらに好ましくは1.0〜4.0d
texがよい。従来、単繊維繊度4dtex以下は製織
時に毛羽が発生し、製織面で効率が悪かったが、本発明
のようにサイジングをすることで4.0dtex以下の
糸を用いても製織効率に悪影響を及ぼさない。
【0020】また、本発明のエアバッグ用基布は、JI
S L1096(6.35A法)に規定される残留油分
が0.3%以下とするものである。該残留油分が0.3
%より大きいと自動車用途で使用される部品について必
須である難燃規格に合格するのが困難である。
【0021】また、本発明の基布は、カレンダー加工や
樹脂加工などを施さなくても、エアバッグの用途に十分
な低通気性が得られるが、さらに低い通気性を得る目的
や、ほつれを防止するために、本発明の製造方法の後に
樹脂加工を施してもよい。
【0022】また、本発明によって製造されたエアバッ
グ用基布は、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッ
グ、後部座席用エアバッグ、側面用エアバッグなどに使
用することができる。
【0023】本発明のエアバッグの特徴は、機械的特性
を保持しつつ、バッグ収納性に優れると言う点にある。
【0024】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。
【0025】なお、実施例中における各種評価は、下記
の方法に従って行った。 (1)製織性:製織効率で判断し、95%以上を良とし
た。 (2)バッグ収納性試験:60L容量のエアバッグを図1
に示すように150×150mmになるようまず左右か
らそれぞれ4回蛇腹に折り畳んだ後、上下から4回蛇腹
に折り畳み、該折り畳んだバッグに図2で示すように4
000gの荷重をかけ、その時のバッグの厚さを測定
し、比較例1の470dtexノンコート基布の厚さを
100としたときの相対比を求めた。 実施例1 総繊度が470dtex、144フィラメント、強度が
8.4cN/dtex、伸度が23.0%であるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用いて、経糸に
アクリル酸エステル共重合体からなる糊剤をローラーサ
イジング方式にて3.0%付着させ、ウォータージェッ
トルームにて経糸および緯糸の織密度が53本/2.5
4cmの平織物を製織した。次いで該織物をアルキルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰
0.5g/lを含んだ80℃温水浴中に3分間浸漬した
後、130℃で3分間乾燥させ、次いで180℃で1分
間熱ヒートセットし、エアバッグ用基布を得た。
【0026】しかる後、該エアバッグ用基布から直径7
25mmの円状布帛2枚を打ち抜き法にて裁断し、一方
の円状布帛の中央に同一布帛からなる直径200mmの
円状補強布帛を3枚積層して、直径110mm、145
mm、175mm線上を上下糸ともナイロン6・6繊維
の420D(470dtex)/1×3から構成される
縫糸で本縫いによるミシン縫製し、直径90mmの孔を
設け、インフレーター取り付け口とした。さらに中心部
よりバイアス方向に255mmの位置に相反して同一基
布からなる直径75mmの円状補強布帛を1枚当て直径
50mm、60mmの線上を上下糸ともナイロン6・6
繊維の420D/1×3から構成される縫糸で本縫いに
よるミシン縫製し、直径40mmの孔を設けたベントホ
ールを2カ所設置した。次いで、本円状布帛の補強布帛
側を外にし、他方の円状布帛と経軸を45度ずらして重
ね合わせ、直径700mm、710mmの円周上を上下
糸ともナイロン6・6繊維の1260D/1から構成さ
れる縫糸で二重環縫いによるミシン縫製した後、袋体を
裏返し60L容量のエアバッグを作製した。
【0027】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表1に示し
た。表1から明らかなように、製織性は良好であり、バ
ッグ収納性も優れていた。
【0028】
【表1】
【0029】比較例1 実施例1と同様の糸を用いて、経糸にサイジングをしな
いで、ウォータージェットルームにて経糸および緯糸の
織密度が53本/2.54cmの平織物を製織した。次
いで実施例1と同様の方法で精練、熱セットし、エアバ
ッグ用基布を得た。次いで該エアバッグ用基布を用いて
実施例1と同様に60L容量のエアバッグを作製した。
【0030】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表1に併せ
て示した。表1から明らかなように、製織性については
毛羽が発生し、不良であり、バッグ収納性も不十分であ
った。 実施例2 総繊度が470dtex、192フィラメント、強度が
8.4cN/dtex、伸度が23.0%であるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用いて、経糸に
アクリル酸エステル共重合体からなる糊剤をローラーサ
イジング方式にて4.0%付着させ、ウォータージェッ
トルームにて経糸の織り密度が55本/2.54cm、
緯糸の織密度が50本/2.54cmの平織物を製織し
た。次いで該織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ90
℃温水浴中に3分間浸漬した後、150℃で3分間乾燥
させ、エアバッグ用基布を得た。次いで該エアバッグ用
基布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバッグ
を作製した。
【0031】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表1に併せ
て示した。表1から明らかなように、製織性は良好であ
り、バッグ収納性も優れていた。 比較例2 実施例2と同様の糸を用いて、経糸にサイジングをしな
いで、ウォータージェットルームにて経糸の織密度が5
5本/2.54cm、緯糸の織密度が50本/2.54
cmの平織物を製織した。次いで実施例2と同様の方法
で精練し、エアバッグ用基布を得た。次いで該エアバッ
グ用基布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバ
ッグを作製した。
【0032】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表1に併せ
て示した。表1から明らかなように、製織性については
毛羽が発生し、不良であり、バッグ収納性も不十分であ
った。 実施例3 総繊度が350dtex、96フィラメント、強度が
8.4cN/dtex、伸度が22.5%であるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用いて、経糸に
アクリル酸エステル共重合体からなる糊剤をワーパーサ
イジング方式にて3.5%付着させ、ウォータージェッ
トルームにて経糸の織密度が63本/2.54cm、緯
糸の織密度が61本/2.54cmの平織物を製織し
た。次いで該織物をアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ
0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを含んだ85
℃温水浴中に3分間浸漬した後、150℃で3分間乾燥
させ、エアバッグ用基布を得た。次いで該エアバッグ用
基布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバッグ
を作製した。
【0033】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表1に併せ
て示した。表1から明らかなように、製織性は良好であ
り、バッグ収納性も優れていた。 比較例3 実施例3と同様の糸を用いて、経糸にサイジングをしな
いで、ウォータージェットルームにて経糸の織密度が6
3本/2.54cm、緯糸の織密度が61本/2.54
cmの平織物を製織した。次いで実施例1と同様の方法
で精練し、エアバッグ用基布を得た。次いで該エアバッ
グ用基布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバ
ッグを作製した。
【0034】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表1に併せ
て示した。表1から明らかなように、製織性については
毛羽が発生し、不良であり、バッグ収納性も不十分であ
った。 実施例4 総繊度が235dtex、72フィラメント、強度が
8.6cN/dtex、伸度が23.5%であるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用いて、経糸に
アクリル酸エステル共重合体からなる糊剤をワーパーサ
イジング方式にて4.5%付着させ、ウォータージェッ
トルームにて経糸および緯糸の織密度が76本/2.5
4cmの平織物を製織した。次いで該織物をアルキルベ
ンゼンスルホン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰
0.5g/lを含んだ80℃温水浴中に3分間浸漬した
後、130℃で3分間乾燥させ、次いで180℃で1分
間熱ヒートセットし、エアバッグ用基布を得た。次いで
該エアバッグ用基布を用いて実施例1と同様に60L容
量のエアバッグを作製した。
【0035】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表2に示し
た。表2から明らかなように、製織性は良好であり、バ
ッグ収納性も優れていた。
【0036】
【表2】
【0037】比較例4 実施例4と同様の糸を用いて、経糸にサイジングをしな
いで、ウォータージェットルームにて経糸および緯糸の
織密度が76本/2.54cmの平織物を製織した。次
いで実施例4と同様の方法で精練、熱セットし、エアバ
ッグ用基布を得た。次いで該エアバッグ用基布を用いて
実施例1と同様に60L容量のエアバッグを作製した。
【0038】このようにして得られたエアバッグ用基布
の製織性およびエアバッグの収納性を評価し表2に併せ
て示した。表2から明らかなように、製織性については
毛羽が発生し、不良であり、バッグ収納性も不十分であ
った。
【0039】
【発明の効果】本発明のエアバッグ用基布の製造法によ
れば、エアバッグとしての必要な機械的特性を保持しつ
つ、柔軟でバッグ収納性に優れたエアバッグを提供でき
る。本発明のエアバッグ用基布の製造方法を用いること
により、エアバッグによる乗員保護システムを普及促進
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、収納性試験のエアバッグの折り畳み
方法を示す説明図である。
【図2】この図は、収納性試験時のエアバッグに荷重を
かけた時のバッグ厚さの測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1:60L容量エアバッグの平面図 2:折り畳み方向 3:左右から折り畳んだエアバッグの平面図 4:上下から折り畳んだエアバッグの平面図 5:上下、左右から折り畳んだエアバッグの側面図 6:荷重 7:荷重をかけた時のエアバッグの厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA02 AA03 AA04 AA06 CC25 CC26 CC27 CC30 EE20 FF01 FF03 FF13 FF18 4L033 AA08 AB05 CA18 4L048 AA24 AA34 AB11 CA11 CA15 DA25 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維織物からなるエアバッグ用基布
    の製造方法において、経糸に糊剤を付与するためにサイ
    ジングを行い、ウォータージェットルームにて製織した
    後、精練処理により、該糊剤を除去することを特徴とす
    るエアバッグ用基布の製造方法。
  2. 【請求項2】 該糊剤を除去した後、熱セットすること
    を特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 該基布を構成する糸の総繊度が100〜
    700dtexの範囲でである請求項1または2記載の
    エアバッグ用基布の製造方法。
  4. 【請求項4】 該基布を構成する糸の単繊維繊度が1.
    0〜6.5dtexの範囲である請求項1〜3のいずれ
    かに記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  5. 【請求項5】 該基布を構成する糸の単繊維繊度が1.
    0〜4dtexの範囲である請求項4記載のエアバッグ
    用基布の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載のエアバ
    ッグ用基布の製造方法によって製造された基布であっ
    て、かつ、JIS L1096(6.35A法)に規定
    される残留油分が0.3%以下であることを特徴とする
    エアバッグ用基布。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009256860A (ja) * 2008-03-21 2009-11-05 Toray Ind Inc エアバッグ用織物およびエアバッグ用織物の製造方法
CN104005142A (zh) * 2014-06-03 2014-08-27 可隆(南京)特种纺织品有限公司 一种安全气囊织物的加工方法及安全气囊织物

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