JP2000234273A - エアバッグ用基布およびその製造方法 - Google Patents

エアバッグ用基布およびその製造方法

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JP2000234273A
JP2000234273A JP3547999A JP3547999A JP2000234273A JP 2000234273 A JP2000234273 A JP 2000234273A JP 3547999 A JP3547999 A JP 3547999A JP 3547999 A JP3547999 A JP 3547999A JP 2000234273 A JP2000234273 A JP 2000234273A
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cloth
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resin
base fabric
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Tomomichi Fujiyama
友道 藤山
Yoshiya Honbo
義哉 本母
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エアバッグとしての機械的特性を保
持しつつ、バッグ裁断・縫製時にほつれがなく、バッグ
収納性に優れた低通気性のエアバッグ用基布およびその
製造方法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のエアバッグ用基布は、合成繊維布
帛からなるエアバッグ用基布において、該布帛が、単糸
繊度が1〜8デニールで、総繊度100〜250デニー
ルである糸で構成された布帛であり、かつ、該布帛の少
なくとも片面に合成樹脂を付着させてなり、かつ、JI
S L1096A法に規定される方法で測定したときの
通気度が0.5cc/cm2/sec以下であることを
特徴とするものである。また、かかるエアバッグ用基布
の製造方法は、合成繊維布帛からなるエアバッグにおい
て、該布帛に合成樹脂からなる樹脂希釈液または樹脂発
泡液を付与した後、熱処理を施すことを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するも
のであり、さらに詳しくは、柔軟でバッグ収納性に優
れ、かつほつれ防止性を有する低通気性のエアバッグ用
基布およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグには300〜1000
デニールのナイロン66またはナイロン6フィラメント
糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性など
の向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフ
ィン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマー樹
脂を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して作ら
れていた。
【0003】しかしながら、これらのエラストマー樹脂
を塗布、積層する際、一般にナイフコート、ロールコー
ト、リバースコートなどによるコーティング方式が採用
されているが、フィラメント織物で構成されているエア
バッグ基布に対して、通常、クロロプレンエラストマー
樹脂の場合では、基布表面に90〜120g/m2 塗布
されており、厚みが厚くなり、収納性の面においてもパ
ッケージボリュームが大きくなる問題があった。またク
ロロプレンエラストマー樹脂に比べ、より耐熱性、耐寒
性の優れたシリコーンエラストマー樹脂の場合では、塗
布量が40〜60g/m2 で軽量化しつつ、収納性の面
でもかなり向上したが、バッグをパッケージに折り畳ん
で収納する際に折り畳みにくいという問題があった。そ
こで、近年、このような問題点を解消するために高密度
製織によるノンコート基布を使用したエアバッグが注目
されてきた。その対応技術として、ナイロン66、 ナイ
ロン6などのポリアミド繊維織物およびポリエステル系
繊維織物から構成される高密度ノンコートエアバッグの
検討が進められている。例えば、特開平4−2835号
公報に、コーティングされていない低通気性の織布が提
案されており、好適な素材として、ポリエステル繊維が
記載され、その製造方法として、カレンダー加工の採用
が開示されている。この提案により得られるエアバッグ
基布は、低通気性はかなり改善されるが、機械的特性、
特に引裂強力の低下があり、またバッグ裁断・縫製時に
ほつれが発生し、収納性面でも十分とは言い難いのが実
状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
のエアバッグの欠点に鑑み、エアバッグとしての機械的
特性を保持しつつ、バッグ裁断・縫製時にほつれがな
く、バッグ収納性に優れた低通気性のエアバッグ用基布
およびその製造方法を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグ用基布は、合成繊維布帛からな
るエアバッグ用基布において、該布帛が、単糸繊度が1
〜8デニールで、総繊度100〜250デニールである
糸で構成された布帛であり、かつ、該布帛の少なくとも
片面に合成樹脂を付着させてなり、かつ、JIS L1
096A法に規定される方法で測定したときの通気度が
0.5cc/cm2/sec以下であることを特徴とす
るものである。また、かかるエアバッグ用基布の製造方
法は、合成繊維布帛からなるエアバッグにおいて、該布
帛に合成樹脂からなる樹脂希釈液または樹脂発泡液を付
与した後、熱処理を施すことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、かかる課題、つまり、
エアバッグとしての機械的特性を保持しつつ、バッグ裁
断・縫製時にほつれがなく、バッグ収納性に優れた低通
気性のエアバッグ用基布について、鋭意検討し、単糸繊
度と総繊度が特定な布帛で、かつ、その布帛に合成樹脂
を付与して、通気度を特定な値以下に制御してみたとこ
ろ、かかる課題を一挙に解決することを究明したもので
ある。
【0007】本発明における合成繊維布帛としては、ナ
イロン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4
・6およびナイロン6とナイロン6・6の共重合、ナイ
ロン6にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やア
ミンなどを共重合したポリアミド繊維、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモ
ポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する
酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを
共重合したポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタ
ルアミドおよび芳香族エーテルとの共重合に代表される
アラミド繊維、レーヨン繊維、ポリサルフォン系繊維、
超高分子量ポリエチレン繊維および上記合成繊維を主体
とする海島構造を有する高分子配列体繊維から構成され
る布帛、特に織物が用いられる。これらの布帛の中でも
ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維が好
ましく、さらにはナイロン66、ナイロン6が耐衝撃性
の面から好ましい。かかる繊維には、原糸の製造工程や
加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用
されている各種添加剤を含んでもよい。たとえば熱安定
剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑
剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめることがで
きる。
【0008】かかる布帛の構造としては、平織、綾織、
朱子織およびこれらの変化織、多軸織などの織物、また
は編物が使用されるが、これらの中でも、特に、機械的
特性および収納性に優れることから平織物が好ましく使
用される。また、製織工程で用いられる織機としては、
ウォータージェットルーム、エアージェットルーム、レ
ピアルームなどが好ましく用いられる。
【0009】また、該布帛を構成する糸の総繊度は10
0〜250デニールであることが必須である。総繊度が
100デニールより小さいとエアバッグとして必要な機
械的特性を満足できない。また、250デニールより大
きいと基布の厚さが増すとともに基布の柔軟性が損なわ
れるのでバッグ収納性面で好ましくない。また、単糸繊
度については1〜8デニールである必要がある。単糸繊
度が1デニールより小さいとエアバッグとして必要な機
械的特性を満足できないとともに、糸の製造工程におい
て製糸性面で好ましくない。また単糸繊度が8デニール
より大きいと基布の柔軟性が損なわれ、バッグ収納性面
で好ましくない。
【0010】また、通気度についてはJIS L109
6 A法に規定される方法で測定したときの通気度が、
0.5cc/cm2/sec以下であることが必須であ
る。通気度が0.5cc/cm2/secより大きい
と、エアバッグが展開する際にバッグを構成する基布か
らガスが漏れ、展開時間が長くなるとともに、該ガスが
顔面に接触すると該ガスが高温であることから乗員が火
傷をする恐れがある。
【0011】また、通気度を0.5cc/cm2/se
c以下にするために、該布帛の少なくとも片面に合成樹
脂を付着させることが必須である。総繊度が100〜2
50デニールの糸を使用する場合、基布の厚さが薄くな
り、単糸の重なりが少なくなることから、高密度に製織
しても、通気度が0.5cc/cm2/secより高く
なる傾向にある。したがって、該布帛の少なくとも片面
に該合成樹脂を付着させて通気度を0.5cc/cm2
/sec以下にする必要がある。その際に、0.5cc
/cm2/sec以下という通気度を安定的に得るに
は、該布帛の少なくとも片面に該合成樹脂を付着させ
て、通気度を該布帛そのものの通気度を20%以上低下
させて、0.5cc/cm2/sec以下にするのが好
ましい。
【0012】本発明の合成樹脂としては、ポリウレタン
系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、シリ
コーン系、ポリエチレン系、スチレンブタジエン系、ニ
トリルブタジエン系などの合成樹脂が用いられるがこれ
らに限定されるものではない。またかかる合成樹脂は、
溶剤系、水系、水分散系樹脂が適宜使用できる。一方、
これらの合成樹脂は固形分で0.5〜30g/m2 の範
囲で、布帛に付着しているのが好ましい。すなわち、あ
まり少なすぎるとほつれ防止効果、低通気度効果が小さ
く、また必要以上に多いと布帛が粗硬になり収納性に劣
るので好ましくない。また合成樹脂が、布帛の表面で被
膜形成していることがさらに好ましい。該布帛表面に皮
膜を形成させることで該布帛のもつ柔軟性を維持でき
る。
【0013】また、該合成樹脂が付着したときの布帛か
らの糸の引き抜き抵抗力は、20g以上であるのが好ま
しい。糸の引き抜き抵抗力が20gより小さいと、基布
がほつれやすく、バッグ裁断・縫製時の作業性が悪くな
る。なお、ここでいう糸の引き抜き抵抗力とは、図1で
示したように10cmのサンプルの中央部より左右に各
1cm糸を引き出し、その引き出した糸にフォースメー
ターを取り付け、サンプルを50mm/minの速度で
上方に引き上げたときの引き出した糸にかかる力の最大
値をさす。
【0014】また、該布帛の特性としては、エアバッグ
としての必要な軽量性、バッグ収納性、および機械的特
性を満足するものであれば、特に制約を受けないが、好
ましくは目付が200g/m2 以下、厚さが0.30m
m以下、引張強力が300N以上、破断伸度が15%以
上、引裂強力が50N以上であるという条件を満足する
ものが好ましい。
【0015】一方、合成樹脂を付与させる方法として
は、通常の含浸処理、例えば、浸漬する槽と均一に含浸
させるためのマングルまたはバキュームなどから構成さ
れる装置や、スプレー装置、フォーミング装置、コーテ
ィング装置などを使用するのが好ましいが、特に制約を
受けるものではない。なお、スプレー、フォーミング装
置、コーティング装置を使用する場合は、織物の片面あ
るいは両面に付与してもよい。
【0016】該合成樹脂からなる樹脂希釈液および樹脂
発泡液としては、該合成樹脂が固形分で0.1〜50重
量%含まれているものを使用するのが好ましい。熱処理
としては、合成樹脂を付与した後、50〜200℃の熱
処理が好ましく、100〜180℃の熱処理がさらに好
ましい。また必要に応じ、二段処理、例えば、80℃で
熱処理した後、さらに150℃で熱処理を施してもよ
い。なお、合成樹脂の織物への付与は、生機、精練後、
乾燥後、あるいは熱セット後のいずれにも、施すことが
できる。
【0017】かかるエアバッグ用基布を用いたエアバッ
グは、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、後部
座席用エアバッグ、側面用エアバッグなどに使用するこ
とができる。
【0018】本発明のエアバッグの特徴は、機械的特性
を保持しつつ、バッグ裁断・縫製時にほつれがなく、収
納性に優れ、かつ通気度をエアバッグの好適な範囲に低
下せしめることができると言う点にある。
【0019】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。
【0020】なお、実施例中における各種評価は、下記
の方法に従って行なった。
【0021】目付(重量) :JIS L1096
(6.4.2法)により求めた。
【0022】厚さ :JIS L1096
(6.5法)により求めた。
【0023】引張強力 :JIS L1096
(6.12.1A法)により求め、経および緯方向の平
均値で示した。
【0024】破断伸度 :JIS L1096
(6.12.1A法)により求め、経および緯方向の平
均値で示した。
【0025】引裂強力 :JIS L1096
(6.15.2A−2法)により求め、経および緯方向
の平均値で示した。
【0026】通気度 :JIS L1096
(6.27.1A法)により求めた。
【0027】ほつれ防止性 :直径20cmの円状に裁
断した織物をドラム式回転機に入れ、25℃で15分間
回転させほつれ度合いを等級にて表わした。
【0028】 5級:ほつれがない 3級:ほつれが見られる 1級:ほつれが著しい (2級、4級はそれぞれの間のほつれ度合いを表わす) 糸の引抜抵抗力:図1に示すように10cmのサンプル
の中央部より左右に各1cm糸を引き出し、その引き出
した糸にフォースメーターを取り付け、サンプルを50
mm/minの速度で上方に引き上げたときの引き出し
た糸にかかる力の最大値を測定した。
【0029】収納性試験 :60L容量のエアバッグ
を図2に示すように150×150mmになるようまず
左右からそれぞれ4回蛇腹に折り畳んだ後、上下から4
回蛇腹に折り畳み、該折り畳んだバッグに図3で示すよ
うに4000gの荷重をかけ、その時のバッグの厚さを
測定した。 実施例1 総繊度が210デニール、36フィラメント、強度が
9.6g/d、伸度が23.5%からなるナイロン6・
6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータージェ
ットルームにて経糸と緯糸の織密度が68本/インチの
平織物を得た。次いで該織物の片面に水性ポリエステル
系ウレタン樹脂を固形分で25重量%、アニオン系起泡
剤1.5重量%に調整し、発泡倍率10倍とした樹脂発
泡希釈液でロータリースクリーン装置にてコーティング
し、130℃で2分間処理し、エアバッグ用基布を得
た。
【0030】しかる後、該エアバッグ用基布から直径7
25mmの円状布帛2枚を打ち抜き法にて裁断し、一方
の円状布帛の中央に同一布帛からなる直径200mmの
円状補強布帛を3枚積層して、直径110mm、145
mm、175mm線上を上下糸ともナイロン6・6繊維
の420D/1×3から構成される縫糸で本縫いによる
ミシン縫製し、直径90mmの孔を設け、インフレータ
ー取り付け口とした。さらに中心部よりバイアス方向に
255mmの位置に相反して同一基布からなる直径75
mmの円状補強布帛を1枚当て直径50mm、60mm
の線上を上下糸ともナイロン6・6繊維の420D/1
×3から構成される縫糸で本縫いによるミシン縫製し、
直径40mmの孔を設けたベントホールを2カ所設置し
た。次いで、本円状布帛の補強布帛側を外にし、他方の
円状布帛と経軸を45度ずらして重ね合わせ、直径70
0mm、710mmの円周上を上下糸ともナイロン6・
6繊維の1260D/1から構成される縫糸で二重環縫
いによるミシン縫製した後、袋体を裏返し60L容量の
エアバッグを作成した。
【0031】このようにして得られたエアバッグ用基布
の特性を表1に示した。本発明のエアバッグ用基布はエ
アバッグとしての低通気性を有し、かつ裁断・縫製時に
ほつれがなく、基布の厚みが薄く、収納性に優れてい
た。 比較例1 実施例1と同一の織物をコーティングをせずに、そのま
まエアバッグ用基布とした。次いで、該エアバッグ用基
布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバッグを
作成した。
【0032】このようにして、得られたエアバッグ用基
布の特性を表1に示した。比較例1のエアバッグ用基布
は、収納性面には優れているものの、エアバッグとして
の低通気性が十分でなく、ほつれ防止性も不十分であっ
た。 比較例2 総繊度が315デニール、72フィラメント、強度が
9.5g/d、伸度が22.5%からなるナイロン6・
6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータージェ
ットルームにて経糸と緯糸の織密度が61本/インチの
平織物を得た。次いで、該織物を実施例1と同様の方法
にて水性ポリエステル系ウレタン樹脂をコーティング
し、エアバッグ用基布を得た。次いで該エアバッグ用基
布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバッグを
作成した。
【0033】このようにして得られたエアバッグ用基布
の特性を表1に示した。比較例2のエアバッグ用基布は
低通気性および縫製時のほつれ防止性は優れていたが、
収納性が不十分であった。 実施例2 総繊度が105デニール、36フィラメント、強度が
9.0g/d、伸度が21.5%からなるナイロン6・
6繊維からなるフィラメント糸を用い、エアージェット
ルームにて経糸と緯糸の織密度が95本/インチの平織
物を得た。次いで該織物をコンマコーターを用い、塗工
量が25g/m2になるように溶剤型メチルビニル系シ
リコーン樹脂にてコーティングを行い、3分間乾燥した
後、180℃で1分間加硫処理し、エアバッグ用基布を
得た。次いで該エアバッグ用基布を用いて実施例1と同
様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0034】このようにして得られたエアバッグ用基布
の特性を表1に示した。本発明のエアバッグ用基布はエ
アバッグとしての低通気性を有し、かつ裁断・縫製時に
ほつれがなく、基布の厚みが薄く、収納性に優れてい
た。 実施例3 実施例2と同様の織物を用い、該織物にコンマコーター
を用い、塗工量が45g/m2になるように溶剤型メチ
ルビニル系シリコーン樹脂にてコーティングを行い、3
分間乾燥した後、180℃で1分間加硫処理し、エアバ
ッグ用基布を得た。次いで該エアバッグ用基布を用いて
実施例1と同様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0035】このようにして得られたエアバッグ用基布
の特性を表1に示した。本発明のエアバッグ用基布はエ
アバッグとしての低通気性を有し、かつ裁断・縫製時に
ほつれがなく、基布の厚みが薄く、収納性に優れてい
た。 比較例3 実施例2と同一の織物をコーティングをせずに、そのま
まエアバッグ用基布とした。次いで、該エアバッグ用基
布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバッグを
作成した。
【0036】このようにして、得られたエアバッグ用基
布の特性を表1に示した。比較例3のエアバッグ用基布
は、収納性面には優れているものの、エアバッグとして
の低通気性が十分でなく、ほつれ防止性も不十分であっ
た。
【0037】
【表1】
【0038】実施例4 総繊度が210デニール、72フィラメント、強度が
9.1g/d、伸度が15.5%からなるポリエチレン
テレフタレート繊維からなるフィラメント糸を用い、レ
ピアルームにて経糸と緯糸の織密度が65本/インチの
平織物を得た。次いで、該織物をオープンソーパーにて
界面活性剤を含む90℃の熱水で精練・リラックス処理
し、130℃で乾燥した。しかる後、該織物に水系ポリ
エステル樹脂を固形分で10重量%になるように調整し
た樹脂希釈液に浸漬し、3.0kg/cm2下でマング
ルにて絞り、150℃で2分間処理し、エアバッグ用基
布を得た。次いで該エアバッグ用基布を用いて実施例1
と同様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0039】このようにして得られたエアバッグ用基布
の特性を表2に示した。本発明のエアバッグ用基布はエ
アバッグとしての低通気性を有し、かつ裁断・縫製時に
ほつれがなく、基布の厚みが薄く、収納性に優れてい
た。 比較例4 実施例4と同一の織物を用い、実施例3と同様に精練・
リラックス処理後に乾燥した後、マングル処理をせずに
そのままエアバッグ用基布とした。次いで、該エアバッ
グ用基布を用いて実施例1と同様に60L容量のエアバ
ッグを作成した。
【0040】このようにして、得られエアバッグ用基布
の特性を表2に示した。比較例4のエアバッグ用基布
は、収納性面には優れているものの、エアバッグとして
の低通気性が十分でなく、ほつれ防止性も不十分であっ
た。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、エアバッグ用基布とし
ての必要な機械的特性を保持しつつ、バッグ裁断・縫製
時にほつれがなく、バッグ収納性に優れたエアバッグの
提供が可能になり、エアバッグによる乗員保護システム
を普及促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は糸の引き抜き抵抗力の測定方法であ
る。
【図2】この図は収納性試験のエアバッグの折り畳み方
法である。
【図3】この図は収納性試験時のエアバッグに荷重をか
けた時のバッグ厚さの測定方法である。
【符号の説明】
1:基布 2:糸 3:フォースメーター 4:60L容量エアバッグの平面図 5:折り畳み方向 6:左右から折り畳んだエアバッグの平面図 7:上下から折り畳んだエアバッグの平面図 8:上下、左右から折り畳んだエアバッグの側面図 9:荷重 10:荷重をかけた時のエアバッグの厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 CC26 CC27 CC30 CC45 FF03 FF11 FF13 FF17 FF18 FF20 4L033 AA04 AB04 AC15 BA97 CA50 CA59 CA70

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維布帛からなるエアバッグ用基布に
    おいて、該布帛が、単糸繊度が1〜8デニールで、総繊
    度100〜250デニールである糸で構成された布帛で
    あり、かつ、該布帛の少なくとも片面に合成樹脂を付着
    させてなり、かつ、JIS L1096A法に規定され
    る方法で測定したときの通気度が0.5cc/cm2
    sec以下であることを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. 【請求項2】該布帛の少なくとも片面に合成樹脂を付着
    させることで、該布帛のJIS L1096 A法に規
    定される方法で測定した通気度を、該布帛生機の通気度
    よりも20%以上低下させたものである請求項1記載の
    エアバッグ用基布。
  3. 【請求項3】該合成樹脂の付着量が、0.5〜30g/
    2である請求項1または2記載のエアバッグ用基布。
  4. 【請求項4】該エアバッグ用基布の糸の引き抜き抵抗力
    が20g以上である請求項1〜3のいずれかに記載のエ
    アバッグ用基布。
  5. 【請求項5】該布帛の目付が200g/m2 以下、厚さ
    が0.30mm以下、引張強力が300N以上、破断伸
    度が15%以上、引裂強力が50N以上である請求項1
    〜4のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  6. 【請求項6】合成繊維布帛からなるエアバッグにおい
    て、該布帛に合成樹脂からなる樹脂希釈液または樹脂発
    泡液を付与した後、熱処理を施すことを特徴とするエア
    バッグ用基布の製造方法。
  7. 【請求項7】該布帛に合成樹脂を付与する方法が、合成
    樹脂からなる樹脂希釈液または樹脂発泡液に浸漬され、
    マングルにて絞られるものである請求項6記載のエアバ
    ッグ用基布の製造方法。
  8. 【請求項8】該布帛に合成樹脂を付与する方法が、該布
    帛の両面あるいは片面に合成樹脂からなる樹脂希釈液ま
    たは樹脂発泡液でコーティングにより付与するものであ
    る請求項6記載のエアバッグ用基布の製造方法。
  9. 【請求項9】該合成樹脂からなる樹脂希釈液または樹脂
    発泡液が、固形分で0.5〜50重量%の合成樹脂を含
    有するものである請求項6〜8のいずれかに記載のエア
    バッグ用基布の製造方法。
  10. 【請求項10】該熱処理が、50〜200℃で施される
    請求項6〜9のいずれかに記載のエアバッグ用基布の製
    造方法。
JP3547999A 1999-02-15 1999-02-15 エアバッグ用基布およびその製造方法 Pending JP2000234273A (ja)

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