JP2001089949A - エアバッグ用織物 - Google Patents
エアバッグ用織物Info
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Abstract
軟性と収納性を有し、かつ、塗工エアバッグと同等の低
通気度性を有するエアバッグ用織物を提供せんとするも
のである。 【解決手段】本発明のエアバッグ用織物は、カバーファ
クターが1500〜2200である合成繊維織物の少な
くとも片面に樹脂層を有するエアバッグ用織物であっ
て、該織物の全体の厚みが0.27mm以下で、重量が1
90g/m2 以下であり、かつ、JIS L1096
A法に規定される方法で測定したときの通気度が0.1
ml/cm2 /sec以下であることを特徴とするものであ
る。
Description
グ収納性に優れ、かつ通気性が低いエアバッグ用織物に
関するものである。
デシテックスのナイロン66またはナイロン6フィラメ
ント糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性
などの向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オ
レフィン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマ
ー樹脂を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して
作られていた。
を塗布、積層する際、一般にナイフコート、ロールコー
ト、リバースコートなどによるコーティング方式が採用
されているが、フィラメント織物で構成されているエア
バッグ基布に対して、通常、クロロプレンエラストマー
樹脂の場合では、基布表面に90〜120g/m2 塗布
されるので、厚くてしかも反発性が大きくなるので、収
納性の面において、パッケージボリュームが大きくな
り、畳み込みにくく収納作業性が悪い問題があった。ま
た、クロロプレンエラストマー樹脂に比べ、より耐熱
性、耐寒性の優れたシリコーンエラストマー樹脂の場合
では、塗布量が40〜60g/m2 で軽量化にはなった
が、収納性においては、さほど改善はされていない。か
かる方法は通気性がほぼ0に近いので、バッグの展開特
性は好ましいものの、収納性に大きな問題があり、多量
の樹脂を塗工するので、生産性もコストの面でも問題が
あった。
るために、ナイロン66、ナイロン6などのポリアミド
繊維およびポリエステル系繊維を高密度に製織したノン
コートエアバッグが注目されている。例えば、特開平4
−2835号公報にコーティングされていない低通気性
の織布が提案されており、好適な素材としてポリエステ
ル繊維が記載され、その製造方法としてカレンダー加工
の採用が開示されている。この提案により得られるエア
バッグ基布は、通気度はカレンダー加工で低減できる
が、樹脂コートに比較するとかなり高く、また、機械的
特性では引裂強力が低下しやすく、またバッグ裁断・縫
製時にほつれが発生するなど作業性面でも十分ではなか
った。
00〜400デシテックスのフィラメント合成繊維を使
用してなる未塗布織物が提案されているが、柔軟で収納
性には優れるものの、通気性が500paの圧力で測定
した時に3.4l/dm2・分以上と高く、近年、低通
気度性の要求が高まっているサイドバッグ、インフレー
タブルカーテンなどには採用することが難しく、まして
や多段展開が要求されるスマートバッグには、通気度の
面から十分といえないのが現状である。
のエアバッグの欠点に鑑み、エアバッグとしての機械的
特性を保持しつつ、従来のコーティング織物なみの通気
性とノンコート織物なみの収納性を兼ね備え、バッグ裁
断・縫製時にほつれにくく、コストパフォーマンスにも
優れたエアバッグ用織物を提供せんとするものである。
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグ用織物は、カバーファクターが
1500〜2200である合成繊維織物の少なくとも片
面に樹脂層を有するエアバッグ用織物であって、該織物
の全体の厚みが0.27mm以下で、重量が190g/m
2 以下であり、かつ、JIS L1096 A法に規定
される方法で測定したときの通気度が0.1ml/cm2 /
sec以下であることを特徴とするものである。
バッグとしての機械的特性を保持しつつ、従来のコーテ
ィング織物なみの通気性とノンコート織物なみの収納性
を兼ね備え、バッグ裁断・縫製時にほつれにくく、コス
トパフォーマンスにも優れたエアバッグ用織物につい
て、鋭意検討したところ、織物の厚さ、重量、通気度を
特定の範囲にすれば、かかる課題を一挙に解決すること
を究明したものである。
6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4・6お
よびナイロン6とナイロン6・6の共重合、ナイロン6
にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やアミンな
どを共重合したポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのホムポリエ
ステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する酸性分
にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ま
たはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを共重合
したポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタルアミ
ドおよび芳香族エーテルとの共重合に代表されるアラミ
ド繊維、レーヨン繊維、サルフォン系繊維、超高分子量
ポリエチレン繊維および上記合成繊維を主体とする海島
構造を有する高分子配列体繊維から構成されるの織物が
用いられる。これらの織物の中でもポリアミド繊維、ポ
リエチレンテレフタレート繊維が好ましく、さらにはナ
イロン66、ナイロン6が耐衝撃性の面から好ましい。
程での生産性あるいは特性改善のために通常使用されて
いる各種添加剤を含んでもよい。たとえば熱安定剤、酸
化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増
粘剤、顔料、難燃剤などを含有せしめることができる。
は90〜450デシテックス、さらに好ましくは300
〜400デシテックスの範囲にあるものが、機械的強度
と厚み、重量のバランスから好ましい。すなわち90デ
シテックス未満では厚み、重量からは好ましいが機械的
強度が不足する場合があり、450デシテックスを越え
ると厚み、重量が大きくなり収納性の面で劣る場合があ
る。すなわち、好ましくは該織物の全体の厚みが0.2
7mm以下で、重量が190g/m2 以下であるものが、
機械的強度と収納性のバランスの上から使用される。
は、好ましくは6.5デシテックス以下、さらに好まし
くは0.01〜4.5デシテックス、特に好ましくは
0.9〜2.7デシテックスという細い繊維が使用され
る。0.01デシテックス以下では糸の生産性に問題が
ある場合があり、5.5デシテックスを越えると織物が
厚くなり、反発性も強く、収納性の面で問題が生ずる場
合がある。
点から、1500〜2200、好ましくは1850〜2
100であるのがよい。ここでカバーファクターとは、
経糸総繊度D1、経糸密度N1、緯糸総繊度D2、緯糸
密度N2とすると、(D1) 1/2 ×N1+(D2)1/2
×N2で表される。
織及びこれらの変形組織等を使用することができるが、
これらに特に限定されるものではない。これらの織組織
の中でも、織物コスト及びエアバッグの当方展開性の面
から平組織が好ましく使用される。かかる織物として
は、対称組織である必然性はなく、非対称組織であって
もよい。ここでいう非対称組織とは、タテ糸とヨコ糸の
間での関係を意味するものであり、たとえば糸密度や組
織の違い、つまり、平組織織物でタテ糸とヨコ糸の糸本
数が異なるもの、タテ、ヨコの一方の糸種が異なるも
の、タテ、ヨコの一方がリップストップや空羽組織にな
っているもの等の組織が異なるもの等を意味するもので
ある。
のではなく、ウォータージェットルーム、エアージェッ
トルーム、レピアルームなどが用いられる。
樹脂層を有するものであり、かかる樹脂としては、ポリ
ウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル
系、シリコーン系、ポリエチレン系、スチレンブタジエ
ン系、ニトリルブタジエン系などの合成樹脂の1種以上
を用いることができるが、特にこれらに限定されるもの
ではない。また、かかる合成樹脂は、溶剤系、水系、水
分散系樹脂のいずれをも適宜使用することができる。
/m2 以下、さらに好ましくは2〜8g/m2 の範囲で
あるのが、織物の厚さ、重量、通気度の調整、さらに収
納性の上からよい。
のみに形成させるのが、収納性と通気性のバランスを取
るのに好ましい。かかる樹脂層の形成方法は、特に限定
されるものではなく、公知の方法を採用することがで
き、例えばナイフコーティング、ロールコーティング、
ロータリースクリーンコーティング、スプレーコーティ
ング、ディップコーティング等の方法で塗工した後に、
90〜130℃で乾燥し、必要に応じて100〜180
℃の温度でヒートセットすることができる。また、エク
ストルーダー押し出し、カレンダー、コーティング等で
所望のフィルムを形成させた後に、該織物に貼り合わせ
ることもできる。
96 A法に規定される方法で測定した数値が、0.1
ml/cm2 /sec以下、好ましくは0.05ml/cm2 /
sec以下、さらに好ましくは0.01ml/cm2 /se
c以下であるのがよい。かかる通気度に調整することに
より、従来の40g/m2 以上の量を塗工するクロロプ
レンやシリコンゴムコーティング織物と同様なバッグ設
計を採用することができ、設計範囲が広くなり、インフ
レータブルカーテン、スマートバッグ等の極めて低い通
気度を要求される用途にも好ましく使用することができ
る。
て、JIS D 1201−1977に規定される方法
で測定した難燃性が不燃レベルである織物が、さらに好
ましく使用される。
グは、運転席用エアバッグ、助手席用エアバッグ、後部
座席用エアバッグ、側面用エアバッグ、カーテン用エア
バッグなどに使用することができる。
明する。
の方法で測定した。
法)に基づき測定した。
法)に基づき測定した。
A 法)により求めた。
77に基づき測定した。 実施例1〜14、比較例1〜4 下記に示す糸を使用してウォータージェットルームで織
物を製織し、次いで樹脂加工して性能を評価した結果を
表1に示した。 (原糸) A.ナイロン66、420デニール、72フィラメン
ト、強度9.5g/d、伸度23.0% B.ナイロン66、420デニール、153フィラメン
ト、強度9.8g/d、伸度23.9% C.ナイロン66,315デニール、72フィラメン
ト、強度9.7g/d、伸度22.7% D.ナイロン66、315デニール、102フィラメン
ト、強度9.2g/d、伸度23.6% E.ナイロン66、210デニール、36フィラメン
ト、強度8.5g/d、伸度24.1% F.ナイロン66、210デニール、96フィラメン
ト、強度8.3g/d、伸度24.3% (織物) a.通常の平組織 b.ヨコ方向を同口2本入れ、ピッチ5mmのリップスト
ップの平組織 (樹脂加工) 1.水系ポリウレタン樹脂を3000センチポイズに増
粘しロータリースクリーンで生機の片面にコーティング
し130℃で乾燥、160℃でヒートセットした。
で片面にコーティングし、140℃で乾燥、180℃で
ヒートセットした。
ッグにしたときの収納性が良く、かつ軽量であり、通気
度が0.1ml/cm2 /sec以下で、比較例1、2の
従来のノンコート織物の1/10以下と極めて低く、そ
れだけモジュール設計範囲が広がり、インフレータブル
カーテン等にも好ましく使用することができるものであ
ることが判る。
助手席用エアバッグ、後部座席用エアバッグ、側面用エ
アバッグ、カーテン用エアバッグなどに好都合に使用す
ることができる優れた素材を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 カバーファクターが1500〜2200
である合成繊維織物の少なくとも片面に樹脂層を有する
エアバッグ用織物であって、該織物の全体の厚みが0.
27mm以下で、重量が190g/m2 以下であり、か
つ、JIS L1096 A法に規定される方法で測定
したときの通気度が0.1ml/cm2 /sec以下である
ことを特徴とするエアバッグ用織物。 - 【請求項2】 該樹脂量が10g/m2 以下である請求
項1記載のエアバッグ用織物。 - 【請求項3】 該織物を構成する織糸の繊度が、90〜
450デシテックスである請求項1記載のエアバッグ用
織物。 - 【請求項4】 該織糸を構成する単繊維の繊度が、6.
5デシテックス以下である請求項1または3記載のエア
バッグ用織物。 - 【請求項5】該織物が、タテ糸とヨコ糸との関係が非対
称である組織を有する織物である請求項1〜4のいずれ
かに記載のエアバッグ用織物。
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