JP2001071850A - エアバッグ用基布およびエアバッグ - Google Patents

エアバッグ用基布およびエアバッグ

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JP2001071850A
JP2001071850A JP25446099A JP25446099A JP2001071850A JP 2001071850 A JP2001071850 A JP 2001071850A JP 25446099 A JP25446099 A JP 25446099A JP 25446099 A JP25446099 A JP 25446099A JP 2001071850 A JP2001071850 A JP 2001071850A
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air
airbag
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kpa
pressure
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JP25446099A
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English (en)
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Tomomichi Fujiyama
友道 藤山
Yoshiya Honbo
義哉 本母
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Air Bags (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、エアバッグとしての機械的特性や収
納性を保持しつつ、展開性に優れたエアバッグ用基布を
提供せんとするものである。 【解決手段】本発明のエアバッグ用基布は、合成繊維布
帛からなるエアバッグ用基布において、該布帛を、14
00dtexの縫製糸を用い、二重環縫いで、縫製ピッ
チ3mm、2本の縫製距離が2mmである縫製条件で縫
製した時の縫製部分を含む該布帛のJIS L1096
6.27.1 A法に基づいて測定した時の通気度
が、0〜1.5cc/cm2/secであることを特徴
とするものである。また、本発明のエアバッグは、合成
繊維布帛から構成されるエアバッグにおいて、縫製部分
を含む該布帛の通気度が流体(空気)を19.6kPa
の圧力に調整して流し、その時通過する空気流量を測定
したときに、0〜55cc/cm2/secであり、か
つ、該流体(空気)を78.4kPaの圧力に調整して
流し、その時通過する空気流量を測定したときに0〜1
70cc/cm2/secであることを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両衝突時に乗員
の衝撃を吸収し、その保護を図るエアバッグに関するも
のであり、さらに詳しくは、軽量で収納性に優れ、かつ
バッグ展開性に優れたエアバッグ用基布およびエアバッ
グに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種交通機関、特に自動車の事故
が発生した際に、乗員の安全を確保するために、種々の
エアバッグが開発され、その有効性が認識され、急速に
実用化が進んでいる。通常エアバッグは、車両衝突時に
乗員の衝撃を吸収するため展開するが、様々な衝突状態
から乗員の身を守るには、バッグがいち早く展開し、か
つ乗員をバッグが受け止めたときにある程度のバッグ内
の圧力保持が必要となる。つまり、高速展開と内圧保持
の二つの要素がバッグ展開性には必要となってくる。
【0003】また、ハンドルやインストルメントパネル
のデザインの多様化により、エアバッグは限られたスペ
ース内にコンパクトに収納されることが望まれている。
【0004】従来、エアバッグには300〜1000デ
ニールのナイロン6・6またはナイロン6フィラメント
糸を用いた平織物に、耐熱性、難燃性、空気遮断性など
の向上のため、クロロプレン、クロルスルホン化オレフ
ィン、シリコーンなどの合成ゴムなどのエラストマー樹
脂を塗布、積層した基布を裁断し、袋体に縫製して作ら
れていた。
【0005】しかしながら、これらのエラストマー樹脂
を塗布、積層する際、一般にナイフコート、ロールコー
ト、リバースコートなどによるコーティング方式が採用
されているが、フィラメント織物で構成されているエア
バッグ基布に対して、通常、クロロプレンエラストマー
樹脂の場合では、基布表面に90〜120g/m2 塗布
されており、厚みが厚くなり、収納性の面においてもパ
ッケージボリュームが大きくなる問題があった。またク
ロロプレンエラストマー樹脂に比べ、より耐熱性、耐寒
性の優れたシリコーンエラストマー樹脂の場合では、塗
布量が40〜60g/m2 で軽量化しつつ、収納性コン
パクト性の面でもかなり向上したがまだ不十分であり、
またバッグをパッケージに折り畳んで収納する際に折り
畳みにくいという問題があった。またさらにエラストマ
ーの塗布、積層の工程が繁雑で生産性の面にも問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、近年、このよ
うな問題点を解消するためにノンコート基布を使用した
エアバッグが注目されてきた。その対応技術として、ナ
イロン6・6、ナイロン6などのポリアミド繊維織物あ
るいはポリエステル系繊維織物から構成される高密度ノ
ンコートエアバッグの検討が進められている。例えば、
特開平4−2835号公報には、コーティングをされて
いない低通気性の織布が提案され、低通気性を付与する
ためにカレンダー加工の採用が開示されている。しかし
ながら、該特許にはバッグの展開特性のための縫製部の
通気度に関する記述がない。また、特開平7−1868
57号公報にはポリアミド繊維織物からなるノンコート
エアバッグ用基布が提案され、該織物の流体圧力と通気
度の関係を規定している。しかしながら該特許には縫製
部の通気度については記述がない。さらに、特開平7−
309186号公報には優れた破壊強力を有するノンコ
ートエアバッグが提案されており、バッグの縫製部の糸
の引き抜き強力を規定しているが、縫製部の通気度に関
する記載はない。
【0007】いずれにしてもバッグ展開性の面から、縫
製部の通気度に関して好ましいエアバッグ用基布やエア
バッグは提案されておらず、該展開性の面で改善されて
いないのが実状である。
【0008】本発明は、かかる従来のエアバッグの背景
に鑑み、エアバッグとしての機械的特性や収納性を保持
しつつ、展開性に優れたエアバッグ用基布を提供せんと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明のエアバッグ用基布は、合成繊維布帛からな
るエアバッグ用基布において、該布帛を、1400dt
exの縫製糸を用い、二重環縫いで、縫製ピッチ3m
m、2本の縫製距離が2mmである縫製条件で縫製した
時の縫製部分を含む該布帛のJIS L1096 6.
27.1 A法に基づいて測定した時の通気度が、0〜
1.5cc/cm2/secであることを特徴とするも
のである。
【0010】また、本発明のエアバッグは、合成繊維布
帛から構成されるエアバッグにおいて、縫製部分を含む
該布帛の通気度が流体(空気)を19.6kPaの圧力
に調整して流し、その時通過する空気流量を測定したと
きに、0〜55cc/cm2/secであり、かつ、該
流体(空気)を78.4kPaの圧力に調整して流し、
その時通過する空気流量を測定したときに0〜170c
c/cm2/secであることを特徴とするものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、強力、収納性はもとよ
り、エアバッグが高速展開し、かつ、乗員を受け止めた
時にバッグ内圧が保持できるバッグのためのエアバッグ
用基布を鋭意検討したところ、該布帛の縫製部分の通気
度、特に針穴から漏れる空気の通気度に着目し、該布帛
を縫製した時の縫製部分を含む該布帛のJIS L10
966.27.1 A法に基づいて測定した時の通気度
を、0〜1.5cc/cm2/secにすることによ
り、上述課題を達成できることを究明したものである。
また、該布帛の縫製部分について、エアバッグの展開時
にかかる流体圧力時と乗員を受け止めた時にかかる流体
圧力時の通気度に着目し、該基布を縫製した時の縫製部
分を含む該基布の通気度が流体(空気)を19.6kP
aの圧力に調整して流し、その時通過する空気流量を測
定したときに、0〜40cc/cm2/secであり、
かつ流体(空気)を78.4kPaの圧力に調整して流
し、その時通過する空気流量を測定したときに0〜12
0cc/cm2/secにすることにより、上述課題を
達成できことを究明したものである。
【0012】本発明における合成繊維布帛としては、ナ
イロン6・6、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン4
・6およびナイロン6とナイロン6・6の共重合、ナイ
ロン6にポリアルキレングリコール、ジカルボン酸やア
ミンなどを共重合したポリアミド繊維、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのホモ
ポリエステル、ポリエステルの繰り返し単位を構成する
酸成分にイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸またはアジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを
共重合したポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタ
ルアミドおよび芳香族エーテルとの共重合に代表される
アラミド繊維、レーヨン繊維、ポリサルフォン系繊維、
超高分子量ポリエチレン繊維および上記合成繊維を主体
とする海島構造を有する高分子配列体繊維から構成され
る合成繊維布帛が用いられる。これらの中でもポリアミ
ド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維が好ましく、
さらにはナイロン6・6、ナイロン6などのポリアミド
繊維が耐衝撃性の面から好ましい。かかる繊維には、原
糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善の
ために通常使用されている各種添加剤を含んでもよい。
たとえば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯
電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤などを含有せ
しめることができる。
【0013】通気度については、布帛をある条件で縫製
したときの縫製部分を含む布帛について、JIS L1
096 6.27.1 A法に規定される方法で測定し
た時の通気度が、0〜1.5cc/cm2/secであ
ることがエアバッグの展開性面において必要となる。か
かる通気度の測定に供せられる布帛は、1400dte
xの縫製糸およびTV×7 #19の針を用い、二重環
縫いで縫製ピッチ3mm、2本の縫製距離が2mmでも
って、図1のように縫製した、特定な縫製品が用いられ
る。該縫製条件は通常エアバッグを縫製する際に用いら
れる一般的な縫製方法に準じたものであり、該縫製品は
エアバッグの特に縫製部分の縫製糸と基布の隙間からの
通気度に着目するために作ったものである。該通気度が
1.5cc/cm2/secよりも大きいと、縫製部分
からの空気漏れが大きく、バッグ内圧が上がらずに高速
展開ができない。
【0014】また、縫製部を含む布帛の通気度だけでは
なく、縫製部分を含まない該布帛単体のJIS L10
96 6.27.1 A法にて規定される通気度につい
ても0〜0.5cc/cm2/secであることが好ま
しい。
【0015】また、該布帛単体と縫製部分を含む布帛に
おいて、JIS L1096 6.27.1 A法に規
定される方法で測定した時の通気度について、縫製部を
含む布帛/布帛の通気度比が1〜3であることが好まし
い。該通気度比が1〜3であると、エアバッグが展開す
るときに、布帛単独の部分と縫製部分からの空気の漏れ
量がほぼ等しいので、バランスよくバッグが展開する。
逆に該範囲から外れると、布帛単独部分と縫製部分から
空気の漏れ量にアンバランスが生じ、漏れ量の多い方に
大きな負荷がかかってしまい、バッグ展開性面で好まし
くない。
【0016】また、布帛をある条件で縫製したときの縫
製部分を含む布帛について、流体(空気)を19.6k
Paの圧力に調整して流し、その時通過する空気流量を
測定したときに、0〜40cc/cm2/secであ
り、かつ、該流体(空気)を78.4kPaの圧力に調
整して流し、その時通過する空気流量を測定したときに
0〜120cc/cm2/secにすることが、エアバ
ッグの展開性面において必要となる。さらに好ましくは
流体圧力19.6kPa時の通気度が0〜30cc/c
2/secで、かつ、該流体圧力78.4kPa時の
通気度が0〜100cc/cm2/secであることが
よい。
【0017】上述の通気度を測定する場合は、タテ10
cm、ヨコ10cmのエアバッグ用基布サンプルを2枚
使い、図2のように縫い代を2cm設け、1400dt
exの縫製糸で、かつ、TV×7 #19の針を用い
て、二重環縫いで、縫製ピッチ3mm、2本の縫製距離
が2mmでもって縫製した、特定な縫製品が用いられ
る。該縫製条件は通常エアバッグを縫製する際に用いら
れる一般的な縫製方法に準じたものであり、該縫製品は
エアバッグの特に縫製部分の縫製糸と基布の隙間および
2枚の基布の接合部からの通気度に着目するために作っ
たものである。そして、通気度の測定方法については、
図2のように縫製した布帛の直径10cmの円形部分に
ついて、圧力19.6kPaあるいは78.4kPaの
流体(空気)をあて、その時通過した空気流量を測定す
る。ここで、圧力19.6kPaはエアバッグが膨張展
開する際のバッグ内にかかる最大圧力に相当する。ま
た、圧力78.4kPaは、エアバッグが膨張展開後、
乗員を受け止めたときに、バッグ内にかかる最大圧力に
相当する。圧力19.6kPa時の該通気度が0〜40
cc/cm2/secであると、バッグ展開時に必要な
バッグ内圧が維持される。該通気度が40cc/cm2
/secよりも大きいと、縫製部分からの空気漏れが大
きく、バッグ内圧が上がらず、高速展開ができない。
【0018】また、圧力78.4kPa時の該通気度が
0〜120cc/cm2/secであると、バッグが展
開後、乗員を受け止めたときに、バッグ内圧が維持さ
れ、乗員を理想の形で受け止めることができる。該通気
度が120cc/cm2/secよりも大きいと、バッ
グが乗員を受け止めた時に、縫製部分からの空気漏れが
おこるため、バッグ内圧が保てず、乗員を受け止め切れ
ないという問題が発生する。従って、上記2つの圧力時
の該通気度が、それぞれ規定の通気量の範囲であること
がバッグ展開特性上必要である。
【0019】また、縫製部を含む布帛の通気度だけでは
なく、縫製部分を含まない該布帛単体の通気度について
も、流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流
し、その時通過する空気流量を測定したときに、0〜3
5cc/cm2/secであり、かつ、該流体(空気)
を78.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過す
る空気流量を測定したときに0〜110cc/cm2
secであることが、バッグ展開特性上好ましく、流体
圧力19.6kPa時の通気度が0〜25c/cm2
secで、かつ、該流体圧力78.4kPa時の通気度
が0〜90c/cm2/secであることがさらに好ま
しい。
【0020】また、該布帛と縫製部分を含む布帛におい
て、流体圧力が19.6kPa時の通気度について、縫
製部を含む布帛/布帛の通気度比が1〜2であり、か
つ、該圧力が78.4kPa時には該通気度比が1〜2
であることがバッグ展開特性上好ましく、流体圧力1
9.6kPa時の該通気度比が1〜1.5で、かつ、該
流体圧力78.4kPa時の該通気度比が1〜1.5で
あることがさらに好ましい。流体圧力19.6kPa時
の該通気度比が1〜2であると、エアバッグが展開する
ときに、布帛単独の部分と縫製部分からの空気の漏れ量
がほぼ等しいので、バランスよくバッグが展開する。逆
に該範囲から外れると、布帛単独部分と縫製部分から空
気の漏れ量にアンバランスが生じ、漏れ量の多い方に大
きな負荷がかかってしまい、バッグ展開性面で好ましく
ない。また、流体圧力78.4kPa時の該比について
も同様のことが言え、該通気度比が1〜2であると、バ
ッグ展開後に乗員を受け止めたときに、エアバッグの布
帛単独部分と縫製部分からの空気の漏れ量がほぼ等しい
ので、バランスよく乗員を受け止めることができる。逆
に該範囲から外れると、布帛単独部分と縫製部分から空
気の漏れ量にアンバランスが生じ、漏れ量の多い方に大
きな負荷がかかってしまい好ましくない。
【0021】該布帛を構成する総繊度および単糸繊度
は、エアバッグとして必要な機械的特性および収納性を
満足するものであれば特に制約は受けないが、好ましく
は総繊度が100〜550dtex、単糸繊度は0.5
〜8dtexが収納性面や縫製部の通気度面でよい。特
に単糸繊度については、上述の範囲内であると、縫製部
分の一度針であいた針穴部分が布帛を構成する単糸によ
って、針穴を塞ぐ効果がある。単糸繊度が8dtexよ
り太いと、その針穴を塞ぐ効果が小さく好ましくない。
また、総繊度、単糸繊度が細すぎると、エアバッグとし
ての強力が低下し、反面、必要以上に太いと嵩高な織物
になり収納性に劣ることもある。
【0022】また、布帛の構造としては、平織、綾織、
朱子織およびこれらの変化織、多軸織などの織物が使用
されるが、これらの中でも、特に、機械的特性に優れる
ことから平織物が好ましい。また、織物のカバーファク
ターは1950〜2500であることが好ましい。この
カバーファクターが1950より小さいと機械的特性が
低下するとともに、通気度が高くなる。また、カバーフ
ァクターが2500より大きいと織物が硬くなり柔軟性
が悪くなる。ここで、カバーファクターとはタテ糸総繊
度をD1 (dtex)、タテ糸密度をN1 (本/2.5
4cm)とし、ヨコ糸総繊度をD2 (dtex)、ヨコ
糸密度をN2 (本/2.54cm)とすると(D1
1/2 ×N1 +(D2 1/2 ×N2 で表される。また製織
工程で用いられる織機としては、ウォータージェットル
ーム、エアージェットルーム、レピアルームなどが用い
られる。
【0023】また、さらなる低通気性やほつれ防止性を
付与させるために、該布帛に樹脂加工を施してもよい。
かかる樹脂加工に用いる合成樹脂としては、ポリウレタ
ン系、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、シ
リコーン系、ポリエチレン系、スチレンブタジエン系、
ニトリルブタジエン系などが好ましく、また、該樹脂を
布帛の表面で被膜形成させることが、低通気性の面や縫
製部分の針穴を塞ぐという面でさらに好ましい。縫製時
には布帛に針穴ができるが、布帛表面に該樹脂が被膜形
成されていると、該針穴部分にあった該樹脂が弾性があ
ることから復元し縫製糸で塞ぐことから、縫製部分の通
気度低減をもたらす。かかる該樹脂による被膜の膜厚は
1〜30ミクロンが好ましい。該膜厚が1ミクロンより
薄いと縫製部分の針穴を塞ぐ効果が得られなく、また逆
に30ミクロンより厚いと布帛が粗硬になり、収納性面
で好ましくない。またかかる樹脂は、溶剤系、水系、水
分散系樹脂液または発泡樹脂液などを適宜使用すること
ができるが、作業性の面から水系または水分散系樹脂液
または発泡樹脂液が好ましく用いられる。一方、これら
の合成樹脂は、3〜20g/m2 付与するのが好まし
い。あまり少なすぎると縫製部分の針穴を塞ぐ効果が得
られないとともにほつれ防止効果、布帛の低通気度効果
が小さく、また必要以上に多いと織物が粗硬になり収納
性に劣るので好ましくない。このような効果は、エアバ
ッグ縫製後において、かかる樹脂加工した場合も同様の
効果が達成されるものである。
【0024】また、該織物の目付が約300g/m2
下であることが軽量化の面で好ましく、剛軟度について
はタテ糸方向およびヨコ糸方向ともに約100mm以下
であることが柔軟性の面で好ましく、また、引張強力で
は約300N/cm以上、引張伸度では約15%以上、
引裂強力は約50N以上である織物が、機械的特性面か
ら好ましく使用される。
【0025】次に、合成繊維布帛から構成されるエアバ
ッグにおいても、エアバッグが高速展開し、かつ、乗員
を受け止めた時にバッグ内圧が保持できるエアバッグを
鋭意検討したところ、該エアバッグの縫製部分につい
て、エアバッグの展開時にかかる流体圧力時と乗員を受
け止めた時にかかる流体圧力時の通気度に着目し、該エ
アバッグの縫製部分を含む布帛の通気度が流体(空気)
を19.6kPaの圧力に調整して流し、その時通過す
る空気流量を測定したときに、0〜55cc/cm2
secであり、かつ、該流体(空気)を78.4kPa
の圧力に調整して流し、その時通過する空気流量を測定
したときに0〜170cc/cm2/secにすること
により、上述課題を達成できることを究明できた。
【0026】通気度については、エアバッグの縫製部分
を含む布帛に流体(空気)を19.6kPaの圧力に調
整して流し、その時通過する空気流量を測定したとき
に、0〜55cc/cm2/secであり、かつ流体
(空気)を78.4kPaの圧力に調整して流し、その
時通過する空気流量を測定したときに0〜170cc/
cm2/secにすることがエアバッグの展開性面にお
いて必要となる。好ましくは流体圧力19.6kPa時
の通気度が0〜40cc/cm2/secであり、か
つ、該流体圧力78.4kPa時の通気度が0〜155
cc/cm2/secであることがよい。
【0027】ここで、通気度の測定方法については、エ
アバッグから縫製部分を含む布帛部分をカットし、図3
のように縫製部分を含む直径10cmの円形部分に圧力
19.6kPaあるいは78.4kPaの流体(空気)
をあて、その時通過した空気流量を測定する。圧力1
9.6kPa時の該通気度が0〜40cc/cm2/s
ecであるとバッグ展開時に必要なバッグ内圧が維持さ
れる。該通気度が40cc/cm2/secよりも大き
いと縫製部分からの空気漏れが大きく、バッグ内圧が上
がらずに高速展開ができない。また圧力78.4kPa
時の該通気度が0〜155cc/cm2/secである
とバッグが展開後、乗員を受け止めたときに、バッグ内
圧が維持され、乗員を理想の形で受け止めることができ
る。該通気度が155cc/cm2/secよりも大き
いと、バッグが乗員を受け止めた時に、縫製部分からの
空気漏れがおこりためバッグ内圧が保てず、乗員を受け
止め切れないという問題が発生する。従って、上記2つ
の圧力時の該通気度がそれぞれ規定の通気量の範囲であ
ることがバッグ展開特性上必要である。
【0028】また、縫製部を含む布帛の通気度だけでは
なく、縫製部分を含まない該布帛単体の通気度について
も流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流
し、その時通過する空気流量を測定したときに、0〜3
5cc/cm2/secであり、かつ、該流体(空気)
を78.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過す
る空気流量を測定したときに0〜110cc/cm2
secであることがバッグ展開特性上好ましく、さらに
好ましくは流体圧力19.6kPa時の通気度が0〜2
5cc/cm2/secで、かつ、該流体圧力78.4
kPa時の通気度が0〜90cc/cm2/secであ
るのがよい。
【0029】また、該布帛と縫製部分を含む布帛におい
て、流体圧力が19.6kPa時の通気度について、縫
製部を含む布帛/布帛の通気度比が1〜3であり、かつ
該圧力が78.4kPa時には該通気度比が1〜3であ
ることがバッグ展開特性上好ましく、さらに好ましくは
流体圧力19.6kPa時の該通気度比が1〜2でかつ
流体圧力78.4kPa時の該通気度比が1〜2である
ことがよい。流体圧力19.6kPa時の該通気度比が
1〜3であるとエアバッグが展開するときに布帛単独の
部分と縫製部分からの空気の漏れ量がほぼ等しいので、
バランスよくバッグが展開する。逆に該範囲から外れる
と、布帛単独部分と縫製部分から空気の漏れ量にアンバ
ランスが生じ、漏れ量の多い方に大きな負荷がかかって
しまい好ましくない。また、78.4kPa時の該通気
度比についても同様のことが言え、該通気度比が1〜3
であると、バッグ展開後に乗員を受け止めたときに、エ
アバッグの布帛単独部分と縫製部分からの空気の漏れ量
がほぼ等しいので、バランスよく乗員を受け止めること
ができる。逆に該範囲から外れると、布帛単独部分と縫
製部分から空気の漏れ量にアンバランスが生じ、漏れ量
の多い方に大きな負荷がかかってしまい好ましくない。
【0030】該布帛を構成する総繊度および単糸繊度
は、エアバッグとして必要な機械的特性および収納性を
満足するものであれば特に制約は受けないが、好ましく
は総繊度が100〜550dtex、単糸繊度は0.5
〜8dtexが収納性面や縫製部の通気度面でよい。特
に単糸繊度については該範囲であると、縫製部分の一度
針であいた針穴部分が布帛を構成する単糸によって針穴
を塞ぐ効果がある。単糸繊度が8dtexより太いとそ
の針穴を塞ぐ効果が小さく好ましくない。また総繊度、
単糸繊度が細すぎるとエアバッグとしての強力が低下
し、反面、必要以上に太いと嵩高な織物になり収納性に
劣ることもある。
【0031】また、布帛の構造としては、平織、綾織、
朱子織およびこれらの変化織、多軸織などの織物が使用
されるが、これらの中でも、特に、機械的特性に優れる
ことから平織物が好ましい。また、織物のカバーファク
ターは1900〜2500であることが好ましい。この
カバーファクターが1950より小さいと機械的特性が
低下するとともに、通気度が高くなる。また、カバーフ
ァクターが2500より大きいと織物が硬くなり柔軟性
が悪くなる。また製織工程で用いられる織機としては、
ウォータージェットルーム、エアージェットルーム、レ
ピアルームなどが用いられる。
【0032】またエアバッグを縫製する際には、ミシン
針による布帛の針穴の大きさは0.5〜1.5mmとい
う条件が、縫製部の強度面や通気度面で好ましく採用さ
れる。また、針穴の大きさについては、縫製糸の太さと
等しいのが好ましく、縫製糸の太さよりも大きすぎる
と、針穴の部分から空気が漏れ、縫製部の通気度が高く
なるので好ましくない。また、縫製部にシールテープを
はる方法をとれば、縫製部の通気度を完全になくすこと
ができるので好ましい。
【0033】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。
【0034】なお、実施例中における各種評価は、下記
の方法に従って行なった。 布帛の通気度(1):JIS L1096 6.27.
1 A法に基づいて測定した。なお、縫製部を含む布帛
部分については、図1のように縫製した部分について測
定した。 布帛の通気度(2):布帛単体については直径10cm
の円形部分に、そして縫製部を含む布帛部分については
図2のように縫製した部分を含む直径10cmの円形部
分に、層流管式通気度試験機を用いて、流体(空気)を
19.6kPaあるいは78.4kPaの圧力に調整し
て流し、その時通過する空気流量(cc/cm2/se
c)を測定した。 バッグの通気度:バッグの布帛単体部分については、バ
ッグから布帛単体部分をタテ・ヨコ20cmの正方形を
切り取り、その切り取った布帛の直径10cmの円形部
分に層流管式通気度試験機を用いて、流体(空気)を1
9.6kPaあるいは78.4kPaの圧力に調整して
流し、その時通過する空気量(cc/cm 2/sec)
を測定した。バッグの縫製部を含む布帛部分については
図3のように直径10cmの円形部分に、層流管式通気
度試験機を用いて、流体(空気)を19.6kPaある
いは78.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過
する空気量(cc/cm2/sec)を測定した。 バッグ展開特性(1):電気着火式インフレータにて展
開させた時のバッグ最大内圧およびその時までの時間を
測定し、該バッグ最大内圧が15kPa以上の場合を
○、15kPaより低い場合を×とし、該時間が30m
sec以下の場合を○、30msecよりも長い場合を
×とした。 バッグ展開特性(2):図4の左図に示すように、展開
前のモジュールカバーから20cmの位置に鉄板を置
き、図4の右図に示すように電気着火式インフレーター
にてバッグを展開させ、バッグが鉄板に当たった後のバ
ッグ最大内圧を測定し、該バッグ最大内圧が25kPa
以上の場合を○、25kPaよりも低い場合を×とし
た。
【0035】実施例1 総繊度が470dtex、72フィラメント、強度が
8.7g/dtex、伸度が23.0%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータ
ージェットルームにてタテ糸の織り密度が54本/2.
54cm、ヨコ糸の織り密度が49本/2.54cmの
平織物を得た。次いで該織物をアルキルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ0.5g/lおよびソーダ灰0.5g/lを
含んだ80℃温水浴中に3分間浸漬した後、130℃で
3分間乾燥させ、次いで180℃で1分間熱ヒートセッ
トし、エアバッグ用基布を得た。
【0036】しかる後、該エアバッグ用基布から直径7
25mmの円状布帛2枚を打ち抜き法にて裁断し、一方
の円状布帛の中央に同一布帛からなる直径200mmの
円状補強布帛を3枚積層して、直径110mm、145
mm、175mm線上を上下糸ともナイロン6・6繊維
の470dtex/1×3から構成される縫糸で本縫い
によるミシン縫製し、直径90mmの孔を設け、インフ
レーター取り付け口とした。さらに中心部よりバイアス
方向に255mmの位置に相反して同一基布からなる直
径75mmの円状補強布帛を1枚当て直径50mm、6
0mmの線上を上下糸ともナイロン6・6繊維の470
dtex/1×3から構成される縫糸で本縫いによるミ
シン縫製し、直径40mmの孔を設けたベントホールを
2カ所設置した。次いで、本円状布帛の補強布帛側を外
にし、他方の円状布帛と経軸を45度ずらして重ね合わ
せ、直径700mm、710mmの円周上を上下糸とも
ナイロン6・6繊維の1400dtex/1から構成さ
れる縫糸を用いて縫製ピッチ3mmで二重環縫いによる
ミシン縫製した後、袋体を裏返し60L容量のエアバッ
グを作成した。
【0037】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間も短く、バッグ最
大内圧も高く、かつ乗員の進入時にも内圧が保持されて
おり、バッグ展開性に優れていた。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2 総繊度が470dtex、72フィラメント、強度が
8.7g/dtex、伸度が23.0%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータ
ージェットルームにてタテ糸およびヨコ糸の織り密度が
ともに54本/2.54cmの平織物を得た。次いで、
該織物を実施例1と同様の方法にて精練、乾燥、熱セッ
トし、エアバッグ用基布を得た。次いで、該エアバッグ
用基布を実施例1と同様に60L容量のエアバッグを作
成した。
【0040】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間も短く、バッグ最
大内圧も高く、かつ乗員の進入時にも内圧が保持されて
おり、バッグ展開性に優れていた。
【0041】比較例1 総繊度が470dtex、72フィラメント、強度が
8.7g/dtex、伸度が23.0%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、ウォータ
ージェットルームにてタテ糸とヨコ糸の織り密度が43
本/2.54cmの平織物を得た。次いで、該織物を実
施例1と同様の方法にて精練、乾燥、熱セットし、エア
バッグ用基布を得た。次いで、該エアバッグ用基布を実
施例1と同様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0042】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間が長く、バッグ最
大内圧が低く、かつ乗員の進入により内圧が保持され
ず、バッグ展開性に劣っていた。
【0043】実施例3 総繊度が350dtex、72フィラメント、強度が
8.6g/dtex、伸度が22.5%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、レピアル
ームにてタテ糸の織り密度が62本/2.54cm、ヨ
コ糸の織り密度が56本/2.54cmの平織物を得
た。次いで、該織物を実施例1と同様の方法にて精練、
乾燥、熱セットし、エアバッグ用基布を得た。次いで、
該エアバッグ用基布を実施例1と同様に60L容量のエ
アバッグを作成した。
【0044】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間も短く、バッグ最
大内圧も高く、かつ乗員の進入時にも内圧が保持されて
おり、バッグ展開性に優れていた。
【0045】実施例4 総繊度が350dtex、72フィラメント、強度が
8.6g/dtex、伸度が22.5%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、レピアル
ームにてタテ糸およびヨコ糸の織り密度がともに62本
/2.54cmの平織物を得た。次いで、該織物を実施
例1と同様の方法にて精練、乾燥、熱セットし、エアバ
ッグ用基布を得た。次いで、該エアバッグ用基布を実施
例1と同様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0046】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間も短く、バッグ最
大内圧も高く、かつ乗員の進入時にも内圧が保持されて
おり、バッグ展開性に優れていた。
【0047】比較例2 総繊度が350dtex、72フィラメント、強度が
8.6g/dtex、伸度が22.5%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、レピアル
ームにてタテ糸とヨコ糸の織り密度が50本/2.54
cmの平織物を得た。次いで、該織物を実施例1と同様
の方法にて精練、乾燥、熱セットし、エアバッグ用基布
を得た。次いで、該エアバッグ用基布を実施例1と同様
に60L容量のエアバッグを作成した。
【0048】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間が長く、バッグ最
大内圧が低く、かつ乗員の進入により内圧が保持され
ず、バッグ展開性に劣っていた。
【0049】実施例5 総繊度が470dtex、72フィラメント、強度が
8.6g/dtex、伸度が22.5%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、エアージ
ェットルームにてタテ糸およびヨコ糸のの織り密度が4
5本/2.54cmの平織物を得た。次いで、該織物を
実施例1と同様の方法にて精練、乾燥、熱セットした。
しかる後、該織物をコンマコーターを用い、塗工量が1
5g/m2になるようにメチルビニル系シリコーンゴム
にてコーティングを行い、180℃で3分間の加硫処理
し、エアバッグ用基布を得た。その時の該シリコーンゴ
ム被膜の厚さは15ミクロンであった。次いで、該エア
バッグ用基布を実施例1と同様に60L容量のエアバッ
グを作成した。
【0050】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間も短く、バッグ最
大内圧も高く、かつ乗員の進入時にも内圧が保持されて
おり、バッグ展開性に優れていた。
【0051】比較例3 総繊度が470dtex、72フィラメント、強度が
8.6g/dtex、伸度が22.5%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、エアージ
ェットルームにてタテ糸とヨコ糸の織り密度が45本/
2.54cmの平織物を得た。次いで、該織物を実施例
1と同様の方法にて精練、乾燥、熱セットした。しかる
後、該織物をコンマコーターを用い、塗工量2g/m2
になるようにメチルビニル系シリコーンゴムにてコーテ
ィングを行い、180℃で3分間の加硫処理し、エアバ
ッグ用基布を得た。その時の該シリコーンゴム被膜の厚
さは0.7ミクロンであった。次いで、該エアバッグ用
基布をそれぞれ実施例1と同様に60L容量のエアバッ
グを作成した。
【0052】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間が長く、バッグ最
大内圧が低く、かつ乗員の進入により内圧が保持され
ず、バッグ展開性に劣っていた。
【0053】実施例6 総繊度が230dtex、36フィラメント、強度が
8.7g/dtex、伸度が22.0%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、エアージ
ェットルームにてタテ糸およびヨコ糸の織り密度がとも
に70本/2.54cmの平織物を得た。しかる後、該
織物をナイフコーターを用い、塗工量6g/m2になる
ように水性ポリエステル系ウレタン樹脂にてコーティン
グを行い、130℃で2分間乾燥し、エアバッグ用基布
を得た。その時の該ウレタン樹脂被膜の厚さは2ミクロ
ンであった。次いで、該エアバッグ用基布を実施例1と
同様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0054】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間も短く、バッグ最
大内圧も高く、かつ乗員の進入時にも内圧が保持されて
おり、バッグ展開性に優れていた。
【0055】比較例4 総繊度が230dtex、36フィラメント、強度が
8.7g/dtex、伸度が22.0%からなるナイロ
ン6・6繊維からなるフィラメント糸を用い、エアージ
ェットルームにてタテ糸およびヨコ糸の織り密度がとも
に70本/2.54cmの平織物を得た。しかる後、該
織物に水性ポリエステル系ウレタン樹脂を塗工量2g/
2になるように、該樹脂を固形分で10重量%、アニ
オン系起発泡剤を1.5重量%に調整し、発泡倍率10
倍とした樹脂発泡希釈液でロータリースクリーン装置に
てコーティングし、130℃で2分間処理し、エアバッ
グ用基布を得た。その時の該ウレタン樹脂被膜の厚さは
0.6ミクロンであった。次いで、該織物を実施例1と
同様の方法にて精練、乾燥、熱セットし、エアバッグ用
基布を得た。次いで、該エアバッグ用基布を実施例1と
同様に60L容量のエアバッグを作成した。
【0056】このようにして得られたエアバッグ用基布
およびエアバッグの特性を評価し表1に示した。表1か
ら明らかなように、膨張展開時の時間が長く、バッグ最
大内圧が低く、かつ乗員の進入により内圧が保持され
ず、バッグ展開性に劣っていた。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、機械的特性や収納性を
保持しつつ、バッグ展開性に優れたエアバッグを提供す
ることができ、エアバッグによる乗員保護システムを普
及促進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】JIS L1096 6.27.1A法にて縫
製部分を含む布帛の通気度を測定する際の測定サンプル
の一例を示す平面図である。
【図2】縫製部分を含む布帛の流体圧力19.6kPa
および78.4kPa下での通気度を測定する際の測定
サンプルの一例を示す斜視図である。
【図3】バッグの縫製部分を含む布帛の流体圧力19.
6kPaおよび78.4kPa下での通気度を測定する
際の測定サンプルを示す斜視図である。
【図4】バッグ展開特性を測定する装置の概略図であ
り、左図がバッグ展開前、右図がバッグ展開後を示す。
【符号の説明】
1:通気度測定個所 2:縫製部分 3:基布 4:モジュールカバー 5:鉄板 6:エアバッグ
フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA02 AA03 AA13 AA14 CC15 CC30 CC35 CC36 CC42 CC45 FF03 FF14 FF18 FF20 4L033 AB04 CA59 4L048 AA24 AA35 AA48 AA49 AB07 AC09 AC10 BA01 CA01 CA11 CA15 DA25 EA00 EA01 EB05

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維布帛からなるエアバッグ用基布に
    おいて、該布帛を、1400dtexの縫製糸を用い、
    二重環縫いで、縫製ピッチ3mm、2本の縫製距離が2
    mmである縫製条件で縫製した時の縫製部分を含む該布
    帛のJIS L1096 6.27.1 A法に基づい
    て測定した時の通気度が、0〜1.5cc/cm2/s
    ecであることを特徴とするエアバッグ用基布。
  2. 【請求項2】該布帛において、該布帛単体のJIS L
    1096 6.27.1A法に基づいて測定した時の通
    気度が、0〜0.5cc/cm2/secであることを
    特徴とする請求項1記載のエアバッグ用基布。
  3. 【請求項3】該布帛単体と縫製部分を含む布帛におい
    て、JIS L10966.27.1 A法に基づいて
    測定した時の通気度について、縫製部を含む布帛/布帛
    の通気度比が1〜3であることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のエアバッグ用基布。
  4. 【請求項4】合成繊維布帛からなるエアバッグ用基布に
    おいて、該布帛を用いて、2枚の布帛に対して、縫い代
    を2cm設け、1400dtexの縫製糸を用い、二重
    環縫いで、縫製ピッチ3mm、2本の縫製距離が2mm
    である縫製条件で縫製した時の縫製部分を含む該布帛の
    通気度が、流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整
    して流し、その時通過する空気流量を測定したときに、
    0〜40cc/cm2/secであり、かつ、該流体
    (空気)を78.4kPaの圧力に調整して流し、その
    時通過する空気流量を測定したときに0〜120cc/
    cm2/secであることを特徴とするエアバッグ用基
    布。
  5. 【請求項5】該布帛において、該布帛を縫製した時の縫
    製部分を含む該布帛の通気度が流体(空気)を19.6
    kPaの圧力に調整して流し、その時通過する空気流量
    を測定したときに、0〜30cc/cm2/secであ
    り、かつ、該流体(空気)を78.4kPaの圧力に調
    整して流し、その時通過する空気流量を測定したときに
    0〜100cc/cm2/secであることを特徴とす
    る請求項4記載のエアバッグ用基布。
  6. 【請求項6】該布帛において、該布帛単体の通気度が流
    体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流し、そ
    の時通過する空気流量を測定したときに、0〜35cc
    /cm2/secであり、かつ、該流体(空気)を7
    8.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過する空
    気流量を測定したときに0〜110cc/cm2/se
    cであることを特徴とする請求項4または請求項5記載
    のエアバッグ用基布。
  7. 【請求項7】該布帛において、該布帛単体の通気度が、
    流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流し、
    その時通過する空気流量を測定したときに、0〜25c
    c/cm2/secであり、かつ、該流体(空気)を7
    8.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過する空
    気流量を測定したときに0〜90cc/cm2/sec
    であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載
    のエアバッグ用基布。
  8. 【請求項8】該布帛と縫製部分を含む布帛において、流
    体圧力が19.6kPa時の通気度について、縫製部を
    含む布帛/布帛の通気度比が1〜2であり、かつ、該圧
    力が78.4kPa時には該比が1〜2であることを特
    徴とする請求項4〜7のいずれかに記載のエアバッグ用
    基布。
  9. 【請求項9】該布帛と縫製部分を含む布帛において、流
    体圧力が19.6kPa時の通気度について、縫製部を
    含む布帛/布帛の通気度比が1〜1.5であり、かつ該
    圧力が78.4kPa時には該比が1〜1.5であるこ
    とを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載のエアバ
    ッグ用基布。
  10. 【請求項10】該布帛を構成する繊維の単糸繊度が0.
    5〜8dtexであることを特徴とする請求項1〜9の
    いずれかに記載のエアバッグ用基布。
  11. 【請求項11】該布帛のカバーファクターが1950〜
    2500であることを特徴とする請求項1〜10のいず
    れかに記載のエアバッグ用基布。
  12. 【請求項12】該布帛が合成樹脂で被覆されており、該
    樹脂の膜厚が1〜30ミクロンであることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載のエアバッグ用基布。
  13. 【請求項13】合成繊維布帛から構成されるエアバッグ
    において、縫製部分を含む該布帛の通気度が流体(空
    気)を19.6kPaの圧力に調整して流し、その時通
    過する空気流量を測定したときに、0〜55cc/cm
    2/secであり、かつ、該流体(空気)を78.4k
    Paの圧力に調整して流し、その時通過する空気流量を
    測定したときに0〜170cc/cm2/secである
    ことを特徴とするエアバッグ。
  14. 【請求項14】該エアバッグにおいて、縫製部分を含む
    該布帛の通気度が流体(空気)を19.6kPaの圧力
    に調整して流し、その時通過する空気流量を測定したと
    きに、0〜40cc/cm2/secであり、かつ、該
    流体(空気)を78.4kPaの圧力に調整して流し、
    その時通過する空気流量を測定したときに0〜155c
    c/cm2/secであることを特徴とする請求項13
    記載のエアバッグ。
  15. 【請求項15】該エアバッグを構成する布帛の通気度が
    流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流し、
    その時通過する空気流量を測定したときに、0〜35c
    c/cm2/secであり、かつ、該流体(空気)を7
    8.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過する空
    気流量を測定したときに0〜110cc/cm2/se
    cであることを特徴とする請求項13または請求項14
    記載のエアバッグ。
  16. 【請求項16】該エアバッグを構成する布帛の通気度が
    流体(空気)を19.6kPaの圧力に調整して流し、
    その時通過する空気流量を測定したときに、0〜25c
    c/cm2/secであり、かつ、該流体(空気)を7
    8.4kPaの圧力に調整して流し、その時通過する空
    気流量を測定したときに0〜90cc/cm2/sec
    であることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに
    記載のエアバッグ。
  17. 【請求項17】該エアバッグを構成する布帛と縫製部分
    を含む布帛において、流体圧力が19.6kPa時の通
    気度について、縫製部を含む布帛/布帛の通気度比が1
    〜3であり、かつ、該圧力が78.4kPa時には該比
    が1〜3であることを特徴とする請求項13〜16のい
    ずれかに記載のエアバッグ。
  18. 【請求項18】該エアバッグを構成する布帛と縫製部分
    を含む布帛において、流体圧力が19.6kPa時の通
    気度について、縫製部を含む布帛/布帛の通気度比が1
    〜2であり、かつ、該圧力が78.4kPa時には該比
    が1〜2であることを特徴とする請求項13〜17のい
    ずれかに記載のエアバッグ。
  19. 【請求項19】該エアバッグを構成する布帛の単糸繊度
    が0.5〜8dtexであることを特徴とする請求項1
    3〜18のいずれかに記載のエアバッグ。
  20. 【請求項20】該エアバッグを構成する布帛のカバーフ
    ァクターが1950〜2500であることを特徴とする
    請求項13〜19のいずれかに記載のエアバッグ。
  21. 【請求項21】該エアバッグを構成する布帛が合成樹脂
    で被覆されており、該樹脂の膜厚が1〜30ミクロンで
    あることを特徴とする請求項13〜20のいずれかに記
    載のエアバッグ。
  22. 【請求項22】該エアバッグを構成する縫製部におい
    て、ミシン針による布帛の針穴の大きさが0.5〜1.
    5mmであることを特徴とする請求項10〜18のいず
    れかに記載のエアバッグ。
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