JPH10102323A - 生分解性複合モノフィラメントおよびその用途 - Google Patents

生分解性複合モノフィラメントおよびその用途

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JPH10102323A
JPH10102323A JP25565496A JP25565496A JPH10102323A JP H10102323 A JPH10102323 A JP H10102323A JP 25565496 A JP25565496 A JP 25565496A JP 25565496 A JP25565496 A JP 25565496A JP H10102323 A JPH10102323 A JP H10102323A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水産資材あるいは各種産業資材用途に使用
する繊維としての生分解性と力学的性質が均衡して優れ
たモノフィラメント、およびこのモノフィラメントから
なる水産資材、特に釣糸を提供する。 【解決手段】 本発明の生分解性複合モノフィラメン
トは、融点が70℃以上であるポリアルキレンジカルボ
キシレート類の少なくとも一種を芯成分とし、ポリ乳
酸、ポリ乳酸の共重合ポリマー、およびポリ(β−ヒド
ロキシアルカノエート)類から選ばれた少なくとも一種
を鞘成分とすることを特徴とし、前記芯成分/鞘成分の
重量比が、95/5〜40/60の範囲にあることが好
ましい。また、本発明の生分解性モノフィラメントは、
各種水産資材、特に釣糸の用途に好適であり、なかでも
本発明の生分解性モノフィラメントからなる釣糸は、優
れた生分解性と共に、引張強度4.0g/d以上、結節
強度3.0g/d以上という優れた力学的性質を発揮す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性と力学的
性質が均衡して優れたモノフィラメント、およびこのモ
ノフィラメントからなる水産資材、特に釣糸に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、釣糸など水産資材用途に使用され
るモノフィラメント素材としては、その力学的な要求特
性から、主としてポリアミド、ポリエステル、ポリオレ
フィンおよびポリ弗化ビニリデンなどの合成樹脂が用い
られてきた。
【0003】しかしながら、これらの合成樹脂からなる
水産資材用モノフィラメントは、自然の環境下ではほと
んど分解しないため、使用後に捨てられたり、放置され
た場合には、そのまま半永久的に自然界に残存すること
になり、環境衛生上大きな問題となっていた。
【0004】より具体的には、捨てられた廃棄釣糸が海
底に林立していたり、またこれらの廃棄釣糸や切断釣糸
が鳥や海洋生物に絡み付いて、殺傷したりする事態が頻
発しており、環境保護および自然保護の両面よりその改
善が強く望まれていた。
【0005】そこで、近年では、実用後に自然界の菌類
や微生物により生分解して自然消滅する釣糸、漁網、海
苔網などの水産資材、あるいは各種産業資材用途に使用
する生分解性繊維に関する開発が盛んになっている。
【0006】そして、上記生分解性繊維を構成する生分
解性ポリマーとしては、ポリブチレンサクシネートを代
表とするポリアルキレンサクシネート類、ポリ−3−ヒ
ドロキシブチレートを代表とするポリ(β−ヒドロキシ
アルカノエート)類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、お
よびポリ−ε−カプロラクトンなどが知られているが、
それぞれのポリマー単独では、生分解性と繊維としての
力学的な性能の両方を満足することが難しいことから、
最近では異種のポリマーを組合せて複合化した繊維の検
討が行われており、具体的には(A)高融点ポリマーと
低融点ポリマーを組合せた芯鞘複合繊維(特開平6−2
07324号公報、特開平6−248516号公報)、
(B)鞘部を難分解性ポリエステル、芯部を鞘部より2
倍以上の劣化速度を有する易分解性ポリエステルとする
芯鞘複合繊維(特開平7−305234号公報)、およ
び(C)芯成分としてポリヒドロキシアルカノエートま
たはその共重合体を、鞘成分としてポリエチレンサクシ
ネートやポリブチレンサクシネートなどのポリアルキレ
ンジカルボキシレート類を用いた芯鞘複合繊維(特開平
7−324227号公報)などがすでに提案されてい
る。
【0007】しかしながら、上記(A)の芯鞘複合繊維
は、生分解性と熱接着性を重視したものであり、水産資
材あるいは各種産業資材用途に使用する繊維としては、
力学的な性能が不満足なものであった。
【0008】また、上記(B)および(C)の芯鞘複合
繊維は、生分解速度の制御を主題としたものであり、や
はり、十分な力学的な性能を満足しているとは言い難い
ものであった。
【0009】したがって、従来の生分解性複合繊維は、
いずれも繊維としての十分な力学的性能と、特に水産資
材用途としての十分な生分解性能を兼ね備えたものでは
なく、その改良が望まれているのが実状であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術における問題点の解決を課題として検討した結
果、達成されたものである。
【0011】したがって、本発明の目的は、水産資材あ
るいは各種産業資材用途に使用する繊維としての生分解
性と力学的性質が均衡して優れたモノフィラメント、お
よびこのモノフィラメントからなる水産資材、特に釣糸
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の生分解性複合モノフィラメントは、融点
が70℃以上であるポリアルキレンジカルボキシレート
類の少なくとも一種を芯成分とし、ポリ乳酸、ポリ乳酸
の共重合ポリマー、およびポリ(β−ヒドロキシアルカ
ノエート)類から選ばれた少なくとも一種を鞘成分とす
ることを特徴とし、前記芯成分/鞘成分の重量比が、9
5/5〜40/60の範囲にあることが好ましい。
【0013】また、本発明の生分解性モノフィラメント
は、各種水産資材、特に釣糸の用途に好適であり、なか
でも本発明の生分解性モノフィラメントからなる釣糸
は、優れた生分解性と共に、引張強度4.0g/d以
上、結節強度3.0g/d以上という優れた力学的性質
を発揮する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。
【0015】本発明の生分解性複合モノフィラメントの
芯成分を構成する融点が70℃以上であるポリアルキレ
ンジカルボキシレート類としては、ポリブチレンサクシ
ネート、ポリエチレンサクシネート、およびポリブチレ
ン(サクシネート/アジペート)などが挙げられ、これ
らは単独または2種以上を組合わせたブレンドの形で用
いることができる。なお、ポリアルキレンジカルボキシ
レート類はこれらのみに限定されるものではない。
【0016】また、本発明の生分解性複合モノフィラメ
ントの鞘成分を構成するポリ乳酸としてはポリ−L−乳
酸および/またはポリ−D−乳酸が、ポリ乳酸の共重合
ポリマーとしてはL−乳酸/D−乳酸/ラセミ体乳酸の
混合物をモノマーとする共重合ポリマーなどが挙げられ
るが、これに限定されるものではない。
【0017】同じく、鞘成分を構成するポリ(β−ヒド
ロキシアルカノエート)類としては、ポリ−3−ヒドロ
キシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシバリレート、お
よびポリ−3−ヒドロキシ(ブチレート/バリレート)
などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0018】なお、本発明で用いる上記各ポリマーに
は、例えば顔料、染料、耐光剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、結晶化抑制剤、および可塑剤などの各種添加剤
を、目的とする性能を疎外しない範囲で、その重合工
程、重合後あるいは紡糸直前に添加することができる。
【0019】本発明の目的は、水産資材あるいは各種産
業資材用途に使用される繊維としての十分な力学的性能
と生分解性とを均衡に兼備したをモノフィラメントを得
ることであるが、ここでその力学的性能と生分解性につ
いて説明すれば次のとおりである。
【0020】すなわち、本発明でいう繊維としての力学
的性能とは、特に耐摩耗性と耐疲労性である。もちろ
ん、ある程度の引張強さなどの基本的な性能は必要であ
るが、さらにこの耐摩耗性と耐疲労性を兼ね備えること
が、水産資材あるいは各種産業資材用途に使用される繊
維として必要な条件である。
【0021】上述したように、生分解性ポリマーとして
は、ポリアルキレンジカルボキシレート類、ポリ(β−
ヒドロキシアルカノエート)類、ポリ乳酸、ポリグリコ
ール酸、およびポリ−ε−カプロラクトンなどが存在す
るが、それぞれのポリマー単独で造られた繊維では、こ
の耐摩耗性と耐疲労性の両方を併せて具備することが困
難であった。例えば、ポリアルキレンジカルボキシレー
ト類を代表するポリブチレンサクシネート(曲げ弾性率
0.7GPa)から造られた繊維は、耐疲労性に優れる
が耐摩耗性に劣り、ポリ乳酸(曲げ弾性率3.3GP
a)またはポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)類を
代表するポリ−3−ヒドロキシ(ブチレート/バリレー
ト)(曲げ弾性率2.7GPa)から造られた繊維は、
耐摩耗性に優れるが耐疲労性に劣るといった具合に、一
般的に二律背反的な面があった。
【0022】そこで、本発明者らは、この両特性に優れ
る繊維を造ることを目的に鋭意検討した結果、比較的曲
げ弾性率の低いポリアルキレンジカルボキシレート類を
芯成分とし、比較的曲げ弾性率の高いポリ乳酸、ポリ
(β−ヒドロキシアルカノエート)類を鞘成分とした複
合モノフィラメントとすることによって、耐摩耗性と耐
疲労性が共に優れた繊維が得られることを見出したので
ある。
【0023】そして、特に芯成分/鞘成分の重量比を9
5/5〜40/60の範囲とした複合モノフィラメント
は、強度が高く、釣糸として使用した場合のチヂレ難さ
についても良好であることから、水産資材用途、取り分
け釣糸としてきわめて優れている。
【0024】次に生分解性について説明する。生分解性
については客観的な評価がなかなか難しい面があるが、
一般的には自然環境下(たとえば土壌中)3〜6か月程
度で引張強力が50%以下に低下、あるいは形状消失す
ることが理想的である。生分解性を制御する手法として
は、鞘成分を比較的分解速度の遅いポリマー、芯成分を
鞘成分より分解速度の速いポリマーとした芯鞘複合繊維
の技術(特開平7−305234号公報および特開平7
−324277号公報)が既に知られているが、本発明
の生分解性複合モノフィラメントは、むしろ逆に鞘成分
が比較的分解速度が速いポリマー、芯成分が比較的分解
速度が遅いポリマーで構成されており、その点で従来技
術とは技術思想が異なる。
【0025】しかしながら、予想に反して、本発明で造
られた複合モノフィラメントは、生分解性に優れると共
に、従来技術に比較して、引張強度、結節強度、耐摩耗
性および耐疲労性などの力学的性質が格段にすぐれ、釣
糸に代表される水産資材用としてきわめて有用であるこ
とが判明したのである。
【0026】本発明の生分解性複合モノフィラメント
は、以下に説明する方法により効率的に製造することが
できる。
【0027】まず、上記生分解性複合モノフィラメント
を溶融紡糸するに際しては、芯鞘複合用押出紡糸機を用
いる通常の条件を採用することができ、ポリマー温度1
70〜240℃、押出圧力10〜500Kg/cm3
口金孔径0.1〜5mm、紡糸速度0.3〜100m/
分などの条件を適宜選択することができる。
【0028】紡出されたモノフィラメントは、短い気体
ゾーンを通過した後、冷却浴中で冷却されるが、ここで
冷却媒体としてはポリマーに不活性な液体、通常は水が
用いられる。また、冷却温度は60℃以下である必要が
あり、それを越える温度で冷却する場合には、次の延伸
工程での延伸性が阻害される場合がある。
【0029】冷却固化されたモノフィラメントは、引続
き1段目の延伸工程に送られるが、延伸および熱固定の
雰囲気(浴)としては、ポリエチレングリコール、グリ
セリンおよびシリコーンオイルなどの加熱した熱媒体、
乾熱気体浴、および温水浴などが用いられる。
【0030】次いで延伸を行うに際しては、先ず1段目
の延伸を2.5〜5.0倍の倍率に設定し、その後全延
伸倍率が6.0倍以上となる延伸倍率で2段目または2
〜3段目の多段延伸を行う。
【0031】ここで、1段目の延伸倍率が2.5倍未
満、および6.0以上では次工程での糸切れが発生しや
すくなるため好ましくない。
【0032】また、全延伸倍率が6.0倍未満では、得
られるモノフィラメントの引張強度、結節強度が低くな
るため好ましくない。
【0033】多段延伸後には、必要に応じて延伸歪みを
除去することなどを目的として、適度な定長、弛緩熱処
理を行うこともできる。
【0034】このようにして得られる本発明の生分解性
複合モノフィラメントは、強度、耐摩耗性、耐疲労性な
ど繊維としての力学的性能と、適度な生分解性(土壌中
3〜6か月で引張強力が50%以下に低下、あるいは形
状消失する)を兼備していることから、各種産業資材用
途、なかでも釣糸、漁網、生簀網などの水産資材用途、
取り分け釣糸としてきわめて有用である。
【0035】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに説
明するが、実施例におけるモノフィラメントの評価は以
下の方法に準じて行った。
【0036】(1)引張強度および結節強度:JISL
1013の規定に準じて測定した。 (2)チヂレ難さ:スピニングリールにモノフィラメン
トを50m巻いて、実際にルアーフィッシングを3時間
行った後のモノフィラメントのチヂレ具合を目視で相対
評価した結果を、下記の基準で示した。 ○ チヂレがほとんどない △ チヂレがややある × チヂレがひどい。 (3)耐摩耗性:直径50mmの回転体表面に#320
のサンドペーパーを巻つきけて、これを毎分180回転
で回転させる。一方モノフィラメントに1/20デニー
ルの荷重をかけて垂直にたらし、これを前記回転体に対
し90°の角度で接触させ、モノフィラメントが切断す
るまでの回転数(回)を測定した。試験回数は5回と
し、その平均値で示した。回数が多いほど耐摩耗性が優
れている。 (4)耐疲労性:屈曲疲労試験機(TOYOSEIKI
社製)用いて測定した。すなわち、試長8cmのモノフ
ィラメントの一端側に500gの荷重をかけ、他端側に
チャックを振角度220°、回転数180回/分の条件
で振子運動させた場合に、モノフィラメントが切断する
までの運動回数を測定した。試験回数は5回とし、その
平均値で示した。回数が多いほど耐屈曲疲労性が優れて
いる。
【0037】(5)生分解性:資料を土壌中に3か月間
放置して取り出し、モノフィラメントがその形状を消失
しているか、引張強力保持率が50%以下になるものを
「良好」、生分解性を示すがそこまで至らないものを
「やや遅い」と評価した。
【0038】[実施例1]ポリブチレンサクシネート
(MI:1.0g/10分、融点:114℃…ポリマー
A1)を芯成分(80重量部)とし、ポリ−L−乳酸
(MI:1.5g/10分、融点:175℃…ポリマー
B1)を鞘成分(20重量部)として、エクストルーダ
ー型複合紡糸機で230℃で溶融し、孔径1.5mmの
口金を通して紡糸し、さらに20℃の水浴中で冷却し
た。
【0039】次に、この未延伸糸を70℃の温水1段目
延伸浴中で4.5倍(E1)に延伸し、引続いて85℃
の2段目乾熱浴中で2.13倍(E2)に延伸し、全延
伸倍率(E1×E2)が9.6倍のモノフィラメントを
得た。
【0040】引続いて、80℃の乾熱浴中に処理倍率
0.9倍で通過させ熱処理を施すことにより、直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0041】[実施例2]ポリブチレン(サクシネート
/アジペート)(MI:1.5g/10分、融点:95
℃…ポリマーA2)を芯成分(80重量部)とし、ポリ
−3−ヒドロキシ(ブチレート/バリレート)(MI:
8g/10分、融点:162℃…ポリマーB2)を鞘成
分(20重量部)として、実施例1と同様に溶融紡糸、
冷却し未延伸糸を得た。
【0042】次に、この未延伸糸を80℃の温水1段目
延伸浴中で3.7倍(E1)に延伸し、引続いて95℃
の2段目乾熱浴中で2.22倍(E2)に延伸し、全延
伸倍率(E1×E2)が10.0倍のモノフィラメント
を得た。
【0043】続いて、80℃の乾熱浴中に処理倍率0.
9倍で通過させ熱処理を施すことにより、0.22mm
のモノフィラメントを得た。
【0044】[実施例3]実施例1で用いたポリマーA
1を芯成分(70重量部)とし、実施例1で用いたポリ
マーB1(15重量部)と実施例2で用いたポリマーB
2(15重量部)のブレンドポリマーを鞘成分として、
実施例1と同様に溶融紡糸、冷却し未延伸糸を得た。
【0045】次に、この未延伸糸を75℃の温水1段目
延伸浴中で4.3倍(E1)に延伸し、引続いて90℃
の2段目延伸浴中で2.18倍(E2)に延伸し、全延
伸倍率(E1×E2)が9.4倍のモノフィラメントを
得た。
【0046】続いて、80℃の乾熱浴中に処理倍率0.
9倍で通過させるつ処理を施すことにより、直径0.2
2mmのモノフィラメントを得た。
【0047】[比較例1]実施例1で用いたポリマーA
1単独とした以外は、実施例1と同一の製法で直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0048】[比較例2]実施例1で用いたポリマーB
1単独とした以外は、実施例1と同一の製法で直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0049】[比較例3]実施例2で用いたポリマーB
2単独とした以外は、実施例2と同一の製法で直径0.
22mmのモノフィラメントを得た。
【0050】[比較例4]実施例1で用いたポリマーB
1を芯成分(80重量部)とし、ポリマーA1を鞘成分
(20重量部)とした以外は、実施例1と同一の製法で
直径0.22mmのモノフィラメントを得た。
【0051】[比較例5]実施例2で用いたポリマーB
2を芯成分(80重量部)とし、ポリマーA2を鞘成分
(20重量部)とした以外は、実施例2と同一の製法で
直径0.22mmのモノフィラメントを得た。
【0052】[比較例6]実施例2において、芯成分の
ポリマーA2の比率を97重量部とし、鞘成分のポリマ
ーB2の比率を3重量部とした以外は、実施例2と同一
の製法で直径0.22mmのモノフィラメントを得た。
【0053】[比較例7]実施例1において、芯成分の
ポリマーA1の比率を30重量部とし、鞘成分のポリマ
ーB1の比率を70重量部とした以外は、実施例1と同
一の製法で直径0.22mmのモノフィラメントを得
た。
【0054】上記実施例1〜3および比較例1〜7で得
られた各モノフィラメントについて、モノフィラメント
としての上記各特性を評価した結果を表1に併せて示
す。
【0055】
【表1】 表1の結果から明らかなように、融点が70℃以上であ
るポリアルキレンジカルボキシレート類を芯成分とし、
ポリ乳酸およびそれの共重合ポリマー、ポリ(β−ヒド
ロキシアルカノエート)類から選ばれた少なくとも一種
を鞘成分とし、取り分け芯成分と鞘成分の重量比が95
/5〜40/60の範囲にある本発明のモノフィラメン
ト(実施例1〜3)は、繊維としての優れた力学的性能
と生分解性を兼ね備えたものであり、生分解性モノフィ
ラメントとしての要求性能を理想的に満たすものであ
る。
【0056】また、この生分解性複合モノフィラメント
を実際に釣糸として使用した場合には、使用後のチヂレ
もほとんどなく、釣糸としてきわめて良好であった。
【0057】一方、ポリアルキレンジカルボキシレート
類、ポリ乳酸、ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)
類をそれぞれ単独に用いたモノフィラメント(比較例1
〜3)、およびポリ乳酸およびそれの共重合ポリマー、
ポリ(β−ヒドロキシアルカノエート)類から選ばれた
少なくとも一種を芯成分とし、融点が70℃以上である
ポリアルキレンジカルボキシレート類を鞘成分とした、
本発明とは芯/鞘成分を逆転した複合モノフィラメント
(比較例4、5)は、強度、耐摩耗性、耐疲労性、生分
解性のいずれかが劣り、水産資材用途における要求性能
を満足するものではなかった。
【0058】また、本発明の範疇にはあるが、芯成分/
鞘成分の重量比が95/5〜40/60の範囲から外れ
た複合モノフィラメント(比較例6、7)は、本発明が
目的とする効果を充分に満たすものではなかった。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の生分解性
複合モノフィラメントは、繊維としての力学的性能およ
び生分解性が均衡に優れていることから、環境、自然保
護の両面から改善が強く望まれている各種産業資材用
途、中でも水産資材用途、取り分け釣糸用途のモノフィ
ラメントとしての要求性能を十分に満たすものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が70℃以上であるポリアルキレ
    ンジカルボキシレート類の少なくとも一種を芯成分と
    し、ポリ乳酸、ポリ乳酸の共重合ポリマー、およびポリ
    (β−ヒドロキシアルカノエート)類から選ばれた少な
    くとも一種を鞘成分とすることを特徴とする生分解性複
    合モノフィラメント。
  2. 【請求項2】 芯成分/鞘成分の重量比が、95/5
    〜40/60の範囲にあることを特徴とする請求項1記
    載の生分解性複合モノフィラメント。
  3. 【請求項3】 融点が70℃以上であるポリアルキレ
    ンジカルボキシレート類が、ポリブチレンサクシネー
    ト、ポリエチレンサクシネート、およびポリブチレン
    (サクシネート/アジペート)から選ばれた少なくとも
    一種であることを特徴とする請求項1または2記載の生
    分解性複合モノフィラメント。
  4. 【請求項4】 ポリ乳酸がポリ−L−乳酸および/ま
    たはポリ−D−乳酸であり、ポリ乳酸の共重合ポリマー
    がL−乳酸/D−乳酸/ラセミ体乳酸の混合物をモノマ
    ーとする共重合ポリマーであることを特徴とする請求項
    1または2記載の生分解性複合モノフィラメント。
  5. 【請求項5】 ポリ(β−ヒドロキシアルカノエー
    ト)類が、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3
    −ヒドロキシバリレート、およびポリ−3−ヒドロキシ
    (ブチレート/バリレート)から選ばれた少なくとも一
    種であることを特徴とする請求項1または2記載の生分
    解性複合モノフィラメント。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の生分解性複合モノ
    フィラメントからなることを特徴とする水産資材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5記載の生分解性複合モノ
    フィラメントからなり、引張強度4.0g/d以上、結
    節強度3.0g/d以上であることを特徴とする釣糸。
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