JP4645662B2 - 色変換テーブル作成プログラム、補間演算プログラム、色変換テーブル作成方法、補間演算方法、色変換装置および印刷装置 - Google Patents
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Description
すなわち、1次元のLUTにおいてはカラーマッチングを行うことができず、3次元のLUTにおいてはモノクロ画像において微妙な色調の変化を再現するに充分な色変換の精度が確保できない場合があった。具体的には、モノクロ画像としては厳密に無彩色のものの他、ウォーム調やクール調等種々の色調を与えた低彩度の色を有する画像が存在し、1次元のLUTにおいては予めウォーム調等のLUTを作成しておくことによって種々の色調の印刷を実行可能であるものの、LUT自体に備えるデータがRGB色成分のデータではなく明度成分のみのデータであるため、ディスプレイ上で表示中のモノクロ画像と印刷結果の色とのカラーマッチングがとれておらず、利用者所望の色での印刷を行うためには試行錯誤を繰り返す必要があった。
一方、3次元のLUTにおいてはLUT自体に備えるデータがRGB色成分のデータであるから、ディスプレイ上でウォーム調等のモノクロ画像を表示して印刷した場合にはこの表示されたモノクロ画像の色に近い色で印刷を実行することができる。しかし、従来のLUTではCMYKlclm階調値を256階調のデータとして規定しており、当該階調値ではモノクロ画像の微妙な色調の変化を再現できない場合があった。また、単純にCMYKlclmデータの階調数を増加させると、むやみにLUTの記憶に必要な容量を増加させてしまう。
また、一般的には近年のプリンタの高性能化や画像の色の多情報量化に伴って色変換の精度を向上する要請があるものの、単に色変換テーブルの情報量を一律に増加させるのみでは上記ハードディスク等に保持する際の記憶容量をむやみに増加させてしまう。また、画像内において全色について高い色変換精度が要求されることは少なく、特定の色について高精度にすれば著しく画質を向上可能であり、このために上記ハードディスク等に保持する色変換テーブルの情報量を一律に増加させるのは好ましくない。
上記のように構成した発明においては、第1の画像機器にて使用される第1カラー画像データと第2の画像機器にて使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した色変換テーブルを予め所定の記憶領域に記憶しておき、色変換機能においては当該色変換テーブルを参照して色変換を実行する。ここで、当該色変換テーブルにおいては第1カラー画像データと上記第2カラー画像データとを対応づける領域を色空間内の所定領域に限定することにより、当該領域の範囲で上記対応関係の精度を向上させてある。
すなわち、使用色が限定されているような画像について色変換を行うには、第1の画像機器および第2の画像機器の色域の全域を使用しなくても充分なため、色変換テーブルにおいて第1カラー画像データと上記第2カラー画像データとを対応づける色空間内の領域を上記画像の使用色について色変換可能な領域に限定しても、当該領域内の色についての色変換が可能である。そして、上記限定によって節約された記憶領域を色を特定するための記憶領域に振り分けることにより、当該領域内のカラー画像データについてより高精度に対応関係を規定することができる。従って、色変換精度が向上する。また、領域を色空間内の所定領域に限定すると言っても、色の対応関係を3次元で規定するようにしておけば、当該限定された領域内の色については第1の画像機器と第2の画像機器との色の対応関係を直接的に対応づけることができるので、3色の色成分を明度成分に変換するようなプロセスは必要ではなく、カラーマッチングを行ったまま色変換することができる。
上記発明によれば、カラーマッチングと階調数の増加と必要な記憶量の抑制とを同時に実現し、高精度で色変換を行うことが可能な色変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
上記のように構成した発明においては、色変換機能において第1の画像機器の色データと第2の画像機器の色データとを対応づけた複数の参照カラー画像データを有する色変換テーブルを参照して第1の画像機器にて使用される第1カラー画像データを第2の画像機器にて使用される第2カラー画像データに変換する。ここで、色変換テーブルの総情報量には限度があるが、上記色変換テーブルにおいては所定の色空間内の所定領域に上記参照カラー画像データを分布させることによって上記所定の総情報量の限度内で各参照カラー画像データの色データ情報を所定量より増加させている。
すなわち、参照カラー画像データは上記色空間内の所定領域に分布しているものの、当該領域内の色については色データ情報量が所定量より増加しているので、当該所定領域内の色について高精度に色変換を実行可能である。また、参照カラー画像データの色データ情報量を増加させているが、参照カラー画像データの分布領域を限定しているため、色変換テーブルの記憶に必要な記憶容量を総情報量の限度以上に増加させることなく、色変換テーブルを規定することができる。ここにおいても、3次元空間内の参照カラー画像データにて対応関係を規定するようにしておけば、色空間内の所定領域内の色については第1の画像機器と第2の画像機器との色の対応関係を直接的に対応づけることができるので、3色の色成分を明度成分に変換するようなプロセスは必要ではなく、カラーマッチングを行ったまま色変換することができる。
上記発明によれば、カラーマッチングと階調数の増加と必要な記憶量の抑制とを同時に実現し、高精度で色変換を行うことが可能な色変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
上記発明のいずれについても、色変換に当たり参照カラー画像データを参照する手法は公知の種々の手法を採用可能である。例えば、補間演算等によって参照カラー画像データから任意の点におけるカラー画像データを算出することができる。また、上記色変換テーブルは、第1の画像機器のカラー画像データと第2の画像機器のカラー画像データとを一対一に対応づけるテーブルを使用しても良いし、一旦絶対色空間内への色変換を介して両者を対応づけるテーブルであっても良い。
また、色変換テーブルにて使用する色空間としては種々の色空間を採用可能であり、第1の画像機器の色域と第2の画像機器の色域との対応関係を一対一に規定するテーブルの場合は、これらの機器にて使用する色域、例えばRGB表色空間やCMY系表色空間(CMY,CMYK,CMYKlclm,CMYKlclmDY(ダークイエロー)等)を採用すればよい。絶対色空間への色変換を介して対応関係を規定するにはLab表色空間と上記RGB表色空間およびCMY系表色空間とを対応づければよい。さらに、上記第1および第2の画像機器は特に限定されず、カラー画像データを使用して所定の画像を扱う機器であれば良く、例えばディスプレイ,プリンタ,スキャナ,デジタルカメラ等種々の画像機器を採用可能である。むろん、機器が別体でなくてもよく、例えば、fax機は第1の画像機器としてのスキャナと第2の画像機器としてのプリンタとが一体になっていると言え、かかるfax機に本発明を適用することも可能である。
具体的には、RGB三原色においてR=G=Bのニュートラルグレーに対してR成分をやや強調しG成分をやや押さえるなどして生成されるいわゆるセピア調の画像や、暖色系のグレーをベースにした温黒調のモノクロや、青みがかったグレーをベースにした冷黒調のモノクロ等種々のモノクロを含む。かかるモノクロ領域の画像における微妙な色の変化に対して人間の目は敏感であり、色変換精度の誤差によって色調にブレが生じると不自然なモノクロ画像になってしまうことがある。また、モノクロ写真の愛好家にとっては微妙な色調が非常に重要であり、意図した色調からのブレが無いことが要求される。従って、本発明にかかる構成を採用することによって微妙な色調を精度良く再現するモノクロ画像についての要求に的確に応じることができる。
上記発明によれば、低彩度領域を含むモノクロ色の画像について高精度に色変換を行うことができる。
ここで、肌色を含んだ領域としては、色空間において肌色を含んだ領域を確保することによって肌色およびその近辺の第1カラー画像データと第2カラー画像データとの対応関係の精度を向上させ、または、色変換テーブルの総情報量を限度として肌色およびその近辺の色データ情報を増加させることができればよく、肌色近辺の色として必要となる色や総情報量、画像の種類に応じて所定領域の大きさを変化させることができる。
上記発明によれば、肌色あるいはその近辺の色を含む画像について高精度に色変換を行うことができる。
上記発明によれば、青色あるいはその近辺の色を含む画像について高精度に色変換を行うことができる。
また、青色を含む画像を扱うための色変換テーブルを作成する場合、所定軸としては色空間内の青色軸が該当しこの青色軸周りに数個〜十数個の参照カラー画像データを抽出すれば良い。例えば、RGB色空間でR=G=0,Bが任意の直線が該当する。肌色を含む画像を扱うための色変換テーブルを作成する場合、肌色を含む領域を貫く所定の曲線を考え、これを上記所定軸としてその周りから参照カラー画像データを抽出すればよい。
上記発明によれば、特定の画像に含まれる色をカバーする色変換テーブルを容易に作成することができる。
上記発明によれば、参照カラー画像データを容易に抽出することができる。
上記発明によれば、容易に所定領域内の参照カラー画像データを抽出することができる。
上記発明によれば、要求される精度に応じた色変換を実現可能である。
また、上記画像機器がインクジェットプリンタである場合、高明度領域の色ではCMYインクあるいはlm,lc,Yインクしか使用しない場合が多く、またそのインク吐出量も小さい。従って、階調値の変化に伴う色の変化を少ないインク量の変化で表現する必要があり、この領域での参照カラー画像データを増加させることによって、少ないインク数および吐出量の色についても高精度に色変換することができ、色の微妙な変化を忠実に再現することができる。
上記発明によれば、高明度領域の微妙な色の変化を忠実に再現することができる。
上記発明によれば、微妙な明度の階調を制御することができる。
ここで、階調値域は第1カラー画像データと第2カラー画像データとの双方について256階調より大きくしても良いし、いずれか一方について256階調より大きくしても良い。第1カラー画像データがディスプレイの色を規定するカラー画像データであり、第2カラー画像データがプリンタの色を規定するカラー画像データである場合に、双方の階調値を256階調より大きくしても良いが、一方の階調値を256階調より大きくすれば、充分に色変換精度向上効果がある場合が多い。また、カラー画像データはコンピュータにて扱うことが多いので、256階調より大きな階調値とするに当たり2倍単位で階調値域を増やすと好ましい。すなわち、256階調は8ビットのデータで表現できるが、増加した階調域として、512階調(9ビット),1024階調(10ビット)、、、とすると良い。
上記発明によれば、汎用的な画像機器についての色変換精度を向上させることができる。
上記発明によれば、第2の画像機器において本発明による高精度の色変換効果を的確に反映させることができる。
また、色変換に際して上記色変換機能にて参照される参照カラー画像データが色変換テーブルデータとして提供されれば、汎用的な色変換プログラムに適用することによって本発明にかかる色変換を実施することが可能になる。従って、参照される代表点の集まりであるテーブル自体も本発明にかかる技術的思想を利用していると言え、色変換時に参照されるデータであって色空間内の所定領域に分布した参照カラー画像データからなる色変換テーブルデータを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として本発明を特定することもできる。
上記発明によれば、カラーマッチングと階調数の増加と必要な記憶量の抑制とを同時に実現し、高精度で色変換を行うことが可能な色変換テーブルデータを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
上記発明によれば、カラーマッチングと階調数の増加と必要な記憶量の抑制とを同時に実現し、高精度で色変換を行うことが可能な色変換装置を提供することができる。
また、このような色変換プログラムは本発明にかかる参照カラー画像データを参照して処理を進めていく上で、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然であり、方法としても適用可能であることは容易に理解できる。このため、色変換方法においても基本的には同様の作用となる。すなわち、必ずしも実体のあるコンピュータ読み取り可能な記録媒体などに限らず、その方法としても有効であることに相違はない。むろん、色変換プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体のみならず色変換プログラムとしても機能し、色変換プログラムにおいても基本的には同様の作用となる。さらに、参照される代表点の集まりであるテーブル自体も本発明にかかる技術的思想を利用していると言え、色変換テーブルとして本発明を特定することもできる。
上記発明によれば、カラーマッチングと階調数の増加と必要な記憶量の抑制とを同時に実現し、高精度で色変換を行うことが可能な色変換方法、色変換プログラムおよび色変換テーブルを提供することができる。
上記のように構成した発明においては、第1の画像機器にて使用される第1カラー画像データと第2の画像機器にて使用される第2カラー画像データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換テーブルを作成する。元テーブル記憶機能においては作成されるべき色変換テーブルの一部の情報を有する元テーブルを記憶してあり、色変換テーブル生成機能においては当該元テーブルにて規定される色の精度が異なる少なくとも2つの元テーブルを使用する。そして、これらの元テーブルを組み合わせるとともに上記複数の参照点に満たない情報を補うことにより上記色変換テーブルを生成する。
すなわち、色変換に際して使用される色変換テーブルでは所定の複数の参照点についてカラー画像データの対応関係を規定しており、色変換実行時に作成される。作成に際しては、この色変換テーブルの一部の情報を有する元テーブルが複数個使用される。従って、元テーブル記憶機能において個々の元テーブルとしては色変換テーブルより少ない情報量を記憶しておけば良く、元テーブル記憶機能に必要とされる記憶容量をむやみに増加させることがない。
具体的には、従来、ハードディスクに保存されている17**3個(x**yはxのy乗を示す意か同じ)の参照点からなる元テーブルを参照し、補間演算によって参照点を補って33**3個の参照点からなる色変換テーブルを生成していた。しかし、本発明ではこれに加えて上記17**3個の参照点からなる元テーブルより色精度の高く、参照点数の少ない元テーブルを保持しておき、これらを組み合わせる。17**3個の参照点総てについて色精度を高くすると、元テーブル記憶機能に必要とされる記憶容量をむやみに増加させてしまうが、元テーブルの情報が色変換テーブルの一部であって、一方が他方より色変換精度が高いので、その高精度の色の領域を所望の領域にすることにより、必要とされる記憶容量を抑制しつつも当該所望の色についての色変換テーブルにおいて実施される色変換精度を高精度にすることができ、画質を向上させることができる。
むろん、元テーブルの参照点数や色を特定するための色成分数、色を階調表現するビット数は特に限定されることなく、元テーブルとしては色変換時に生成される色変換テーブルの一部を有し、少なくとも2つの元テーブルにて精度に差があればよい。また、色変換テーブル生成機能においては、色変換テーブルに備えられる複数の参照点に満たない情報を補うことができればよく、補間演算等によって参照点数を増加する構成や、色を階調表現する際のビット数を増加する構成も含まれる。
前記色変換テーブルに規定される各参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルにおける各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えて、各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成する機能をコンピュータに実現させる。
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間し、該補間後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について対応関係を前記第二の元テーブルに規定された対応関係に置き換えて、前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成する機能をコンピュータに実現させる。
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間するとともに各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えて、各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成する機能をコンピュータに実現させる。
すなわち、印刷装置にて色を表現するに当たり、ある色成分について濃淡インクを使用する場合がある。例えば、現在の印刷装置において通常はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の各色成分のインクを使用するが、CインクやMインクについてさらにlc(ライトシアン)インクやlm(ライトマゼンタ)インクを使用する場合がある。このように濃淡インクを使用する場合は濃インクと淡インクとのそれぞれについて他の色成分と同レンジの階調数を当てはめているので、当該他の色成分より高精度に色の表現が可能である。
そこで、他の色成分より少数のインクを使用する色成分(前記例ではブラックやシアン)についての精度を高くすれば、これらの色成分についても高精度に色変換可能な色変換テーブルを生成することができる。むろん、高精度にする色としては他の色成分より少数のインクを使用するインクであれば良く、ブラックについて淡インクを併用する場合にはブラック以外の色であるし、イエローについてDY(ダークイエロー)を使用する場合であって上記例のC,Mインクについてライトインクを使用しない場合であれば当該C,Mインクについて高精度にすればよい。むろん、印刷装置において利用者が使用インクを選択できる場合に、そのインクの選択状況によって高精度とする色成分を変えることは可能である。
特に、印刷装置におけるインクの吐出量と明度との関係が非線形となる部分について少ない参照点数で色を規定すると、補間演算等にて任意参照点以外のインク吐出量を算出する際に色の規定精度が悪化する。そこで、このように他の色成分より表現可能な明度範囲が広い色成分について他の色成分より精度を高くすれば、上記非線形性の強い色についても高精度に色変換可能な色変換テーブルを生成することができる。
すなわち、印刷装置など減法混色を使用する画像機器は高明度の色を表現するのに少量のインクしか使用しておらず、階調値の変化に伴う色の変化を少ないインク量の変化で表現する必要がある。従って、このような高明度の色について高精度に色を規定することにより、これらの色の微妙な変化を正確に表現可能な色変換テーブルを生成することができる。ここで、元テーブルの高明度色について高精度にするためには、元テーブルにて規定される色の一部を高明度とする場合の他、元テーブルにて規定される色の総てを高明度とする場合も含む。
肌色およびその近傍の所定色と青色およびその近傍の所定色と赤色およびその近傍の所定色とはその具体例である。肌色およびその近傍の所定色は人間の顔などに多用される色であり、この肌色にてくすみを生じたり色の変化が滑らかではない場合には画質が非常に悪く見えるが、肌色を高精度に色変換可能な色変換テーブルを生成することにより非常に滑らかに変化する肌色を表現することができ、良好な画質の画像を得ることができる。
青色およびその近辺の色はディスプレイやデジタルカメラの色域より印刷装置の色域の方が広い場合があり、この領域で高精度に色変換するとともにより広い色域を使用してより鮮やかな結果を得ることができる。また、この青色およびその近辺の色と夕焼け等の画像を構成する赤色およびその近傍の所定色については、擬似輪郭が生じやすい。そこで、これらの色について高精度に色変換可能な色変換テーブルを生成することにより擬似輪郭の発生を防止することができ、良好な画質の画像を得ることができる。むろん、これらの色の他にも森などの画像を色変換するために所定領域を緑領域としたりすることができる。
また、上述のように高明度色、低彩度色、肌色およびその近傍の所定色、青色およびその近傍の所定色、赤色およびその近傍の所定色等について元テーブルで高精度に色を規定するにあたり、元テーブルの記憶容量を抑制しつつ所望の色について高精度に色変換できればよい。従って、画像を良好に見せるために充分な色空間の領域の広さ、元テーブルとして記憶可能な総情報量、画像の種類等に応じてこれらの色が含まれる元テーブルでの領域を変化させることができる。
すなわち、元テーブルにおいて精度を向上する手法として、カラー画像データの階調数を増加させる手法と参照点密度を増加させる手法とを採用する場合に、これらのいずれか一方を実施することができるのみならず、双方を実施して色変換テーブルを生成することもできる。この結果、利用者は必要となる色変換精度に応じて種々の選択肢から色変換テーブルを選択することができる。
すなわち、上記組み合わせによる色変換テーブルの生成を実施するか否かを利用者に選択させると、上述のように色変換テーブルをオプションとすることができるが、このような態様の他、利用者が全く意図することなく自動で高精度の補間が実施されるように構成すると便利である。この具体例としては色変換を行う画像データにおける特定色の割合を参照することによって実現可能であり、色変換対象となっている画像内に特定色が含まれる割合が多い場合に当該特定色について高精度に色を規定した元テーブルとそれより低精度の元テーブルを組み合わせて色変換テーブルを作成すれば、当該色変換テーブルによって当該特定色について自動で高精度に色変換可能になる。
特定色が含まれる割合は画像データに基づいて算出されるので、高精度に色変換可能な領域を自動で決定することができる。また、画像内に特定色が含まれる割合が所定のしきい値より大きい場合に当該特定色を高精度に色変換可能になるので、当該画像の多くの部位あるいは重要な部位について高精度に色変換することができ、自動で第2画像機器における画質を良好なものとすることができる。ここで、画像データに特定色が占める割合を算出するためには、種々の手法が採用可能であり、第1カラー他像データの特定の色成分あるいはその組み合わせが所定の値を有するものについてヒストグラムを算出し、全画素数と比較する等の構成により割合を算出することができる。
色変換テーブルを作成する際や色変換テーブルを参照して色変換を実行する際には任意の色の対応関係を補間演算にて求める場合がある。色変換の精度を向上する上で色変換テーブル自体で規定する色の精度は重要であるが、上記補間演算の精度も色変換時には重要であり、一般的には線形補間より非線形補間の方が高精度であるが、演算時間を要する。
すなわち、色変換テーブル作成時と、当該色変換テーブルを参照した色変換の実行時に補間演算が実行されるが、これらの補間演算の補間手法を切り替え可能に構成し、参照点の色の明暗に応じて補間を切り替える。印刷装置等の減法混色において、少量のインク量で表現される高明度色はインク量変化と明度変化とが比例的な関係を有しているので、線形補間でも精度良く補間可能であり、演算速度の観点から線形補間を採用する。一方、インク量がある程度を超えるとインク量変化と明度変化とが比例的な関係ではなくなるので、線形補間の精度は相対的に低下する。そこで、非線形の関係であっても精度良く補間演算可能な非線形補間(スプライン補間等)を実施する。従って、演算速度を低下させることなく画像全体について高精度に色変換を実施することができる。
請求項7にかかる発明は、第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用されるインク量を規定する第2カラー画像データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換テーブルをワークエリア上で参照し、前記複数の参照点に規定されたインク量を用いた補間演算を実行することにより色変換を実行する機能をコンピュータに実現させる補間演算プログラムであって、
前記補間演算に用いる参照点で規定されたインク量が所定のしきい値を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合に非線形補間の補間演算を実行して前記色変換を実行し、超えていないと判断した場合に線形補間の補間演算を実行して前記色変換を実行する機能を実現させる。
すなわち、色変換テーブル作成時と、当該色変換テーブルを参照した色変換の実行時の補間演算手法を切り替え可能に構成するとともに、元テーブルの精度に応じて当該補間手法を切り替える。元テーブルにおいて高精度に色を規定してあれば、色変換後の画質を充分良好に維持可能である場合が多いので、かかる場合には線形補間を実行する。一方、元テーブルにて相対的に低精度に色を規定してあっても非線形補間を実施すれば、高精度に補間可能であるので、色変換に伴って画質を良好に維持することができる。この結果、演算速度を低下させることなく画像全体について高精度に色変換を実施することができる。むろん、ここでも前記構成を請求項4〜請求項6に応じた構成に加えることは可能である。
請求項8にかかる発明は、所定の色空間内において所定の参照点密度とされた色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第1カラー画像データとインク量を規定する第2カラー画像データとの対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を前記色空間内の所定領域に限定して該所定領域で前記第一の元テーブルの参照点密度よりも大きい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、をワークエリア上で組み合わせて前記色変換テーブルを作成する際、前記第一の元テーブルの参照点を前記所定の参照点密度となるように補間演算を実行する機能をコンピュータに実現させる補間演算プログラムであって、
前記色変換テーブルを作成するために補間する参照点が前記所定領域内であるか否かを判断し、前記所定領域内であると判断した場合に線形補間の補間演算を実行して前記色変換テーブルの参照点を作成し、前記所定領域内でないと判断した場合に非線形補間の補間演算を実行して前記色変換テーブルの参照点を作成する機能を実現させる。
また、色変換テーブル作成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体や補間演算プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体のみならず色変換テーブル作成プログラムや補間演算プログラムとしても機能する。
さらに、色変換テーブル作成プログラムや補間演算プログラムはコンピュータにおいて実現され、このようなコンピュータを含んだ実体のある装置としても適用可能であることは容易に理解できる。従って、このような装置の発明においても基本的には同様の作用となるし、請求項4〜請求項6に対応した色変換テーブル作成装置も実現可能である。むろん、このような色変換装置は単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としてはこれに限らず、各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。
さらに、本発明によって作成された色変換テーブルを利用して色変換を行う装置や方法も当該発明にかかる技術思想を利用していると言え、請求項14〜請求項16にかかる発明のように色変換装置として本発明を特定することもでき、色変換方法として本発明を特定することもできる。むろん、請求項4〜請求項6に対応した色変換装置や色変換方法も実現可能である。さらに、本発明によって作成された色変換テーブルを利用して印刷を行う装置や方法も当該発明にかかる技術思想を利用していると言え、請求項17にかかる発明のように印刷装置として本発明を特定することもでき、印刷方法として本発明を特定することもできる。また、本発明にかかる補間演算を利用して印刷を行う装置や方法も当該発明にかかる技術思想を利用していると言え、請求項18にかかる発明のように印刷装置として本発明を特定することもでき、印刷方法として本発明を特定することもできる。
(1)本発明の構成:
(2)LUTの構成:
(3)印刷処理:
(4)モノクロ画像の印刷:
(5)高精度色変換:
(6)第2の実施形態:
(7)第3の実施形態:
(8)第4,第5の実施形態:
(9)第6の実施形態:
(10)第6実施形態のLUTの構成:
(11)第6実施形態の印刷処理:
(12)第6実施形態の画像の印刷:
(13)第6実施形態での高精度色変換:
(14)第7の実施形態:
(15)第8の実施形態:
(16)他の実施形態:
図1は本発明にかかる色変換プログラムを実行するコンピュータの概略ハードウェア構成を示しており、図2は当該色変換プログラムが同コンピュータのOSに組み込まれたプリンタドライバ上に色変換モジュール21bとして実現された場合における概略構成図を示している。コンピュータ10は演算処理の中枢をなすCPU11を備えており、このCPU11はシステムバス12を介してBIOSなどの記載されたROM13やRAM14にアクセス可能となっている。
また、システムバス12には外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)15とフレキシブルディスクドライブ16とCD−ROMドライブ17とが接続されており、HDD15に記憶されたOS20やアプリケーションプログラム(APL)25等がRAM14に転送され、CPU11はROM13とRAM14に適宜アクセスしてソフトウェアを実行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリアとして種々のプログラムを実行する。
この例では各プログラムの類はHDD15に記憶されているが、記録媒体はこれに限定されるものではない。例えば、フレキシブルディスク16aであるとか、CD−ROM17aであってもよい。これらの記録媒体に記録されたプログラムはフレキシブルディスクドライブ16やCD−ROMドライブ17を介してコンピュータ10にて読み込まれ、HDD15にインストールされる。そして、HDD15を介してRAM14上に読み込まれてコンピュータを制御することになる。また、記録媒体はこれに限らず、光磁気ディスクなどであってもよい。また、半導体デバイスとしてフラッシュカードなどの不揮発性メモリなどを利用することも可能であるし、モデムや通信回線を介して外部のファイルサーバにアクセスしてダウンロードする場合には通信回線が伝送媒体となって本発明が利用される。
APL25は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者は当該APL25の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させることができる。すなわち、APL25は利用者の指示によりHDD15に記録された画像データ15aをRAM14に読み出して、ディスプレイDRV23を介して当該画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。利用者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。
また、プロパティ画面の右側中央には画像種類の選択を行う画像選択ボックス18bが備えられており、ラジオボタンによって印刷画像がカラー画像であるか、モノクロ画像であるかを選択することができ、ここでの選択に連動して自動で適切なLUTが選択される。むろん、上記印刷のプロパティは一例であり、LUT選択ボックス18aと画像選択ボックス18bとのいずれかを表示するようにしても良いし、LUT選択ボックス18aにてカラー用LUTを選択しているにもかかわらず画像選択ボックス18bにてカラー画像を選択しようとしたときに、所定の警告を行うようにするなど、他にも種々の変更を施すことができる。さらに、このようなLUTの選択は上記PRTDRV21が制御する印刷のプロパティ画面にて実行する他、APL25の一機能として所定の設定画面を表示するなど種々の構成を採用可能である。
すなわち、本実施形態においてはsRGB規格に準拠したデータが第1の画像機器(ディスプレイ18)にて使用される第1カラー画像データであり、CMYKlclmデータが第2の画像機器(プリンタ40)にて使用される第2カラー画像データであり、LUTに規定される両者の階調値の組が参照カラー画像データである。また、本実施形態に言う上記モノクロ画像は低彩度の色を含むモノクロ画像であり、無彩色からなるいわゆるニュートラルグレーの他、ウォーム調やクール調のようにある程度彩度のある色を含んでいる。従って、上記LUT15cにおいてはR=G=Bのデータおよびその近辺の色を含むデータとCMYKlclmの階調値とを対応づけている。一方、一般のカラー画像印刷用のLUT15bはRGBの全階調値に渡って均等に分布された階調値データとCMYKlclmの階調値とを対応づけている。
図4はLUT15bの一例を示しており、同図に示すようにLUT15bではRGBデータとCMYKlclmデータのそれぞれが0〜255の値を有し、各色256階調(8ビット)である。また、sRGBデータについてはRGBの各色成分について階調値を16等分して参照点を形成しており、RGBの各色を軸とする直交空間に形成されるsRGB空間の色立体について、図5に示すように各軸に17個の格子点を与えつつ構成した立方格子が参照点である。従って、参照点数は合計17**3個であり、LUT15bにおいては17**3色についてsRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を規定している。尚、図5において原点OはブラックポイントKであり、原点Oに対向する頂点はホワイトポイントWであり、両者を結んだ直線(グレー軸)上の色は無彩色となる。
すなわち、図6に示すLUT15cではCMYKlclmデータの階調値域が0〜1023(1024階調(10ビット))になっており、LUT15bと比較して2進数で2桁多くの記憶容量が必要である。上記RAM14においては、記憶情報を1バイトすなわち8ビット単位で扱っており、10ビットの情報記憶には16ビットを割り当てるのがRAM14の構成上、また、計算速度上等の観点から好適である。そこで、本実施形態においてはCMYKlclmデータを表現する10ビットの情報について16ビットの記憶容量を割り当てており、上記LUT15bと比較して2倍の記憶容量が必要となっている。従って、上記LUT15bの記憶容量を超えないようにするために参照点数を17**3/2個(約13**3個)にしてある。ここで参照点数を減じると言っても、LUT15cはモノクロ画像印刷用のLUTであるため、モノクロ領域に含まれる色を印刷するのに必要充分な参照点を具備していれば充分である。
同図7に示す切断面S上の複数の格子点Pは、上述のようにsRGB空間の色立体Csについて各軸に17個の格子点を与えつつ構成した立方格子点である。また、切断面Sの中心Glは上記グレー軸と切断面Sとの交点であり、本実施形態にかかるLUT15cではこの中心Gl周りの数点〜十数点を抽出するために中心Glを中心とした円Ciを考え、この円内に存在する格子点PをLUT15cでの参照点として抽出する。
切断面S以外においてもグレー軸に沿って円Ciを考えると、グレー軸を中心とした筒を考えることができ、この筒内に存在する格子点PをLUT15cでの参照点とすれば、グレー軸周りの格子点を抽出することができる。尚、グレー軸の両端、すなわちブラックポイントKとホワイトポイントWとの近辺においてはsRGB空間の色立体が狭まるので、上記グレー軸を中心とした筒の外周と当該色立体の外面との交点より端側では筒内に存在する格子点が減少する。そこで、これら端部においては当該筒外の数点を参照点として抽出するなどしてこの領域の色変換精度を低下させないように調整すること等が可能である。むろん、以上のようなLUT15cの作成作業は一例であり、グレー軸周りの数点〜十数点の格子点を抽出する他、sRGB階調値域が256階調である場合にグレー軸から所定の階調値以内の距離にある格子点を抽出する構成としても良いし、後述するように他の種々の選び方を採用可能である。
ステップS105においては、当該確定したsRGB階調値をLab空間の座標値に変換する。sRGB規格に準拠した画像データは公知の変換式によりLab空間の座標値に変換することができるので、同ステップS105においては変換式に基づいてLab座標へ変換しても良いし、上記参照点による色をディスプレイ18上に表示させ、測色器等によってLab座標を取得しても良い。ステップS110においては、プリンタ40にて実際にモノクロ領域の多数の色パッチを印刷する。これらの各色パッチを印刷したときのCMYKlclmデータを把握しておき、ステップS115では色パッチを測色機にて測色することによってLab空間の座標値に変換する。
以上の結果、sRGBの参照点に該当する色のLab座標値と、CMYKlclmデータに対応づけられた多くのモノクロ領域のLab座標値が得られるので、ステップS120においてはこれらのLab座標値を使用してsRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を規定する。ここで、上記ステップS105とステップS115とで得たLab空間内の座標値は互いに一致しているとは限らず、両データの対応関係は補間演算や最適値探索法等によって求めることができる。補間演算を使用するといっても、上記色パッチを多数印刷して多数の色についてLab座標値を得ておけば正確に対応関係を規定することができる。この結果、図6の左側に示すようなsRGB階調値とCMYKlclm階調値との対応関係を規定したLUT15cを作成することができる。
また、同図の一番上はLUT15bについて示しており、上から2番目はLUT15cについて示している。同図の中段においては、モノクロ画像印刷用のLUTにおいてCMYKlclmデータの階調値域を1024階調(10ビット)〜65536階調(16ビット)とした場合について示しており、参照点数はそれぞれ13**3個である。すなわち、上述のようにRAM14は記憶情報を1バイトすなわち8ビット単位で扱っているので、CMYKlclmデータの階調を9ビット〜16ビットで表現するのであれば、いずれも各参照点の階調表現に16ビットの記憶容量を使用するのが好適である。このように16ビットの記憶容量を使用する場合、上記LUT15bの記憶容量を超えないようにできるだけ多くの確保するのであれば、参照点数は約13**3個となる。図9には図示していないが、むろん9ビットや11ビットでも同様である。
むろん、上記CMYKlclmデータの階調値域を所定の256階調から増加させる構成のみならず、sRGBデータの階調値域を所定の256階調から増加させる構成としても良い。プリンタ40にて6色以外のインクセットを使用する場合には、色成分数が6色以外になる。例えば、CMYKデータであれば4色であるし、CMYKlclmにDYを加えたものであれば7色である。さらに、上述の説明ではLUT15bの総情報量を基準とし、当該総情報量を超えないように他のLUTにおける参照点数や階調値域を増減させていたが、記憶容量に余裕がある場合にはLUT15bを基準としなくても良く、その記憶容量に応じて参照点数と階調値域とを調整可能である。例えば、参照点数を15**3個とし、階調値域を4096階調とする構成等が採用可能である。また、上述のようにRAM14での記憶容量の確保単位がバイト単位である構成が現実的であるものの、かかる構成が必須というわけではなく、ビット単位で記憶容量を確保する構成も可能ではある。
本実施形態において、上記PRTDRV21は上記LUTを適宜使用して色変換を行いつつ、プリンタ40に印刷を実行させる。すなわち、PRTDRV21は印刷を実行するために図2に示す画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。利用者が図3に示す印刷のプロパティ上の印刷ボタンをクリックして印刷実行を指示すると、図10に示すフローに従って印刷処理を実行する。印刷処理が開始されるとステップS200において上記画像データ取得モジュール21aは上記RAM14に格納された画像データ15aを取得する。
すると、ステップS210にて画像データ取得モジュール21aは上記色変換モジュール21bを起動する。色変換モジュール21bは、RGB階調値をCMYKlclm階調値に変換するモジュールであり、同ステップS210にて上記画像データ15aの各ドットデータをCMYKlclmのドットデータに変換する。このとき色変換モジュール21bは上記図3のLUT選択ボックス18aにて選択されたLUTを参照して補間演算を行うようになっており、上記LUT15b,15cのいずれかに基づいて色変換を行う。色変換モジュール21bが色変換を行ってCMYKlclmの階調データを生成すると、ステップS220にて上記ハーフトーン処理モジュール21cが起動され、当該CMYKlclmの階調データが上記ハーフトーン処理モジュール21cに受け渡される。
そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う。このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、ステップS240にて上記パラレル通信用I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40においては当該印刷データに基づいて上記ディスプレイ18に表示された画像を印刷する。このプリンタ40においては、上述のようにCMYKlclm階調値データに基づいてCMYKlclmの各色インクを印刷媒体に付着させる。
次に、上記構成においてモノクロ画像を印刷する際の動作を図11に示す動作概念図に基づいて説明する。図11のディスプレイ18の表示画面は上記APL25の実行画面を示しており、APL25で画像データ15aを読み出すと当該画像データ15aがRAM14に格納され、ディスプレイDRV23の処理によって画像データ15aに基づく画像Aがディスプレイ18上に表示される。APL25においてはディスプレイ18に表示した画像Aに対して種々のレタッチ等を実行可能であるとともに当該画像Aの印刷実行指示を行うことが可能である。同図の実行画面はHDD15に格納されている画像データ15aを読み出して印刷実行指示を行う状態の画面であり、マウス32の操作によってファイルメニュー内の印刷タブを選択することによって印刷実行指示を行うことができる。
ここでは利用者がAPL25にて画像処理を行って低彩度色にて構成されるモノクロ画像とした画像Aを印刷することを想定する。低彩度色にて構成される画像Aは人間の目には大まかにモノクロのように見えるが、その彩度を微妙に調整することによってウォーム調やクール調のように色調の異なる画像とすることができる。LUT15cは上述のようにモノクロ領域の色変換を実行するに必要充分な参照点を具備するとともに、CMYKlclmデータの階調値が256階調よりも多い1024階調であることから、LUT15cを参照して色変換を実行すると、モノクロ領域の色を高精度で変換することができる。
すなわち、プリンタ40においては上記変換後の色を使用した画像Bが印刷され、この画像Bにおいては256階調より多階調の1024階調のデータに基づいて印刷がなされることになるので、色の微妙な変化も忠実に再現することが可能であり、モノクロ画像におけるウォーム調やクール調等の微妙な色調を忠実に再現するようにして印刷を行うことができる。また、ディスプレイ18にて表示した画像Aと印刷された画像Bとの色調はほぼ同一であり、この意味で両者のカラーマッチングがなされていると言える。
ここで、上記LUT15cは図7に示すように、所定のモノクロ領域内の参照点についてsRGB規格に準拠したRGBの階調データとプリンタ40において使用するCMYKlclmの階調データとを対応させたテーブルであり、上記ステップS210においてはこれらの参照点に基づいて補間演算を行うことによって任意のRGB階調値とCMYKlclm階調値とを対応づけているが、補間演算の手法としては公知の種々の技術が適用可能である。例えば、線形補間演算やスプライン補間演算等を採用可能である。また、LUT15に備えられた参照点を補間演算によってより多数の参照点に展開し、当該展開された参照点をRAM14にバッファリングするとともに当該RAM14内の参照点を参照してさらに補間演算を実行するように構成すること等も可能である。
以下、モノクロ画像におけるウォーム調やクール調等の微妙な色調を忠実に再現するようにして印刷可能となる様子を詳細に説明する。図12は、R=G=Bすなわち、ニュートラルグレーを示すsRGB階調値データに対する理想的なCMYKlclm階調値データを示している。同図において、sRGBの階調値が増加すると無彩色であるKインク以外のインク階調値が有限の値を有するようになり、無彩色の印刷結果を得るために有彩色の複数のインクを組み合わせてメディアに付着させている。また、以上のように有彩色インクの組み合わせによって色を表現しているので、有彩色インクのバランスを変化させることによって低彩度の有彩色からなるモノクロ画像において上記ウォーム調やクール調等色調の変化を付けることができる。
上記LUTは図12に示す様な理想的な対応関係に基づいてsRGB階調値データとCMYKlclm階調値データとを対応づけるテーブルであるが、LUT15bにおいてはCMYKlclm階調値データが256階調であることから、図12に示す理想的な対応関係を精度良く規定するに不十分となる場合がある。そこで、LUT15cのようにCMYKlclmデータの階調値域を増加させることによってより高精度に色変換を可能にすることができる。尚、以下の説明では図12に従ってR=G=Bの階調値データについて説明するが、本発明に言うモノクロ領域の色、すなわち低彩度有彩色であっても同様の理由によって色変換精度が向上する。
このように、LUT15cにおいてはCMYKlclmデータの階調値域を増加させているので、LUT内の参照点について正確な階調値を規定することができる。本発明においてはLUT内の参照点の階調値精度が向上する他、上記色変換モジュール21bにおける色変換精度をも向上することができる。すなわち、色変換に当たってはLUT内の参照点を参照して線形補間演算により任意の色の対応関係を算出しているが、本発明にかかるLUTによってこの線形補間演算の精度も向上する。
このように、CMYKlclmデータの階調値域が増加すると、LUT自体の精度が向上するとともに補間演算の精度も向上し、高精度に色変換を実行することが可能になる。尚、上述のように色変換の精度を向上する効果はハイライト部で特に効果的である。すなわち、ハイライト部は図12に示すsRGB階調値データの階調値が大きな領域であり、この領域においてはlmlcYインクしか使用しておらず、またそのインク階調値も小さいので印刷時のインク吐出量が小さい。従って、階調値の変化に伴う色の変化を少ないインク量の変化で表現する必要があり、インク階調値域が大きいことによってこのような微妙なインク量の変化を適切に反映したLUTとすることができる。上記図12は無彩色についての図であるが、むろん、精度向上効果は有彩色でも同様にハイライト部で非常に効果的である。
インク階調値域を増加させることによる精度向上効果は高解像度のプリンタにおいて特に顕著に現れるが、多くのプリンタにおいてLUT15bとLUT15cを比較すると、プリンタ自体の解像度を向上させなくても精度向上効果が現れる。プリンタ40においては上記ハーフトーン処理モジュール21cがハーフトーン処理を行っており、インク滴による階調表現はこのハーフトーン処理に大きく影響を受ける。すなわち、当該ハーフトーン処理においてはいわゆるディザ法や誤差拡散法を使用しており、これらの処理法ではCMYKlclmデータの階調値について所定のしきい値を使用してドットの吐出/非吐出を決定することから、このしきい値が256階調(LUT15b)であるのか、それ以上の階調(LUT15c)を使用できるのかによって処理後の階調に大きな影響を与える。
従って、1024階調の場合であってしきい値がA〜Bの間にある場合に、ドットD1〜D3に対して非常に細かいしきい値判断をすることができる。256階調の場合はしきい値がA,Bのいずれかになってしまうので、1024階調と比較して粗い判定になり、ハーフトーン処理後のドットの吐出/非吐出が全く逆になることもある。印刷後の画像を巨視的に見たときにこの差異が画質に大きな影響を与え、結果として階調値域が大きい方がより細かい階調表現を実現することができる。
このように、本発明においてはLUTの参照点数を減じることによって参照点の色をより多階調で規定することができればよく、LUTの参照点数を減じるための手法は、上述のようにsRGB空間中の色立体を立方格子としたLUT15bの参照点からグレー軸近辺の数点〜十数点を抽出する手法の他、種々の手法を採用可能である。図18,図19はLUT15bにおける参照点位置とは無関係にLUT15cの参照点を規定し、LUT15bより少ない参照点数とする場合の手法について説明する説明図である。
両図は、sRGB空間中の色立体Csを(RGB)=(0,0,255),(0,255,0),(255,0,0)の三点を通る平面で切断し、原点O側からグレー軸に沿って眺めた状態を示す斜視図である。図18においては、切断面S1の中心Gl1を中心として、その周りに5×5個の正方格子点P1を抽出している。このように格子点P1は上記LUT15bの参照点位置によらず任意の位置に規定することができ、モノクロ領域として必要となる色が含まれるように容易に調整することができるし、当該モノクロ領域における色変換精度の向上のために格子点P1の間隔を適宜調整すること等も容易である。
図19においては、切断面S2の中心Gl2を中心とした六角形の頂点とその辺および中心Gl2に該当する位置に格子点P2を抽出している。ここにおいても更新点P2は上記LUT15b参照点位置によらず任意の位置に規定することができる。また、中心Gl2を中心として略点対称の格子点を抽出することができるので、本発明に言うモノクロ領域をより容易にカバーすることができる。尚、図18,19においてグレー軸の両端部では色立体が狭くなるので、当該両端部では格子点P1,P2同士の間隔を狭くしたり、正方格子や六角形格子の形状を崩して格子点を採用するなど適宜変更することができる。
本発明においてLUTの参照点数を減じる際にその参照点の位置は任意に決定することができるので、参照点の位置を適宜変更することによりモノクロ領域での色変換精度をより向上させることができる。図20は、ハイライト部およびシャドー部での参照点数を中明度域より多くすることによってモノクロ画像全体の色変換精度を向上させる際の参照点の選び方を示す図である。同図はsRGB空間の色立体を示す透視斜視図であり、ブラックポイントK(原点O)とホワイトポイントWを結んだ直線にて構成されるグレー軸を示している。
同図に示すグレー軸上の点P3はグレー軸においてLUT15cの参照点として抽出される複数の座標点であり、当該グレー軸の両端に近づく程点P3同士の間隔が狭くなるように構成してある。グレー軸の周りの参照点は当該グレー軸が向かい合う頂点を通過するような複数の立方体Cbを基準にして選定される。図21は当該立方体Cbの一つを示す斜視図である。同図においては立方体Cbの各頂点をCb1〜Cb8としており、グレー軸上の頂点は頂点Cb1,Cb7である。
このように、平面S3’,S4’上の三角形の頂点を参照点として抽出する構成において、立方体Cbの頂点Cb1,Cb7間隔がグレー軸の位置によって変動するので、平面S3’,S4’上の参照点間隔も変動する。すなわち、ハイライト部やシャドー部に近い立方体Cbでは頂点Cb1,Cb7の距離が小さいので、立方体Cbの各面の対角線(例えばCb2−Cb4)の距離も小さくなる。従って、平面S3’,S4’に形成される三角形も小さくなり、この結果参照点の間隔が狭くなる。参照点の間隔が狭いと、三角錐補間等の補間演算に際して空間的に近い参照点を参照して演算を実行することができるので、補間演算の精度が向上する。
尚、上記構成は一例であり、ハイライト部のみあるいはシャドー部のみについてグレー軸上の点P3の間隔を狭めるように構成しても良いし、グレー軸の周りに平面S3’,S4’を確保できない程グレー軸の端に近づいている場合は当該平面S3’,S4’上記形成する三角形数を減じたり、参照点の位置をグレー軸に沿って平行に移動させたりするなど適宜参照点位置を変更可能である。
本発明においてはLUTの参照点数を減じることによって参照点の色をより多階調で規定することができればよく、多階調とする参照点が属する所定領域は上記モノクロ領域に限られない。例えば、良好な画質を得るために高精度の色変換が要求される肌色や、印刷装置の色域をより有効に使用して鮮やかな発色が可能な青色を含む領域を所定領域とすることができる。図22,図23はRGBの各色を軸とする直交空間に形成されるsRGB空間の色立体を示すとともに、図22において所定領域として肌色を含んだ領域を確保した場合を示し、図23において所定領域として青色を含んだ領域を確保した場合を示している。
図22に示す所定領域Arは肌色(R=255,G=204,B=153)を含む領域であり、肌色自体の他、肌色に近い色を含んでいる。すなわち、領域Arは肌色のRGB値を含むとともに、当該肌色に対してB成分およびG成分が小さい色を比較的多く含む立体である。この領域Ar内の参照点としては、例えば領域ArをGB平面に平行な複数の面で切断し、当該切断面上で複数の参照点を選定したり、領域Ar内に当該領域Arを貫く所定の曲線を考えるとともに当該曲線の周りに数点〜十数点の参照点を選定するなど種々の手法にて選定可能である。
従来の3次元LUTのための記憶領域を総情報量の限度とした場合、領域Ar内の参照点においては、sRGB空間で領域Arを制限したことによって節約された情報量に該当する記憶容量を参照点の色をより多階調に表現するための記憶容量として使用可能であり、より高精度に色変換可能である。また、肌色の変化がより滑らかになるように変換可能な色変換テーブルとすることによって、人間を撮像したデジタルカメラ画像等において肌色の微妙な変化を表現することができ、色変換後の画像をより良い画質にすることができる。むろん、上記図22に示した領域Arは一例であり、要求される参照点数,総情報量等に応じて図22に示したものより広くあるいは狭くしたり形状を変更すること等が可能である。
この場合も参照点を選定する領域を制限することにより節約された情報量に該当する記憶容量を、参照点の色をより多階調に表現するための記憶容量として使用可能であり、より高精度に色変換可能である。また、青色をより鮮やかな色に対応づける色変換テーブルとすることによって、ディスプレイやデジタルカメラで表現できなかい鮮やかな青色を発色するように色変換させることも可能となり、特に海や緑の多い画像において色変換後の画像をより良い画質にすることができる。むろん、上記図23に示した領域Ar’は一例であり、要求される参照点数,総情報量等に応じて図23に示したものより広くあるいは狭くしたり形状を変更すること等が可能である。
さらに、本発明においては、必要な記憶量を抑制しつつ高精度の印刷を行うために色空間の一部について高精度に色を規定するデータを利用して印刷制御を行う第6実施形態を構成することもできる。この第6実施形態は上記図1に示す概略ハードウェアと同様の構成によって実現可能であり、このハードウェアにおいて図24に示す構成を採用することによって高精度に色変換可能な色変換テーブルでの印刷が実行可能である。尚、同図24において、図2と共通の構成には共通の符号を付している。また、上記第1の実施形態ではプリンタ40に搭載するインクの色数が6色である場合について説明したが、この第6実施形態ではインクの色数が4色である場合について説明する。
すなわち、本実施形態においては、上記HDD15に上記元テーブルとして複数のLUT15b1〜15n1・・・が保存されており、色変換時にPRTDRV21の色変換モジュール21bがRAM14上に上記色変換テーブルとしてのリビルドLUTを作成し、当該リビルドLUTを参照して色変換を実行するようになっており、デフォルトとしては高精度のLUTを使用せずにリビルドLUTを作成するものの、オプションを選択すると、高精度のLUTを使用してリビルドLUTを作成する。
また、LUTとしては、8ビットの階調数にて色を規定するとともに色空間略全域に渡って均等に17**3個の参照点を有するLUTと、色空間の一部の領域にて高精度としてあるとともに、当該一部の領域について、16ビットの階調数にて色を規定したLUT,当該一部の領域について参照点密度が多いLUT,一部の領域について16ビットの階調数にて色を規定するとともに参照点密度が多いLUTが予め用意してある。オプション選択エリア18aには、本発明にかかる色変換テーブルの作成を実施するか否かを入力するLUTオプション選択チェックボックス18a1とハイライト,シャドー,その双方のいずれについて高精度のLUTを使用するのかを選択するラジオボタン18a2と肌色,グレー,青色,赤色のいずれの色領域について高精度のLUTを使用するのかを選択するラジオボタン18a2とを備えている。
また、後に詳述するように、ラジオボタン18a2にて「ハイライト高精度」が選択されているときに高精度のLUTとして16ビットの階調数にて色を規定したLUTを使用し、「シャドー高精度」が選択されているときに高精度のLUTとして参照点密度が多いLUTを使用し、「ハイライト&シャドー高精度」が選択されているときに高精度のLUTとして16ビットの階調数にて色を規定するとともに参照点密度が多いLUTを使用する。
いずれにしても、本実施形態においては高精度のLUTを使用し、または使用しないで作成したリビルドLUTにて色変換を実行させることが可能であるし、使用する高精度のLUTも選択可能である。むろん、プリンタ40にて使用可能なメディアやインクセット毎に異なるLUTを作成し、選択可能に構成することもできる。尚、本実施形態において上記画像データ15aはRGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠したデータである。LUTは、当該sRGBの階調値とプリンタ40にて使用するCMYKの4色の階調値とを対応づけるテーブルである。
すなわち、本実施形態においてはsRGB規格に準拠したデータが第1の画像機器(ディスプレイ18)にて使用される第1カラー画像データであり、CMYKデータが第2の画像機器(プリンタ40)にて使用される第2カラー画像データであり、両者の対応関係が規定される各色がLUTにおける参照点である。また、上記グレーは低彩度の色も含み、無彩色からなるいわゆるニュートラルグレーの他、ウォーム調やクール調のようにある程度彩度のある色を含んでいる。
図26はHDD15に保存されるLUTの例を示しており、同図左側では8ビットの階調数にて色を規定するとともに17**3個の参照点を有するLUT15b1を示し、同図右側では色領域の一部にて高精度としてあるとともに当該一部の領域について16ビットの階調数にて色を規定したLUT15c1を一例として示している。尚、LUT15c1は肌色領域に含まれる色について16ビットの階調数で色を規定したLUTである。
LUT15c1は図26の右側に示すようにRGBデータが0〜255の値を有し各色256階調であるが、CMYKデータは0〜65535の値を有し各色65536階調に増加させてある。すなわち、CMYKの各色についてはより細かい色の指定が可能になっている。本実施形態においてLUT15c1の参照点数xはx<17**3となっており、CMYKデータの階調値域を増加させる代わりに参照点数を減じている。すなわち、当該LUT15c1の記憶に必要とされる記憶容量をむやみに増加させないようになっている。
当該LUT15c1に規定された参照点をsRGB空間中にプロットすると、上記図27の右側に示すような立体となる。すなわち、LUT15c1において参照点相互の間隔は上記LUT15b1と同様である。同図に示すように、LUT15c1の参照点は肌色(R,G,B)=(255,204,153)の周りの所定領域に分布しており、このLUT15c1を使用してリビルドLUTを作成することにより、当該所定領域内の色を高精度に色変換可能なリビルドLUTを作成することができる。
このLUT15d1を使用してリビルドLUTを作成すると、やはりLUT15d1の参照点が含まれる領域内の色を高精度に色変換可能なリビルドLUTを作成することができる。LUT15b1,15d1を使用してリビルドLUTを作成する場合のように、sRGB空間中の参照点密度が異なる場合には、まず、参照点密度の低いLUT15b1の参照点を線形補間にて補間し、全33**3個の参照点にするとともにLUT15d1と同様の参照点間隔とする。そして、補間後のLUTにおいてLUT15d1と同位置の参照点をLUT15d1の参照点データで上書きする。
このLUT15b1,15e1を使用してリビルドLUTを作成するときには、まず、参照点密度の低いLUT15b1の参照点を線形補間にて補間し、全33**3個の参照点にする。さらに、補間後の各参照点に規定されたCMYKデータの階調値を256倍して見かけ上全色16ビットの階調数とし、LUT15e1にて規定されている色については当該LUT15e1で上書きする。このようにして作成したリビルドLUTでは、色の階調数を増加させた場合の後述するメリットと参照点密度を増加した場合の後述するメリットとを併有させつつ色変換を行うことができる。
図33に示すLUT15f1,15g1,15h1では、sRGB空間中のブラックポイントBからホワイトポイントWを結んだ直線周りの所定領域内の色についてsRGBデータとCMYKデータとの対応関係が規定されている。これらのLUT15f1,15g1,15h1においては、上記ブラックポイントBとホワイトポイントWとを結ぶ直線を軸とした所定の円柱を考え、この円柱内であってsRGB色空間内である領域R1の色について参照点を規定する。具体的には、図33の左側に示すLUT15b1と同様の参照点を考え、上記円柱内に存在する参照点にてCMYKデータを16ビットの階調数で規定したり、上記円柱内に存在する参照点の中間に新たな参照点を設けるとともにその点におけるCMYKデータを規定したり(33**3格子点相当)、16ビットの階調数で規定するとともに参照点密度を増加させることによってグレー領域にて高精度に色を規定したLUTとすることができる。
上記各LUTを作成するのための一連の処理としては上記図8に示すフロート同様である。この第6実施形態ではインク色数が4色であるので、ステップS115では、CMYKの色パッチをLabに変換する。また、ステップS100では、上記図27,30,32〜34に示したようなsRGB空間中の参照点を決定する。この処理の結果、上記各LUTを作成することができる。むろん、各色について8ビットで規定するより16ビットで規定する方が誤差が少なく正確に色を規定することができる。
本実施形態において、上記PRTDRV21は利用者の選択に基づいて上記LUT15b1単独あるいは上記LUT15b1と他のLUT15c1等とを組み合わせてリビルドLUTを作成し、当該リビルドLUTを参照して色変換を行いつつ、プリンタ40に印刷を実行させる。すなわち、PRTDRV21は印刷を実行するために図24に示す画像データ取得モジュール21aと色変換モジュール21bとハーフトーン処理モジュール21cと印刷データ生成モジュール21dとを備えている。上記色変換モジュール21bは、HDD15から所定のLUTを選択抽出してRAM14にLUT14a,bとして格納し、当該格納したLUT14a,bについてリビルド処理を行ってリビルドLUT14cを作成してRAM14に格納するリビルド部21b1を備え、当該RAM14に格納されているリビルドLUT14cを参照して補間演算によって上記画像データの任意色についての色変換を実施する補間演算部21b2を備えている。
色変換モジュール21bでは、後述のフローチャートに従ってリビルド部21b1が利用者が高精度のLUTを使用したリビルドを選択しているか否か、また、選択している場合にはいずれのLUTを選択しているのかを判別するとともにRAM14にLUT14a,bとして格納し、これらを組み合わせてRAM14にリビルドLUT14cを作成する。リビルド部21b1がリビルドLUT14cを作成すると、補間演算部21b2は補間演算により上記画像データ15aの各ドットのsRGBデータをCMYKデータに変換する。色変換モジュール21bが色変換を行ってCMYKデータを生成した後の処理は上記図10と同様である。
ステップS300にてLUTオプションを選択していると判別されたときにはステップS310にて上記図25に示すラジオボタン18a2にて「ハイライト高精度」,「シャドー高精度」,「ハイライト&シャドー高精度」のいずれが選択されているのかを判別する。ステップS310にて「ハイライト高精度」が選択されていると判別されたときには、ステップS320にて16ビットの階調数で色を規定したLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。ステップS310にて「シャドー高精度」が選択されていると判別されたときには、ステップS330にて参照点密度の高いLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。ステップS310にて「ハイライト&シャドー高精度」が選択されていると判別されたときには、ステップS340にて16ビットの階調数で色を規定するとともに参照点密度の高いLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。
ステップS350では、上記図25に示すラジオボタン18a3にて「肌色」,「グレー」,「青色」,「赤色」のいずれが選択されているのかを判別する。ステップS350にて「肌色」が選択されていると判別されたときには、ステップS360にて肌色およびその周辺の色について高精度としたLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。ステップS350にて「グレー」が選択されていると判別されたときには、ステップS362にてグレーおよびその周辺の色について高精度としたLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。ステップS350にて「青色」が選択されていると判別されたときには、ステップS364にて青色およびその周辺の色について高精度としたLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。ステップS350にて「赤色」が選択されていると判別されたときには、ステップS366にて赤色およびその周辺の色について高精度としたLUTを使用する旨を示すフラグをオンにする。
ステップS380では、選択されているLUTに基づいてRAM14上にリビルドLUT14cを生成する。すなわち、上記ステップS300にてLUTオプションを選択していると判別されないときには、上述のようにLUT15b1のみを使用してリビルドLUT14cを作成する。ステップS370の直後にステップS380が実行される場合には、当該ステップS370にて選択されているLUTに応じてリビルドを実行する。例えば、16ビットの階調数にて色を規定するLUT15c1,15f1,15i1,15l1においてはLUT15b1をRAM14に転送する際にCMYKデータの階調値を256倍して見かけ上全色16ビットの階調数とし、RAM14にLUT14aとして格納する。LUT15c1,15f1,15i1,15l1はそのままRAM14に転送してLUT14bとし、LUT14aにて規定されている色のうち、LUT14bにて規定されている色を当該LUT14bの値で上書きする。この結果生成されたLUTがリビルドLUT14cである。
16ビットの階調数にて色を規定するとともに参照点密度の多いLUT15e1,15h1,15k1,15n1においては、LUT15b1の参照点を線形補間にて補間し、全33**3個の参照点にするとともに、補間後の各参照点に規定されたCMYKデータの階調値を256倍してRAM14にLUT14aとして格納する。LUT15e1,15h1,15k1,15n1はそのまま転送してLUT14bとし、LUT14aにおいて規定されている色のうち、LUT14bにて規定されている色を当該LUT14bの値で上書きする。この結果生成されたLUTがリビルドLUT14cである。ステップS380においてRAM14上にリビルドLUT14cを生成した後は、ステップS390において当該リビルドLUT14cを参照して上記画像データ15aの色変換を実施する。
次に、上記構成においてモノクロ画像を印刷する際の動作を図37に示す動作概念図に基づいて説明する。図37に示すディスプレイ18の表示画面は上記APL25の実行画面を示しており、APL25で画像データ15aを読み出すと当該画像データ15aがRAM14に格納され、ディスプレイDRV23の処理によって画像データ15aに基づく画像Aがディスプレイ18上に表示される。APL25においてはディスプレイ18に表示した画像Aに対して種々のレタッチ等を実行可能であるとともに当該画像Aの印刷実行指示を行うことが可能である。同図の実行画面はHDD15に格納されている画像データ15aを読み出して印刷実行指示を行う状態の画面であり、マウス32の操作によってファイルメニュー内の印刷タブを選択することによって印刷実行指示を行うことができる。
ここでは利用者がAPL25にて人間の肌色を含む画像Aを印刷することを想定する。APL25にて印刷実行指示を行った後は、上記図25に示す印刷のプロパティが表示され、利用者はこの画面にてLUTオプションを選択することができる。人間の肌色を含む画像Aにおいては、当該肌色の発色によっては画像の善し悪しが非常に異なった印象となる。すなわち、人間の肌色がくすんでいるとその人間が非常に不健康に見えるし、逆に赤みのある肌色であれば健康的に見え、ひいては画像の善し悪しの印象に多大な影響を与える。従って、肌色を高精度に色変換可能であれば、元の画像の肌色を忠実に再現可能であり、色変換に伴って画質が劣化するような印象を防ぐことができる。
尚、上記LUT15c1〜15n1のいずれにおいても当該LUT内の全色について変換精度を向上させるが、上記16ビットの階調数にて色を規定するのか、高参照点密度で色を規定するのかによって変換精度向上効果が顕著に現れる色領域が異なってくる。すなわち、ハイライトは少ないインク量で色を表現することから、CMYKデータの階調値変化に伴う色の変化を少ないインク量変化で表現する必要があり、ある階調値でのインク量をより正確に規定するために16ビットの階調値で色を規定すると好適である。一方、シャドーにおいてはインク量の増加に伴って色の変化量が急激に小さくなる。このように、階調変化に伴う色の変化量が急激に変化する場合には補間点が参照点から遠い程、線形補間にて得られる補間色と理想的な色との誤差が大きくなるので、当該シャドーにおいては参照点密度を高くすると好適である。
次に、一部の色領域について高精度に色を規定したLUTに基づいて作成したリビルドLUTにて色変換を実行するとディスプレイ18上の色を忠実に再現した画像にて印刷可能となる様子を詳細に説明する。図38はR=255,B=111,G任意のsRGBデータに対する理想的なCMYKの階調変化例を示している。このsRGBデータの一部、すなわち値域Pの色は上記LUT15c1〜15e1が規定する肌色およびその周辺の色に含まれている。以下、この肌色領域を例にして説明する。
LUT15b1とLUT15d1とでは参照点が異なることにより、これらのLUTを参照して補間演算を実施した場合にその補間精度が著しく異なってくる。尚、任意の色の対応関係は、LUTの参照点を3次元的に捉え、参照点にて構成される三角錐等を用いて線形補間演算にて決定されるが、ここでは簡単のため図39に基づいて2次元的に説明する。G=180におけるMデータを補間することを考えると、LUT15b1においてはG=180に最も近い2点、すなわちG=176,192を参照し、これらとG=180との相対的な差を重みとしてそれらの点におけるMデータ(80,63)の加重平均を取る。この結果、上記2つの●を結んだ直線とG=180から延ばした垂線との交点P1が補間点として得られる。
一方、LUT15d1においても補間手法は同様であるが、G=180に最も近い2点はG=176とG=184になるので、これらを参照して補間演算を行うと点P2が補間点として得られる。点P1と点P2とを比較すると、点P2の方がより上記理想的なMの階調に近く、より高精度に補間が実施可能である。従って、LUT15b1とLUT15d1を組み合わせて作成した上記リビルドLUT14cにおいても当該肌色領域については高精度に補間を実施することができ、画像の色を忠実に再現するように印刷を実行することができる。
これに対し、LUT15c1は階調数が65536であるから、LUT15b1より256倍の精度でMデータの値を決定することができ、○に示すように理想的なMの階調にほぼ等しい値とすることができる。従って、LUT15b1とLUT15c1を組み合わせて作成した上記リビルドLUT14cにおいても当該肌色領域については理想的な階調通りに色を規定することができ、画像の色を忠実に再現するように印刷を実行することができる。むろん、色を正確に規定することによって補間精度も向上する。
このように明度ピッチが大きいと、LUT15b1のデータにより色自体を規定する精度と補間を実行する際の精度とが低下するので、このような高明度の色について高精度のLUTとLUT15b1とを組み合わせてリビルドLUT14cを生成すると、高明度の色変換精度が維持されて画質を低下させることなく色変換することができる。特に、16ビットの階調数にしたLUT15c1等においては、インク量M1,M2の間をさらに256分割したΔMをピッチでインク量を規定することができ、この結果、明度L1,L2の間を256分割したΔLピッチで明度を変化させることができ、より正確に色を規定することができる。
むろん、プリンタ40の性能限界を超えてまで細かいピッチで明度変化をさせることはできないが、当該プリンタ40の性能にて表現可能な範囲内において細かいピッチで明度変化させることができ、LUT15c1のように16ビットの階調数にしたLUTは高明度領域において非常に効果的に精度向上に寄与する。これに対し、低明度の色においては図41に示すようにインク量変化に対する明度の変化がハイライトより小さい。従って、インク量Mの最小ピッチに対する明度変化がハイライトより著しく小さく、インク量ピッチを細かくしてもハイライトよりその効果が現れにくい。そこで、本実施形態においては、上記図25のラジオボタン18a2にて「ハイライト高精度」が選択されたときに、上述のようにステップS320にて16ビットの階調数で色を規定したLUTを使用する旨を示すフラグをオンにすることにしている。
図43に示す曲線は理想的なMデータの階調変化であり、LUT15b1においは縦軸の●から横軸に平行に延ばした直線と当該曲線との交点に該当する横軸の値M5,M7をMデータとして参照点としている。(むろん、RBデータおよびCYKデータも規定されている)ここで、これらの●を使用して線形補間を行う場合を上記と同様に2次元的に考えると、これらの●から生成される補間点は当該●を結んだ直線上に存在する。一方、LUT15d1は○を参照点として有していることから、線形補間時に○と●とを結んだ直線上の値を補間点として算出することができ、LUT15b1と比較して非常に高精度に補間を実行することができる。
これに対し、ハイライトにおいては図41に示すようにインク量の変化と明度変化とは直線的である。従って、図43に示すような低明度領域と比較してハイライト部においては参照点密度を増加させることによる精度向上効果は現れにくい。そこで、本実施形態においては、上記図25のラジオボタン18a2にて「シャドー高精度」が選択されたときに、上述のようにステップS330にて16ビットの階調数で色を規定したLUTを使用する旨を示すフラグをオンにすることにしている。
上記実施形態の高精度LUTにおいては、当該LUT内に含まれる総ての色成分について高精度になるようにしていた。しかし、全色についてではなく特定の色についてのみ高精度になるように、すなわち256階調より多い階調数で色を規定する構成を採用することもできる。かかる構成においては、上記第1の実施形態と同様のハードウェアおよびほぼ同様の処理で実現することができ、予め用意しておくLUT15c1等の内容が異なる。特定の色についてのみ高精度になるように構成する際の色の選択指標は種々のものがあるが、インクの吐出量−明度特性に基づいて高精度に規定する色を決定することが可能である。
すなわち、上記図41に示すように、各インクによって吐出量と明度との相関関係が異なり、吐出量を最小から最大まで変化させたときの明度変化量はYインク(ΔY)が一番小さく、CMインクは互いに同程度(ΔCM)であるとともにYインクの変化量より大きく、Kインクは一番大きい(ΔK)。ここで、図41に示すようにΔCMはΔYの約2倍であり、ΔKはΔYの約3倍である。従って、CMYKインクについて同階調数のデータとした場合には、1階調における明度変化量はΔYが一番小さく、ΔCM,ΔKの順で大きくなる。
1階調における明度変化量が大きくなると、それに従って色を規定する精度が低下するので、同階調数であればKインクの精度が一番低く、次にCMインクの精度が低くなる。そこで、本発明にかかる高精度のLUT150cとして、CMKインクのいずれかまたは組み合わせについて16ビットの階調数として色を規定すれば、これらの色について他の色との相対的な精度を落とすことなく正確に規定することができる。リビルドLUT14cを生成する際には、本実施形態にかかる高精度のLUT150cとLUT15b1とについて8ビットのデータを256倍して16ビットとし、当該256倍後のLUTの一部の参照点をLUT150cに規定されている参照点のデータで上書きする等の処理を行えばよい。
6色インクを搭載するプリンタのLUT150bでは、同図に示すようにマゼンタ系のインクとシアン系のインクについて濃インク(CM)と淡インク(lclm)があり、濃淡インクを組み合わせることによってsRGBデータの色を正確に規定することができる。しかし、Yインクについては1色の吐出でsRGBデータの全階調値に対応しており、マゼンタ系およびシアン系より細かな色の規定が困難である。
そこで、本発明にかかる高精度のLUT150dとして、Yインクについて16ビットの階調数として色を規定すれば、他の色との相対的な精度を落とすことなく正確に規定することができる。リビルドLUT14cを生成する際には、本実施形態にかかる高精度のLUT150dとLUT15b1とについて8ビットのデータを256倍して16ビットとし、当該256倍後のLUTの一部の参照点をLUT150dに規定されたYインクのデータで上書きする等の処理を行えばよい。
以上のように特定の色についてのみ高精度になるように規定したLUT150c等を使用しても、高精度色変換の結果、画像全体で確実に画質を向上することができる。すなわち、グレー領域,肌色およびその周辺の色が含まれる領域,青色およびその周辺の色が含まれる領域、赤色およびその周辺の色が含まれる領域のいずれにおいてもCMYKインクやlclmインクが含まれているので、上記CMKインクについて256階調より多い階調数で色を規定したり、Yインクについて256階調より多い階調数で色を規定すれば、多い階調数で規定された色成分についての色変換精度が向上し、この色成分を含む上記グレー等の色が元の画像データによる色に忠実に表現されるようになる。
上述の実施形態においては、リビルド部21b1にてLUT14aとLUT14b等を組み合わせる際の補間や補間演算部21b2にてリビルドLUT14cを参照して色変換を実行する際の補間は線形補間であったが、補間の際に参照される複数の参照点に規定された色の階調値相互の関係が非線形である場合にはスプライン補間を使用した方が補間精度が向上する。従って、上記リビルド部21bや補間演算部21b2における補間の際にスプライン補間を実施しても良い。
また、スプライン補間の方が線形補間より精度が向上する場合が多いが、スプライン補間の方が線形補間より時間がかかるので、精度向上効果と演算速度との兼ね合いで適切な補間手法を適宜選択する構成も可能である。図45は上記補間演算部21b2において補間時に参照する参照点の色によって補間手法を切り替える構成を示すブロック図である。この実施例においては上記実施形態とほぼ同様のハードウェア構成およびソフトウェア構成で実現することが可能であり、色変換モジュール21bの構成が異なっている。
以下、上記実施形態と同様の構成については同符号を付して説明する。本実施形態にかかる色変換モジュール21bの補間演算部21b2は、スプライン補間演算が可能なスプライン補間部21bs2と線形補間演算が可能な線形補間部21bl2と画像データを補間する際に参照する参照点のCMYKデータについてしきい値による判別処理を実行可能なCMYKしきい値判定部を備えている。CMYKしきい値判定部21bは上記画像データ15aを取得し、RGBデータをCMYKデータに変換する際にリビルドLUT14cを参照し、補間演算に使用される参照点のCMYKデータを参照し、CMYKの各色成分についてのインク吐出量を判定する。
そして、吐出量が最大吐出量の50%以上になるインクが存在するか否か判定し、吐出量が最大吐出量の50%以上になるインクが存在する場合は当該RGBデータについてスプライン補間部21bs2によって補間演算をしてCMYKデータに変換するよう設定する。吐出量が最大吐出量の50%以上になるインクが存在しない場合は線形補間部21bl2によって補間演算をしてCMYKデータに変換するよう設定する。むろん、両補間演算時に参照されるLUTはリビルドLUT14cである。
むろん、上記しきい値は一例であり、CMYKの各色についてそれぞれしきい値判別をするのではなく、複数あるいは総ての色の組み合わせについて考慮し、デューティ制限のX%以上(X<100)になる場合にスプライン補間を実行するように構成すること等も可能である。また、補間演算部21b2だけではなく、リビルド部21b1にて補間手法を切り替えることも可能である。例えば、LUT15b1についてはスプライン補間によって参照点を形成し、LUT15c1については線形補間によって参照点を形成したり、LUT15d1の参照点密度がリビルドLUT14cの参照点密度に満たない場合に当該LUT15d1について線形補間によって参照点を形成する構成が採用可能である。かかる構成においては、LUT15c1,15d1は16ビットの階調数あるいは高参照点密度となっていることにより充分な色変換精度が確保されているとして線形補間を実行し、その他の参照点についてスプライン補間によって精度を確保することになる。
上述の実施形態においては、予めLUT15b1〜15n1を用意し、上記図25における印刷のプロパティにおいていずれLUTをオプションとして使用するのかを選択することができた。むろん、これらのLUTは一例であり、他の色について高精度に色を規定したLUTを用意したり、LUT15b1〜15n1の一部について予め用意してこれらを選択可能に構成しても良い。例えば、16ビットの階調数で色を規定したLUTと高密度の参照点を有するLUTと双方の特性を具備したLUTのいずれかを選択するのではなく、これらのいずれかのLUTを予め用意するとともに、印刷プロパティにおいては高精度にするか否かのみ選択させる構成等が採用可能である。
また、16ビットの階調数で色を規定したLUTと高密度の参照点を有するLUTとはそれぞれハイライト、シャドーにて顕著な効果があるものの、16ビットの階調数で規定したLUTでもシャドー部の色変換精度が向上するし、参照点密度が大きなLUTでもハイライト部の色変換精度が向上する。従って、印刷のプロパティ上に表示する文言も上記図25のようにハイライト、シャドー等のように分けるのではなく、上記高精度にするか否かを選択させる他、より明示的に16ビットLUT,高密度LUT等を選択させても良い。むろん、上記色領域も4領域選択以外に、より多数の領域あるいは少数の領域を選択可能にしても良い。LUTに規定する参照点も上述のものには限られず、その個数を変更したり、色空間中で非等間隔の格子点を参照点とする構成等を採用することができる。
むろん、上記しきい値判別に際して、画像データ中の画素について色成分毎のヒストグラムを算出し、当該色成分毎のヒストグラムの分布状況によって高精度LUTを選択しても良い。この場合、RGBデータのヒストグラムに階調値のばらつきが無ければグレーについて高精度に規定したLUTとしたり、BのヒストグラムやRのヒストグラムの積分値が多い場合に青領域,赤領域について高精度に規定したLUTとする構成等を採用可能である。
以上説明したように、請求項1〜請求項3,請求項9〜請求項11,請求項14〜請求項17にかかる発明によれば記憶容量の抑制と変換精度の向上を同時に実現しつつ色変換テーブルを作成し、色変換や印刷を実行可能な色変換テーブル作成プログラム、色変換テーブル作成方法、色変換装置および印刷装置を提供することができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、多くの印刷装置での印刷に使用して好適な色変換テーブルを生成することができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、インクの吐出量と明度との関係において非線形性の強い色についても高精度に色変換可能な色変換テーブルを生成することができる。
さらに、請求項6にかかる発明によれば、特定色について自動で高精度に色変換可能になる。
さらに、請求項7,請求項12,請求項18にかかる発明によれば、演算速度を低下させることなく画像全体について高精度に色変換を実施することが可能な補間演算プログラム、補間演算方法および印刷装置を提供することができる。
さらに、請求項8,請求項13,請求項18にかかる発明によれば、演算速度を低下させることなく画像全体について高精度に色変換を実施することが可能な補間演算プログラム、補間演算方法および印刷装置を提供することができる。
Claims (18)
- 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを作成するための色変換テーブル作成プログラムであって、
前記色変換テーブルに規定される各参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルにおける各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えて、各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする色変換テーブル作成プログラム。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を所定の参照点密度とされた各参照点について規定した色変換テーブルを作成するための色変換テーブル作成プログラムであって、
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間し、該補間後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について対応関係を前記第二の元テーブルに規定された対応関係に置き換えて、前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする色変換テーブル作成プログラム。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを作成するための色変換テーブル作成プログラムであって、
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間するとともに各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えて、各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成する機能をコンピュータに実現させることを特徴とする色変換テーブル作成プログラム。 - 前記第2の画像機器がイエローを含む複数色のインクを使用可能な印刷装置であり、前記第二の元テーブルが前記イエローについて前記所定領域の参照点について前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の色変換テーブル作成プログラム。
- 前記第2の画像機器がシアンとマゼンタとブラックを含む複数色のインクを使用可能な印刷装置であり、前記第二の元テーブルが前記シアンと前記マゼンタと前記ブラックから選ばれる一以上の色成分について前記所定領域の参照点について前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の色変換テーブル作成プログラム。
- 前記第1カラー画像データからなる画像データを取得する画像データ取得機能と、当該取得した画像データにおいて前記所定領域の色が全体に占める割合を算出する特定色割合算出機能とを前記コンピュータに実現させ、当該特定色割合算出機能にて算出された割合が所定のしきい値を超えたときに前記第二の元テーブルを使用して前記色変換テーブルを作成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の色変換テーブル作成プログラム。
- 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用されるインク量を規定する第2カラー画像データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換テーブルをワークエリア上で参照し、前記複数の参照点に規定されたインク量を用いた補間演算を実行することにより色変換を実行する機能をコンピュータに実現させる補間演算プログラムであって、
前記補間演算に用いる参照点で規定されたインク量が所定のしきい値を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合に非線形補間の補間演算を実行して前記色変換を実行し、超えていないと判断した場合に線形補間の補間演算を実行して前記色変換を実行する機能を実現させることを特徴とする補間演算プログラム。 - 所定の色空間内において所定の参照点密度とされた色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第1カラー画像データとインク量を規定する第2カラー画像データとの対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を前記色空間内の所定領域に限定して該所定領域で前記第一の元テーブルの参照点密度よりも大きい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、をワークエリア上で組み合わせて前記色変換テーブルを作成する際、前記第一の元テーブルの参照点を前記所定の参照点密度となるように補間演算を実行する機能をコンピュータに実現させる補間演算プログラムであって、
前記色変換テーブルを作成するために補間する参照点が前記所定領域内であるか否かを判断し、前記所定領域内であると判断した場合に線形補間の補間演算を実行して前記色変換テーブルの参照点を作成し、前記所定領域内でないと判断した場合に非線形補間の補間演算を実行して前記色変換テーブルの参照点を作成する機能を実現させることを特徴とする補間演算プログラム。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法であって、
前記色変換テーブルに規定される各参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルにおける各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えて、各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成することを特徴とする色変換テーブル作成方法。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を所定の参照点密度とされた各参照点について規定した色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法であって、
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間し、該補間後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について対応関係を前記第二の元テーブルに規定された対応関係に置き換えて、前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成することを特徴とする色変換テーブル作成方法。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを作成する色変換テーブル作成方法であって、
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間するとともに各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えて、各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを前記ワークエリアに作成することを特徴とする色変換テーブル作成方法。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用されるインク量を規定する第2カラー画像データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換テーブルをワークエリア上で参照し、前記複数の参照点に規定されたインク量を用いた補間演算を実行することにより色変換を実行する補間演算方法であって、
前記補間演算に用いる参照点で規定されたインク量が所定のしきい値を超えているか否かを判断し、超えていると判断した場合に非線形補間の補間演算を実行して前記色変換を実行し、超えていないと判断した場合に線形補間の補間演算を実行して前記色変換を実行することを特徴とする補間演算方法。 - 所定の色空間内において所定の参照点密度とされた色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第1カラー画像データとインク量を規定する第2カラー画像データとの対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を前記色空間内の所定領域に限定して該所定領域で前記第一の元テーブルの参照点密度よりも大きい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、をワークエリア上で組み合わせて前記色変換テーブルを作成する際、前記第一の元テーブルの参照点を前記所定の参照点密度となるように補間演算を実行する補間演算方法であって、
前記色変換テーブルを作成するために補間する参照点が前記所定領域内であるか否かを判断し、前記所定領域内であると判断した場合に線形補間の補間演算を実行して前記色変換テーブルの参照点を作成し、前記所定領域内でないと判断した場合に非線形補間の補間演算を実行して前記色変換テーブルの参照点を作成することを特徴とする補間演算方法。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを参照して前記第1カラー画像データを前記第2カラー画像データに変換する色変換装置であって、
前記色変換テーブルに規定される各参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルにおける各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えることにより、前記ワークエリアに作成された前記色変換テーブルであって各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記色変換テーブルを参照して、前記第1カラー画像データを前記第2カラー画像データに変換する色変換手段を具備することを特徴とする色変換装置。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを参照して前記第1カラー画像データを前記第2カラー画像データに変換する色変換装置であって、
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記対応関係を規定した第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間し、該補間後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について対応関係を前記第二の元テーブルに規定された対応関係に置き換えることにより、前記ワークエリアに作成された前記色変換テーブルであって前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを参照して、前記第1カラー画像データを前記第2カラー画像データに変換する色変換手段を具備することを特徴とする色変換装置。 - 第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を規定した各参照点における変換後の階調データを有する色変換テーブルを参照して前記第1カラー画像データを前記第2カラー画像データに変換する色変換装置であって、
前記色変換テーブルで対応づけられる領域の複数の参照点であって前記色変換テーブルの参照点密度よりも小さい参照点密度とされた複数の参照点について第一の階調数とされた変換後の階調データを有する第一の元テーブルと、前記第1カラー画像データと前記第2カラー画像データとを対応づける領域を所定領域に限定して該所定領域で前記色変換テーブルの参照点密度とされた複数の参照点について前記第一の階調数よりも多い第二の階調数とされた変換後の階調データを有する第二の元テーブルと、を記憶した所定の記憶領域から前記第一の元テーブルと前記第二の元テーブルとをワークエリアに読み出し、前記第一の元テーブルについて該第一の元テーブルに規定されず前記色変換テーブルに規定される参照点を補間するとともに各参照点の変換後の階調データを前記第一の階調数から前記第二の階調数に変換し、該変換後の第一の元テーブルにおける各参照点のうち前記第二の元テーブルに規定されている参照点について変換後の階調データを前記第二の元テーブルにおける変換後の階調データに置き換えることにより、前記ワークエリアに作成された前記色変換テーブルであって各参照点において前記第二の階調数とされた変換後の階調データを有する前記所定の参照点密度とされた前記色変換テーブルを参照して、前記第1カラー画像データを前記第2カラー画像データに変換する色変換手段を具備することを特徴とする色変換装置。 - 前記請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の色変換テーブル作成プログラムの実行によって作成された色変換テーブルを参照し、第1の画像機器で使用される第1カラー画像データを第2の画像機器で使用される第2カラー画像データに変換する色変換手段を具備することを特徴とする印刷装置。
- 前記請求項7または前記請求項8に記載の補間演算プログラムによって、第1の画像機器で使用される第1カラー画像データと第2の画像機器で使用される第2カラー画像データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換テーブルを参照し、色変換を実行する際の補間演算を実行する補間演算手段を具備することを特徴とする印刷装置。
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