JP2004032749A - 画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的彩度の低い色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すシステムが必要とされている。
【解決手段】所定光源に依存した色データを入力し、所定光源に依存した色データを、紙の白色値を基準白色として用いて白点調整を行う(S702)とともに、出力デバイスの黒色点を用いて黒色点調整を行う(S703)。
【選択図】 図7
【解決手段】所定光源に依存した色データを入力し、所定光源に依存した色データを、紙の白色値を基準白色として用いて白点調整を行う(S702)とともに、出力デバイスの黒色点を用いて黒色点調整を行う(S703)。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力デバイスにより出力できない色を出力可能な色へ色域マッピングする画像処理方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
最近、カラーモニタやカラープリンタの有用性が増してきており、コンピュータユーザにとっては、デスクトップパブリッシングソフトウェアを用いるなどしてカラーモニタ上でフルカラー画像を作成し、カラープリンタにその画像のフルカラープリントアウトを要求することがますます普通のことになっている。
【0003】
しかしながら、カラープリンタやカラーモニタはカラー画像を異なる方法で形成する。具体的には、カラーモニタは発光装置であって、各色は、通常レッド、グリーン、ブルーの3原色からの光が加法混色される加法光処理によりカラーモニタ上に形成される。一方印刷された画像は単純に周辺光を反射するのであって、通常シアン、マゼンタ、イエロー(時折ブラックを含む)の減法混色の3原色により周辺光が影響される、減法光処理によって各色が形成される。
【0004】
加法光処理及び減法光処理は根本的に異なるものである。その結果、モニタ上に表示可能な色の範囲が、プリンタにより印刷可能な色の範囲と異なってしまう。図1はモニタ(領域A)により表示可能な色の範囲(あるいは「色域」)と、プリンタ(領域B)により印刷可能な色の範囲(あるいは「色域」)とを示すCIE1931色度図である。図1から分かるように、モニタ上に表示可能な色の範囲は、通常プリンタにより印刷可能な色の範囲よりも大きい。これは、モニタが発光装置であり、より高い彩度で色を表示できるからである。しかしながら、光減法混色による印刷画像がモニタよりも大きい色範囲を持つ、領域10のような低彩度領域が存在する。
【0005】
印刷可能な色域と表示可能な色域の違いにより、表示カラー画像を忠実に再現してたカラー画像を印刷することはこれまで困難であった。具体的には、印刷可能な色の範囲「B」の外である色域外領域11のような領域の色を印刷することは絶対に不可能である。従って、これらの色がカラーモニタ上で見られるとしても、それらはカラープリンタで印刷することはできない。
【0006】
米国特許第5,299,291号は、本発明の被譲渡人に譲渡され、その全内容は参照により本願に含まれるものとされるが、これは色域外の色を印刷可能な色へマップするシステムを示している。上記米国特許第5,299,291号では、色域外領域をスムーズに変更して明度における単調な増加を施すプリンタテーブルを構築することにより、色域外色をプリンタ色域内の印刷可能色へ適合させる。同一の色相を持つ2色が、色の彩度の違いから、見ている人には異なる色相を持つように知覚される、いわゆる「アブニー効果(Abney effect)」を補償するために、ワーピング処理を利用する。上述の米国特許第5,299,291号におけるシステムは知覚的観点からは良い結果を出した。つまり、印刷された色と表示された色を見た人は、大抵同じ色であると知覚したのである。従って、米国特許第5,299,291号の色域マッピングシステムは時折「知覚的マッチング」と称される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、「彩度マッチング」として知られる領域には改善の余地がある。具体的には、特にビジネス志向のコンピュータ作成グラフィックにおいて、棒グラフ、円グラフ、強調線などのグラフィックを描くのに完全飽和した(fully−saturated)色がしばしば使用される。知覚的マッチング技術を用いれば、通常、表示された色と同じ色であると知覚される色を印刷することができるが、印刷された色はもはや飽和していない。通常そうしたビジネスグラフィックの応用においては、見る人は、たとえ表示された色の色相と正確に同じでなくても、完全飽和した色を印刷することを望んでいるので、上述の状態は望ましくないことである。そうしたプロセスは「飽和度マッチング」として知られており、たとえ色相が正確に同じでなくても、表示上の飽和した色は飽和した色として印刷すべきである。
【0008】
知覚的マッチング技術が提案され、彩度マッチング技術も提案されているが、これら2つのマッチング技術の目標は異なっているので、同じシステムでこれらの目標の両方を実現することはこれまで困難であった。従って、比較的彩度の低い色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すシステムが必要とされている。
【0009】
本発明は、比較的低い彩度の色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すシステムを提供することにより、上述の必要に対処するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は以下のような特徴を有する。即ち、
所定光源に依存した色データを入力し、所定光源に依存した色データを、紙の白色値を基準白色として用いて白点調整を行うとともに、出力デバイスの黒色点を用いて黒色点調整を行うことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、出力デバイスによって出力されたサンプルを、所定光源を用いて測色することにより得られた測色値を入力し、前記所定光源の白色値と紙の白色値に基づき、前記測色値に対して白点調整を行うとともに、出力デバイスの黒色点調整を行い、前記白色点/黒色点調整された測色値を用いて、順方向マッピングテーブルを作成することを特徴とする。
【0012】
この簡単な要約は本発明の本質が迅速に理解されるためのものである。以下の好適な実施例の詳細な説明を添付図面と共に参照することにより、本発明はより完全に理解されるであろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2は本発明に関わるプリンタドライバを内蔵する代表的なコンピューティング装置の外観を示す図である。
【0014】
図2ではMicrosoft Windows(登録商標) オペレーティングシステムなどのウインドウオペレーティングシステムを持つIBM PCまたはPC互換コンピュータなどのコンピューティング装置20を示している。コンピューティング装置20は表示スクリーン22を持つ表示モニタ23を備え、ユーザに対して画像を表示スクリーン22上に表示する。コンピューティング装置20はさらに、着脱可能なフロッピー(登録商標)(登録商標)ディスク媒体に対し読み出しまたは書き込みを行うフロッピー(登録商標)ディスクドライブ24、データファイルやアプリケーションプログラムファイルを格納するための固定ディスクドライブ25、テキストデータの入力や表示スクリーン22上に表示されるオブジェクトの操作を行うためのキーボード26、同じく表示スクリーン22上のオブジェクトの操作を行うために設けられたマウスなどのポインティングデバイス27、結合されたスピーカ/マイクロフォン29を備えている。カラーバブルジェット(登録商標)プリンタなどの従来のカラープリンタ30も設けられている。さらに、音声及び/またはファクシミリのメッセージを送受信するためのネットワーク31または通常の音声電話線32へ接続されている。
【0015】
ここではバブルジェット(登録商標)プリンタが好適であるが、カラーレーザビームプリンタなどの、色成分値に対応する量の原色を混色することによりフルカラーの画像を形成する、いずれのカラープリンタも本実施例の実施に適当である。
【0016】
オペレータの指示に従い、そしてウインドウオペレーティングシステムの制御の下で、グラフィックスアプリケーションプログラム、描画アプリケーションプログラム、デスクトップパブリッシングアプリケーションプログラムなどの格納されたプログラムが、データを処理し操作するために選択的に起動される。同様にオペレータの指示に従い、そして格納されたアプリケーションプログラムに基づいて、コマンドが発行されて画像をモニタ23上に表示させ、モニタ23上の画像を印刷させ、それらの画像は以下にさらに十分に説明されるようにプリンタ30で印刷される。
【0017】
図3はコンピューティング装置20の内部構成を示す詳細ブロック図である。
【0018】
図3に示すように、コンピューティング装置20は、コンピュータバス41にインタフェース接続された、プログラム可能なマイクロプロセッサ等の中央処理ユニット(CPU)40を含んでいる。コンピュータバス41には、さらにスピーカ/マイクロフォンインタフェース42、表示インタフェース44、ネットワークインタフェース45、fax/モデム/電話インタフェース46、プリンタインタフェース47、フロッピー(登録商標)ディスクドライブインタフェース49がインタフェースされて接続されている。
【0019】
ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ51は、CPU40にメモリへのアクセスを提供するためにコンピュータバス41にインタフェース接続している。特に、ディスク25上に格納されたアプリケーションプログラムに関連したインストラクションシーケンスなどの格納されたアプリケーションプログラム・インストラクションシーケンスを実行する時、CPU40はそれらのインストラクションシーケンスをディスク25(あるいはネットワーク31を介してアクセスされる媒体など他の格納媒体)からメインメモリ51へロードし、それら格納されたプログラムインストラクションシーケンスをメインメモリ51から実行する。
【0020】
ROM(リードオンリーメモリ)52はスタートアップ・インストラクションシーケンスやキーボード26の操作のためのベーシック入力/出力オペレーティングシステム(BIOS)シーケンスなど不変のインストラクションシーケンスを格納するために設けられている。
【0021】
図3に示すように、そして前述のように、固定ディスク25はウィンドウオペレーティングシステムと、グラフィックスアプリケーションプログラム、描画アプリケーションプログラム、デスクトップパブリッシングアプリケーションプログラムなど様々なアプリケーションプログラムのためのプログラムインストラクションシーケンスを格納している。さらに、固定ディスク25には、指定されたアプリケーションプログラムの制御下でモニタ23に表示されたり、またはプリンタ30で印刷される画像ファイルが格納されている。さらに固定ディスク25には、表示インタフェース44へのRGB原色値の供給を制御するモニタドライバと、プリンタ30によるプリントアウトのための、CMY要素値のプリンタインタフェース47への供給を制御するプリンタドライバ34とが格納されている。さらに固定ディスク25には、コンピューティング装置20に接続した様々な装置(スピーカとマイクロフォンおよびネットワーク)へ適切な信号を供給するための他のデバイスドライバも格納されている。
【0022】
通常、ディスク25上に格納されたアプリケーションプログラムとドライバは、それらのプログラムとドライバが最初に格納されていた他のコンピュータ可読媒体からディスク25へ、まずユーザによってインストールされる必要がある。例えば、ユーザにとってはプリンタドライバ34のコピーが格納されたフロッピー(登録商標)ディスクまたは他のコンピュータ可読媒体を購入することは慣行になっている。それからユーザは購入したフロッピー(登録商標)ディスクをフロッピー(登録商標)ディスクドライブ24へ挿入してプリンタドライバ34をフロッピー(登録商標)ディスクからディスク25へコピーするようCPU40に命じることにより、プリンタドライバ34をディスク25上へインストールされ、またユーザは、ドライバが予めアップロードされているコンピュータ化された掲示板から、モデムインタフェース46を介してプリンタドライバ34をダウンロードすることも可能である。
【0023】
図4はコンピュータ20がいかにモニタ23とプリンタ30と相互作用するかを示す機能ブロック図である。図4では図3に示した構造配置よりも機能的な配置のコンピュータ20と、モニタドライバ33, プリンタドライバ34、CPU40、RAM51、ROM52を示している。
【0024】
上述のように、オペレータはキーボード26を用いて、CPU40に格納されたプログラムシーケンスを実行させ、カラー画像をモニタ23上に表示し、対応するカラー画像をプリンタ30で印刷する。具体的には、ディスク25上に格納されたアプリケーションプログラムにおける格納されたプログラムインストラクションと共同で、CPU40はモニタ23上の表示のためのカラー画像を生成する。CPUは、そのカラー画像をモニタドライバ33へ提供し、モニタドライバ33はモニタ23の各画素に対するRGB値を生成する。RGB値は表示インタフェース44を介してモニタ23へ提供され、それらの値が表示される。
【0025】
要求があると、CPU40はプリンタ30で印刷を行うためにカラー画像をプリンタドライバ34へ送る。プリンタドライバ34はCPU40から供給されたカラー値に基づいて、カラー画像の各画素に対するCMY値を生成する。CMY値は再現ルックアップテーブル(LUT)35に従って決定される。以下に、より十分に説明するように、再生用LUT35はプリンタ30の色域内の色と色域外の色を受け付ける。再生用LUT35の目的は入力色が色域内でも色域外でもプリンタ30で印刷可能なCMY値を提供することである。
【0026】
プリンタドライバ34はプリンタインタフェース46を介してCMY値を30へ送り、それらの値はプリンタ30内のビットマップメモリ37へ格納される。プリンタ30により、標準の下色除去(「UCR」)またはグレー成分置換(「GCR」)技術に従って、CMY値を変更してブラック(以下「K」値)を供給しても良い。あるいは、プリンタドライバ34が適当なK値を供給することも可能である。
【0027】
いずれの場合も、ビットマップメモリ37は印刷される画像のフルビットマップ画像を格納することも、または1バンドまたは部分ビットマップ画像を格納することも可能である。十分なカラーデータ、すなわちCMYKデータがビットマップメモリ37に格納されると、カラープリントヘッド36は用紙に隣接したプラテンの領域を往復運動を行う。本好適な実施例においては、プリントヘッド36は4列(8行パターンに配列された32のインクジェットノズルを有する。第1列のノズルは全てシアンインク液滴を吐出する。第2列のノズルは全てマゼンタインク液滴を吐出する。第3列のノズルは全てイエローインク液滴を吐出する。第4列のノズルは全てブラックインク液滴を吐出する。プラテンを横断するプリントヘッド36の1走査で8行の画素が印刷されるように、ビットマップメモリ37内のカラーデータに従って、ノズルが独立に制御される。
【0028】
図5はプリンタドライバ35がCPU40から供給されたカラーデータからCMY値を選択する方法を示すフロー図である。ステップS501では、プリンタドライバ34はビットマップメモリ37内にある位置(x,y)に対するRGB値を受け取る。ステップS502では、プリンタドライバ34はRGB値から個々の色座標を生成する。好ましくは、デバイスインディペンデントな座標はCIELAB空間のL*a*b*座標である。これは、CIELAB空間の座標はいずれのプリンタまたはモニタの色域も含んでおり、またこの空間では3次線形及び4次線形補間(trilinear or tetralinear interpolation)技術の両方とも上手く機能するからである。
【0029】
フローはステップS503に進み、生成されたL*a*b*座標で再生用LUT35に格納された対応するCMY値をルックアップする。ステップS504では、生成されたL*a*b*座標と同一値が、再生用LUT35で見つからない場合に、補間を実行して、補間されたCMY値を得る。上述のように、適当な補間技術には3次線形補間と4次線形補間の両方が含まれる。
【0030】
ステップS505では、CMY値がビットマップメモリ37内の位置(x,y)に格納される。必要であれば、CMY値を、格納前に、例えば適当なUCRまたはGCR技術によって修正しK値を得るようにしてもよい。
【0031】
ステップS506では、プリンタドライバ34はビットマップメモリへのデータ作成が完成したか否か、またはビットマップメモリ37の必要な部分またはバンドが完成したか否かを判断する。ビットマップメモリが完成していなければ、フローはステップS501へ戻り、ビットマップメモリの次の位置(x,y)に対して次のRGB値を受け取る。一方、ビットマップメモリが完成していれば、またはビットマップメモリの十分な領域(ヘッド36のインクジェットノズルの8行に相当する8行長のバンドなど)が完成していれば、フローはステップS507へ進み、ガンマ補正が行われる。ガンマ補正は、ビットマップメモリのCMY値を補正して均一な輝度配分を達成する。ガンマ補正は、プリンタドライバ34またはプリンタ30のいずれか、あるいは両者の適当な組み合わせにより実行することができる。ステップS508では、まだ実行されていなければUCRまたはGCRを実行し、ビットマップメモリの位置(x,y)に対するブラック値を生成する。本実施例におけるUCRは、単純にCMY値の最小値を選択しその値をブラック値に割り当てる方法で行うことができる。そして、各CMY値は割り当てられたブラック値を減算することによって調整される。
【0032】
ステップS507及びS508の順序は決定的なものではなく、これらのステップは、例えば連続トーン、ディザまたは誤差拡散など特定のカラー印刷技術を実行するために交換してもよい。
【0033】
ステップS509では、ビットマップメモリ37に格納されたCMYK値を使用してカラー印刷を開始する。
【0034】
図6は色域マッピングステップを含むステップを示す詳細フロー図であり、CMY値が再生用LUT35に格納される。以下にさらに詳細に説明するように、これらのステップは一般に、各異なるプリンタ30により印刷可能な多数の色を印刷するなどして、各特定プリンタに対するCMY入力をL*a*b*出力へ順方向マッピングし、それにより各異なるプリンタ30の色域を測定し、再生用LUT35内の各L*a*b*値をテストして色域内であるか色域外であるか判定し、色域内色に対しては色度測定的に一致したCMY値を再生用LUT35へ格納し、色域外色に対してはデュアルコーン色域マッピング技術を行って色域マッピングされたCMY値を得て、再生用LUTが一杯になるまで再生用LUT35内の各L*a*b*値に対する処理を繰り返し、再生用LUTをスムージングし、そして再生用LUTをプリンタドライバ34へ格納する処理を含んでいる。
【0035】
図6の処理ステップの結果、プリンタドライバ34に含まれる再生用LUTには、近接色域外色に対しては知覚的に一致したCMY値が格納され、遠隔色域外色に対しては彩度一致したCMY値が格納されている。
【0036】
図6の処理ステップは各異なる種類のプリンタ30に対して一度実行すればよく、各異なる種類のプリンタに特に調整した再生用LUT35を生成することができる。通常、これらのステップはプリンタ製造者により一度実行され、プリンタの一部であるフロッピー(登録商標)ディスクのユーザに対し販売されるプリンタドライバにおいて使用されるものである。プリンタ製造者がプリンタドライバを例えばコンピュータ掲示板にアップロードし、エンドユーザがそこからプリンタドライバを彼らのディスク25へダウンロードするようにすることも可能である。
【0037】
図6を詳しく参照すると、ステップS601ではCMY入力値をL*a*b*出力値へ順方向にマッピングして、プリンタ30の色域を測定する。好ましくは、これはプリンタ30に印刷可能な全色の非常に大きいサブセットを印刷することにより達成される。例えば、図2に示す本好適な実施例で使用されるプリンタでは、各CMY値に対する約9個の異なる値のサブセットにより93 = 729 の異なるCMY色の組み合わせが得られる。図7に従ってより十分に説明するように、これらの729の異なるCMY色の組み合わせに基づいて、CMY入力からL*a*b*出力への順方向マッピングが構成されてテーブルに格納される。
【0038】
ステップS602では色域内及び色域外色に対応するL*a*b*入力値に基づいて印刷されるCMY値が、これから格納される空白の再生用LUT35を開く。この再生用LUT35がCMY値で満たされると、空白の再生用LUTはプリンタドライバ34に含まれ、図5に従って説明したようにL*a*b*入力はCMY出力へとマッピングされる。
【0039】
ステップS603〜S606ではCMY値を再生用LUT35の各L*a*b*位置へ格納し、これらのステップは再生用LUTが一杯になるまで繰り返される。こうして、ステップS603では、ステップS601で測定された色域に基づいて、再生用LUTの特定のL*a*b*位置をテストして色域内色であるか否かを判定する。特定のL*a*b*値が色域内色であるか否かの好ましい判定方法の一つは、よく知られたニュートンの反転法など算術的技術を用いて反転を行い、ステップS601で得られた順方向マッピングに基づいてCMY値を得ることができるか否かを判定することである。反転が数値的に印刷可能なCMY値に収束するのに失敗した場合は、ステップS603ではその特定のL*a*b*値は色域外色であると判定する。一方、反転が数値的に印刷可能なCMY解に収束した場合は、ステップS603ではその特定のL*a*b*値は色域内色であると判定する。
【0040】
L*a*b*値が色域内色であれば、フローはステップS604へ進み、そのL*a*b*値に対する印刷可能なCMY値、つまり色度測定的に一致した値を再生用LUT35に格納する。
【0041】
ステップS603で特定のL*a*b*値が色域外色であると判定した場合は、フローはステップS605へ分岐し、L*a*b*目標色を印刷可能なCMY値へ色域マップする。以下に図9に従ってより十分に説明するように、色域マッピングは、デュアルコーン色域マッピング技術を実行して行われ、この技術では、目標L*a*b*値は最初に実コーン上へ投影され、それから理想コーン上へ投影されるが、実コーンへの投影は色域内CMY値が見つかるまで不飽和にされる。この色域内CMY値と理想コーン上への投影のCMYとから加重平均がとられる。重み付けは実コーン上への投影と目標L*a*b*色の間の距離に基づくものである。そして、ステップS604に示すように、再生用LUT35内のL*a*b*値に対して、色域マッピングされた印刷可能なCMY値を格納する。
【0042】
ステップS606では、再生用LUT35が一杯であるか否かを判定する。再生用LUTがまだ一杯ではない場合は、フローは再生用LUT内の各L*a*b*位置にCMY値が格納されるまでステップS603へ戻る。
【0043】
再生用LUTが一杯になると、フローはステップS607へ進み、再生用LUTをスムージングする。スムージングは図15に従ってより十分に説明するが、図15では局所緩和(local relaxation)とシフトが再生用LUTに適用される。
【0044】
フローはステップS608へ進み、スムージングされた再生用LUTをプリンタドライバ34へ格納する。上述したように、再生用LUTを含むプリンタドライバはコンピュータ可読媒体に格納され、フロッピー(登録商標)ディスクに格納されたりコンピュータ掲示板にアップロードすることによって、プリンタに関係したエンドユーザに分配される。
【0045】
図7はCMY値の様々な組み合わせをプリントアウトして印刷可能な色域を測定することによる、CMY入力をL*a*b*出力へ順方向マッピングする方法を示すフロー図である。以下に、より詳しく説明するように、図7のステップは、L*a*b*座標において、等間隔のグリッドのCMY色を測定し、測定されたL*a*b*値に白点調整を行い、測定値に黒点調整を行い、測定値にグレー軸調整を行い、そして調整された測定値にスムージングを行う処理を含んでいる。
【0046】
具体的には、ステップS701では、規則的なグリッドのCMY値を印刷して、例えば2°のオブザーバ(observer)、D65の輝度でGretag SMP100スペクトロフォトメータを用いて測定する。正確性と完全性の観点から、できる限り多くのCMY色の組み合わせを測定することが常に好ましいことはいうまでもないが、1成分8ビットのプリンタに対しては、(28)3 = 16,777,216 の可能な組み合わせが存在するので、現在のところ9つの規則的なスペースのCMY値を測定し、93 = 729 のCMY値の色の組み合わせを得るのが好ましい。これらの点はCMY空間にグリッドのボックスを形成し、各点は印刷されるCMY値でアドレスされ、各点の内容は測定されたL*a*b*値となる。
【0047】
測定されたL*a*b*値をステップS601の順方向マッピングとして使用することが可能であるが、それらを使用する前に測定されたL*a*b*値にいくつかの調整(白点、黒点、グレー軸、スムージング調整など)を行うことが好ましい。こうして、ステップS702では、CMY色の組み合わせが印刷された白紙が(100,0,0)のL*a*b*値で終わるように測定値に白点調整を行う。好ましくは、ここでは輝度値D65を基準白色として使用して、まず測定値をXYZ座標空間に変換し、それから基準白色として紙の測定値を使用してL*a*b*値を変換し直すことによって測定値にフォンクリース(Von Kries)白点調整を行う。
【0048】
ステップS703では、測定値に黒点調整を行ってそれらが全体のL*範囲、つまり0から100までを確実にカバーするようにする。黒点調整は、白点調整の後にCMY = (100%, 100%, 100%) インク に対してL*a*b*測定値を指定することにより行われる。それから、各他のL*a*b*値に対して、次の調整を行うが、ここで(lmin, amin, bmin)は黒点に対するL*a*b*値である。
【0049】
【数1】
【0050】
その後、ステップS704では、測定値にグレー軸調整を行う。具体的には、大抵のプリンタはシアン、マゼンタ、イエローの他にブラックを使用しているが、プリンタドライバ34にとってはブラック色成分を生成することは必ずしも必要ではない。ブラック色成分は、しばしばプリンタ30自身に実行されるUCRやGCRにより生成されるからである。そうした大抵のプリンタは通常100%のGCR置換技術に対していくらかの変形を用いており、等しい量のCMYがKに置換される。このように、再生用LUT35がグレー色に対応する位置に等量のCMYを格納する限りは、そうした再生用LUTは満足の行くグレーを生成する。しかしながら、これまで説明してきた再生用LUTは実際の測定値に依存しており、グレー軸調整を行わなくては、グレー色に対応する位置に等しい量のCMYが格納されることを保証することはできない。具体的には、グレースケール調整を行わない場合、グレースケール画像を再現することは可能であるが、いくつかの色調は中間的に表現され、いくつかの色調はわずかに赤みがかった色合いを持ち、いくつかの色調はわずかに緑がかった色合いを持ち、などそうした全てが、純粋なグレースケール画像を期待して見る人にとって妨げとなる。
【0051】
ステップS704に従うグレー軸調整は以下のように進められる。各L*a*b*値測定値に対して、その対応するCMY値を検査し、C=M=Yなら、a*とb*をゼロにセットする。そうでない場合はa*とb*は変更しないでおく。
【0052】
ステップS705ではスムージングを行いフォワードマッピングの非スムーズ特性を排除する。そうした非スムーズ特性は、測定誤差、プリンタ30で使用される中間調またはディザリングまたはGCR処理、上記のグレー軸調整により導入される誤差等様々なソースから導入される。こうして、ステップS705では以下に図8に従って説明するスムージング技術を用いて値をスムージングする。
【0053】
具体的には、スムージング技術は整数kと実数zの2つの値によりパラメータで表わされ、kはn−1の約数(integral divisor)であり、nはステップS704のグレー軸調整後のルックアップテーブルLのサイズである。本好適な実施例では、n=9であり、つまり上述のような3次元グリッドに全て配置された各C、M、Y、に対して9つの値が存在している。
【0054】
図8は、Y=30%のように1層のみが示されているが、ルックアップテーブルLに対して、60、n=5で指定した、単純化した状況を示している。次に、図8では61で指定した新しいルックアップテーブルL’がLをサブサンプリングすることによりサイズm3で生成される。
【0055】
m={(n−1)/k}+1
LとL’との加重平均を得て、図8では62で指定されるスムージングされたルックアップテーブルL’’を形成する。ルックアップテーブルL’’のサイズはn3である。LとL’間の重み付けは次のように行われる。(c,m,y)をLのテーブル値とし、(l,a,b)Lをその対応する測定値とし、(l,a,b)L’をL’における(c,m,y)の補間の結果とする。すると、(c,m,y)に対するL’’のテーブル値は以下のようにして得られる。
【0056】
【数2】
【0057】
上述の例では、kが増加的に大きい値をとると、L’のスムーズ性が増加するが、その正確さが減少する。zが増加的に大きい値をとると、スムージングされたL’’ルックアップテーブルを計算する際にサブサンプルされたL’ルックアップテーブルにさらに重み付けがされる。z=0またはk=1の場合、L’’はLと同一である。
【0058】
再び図7を参照すると、ステップS706では、ステップS601に関して使用されたルックアップテーブルに順方向マッピングを行うためにスムージングされたルックアップテーブルL’’を格納する。
【0059】
図9はステップS605で色域外L*a*b*色に対する色域マッピングされたCMY値を得るのに用いる、デュアルコーン色域マッピングを説明するフロー図である。以下により十分に説明するように、図9に示す色域マッピングでは、プリンタ30の実際の色域を模倣するNコーン配置表面の1つの「実コーン」を定義し、モニタ23の色域として理想色域を模倣するMコーン配置表面の1つの「理想コーン」を定義し、L*a*b*座標における目標色を実コーン上へ投影して、色域内CMY値が得られるまで投影された目標色を不飽和にし、同じ目標色を理想コーン上へ投影して、完全飽和のCMY値を得、実コーン上への投影と目標色間の距離に基づいて重み付けを行い、色域内CMYと完全飽和のCMYとの加重平均を得る。
【0060】
具体的には、図9を参照すると、ステップS901ではプリンタ30の実際の色域を模倣するNコーン配置表面の「実コーン」を定義する。図10は適切な実コーンを示している。図示するように、符号70で示す実コーンHAは、N=6の場合頂点71、72....76などN個の色度頂点により定義される。NコーンのN個の上表面は白点(100,0,0)と各色度頂点で形成される三角形であり、N個の下表面は黒点(0,0,0)と各色度頂点で形成される三角形である。
【0061】
各色度頂点71〜76のLCH値は、N個のCMYの組み合わせを選択し、ステップS601で得られた順方向モデルを用いてLCH値を計算することにより選択される。(次の説明ではLHC値をL*a*b*値と自由に組み合わせる。当業者には容易に明らかとなるが、LCH値とL*a*b*値は同じ物理的CIELAB色空間に属している。単純にLCH値が円筒状の座標値であるのに対しL*a*b*値は長方形の座標値である。)N=6に対しては、使用される代表的なCMYの組み合わせは以下の通りである。
【0062】
(C,M,Y)0 = (100%,0%,0%)
(C,M,Y)1 = (100%,100%,0%)
(C,M,Y)2 = (0%,100%,0%)
(C,M,Y)3 = (0%,100%,100%)
(C,M,Y)4 = (0%,0%,100%)
(C,M,Y)5 = (100%,0%,100%)
上記のように特定された値は、各色度頂点が正確にプリンタ30の色域上にあり、その結果のNコーンがプリンタ30の実際の色域を近密に模倣していることを確実にしているが、上記のように特定された値を必ずしも使用する必要はない。具体的には、いくつかの例では、彩度変化のスペースを均一にとるなどの場合にプリンタ色域の表面上に同一に存在しない、CMYに対する他の値を特定することも可能である。そうした場合、付録で特定されるように、(80%,80%,0)等のCMY値の方がより適切である。当業者は、本明細及び付録に基づいて、色度頂点として用いるための適切なCMY値を簡単に得ることができる。
【0063】
図9に戻ると、ステップS902では、代表的なRGBモニタの色域などの理想的な色域を模倣するMコーン配置表面の1つの「理想コーン」の定義を行う。
【0064】
図11は適切な理想コーンを示している。図示するように、通常符号80で示される理想コーンHIは、M = 6に対する頂点81...86等のM個の色度頂点を含んでいる。MコーンのM個の上表面は白点(100,0,0)と各色度頂点で形成される三角形である。M個の下表面は黒点(0,0,0)と各色度頂点で形成される三角形である。
【0065】
理想のMコーン80に対する色度頂点の適切な値は、M=6をセットしモニタのRGB原色および二次色から頂点を計算して得られる。この場合、代表的なRGBモニタに対する標準CIE規定のRGBRCIEXYZRLCH変換が用いられる。HIの各頂点では、主観的にRGB色に対する最適な一致と思われるCMYの組み合わせを選択する。例えば、RGBの完全飽和のブルーはCMY=(100%,50%,0)で最もよく再現され、またRGBの完全飽和のグリーンはCMY=(60%,0,100%)で最もよく再現されるなどである。理想六角コーン80の各色度頂点におけるCMYに対する他の適切な値は本願の付録で説明する。ただしこの点において、いくつかの場合では、MとNは互いに等しくないことが最適であり、M=8などMがNより大きいことが望ましい。こうした場合では、理想6角コーン80に対するさらなる色度頂点により、色域マッピングの結果の色CMY=(100%,100%,0%)またはCMY=(100%,0,100%)のような高彩度の色域内色を再現することが可能となる。当業者は、本明細と付録に基づいて、色度頂点として使用するための適切なCMY値を得ることができる。
【0066】
実コーン70と理想コーン80の両方に対して、そしてこれらの2つのコーンの各色度頂点に対して、2つの付加的なパラメータを定義する。減衰ファクタ「a」と傾斜ファクタ(である。減衰ファクタ「a」は色域内CMY値と完全飽和のCMY値の間の重み付けに関して使用され、傾斜ファクタ(は、各実コーン70と理想コーン80の表面への目標色の投影に関して使用される。これらの処理は以下により十分に説明する。
【0067】
具体的には、図12(A),12(B),12(C)は、NまたはMコーンの1表面上への目標色域外色の投影を示す、それぞれ、透視図、側面図、上面図である。詳しくは、これらの図面に示すように、色域外目標色90をMまたはNコーン配置表面の1つの表面92上の点91へ投影する。色域外目標色90が投影される表面を選択し、目標色90の色相に対する色相において時計回り方向に最も近く、目標色90の色相に対する色相において反時計回り方向に最も近い色度頂点を持つ表面とする。図12(A)〜12(C)では、時計回り方向に最も近い色度頂点は93として示され、反時計回り方向に最も近い色度頂点は94として示されている。目標色90から投影点91までの投影線95の傾斜mpは傾斜ファクタ(と、目標色90と点96の輝度(「最重要点crux」と呼ぶ)の差とに依存している。点96は色度頂点93、94間に存在する線97上の目標色の色相と同じ色相に存在する。こうして、傾斜mpは以下のようにセットされる。
【0068】
mp={(1−w)δ+w−1}/ms
ここで
【0069】
【数3】
であり、msは白または黒原点と最重要点(点96)の間の線98の傾斜であり、δは傾斜ファクタである。
【0070】
実際は、傾斜ファクタδに対する値の選択は扱っている色相領域と、扱っている特定のプリンタ30の色域の両方に依存している。本明細の付録では様々な状況に対する適切な値を挙げている。ここでは、目標色90の輝度に関わりなく投影線が傾斜ゼロとなるように、δ=1の値がmp=0の投影線に対して傾斜を与える。一方、δ=0の値は目標輝度が最重要点輝度と等しい場合に値がゼロとなり、目標輝度がゼロまたは100に近づくと投影線95を表面に対して直交させる値を持つ投影線の傾斜mpを与える。図13は、様々な輝度値における複数の色域外目標色(各目標色は「ドット」で示している)に対する、後者の状況を示している。
【0071】
上記の式で使用される傾斜ファクタδは、各色度頂点93、94の間の最重要点96の位置と、各色度頂点93、94に対する傾斜ファクタの格納された値に依存する、補間された傾斜ファクタである。
【0072】
実コーンまたは理想コーンの表面上へ色域外目標色90を投影する方法の説明はこれで完了し、図9のステップ903を再び注目して、デュアルコーン色域マッピングを行って色域外色に対する色域マップされた印刷可能なCMY値を得る方法の説明を完了させる。ステップS903で特定したように、色域外目標色を実コーン70上へ投影して実コーン70の表面上の投影点を得る。このことは図14の側面図で、色域外目標色101が実コーンHAの表面上の点PAへ投影される様子で示されている。その後、図14でさらに示すように、そしてステップ903で特定したように、点rで示されるような色域内CMY値が得られるまで投影点PAを不飽和にする。
【0073】
そしてステップS904では、同じ目標色101を理想コーンHI上へ投影し、図14に符号102で示すような完全飽和のCMY値を得る。最後にステップS905では、点rで特定した色域内CMY色と点102で特定した完全飽和のCMY色の間の加重平均を得る。加重平均の重み付けは、大きく飽和した色域外目標色101に対して完全飽和した色102が優勢となり、より小さく飽和した色域外色101(つまり、目標色101がHAに近くなるこれらの色)に対しては、点rの色域内CMY値が優勢となるように決定される。本例では、加重平均の重みwは以下のようにして与えられる。
【0074】
【数4】
ここでaIは各色度頂点93、94間で補間された際の点96(図12参照)の減衰ファクタであり、ΔEは目標色域外色101と実コーンHAの表面上の点PA間のL*a*b*空間におけるユークリッド距離である。
【0075】
このように計算された重みwを用いて以下のように加重平均を計算する。
【0076】
【数5】
【0077】
上記重みwの計算では、L*a*b*空間におけるユークリッド距離を、目標色とその実コーンHA上の投影の間の距離の測度(measure)として使用することが好ましい。しかしながら、この距離の他の測度を使用することも可能である。例えば、いわゆる「市街地(city block)」距離関数を使用することも可能であり、また、他の成分(輝度など)を犠牲にして、または完全に排除して、1成分(彩度など)を強調する距離の測度を使用することも可能である。後者については、本好適な実施例では、目標色が、その目標色と同じ色相角度で実コーンHA上に投影されるので、目標色とそのHA上の投影の色相の差は正確にゼロである。このように、本好適な実施例では、目標色とそのHA上の投影の間のユークリッド距離は彩度と輝度の差のみに依存する。
【0078】
最後に、加重CMY値が100%より大きい成分を持つ可能性について説明するために、以下の式を用いて各CMY値を100%までに限定する。
【0079】
【数6】
【0080】
上記の構成により、プリンタ色域からはるかに遠い(そして従って実コーンHAからはるかに遠い)色域外目標色に対しては、結果としてのCMY色が主として理想コーンHIに対するCMY値によって決定される。実コーンHAに近い色域外目標色については、投影の方向が実コーンにますます大きく影響される。このように、図9に示した技術に従う色域マッピングには二重の利点を有し、1つはプリンタ30の実際の色域に近い目標色が知覚的な一致として再現され、他の利点は高い彩度の目標色は彩度一致で再現される点にある。
【0081】
図15は図6のステップS607で述べたスムージング処理をより詳細に示すフロー図である。詳しくは、図15に示すように、スムーズ再生用LUT35に対して、ステップS1501で局所緩和(local relaxation)を行い、ステップS1502で局所シフト(local shift)が行われる。これら局所緩和及びシフトは以下の値でパラメータ化される。
【0082】
n = 緩和に使用する近辺
(L,a,b)c = 局所緩和領域の中心
r = 局所緩和領域の半径
w = スムージングの重み
本発明はプリンタドライバの実施例について説明してきたが、本発明がいずれの適切な色補正または印刷システムにおいても実施できることは理解されるであろう。例えば、本発明を、従来のプリンタドライバに関して使用さるカラーマネジメントシステムに実施して、本発明に従ってカラー画像を前処理して、処理されたカラー画像を従来のプリンタドライバへ送り、本発明の有益な結果を達成することも可能である。さらに、本発明を色補正システムにおいて実施して、印刷処理により導入された色誤差を、本発明に従って原稿カラー画像を処理することによりエミュレートして、処理されたカラー画像を表示し、カラー印刷処理の効果をエミュレートすることも可能である。オペレータは処理されたカラー画像を所望の画像と比較して、比較に基づいて原稿カラー画像を変更し、所望の効果を達成することができる。
【0083】
このように、本発明は特定の実施例について説明されたが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、当業者により、添付の請求項の精神及び範囲から離れることなく、様々な変更や修正が可能であることが明らかであろう。
【0084】
[付録]
1.システム外観
「写真を校正したRGBまたはL*a*b*において表現した場合、特定のカラープリンタにおいて最適に再現するにはどうすればよいか」
この疑問に応えるためには、以下の要素からなる再現システムが提案される。
【0085】
・色度測定に基づくプリンタ動作の記述
・媒体の白点及び全体の範囲の補償
・プリンタの色域内の色に対する、順方向モデルを反転する扱いやすい方法
・プリンタの色域外のL*a*b*値を色域内色へマッピングするための扱いやすいアルゴリズム
各要素の利点と欠点を以下に説明する。
【0086】
2.プリンタのモデリング
このシステムの最初の構築ブロックはプリンタモデルであり、ここで「モデル」は最も自由な意味で用いられている。紙上でインクを混色する真の物理的モデルを構成するのではなく、多数の測度のセットを用い補間してプリンタを真のCMYRL*a*b*動作に近づける。そして算術的技術を用いて、特定のL*a*b*入力に対してこのシステムを反転する。
【0087】
2.1 CMYRL*a*b*ルックアップテーブル
プリンタがCMY信号(C=R/,M=G/,Y=B/(/は反転を示す)であるRGB信号としても考えられる)を受信すると、プリンタは測定可能な色(2°のオブザーバ、D65の輝度でGretag SMP100スペクトロフォトメータを使用して現在までの全ての測定が行われている)を再現する。1成分8ビットのプリンタでは、全ての16,777,216の可能な組み合わせのCMYが測定されるが、これは実行不可能である。
【0088】
規則的グリッドのCMY値を印刷し測定する。ここで各成分は100/nの倍数のインクパーセンテージであり、nは1より大きい整数である。例えば、n=8では12.5%の増加においてCMYの93の組み合わせが得られる。これらの点がCMY空間で均一スペースのグリッドを形成していると考え、このグリッドを3次線形補間による3Dルックアップテーブルとして使用する。LUTのアドレス空間はCMYでありLUTの内容は測定されたL*a*b*値である。この直進的補間方法の説明は他に十分に記述されているのでここでは省略する。
【0089】
2.1.1. 正確さ
(c,m,y)をあるCMY値、(l,a,b)nを(c,m,y)をサイズn3のLUTにおける補間した結果とすると、このLUTにおけるこのCMY値補間誤差は以下のように求められる。
【0090】
ΔE((l,a,b)n, (l,a,b)2m)
ここでmは、扱っているプリンタがサポートしている1成分あたりのビット数である。
【0091】
補間誤差の分配はCMY値のランダムなサンプルを取り、それらのL*a*b*を測定し、LUTを用いてそれらのL*a*b*を計算し、L*a*b*の2セット間のΔEを計算することにより推定することができる。
【0092】
2.2 測定調整
測定されたL*a*b*値を順方向モデルで使用する前に多数の調整を行うことができる。それらには白点調整、黒点調整、データスムージング、グレー軸調整が含まれる。測定データにこれらの変換が行われた後、修正された測定値を補間LUTで使用する。
【0093】
他の方法はLUTにおいて未修正の測定値を使用し、補間の後でこれらの変換を行うことである。実施を容易にするためには前者の方法の方が好ましいが、これら2つの方法により同一の結果は出ない。
【0094】
2.2.1 白点調整と色調補正
知覚的モデルは白点調整と色調補正にすぎない。以下のようにL*a*b*空間においてフォンクリース白点調整と線形全体補正を使用する。
【0095】
オープンなシステムでは、画像は多くのソースから入力されるので、入力画像の意図について仮定する際には注意が必要である。写真RGB画像の例には、フォトCD画像、透明スライド(transparencies)のデスクトップスキャン画像、RGBに変換されたプロフェッショナルなCMYKスキャン画像がある。各RGB画像には、CMSに達する前に、異なる白点調整と色調補正が行われている。最適な再現のために、CMSはこれらのタイプの画像各々に対して異なる白点調整と色調補正を使用すべきである。こうした柔軟性はCMSでは期待できないので、入力RGB画像はユーザのモニタ上では「良く」見えるよう補正されているという、仮定の単純化が行われる。非常に単純な白点調整と色調補正が選ばれ、それらが最適であるという主張は行われない。
【0096】
2.2.1.1. 白点調整
本目的のためには、用紙を実際の色に拘わらず「白い」と考える。そして、用紙の値が最終的に(100,0,0)(現在,測定機器はD65測定輝度に対してL*a*b*値を計算するGretag SPM−100である)のL*a*b*値となるように、測定されたデータにフォンクリース白点調整を行う。
【0097】
これは、輝度を基準白色として用いて測定値をXYZにまず変換し、そして用紙測定値を基準白色として用いてL*a*b*に変換し直すことにより行われる。
【0098】
2.2.1.2. 黒点調整
上記の白点調整が行われた後は、プリンタの色調範囲はlminから100までのL*値をカバーしている。lminはプリンタに依存し、一般的には5より大きく30より小さい値である。一方、画像はL*においてゼロから100までの色調範囲を持つ。クリッピングすることなく入力色調を出力色調にマッピングするためには、測定全体のL*範囲(或いは、入力画像の色調範囲をプリンタの色調範囲に圧縮するように再現システムを構成することもできる)をカバーするようにL*a*b*値を調整する。
【0099】
(lmin, amin, bmin)を白点調整後の300%のインクの測定値とし、これを黒点調整と称することとする。
【0100】
各測定値(l,a,b)に対して、次の変換を実行する。
【0101】
【数7】
【0102】
この変換は固定点として(100,0,0)を持ち、黒点を(0,0,0)にマップする。ただし、この変換は測定値にシフトを導入し、このシフトの正当性と300%のインク値を黒点(最も暗い測定中間値として使用せずに)として選択した理由はセクション2.2.2.で説明する。
【0103】
2.2.2. グレー軸調整
大抵のプリンタはCMYKを用いるが、Kについてはこれまで述べられなかった。これは、プリンタまたはドライバ内部でグレー成分置換(GCR)がしばしば行われるためである。それは印刷処理の一部として扱われアルゴリズムも知られていない。しかし、多くのプリンタでは、通常、等しい量のCMYがkで代わる、100%のGCRのいくらかの変形を使用している。CMSが介在しなければ、RGBグレースケール画像(つまりR=G=B)はKのみを用いて印刷され、それが望ましいことである。この場合はCMSが介在することになるが、この特定動作はRGBグレースケール画像のために好ましくは保存される。
【0104】
ここではこの要求の正当性を十分に説明する試みはなされない。もしこの制限束(constraint)がなくシステムが完全に正確であったら、満足の行く中間色を印刷することが可能である。しかし、システムは完全に正確とはならず中間色は非ゼロの彩度で印刷される。グレースケール画像を印刷する人はこれらの誤差に気付きそれらがグレースケールを乱していると思うであろう。いくつかの色調は中間的に見え、いくつかの色調はわずかに赤みがかった色合いを持ち、いくつかの色調はわずかに緑がかった色合いを持つ、などとなる。中間色がKのみを用いて印刷されたら、いずれの色合いも全体のグレースケール上で一致し、印刷結果はより満足の行くものとなるはずである。こうするために、両白点調整、黒点調整の後に他の変換も行う。これをグレー軸調整と称する。
【0105】
測定された各L*a*b*値と対応するCMY((L,a,b), (C,M,Y))に対して次の処理を行う。C=M=Yの場合、aとbをゼロに置換するか、さもなければaとbを未変更にしておく。一度これを実行すると、測定値は、等しいCMY値の測定値が中間色であることを示す。
【0106】
この方法には2つの落とし穴がある。
【0107】
・局所の変更が行われるため、データに非スムーズ性がもたらされる。
【0108】
・正当な測定値を人為的な測定値に置換することにより、データの正確さが減少する。 実行されるシフトが小さくCMYグリッドの段差が大きければ最初の落とし穴で問題が生じることはない。黒点調整(セクション2.2.1.2)で等しいCMYの近接中間値を生じる場合、黒点調整は非スムーズ性をもたらさない全体的なシフトである。
【0109】
例1
プリンタが100%のGCRを用い、Kがいくぶん青みがかっていると仮定する。Kのみを用いてCMY=(100%,100%,100%)からCMY=(0%,0%,0%)へのグラデーションを印刷することができる。L*a*b*空間では、このグラデーションは白から青みがかった黒へとスムーズに移行すると思われるが、おそらくL*a*b*空間では、それは直線とはならないが大きい湾曲ともならない。もしグラデーションが直線であったなら黒点調整によりこの全ての傾斜(ramp)のL*a*b*を中間色に変更する。実際は、黒点調整ではグラデーションをより中間色に近くするので、後続のグレー軸調整では小さいシフトを導入するだけで済む。
【0110】
第2の落とし穴で、測定値の正確さが減少するという点はは残さなければならないが、不利益とはならない。おそらく見る人は、白に対してしているように、黒に対しても順応するであろう。
【0111】
導入される局所シフトと黒点調整からの全体的なシフトの程度(magnitude)は、直進的に計算できる。これらのシフトがある特定のプリンタに対して大きいと判明した場合は、この変換の利点を再評価しなければならない。
【0112】
2.2.3 データスムージング
インクと用紙の「自然な」動きは連続的でスムーズである。しかし、この動きは多くの要因に影響され、非スムーズになり、不連続にもなる。
【0113】
・中間調処理、ディザリング、誤差拡散等は段差と不連続性をもたらす。
【0114】
・GCRは非単調な動きを生じる。これはGCRアルゴリズムが輝度を保存しない場合には特に明らかとなる。セクション5.2参照のこと。
【0115】
・全体のインクカバー量(ink coverage)を制限するソフトウェアまたはハードウェアが非平滑性をもたらす。
【0116】
セクション2.4で説明される理由に関しては、データをスムージングすることが望ましい。ここで選択されている特定のスムージング技術は強く正当化されるものではないが、比較的単純で実際に上手く機能すると思われる。
【0117】
セクション2.1で述べたようにLを測定値のn3のLUTとする。n=2の場合、Lにおける補間を行うと、非常にスムーズだが非常に不正確な順方向モデルとなる。nが大きいと、順方向モデルは正確になるが、測定誤差または不連続なプリンタ自身の動作によって、順方向モデルは非スムーズになる。
【0118】
スムージングアルゴリズムは整数kと実数zの2つの値でパラメータ化されている。kはn−1の約数でなければならない。Lをサブサンプリングことによりサイズm3の新たなLUTが形成されるが、ここで
m={(n−1)/k}+1
である。これをLUT L’と称する。
【0119】
LとL’を平均して、以下のようなサイズn3のL’’を形成する。(c,m,y)をLの値とし、(l,a,b)Lを対応する測定値とする。(l,a,b)L’をL’において(c,m,y)を補間した結果とする。(c,m,y)に対するL’’の値は以下のようにして求められる。
【0120】
【数8】
【0121】
kの値が大きいほど、L’はよりスムーズで、より正確さが減少する。zの値が大きいほど、L’’の計算において、より大きい重みがL’に付加される。z=0またはk=1の場合L’’はLと同一である。
【0122】
データスムージングにより、導入されたΔEの分配は直進的に推定できる。CMY値であればランダムなサンプル上でL’’の出力をLの出力と比較する。
【0123】
2.3 順方向モデル
繰り返すと、まず均一スペースのグリッドのCMYを測定する。次にこのデータに白点調整を行い、黒点調整、グレー軸調整、そしてデータスムージングを行う。それから3次線形補間によるルックアップテーブルで測定値を使用する。LUTと補間の組み合わせは、CMYからL*a*b*への連続的なマッピングと考えることができる。このマッピングは以下のように表わされる。
【0124】
f:CMY→L*a*b*
ここでfはプリンタの順方向モデルであり、以下のフローチャートで図示される。
【0125】
CMYグリッドのL*a*b*を測定
↓
測定値に白点調整を実行
↓
測定値に黒点調整を実行
↓
測定値にグレー軸調整を実行
↓
測定値にスムージングを実行
↓
測定値を3D補間LUTに設定
2.4 反転モデル
L*a*b*からCMYへのマッピングはプリンタの反転モデルとして表わされる。
【0126】
f−I: CMY→L*a*b*
f−Iの分析的な形式はないため、算術的技術であるニュートンの反転法を用いて、ある点における関数を反転する。ニュートンの反転法では、以下の理由により反転が失敗して特定のL*a*b*入力上の解に集束することがある。
【0127】
・L*a*b*値がfの変域(domain)ではない(つまり、現在のプリンタに対して色域外の色である)。
【0128】
・fが非単調である。この場合は、ニュートンの反転法では反転は1つの解が存在してもその解に集束せず、または複数の解が存在する。
【0129】
セクション2.2.3のデータスムージングを用いて非単調なデータとなることを避けるようにすることが望ましい。いくつかのプリンタではデータスムージングは不要である。データスムージングが必要か否かを判断する唯一の方法は、今のところ観察によるものである。多数のL*a*b*値に対する順方向モデルを反転して、その結果のCMYについて色域内にノイズまたは「孔」があるか否か調べる。
【0130】
2.4.1 正確性
反転モデルの正確性は順方向モデルの正確性(セクション2.1.1)、データスムージング(セクション2.2.3)により導入された誤差、そしてグレー軸調整(セクション2.2.2)により導入された誤差に依存している。白点および黒点調整は誤差を導入するとは考えられない。むしろ、これらの調整は順応モデルあって、正確なCIEXYZ対CIEXYZの一致を望む場合はこれらの調整を省略すべきである。
【0131】
反転モデルにおける誤差の配分を推定する方法は2つある。最初の方法は上述の誤差を数学的に組み合わせて新しい配分を形成することである。この方法の利点は、さらなる測定を必要としないことである。欠点は、どのようにこの分配を達成するかがまだ不明なことである。
【0132】
第2の方法はL*a*b*値のランダムなセットを生成し、それらに反転モデルを行ってCMY値を得て、これらのCMY値を印刷して測定し、測定されたL*a*b*と最初のセットを比較することである。これらのΔEは反転モデルにおける誤差の分配に近似する。
【0133】
2.5 実際的な事柄
多項式フィッティング(polynomial fitting)やプリンタのカラー動作の物理的モデルなど、順方向モデルを構成する他の方法がある。ここで選択された特定の方法に対する賛成点および反対点は以下の通りである。
【0134】
[賛成点]
直進的に実行し記述できる。
【0135】
密集したグリッドを選択することにより、誤差を任意に減少させることが可能である。 (グレー軸調整のために)等しいCMY軸に優れた制御が可能である。
【0136】
[反対点]
データ点がグリッド上になければならないので、より多くのデータを特定のCMY領域に集中するのは不可能である。
【0137】
適度な正確さを得るためには比較的多量のデータを必要とする。
【0138】
個別でいくぶん特別なスムージング段階を必要とする。
【0139】
3. 色域マッピング
反転プリンタモデルは色域内のL*a*b*値をどのように印刷するかを示している。あるL*a*b*値が色域外である場合、反転モデルを行う前にその値を色域内色にマップする。セクション2.4の警告はさておいて、ある色に対して順方向モデルを反転することによってその色が色域内であるか否かを判定することができる。反転がある解に集束した場合はその色は色域内であり、そうでなければ色域外である。
【0140】
ここで選択された特定の色域マッピングアルゴリズムはクリッピング手法であって、色域外色を色域表面にマップする。他のクラスのアルゴリズムは「圧縮」手法で、いくつかの色域外色を厳密に色域内の色にマップする。
【0141】
3.1 色域マッピングの不飽和
LCH空間の目標点t=(Lt,Ct、Ht)を考えると、プリンタ色域表面上へのtのマッピングは次のように定義される。
【0142】
【数9】
【0143】
ここでLminは最も暗い色域内中間色であり、Lmaxは最も明るい色域内中間色である。LminとLmaxの間のすべての中間色は色域内である(この白点及び黒点調整の選択によりLmax=100,Lmin=0となるが、不飽和領域マッピングはこの属性に依存していない)と想定する。
【0144】
tのプリンタ色域表面への不飽和マッピングは線セグメント{(L1,C1、H1)(L’1,0,0)}/(/は上バーを示す)において色域内の最も色度の高い点として定義される。このマッピングは以下のように表わされる。
【0145】
d:LCH→CMY
主観的に述べると、dは保守的な色域マッピング手法である。この手法は色相と輝度を保存し、画像に人工的なものを感じさせない。さらに、色域内及び色域外色の間の変移がスムーズである。これは非常に重要な属性である。しかしながら、この手法では高い飽和の色域外色は過度に不飽和にされる。こうした色については、色相も輝度も保存しない手法が望ましい。(例えば、たとえ色相と輝度が異なってもモニタの純粋なイエローをプリンタのイエローにマップする手法が望ましい。不飽和色域マッピングはモニタのイエローを白色に近い色にマッピングする。)
3.2 Nコーン色域マッピング
新しい色域マッピングをここで提案するが、このマッピングは不飽和色域マッピングの最上の特質を持ち、一方高飽和の色域外色に対して満足の行く出力を再現する。この手法は、以下のセクションで説明する、LCH空間に2つ一組の3次元幾何学的立体の周りに構築される。
【0146】
3.2.1 Nコーンモデル
図16に示すLCH空間にnコーンと称する立体を考える。
【0147】
nコーンはn個の色度頂点(L,C,H)0, (L,C,H)1,...(L,C,H)n−1により規定され、ここでHi<Hi+1である。nコーンのn個の上表面は(100,0,0)0, (L,C,H)i, (L,C,H)(i+1)mod n で形成される三角形である。下表面は(0,0,0)0, (L,C,H)i, (L,C,H)(i+1)mod n で形成される三角形である。そこで、あるnコーンの2つの非色度頂点は黒(0,0,0)原点と白(100,0,0)7である。
【0148】
3.2.2 Nコーン上への点の投影
LCH空間における目標点t=(Lt,Ct,Ht)を考えると、tの色相保存投影p=(Lp,Cp,Hp)はHp=Htとしてnコーン上に定義される。
【0149】
(Li,Ci,Hi)を、色相においてHiに時計回り方向に最も近い(上から見た場合、図18(A),18(B)参照)nコーン頂点とする。(Lj,Cj,Hj)を、色相においてHtに反時計回り方向に最も近いnコーン頂点とする。Ctがゼロである退化した場合、i=0、j=1である。
【0150】
目標色を六角コーン上に投影するために、線セグメント上の点は{(Li,Ci,Hi)(Lj,Cj,Hj)}/(/は反転を示す)と定義され、同じ色相を持つ。この点を最重要点(crux)と称する。
【0151】
3.2.2.1 最重要点(crux)
(Li,ai,bi,)および(Lj,aj,bj)をそれぞれL*a*b*座標(Li,Ci,Hi)、(Lj,Cj,Hj)とする。L*a*b*空間においてこれらの2点を通る線を記述するベクトル方程式は以下の通りである。
【数10】
最重要点はax/bx = at/bt(目標色はL*a*b*空間では(Lt,at,bt)として表わされる)である線上の点(Lx,ax,bx)である。最重要点を見つけるためには、次の式をVxについて求める。
【0152】
at/bt={vxaj+(1−vx)ai}/{vxbj+(1−vx)bi}
より
vx=(biat−aibt)/{bt(aj−ai)−at(bj−bi)}
このvxを[数10]へ代入する。
【0153】
【数11】
【0154】
LCH空間における最重要点は(Lx,Cx,Hx)として表わされ、ここではHx=Htである。
【0155】
最重要点が定義されたので、目標色の輝度に従って最重要点を原点または(100,0,0)と結ぶ線を定義する。この線を表面線と称し、目標色はこの線上に投影される。
【0156】
3.2.2.2 表面線
表面線は線セグメント{(Lx,Cx,Hx)(100,0,0)}/(/は上バーを示す)、または線セグメント{(Lx,Cx,Hx)(0,0,0)}/(/は上バーを示す)で定義される。これらの線は両方とも一定の色相であり、表面線はLC空間において以下の式で表わされる。
【0157】
L=msc+bs
ここで、
【0158】
【数12】
目標色は表面線上へ投影される。投影線の傾斜ΔL/ΔCは投影の輝度と定数により決定される。
【0159】
3.2.2.3 投影線
投影線はLC空間における線で、目標を通り、表面線と交差し、以下の式で求められる傾斜とL*切片を有している。
【0160】
L=mpc+bp
ここで、
bp=Lt−mpct
mp={(1−w)δ+w−1}/ms
さらに、
【0161】
【数13】
δは0≦δ≦1を満足する定数である。
【0162】
換言すると、投影線は定数δと、目標輝度と最重要点輝度間の差に従った傾斜mpで目標色を通る線である。
例2
δ=1のときはmp = 0となるので、投影線の傾斜は目標輝度に拘わらずゼロである。
【0163】
δ=0のときはmp =(w−1)/msであるので、投影線の傾斜は、目標輝度が最重要点輝度と等しい場合ゼロであり、目標輝度がゼロまたは100に近づくと、投影線は表面線に対し直交する角度に近づく。
【0164】
実際は、δに対する最適な値は扱っている色相領域と、扱っている特定プリンタの色域に依存するように思われる。(セクション3.2.5.2と3.2.7参照)
3.2.2.4 投影
(L’,C’)を投影線と表面線との交点とすると、
c’=(bs−bp)/(mp−ms)
L’={mp(bs−bp)/(mp−mx)}+bp
投影p=(Lp,Cp,Hp)は以下の式で与えられる。
【0165】
【数14】
【0166】
そしてHp = Htである。
【0167】
図19に示すように、セクション3.2.2.2で述べたように(L’,C’)が線セグメントの1つの上に存在する場合は、それは投影である。そうでない場合は、投影は最重要点と同一であると定義される。
【0168】
ただし投影はnコーン内の値を含む全てのLCH値に対して定義される。
【0169】
3.2.3 実際のCMY色域表面のモデリング
CMY装置については、色域表面は次の色のセットである。
【0170】
S={(C,M,Y)|min{C,M,Y}=0%Vmax{C,M,Y}=100%} 式4
つまり、あるCMY値は、その成分の1つがゼロまたは100%であれば、その場合のみ色域表面上の値である。Sを測定した場合、L*a*b*値は、8つの頂点が0%及び100%のインクの全ての混色の結果の色となる、歪んだ立方体を形成する。すなわちC、M、Y、C+M、C+Y、Y+M、C+M+Y、白である。
【0171】
この歪んだ立方体の面とエッジは凹状または凸状となる。セクション2で述べた理由から、非スムーズ領域が存在する。作業で扱いやすいL*a*b*空間におけるCMY色域の分析的な記述を見つけるのは困難である。従って、HAと表わされる六角コーンとしても知られる6個の色度頂点を持つnコーンを用いて、たとえ不正確にでも、CMY色域をモデリングする。
【0172】
CMYの6つの組み合わせを選択することにより頂点のLCH値を選択し、順方向モデルを用いてそれらのLCHを計算する。通常、使用されるCMYの組み合わせは次の通りである。
【0173】
(C,M,Y)0 = (100%,0%,0%)
(C,M,Y)1 = (100%,100%,0%)
(C,M,Y)2 = (0%,100%,0%)
(C,M,Y)3 = (0%,100%,100%)
(C,M,Y)4 = (0%,0%,100%)
(C,M,Y)5 = (100%,0%,100%)
そして、
(L,C,H)i = f(C,M,Y)iである。
【0174】
ここでfはセクション2.3で述べたプリンタの順方向モデルである。
【0175】
この方法を用いて六角コーン座標を特定する必要はない。セクション3.2.7では他の座標が時折選択される理由を説明する。上記のCMYの組み合わせが順方向モデルと共に使用される場合、六角コーンの頂点は実際のプリンタ色域のコーナーに正確に一致し、六角コーンの形状は実際の色域の形状に適切に近似したものとなる(図20参照)。
【0176】
3.2.4 理想CMY色域表面のモデリング
現在の目的に対して、理想CMY色域は、代表的なRGBモニタ色域の形状を持つものである。
【0177】
そのようなプリンタが存在するなら、RGB画像のための色域マッピング問題は起らず、ユーザはスクリーン上で見たものを正確に印刷することができる。
【0178】
モニタ色域の形状は頂点がモニタのRGB原色および二次色から計算される六角コーンを用いて近似することができる。(「代表的な」RGBモニタに対して標準CIE RGBRCIEXYZRLCH変換を用いる。)これを六角コーンHIと称する。
【0179】
HIの各頂点に対して、RGB色に対して最適であると主観的に判断されるCMYの組み合わせを選択する。例えば、RGBのブルーは100%C+50%Mで最もよく再現される、またはRGBのグリーンは100%Y+60%Cで最もよく再現される等と決めてもよい。これらのCMY混色の選択基準はセクション3.2.7で述べる。
【0180】
3.2.5 Nコーンモデルの拡張
これまでnコーンをLCH空間内の幾何学的立体と定義し、LCH空間内の点をnコーンの表面上に投影する方法を説明してきた。その表面上の各点がそれに関係する付加的な値を持つように、nコーンの定義を拡張する。つまり、CMY値、その減衰ファクタと呼ばれる数値、その傾斜ファクタと呼ばれる数値である。傾斜ファクタの元の定義はセクション3.2.2.3で述べたが、そこでは傾斜ファクタは表面線の傾斜に関係して投影線の傾斜を決定するものである。これらの拡張の理由はセクション3.2.6で説明する。
【0181】
3.2.5.1 Nコーン色(colorants)
六角コーンの各頂点の色(colorants)はその原点と白で特定される。補間方式もまたnコーン上の全ての他の点に対して特定される。例えば、nコーン頂点の色はセクション3.2.3のように、原点の色は(100%,100%,100%)として、白の色は(0%,0%,0%)として定義することができる。
【0182】
各nコーン頂点(L,C,H)iに対して、(C,M,Y)iをそのCMY値とする。
【0183】
最重要点のCMY、(C,M,Y)xは次のベクトル方程式で定義される。
【0184】
【数15】
【0185】
ここでVxは式2で与えられ、iとjはセクション3.2.2で特定されている。
【0186】
最重要点(L,C,H)xを通る表面線を考えると、この線上の点(Ls,Cs)のCMYは次のように定義される。
【0187】
【数16】
【0188】
ここで、
【0189】
【数17】
従って、nコーンの頂点は白(インクなし)であり、底部は黒(300%インク)であり、各頂点は特定のインク混色である。nコーン表面上の点のCMYは上述したように周囲の頂点間を補間することにより求められる。
【0190】
3.2.5.2 Nコーンの減衰ファクタと傾斜ファクタ
各nコーン頂点(L,C,H)iに対して、aiをその減衰ファクタ、δiをその傾斜ファクタとする。最重要点の減衰ファクタaxは以下の式で定義される。
【0191】
ax = vxaj + (1−vx)ai
ここでvxは式2で与えられ、iとjはセクション3.2.2で特定されている。同様に、最重要点の傾斜ファクタδxは以下の式で定義される。
【0192】
δx =vxδj + (1−vx)δi
最重要点(L,C,H)xを通る表面線を考えると、この線上のいずれの点(Ls,Cs)の減衰ファクタも最重要点における減衰ファクタと定義される。同様に、この線上のいずれの点の傾斜ファクタも最重要点における傾斜ファクタと定義される。言い換えると、nコーン表面上の点の減衰ファクタと傾斜ファクタは、その点の輝度または色度ではなく、その点の色相のみに依存している。
【0193】
セクション3.2.7では減衰ファクタを設定し傾斜ファクタを選択する方法を説明する。
【0194】
3.2.6 デュアルコーン色域マッピング
目標色tを考えると、そのCMY値(C,M,Y)tは以下のように特定される。
【0195】
セクション3.2.5.1で述べたように、(C,M,Y)tをtのHI上への投影からのCMY値とする。
【0196】
セクション3.2.5.1で述べたようにaIをtのHI上への投影からの減衰ファクタとする。
【0197】
PAをtのHA上への投影とする。
【0198】
r=f(d(PA))、つまりrを、PAへの不飽和色域マッピングにより得られたCMY値とする。
【0199】
2つのCMY値rと(C,M,Y)Iが得られる。rは「保守的な」値(セクション2.4.1で述べたとおり)である。(C,M,Y)Iは完全飽和のRGB色に対して(HIの頂点とCMYが適切に選択される限り)適切な値である。tがHAに近づくとrが優勢となり、tがHAから「十分に遠く」離れると(C,M,Y)Iが優勢となるように、rと(C,M,Y)Iとの加重平均が取られる。
【0200】
重みwは以下の式で与えられるものとする。
【0201】
【数18】
【0202】
wを用いて以下のように記述される加重平均を計算する。
【0203】
【数19】
【0204】
最終的に、rまたは(C,M,Y)Iが100%より大きい成分を持つ可能性を見越しておく。
【0205】
【数20】
【0206】
(C,Y,Y)tは目標点tに実行されたデュアルnコーン色域マッピングの結果である。
【0207】
従って、プリンタ色域から遠く離れた色に対しては、理想nコーンにより最終的なCMYを決定する。実際のnコーンに近づくにつれて、投影方向はますます実際のnコーンに影響される。しかし、実際のnコーンはCMY値に寄与はしない。図21に示すように、CMY値は色域内色が見つかるまで実際のnコーンへの投影を不飽和にすることにより得られるものである。何故実際のnコーンへの投影方向において連続にするよりも不飽和にするのであろうか。いくつかの場合、投影線は本当の色域とまったく交差しない。図22は、投影線が本当の色域に交差し損ねている場合を示している。
【0208】
3.2.7 Nコーンパラメータのセッティング
nコーンは次の値でパラメータ化される。
【0209】
・色度頂点の数
・各頂点のCMY
・各頂点の座標
・各頂点の減衰ファクタ
・各頂点の傾斜ファクタ
表1はこれらのセッティングのうち最初の単純なセッティングを示している。
【0210】
【表1】
【0211】
[表1に対する賛成点]
実際のNコーンは、その頂点が色域の自然の「コーナー」に一致するため、本物の色域形状に対する適度に優れた近似である。
【0212】
モニタのレッド、シアン、マゼンタ、イエローは対応するプリンタの立体にマップされる。
【0213】
[表1に対する反対点]
モニタのブルーは100%C+100%Mでマップされるが、紫に見える。
【0214】
モニタのグリーンは100%C+100%Yでマップされるが、モニタのグリーンよりも暗く黄色味が少ない
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは、グラデーションの中央がいずれかの端点よりも明るい(下記の注1参照)。
【0215】
モニタの原色からブラックへのグラデーションは、明確な段差になって再現される。これは、特にブルーからブラックへのグラデーションに対して起こりやすい(下記の注2参照)。
【0216】
色域近接色、特に肌(肉)色の色調であるため、ピンクについて不都合な明度のシフトが目立つ(下記の注3参照)
注1:
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは輝度に関して非単調となる。これは、1つの端点がCMY=(100%,0%,100%)にマップされ、それがモニタのグリーンよりも暗いためである。しかしながら、グラデーションがブラックに近づくと、実際の色域により近くなるので、式5のwは1に近づく。wが1に近づくと、rと実際のnコーンへの投影のCMYにより大きい重みが加わるので、rは入力色の輝度を保持する。言い換えると、グリーンの端点は輝度に拘わらずより暗い色にマップされるが、ブラックが近づくと、入力の輝度が考慮され、これにより非単調となる。
【0217】
注2:
CMY=(100%,100%,0%)からCMY=(100%,100%,100%)へのグラデーションを考える。イエローがブルー立体に加わるため、グラデーションは単調により暗くなり、そして色度がより低くなる。
【0218】
しかし、100%のGCRを行った後の同じグラデーションはCMYK=(100%,100%,0%,0%)からCMYK=(0%,0%,0%,100%)となる(セクション5.2参照)。元のCMYグラデーションCMY=(100%,100%,10%)に沿った点を考える。GCRの後この点はCMYK=(90%,90%,0%,10%)となる。このCMYKは元のCMYよりも明るい。つまり、10%Kの付加により10%Cと10%Mの減少の補償とはならない。
【0219】
図23はモニタのブルーの色相におけるCMY色域の断面を示している。図24は100%のGCRが行われた後の同じ色域を示している。ブルーからブラック領域への凹部に注目すると、両図とも色域マッピングの結果である投影線に沿ってRGBのブルーからブラックへのグラデーション(ブルーからブラックへのRGB空間においてグラデーションを定義すると、一定のLCH色相は得られない.しかしながら、グラデーションに沿ったLCH色相差は小さい))を示している。図23では、投影点は比較的均一にスペースがとられ、輝度は一定の割合で減少している。しかしながら、図24では、純粋なブルーの投影は、グラデーションに沿ったわずかにより暗い色とはかけ離れている。色域マッピングの後、グラデーションはブルーの端部で高く飽和し、ブラック端部へ向かうと不意に色度が低くなり、その結果はっきりと目に見える段差となる。
【0220】
注3:
色域近接色に対する明度のシフトはゼロにセットされた傾斜ファクタにより起きる。ゼロの傾斜ファクタにより投影線の輝度は一定でなくなる(例2参照)。これは元の色の彩度を維持する助けとなるため時には望ましいことである。しかしながら、いくつかのプリンタにとってはこれは肌(肉)色の再現に問題を引き起こす。色域外のピンク色はより暗くなり、これは不都合である。
【0221】
表2は表1の欠点のいくつかを避けるように工夫されている。
【0222】
【表2】
【0223】
ただし表2における特定のCMY値は例であって、最適な選択はプリンタごとに異なるものである。
【0224】
[表2に対する賛成点]
モニタのレッド、シアン、マゼンタ、イエローは対応するプリンタの立体にマップされる。
【0225】
モニタのブルーは100%C+50%Mにマップされるが、表1よりも好ましい色域マッピングである。
【0226】
モニタのグリーンは100%C+50%Yにマップされるが、表1よりも好ましい色域マッピングである。
【0227】
モニタの原色からブラックへのグラデーションは、目に見える段差なくスムーズに再現される。これは、特にブルーからブラックへのグラデーションに対して起こりやすい(図25参照)。
【0228】
色域近接色の肌(肉)色調のピンク色の再現が改善されている。
【0229】
[表2に対する反対点]
実際のNコーンは、そのいくつかの頂点はプリンタの立体でないため、本物の色域の最高近似ではない。これは、いくつかの色域内L*a*b*色が正確に再現されないことを意味している。例えば100%C+100%MのL*a*b*である。
【0230】
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは、グラデーションの中央がいずれかの端点よりも明るい(下記の注1参照)。
【0231】
100%C+100%Mまたは100%C+100%Yなど、いずれかの入力により再現できない色域内色が存在する。
【0232】
表2は表1の問題の多くを解決しているが、いくつかの新しい問題をもたらしている。特に、100%C+100%Mまたは100%C+100%Yのような高飽和の色域内色が再現できないことがそうである。表3では、理想nコーンに、プリンタのブルー用とプリンタのグリーン用の2つの頂点を追加することにより、この特定の問題に取り組んでいる。
【0233】
【表3】
【0234】
[表3に対する賛成点]
表2に対する賛成点全て
[表3に対する反対点]
実際のNコーンは、そのいくつかの頂点がプリンタの立体でないため、本物の色域の最高近似ではない。これは、いくつかの色域内L*a*b*色が正確に再現されないことを意味している。例えば100%C+100%MのL*a*b*である。
【0235】
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは、グラデーションの中央がいずれかの端点よりも明るい。
【0236】
モニタのRGBのイエローからRGBのグリーンへのグラデーションは、100%C+100%Yを含むが、不都合な色である。これは100%C+100%Yに対応する理想nコーン頂点に対する、よりよいLCH座標を選択することによって避けることができる。
【0237】
図25は図24に重ね合わせた表3の実際のnコーンを示している。青−黒グラデーションがこのnコーン上へ投影されて、この色相での真の色域の凹部により生じる不連続性を避けている。
【0238】
3.2.8 加工部分(artifacts)
3.2.9 飽和度
3.2.10 色域近接色
3.3 結論
色域外色は理想六角コーンと実際の六角コーンの両方の上に投影される。実際の六角コーン上への投影は色域内色が見つかるまで不飽和にされる。この色域CMYと理想投影のCMYとの加重平均がとられ、これが色域マッピングの結果となる。
【0239】
4. 分離ルックアップテーブル
順方向モデルを反転して画像の各色に対してデュアルコーンマッピングを計算するのはコンピュータ計算的にコストがかかるものである。分離ルックアップテーブルはこの計算の効率的な近似であり、これにより導入される誤差は直進的に計算される。留意すべき点は、LUTの唯一の仕事は反転モデルと色域マッピング機能に近い動作をするということである。LUTはこれらの機能における誤差または非スムーズ性を補償することはできない。無限に密度の高いLUTなら定義により完全となるであろう。
【0240】
4.1 正確性
セクション2.1.1の正確性の記述はここに関係する。分離テーブルは反転モデルと色域マッピングアルゴリズムに近い動作をするよう意図されているため、L*a*b*色のランダムなサンプルを取りLUT内で補間して1セットのCMYを得て、色域マッピングアルゴリズムと反転モデルを行って第2のセットのCMYを得て、これらの2セットのCMYを比較する。順方向モデルを用いて両方のセットのCMYをL*a*b*へ変換してΔEを計算する。しかし、ΔEの分布は必要な情報の全てではない。
【0241】
他のより有益な方法は、入力L*a*b*値を4つのクラスに分けて各クラス内でΔEの分布を決定する方法である。これを行うには、以下のクラスの2つが二次元空間であるため、ランダムな入力セットで始めることは不可能である。
【0242】
・中間軸上のL*a*b*
・色域表面上のL*a*b*
・色域内の中間軸上と色域表面上にはないL*a*b*
・厳密に色域外L*a*b*
各クラスとも重要であるが、LUTの全体の質を決定する際に各クラスに等しく重み付けすることはできない。
【0243】
計算されるΔEは入力色と測定されたCMYの間(つまり、それらが印刷される場合)にあるのではない。LUTとLUTが近似する連続システムとの差異のみが計算される。
【0244】
4.1.1 表面色
式4で記述したように、表面色はLUTを用いて正確に再現することが特に困難である。表面色が存在することになるLUT立方体にはいくつかの色域コーナーといくつかの色域外コーナーがある。従って、その結果のCMYは表面色とはならず、飽和以下(under saturated)となる。これは特にイエローについて問題となる。
【0245】
ユーザがCMYKのイエローを他のインクを使わずに印刷したい場合、C、M、あるいはKによるわずかな濁りでも不都合であることがわかるであろう。これは他の色ではこれほどではない。例えば純粋なシアンへの2%のマゼンタの不必要な混色では見分けるのが難しい。
【0246】
この特定の難局に対する解決は提案されていないが、LUTの密度が高いほど問題性は低くなる。
【0247】
4.2 スムーズ性
LUTを構築するために連続システムをサンプリングするプロセスによって、いずれの付加的な非スムーズ性も導入するべきではない。しかしながら、連続システム自体がどのくらいスムーズであるかを決定することは困難であり、その非スムーズ性はLUTの構築においてのみ現れる可能性もある。現在のところ、いずれの平滑性の分析的測度も知られていない。LUTの層をCMY画像として見て加工部分(artifacts)について目視で調べることは可能である。そうした加工部分の根源を追跡することは探査作業を実践することになる。時には、悲しいことに、そうした人為構造が発見されても、連続システムにおけるそれらのソースにおいて補正できないこともある。このため、セクション4.3の技術を説明する。
【0248】
4.3 LUTスムージング
以下の値でパラメータ化された局所緩和とシフトをLUTに行う。
【0249】
緩和で使用するための周辺値:n
局所緩和領域の中心:(L,a,b)c
局所緩和領域の半径:r
スムージングの重み:w
4.4 指数空間とLUT補間
CIE RGBとL*a*b*の上記の基準に対して共通に使用される2つの指数空間に対するいくつかの賛成点と反対点を以下に挙げる。
【0250】
[RGB指数空間に対する賛成点]
指数空間が入力画像のRGB空間に一致する場合、純粋なモニタ原色および二次色はLUT頂点上となるので、それらの色の再現は補間誤差を被らない。これはコンピュータにより生成された色を含む画像について特に好ましい
RGB指数化は4面体補間とは上手く機能し、効率的である。
【0251】
拡張したRGB空間であっても、おそらく、相当するL*a*b*LUTよりもより多くの色域内値を持つLUTとなる。これにより補間誤差をより少なくする可能性はあるともないとも言えるが、おそらく表面色の再現を改善するであろう。
【0252】
[RGB指数空間に対する反対点]
全ての適切なreasonableプリンタとモニタの色域を含んでいるCIE RGB空間は少数あるいは皆無である。従って候補RGB空間は拡張しなくてはならず、システムを複雑にする。
【0253】
RGB指数化は3次線形補間とは上手く機能しない。あるRGBテーブルの中間軸は斜めであり、3次線形補間は斜線軸をはずれた頂点を生じ、斜線上の補間に影響する。
【0254】
[L*a*b*指数空間に対する賛成点]
L*a*b*はいずれのプリンタまたはモニタの色域も含んでいる。
【0255】
L*a*b*指数化は3次線形補間、4面体補間(tetrahedral interpolation)の両者とも上手く機能する。
【0256】
[L*a*b*指数空間に対する反対点]
RGB原色および二次色は常に補間された色となる。
【0257】
いずれのRGB入力によってもアドレスすることができないL*a*b*色が多く存在するため、L*a*b*指数化はスペースを浪費する。実際は、物理的意味を持たない(例えばL*a*b*=(100,20,0))多くのL*a*b*色が存在する。
【0258】
上記の賛成点と反対点の全てはRGB原色および二次色の再現を除いてはサイズと正確さの間の同時達成できない要因と見ることができる。つまり、あるRGBのLUTに対し、上位のL*a*b*LUTを構成することは、それが十分に大きく作成されるならば常に可能であり、逆もまた同様である。
【0259】
5. 付加的な項目
5.1 モニタのマッチング
このシステムの1つの目標は、モニタ対プリンタのマッチングを提供することである。これは観察輝度とモニタの白点が共にD65である高制御の観察環境において達成されてきた。モニタ「校正」のためには、一般に販売されているものよりも洗練された機器を用いてモニタの白点を調整することが必要であった。こうした注意深い校正をせずに行った調整結果は受け入れられないものである。
【0260】
理論的には、白点調整は、プリンタとモニタの白点が異なっていても、それらの間で知覚的に一致すべきである。実際はこの調整はうまく機能しないことが判明している。これは、現在の適合モデルには欠陥がある(適合モデルは白点および黒点調整にすぎない)ことを示している。より洗練された適合モデルが存在しており、これは将来の改良の可能性のある領域である。
【0261】
5.2 GCR
セクション2.2.2で述べたように、大抵のプリンタは内蔵のGCRを有している。CMYプリンタには、ある程度信頼できるいくつかの特性がある。例えば、2つのCMY値(C0,M0,Y0)、(C1,M1,Y1)、それらの対応するL*a*b*値(L0,a0,b0)、(L1,a1,b1)を考えると、次の式が予測される。
【0262】
(C0≦C1∧M0≦M1∧Y0≦Y1)⇒(L0≧L1) 式8
つまり、インクが増加するとL*が減少する。
【0263】
しかし、GCRは式8の含意を不正とすることがある。
【0264】
例3
100%のGCRと称される、K = min{C,M,Y}で、CMYからKが除去される単純なGCRアルゴリズムを考える。CMY = (100%,100%,20%)はCMY = (100%,100%,0%)より暗いが、GCRの後は、CMYK = (80%,80%,0%,20%)はCMYK = (100%,100%,0%,0%)よりも明るくなる可能性がある。従って、このGCRアルゴリズムはプリンタをいくぶん「不自然」に動作させている。
【0265】
図24に示すように、この事は順方向モデルの反転や色域マッピングに問題を生じる。実際は、前の例のGCRアルゴリズムはそうした問題を起こさないように見える。しかし、より複雑なGCRアルゴリズムは問題を起こすように思われる。
【0266】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、比較的低い彩度の色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタ上で印刷可能な色の色域がモニタ上で表示可能な色の色域とどのように関係しているかを示す色度図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリンタドライバを内蔵する代表的なコンピューティング装置の外観を示す図である。
【図3】図2の内部構成を示す詳細ブロック図である。
【図4】図3のブロック図の機能的接続を強調した機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に関わるプリンタドライバによる印刷を示すフロー図である。
【図6】本実施の形態に関わるプリンタドライバで用いる再生用LUTの構成方法を示すフロー図である。
【図7】代表的なプリンタのために順方向(forward)マッピングを構成する方法を説明するフロー図である。
【図8】フォワードマッピングをスムージングする方法を説明する図である。
【図9】デュアルコーン色域マッピングを説明する図である。
【図10】、
【図11】、
【図12(A)】、
【図12(B)】、
【図12(C)】、
【図13】、
【図14】本実施の形態に係るデュアルコーン色域マッピングに従って目標色域外色を実コーンと理想コーンに投影する方法を示す図である。
【図15】再生用LUTをスムージングする方法を説明するフロー図である。
【図16】、
【図17】、
【図18(A)】、
【図18(B)】、
【図19】、
【図20】、
【図21】、
【図22】、
【図23】、
【図24】、
【図25】本願の付録で参照する図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力デバイスにより出力できない色を出力可能な色へ色域マッピングする画像処理方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
最近、カラーモニタやカラープリンタの有用性が増してきており、コンピュータユーザにとっては、デスクトップパブリッシングソフトウェアを用いるなどしてカラーモニタ上でフルカラー画像を作成し、カラープリンタにその画像のフルカラープリントアウトを要求することがますます普通のことになっている。
【0003】
しかしながら、カラープリンタやカラーモニタはカラー画像を異なる方法で形成する。具体的には、カラーモニタは発光装置であって、各色は、通常レッド、グリーン、ブルーの3原色からの光が加法混色される加法光処理によりカラーモニタ上に形成される。一方印刷された画像は単純に周辺光を反射するのであって、通常シアン、マゼンタ、イエロー(時折ブラックを含む)の減法混色の3原色により周辺光が影響される、減法光処理によって各色が形成される。
【0004】
加法光処理及び減法光処理は根本的に異なるものである。その結果、モニタ上に表示可能な色の範囲が、プリンタにより印刷可能な色の範囲と異なってしまう。図1はモニタ(領域A)により表示可能な色の範囲(あるいは「色域」)と、プリンタ(領域B)により印刷可能な色の範囲(あるいは「色域」)とを示すCIE1931色度図である。図1から分かるように、モニタ上に表示可能な色の範囲は、通常プリンタにより印刷可能な色の範囲よりも大きい。これは、モニタが発光装置であり、より高い彩度で色を表示できるからである。しかしながら、光減法混色による印刷画像がモニタよりも大きい色範囲を持つ、領域10のような低彩度領域が存在する。
【0005】
印刷可能な色域と表示可能な色域の違いにより、表示カラー画像を忠実に再現してたカラー画像を印刷することはこれまで困難であった。具体的には、印刷可能な色の範囲「B」の外である色域外領域11のような領域の色を印刷することは絶対に不可能である。従って、これらの色がカラーモニタ上で見られるとしても、それらはカラープリンタで印刷することはできない。
【0006】
米国特許第5,299,291号は、本発明の被譲渡人に譲渡され、その全内容は参照により本願に含まれるものとされるが、これは色域外の色を印刷可能な色へマップするシステムを示している。上記米国特許第5,299,291号では、色域外領域をスムーズに変更して明度における単調な増加を施すプリンタテーブルを構築することにより、色域外色をプリンタ色域内の印刷可能色へ適合させる。同一の色相を持つ2色が、色の彩度の違いから、見ている人には異なる色相を持つように知覚される、いわゆる「アブニー効果(Abney effect)」を補償するために、ワーピング処理を利用する。上述の米国特許第5,299,291号におけるシステムは知覚的観点からは良い結果を出した。つまり、印刷された色と表示された色を見た人は、大抵同じ色であると知覚したのである。従って、米国特許第5,299,291号の色域マッピングシステムは時折「知覚的マッチング」と称される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、「彩度マッチング」として知られる領域には改善の余地がある。具体的には、特にビジネス志向のコンピュータ作成グラフィックにおいて、棒グラフ、円グラフ、強調線などのグラフィックを描くのに完全飽和した(fully−saturated)色がしばしば使用される。知覚的マッチング技術を用いれば、通常、表示された色と同じ色であると知覚される色を印刷することができるが、印刷された色はもはや飽和していない。通常そうしたビジネスグラフィックの応用においては、見る人は、たとえ表示された色の色相と正確に同じでなくても、完全飽和した色を印刷することを望んでいるので、上述の状態は望ましくないことである。そうしたプロセスは「飽和度マッチング」として知られており、たとえ色相が正確に同じでなくても、表示上の飽和した色は飽和した色として印刷すべきである。
【0008】
知覚的マッチング技術が提案され、彩度マッチング技術も提案されているが、これら2つのマッチング技術の目標は異なっているので、同じシステムでこれらの目標の両方を実現することはこれまで困難であった。従って、比較的彩度の低い色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すシステムが必要とされている。
【0009】
本発明は、比較的低い彩度の色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すシステムを提供することにより、上述の必要に対処するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像処理方法は以下のような特徴を有する。即ち、
所定光源に依存した色データを入力し、所定光源に依存した色データを、紙の白色値を基準白色として用いて白点調整を行うとともに、出力デバイスの黒色点を用いて黒色点調整を行うことを特徴とする。
【0011】
また本発明は、出力デバイスによって出力されたサンプルを、所定光源を用いて測色することにより得られた測色値を入力し、前記所定光源の白色値と紙の白色値に基づき、前記測色値に対して白点調整を行うとともに、出力デバイスの黒色点調整を行い、前記白色点/黒色点調整された測色値を用いて、順方向マッピングテーブルを作成することを特徴とする。
【0012】
この簡単な要約は本発明の本質が迅速に理解されるためのものである。以下の好適な実施例の詳細な説明を添付図面と共に参照することにより、本発明はより完全に理解されるであろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2は本発明に関わるプリンタドライバを内蔵する代表的なコンピューティング装置の外観を示す図である。
【0014】
図2ではMicrosoft Windows(登録商標) オペレーティングシステムなどのウインドウオペレーティングシステムを持つIBM PCまたはPC互換コンピュータなどのコンピューティング装置20を示している。コンピューティング装置20は表示スクリーン22を持つ表示モニタ23を備え、ユーザに対して画像を表示スクリーン22上に表示する。コンピューティング装置20はさらに、着脱可能なフロッピー(登録商標)(登録商標)ディスク媒体に対し読み出しまたは書き込みを行うフロッピー(登録商標)ディスクドライブ24、データファイルやアプリケーションプログラムファイルを格納するための固定ディスクドライブ25、テキストデータの入力や表示スクリーン22上に表示されるオブジェクトの操作を行うためのキーボード26、同じく表示スクリーン22上のオブジェクトの操作を行うために設けられたマウスなどのポインティングデバイス27、結合されたスピーカ/マイクロフォン29を備えている。カラーバブルジェット(登録商標)プリンタなどの従来のカラープリンタ30も設けられている。さらに、音声及び/またはファクシミリのメッセージを送受信するためのネットワーク31または通常の音声電話線32へ接続されている。
【0015】
ここではバブルジェット(登録商標)プリンタが好適であるが、カラーレーザビームプリンタなどの、色成分値に対応する量の原色を混色することによりフルカラーの画像を形成する、いずれのカラープリンタも本実施例の実施に適当である。
【0016】
オペレータの指示に従い、そしてウインドウオペレーティングシステムの制御の下で、グラフィックスアプリケーションプログラム、描画アプリケーションプログラム、デスクトップパブリッシングアプリケーションプログラムなどの格納されたプログラムが、データを処理し操作するために選択的に起動される。同様にオペレータの指示に従い、そして格納されたアプリケーションプログラムに基づいて、コマンドが発行されて画像をモニタ23上に表示させ、モニタ23上の画像を印刷させ、それらの画像は以下にさらに十分に説明されるようにプリンタ30で印刷される。
【0017】
図3はコンピューティング装置20の内部構成を示す詳細ブロック図である。
【0018】
図3に示すように、コンピューティング装置20は、コンピュータバス41にインタフェース接続された、プログラム可能なマイクロプロセッサ等の中央処理ユニット(CPU)40を含んでいる。コンピュータバス41には、さらにスピーカ/マイクロフォンインタフェース42、表示インタフェース44、ネットワークインタフェース45、fax/モデム/電話インタフェース46、プリンタインタフェース47、フロッピー(登録商標)ディスクドライブインタフェース49がインタフェースされて接続されている。
【0019】
ランダムアクセスメモリ(RAM)などのメインメモリ51は、CPU40にメモリへのアクセスを提供するためにコンピュータバス41にインタフェース接続している。特に、ディスク25上に格納されたアプリケーションプログラムに関連したインストラクションシーケンスなどの格納されたアプリケーションプログラム・インストラクションシーケンスを実行する時、CPU40はそれらのインストラクションシーケンスをディスク25(あるいはネットワーク31を介してアクセスされる媒体など他の格納媒体)からメインメモリ51へロードし、それら格納されたプログラムインストラクションシーケンスをメインメモリ51から実行する。
【0020】
ROM(リードオンリーメモリ)52はスタートアップ・インストラクションシーケンスやキーボード26の操作のためのベーシック入力/出力オペレーティングシステム(BIOS)シーケンスなど不変のインストラクションシーケンスを格納するために設けられている。
【0021】
図3に示すように、そして前述のように、固定ディスク25はウィンドウオペレーティングシステムと、グラフィックスアプリケーションプログラム、描画アプリケーションプログラム、デスクトップパブリッシングアプリケーションプログラムなど様々なアプリケーションプログラムのためのプログラムインストラクションシーケンスを格納している。さらに、固定ディスク25には、指定されたアプリケーションプログラムの制御下でモニタ23に表示されたり、またはプリンタ30で印刷される画像ファイルが格納されている。さらに固定ディスク25には、表示インタフェース44へのRGB原色値の供給を制御するモニタドライバと、プリンタ30によるプリントアウトのための、CMY要素値のプリンタインタフェース47への供給を制御するプリンタドライバ34とが格納されている。さらに固定ディスク25には、コンピューティング装置20に接続した様々な装置(スピーカとマイクロフォンおよびネットワーク)へ適切な信号を供給するための他のデバイスドライバも格納されている。
【0022】
通常、ディスク25上に格納されたアプリケーションプログラムとドライバは、それらのプログラムとドライバが最初に格納されていた他のコンピュータ可読媒体からディスク25へ、まずユーザによってインストールされる必要がある。例えば、ユーザにとってはプリンタドライバ34のコピーが格納されたフロッピー(登録商標)ディスクまたは他のコンピュータ可読媒体を購入することは慣行になっている。それからユーザは購入したフロッピー(登録商標)ディスクをフロッピー(登録商標)ディスクドライブ24へ挿入してプリンタドライバ34をフロッピー(登録商標)ディスクからディスク25へコピーするようCPU40に命じることにより、プリンタドライバ34をディスク25上へインストールされ、またユーザは、ドライバが予めアップロードされているコンピュータ化された掲示板から、モデムインタフェース46を介してプリンタドライバ34をダウンロードすることも可能である。
【0023】
図4はコンピュータ20がいかにモニタ23とプリンタ30と相互作用するかを示す機能ブロック図である。図4では図3に示した構造配置よりも機能的な配置のコンピュータ20と、モニタドライバ33, プリンタドライバ34、CPU40、RAM51、ROM52を示している。
【0024】
上述のように、オペレータはキーボード26を用いて、CPU40に格納されたプログラムシーケンスを実行させ、カラー画像をモニタ23上に表示し、対応するカラー画像をプリンタ30で印刷する。具体的には、ディスク25上に格納されたアプリケーションプログラムにおける格納されたプログラムインストラクションと共同で、CPU40はモニタ23上の表示のためのカラー画像を生成する。CPUは、そのカラー画像をモニタドライバ33へ提供し、モニタドライバ33はモニタ23の各画素に対するRGB値を生成する。RGB値は表示インタフェース44を介してモニタ23へ提供され、それらの値が表示される。
【0025】
要求があると、CPU40はプリンタ30で印刷を行うためにカラー画像をプリンタドライバ34へ送る。プリンタドライバ34はCPU40から供給されたカラー値に基づいて、カラー画像の各画素に対するCMY値を生成する。CMY値は再現ルックアップテーブル(LUT)35に従って決定される。以下に、より十分に説明するように、再生用LUT35はプリンタ30の色域内の色と色域外の色を受け付ける。再生用LUT35の目的は入力色が色域内でも色域外でもプリンタ30で印刷可能なCMY値を提供することである。
【0026】
プリンタドライバ34はプリンタインタフェース46を介してCMY値を30へ送り、それらの値はプリンタ30内のビットマップメモリ37へ格納される。プリンタ30により、標準の下色除去(「UCR」)またはグレー成分置換(「GCR」)技術に従って、CMY値を変更してブラック(以下「K」値)を供給しても良い。あるいは、プリンタドライバ34が適当なK値を供給することも可能である。
【0027】
いずれの場合も、ビットマップメモリ37は印刷される画像のフルビットマップ画像を格納することも、または1バンドまたは部分ビットマップ画像を格納することも可能である。十分なカラーデータ、すなわちCMYKデータがビットマップメモリ37に格納されると、カラープリントヘッド36は用紙に隣接したプラテンの領域を往復運動を行う。本好適な実施例においては、プリントヘッド36は4列(8行パターンに配列された32のインクジェットノズルを有する。第1列のノズルは全てシアンインク液滴を吐出する。第2列のノズルは全てマゼンタインク液滴を吐出する。第3列のノズルは全てイエローインク液滴を吐出する。第4列のノズルは全てブラックインク液滴を吐出する。プラテンを横断するプリントヘッド36の1走査で8行の画素が印刷されるように、ビットマップメモリ37内のカラーデータに従って、ノズルが独立に制御される。
【0028】
図5はプリンタドライバ35がCPU40から供給されたカラーデータからCMY値を選択する方法を示すフロー図である。ステップS501では、プリンタドライバ34はビットマップメモリ37内にある位置(x,y)に対するRGB値を受け取る。ステップS502では、プリンタドライバ34はRGB値から個々の色座標を生成する。好ましくは、デバイスインディペンデントな座標はCIELAB空間のL*a*b*座標である。これは、CIELAB空間の座標はいずれのプリンタまたはモニタの色域も含んでおり、またこの空間では3次線形及び4次線形補間(trilinear or tetralinear interpolation)技術の両方とも上手く機能するからである。
【0029】
フローはステップS503に進み、生成されたL*a*b*座標で再生用LUT35に格納された対応するCMY値をルックアップする。ステップS504では、生成されたL*a*b*座標と同一値が、再生用LUT35で見つからない場合に、補間を実行して、補間されたCMY値を得る。上述のように、適当な補間技術には3次線形補間と4次線形補間の両方が含まれる。
【0030】
ステップS505では、CMY値がビットマップメモリ37内の位置(x,y)に格納される。必要であれば、CMY値を、格納前に、例えば適当なUCRまたはGCR技術によって修正しK値を得るようにしてもよい。
【0031】
ステップS506では、プリンタドライバ34はビットマップメモリへのデータ作成が完成したか否か、またはビットマップメモリ37の必要な部分またはバンドが完成したか否かを判断する。ビットマップメモリが完成していなければ、フローはステップS501へ戻り、ビットマップメモリの次の位置(x,y)に対して次のRGB値を受け取る。一方、ビットマップメモリが完成していれば、またはビットマップメモリの十分な領域(ヘッド36のインクジェットノズルの8行に相当する8行長のバンドなど)が完成していれば、フローはステップS507へ進み、ガンマ補正が行われる。ガンマ補正は、ビットマップメモリのCMY値を補正して均一な輝度配分を達成する。ガンマ補正は、プリンタドライバ34またはプリンタ30のいずれか、あるいは両者の適当な組み合わせにより実行することができる。ステップS508では、まだ実行されていなければUCRまたはGCRを実行し、ビットマップメモリの位置(x,y)に対するブラック値を生成する。本実施例におけるUCRは、単純にCMY値の最小値を選択しその値をブラック値に割り当てる方法で行うことができる。そして、各CMY値は割り当てられたブラック値を減算することによって調整される。
【0032】
ステップS507及びS508の順序は決定的なものではなく、これらのステップは、例えば連続トーン、ディザまたは誤差拡散など特定のカラー印刷技術を実行するために交換してもよい。
【0033】
ステップS509では、ビットマップメモリ37に格納されたCMYK値を使用してカラー印刷を開始する。
【0034】
図6は色域マッピングステップを含むステップを示す詳細フロー図であり、CMY値が再生用LUT35に格納される。以下にさらに詳細に説明するように、これらのステップは一般に、各異なるプリンタ30により印刷可能な多数の色を印刷するなどして、各特定プリンタに対するCMY入力をL*a*b*出力へ順方向マッピングし、それにより各異なるプリンタ30の色域を測定し、再生用LUT35内の各L*a*b*値をテストして色域内であるか色域外であるか判定し、色域内色に対しては色度測定的に一致したCMY値を再生用LUT35へ格納し、色域外色に対してはデュアルコーン色域マッピング技術を行って色域マッピングされたCMY値を得て、再生用LUTが一杯になるまで再生用LUT35内の各L*a*b*値に対する処理を繰り返し、再生用LUTをスムージングし、そして再生用LUTをプリンタドライバ34へ格納する処理を含んでいる。
【0035】
図6の処理ステップの結果、プリンタドライバ34に含まれる再生用LUTには、近接色域外色に対しては知覚的に一致したCMY値が格納され、遠隔色域外色に対しては彩度一致したCMY値が格納されている。
【0036】
図6の処理ステップは各異なる種類のプリンタ30に対して一度実行すればよく、各異なる種類のプリンタに特に調整した再生用LUT35を生成することができる。通常、これらのステップはプリンタ製造者により一度実行され、プリンタの一部であるフロッピー(登録商標)ディスクのユーザに対し販売されるプリンタドライバにおいて使用されるものである。プリンタ製造者がプリンタドライバを例えばコンピュータ掲示板にアップロードし、エンドユーザがそこからプリンタドライバを彼らのディスク25へダウンロードするようにすることも可能である。
【0037】
図6を詳しく参照すると、ステップS601ではCMY入力値をL*a*b*出力値へ順方向にマッピングして、プリンタ30の色域を測定する。好ましくは、これはプリンタ30に印刷可能な全色の非常に大きいサブセットを印刷することにより達成される。例えば、図2に示す本好適な実施例で使用されるプリンタでは、各CMY値に対する約9個の異なる値のサブセットにより93 = 729 の異なるCMY色の組み合わせが得られる。図7に従ってより十分に説明するように、これらの729の異なるCMY色の組み合わせに基づいて、CMY入力からL*a*b*出力への順方向マッピングが構成されてテーブルに格納される。
【0038】
ステップS602では色域内及び色域外色に対応するL*a*b*入力値に基づいて印刷されるCMY値が、これから格納される空白の再生用LUT35を開く。この再生用LUT35がCMY値で満たされると、空白の再生用LUTはプリンタドライバ34に含まれ、図5に従って説明したようにL*a*b*入力はCMY出力へとマッピングされる。
【0039】
ステップS603〜S606ではCMY値を再生用LUT35の各L*a*b*位置へ格納し、これらのステップは再生用LUTが一杯になるまで繰り返される。こうして、ステップS603では、ステップS601で測定された色域に基づいて、再生用LUTの特定のL*a*b*位置をテストして色域内色であるか否かを判定する。特定のL*a*b*値が色域内色であるか否かの好ましい判定方法の一つは、よく知られたニュートンの反転法など算術的技術を用いて反転を行い、ステップS601で得られた順方向マッピングに基づいてCMY値を得ることができるか否かを判定することである。反転が数値的に印刷可能なCMY値に収束するのに失敗した場合は、ステップS603ではその特定のL*a*b*値は色域外色であると判定する。一方、反転が数値的に印刷可能なCMY解に収束した場合は、ステップS603ではその特定のL*a*b*値は色域内色であると判定する。
【0040】
L*a*b*値が色域内色であれば、フローはステップS604へ進み、そのL*a*b*値に対する印刷可能なCMY値、つまり色度測定的に一致した値を再生用LUT35に格納する。
【0041】
ステップS603で特定のL*a*b*値が色域外色であると判定した場合は、フローはステップS605へ分岐し、L*a*b*目標色を印刷可能なCMY値へ色域マップする。以下に図9に従ってより十分に説明するように、色域マッピングは、デュアルコーン色域マッピング技術を実行して行われ、この技術では、目標L*a*b*値は最初に実コーン上へ投影され、それから理想コーン上へ投影されるが、実コーンへの投影は色域内CMY値が見つかるまで不飽和にされる。この色域内CMY値と理想コーン上への投影のCMYとから加重平均がとられる。重み付けは実コーン上への投影と目標L*a*b*色の間の距離に基づくものである。そして、ステップS604に示すように、再生用LUT35内のL*a*b*値に対して、色域マッピングされた印刷可能なCMY値を格納する。
【0042】
ステップS606では、再生用LUT35が一杯であるか否かを判定する。再生用LUTがまだ一杯ではない場合は、フローは再生用LUT内の各L*a*b*位置にCMY値が格納されるまでステップS603へ戻る。
【0043】
再生用LUTが一杯になると、フローはステップS607へ進み、再生用LUTをスムージングする。スムージングは図15に従ってより十分に説明するが、図15では局所緩和(local relaxation)とシフトが再生用LUTに適用される。
【0044】
フローはステップS608へ進み、スムージングされた再生用LUTをプリンタドライバ34へ格納する。上述したように、再生用LUTを含むプリンタドライバはコンピュータ可読媒体に格納され、フロッピー(登録商標)ディスクに格納されたりコンピュータ掲示板にアップロードすることによって、プリンタに関係したエンドユーザに分配される。
【0045】
図7はCMY値の様々な組み合わせをプリントアウトして印刷可能な色域を測定することによる、CMY入力をL*a*b*出力へ順方向マッピングする方法を示すフロー図である。以下に、より詳しく説明するように、図7のステップは、L*a*b*座標において、等間隔のグリッドのCMY色を測定し、測定されたL*a*b*値に白点調整を行い、測定値に黒点調整を行い、測定値にグレー軸調整を行い、そして調整された測定値にスムージングを行う処理を含んでいる。
【0046】
具体的には、ステップS701では、規則的なグリッドのCMY値を印刷して、例えば2°のオブザーバ(observer)、D65の輝度でGretag SMP100スペクトロフォトメータを用いて測定する。正確性と完全性の観点から、できる限り多くのCMY色の組み合わせを測定することが常に好ましいことはいうまでもないが、1成分8ビットのプリンタに対しては、(28)3 = 16,777,216 の可能な組み合わせが存在するので、現在のところ9つの規則的なスペースのCMY値を測定し、93 = 729 のCMY値の色の組み合わせを得るのが好ましい。これらの点はCMY空間にグリッドのボックスを形成し、各点は印刷されるCMY値でアドレスされ、各点の内容は測定されたL*a*b*値となる。
【0047】
測定されたL*a*b*値をステップS601の順方向マッピングとして使用することが可能であるが、それらを使用する前に測定されたL*a*b*値にいくつかの調整(白点、黒点、グレー軸、スムージング調整など)を行うことが好ましい。こうして、ステップS702では、CMY色の組み合わせが印刷された白紙が(100,0,0)のL*a*b*値で終わるように測定値に白点調整を行う。好ましくは、ここでは輝度値D65を基準白色として使用して、まず測定値をXYZ座標空間に変換し、それから基準白色として紙の測定値を使用してL*a*b*値を変換し直すことによって測定値にフォンクリース(Von Kries)白点調整を行う。
【0048】
ステップS703では、測定値に黒点調整を行ってそれらが全体のL*範囲、つまり0から100までを確実にカバーするようにする。黒点調整は、白点調整の後にCMY = (100%, 100%, 100%) インク に対してL*a*b*測定値を指定することにより行われる。それから、各他のL*a*b*値に対して、次の調整を行うが、ここで(lmin, amin, bmin)は黒点に対するL*a*b*値である。
【0049】
【数1】
【0050】
その後、ステップS704では、測定値にグレー軸調整を行う。具体的には、大抵のプリンタはシアン、マゼンタ、イエローの他にブラックを使用しているが、プリンタドライバ34にとってはブラック色成分を生成することは必ずしも必要ではない。ブラック色成分は、しばしばプリンタ30自身に実行されるUCRやGCRにより生成されるからである。そうした大抵のプリンタは通常100%のGCR置換技術に対していくらかの変形を用いており、等しい量のCMYがKに置換される。このように、再生用LUT35がグレー色に対応する位置に等量のCMYを格納する限りは、そうした再生用LUTは満足の行くグレーを生成する。しかしながら、これまで説明してきた再生用LUTは実際の測定値に依存しており、グレー軸調整を行わなくては、グレー色に対応する位置に等しい量のCMYが格納されることを保証することはできない。具体的には、グレースケール調整を行わない場合、グレースケール画像を再現することは可能であるが、いくつかの色調は中間的に表現され、いくつかの色調はわずかに赤みがかった色合いを持ち、いくつかの色調はわずかに緑がかった色合いを持ち、などそうした全てが、純粋なグレースケール画像を期待して見る人にとって妨げとなる。
【0051】
ステップS704に従うグレー軸調整は以下のように進められる。各L*a*b*値測定値に対して、その対応するCMY値を検査し、C=M=Yなら、a*とb*をゼロにセットする。そうでない場合はa*とb*は変更しないでおく。
【0052】
ステップS705ではスムージングを行いフォワードマッピングの非スムーズ特性を排除する。そうした非スムーズ特性は、測定誤差、プリンタ30で使用される中間調またはディザリングまたはGCR処理、上記のグレー軸調整により導入される誤差等様々なソースから導入される。こうして、ステップS705では以下に図8に従って説明するスムージング技術を用いて値をスムージングする。
【0053】
具体的には、スムージング技術は整数kと実数zの2つの値によりパラメータで表わされ、kはn−1の約数(integral divisor)であり、nはステップS704のグレー軸調整後のルックアップテーブルLのサイズである。本好適な実施例では、n=9であり、つまり上述のような3次元グリッドに全て配置された各C、M、Y、に対して9つの値が存在している。
【0054】
図8は、Y=30%のように1層のみが示されているが、ルックアップテーブルLに対して、60、n=5で指定した、単純化した状況を示している。次に、図8では61で指定した新しいルックアップテーブルL’がLをサブサンプリングすることによりサイズm3で生成される。
【0055】
m={(n−1)/k}+1
LとL’との加重平均を得て、図8では62で指定されるスムージングされたルックアップテーブルL’’を形成する。ルックアップテーブルL’’のサイズはn3である。LとL’間の重み付けは次のように行われる。(c,m,y)をLのテーブル値とし、(l,a,b)Lをその対応する測定値とし、(l,a,b)L’をL’における(c,m,y)の補間の結果とする。すると、(c,m,y)に対するL’’のテーブル値は以下のようにして得られる。
【0056】
【数2】
【0057】
上述の例では、kが増加的に大きい値をとると、L’のスムーズ性が増加するが、その正確さが減少する。zが増加的に大きい値をとると、スムージングされたL’’ルックアップテーブルを計算する際にサブサンプルされたL’ルックアップテーブルにさらに重み付けがされる。z=0またはk=1の場合、L’’はLと同一である。
【0058】
再び図7を参照すると、ステップS706では、ステップS601に関して使用されたルックアップテーブルに順方向マッピングを行うためにスムージングされたルックアップテーブルL’’を格納する。
【0059】
図9はステップS605で色域外L*a*b*色に対する色域マッピングされたCMY値を得るのに用いる、デュアルコーン色域マッピングを説明するフロー図である。以下により十分に説明するように、図9に示す色域マッピングでは、プリンタ30の実際の色域を模倣するNコーン配置表面の1つの「実コーン」を定義し、モニタ23の色域として理想色域を模倣するMコーン配置表面の1つの「理想コーン」を定義し、L*a*b*座標における目標色を実コーン上へ投影して、色域内CMY値が得られるまで投影された目標色を不飽和にし、同じ目標色を理想コーン上へ投影して、完全飽和のCMY値を得、実コーン上への投影と目標色間の距離に基づいて重み付けを行い、色域内CMYと完全飽和のCMYとの加重平均を得る。
【0060】
具体的には、図9を参照すると、ステップS901ではプリンタ30の実際の色域を模倣するNコーン配置表面の「実コーン」を定義する。図10は適切な実コーンを示している。図示するように、符号70で示す実コーンHAは、N=6の場合頂点71、72....76などN個の色度頂点により定義される。NコーンのN個の上表面は白点(100,0,0)と各色度頂点で形成される三角形であり、N個の下表面は黒点(0,0,0)と各色度頂点で形成される三角形である。
【0061】
各色度頂点71〜76のLCH値は、N個のCMYの組み合わせを選択し、ステップS601で得られた順方向モデルを用いてLCH値を計算することにより選択される。(次の説明ではLHC値をL*a*b*値と自由に組み合わせる。当業者には容易に明らかとなるが、LCH値とL*a*b*値は同じ物理的CIELAB色空間に属している。単純にLCH値が円筒状の座標値であるのに対しL*a*b*値は長方形の座標値である。)N=6に対しては、使用される代表的なCMYの組み合わせは以下の通りである。
【0062】
(C,M,Y)0 = (100%,0%,0%)
(C,M,Y)1 = (100%,100%,0%)
(C,M,Y)2 = (0%,100%,0%)
(C,M,Y)3 = (0%,100%,100%)
(C,M,Y)4 = (0%,0%,100%)
(C,M,Y)5 = (100%,0%,100%)
上記のように特定された値は、各色度頂点が正確にプリンタ30の色域上にあり、その結果のNコーンがプリンタ30の実際の色域を近密に模倣していることを確実にしているが、上記のように特定された値を必ずしも使用する必要はない。具体的には、いくつかの例では、彩度変化のスペースを均一にとるなどの場合にプリンタ色域の表面上に同一に存在しない、CMYに対する他の値を特定することも可能である。そうした場合、付録で特定されるように、(80%,80%,0)等のCMY値の方がより適切である。当業者は、本明細及び付録に基づいて、色度頂点として用いるための適切なCMY値を簡単に得ることができる。
【0063】
図9に戻ると、ステップS902では、代表的なRGBモニタの色域などの理想的な色域を模倣するMコーン配置表面の1つの「理想コーン」の定義を行う。
【0064】
図11は適切な理想コーンを示している。図示するように、通常符号80で示される理想コーンHIは、M = 6に対する頂点81...86等のM個の色度頂点を含んでいる。MコーンのM個の上表面は白点(100,0,0)と各色度頂点で形成される三角形である。M個の下表面は黒点(0,0,0)と各色度頂点で形成される三角形である。
【0065】
理想のMコーン80に対する色度頂点の適切な値は、M=6をセットしモニタのRGB原色および二次色から頂点を計算して得られる。この場合、代表的なRGBモニタに対する標準CIE規定のRGBRCIEXYZRLCH変換が用いられる。HIの各頂点では、主観的にRGB色に対する最適な一致と思われるCMYの組み合わせを選択する。例えば、RGBの完全飽和のブルーはCMY=(100%,50%,0)で最もよく再現され、またRGBの完全飽和のグリーンはCMY=(60%,0,100%)で最もよく再現されるなどである。理想六角コーン80の各色度頂点におけるCMYに対する他の適切な値は本願の付録で説明する。ただしこの点において、いくつかの場合では、MとNは互いに等しくないことが最適であり、M=8などMがNより大きいことが望ましい。こうした場合では、理想6角コーン80に対するさらなる色度頂点により、色域マッピングの結果の色CMY=(100%,100%,0%)またはCMY=(100%,0,100%)のような高彩度の色域内色を再現することが可能となる。当業者は、本明細と付録に基づいて、色度頂点として使用するための適切なCMY値を得ることができる。
【0066】
実コーン70と理想コーン80の両方に対して、そしてこれらの2つのコーンの各色度頂点に対して、2つの付加的なパラメータを定義する。減衰ファクタ「a」と傾斜ファクタ(である。減衰ファクタ「a」は色域内CMY値と完全飽和のCMY値の間の重み付けに関して使用され、傾斜ファクタ(は、各実コーン70と理想コーン80の表面への目標色の投影に関して使用される。これらの処理は以下により十分に説明する。
【0067】
具体的には、図12(A),12(B),12(C)は、NまたはMコーンの1表面上への目標色域外色の投影を示す、それぞれ、透視図、側面図、上面図である。詳しくは、これらの図面に示すように、色域外目標色90をMまたはNコーン配置表面の1つの表面92上の点91へ投影する。色域外目標色90が投影される表面を選択し、目標色90の色相に対する色相において時計回り方向に最も近く、目標色90の色相に対する色相において反時計回り方向に最も近い色度頂点を持つ表面とする。図12(A)〜12(C)では、時計回り方向に最も近い色度頂点は93として示され、反時計回り方向に最も近い色度頂点は94として示されている。目標色90から投影点91までの投影線95の傾斜mpは傾斜ファクタ(と、目標色90と点96の輝度(「最重要点crux」と呼ぶ)の差とに依存している。点96は色度頂点93、94間に存在する線97上の目標色の色相と同じ色相に存在する。こうして、傾斜mpは以下のようにセットされる。
【0068】
mp={(1−w)δ+w−1}/ms
ここで
【0069】
【数3】
であり、msは白または黒原点と最重要点(点96)の間の線98の傾斜であり、δは傾斜ファクタである。
【0070】
実際は、傾斜ファクタδに対する値の選択は扱っている色相領域と、扱っている特定のプリンタ30の色域の両方に依存している。本明細の付録では様々な状況に対する適切な値を挙げている。ここでは、目標色90の輝度に関わりなく投影線が傾斜ゼロとなるように、δ=1の値がmp=0の投影線に対して傾斜を与える。一方、δ=0の値は目標輝度が最重要点輝度と等しい場合に値がゼロとなり、目標輝度がゼロまたは100に近づくと投影線95を表面に対して直交させる値を持つ投影線の傾斜mpを与える。図13は、様々な輝度値における複数の色域外目標色(各目標色は「ドット」で示している)に対する、後者の状況を示している。
【0071】
上記の式で使用される傾斜ファクタδは、各色度頂点93、94の間の最重要点96の位置と、各色度頂点93、94に対する傾斜ファクタの格納された値に依存する、補間された傾斜ファクタである。
【0072】
実コーンまたは理想コーンの表面上へ色域外目標色90を投影する方法の説明はこれで完了し、図9のステップ903を再び注目して、デュアルコーン色域マッピングを行って色域外色に対する色域マップされた印刷可能なCMY値を得る方法の説明を完了させる。ステップS903で特定したように、色域外目標色を実コーン70上へ投影して実コーン70の表面上の投影点を得る。このことは図14の側面図で、色域外目標色101が実コーンHAの表面上の点PAへ投影される様子で示されている。その後、図14でさらに示すように、そしてステップ903で特定したように、点rで示されるような色域内CMY値が得られるまで投影点PAを不飽和にする。
【0073】
そしてステップS904では、同じ目標色101を理想コーンHI上へ投影し、図14に符号102で示すような完全飽和のCMY値を得る。最後にステップS905では、点rで特定した色域内CMY色と点102で特定した完全飽和のCMY色の間の加重平均を得る。加重平均の重み付けは、大きく飽和した色域外目標色101に対して完全飽和した色102が優勢となり、より小さく飽和した色域外色101(つまり、目標色101がHAに近くなるこれらの色)に対しては、点rの色域内CMY値が優勢となるように決定される。本例では、加重平均の重みwは以下のようにして与えられる。
【0074】
【数4】
ここでaIは各色度頂点93、94間で補間された際の点96(図12参照)の減衰ファクタであり、ΔEは目標色域外色101と実コーンHAの表面上の点PA間のL*a*b*空間におけるユークリッド距離である。
【0075】
このように計算された重みwを用いて以下のように加重平均を計算する。
【0076】
【数5】
【0077】
上記重みwの計算では、L*a*b*空間におけるユークリッド距離を、目標色とその実コーンHA上の投影の間の距離の測度(measure)として使用することが好ましい。しかしながら、この距離の他の測度を使用することも可能である。例えば、いわゆる「市街地(city block)」距離関数を使用することも可能であり、また、他の成分(輝度など)を犠牲にして、または完全に排除して、1成分(彩度など)を強調する距離の測度を使用することも可能である。後者については、本好適な実施例では、目標色が、その目標色と同じ色相角度で実コーンHA上に投影されるので、目標色とそのHA上の投影の色相の差は正確にゼロである。このように、本好適な実施例では、目標色とそのHA上の投影の間のユークリッド距離は彩度と輝度の差のみに依存する。
【0078】
最後に、加重CMY値が100%より大きい成分を持つ可能性について説明するために、以下の式を用いて各CMY値を100%までに限定する。
【0079】
【数6】
【0080】
上記の構成により、プリンタ色域からはるかに遠い(そして従って実コーンHAからはるかに遠い)色域外目標色に対しては、結果としてのCMY色が主として理想コーンHIに対するCMY値によって決定される。実コーンHAに近い色域外目標色については、投影の方向が実コーンにますます大きく影響される。このように、図9に示した技術に従う色域マッピングには二重の利点を有し、1つはプリンタ30の実際の色域に近い目標色が知覚的な一致として再現され、他の利点は高い彩度の目標色は彩度一致で再現される点にある。
【0081】
図15は図6のステップS607で述べたスムージング処理をより詳細に示すフロー図である。詳しくは、図15に示すように、スムーズ再生用LUT35に対して、ステップS1501で局所緩和(local relaxation)を行い、ステップS1502で局所シフト(local shift)が行われる。これら局所緩和及びシフトは以下の値でパラメータ化される。
【0082】
n = 緩和に使用する近辺
(L,a,b)c = 局所緩和領域の中心
r = 局所緩和領域の半径
w = スムージングの重み
本発明はプリンタドライバの実施例について説明してきたが、本発明がいずれの適切な色補正または印刷システムにおいても実施できることは理解されるであろう。例えば、本発明を、従来のプリンタドライバに関して使用さるカラーマネジメントシステムに実施して、本発明に従ってカラー画像を前処理して、処理されたカラー画像を従来のプリンタドライバへ送り、本発明の有益な結果を達成することも可能である。さらに、本発明を色補正システムにおいて実施して、印刷処理により導入された色誤差を、本発明に従って原稿カラー画像を処理することによりエミュレートして、処理されたカラー画像を表示し、カラー印刷処理の効果をエミュレートすることも可能である。オペレータは処理されたカラー画像を所望の画像と比較して、比較に基づいて原稿カラー画像を変更し、所望の効果を達成することができる。
【0083】
このように、本発明は特定の実施例について説明されたが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、当業者により、添付の請求項の精神及び範囲から離れることなく、様々な変更や修正が可能であることが明らかであろう。
【0084】
[付録]
1.システム外観
「写真を校正したRGBまたはL*a*b*において表現した場合、特定のカラープリンタにおいて最適に再現するにはどうすればよいか」
この疑問に応えるためには、以下の要素からなる再現システムが提案される。
【0085】
・色度測定に基づくプリンタ動作の記述
・媒体の白点及び全体の範囲の補償
・プリンタの色域内の色に対する、順方向モデルを反転する扱いやすい方法
・プリンタの色域外のL*a*b*値を色域内色へマッピングするための扱いやすいアルゴリズム
各要素の利点と欠点を以下に説明する。
【0086】
2.プリンタのモデリング
このシステムの最初の構築ブロックはプリンタモデルであり、ここで「モデル」は最も自由な意味で用いられている。紙上でインクを混色する真の物理的モデルを構成するのではなく、多数の測度のセットを用い補間してプリンタを真のCMYRL*a*b*動作に近づける。そして算術的技術を用いて、特定のL*a*b*入力に対してこのシステムを反転する。
【0087】
2.1 CMYRL*a*b*ルックアップテーブル
プリンタがCMY信号(C=R/,M=G/,Y=B/(/は反転を示す)であるRGB信号としても考えられる)を受信すると、プリンタは測定可能な色(2°のオブザーバ、D65の輝度でGretag SMP100スペクトロフォトメータを使用して現在までの全ての測定が行われている)を再現する。1成分8ビットのプリンタでは、全ての16,777,216の可能な組み合わせのCMYが測定されるが、これは実行不可能である。
【0088】
規則的グリッドのCMY値を印刷し測定する。ここで各成分は100/nの倍数のインクパーセンテージであり、nは1より大きい整数である。例えば、n=8では12.5%の増加においてCMYの93の組み合わせが得られる。これらの点がCMY空間で均一スペースのグリッドを形成していると考え、このグリッドを3次線形補間による3Dルックアップテーブルとして使用する。LUTのアドレス空間はCMYでありLUTの内容は測定されたL*a*b*値である。この直進的補間方法の説明は他に十分に記述されているのでここでは省略する。
【0089】
2.1.1. 正確さ
(c,m,y)をあるCMY値、(l,a,b)nを(c,m,y)をサイズn3のLUTにおける補間した結果とすると、このLUTにおけるこのCMY値補間誤差は以下のように求められる。
【0090】
ΔE((l,a,b)n, (l,a,b)2m)
ここでmは、扱っているプリンタがサポートしている1成分あたりのビット数である。
【0091】
補間誤差の分配はCMY値のランダムなサンプルを取り、それらのL*a*b*を測定し、LUTを用いてそれらのL*a*b*を計算し、L*a*b*の2セット間のΔEを計算することにより推定することができる。
【0092】
2.2 測定調整
測定されたL*a*b*値を順方向モデルで使用する前に多数の調整を行うことができる。それらには白点調整、黒点調整、データスムージング、グレー軸調整が含まれる。測定データにこれらの変換が行われた後、修正された測定値を補間LUTで使用する。
【0093】
他の方法はLUTにおいて未修正の測定値を使用し、補間の後でこれらの変換を行うことである。実施を容易にするためには前者の方法の方が好ましいが、これら2つの方法により同一の結果は出ない。
【0094】
2.2.1 白点調整と色調補正
知覚的モデルは白点調整と色調補正にすぎない。以下のようにL*a*b*空間においてフォンクリース白点調整と線形全体補正を使用する。
【0095】
オープンなシステムでは、画像は多くのソースから入力されるので、入力画像の意図について仮定する際には注意が必要である。写真RGB画像の例には、フォトCD画像、透明スライド(transparencies)のデスクトップスキャン画像、RGBに変換されたプロフェッショナルなCMYKスキャン画像がある。各RGB画像には、CMSに達する前に、異なる白点調整と色調補正が行われている。最適な再現のために、CMSはこれらのタイプの画像各々に対して異なる白点調整と色調補正を使用すべきである。こうした柔軟性はCMSでは期待できないので、入力RGB画像はユーザのモニタ上では「良く」見えるよう補正されているという、仮定の単純化が行われる。非常に単純な白点調整と色調補正が選ばれ、それらが最適であるという主張は行われない。
【0096】
2.2.1.1. 白点調整
本目的のためには、用紙を実際の色に拘わらず「白い」と考える。そして、用紙の値が最終的に(100,0,0)(現在,測定機器はD65測定輝度に対してL*a*b*値を計算するGretag SPM−100である)のL*a*b*値となるように、測定されたデータにフォンクリース白点調整を行う。
【0097】
これは、輝度を基準白色として用いて測定値をXYZにまず変換し、そして用紙測定値を基準白色として用いてL*a*b*に変換し直すことにより行われる。
【0098】
2.2.1.2. 黒点調整
上記の白点調整が行われた後は、プリンタの色調範囲はlminから100までのL*値をカバーしている。lminはプリンタに依存し、一般的には5より大きく30より小さい値である。一方、画像はL*においてゼロから100までの色調範囲を持つ。クリッピングすることなく入力色調を出力色調にマッピングするためには、測定全体のL*範囲(或いは、入力画像の色調範囲をプリンタの色調範囲に圧縮するように再現システムを構成することもできる)をカバーするようにL*a*b*値を調整する。
【0099】
(lmin, amin, bmin)を白点調整後の300%のインクの測定値とし、これを黒点調整と称することとする。
【0100】
各測定値(l,a,b)に対して、次の変換を実行する。
【0101】
【数7】
【0102】
この変換は固定点として(100,0,0)を持ち、黒点を(0,0,0)にマップする。ただし、この変換は測定値にシフトを導入し、このシフトの正当性と300%のインク値を黒点(最も暗い測定中間値として使用せずに)として選択した理由はセクション2.2.2.で説明する。
【0103】
2.2.2. グレー軸調整
大抵のプリンタはCMYKを用いるが、Kについてはこれまで述べられなかった。これは、プリンタまたはドライバ内部でグレー成分置換(GCR)がしばしば行われるためである。それは印刷処理の一部として扱われアルゴリズムも知られていない。しかし、多くのプリンタでは、通常、等しい量のCMYがkで代わる、100%のGCRのいくらかの変形を使用している。CMSが介在しなければ、RGBグレースケール画像(つまりR=G=B)はKのみを用いて印刷され、それが望ましいことである。この場合はCMSが介在することになるが、この特定動作はRGBグレースケール画像のために好ましくは保存される。
【0104】
ここではこの要求の正当性を十分に説明する試みはなされない。もしこの制限束(constraint)がなくシステムが完全に正確であったら、満足の行く中間色を印刷することが可能である。しかし、システムは完全に正確とはならず中間色は非ゼロの彩度で印刷される。グレースケール画像を印刷する人はこれらの誤差に気付きそれらがグレースケールを乱していると思うであろう。いくつかの色調は中間的に見え、いくつかの色調はわずかに赤みがかった色合いを持ち、いくつかの色調はわずかに緑がかった色合いを持つ、などとなる。中間色がKのみを用いて印刷されたら、いずれの色合いも全体のグレースケール上で一致し、印刷結果はより満足の行くものとなるはずである。こうするために、両白点調整、黒点調整の後に他の変換も行う。これをグレー軸調整と称する。
【0105】
測定された各L*a*b*値と対応するCMY((L,a,b), (C,M,Y))に対して次の処理を行う。C=M=Yの場合、aとbをゼロに置換するか、さもなければaとbを未変更にしておく。一度これを実行すると、測定値は、等しいCMY値の測定値が中間色であることを示す。
【0106】
この方法には2つの落とし穴がある。
【0107】
・局所の変更が行われるため、データに非スムーズ性がもたらされる。
【0108】
・正当な測定値を人為的な測定値に置換することにより、データの正確さが減少する。 実行されるシフトが小さくCMYグリッドの段差が大きければ最初の落とし穴で問題が生じることはない。黒点調整(セクション2.2.1.2)で等しいCMYの近接中間値を生じる場合、黒点調整は非スムーズ性をもたらさない全体的なシフトである。
【0109】
例1
プリンタが100%のGCRを用い、Kがいくぶん青みがかっていると仮定する。Kのみを用いてCMY=(100%,100%,100%)からCMY=(0%,0%,0%)へのグラデーションを印刷することができる。L*a*b*空間では、このグラデーションは白から青みがかった黒へとスムーズに移行すると思われるが、おそらくL*a*b*空間では、それは直線とはならないが大きい湾曲ともならない。もしグラデーションが直線であったなら黒点調整によりこの全ての傾斜(ramp)のL*a*b*を中間色に変更する。実際は、黒点調整ではグラデーションをより中間色に近くするので、後続のグレー軸調整では小さいシフトを導入するだけで済む。
【0110】
第2の落とし穴で、測定値の正確さが減少するという点はは残さなければならないが、不利益とはならない。おそらく見る人は、白に対してしているように、黒に対しても順応するであろう。
【0111】
導入される局所シフトと黒点調整からの全体的なシフトの程度(magnitude)は、直進的に計算できる。これらのシフトがある特定のプリンタに対して大きいと判明した場合は、この変換の利点を再評価しなければならない。
【0112】
2.2.3 データスムージング
インクと用紙の「自然な」動きは連続的でスムーズである。しかし、この動きは多くの要因に影響され、非スムーズになり、不連続にもなる。
【0113】
・中間調処理、ディザリング、誤差拡散等は段差と不連続性をもたらす。
【0114】
・GCRは非単調な動きを生じる。これはGCRアルゴリズムが輝度を保存しない場合には特に明らかとなる。セクション5.2参照のこと。
【0115】
・全体のインクカバー量(ink coverage)を制限するソフトウェアまたはハードウェアが非平滑性をもたらす。
【0116】
セクション2.4で説明される理由に関しては、データをスムージングすることが望ましい。ここで選択されている特定のスムージング技術は強く正当化されるものではないが、比較的単純で実際に上手く機能すると思われる。
【0117】
セクション2.1で述べたようにLを測定値のn3のLUTとする。n=2の場合、Lにおける補間を行うと、非常にスムーズだが非常に不正確な順方向モデルとなる。nが大きいと、順方向モデルは正確になるが、測定誤差または不連続なプリンタ自身の動作によって、順方向モデルは非スムーズになる。
【0118】
スムージングアルゴリズムは整数kと実数zの2つの値でパラメータ化されている。kはn−1の約数でなければならない。Lをサブサンプリングことによりサイズm3の新たなLUTが形成されるが、ここで
m={(n−1)/k}+1
である。これをLUT L’と称する。
【0119】
LとL’を平均して、以下のようなサイズn3のL’’を形成する。(c,m,y)をLの値とし、(l,a,b)Lを対応する測定値とする。(l,a,b)L’をL’において(c,m,y)を補間した結果とする。(c,m,y)に対するL’’の値は以下のようにして求められる。
【0120】
【数8】
【0121】
kの値が大きいほど、L’はよりスムーズで、より正確さが減少する。zの値が大きいほど、L’’の計算において、より大きい重みがL’に付加される。z=0またはk=1の場合L’’はLと同一である。
【0122】
データスムージングにより、導入されたΔEの分配は直進的に推定できる。CMY値であればランダムなサンプル上でL’’の出力をLの出力と比較する。
【0123】
2.3 順方向モデル
繰り返すと、まず均一スペースのグリッドのCMYを測定する。次にこのデータに白点調整を行い、黒点調整、グレー軸調整、そしてデータスムージングを行う。それから3次線形補間によるルックアップテーブルで測定値を使用する。LUTと補間の組み合わせは、CMYからL*a*b*への連続的なマッピングと考えることができる。このマッピングは以下のように表わされる。
【0124】
f:CMY→L*a*b*
ここでfはプリンタの順方向モデルであり、以下のフローチャートで図示される。
【0125】
CMYグリッドのL*a*b*を測定
↓
測定値に白点調整を実行
↓
測定値に黒点調整を実行
↓
測定値にグレー軸調整を実行
↓
測定値にスムージングを実行
↓
測定値を3D補間LUTに設定
2.4 反転モデル
L*a*b*からCMYへのマッピングはプリンタの反転モデルとして表わされる。
【0126】
f−I: CMY→L*a*b*
f−Iの分析的な形式はないため、算術的技術であるニュートンの反転法を用いて、ある点における関数を反転する。ニュートンの反転法では、以下の理由により反転が失敗して特定のL*a*b*入力上の解に集束することがある。
【0127】
・L*a*b*値がfの変域(domain)ではない(つまり、現在のプリンタに対して色域外の色である)。
【0128】
・fが非単調である。この場合は、ニュートンの反転法では反転は1つの解が存在してもその解に集束せず、または複数の解が存在する。
【0129】
セクション2.2.3のデータスムージングを用いて非単調なデータとなることを避けるようにすることが望ましい。いくつかのプリンタではデータスムージングは不要である。データスムージングが必要か否かを判断する唯一の方法は、今のところ観察によるものである。多数のL*a*b*値に対する順方向モデルを反転して、その結果のCMYについて色域内にノイズまたは「孔」があるか否か調べる。
【0130】
2.4.1 正確性
反転モデルの正確性は順方向モデルの正確性(セクション2.1.1)、データスムージング(セクション2.2.3)により導入された誤差、そしてグレー軸調整(セクション2.2.2)により導入された誤差に依存している。白点および黒点調整は誤差を導入するとは考えられない。むしろ、これらの調整は順応モデルあって、正確なCIEXYZ対CIEXYZの一致を望む場合はこれらの調整を省略すべきである。
【0131】
反転モデルにおける誤差の配分を推定する方法は2つある。最初の方法は上述の誤差を数学的に組み合わせて新しい配分を形成することである。この方法の利点は、さらなる測定を必要としないことである。欠点は、どのようにこの分配を達成するかがまだ不明なことである。
【0132】
第2の方法はL*a*b*値のランダムなセットを生成し、それらに反転モデルを行ってCMY値を得て、これらのCMY値を印刷して測定し、測定されたL*a*b*と最初のセットを比較することである。これらのΔEは反転モデルにおける誤差の分配に近似する。
【0133】
2.5 実際的な事柄
多項式フィッティング(polynomial fitting)やプリンタのカラー動作の物理的モデルなど、順方向モデルを構成する他の方法がある。ここで選択された特定の方法に対する賛成点および反対点は以下の通りである。
【0134】
[賛成点]
直進的に実行し記述できる。
【0135】
密集したグリッドを選択することにより、誤差を任意に減少させることが可能である。 (グレー軸調整のために)等しいCMY軸に優れた制御が可能である。
【0136】
[反対点]
データ点がグリッド上になければならないので、より多くのデータを特定のCMY領域に集中するのは不可能である。
【0137】
適度な正確さを得るためには比較的多量のデータを必要とする。
【0138】
個別でいくぶん特別なスムージング段階を必要とする。
【0139】
3. 色域マッピング
反転プリンタモデルは色域内のL*a*b*値をどのように印刷するかを示している。あるL*a*b*値が色域外である場合、反転モデルを行う前にその値を色域内色にマップする。セクション2.4の警告はさておいて、ある色に対して順方向モデルを反転することによってその色が色域内であるか否かを判定することができる。反転がある解に集束した場合はその色は色域内であり、そうでなければ色域外である。
【0140】
ここで選択された特定の色域マッピングアルゴリズムはクリッピング手法であって、色域外色を色域表面にマップする。他のクラスのアルゴリズムは「圧縮」手法で、いくつかの色域外色を厳密に色域内の色にマップする。
【0141】
3.1 色域マッピングの不飽和
LCH空間の目標点t=(Lt,Ct、Ht)を考えると、プリンタ色域表面上へのtのマッピングは次のように定義される。
【0142】
【数9】
【0143】
ここでLminは最も暗い色域内中間色であり、Lmaxは最も明るい色域内中間色である。LminとLmaxの間のすべての中間色は色域内である(この白点及び黒点調整の選択によりLmax=100,Lmin=0となるが、不飽和領域マッピングはこの属性に依存していない)と想定する。
【0144】
tのプリンタ色域表面への不飽和マッピングは線セグメント{(L1,C1、H1)(L’1,0,0)}/(/は上バーを示す)において色域内の最も色度の高い点として定義される。このマッピングは以下のように表わされる。
【0145】
d:LCH→CMY
主観的に述べると、dは保守的な色域マッピング手法である。この手法は色相と輝度を保存し、画像に人工的なものを感じさせない。さらに、色域内及び色域外色の間の変移がスムーズである。これは非常に重要な属性である。しかしながら、この手法では高い飽和の色域外色は過度に不飽和にされる。こうした色については、色相も輝度も保存しない手法が望ましい。(例えば、たとえ色相と輝度が異なってもモニタの純粋なイエローをプリンタのイエローにマップする手法が望ましい。不飽和色域マッピングはモニタのイエローを白色に近い色にマッピングする。)
3.2 Nコーン色域マッピング
新しい色域マッピングをここで提案するが、このマッピングは不飽和色域マッピングの最上の特質を持ち、一方高飽和の色域外色に対して満足の行く出力を再現する。この手法は、以下のセクションで説明する、LCH空間に2つ一組の3次元幾何学的立体の周りに構築される。
【0146】
3.2.1 Nコーンモデル
図16に示すLCH空間にnコーンと称する立体を考える。
【0147】
nコーンはn個の色度頂点(L,C,H)0, (L,C,H)1,...(L,C,H)n−1により規定され、ここでHi<Hi+1である。nコーンのn個の上表面は(100,0,0)0, (L,C,H)i, (L,C,H)(i+1)mod n で形成される三角形である。下表面は(0,0,0)0, (L,C,H)i, (L,C,H)(i+1)mod n で形成される三角形である。そこで、あるnコーンの2つの非色度頂点は黒(0,0,0)原点と白(100,0,0)7である。
【0148】
3.2.2 Nコーン上への点の投影
LCH空間における目標点t=(Lt,Ct,Ht)を考えると、tの色相保存投影p=(Lp,Cp,Hp)はHp=Htとしてnコーン上に定義される。
【0149】
(Li,Ci,Hi)を、色相においてHiに時計回り方向に最も近い(上から見た場合、図18(A),18(B)参照)nコーン頂点とする。(Lj,Cj,Hj)を、色相においてHtに反時計回り方向に最も近いnコーン頂点とする。Ctがゼロである退化した場合、i=0、j=1である。
【0150】
目標色を六角コーン上に投影するために、線セグメント上の点は{(Li,Ci,Hi)(Lj,Cj,Hj)}/(/は反転を示す)と定義され、同じ色相を持つ。この点を最重要点(crux)と称する。
【0151】
3.2.2.1 最重要点(crux)
(Li,ai,bi,)および(Lj,aj,bj)をそれぞれL*a*b*座標(Li,Ci,Hi)、(Lj,Cj,Hj)とする。L*a*b*空間においてこれらの2点を通る線を記述するベクトル方程式は以下の通りである。
【数10】
最重要点はax/bx = at/bt(目標色はL*a*b*空間では(Lt,at,bt)として表わされる)である線上の点(Lx,ax,bx)である。最重要点を見つけるためには、次の式をVxについて求める。
【0152】
at/bt={vxaj+(1−vx)ai}/{vxbj+(1−vx)bi}
より
vx=(biat−aibt)/{bt(aj−ai)−at(bj−bi)}
このvxを[数10]へ代入する。
【0153】
【数11】
【0154】
LCH空間における最重要点は(Lx,Cx,Hx)として表わされ、ここではHx=Htである。
【0155】
最重要点が定義されたので、目標色の輝度に従って最重要点を原点または(100,0,0)と結ぶ線を定義する。この線を表面線と称し、目標色はこの線上に投影される。
【0156】
3.2.2.2 表面線
表面線は線セグメント{(Lx,Cx,Hx)(100,0,0)}/(/は上バーを示す)、または線セグメント{(Lx,Cx,Hx)(0,0,0)}/(/は上バーを示す)で定義される。これらの線は両方とも一定の色相であり、表面線はLC空間において以下の式で表わされる。
【0157】
L=msc+bs
ここで、
【0158】
【数12】
目標色は表面線上へ投影される。投影線の傾斜ΔL/ΔCは投影の輝度と定数により決定される。
【0159】
3.2.2.3 投影線
投影線はLC空間における線で、目標を通り、表面線と交差し、以下の式で求められる傾斜とL*切片を有している。
【0160】
L=mpc+bp
ここで、
bp=Lt−mpct
mp={(1−w)δ+w−1}/ms
さらに、
【0161】
【数13】
δは0≦δ≦1を満足する定数である。
【0162】
換言すると、投影線は定数δと、目標輝度と最重要点輝度間の差に従った傾斜mpで目標色を通る線である。
例2
δ=1のときはmp = 0となるので、投影線の傾斜は目標輝度に拘わらずゼロである。
【0163】
δ=0のときはmp =(w−1)/msであるので、投影線の傾斜は、目標輝度が最重要点輝度と等しい場合ゼロであり、目標輝度がゼロまたは100に近づくと、投影線は表面線に対し直交する角度に近づく。
【0164】
実際は、δに対する最適な値は扱っている色相領域と、扱っている特定プリンタの色域に依存するように思われる。(セクション3.2.5.2と3.2.7参照)
3.2.2.4 投影
(L’,C’)を投影線と表面線との交点とすると、
c’=(bs−bp)/(mp−ms)
L’={mp(bs−bp)/(mp−mx)}+bp
投影p=(Lp,Cp,Hp)は以下の式で与えられる。
【0165】
【数14】
【0166】
そしてHp = Htである。
【0167】
図19に示すように、セクション3.2.2.2で述べたように(L’,C’)が線セグメントの1つの上に存在する場合は、それは投影である。そうでない場合は、投影は最重要点と同一であると定義される。
【0168】
ただし投影はnコーン内の値を含む全てのLCH値に対して定義される。
【0169】
3.2.3 実際のCMY色域表面のモデリング
CMY装置については、色域表面は次の色のセットである。
【0170】
S={(C,M,Y)|min{C,M,Y}=0%Vmax{C,M,Y}=100%} 式4
つまり、あるCMY値は、その成分の1つがゼロまたは100%であれば、その場合のみ色域表面上の値である。Sを測定した場合、L*a*b*値は、8つの頂点が0%及び100%のインクの全ての混色の結果の色となる、歪んだ立方体を形成する。すなわちC、M、Y、C+M、C+Y、Y+M、C+M+Y、白である。
【0171】
この歪んだ立方体の面とエッジは凹状または凸状となる。セクション2で述べた理由から、非スムーズ領域が存在する。作業で扱いやすいL*a*b*空間におけるCMY色域の分析的な記述を見つけるのは困難である。従って、HAと表わされる六角コーンとしても知られる6個の色度頂点を持つnコーンを用いて、たとえ不正確にでも、CMY色域をモデリングする。
【0172】
CMYの6つの組み合わせを選択することにより頂点のLCH値を選択し、順方向モデルを用いてそれらのLCHを計算する。通常、使用されるCMYの組み合わせは次の通りである。
【0173】
(C,M,Y)0 = (100%,0%,0%)
(C,M,Y)1 = (100%,100%,0%)
(C,M,Y)2 = (0%,100%,0%)
(C,M,Y)3 = (0%,100%,100%)
(C,M,Y)4 = (0%,0%,100%)
(C,M,Y)5 = (100%,0%,100%)
そして、
(L,C,H)i = f(C,M,Y)iである。
【0174】
ここでfはセクション2.3で述べたプリンタの順方向モデルである。
【0175】
この方法を用いて六角コーン座標を特定する必要はない。セクション3.2.7では他の座標が時折選択される理由を説明する。上記のCMYの組み合わせが順方向モデルと共に使用される場合、六角コーンの頂点は実際のプリンタ色域のコーナーに正確に一致し、六角コーンの形状は実際の色域の形状に適切に近似したものとなる(図20参照)。
【0176】
3.2.4 理想CMY色域表面のモデリング
現在の目的に対して、理想CMY色域は、代表的なRGBモニタ色域の形状を持つものである。
【0177】
そのようなプリンタが存在するなら、RGB画像のための色域マッピング問題は起らず、ユーザはスクリーン上で見たものを正確に印刷することができる。
【0178】
モニタ色域の形状は頂点がモニタのRGB原色および二次色から計算される六角コーンを用いて近似することができる。(「代表的な」RGBモニタに対して標準CIE RGBRCIEXYZRLCH変換を用いる。)これを六角コーンHIと称する。
【0179】
HIの各頂点に対して、RGB色に対して最適であると主観的に判断されるCMYの組み合わせを選択する。例えば、RGBのブルーは100%C+50%Mで最もよく再現される、またはRGBのグリーンは100%Y+60%Cで最もよく再現される等と決めてもよい。これらのCMY混色の選択基準はセクション3.2.7で述べる。
【0180】
3.2.5 Nコーンモデルの拡張
これまでnコーンをLCH空間内の幾何学的立体と定義し、LCH空間内の点をnコーンの表面上に投影する方法を説明してきた。その表面上の各点がそれに関係する付加的な値を持つように、nコーンの定義を拡張する。つまり、CMY値、その減衰ファクタと呼ばれる数値、その傾斜ファクタと呼ばれる数値である。傾斜ファクタの元の定義はセクション3.2.2.3で述べたが、そこでは傾斜ファクタは表面線の傾斜に関係して投影線の傾斜を決定するものである。これらの拡張の理由はセクション3.2.6で説明する。
【0181】
3.2.5.1 Nコーン色(colorants)
六角コーンの各頂点の色(colorants)はその原点と白で特定される。補間方式もまたnコーン上の全ての他の点に対して特定される。例えば、nコーン頂点の色はセクション3.2.3のように、原点の色は(100%,100%,100%)として、白の色は(0%,0%,0%)として定義することができる。
【0182】
各nコーン頂点(L,C,H)iに対して、(C,M,Y)iをそのCMY値とする。
【0183】
最重要点のCMY、(C,M,Y)xは次のベクトル方程式で定義される。
【0184】
【数15】
【0185】
ここでVxは式2で与えられ、iとjはセクション3.2.2で特定されている。
【0186】
最重要点(L,C,H)xを通る表面線を考えると、この線上の点(Ls,Cs)のCMYは次のように定義される。
【0187】
【数16】
【0188】
ここで、
【0189】
【数17】
従って、nコーンの頂点は白(インクなし)であり、底部は黒(300%インク)であり、各頂点は特定のインク混色である。nコーン表面上の点のCMYは上述したように周囲の頂点間を補間することにより求められる。
【0190】
3.2.5.2 Nコーンの減衰ファクタと傾斜ファクタ
各nコーン頂点(L,C,H)iに対して、aiをその減衰ファクタ、δiをその傾斜ファクタとする。最重要点の減衰ファクタaxは以下の式で定義される。
【0191】
ax = vxaj + (1−vx)ai
ここでvxは式2で与えられ、iとjはセクション3.2.2で特定されている。同様に、最重要点の傾斜ファクタδxは以下の式で定義される。
【0192】
δx =vxδj + (1−vx)δi
最重要点(L,C,H)xを通る表面線を考えると、この線上のいずれの点(Ls,Cs)の減衰ファクタも最重要点における減衰ファクタと定義される。同様に、この線上のいずれの点の傾斜ファクタも最重要点における傾斜ファクタと定義される。言い換えると、nコーン表面上の点の減衰ファクタと傾斜ファクタは、その点の輝度または色度ではなく、その点の色相のみに依存している。
【0193】
セクション3.2.7では減衰ファクタを設定し傾斜ファクタを選択する方法を説明する。
【0194】
3.2.6 デュアルコーン色域マッピング
目標色tを考えると、そのCMY値(C,M,Y)tは以下のように特定される。
【0195】
セクション3.2.5.1で述べたように、(C,M,Y)tをtのHI上への投影からのCMY値とする。
【0196】
セクション3.2.5.1で述べたようにaIをtのHI上への投影からの減衰ファクタとする。
【0197】
PAをtのHA上への投影とする。
【0198】
r=f(d(PA))、つまりrを、PAへの不飽和色域マッピングにより得られたCMY値とする。
【0199】
2つのCMY値rと(C,M,Y)Iが得られる。rは「保守的な」値(セクション2.4.1で述べたとおり)である。(C,M,Y)Iは完全飽和のRGB色に対して(HIの頂点とCMYが適切に選択される限り)適切な値である。tがHAに近づくとrが優勢となり、tがHAから「十分に遠く」離れると(C,M,Y)Iが優勢となるように、rと(C,M,Y)Iとの加重平均が取られる。
【0200】
重みwは以下の式で与えられるものとする。
【0201】
【数18】
【0202】
wを用いて以下のように記述される加重平均を計算する。
【0203】
【数19】
【0204】
最終的に、rまたは(C,M,Y)Iが100%より大きい成分を持つ可能性を見越しておく。
【0205】
【数20】
【0206】
(C,Y,Y)tは目標点tに実行されたデュアルnコーン色域マッピングの結果である。
【0207】
従って、プリンタ色域から遠く離れた色に対しては、理想nコーンにより最終的なCMYを決定する。実際のnコーンに近づくにつれて、投影方向はますます実際のnコーンに影響される。しかし、実際のnコーンはCMY値に寄与はしない。図21に示すように、CMY値は色域内色が見つかるまで実際のnコーンへの投影を不飽和にすることにより得られるものである。何故実際のnコーンへの投影方向において連続にするよりも不飽和にするのであろうか。いくつかの場合、投影線は本当の色域とまったく交差しない。図22は、投影線が本当の色域に交差し損ねている場合を示している。
【0208】
3.2.7 Nコーンパラメータのセッティング
nコーンは次の値でパラメータ化される。
【0209】
・色度頂点の数
・各頂点のCMY
・各頂点の座標
・各頂点の減衰ファクタ
・各頂点の傾斜ファクタ
表1はこれらのセッティングのうち最初の単純なセッティングを示している。
【0210】
【表1】
【0211】
[表1に対する賛成点]
実際のNコーンは、その頂点が色域の自然の「コーナー」に一致するため、本物の色域形状に対する適度に優れた近似である。
【0212】
モニタのレッド、シアン、マゼンタ、イエローは対応するプリンタの立体にマップされる。
【0213】
[表1に対する反対点]
モニタのブルーは100%C+100%Mでマップされるが、紫に見える。
【0214】
モニタのグリーンは100%C+100%Yでマップされるが、モニタのグリーンよりも暗く黄色味が少ない
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは、グラデーションの中央がいずれかの端点よりも明るい(下記の注1参照)。
【0215】
モニタの原色からブラックへのグラデーションは、明確な段差になって再現される。これは、特にブルーからブラックへのグラデーションに対して起こりやすい(下記の注2参照)。
【0216】
色域近接色、特に肌(肉)色の色調であるため、ピンクについて不都合な明度のシフトが目立つ(下記の注3参照)
注1:
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは輝度に関して非単調となる。これは、1つの端点がCMY=(100%,0%,100%)にマップされ、それがモニタのグリーンよりも暗いためである。しかしながら、グラデーションがブラックに近づくと、実際の色域により近くなるので、式5のwは1に近づく。wが1に近づくと、rと実際のnコーンへの投影のCMYにより大きい重みが加わるので、rは入力色の輝度を保持する。言い換えると、グリーンの端点は輝度に拘わらずより暗い色にマップされるが、ブラックが近づくと、入力の輝度が考慮され、これにより非単調となる。
【0217】
注2:
CMY=(100%,100%,0%)からCMY=(100%,100%,100%)へのグラデーションを考える。イエローがブルー立体に加わるため、グラデーションは単調により暗くなり、そして色度がより低くなる。
【0218】
しかし、100%のGCRを行った後の同じグラデーションはCMYK=(100%,100%,0%,0%)からCMYK=(0%,0%,0%,100%)となる(セクション5.2参照)。元のCMYグラデーションCMY=(100%,100%,10%)に沿った点を考える。GCRの後この点はCMYK=(90%,90%,0%,10%)となる。このCMYKは元のCMYよりも明るい。つまり、10%Kの付加により10%Cと10%Mの減少の補償とはならない。
【0219】
図23はモニタのブルーの色相におけるCMY色域の断面を示している。図24は100%のGCRが行われた後の同じ色域を示している。ブルーからブラック領域への凹部に注目すると、両図とも色域マッピングの結果である投影線に沿ってRGBのブルーからブラックへのグラデーション(ブルーからブラックへのRGB空間においてグラデーションを定義すると、一定のLCH色相は得られない.しかしながら、グラデーションに沿ったLCH色相差は小さい))を示している。図23では、投影点は比較的均一にスペースがとられ、輝度は一定の割合で減少している。しかしながら、図24では、純粋なブルーの投影は、グラデーションに沿ったわずかにより暗い色とはかけ離れている。色域マッピングの後、グラデーションはブルーの端部で高く飽和し、ブラック端部へ向かうと不意に色度が低くなり、その結果はっきりと目に見える段差となる。
【0220】
注3:
色域近接色に対する明度のシフトはゼロにセットされた傾斜ファクタにより起きる。ゼロの傾斜ファクタにより投影線の輝度は一定でなくなる(例2参照)。これは元の色の彩度を維持する助けとなるため時には望ましいことである。しかしながら、いくつかのプリンタにとってはこれは肌(肉)色の再現に問題を引き起こす。色域外のピンク色はより暗くなり、これは不都合である。
【0221】
表2は表1の欠点のいくつかを避けるように工夫されている。
【0222】
【表2】
【0223】
ただし表2における特定のCMY値は例であって、最適な選択はプリンタごとに異なるものである。
【0224】
[表2に対する賛成点]
モニタのレッド、シアン、マゼンタ、イエローは対応するプリンタの立体にマップされる。
【0225】
モニタのブルーは100%C+50%Mにマップされるが、表1よりも好ましい色域マッピングである。
【0226】
モニタのグリーンは100%C+50%Yにマップされるが、表1よりも好ましい色域マッピングである。
【0227】
モニタの原色からブラックへのグラデーションは、目に見える段差なくスムーズに再現される。これは、特にブルーからブラックへのグラデーションに対して起こりやすい(図25参照)。
【0228】
色域近接色の肌(肉)色調のピンク色の再現が改善されている。
【0229】
[表2に対する反対点]
実際のNコーンは、そのいくつかの頂点はプリンタの立体でないため、本物の色域の最高近似ではない。これは、いくつかの色域内L*a*b*色が正確に再現されないことを意味している。例えば100%C+100%MのL*a*b*である。
【0230】
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは、グラデーションの中央がいずれかの端点よりも明るい(下記の注1参照)。
【0231】
100%C+100%Mまたは100%C+100%Yなど、いずれかの入力により再現できない色域内色が存在する。
【0232】
表2は表1の問題の多くを解決しているが、いくつかの新しい問題をもたらしている。特に、100%C+100%Mまたは100%C+100%Yのような高飽和の色域内色が再現できないことがそうである。表3では、理想nコーンに、プリンタのブルー用とプリンタのグリーン用の2つの頂点を追加することにより、この特定の問題に取り組んでいる。
【0233】
【表3】
【0234】
[表3に対する賛成点]
表2に対する賛成点全て
[表3に対する反対点]
実際のNコーンは、そのいくつかの頂点がプリンタの立体でないため、本物の色域の最高近似ではない。これは、いくつかの色域内L*a*b*色が正確に再現されないことを意味している。例えば100%C+100%MのL*a*b*である。
【0235】
モニタのグリーンからモニタのブラックへのグラデーションは、グラデーションの中央がいずれかの端点よりも明るい。
【0236】
モニタのRGBのイエローからRGBのグリーンへのグラデーションは、100%C+100%Yを含むが、不都合な色である。これは100%C+100%Yに対応する理想nコーン頂点に対する、よりよいLCH座標を選択することによって避けることができる。
【0237】
図25は図24に重ね合わせた表3の実際のnコーンを示している。青−黒グラデーションがこのnコーン上へ投影されて、この色相での真の色域の凹部により生じる不連続性を避けている。
【0238】
3.2.8 加工部分(artifacts)
3.2.9 飽和度
3.2.10 色域近接色
3.3 結論
色域外色は理想六角コーンと実際の六角コーンの両方の上に投影される。実際の六角コーン上への投影は色域内色が見つかるまで不飽和にされる。この色域CMYと理想投影のCMYとの加重平均がとられ、これが色域マッピングの結果となる。
【0239】
4. 分離ルックアップテーブル
順方向モデルを反転して画像の各色に対してデュアルコーンマッピングを計算するのはコンピュータ計算的にコストがかかるものである。分離ルックアップテーブルはこの計算の効率的な近似であり、これにより導入される誤差は直進的に計算される。留意すべき点は、LUTの唯一の仕事は反転モデルと色域マッピング機能に近い動作をするということである。LUTはこれらの機能における誤差または非スムーズ性を補償することはできない。無限に密度の高いLUTなら定義により完全となるであろう。
【0240】
4.1 正確性
セクション2.1.1の正確性の記述はここに関係する。分離テーブルは反転モデルと色域マッピングアルゴリズムに近い動作をするよう意図されているため、L*a*b*色のランダムなサンプルを取りLUT内で補間して1セットのCMYを得て、色域マッピングアルゴリズムと反転モデルを行って第2のセットのCMYを得て、これらの2セットのCMYを比較する。順方向モデルを用いて両方のセットのCMYをL*a*b*へ変換してΔEを計算する。しかし、ΔEの分布は必要な情報の全てではない。
【0241】
他のより有益な方法は、入力L*a*b*値を4つのクラスに分けて各クラス内でΔEの分布を決定する方法である。これを行うには、以下のクラスの2つが二次元空間であるため、ランダムな入力セットで始めることは不可能である。
【0242】
・中間軸上のL*a*b*
・色域表面上のL*a*b*
・色域内の中間軸上と色域表面上にはないL*a*b*
・厳密に色域外L*a*b*
各クラスとも重要であるが、LUTの全体の質を決定する際に各クラスに等しく重み付けすることはできない。
【0243】
計算されるΔEは入力色と測定されたCMYの間(つまり、それらが印刷される場合)にあるのではない。LUTとLUTが近似する連続システムとの差異のみが計算される。
【0244】
4.1.1 表面色
式4で記述したように、表面色はLUTを用いて正確に再現することが特に困難である。表面色が存在することになるLUT立方体にはいくつかの色域コーナーといくつかの色域外コーナーがある。従って、その結果のCMYは表面色とはならず、飽和以下(under saturated)となる。これは特にイエローについて問題となる。
【0245】
ユーザがCMYKのイエローを他のインクを使わずに印刷したい場合、C、M、あるいはKによるわずかな濁りでも不都合であることがわかるであろう。これは他の色ではこれほどではない。例えば純粋なシアンへの2%のマゼンタの不必要な混色では見分けるのが難しい。
【0246】
この特定の難局に対する解決は提案されていないが、LUTの密度が高いほど問題性は低くなる。
【0247】
4.2 スムーズ性
LUTを構築するために連続システムをサンプリングするプロセスによって、いずれの付加的な非スムーズ性も導入するべきではない。しかしながら、連続システム自体がどのくらいスムーズであるかを決定することは困難であり、その非スムーズ性はLUTの構築においてのみ現れる可能性もある。現在のところ、いずれの平滑性の分析的測度も知られていない。LUTの層をCMY画像として見て加工部分(artifacts)について目視で調べることは可能である。そうした加工部分の根源を追跡することは探査作業を実践することになる。時には、悲しいことに、そうした人為構造が発見されても、連続システムにおけるそれらのソースにおいて補正できないこともある。このため、セクション4.3の技術を説明する。
【0248】
4.3 LUTスムージング
以下の値でパラメータ化された局所緩和とシフトをLUTに行う。
【0249】
緩和で使用するための周辺値:n
局所緩和領域の中心:(L,a,b)c
局所緩和領域の半径:r
スムージングの重み:w
4.4 指数空間とLUT補間
CIE RGBとL*a*b*の上記の基準に対して共通に使用される2つの指数空間に対するいくつかの賛成点と反対点を以下に挙げる。
【0250】
[RGB指数空間に対する賛成点]
指数空間が入力画像のRGB空間に一致する場合、純粋なモニタ原色および二次色はLUT頂点上となるので、それらの色の再現は補間誤差を被らない。これはコンピュータにより生成された色を含む画像について特に好ましい
RGB指数化は4面体補間とは上手く機能し、効率的である。
【0251】
拡張したRGB空間であっても、おそらく、相当するL*a*b*LUTよりもより多くの色域内値を持つLUTとなる。これにより補間誤差をより少なくする可能性はあるともないとも言えるが、おそらく表面色の再現を改善するであろう。
【0252】
[RGB指数空間に対する反対点]
全ての適切なreasonableプリンタとモニタの色域を含んでいるCIE RGB空間は少数あるいは皆無である。従って候補RGB空間は拡張しなくてはならず、システムを複雑にする。
【0253】
RGB指数化は3次線形補間とは上手く機能しない。あるRGBテーブルの中間軸は斜めであり、3次線形補間は斜線軸をはずれた頂点を生じ、斜線上の補間に影響する。
【0254】
[L*a*b*指数空間に対する賛成点]
L*a*b*はいずれのプリンタまたはモニタの色域も含んでいる。
【0255】
L*a*b*指数化は3次線形補間、4面体補間(tetrahedral interpolation)の両者とも上手く機能する。
【0256】
[L*a*b*指数空間に対する反対点]
RGB原色および二次色は常に補間された色となる。
【0257】
いずれのRGB入力によってもアドレスすることができないL*a*b*色が多く存在するため、L*a*b*指数化はスペースを浪費する。実際は、物理的意味を持たない(例えばL*a*b*=(100,20,0))多くのL*a*b*色が存在する。
【0258】
上記の賛成点と反対点の全てはRGB原色および二次色の再現を除いてはサイズと正確さの間の同時達成できない要因と見ることができる。つまり、あるRGBのLUTに対し、上位のL*a*b*LUTを構成することは、それが十分に大きく作成されるならば常に可能であり、逆もまた同様である。
【0259】
5. 付加的な項目
5.1 モニタのマッチング
このシステムの1つの目標は、モニタ対プリンタのマッチングを提供することである。これは観察輝度とモニタの白点が共にD65である高制御の観察環境において達成されてきた。モニタ「校正」のためには、一般に販売されているものよりも洗練された機器を用いてモニタの白点を調整することが必要であった。こうした注意深い校正をせずに行った調整結果は受け入れられないものである。
【0260】
理論的には、白点調整は、プリンタとモニタの白点が異なっていても、それらの間で知覚的に一致すべきである。実際はこの調整はうまく機能しないことが判明している。これは、現在の適合モデルには欠陥がある(適合モデルは白点および黒点調整にすぎない)ことを示している。より洗練された適合モデルが存在しており、これは将来の改良の可能性のある領域である。
【0261】
5.2 GCR
セクション2.2.2で述べたように、大抵のプリンタは内蔵のGCRを有している。CMYプリンタには、ある程度信頼できるいくつかの特性がある。例えば、2つのCMY値(C0,M0,Y0)、(C1,M1,Y1)、それらの対応するL*a*b*値(L0,a0,b0)、(L1,a1,b1)を考えると、次の式が予測される。
【0262】
(C0≦C1∧M0≦M1∧Y0≦Y1)⇒(L0≧L1) 式8
つまり、インクが増加するとL*が減少する。
【0263】
しかし、GCRは式8の含意を不正とすることがある。
【0264】
例3
100%のGCRと称される、K = min{C,M,Y}で、CMYからKが除去される単純なGCRアルゴリズムを考える。CMY = (100%,100%,20%)はCMY = (100%,100%,0%)より暗いが、GCRの後は、CMYK = (80%,80%,0%,20%)はCMYK = (100%,100%,0%,0%)よりも明るくなる可能性がある。従って、このGCRアルゴリズムはプリンタをいくぶん「不自然」に動作させている。
【0265】
図24に示すように、この事は順方向モデルの反転や色域マッピングに問題を生じる。実際は、前の例のGCRアルゴリズムはそうした問題を起こさないように見える。しかし、より複雑なGCRアルゴリズムは問題を起こすように思われる。
【0266】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、比較的低い彩度の色に対して優れた知覚的マッチングを施し、同時に高彩度の色に対しては優れた彩度マッチングを施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プリンタ上で印刷可能な色の色域がモニタ上で表示可能な色の色域とどのように関係しているかを示す色度図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプリンタドライバを内蔵する代表的なコンピューティング装置の外観を示す図である。
【図3】図2の内部構成を示す詳細ブロック図である。
【図4】図3のブロック図の機能的接続を強調した機能ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に関わるプリンタドライバによる印刷を示すフロー図である。
【図6】本実施の形態に関わるプリンタドライバで用いる再生用LUTの構成方法を示すフロー図である。
【図7】代表的なプリンタのために順方向(forward)マッピングを構成する方法を説明するフロー図である。
【図8】フォワードマッピングをスムージングする方法を説明する図である。
【図9】デュアルコーン色域マッピングを説明する図である。
【図10】、
【図11】、
【図12(A)】、
【図12(B)】、
【図12(C)】、
【図13】、
【図14】本実施の形態に係るデュアルコーン色域マッピングに従って目標色域外色を実コーンと理想コーンに投影する方法を示す図である。
【図15】再生用LUTをスムージングする方法を説明するフロー図である。
【図16】、
【図17】、
【図18(A)】、
【図18(B)】、
【図19】、
【図20】、
【図21】、
【図22】、
【図23】、
【図24】、
【図25】本願の付録で参照する図である。
Claims (7)
- 所定光源に依存した色データを入力し、
所定光源に依存した色データを、紙の白色値を基準白色として用いて白点調整を行うとともに、出力デバイスの黒色点を用いて黒色点調整を行うことを特徴とする画像処理方法。 - 出力デバイスによって出力されたサンプルを、所定光源を用いて測色することにより得られた測色値を入力し、
前記所定光源の白色値と紙の白色値に基づき、前記測色値に対して白点調整を行うとともに、出力デバイスの黒色点調整を行い、
前記白色点/黒色点調整された測色値を用いて、順方向マッピングテーブルを作成することを特徴とする画像処理方法。 - 更に、グレー色に相当するサンプルの測色値を調整するグレー軸調整を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理方法。
- 更に、前記調整された測色値に対してスムージング処理を行うことを特徴とする請求項2記載の画像処理方法。
- 前記順方向マッピングテーブルは、デバイス色成分を測色値の色成分に変換することを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 更に、前記順方向マッピングテーブルから反転モデルを作成することを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
- 前記反転モデルを作成する際に、出力デバイスの色域外の色を該色域内にマップすることを特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
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