JPH1117963A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH1117963A
JPH1117963A JP9171589A JP17158997A JPH1117963A JP H1117963 A JPH1117963 A JP H1117963A JP 9171589 A JP9171589 A JP 9171589A JP 17158997 A JP17158997 A JP 17158997A JP H1117963 A JPH1117963 A JP H1117963A
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JP
Japan
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color
image
saturation
image processing
processing apparatus
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Pending
Application number
JP9171589A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kubo
昌彦 久保
Nobuyuki Kato
信之 加藤
Koichiro Shinohara
浩一郎 篠原
Masahiro Takamatsu
雅広 高松
Kazuhiro Iwaoka
一浩 岩岡
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 どのような画像形成装置を用いても、記憶色
である肌色、空の青、草の緑が、常に最適な好ましい色
に再現されるとともに、高彩度部の潰れなどを生じない
ようにする。 【解決手段】 入力RGBデータを第1色変換手段21
0によりL***データに変換し、そのL***デー
タを第2色変換手段220によりYMCKデータに変換
する。パラメータ決定手段230は、肌色、空の青、草
の緑を、それぞれの彩度Cskin,Csky,Cgr
assと画像形成装置300の赤色、青色、緑色の最大
彩度Cred,Cblue,Cgreenとの比が、
0.25≦Cskin/Cred≦0.5,0.4≦C
sky/Cblue≦0.65,0.2≦Cgrass
/Cgreen≦0.45となる色範囲内に設定し、か
つ画像形成装置300による出力色の明度、彩度および
色相の直線性を維持するとともに、入力画像のシーンに
応じて明度階調特性および彩度階調特性の直線性を変更
するように、第1色変換手段210のパラメータを決定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、写真フィルムを
読み取ることによって得られた画像データやデジタルカ
メラから得られた画像データなどの入力カラー画像信号
を、カラープリンタなどの画像形成装置に送出する画像
記録信号に変換する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの発達、通信ネット
ワークの整備、大容量の記憶媒体の出現などに加えて、
スキャナやデジタルカメラなどが普及するに伴い、写真
画像データが急速に広まっており、写真画像データを高
画質でプリントアウトしたいという要求が高まってきて
いる。
【0003】また、写真フィルムの分野においても、ア
ナログ出力ではなく、画像をデジタル化して画像処理や
画像編集を行うことにより、さらに高画質で多機能なプ
リントアウトをしたいという要求が高まってきている。
【0004】このように写真画像データをプリントアウ
トする場合、画像中の特徴的な部分、例えば人間の肌の
色、空の青、草の緑というような記憶色の部分を、視覚
的に好ましい色、ないし所望の色に再現したいという要
求がある。
【0005】そこで、特開平6−121159号には、
画像中から記憶色を抽出して、その抽出した部分を、あ
らかじめ官能評価試験によって得られた、好ましく感じ
る色に変換してから、プリントアウトする方法が開示さ
れている。
【0006】一方、プリンタなどの画像形成装置や、デ
ィスプレイなどの画像表示装置は、一般にデバイスごと
に色再現範囲が異なっており、特にプリンタとディスプ
レイの色再現範囲は大きく異なっている。そのため、ス
キャナなどの画像入力源から得られた入力画像データを
プリンタによってプリントアウトする場合、入力画像デ
ータの一部をプリンタで出力することができない、とい
うようなことが生じ得る。
【0007】図20は、このデバイスによる色再現範囲
の違いを示したもので、領域Gpは、あるカラープリン
タ(コダックXL7700)の色再現範囲であり、領域
Gmは、一般的なRGBカラービデオモニタの色再現範
囲である。ただし、図は、CIE・L***色空間に
おけるL*=50.0のa**平面上での色再現範囲を
示している。
【0008】この場合、図中の点Piの画像データは、
プリンタの色再現範囲Gpの外に位置しているので、そ
のままではプリンタで出力することができない。点Pi
の画像データをプリンタで出力させるには、なんらかの
操作ないし変換が必要となる。
【0009】従来、その方法として、いくつかの方法が
提案されている。例えば、特開平7−298073号に
は、色再現範囲の外側に位置する画像データを、色再現
範囲の縁に位置するように彩度方向にクリッピングする
ことが示されている。すなわち、図20の点Piの画像
データは、点Piに対して明度および色相が一致するよ
うに、図のa**平面上で、点Piとa**座標の原点
を結ぶライン1が色再現範囲Gpの境界と交わる点Po
1の画像データに変換する。
【0010】また、特開平5−115000号には、プ
リンタの色再現範囲内に彩度を圧縮しないで忠実に再現
する領域を設定して、その領域外の画像データにつき部
分的に彩度を圧縮することが示されている。
【0011】さらに、特開平6−253138号ないし
特開平6−253139号には、色空間内の特定のポイ
ントのマッピングを明示的に指定し、残りの部分は補間
などによってマッピングする方法が示されている。具体
的に、この方法では、図20の点Piの画像データは、
色再現範囲Gpの境界上の点Po2の画像データに変換
される。
【0012】また、特開平6−189121号には、入
力信号に応じて、モニタ上の色とプリント上の色との間
の、明度、彩度および色相に関する偏差を重み付けして
加算した評価関数を用いて、色変換パラメータの最適化
を図ることによって、人間が好ましく感じるように色再
現域を圧縮する方法が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−12115
9号に示された方法は、写真画像データをプリントアウ
トする場合に、記憶色を視覚的に好ましい色に再現する
ことができるという点で、確かに効果的である。
【0014】しかしながら、この特開平6−12115
9号の方法は、抽出した記憶色領域につき、他の領域と
異なった色補正処理を行うため、図21(A)に示すよ
うに記憶色と他の色との間に不連続を生じて、擬似輪郭
が発生するなど、必ずしも良好な色再現を得ることがで
きない欠点がある。
【0015】一方、プリンタの色再現範囲が相対的に狭
いことに対する対応として、特開平7−298073号
のように、色再現範囲の外側に位置する画像データを、
色再現範囲の縁に位置するように彩度方向にクリッピン
グする方法は、図21(B)の直線部分3で示すよう
に、高彩度部において彩度の潰れを生じ、出力画像の画
質を著しく損なう欠点がある。
【0016】また、特開平5−115000号のよう
に、プリンタの色再現範囲内に彩度を圧縮しないで忠実
に再現する領域を設定して、その領域外の画像データに
つき部分的に彩度を圧縮する方法も、クリッピングする
方法ほどではないものの、図21(B)の直線部分4で
示すように、やはり高彩度部において彩度の潰れを生
じ、出力画像の画質が損なわれる。
【0017】さらに、特開平6−253138号ないし
特開平6−253139号に示された方法では、高彩度
部における彩度の潰れは緩和されるものの、図21
(C)の曲線部分9から明らかなように、色相の曲りを
生じ、また彩度の階調特性の直線性も損なわれる欠点が
ある。また、この方法では、色を合わせたいポイントが
多くなった場合には、色の連続性を保証することが困難
となる。
【0018】また、特開平6−189121号に示され
た方法では、入力彩度に対する出力彩度の特性は図21
(B)の破線曲線5で示すようになり、クリッピングす
る方法ほどではないものの、やはり高彩度部において彩
度の潰れを生じる。また、この方法は、色変換パラメー
タを決定するために、色空間内の多くの点を評価点とし
て設定し、それぞれについて官能評価を用いて重み係数
を決定しなければならないため、評価関数を決定するの
に多大な労力を必要とする。
【0019】今後、デジタル写真システムが普及してい
くにつれて、ユーザが写真フィルムやCD−ROMをプ
リントショップに持ち込み、プリントを受け取るといっ
た場合が多くなると考えられ、その場合、モニタの色に
プリントを合せたいといった要求よりも、プリント上の
色再現を良好にしたいといった要求の方が多いと考えら
れる。
【0020】また、写真フィルムの経年変化や不適切な
露出のために、および多様な入力機器に対応しなければ
ならないために、プリントする画像ごとにカラーバラン
スが変化していることが考えられ、入力データのカラー
バランスに忠実にプリントした場合には、入力データの
カラーバランスが変化しているときには好ましい色再現
のプリントを得ることが不可能となる。
【0021】以上のように、デジタル写真データをユー
ザが求める好ましい色に変換処理するカラー画像処理は
今まで存在しない。さらに、従来広く用いられてきた色
再現域の圧縮方法は、プリント上の色をモニタ上の色に
視覚的に一致させなければならないといった前提条件が
あるために、なるべく全体の彩度を高く保った状態で色
再現範囲を彩度方向に圧縮するものであるため、原理的
に高彩度部において階調の潰れを生じやすい問題があ
る。
【0022】また、モニタ上の色のカラーバランスが崩
れて、好ましい色に再現されていない場合では、プリン
ト上の色をモニタ上の色に一致させても、ユーザが求め
る好ましい色を得ることは不可能である。
【0023】さらに、従来提案されている、人間の記憶
色を抽出して別の色補正処理を行う方式では、記憶色の
再現は良好になるものの、記憶色と他の色との間の不連
続を生じ、擬似輪郭が発生するなどの問題がある。
【0024】一方、プリント上の色を何かに合せるので
はなく、それ自身をユーザが求める好ましい色に再現す
ることを考えると、記憶色などのユーザが注目する色の
再現をユーザの記憶に一致させればよい。
【0025】さらに、記憶色の再現と高彩度部の潰れの
防止は相反する要求となることが多いため、それを両立
するように色変換特性を決定することが必要となる。
【0026】さらに、高彩度部の潰れを感じない階調を
実現するためには、画像形成装置の色再現範囲を最大限
に活用することが必須である。また、記憶色を確実にユ
ーザの記憶に一致させるためには、入力画像データの特
性を考慮して、入力画像データから記憶色領域を抽出す
ることが必要である。
【0027】以上の点に鑑み、発明者は先に、記憶色な
どの、画像中において人間が注目する部分の明度、彩度
および色相が良好に再現され、かつ画像全体の明度、彩
度および色相の直線性が確保されて高彩度部の潰れを生
じない、良好な色再現特性を有する画像処理装置を発明
し、特願平8−307065号(平成8年11月1日出
願)として提案した。
【0028】この先願の発明は、入力カラー画像信号を
デバイスに依存しない3変数色信号に変換する第1色変
換手段と、その3変数色信号を画像形成装置に送出する
画像記録信号に変換する第2色変換手段と、第1色変換
手段の色変換パラメータを決定するパラメータ決定手段
とを備え、そのパラメータ決定手段は、入力カラー画像
信号中の特徴色を所定の色に一致させるとともに、画像
形成装置による出力色の明度、彩度および色相の直線性
を維持するように、第1色変換手段の色変換パラメータ
を決定する、ものである。
【0029】しかしながら、ユーザが好ましいと感じる
記憶色の範囲については、過去にいろいろな文献で議論
されているが、発明者の検討によると、比較的色再現範
囲の広い画像形成装置で画像を出力する場合に、過去の
比較的色再現範囲の狭い反射型プリント上で実験により
求められた記憶色の好ましく感じる範囲内に記憶色を設
定した場合には、十分な鮮やかさを得ることができない
ことが判明した。また、反射型プリントよりも色再現範
囲の広いCRTモニタ上で好ましく感じる記憶色の範囲
を求めて、その範囲内にプリント上の記憶色を設定した
場合には、高彩度部に階調の潰れを生じることが分かっ
た。すなわち、過去に議論されている記憶色の範囲で
は、種々の画像形成装置で画像を出力する場合に、最適
な好ましさを得ることは不可能であることが判明した。
【0030】さらに、入力画像のシーンとしては、風景
写真である場合や人物写真である場合など、異なるシー
ンがあるが、そのシーンによっては、記憶色を設定値に
一致させるだけでは、必ずしも最適な色再現にならない
ことが判明した。
【0031】そこで、この発明の第1の目的は、どのよ
うな画像形成装置で画像を出力する場合でも、高彩度部
の潰れなどの画質劣化を生じることなく、肌色またはそ
の他の記憶色が、常に最適な好ましい色に再現される画
像処理装置を実現することにある。
【0032】さらに、この発明の第2の目的は、入力画
像のシーンがどのようなシーンであっても、画像全体の
明度階調特性および彩度階調特性が、常に最適な好まし
い特性となる画像処理装置を実現することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、入力
カラー画像信号をデバイスに依存しない3変数色信号に
変換する第1色変換手段と、その3変数色信号を画像形
成装置に送出する画像記録信号に変換する第2色変換手
段と、前記第1色変換手段の色変換パラメータを決定す
るパラメータ決定手段とを備え、そのパラメータ決定手
段が、前記入力カラー画像信号中の特徴色を所定の色に
一致させるとともに、前記画像形成装置による出力色の
明度、彩度および色相の直線性を維持するように、前記
第1色変換手段の色変換パラメータを決定する画像処理
装置であって、特に、前記パラメータ決定手段は、前記
入力カラー画像信号中の特徴色としての、人間の記憶色
の一つである肌色を、肌色の彩度Cskinと前記画像
形成装置の赤色の最大彩度Credとの比が、 0.25≦Cskin/Cred≦0.5 となる色範囲内に設定する、ものとする。
【0034】請求項3の発明では、特に、前記パラメー
タ決定手段は、前記入力カラー画像信号中の特徴色とし
ての、人間の記憶色の一つである空の青を、空の青の彩
度Cskyと前記画像形成装置の青色の最大彩度Cbl
ueとの比が、 0.4≦Csky/Cblue≦0.65 となる色範囲内に設定する、ものとする。
【0035】請求項5の発明では、特に、前記パラメー
タ決定手段は、前記入力カラー画像信号中の特徴色とし
ての、人間の記憶色の一つである草の緑を、草の緑の彩
度Cgrassと前記画像形成装置の緑色の最大彩度C
greenとの比が、 0.2≦Cgrass/Cgreen≦0.45 となる色範囲内に設定する、ものとする。
【0036】請求項7の発明では、特に、前記パラメー
タ決定手段は、前記入力カラー画像信号中の特徴色とし
ての、人間の記憶色の一つであるグレーの彩度および色
相を、CIE・L**H°色空間において、 1≦C*≦8 200≦H°≦300 の色範囲内に設定する、ものとする。
【0037】請求項10の発明では、上記の請求項1,
3,5または7の発明の画像処理装置において、さら
に、前記パラメータ決定手段は、当該パラメータ決定手
段が有するシーン判別手段が前記入力カラー画像信号か
ら判別した、または当該画像処理装置に入力されるシー
ン判別信号により示される、前記入力カラー画像信号の
シーンに応じて、明度階調特性および彩度階調特性の直
線性を変更する、ものとする。
【0038】この場合、シーン判別手段により判別され
る、またはシーン判別信号により示されるシーンは、人
物画像、風景画像、逆光画像およびフラッシュ撮影画像
であるものとすることができる。
【0039】
【作用】上記のように構成した請求項1の発明の画像処
理装置においては、入力カラー画像信号が第1色変換手
段によってデバイスに依存しない3変数色信号に変換さ
れ、その3変数色信号が第2色変換手段によって画像記
録信号に変換される。
【0040】そして、第1色変換手段では、パラメータ
決定手段により決定された色変換パラメータによって入
力カラー画像信号が3変数色信号に変換されるが、その
パラメータ決定手段においては、一方では、入力カラー
画像信号中の肌色を、肌色の彩度Cskinと画像形成
装置の赤色の最大彩度Credとの比が、 0.25≦Cskin/Cred≦0.5 となる色範囲内とするように、他方では、画像形成装置
による出力色の明度、彩度および色相の直線性を維持す
るように、第1色変換手段の色変換パラメータを決定す
る。
【0041】すなわち、第1色変換手段では、画像形成
装置の赤色方向の色再現範囲が広く、赤色の最大彩度C
redが高い場合には、それに応じて肌色の彩度Csk
inも高くするように、逆に、画像形成装置の赤色方向
の色再現範囲が狭く、赤色の最大彩度Credが低い場
合には、それに応じて肌色の彩度Cskinも低くする
ように、入力カラー画像信号中の肌色を色変換するとと
もに、画像形成装置による出力色の明度、彩度および色
相の直線性を維持するように、入力カラー画像信号を色
変換する。
【0042】したがって、どのような画像形成装置で画
像を出力する場合でも、高彩度部の潰れなどの画質劣化
を生じることなく、肌色が常に最適な好ましい色に再現
される。
【0043】請求項3または5の発明の画像処理装置に
おいても、同様の作用によって、どのような画像形成装
置で画像を出力する場合でも、高彩度部の潰れなどの画
質劣化を生じることなく、空の青または草の緑が常に最
適な好ましい色に再現される。
【0044】また、請求項7の発明の画像処理装置にお
いては、記憶色の一つであるグレーの彩度および色相
が、CIE・L**H°色空間において、 1≦C*≦8 200≦H°≦300 の色範囲内に設定されることによって、グレー部分がブ
ルー方向に若干鮮やかさを有する好ましい色に再現され
る。
【0045】さらに、請求項10の発明の画像処理装置
においては、入力画像のシーンに応じて明度階調特性お
よび彩度階調特性の直線性が変更されるので、入力画像
のシーンがどのようなシーンであっても、画像全体の明
度階調特性および彩度階調特性が、常に最適な好ましい
特性となるようにすることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
〔カラー画像出力システムとしての一実施形態〕図1
は、この発明の画像処理装置を用いたカラー画像出力シ
ステムの一実施形態を示し、そのカラー画像出力システ
ムは、全体として、画像入力装置100、画像処理装置
200および画像形成装置300によって構成される。
【0047】画像入力装置100は、外部から各種フォ
ーマットのカラー画像を取り込んで、この例では、R
(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の各色
のデータにつき、それぞれ8ビット、256階調の、総
計24ビットのRGBデータからなるカラー画像信号を
出力するものである。
【0048】具体的に、画像入力装置100は、35m
mカラーネガフィルムやポジフィルム、もしくはAPS
フイルムなどに代表される銀塩写真フィルムを、CCD
センサによってRGBデータとして読み取り、またはK
ODAK・PhotoCDフォーマットのCD−ROM
から画像データを読み取ってRGBデータに変換し、ま
たはCanonDCS1cのようなデジタルカメラから
撮影データを取り込んでRGBデータに変換し、または
ユーザが他のコンピュータを用いて編集してMOやZi
pに代表される記録メディアに保存したカラーイメージ
データを、その記録メディアから読み取ってRGBデー
タに変換し、またはネットワーク上に接続された機器か
ら送信されたイメージ情報をRGBデータに変換して、
それぞれ画像処理装置200に転送する機能を有するも
のである。
【0049】画像処理装置200は、全体として、第1
色変換手段210、第2色変換手段220およびパラメ
ータ決定手段230によって構成され、画像入力装置1
00から入力されたRGBデータは、第1色変換手段2
10によって、均等色空間の一つであるCIE・L**
*色空間のデータに変換される。
【0050】第1色変換手段210の色変換特性は、入
力RGBデータと、画像形成装置300から転送されて
示された、画像形成装置300の色再現範囲などの色再
現特性とから、パラメータ決定手段230によって決定
され、その決定された色変換パラメータが、第1色変換
手段210に送られる。
【0051】第1色変換手段210からのL***
ータは、第2色変換手段220によって、画像形成装置
300の色空間の画像記録信号、この例では、Y(イエ
ロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(ブラ
ック)の4色のデータに変換されて、画像形成装置30
0に転送される。そして、画像形成装置300におい
て、そのYMCKデータによって用紙上に画像が形成さ
れる。
【0052】画像入力装置100からの入力色信号は、
最も一般的にはRGBデータで、以下の例でもRGBデ
ータの場合を示すが、YMC色空間やPhotoCDで
用いられるYCC色空間などの他の色空間のデータでも
よい。
【0053】また、第1色変換手段210としては、入
力色信号をL***色空間に変換するものを代表的に
用いることができ、以下の例でもL***色空間に変
換する場合を示すが、デバイスに依存しない色空間であ
れば、XYZ色空間やL***色空間などの他の色空
間に変換するものでもよい。ただし、均等色空間に変換
するものであることが望ましい。
【0054】さらに、画像形成装置300の色空間も、
以下の例ではYMCK色空間の場合を示すが、YMC色
空間やRGB色空間などの他の色空間でもよい。画像形
成装置300で用いられる画像形成媒体も、用紙に限ら
ないが、以下の例では用紙の場合を示す。
【0055】図2は、その画像形成装置300の一例を
示す。この例は、シングルエンジン方式の電子写真方式
のカラープリンタの場合で、画像処理装置200からの
YMCK4色のデータは、それぞれ、スクリーンジェネ
レータ390によって、データ値に応じてパルス幅が変
調された二値信号、すなわちスクリーン信号に変換され
る。
【0056】そのスクリーン信号により、レーザ光スキ
ャナ380のレーザダイオード381が駆動されて、レ
ーザダイオード381から、すなわちレーザ光スキャナ
380から、レーザ光Lが得られ、そのレーザ光Lが感
光体ドラム310上に照射される。
【0057】感光体ドラム310は、静電潜像形成用の
帯電器320により帯電され、レーザ光スキャナ380
からのレーザ光Lが照射されることによって、感光体ド
ラム310上に静電潜像が形成される。
【0058】その静電潜像が形成された感光体ドラム3
10に対して、回転現像器330のKYMC4色の現像
器331,332,333,334が当接することによ
って、感光体ドラム310上に形成された各色の静電潜
像がトナー像に現像される。
【0059】そして、用紙トレイ301上の用紙が、給
紙装置部302により転写ドラム340上に送られ、巻
装されるとともに、転写帯電器341により用紙の背面
からコロナ放電が与えられることによって、感光体ドラ
ム310上の現像されたトナー像が、用紙上に転写され
る。多色カラー画像を得る場合には、用紙が2〜4回繰
り返して感光体ドラム310に当接させられることによ
って、KYMC4色中の複数色の画像が多重転写され
る。
【0060】転写後の用紙は、定着器370に送られ、
トナー像が、加熱溶融されることによって用紙上に定着
される。感光体ドラム310は、トナー像が用紙上に転
写された後、クリーナ350によってクリーニングさ
れ、前露光器360によって再使用の準備がなされる。
【0061】図2の例は、シングルエンジン方式の場合
であるが、画像形成装置300は、タンデムエンジン方
式や、感光体ドラム上にカラー画像を形成して一括転写
するイメージオンイメージ方式など、他の方式の電子写
真方式のプリンタでもよい。
【0062】また、以下に示す実施形態から明らかなよ
うに、この発明は、銀塩写真方式、熱転写方式またはイ
ンクジェット方式など、電子写真方式以外の方式の画像
形成装置に対しても適用することができ、電子写真方式
の画像形成装置に対して適用した場合と同様の結果を得
ることができる。
【0063】〔画像処理装置としての第1の実施形態〕
図3は、図1に示した画像処理装置200の一例を示
す。この例は、第1色変換手段210を、後述する特殊
な3次元補間色変換回路211と色調整回路213によ
って構成し、第2色変換手段220は、後述する公知の
DLUT補間演算回路221と階調補正回路222によ
って構成する場合である。
【0064】また、パラメータ決定手段230は、特徴
色領域抽出手段231、特性記述手段232、出力画像
予測手段233、評価データ設定手段234、明度偏差
算出手段241、彩度偏差算出手段242、色相偏差算
出手段243、明度階調特性算出手段244、彩度階調
特性算出手段245、色相直線性算出手段246、評価
値統合化手段235、パラメータ変更手段236および
シーン判別手段237によって構成する。
【0065】そして、画像入力装置100からの入力R
GBデータが、特徴色領域抽出手段231に供給され
て、特徴色領域抽出手段231において、入力RGBデ
ータから、記憶色領域のデータとして、肌色、空の青お
よび草の緑の領域のデータが抽出され、その抽出された
記憶色領域のRGBデータが、出力画像予測手段233
に送出される。
【0066】出力画像予測手段233では、後述するよ
うに特性記述手段232が画像形成装置300と通信す
ることにより特性記述手段232に書き込まれた、画像
形成装置300の色再現範囲を示すデータから、特徴色
領域抽出手段231からの記憶色領域のRGBデータ
が、3次元補間色変換回路211と色調整回路213か
らなる第1色変換手段210によって色変換された後の
出力色を、L***色情報として予測し、その予測値
としてのL***色情報を、明度偏差算出手段24
1、彩度偏差算出手段242および色相偏差算出手段2
43に転送する。
【0067】明度偏差算出手段241は、その記憶色の
予測値と、あらかじめL***データにより定められ
た設定値との間の明度情報の偏差を求めて、その算出結
果を評価値統合化手段235に転送する。彩度偏差算出
手段242は、記憶色の予測値と設定値との間の彩度情
報の偏差を求めて、その算出結果を評価値統合化手段2
35に転送する。色相偏差算出手段243は、記憶色の
予測値と設定値との間の色相情報の偏差を求めて、その
算出結果を評価値統合化手段235に転送する。
【0068】一方、評価データ設定手段234におい
て、あらかじめ評価データとして、例えばレッド、グリ
ーン、ブルー、イエロー、マゼンタ、シアンおよびグレ
ーのように、入力画像中でユーザに階調特性や高彩度部
の階調の潰れ、および色相の曲りが知覚されやすい色に
ついての階調データが、RGBデータにより設定され、
その設定された色階調データが、出力画像予測手段23
3に送出される。
【0069】出力画像予測手段233では、上記の特性
記述手段232に書き込まれた、画像形成装置300の
色再現範囲を示すデータから、この評価データ設定手段
234からの評価データとしてのRGBデータが、3次
元補間色変換回路211と色調整回路213からなる第
1色変換手段210によって色変換された後の出力色
を、L***色情報として予測し、その予測値として
のL***色情報を、明度階調特性算出手段244、
彩度階調特性算出手段245および色相直線性算出手段
246に転送する。
【0070】一方、画像入力装置100からの入力RG
Bデータが、シーン判別手段237に供給されて、シー
ン判別手段237において、入力RGBデータから、入
力画像のシーンとして、例えば人物画像、風景画像、逆
光画像およびフラッシュ撮影画像の4種が判別され、こ
のシーン判別手段237からのシーン判別信号が、明度
階調特性算出手段244、彩度階調特性算出手段245
および評価値統合化手段235に送出される。
【0071】明度階調特性算出手段244は、そのシー
ン判別手段237からのシーン判別信号から、入力画像
のシーンごとに異なる明度階調特性の目標値を設定し、
出力画像予測手段233からの評価データ予測値の明度
階調特性の、この目標値の明度階調特性に対する一致度
を求めて、その算出結果を評価値統合化手段235に転
送する。
【0072】彩度階調特性算出手段245は、シーン判
別手段237からのシーン判別信号から、入力画像のシ
ーンごとに異なる彩度階調特性の目標値を設定し、出力
画像予測手段233からの評価データ予測値の彩度階調
特性の、この目標値の彩度階調特性に対する一致度を求
めて、その算出結果を評価値統合化手段235に転送す
る。
【0073】色相直線性算出手段246は、出力画像予
測手段233からの評価データ予測値の色相の直線性を
求めて、その算出結果を評価値統合化手段235に転送
する。
【0074】評価値統合化手段235は、明度偏差算出
手段241、彩度偏差算出手段242、色相偏差算出手
段243、明度階調特性算出手段244、彩度階調特性
算出手段245および色相直線性算出手段246から得
られる、それぞれの画質評価値を、シーン判別手段23
7からのシーン判別信号により決定される重み係数を用
いて、重み付けして加算することにより統合化して、画
質の総合評価値を算出し、その算出した総合評価値をパ
ラメータ変更手段236に送出する。
【0075】パラメータ変更手段236は、評価値統合
化手段235からの総合評価値が設定された収束条件を
満たしていない場合には、3次元補間色変換回路211
および色調整回路213のパラメータを変更し、その変
更後のパラメータを出力画像予測手段233に転送し
て、総合評価値が収束条件を満たすまで、出力画像予測
手段233などに対して上記の画質評価処理を繰り返し
行わせ、総合評価値が収束条件を満たした場合には、そ
の時のパラメータを最適パラメータとして、3次元補間
色変換回路211および色調整回路213に転送する。
【0076】最適パラメータが決定された後、画像入力
装置100から第1色変換手段210の3次元補間色変
換回路211に入力RGBデータが供給されて、3次元
補間色変換回路211において、後述するように入力R
GBデータがL***データに変換される。その変換
後のL***データは、色調整回路213によって、
後述するように均等色空間であるL***色空間上で
色調整されて、色調整回路213から、すなわち第1色
変換手段210から、色調整後のL***データが出
力される。
【0077】さらに、その色調整後のL***データ
は、第2色変換手段220の、DLUT(ダイレクトル
ックアップテーブル)と補間演算回路からなる、後述す
るようにそれ自体は公知のDLUT補間演算回路221
において、L***データに対応するYMCKデータ
に変換され、その変換後のYMCKデータが、階調補正
回路222により階調補正されて、階調補間回路222
から、すなわち第2色変換手段220から、画像記録信
号としての階調補正後のYMCKデータが得られる。
【0078】そして、その階調補正後のYMCKデータ
からなる画像記録信号が画像形成装置300に転送され
て、例えば図2において示したように用紙上に画像が形
成される。
【0079】上記のように、最初に、入力RGBデータ
がパラメータ決定手段230の特徴色領域抽出手段23
1およびシーン判別手段237に供給され、その後、最
適パラメータの決定後に、入力RGBデータが第1色変
換手段210の3次元補間色変換回路211に供給され
るために、画像入力装置100においては、例えば、画
像バッファメモリが設けられて、これから入力RGBデ
ータが繰り返し読み出される。あるいはまた、上記の銀
塩写真フィルムを繰り返し読み取るなどによって、入力
RGBデータを繰り返し出力するようにされる。
【0080】DLUT補間演算回路221は、上記のよ
うにDLUTと補間演算回路からなり、第1色変換手段
210からのそれぞれ8ビットのL***データのそ
れぞれ上位4ビットにより、L***データで決まる
点の近傍の格子点のアドレスが生成されて、その近傍格
子点アドレスにより、DLUTから近傍格子点のデータ
が読み出され、その読み出された格子点データが、L*
**データのそれぞれ下位4ビットにより補間演算さ
れて、出力のYMCKデータが得られるものである。
【0081】例えば「ディスプレイアンドイメージン
グ、SCI、Volume2、Number1(199
3)」P17〜25には、近傍8点の格子点を参照して
立方体補間を行う方法、近傍6点の格子点を参照してプ
リズム補間を行う方法、近傍4点の格子点を参照して四
面体補間を行う方法などが示されており、この例でも、
それらの方法、例えばプリズム補間を行う方法を用いる
ことができる。ただし、近傍格子点アドレスは、上位4
ビットに限る必要はない。
【0082】階調補正回路222は、画像形成装置30
0の非線形な階調特性を補正するためのもので、YMC
Kデータのそれぞれにつき8ビットのLUT(ルックア
ップテーブル)によって構成することができる。画像形
成装置300の経時変化を補正するように、階調補正回
路222のLUTの内容を定期的に書き換えるようにし
てもよい。
【0083】なお、この例は、L***データをYM
CKデータに高精度に変換するために、第2色変換手段
220としてDLUT補間演算回路221を用いる場合
であるが、第2色変換手段220として、色変換手段と
して一般に広く用いられるマトリクス型の色変換回路や
ニューラルネットワーク型の色変換回路など、他の色変
換回路を用いても、同様の結果を得ることができる。
【0084】この例の特徴の一つである、第1色変換手
段210の3次元補間色変換回路211による色変換方
法につき、図4および図5を用いて、以下に示す。
【0085】3次元補間色変換回路211による色変換
方法では、図4(A)(B)に示すように、L***
色空間上における画像形成装置300の色再現範囲を、
レッド、グリーン、ブルー、イエロー、マゼンタ、シア
ン、グレーの最大濃度点R,G,B,Y,M,C,S、
および画像形成装置300で用いられる用紙の白色点W
の、総計8点のL***座標を頂点とする12面体で
表現する。
【0086】この12面体を、図4(C)の領域1から
領域6までに示すように、それぞれグレーの最大濃度点
Sと用紙の白色点Wを含む6つの4面体に分割し、入力
RGBデータが、いずれの4面体内のデータであるか
を、図4(A)中に示した不等号式に従って判定する。
例えば、R=100,B=128,G=255の入力R
GBデータは、B≧RかつG≧Bであるので、領域5の
4面体内のデータであると判定される。
【0087】次に、ある4面体内の入力RGBデータ
は、以下に示すような補間演算によって、対応するL*
**データに変換される。
【0088】すなわち、図5(A)に示すように、ある
4面体の頂点(xi,yi,zi),(xj,yj,z
j),(xp,yp,zp),(xq,yq,zq)に
対応するL***データが、それぞれDi,Dj,D
p,Dqとして与えられているとき、その4面体内の点
(x,y,z)に対応する補間値Dは、図5(A)中に
も示すように、 D=DiΦi(x,y,z)+DjΦj(x,y,z) +DpΦp(x,y,z)+DqΦq(x,y,z) …(1) で与えられる。
【0089】ただし、Φi(x,y,z),Φj(x,
y,z),Φp(x,y,z),Φq(x,y,z)
は、それぞれ図5(B)に示す式(2)(3)(4)
(5)で与えられる。
【0090】このように、画像形成装置300の色再現
範囲を12面体で記述し、その12面体を6つの4面体
に分割して、それぞれの4面体の内部で線形補間演算を
行うことによって、入力RGBデータをL***デー
タに変換することができる。
【0091】そして、この方法による色変換方式は、従
来の色変換方式として広く用いられているマトリクス
型、ニューラルネットワーク型またはDLUT型などの
色変換方式と比較すると、以下のような利点がある。
【0092】第1に、画像形成装置300の色再現範囲
を最大限に使用することができ、後述するように、その
内部で明度方向、彩度方向および色相方向の直線性を保
証することが可能になることである。
【0093】第2に、色変換パラメータが12面体の8
つの頂点R,G,B,Y,M,C,S,Wの座標と少な
く、12面体をそれぞれの色相ごとに4面体に分割する
ので、後述するように色相ごとの色調整を容易に行うこ
とができるとともに、後述する最適化を容易に行うこと
ができる。
【0094】さらに第3に、グレー軸を4面体の一辺と
して表現するので、グレー軸の連続性を確保することが
できる。
【0095】また、この方式によれば、従来の4面体補
間方式のDLUT色変換手段のハードウエアを転用する
ことができ、その場合のDLUTにストアするアドレス
値も8つの頂点の座標のみでよいので、非常に低コスト
な実装が可能となる。
【0096】図6は、第1色変換手段210の色調整回
路213の一例を示す。この例においては、上述した3
次元補間色変換回路211からのL***データ中の
**データが、彩度色相変換回路214に供給され
て、次の式(6)(7)、 C* ={(a*2+(b*21/2 …(6) H°=tan-1(b*/a*) …(7) で表される彩度データC*および色相データH°に変換
される。
【0097】3次元補間色変換回路211からのL*
ータは、L*LUT215に入力される。また、彩度色
相変換回路214からの彩度データC*はC*LUT21
6に入力され、色相データH°はH°LUT217に入
力される。
【0098】L*LUT215,C*LUT216および
H°LUT217は、それぞれ1次元のLUTで、L*
LUT215により明度方向の調整が、C*LUT21
6により彩度方向の調整が、H°LUT217により色
相方向の調整が、それぞれなされる。
【0099】図7(A)(B)および(C)は、L*
UT215,C*LUT216およびH°LUT217
の設定例を示し、L*LUT215およびC*LUT21
6においては、入出力データの最小値を0、最大値を2
55に規格化する。この例では、L*LUT215は、
図10(A)に示すように、最も明度の高い点(L*
95)を0、最も明度の低い点(L*=5)を255に
規格化し、C*LUT216は、図10(B)に示すよ
うに、最も彩度の低い点(C*=0)を0、最も彩度の
高い点(C*=128)を255に規格化する。
【0100】C*LUT216およびH°LUT217
により調整された後の彩度データC*および色相データ
H°は、a**変換回路218に入力されて、次の式
(8)(9)、 a*=C*cos(H°) …(8) b*=C*sin(H°) …(9) に従ってa**データに変換され、その変換後のa**
データが、L*LUT215により調整された後のL*
ータとともに、第2色変換手段220のDLUT補間演
算回路221に供給される。
【0101】なお、彩度色相変換回路214およびa*
*変換回路218は、上記のように定義式を演算する
構成とする代わりに、それぞれ2次元LUTによって構
成することもできる。
【0102】上記のようにL***データをL**
°色空間上でLUTにより調整することによって、3次
元補間色変換回路211でL***色空間上に線形に
配置されたデータを、明度、彩度および色相のそれぞれ
につき独立に、任意の特性に調整することが可能とな
る。
【0103】ただし、L***データをL**H°色
空間ではなく、他の色空間に変換して調整するように構
成するなど、他の調整方法によって色調整を行うように
構成してもよい。
【0104】図3のパラメータ決定手段230の特徴色
領域抽出手段231における特徴色領域抽出方法の具体
例を、記憶色の一つである肌色の領域を抽出する場合を
例にとって、図8のフローチャートを用いて示す。
【0105】特徴色領域抽出手段231では、あらかじ
め肌色領域のデータ範囲およびデータ比の範囲を設定し
ておく。この例では、Rデータが100〜240、かつ
Gデータが60〜200、かつBデータが60〜220
の範囲内で、しかも、Rデータを1として、Gデータが
0.7〜0.9、かつBデータが0.75〜0.95の
比の範囲内にあるとき、そのRGBデータは肌色領域の
データとする。
【0106】特徴色領域抽出手段231での特徴色領域
抽出処理ルーチン10では、まず、ステップ11におい
て、入力RGBデータを読み込み、次に、ステップ12
において、100<R<240、かつ60<G<20
0、かつ60<B<220の範囲内にあるRGBデータ
を抽出する。
【0107】次に、ステップ13において、ステップ1
2で抽出したRGBデータのそれぞれの比を算出して、
R:G:B=1:0.7〜0.9:0.75〜0.95
の範囲内にあるRGBデータを肌色領域として抽出す
る。
【0108】次に、ステップ14において、ステップ1
3で抽出したRGBデータのそれぞれにつき、図9
(A)(B)(C)に示すようなヒストグラムを作成
し、次に、ステップ15において、それぞれのヒストグ
ラムの代表値、具体的には、最頻値、中央値または平均
値を、入力画像の肌色を示すRGBデータとして出力す
る。この例は、図9(A)(B)(C)において「19
1」「118」「106」として示すような最頻値を出
力する場合である。
【0109】肌色以外の空の青および草の緑について
も、同様にデータ範囲およびデータ比の範囲を前もって
設定しておくことによって、記憶色領域を抽出すること
ができる。また、このようにデータ比の範囲を設定する
場合には、データ範囲は、RGBデータのすべてにつき
設定しないで、少なくとも一つにつき設定すればよい。
【0110】なお、特徴色領域抽出手段231は、オペ
レータがCRTディスプレイなどのディスプレイ上に表
示された画面を見ながら記憶色領域を抽出するように構
成することもできる。すなわち、例えば、AdobeS
ystems社のPhotoshop3.0Jに搭載さ
れている自動選択ツールと同様の機能を有するアプリケ
ーションによって、オペレータが対話的に記憶色領域を
抽出するようにしてもよい。
【0111】L***色空間上における画像形成装置
300の色再現範囲を図4(A)(B)に示したような
12面体で表現する場合、画像形成装置300と通信す
ることにより特性記述手段232には、その12面体の
8つの頂点R,G,B,Y,M,C,S,WのL**
*座標が書き込まれ、これが画像形成装置300の色再
現範囲を示すデータとして、特性記述手段232から出
力画像予測手段233に取り込まれる。
【0112】なお、画像形成装置300が、電源の投入
時やユーザの操作時などにおいて、図2に示した感光体
ドラム310上や用紙上に基準パッチを出力して、測色
計などによりその基準パッチを測定し、その測定値が目
標値に一致するように画像形成に係る操作量を調整し
て、画質を制御するものである場合には、その調整制御
の都度、その時の画像形成装置300の色再現範囲を示
す上記の8つの頂点R,G,B,Y,M,C,S,Wの
***座標が特性記述手段232に記述されること
が望ましい。
【0113】そして、出力画像予測手段233は、その
特性記述手段232から与えられた、画像形成装置30
0の色再現範囲を示す8つの頂点R,G,B,Y,M,
C,S,WのL***座標に基づいて、3次元補間色
変換回路211および色調整回路213の色変換特性を
シミュレートする。
【0114】この場合、初期値として、3次元補間色変
換回路211の格子点には、画像形成装置300の色再
現範囲を示す8つの頂点R,G,B,Y,M,C,S,
WのL***座標が与えられ、色調整回路213の図
6に示したL*LUT215,C*LUT216およびH
°LUT217には、それぞれ45度の直線、すなわち
入力値と等しい出力値が与えられる。
【0115】そして、出力画像予測手段233は、特徴
色領域抽出手段231で抽出された記憶色領域のRGB
データの、3次元補間色変換回路211と色調整回路2
13の彩度色相変換回路214およびL*LUT21
5,C*LUT216,H°LUT217による色変換
後のL**H°座標を、予測値として求める。
【0116】さらに、明度偏差算出手段241、彩度偏
差算出手段242および色相偏差算出手段243は、次
の式(10)(11)および(12)、 ΔL=|L*−L*o| …(10) ΔC=|C*−C*o| …(11) ΔH=|H°−H°o| …(12) によって、それぞれの記憶色についての、設定値(所望
値)L*o,C*oおよびH°oに対する予測値L*,C*
およびH°の偏差ΔL、ΔCおよびΔHを算出する。
【0117】ここで、ユーザが好ましいと感じる記憶色
の範囲については、過去にいろいろな文献で議論されて
いる。しかし、発明者の検討によると、図2に示した画
像形成装置300のような比較的色再現範囲の広い画像
形成装置で画像を出力する場合に、過去の比較的色再現
範囲の狭い反射型プリント上で実験により求められた記
憶色の好ましく感じる範囲内に記憶色を設定した場合に
は、十分な鮮やかさを得ることができないことが判明し
た。また、反射型プリントよりも色再現範囲の広いCR
Tモニタ上で好ましく感じる記憶色の範囲を求めて、そ
の範囲内にプリント上の記憶色を設定した場合には、高
彩度部に階調の潰れを生じることが分かった。
【0118】図22に、肌色を例にとって、肌色の彩度
を過去の文献に示されている値に調整した場合と、CR
Tモニタ上で好ましく感じるように調整した場合と、実
験により求めた最適値に調整した場合との関係を示す。
入力画像としてCRTモニタ上で肌色の再現が最も良く
なるように調整したものを用い、入力RGBデータ中の
Rデータが0〜255に変化した場合の第1色変換手段
210における入力彩度と出力彩度との関係を示したも
のである。
【0119】図22において、NTSCのRED(=2
55)のCIE・L**H°色空間における彩度をCc
rt−redとし、画像形成装置のREDのベタ部(最
高彩度部)の彩度をCprint−redとし、CRT
上で好ましく感じる彩度をCskin−crtとする。
図22の細実線部54で示すように、Ccrt−red
をCprint−redに一致させるように彩度方向に
線形圧縮して画像を再現することを考えると、線形圧縮
して再現した場合の肌色の彩度はCskin−inで表
される。
【0120】また、例えば「画像解析の基礎と応用(I
V)好ましい色再現について、日本印刷学会誌、第30
巻5号(1993)」P40〜45には、新聞や雑誌な
どに印刷されている肌色につき好ましく感じる範囲が示
されているが、この平均彩度をCskin−print
とし、Cskin−inがCskin−printにな
るように色変換特性を調整すると、図22の一点鎖線部
51で示すように、線形圧縮して再現した場合より彩度
が低下してしまい、鮮やかさが足りないという印象にな
ってしまう。
【0121】また、Cskin−inがCRT上で好ま
しく感じる彩度Cskin−crtになるように色変換
特性を調整すると、図22の破線部52で示すように、
鮮やかすぎると感じるようになり、また彩度階調特性も
より硬調になるため、肌色のハイライト部分の擬似輪郭
や高彩度部の潰れなどを生じて、プリントの印象が悪化
する。
【0122】この画像形成装置で最適な肌色の彩度をC
skin−optとすると、図22の実線部53で示す
ように、この最適な彩度Cskin−optは、線形圧
縮特性よりは彩度を強調するが、彩度階調特性の直線性
をなるべく維持するような値であり、Cskin−pr
intより彩度が高く、かつCskin−crtより彩
度が低い色が、好ましい再現となることが分かる。
【0123】この現象ないし結果は、以下のように考察
することができる。まず、発光体であるCRTの方が、
反射物であるプリントよりも色再現範囲が広い。そのた
め、CRT上で最適な彩度となるように調整されたRG
Bデータを色再現範囲の狭いプリント上で表現するため
には、彩度方向に色を圧縮して再現する必要があり、C
RT上での最適な彩度と同じ彩度を得るように画像を出
力した場合には、彩度階調特性が直線に対して上に凸の
形になってしまうため、上述した理由により全体的な色
再現特性が悪化してしまう。
【0124】また、過去の文献に示されている好ましい
記憶色の範囲は、種々のプリントから判断したものであ
るため、サンプル中に色再現範囲の狭い画像形成装置で
出力されたプリントが含まれており、また、研究された
年代も古いため、現在の最新の画像形成装置より色再現
範囲の狭い画像形成装置で出力されている可能性が高
く、その中央値に設定しても、彩度が足りないと感じて
しまうことになる。また、画像形成装置の色再現範囲
は、画像形成方法により大きく異なっている。そのた
め、過去に発表された文献の記憶色の値を現在の種々の
画像形成装置でのプリントに適用しても、最適な再現と
なる保証はないことになる。
【0125】発明者が種々の画像形成装置を用いて検討
した結果、調整したい記憶色と同じ色相の色についての
画像形成装置の最大彩度と記憶色の彩度との比を、ある
範囲内に設定することによって、好ましく感じる記憶色
の彩度と彩度階調特性の直線性とが両立することが判明
した。
【0126】すなわち、肌色については、肌色の彩度C
skinと画像形成装置の赤色の最大彩度Credとの
比を、ある範囲内に設定し、空の青については、空の青
の彩度Cskyと画像形成装置の青色の最大彩度Cbl
ueとの比を、ある範囲内に設定し、草の緑について
は、草の緑の彩度Cgrassと画像形成装置の緑色の
最大彩度Cgreenとの比を、ある範囲内に設定する
ことによって、最適な色再現が得られることが判明し
た。
【0127】また、例えば「色彩科学ハンドブック、東
京大学出版会」P846〜847にも、好ましく感じる
記憶色の範囲につき示されているが、過去の文献などで
好ましく感じる範囲が議論されている記憶色は、肌色、
空の青および草の緑だけである。しかし、発明者の検討
の結果、記憶色の一つであるグレーについても、ある範
囲内に調整することによって、画質が向上することが判
明した。
【0128】図13および図14に、図2に示した画像
形成装置300を用いて、肌色、空の青および草の緑に
ついては明度、彩度および色相を、グレーについては彩
度および色相を、それぞれL***色空間上で等間隔
に変更した場合の官能スコアに対する、肌色、空の青お
よび草の緑については明度、彩度および色相の、グレー
については彩度および色相の、それぞれ要因効果を示
す。これは、種々の画像を入力して、画像中の記憶色部
分の明度、彩度および色相(グレー部分は彩度および色
相)をそれぞれ変更し、実験計画法に基づく直交実験を
行って、官能評価を行ったものである。
【0129】図13(A)から、肌色については、色相
を一致させることの効果が高いことが分かる。また、色
相の方が彩度より、ずれに対する許容値が小さいことが
分かる。また、この実験により、明度のずれに対する許
容値も小さく、明度の画質に対する効果は、色相よりは
低いが、彩度よりは高いことが分かった。さらに、色相
に関しては、最適値からのずれの方向により許容値が異
なり、イエロー方向へのずれの方がマゼンタ方向へのず
れより、許容値が広いことが分かった。
【0130】図13(B)から、空の青については、彩
度を高くすることの効果が高いことが分かる。また、彩
度に関しては、最適値からのずれの方向により許容値が
異なり、高彩度方向へのずれの方が低彩度方向へのずれ
より、許容値が広いことが分かった。さらに、明度の画
質に対する効果は、彩度よりは低いが、色相と同じくら
い高いことが分かった。
【0131】図14(A)から、草の緑については、色
相を一致させることの効果が高いことが分かる。また、
色相に関しては、最適値からのずれの方向により許容値
が異なり、イエロー方向へのずれの方がシアン方向への
ずれより、許容値が広いことが分かった。さらに、明度
の画質に対する効果は、色相よりは低いが、彩度と同じ
くらい高いことが分かった。
【0132】図14(B)から、グレーについては、色
相をブルー方向に一致させることの効果が高いことが分
かる。また、色相に関しては、最適値からのずれの方向
により許容値が異なり、シアン方向へのずれの方がマゼ
ンタ方向へのずれより、許容値が広いことが分かった。
さらに、彩度に関しては、C*=0の本当のグレーより
も若干鮮やかに設定する方がよいことが分かった。
【0133】図13および図14に示した結果から、記
憶色としての肌色、空の青、草の緑およびグレーを、C
IE・L**H°色空間において、以下の範囲に調整す
ることによって、人間が良好と感じる色再現を得ること
が可能となる。
【0134】 肌色 50≦L*≦60 25≦C*≦35 40≦H°≦60 空の青 45≦L*≦55 30≦C*≦40 240≦H°≦260 草の緑 20≦L*≦30 20≦C*≦30 150≦H°≦170 グレー 1≦C*≦8 200≦H°≦300
【0135】また、図13および図14に示した結果で
は、それぞれ人間が好ましく感じるための、肌色の彩度
Cskinと画像形成装置の赤色の最大彩度Credと
の比Cskin/Cred、空の青の彩度Cskyと画
像形成装置の青色の最大彩度Cblueとの比Csky
/Cblue、および草の緑の彩度Cgrassと画像
形成装置の緑色の最大彩度Cgreenとの比Cgra
ss/Cgreenは、以下の範囲となった。
【0136】 0.3≦Cskin/Cred≦0.43 0.45≦Csky/Cblue≦0.6 0.25≦Cgrass/Cgreen≦0.4
【0137】さらに、図13および図14に示した実験
と同様の実験を、色再現範囲の異なる種々の画像形成装
置を用いて行ったところ、Cskin/Cred、Cs
ky/CblueおよびCgrass/Cgreenを
以下の範囲に設定することによって、好ましく感じる彩
度と彩度階調特性の直線性とが両立した最適な彩度再現
を得ることができた。
【0138】 0.25≦Cskin/Cred≦0.5 …(21) 0.4≦Csky/Cblue≦0.65 …(22) 0.2≦Cgrass/Cgreen≦0.45 …(23)
【0139】また、他の色再現範囲の異なる種々の画像
形成装置においても、肌色、空の青および草の緑の明
度、彩度および色相の最適な範囲と、グレーの彩度およ
び色相の最適な範囲は、図13および図14に示した実
験から得られた結果と同様であった。
【0140】以上の結果から、この例では、それぞれの
記憶色の最適値として、上記の色範囲の中央値である下
記の値を設定する。
【0141】 肌色 L*=55 C*=30 H°=50 空の青 L*=50 C*=35 H°=250 草の緑 L*=25 C*=25 H°=160 グレー C*=5 H°=270
【0142】そして、出力画像予測手段233は、評価
データ設定手段234で設定された色階調データとして
のRGBデータの、3次元補間色変換回路211と色調
整回路213の彩度色相変換回路214およびL*LU
T215,C*LUT216,H°LUT217による
色変換後のL**H°座標を、予測値として求める。
【0143】さらに、明度階調特性算出手段244、彩
度階調特性算出手段245および色相直線性算出手段2
46は、次の式(13)(14)および(15)、 σL={(L*0−L*s0)2+(L*1−L*s1)2+…… ……+(L*n−L*sn)21/2/n …(13) σC={(C*0−C*s0)2+(C*1−C*s1)2+…… ……+(C*n−C*sn)21/2/n …(14) σH={(H°0−H°s0)2+(H°1−H°s1)2+…… ……+(H°n−H°sn)21/2/n …(15) によって、評価データ設定手段234で設定された、そ
れぞれの色の色階調データについての、設定値(理想
値)L*si,C*siおよびH°siに対する予測値L
*i,C*iおよびH°iの分散σL、σCおよびσHを
算出する。ただし、色階調データの階調数をnとすると
き、i=0〜nで、上記の例ではn=255である。
【0144】分散σL、σCおよびσHの算出過程を、
それぞれ図10(A)(B)および(C)に示す。
【0145】ここで、発明者の検討の結果、明度階調特
性の設定値L*siおよび彩度階調特性の設定値C*si
については、単に直線性を有するように線形に設定する
だけでは画質上十分でなく、入力画像のシーンによって
最適な設定値、すなわち最適な明度階調特性および彩度
階調特性が異なることが判明した。
【0146】図15(A)(B)に、人物画像と風景画
像につき、記憶色を上記の最適値に設定した状態で、明
度階調特性および彩度階調特性のパラメータγを変更し
て、実験計画法に基づく直交実験を行った結果の、要因
効果を示す。
【0147】ここで、パラメータγは、図10(A)
(B)のような明度階調特性および彩度階調特性におけ
る入力xと出力yとの関係を、入力の最大値をxma
x、出力の最大値をymaxとしたとき、 y=ymax(x/xmax)γ …(17) とするものである。γの算出については、入出力データ
の最小値を0、最大値を255に規格化する。
【0148】この例では、色調整回路213のL*LU
T215およびC*LUT216につき上述したよう
に、明度階調特性は、最も明度の高い点(L*=95)
を0、最も明度の低い点(L*=5)を255に規格化
し、彩度階調特性は、最も彩度の低い点(C*=0)を
0、最も彩度の高い点(C*=128)を255に規格
化する。
【0149】図15(A)から、人物画像においては、
明度階調特性の方が彩度階調特性より画質に及ぼす影響
が強いとともに、明度階調特性は線形(γ=1)に設定
することが良いことが分かる。彩度階調特性は線形より
彩度をかなり強調した方が良いが、高彩度部に潰れが知
覚されると、画質が低下することが分かった。
【0150】図15(B)から、風景画像においては、
人物画像よりも明るめの明度階調特性にすることによっ
て、画質が向上することが分かる。また、彩度階調特性
の効果が明度階調特性のそれと同じくらいあり、彩度階
調特性については人物画像よりもさらに彩度を強調した
方が、画質が向上することが分かった。
【0151】以上の結果から、明度階調特性および彩度
階調特性は、単に直線性を維持するように設定したので
は十分でなく、入力画像のシーンに応じて最適な特性に
設定することが、人間が好ましく感じる色再現を実現す
るために重要であることが分かる。
【0152】そこで、上述したように、画像入力装置1
00からの入力RGBデータから、シーン判別手段23
7において入力画像のシーンを判別し、そのシーン判別
信号を明度階調特性算出手段244、彩度階調特性算出
手段245および評価値統合化手段235に転送する。
【0153】発明者の検討の結果、入力画像のシーンを
人物画像、風景画像、逆光画像およびフラッシュ撮影画
像の4種に区分して、その4種のシーンに応じて最適な
明度階調特性および彩度階調特性を設定すれば、十分で
あることが判明した。
【0154】そこで、この例では、これら4種のシーン
を判別して、それぞれのシーンに応じて最適な明度階調
特性および彩度階調特性を設定する。これら4種のシー
ンに分類できないシーンについては、標準画像である人
物画像についての設定を用いる。ただし、これら4種以
外のシーンも判別して、最適な明度階調特性および彩度
階調特性を設定するようにしてもよい。
【0155】検討の結果、明度階調特性については、線
形(γ=1)を基準として、入力画像によっては、明る
めの再現にした方が良いものもある一方、暗めに再現し
た方が良いものもあるため、線形から若干上下した方向
が、最も好ましい階調再現が得られる範囲であった。
【0156】彩度階調特性については、高彩度部の潰れ
を感じない程度まで、線形(γ=1)よりも鮮やかに再
現した方が、好ましい色再現になることが分かった。ま
た、画像のシーンに応じて、最適な彩度強調量が異なる
ことが分かった。さらに、最適な彩度階調特性は、画像
形成装置の色再現範囲と密接な関係があり、色再現範囲
が狭い画像形成装置の場合には、最適な彩度強調量は大
きくなることが分かった。
【0157】以上の検討の結果、種々の入力画像に対し
て、好ましい色再現となる明度階調特性および彩度階調
特性の範囲は、 明度階調特性 0.7≦γ≦1.3 …(28) 彩度階調特性 0.3≦γ≦1.0 …(29) であることが判明した。入力画像のシーンや画像形成装
置の色再現範囲に応じて最適な明度階調特性および彩度
階調特性は異なるが、上記の範囲内に設定することによ
って、種々の入力画像につき、ほぼ満足な結果が得られ
る。
【0158】この例では、図15の結果から、人物画像
および風景画像に対する明度階調特性および彩度階調特
性を、以下のように設定する。
【0159】 人物画像 明度階調特性γ=1.0 彩度階調特性γ=0.5 風景画像 明度階調特性γ=1.25 彩度階調特性γ=0.35
【0160】ただし、このように明度階調特性および彩
度階調特性をγで示される関数で設定する代わりに、式
(28)(29)のγの設定範囲内で示される閉領域内
を通る任意の関数で設定してもよい。
【0161】逆光画像については、人物画像よりも若干
暗めの明度階調特性に設定することによって、最適な色
再現が得られた。また、フラッシュ撮影画像について
は、逆に人物画像よりも若干明るめの明度階調特性に設
定することによって、最適な色再現が得られた。したが
って、逆光画像およびフラッシュ撮影画像については、
それぞれの明度階調特性を、そのように設定することが
望ましい。
【0162】ただし、このように入力画像のシーンごと
に明度階調特性および彩度階調特性を変更しないで、明
度階調特性および彩度階調特性につき、それぞれ式(2
8)(29)の範囲内で最適な設定値を一つ選択し、そ
の選択した設定値を入力画像のすべてのシーンにつき共
通の明度階調特性および彩度階調特性としてもよい。
【0163】なお、最適な明度階調特性および彩度階調
特性は画像形成装置の色再現範囲によって異なるため、
画像形成装置の色再現範囲に応じて最適な設定値を変更
することが望ましい。また、画像形成装置の色再現範囲
が用紙の種類や装置の使用環境によって大きく変化する
場合にも、その色再現範囲の変化に応じて明度階調特性
および彩度階調特性の設定値を変更することが望まし
い。
【0164】上記のように入力画像のシーンに応じて明
度階調特性および彩度階調特性を変更する場合の、シー
ン判別手段237におけるシーン判別方法としては、特
開平8−62741号などで開示されているような公知
の方法を用いることができる。
【0165】また、このように画像処理装置200内の
シーン判別手段237で入力RGBデータから入力画像
のシーンを判別する代わりに、画像入力装置100にお
いてユーザが入力画像ごとにシーンを設定することによ
って、画像入力装置100から画像処理装置200にシ
ーン判別信号が供給され、そのシーン判別信号が明度階
調特性算出手段244、彩度階調特性算出手段245お
よび評価値統合化手段235に供給されるようにしても
よい。
【0166】評価値統合化手段235は、j=1〜mの
それぞれの記憶色についての偏差ΔLj,ΔCjおよび
ΔHjと、q=1〜kのそれぞれの色の色階調データに
ついての分散σLq,σCqおよびσHqとを、次の式
(16)、 Ω=(j=1〜m)Σ(w1j・ΔLj+w2j・ΔCj+w3j・ΔHj) +(q=1〜k)Σ(w4q・σLq+w5q・σCq+w6q・σHq) …(16) に示すように、重み付けして加算することにより総合化
して、画質の総合評価値Ωを算出する。
【0167】ただし、「(j=1〜m)Σ」は、j=1
からj=mまでの総和を示し、「(q=1〜k)Σ」
は、q=1からq=kまでの総和を示し、w1j,w2
j,w3j,w4q,w5qおよびw6qは、重み係数
である。また、上記のようにレッド、グリーン、ブル
ー、イエロー、マゼンタ、シアンおよびグレーの色階調
データが設定される場合には、k=7である。
【0168】図15、図13および図14に示したよう
に、入力画像のシーンや記憶色の色によって効果の大き
い要因が異なるため、この例では、重み係数w1j〜w
3jおよびw4q〜w6qは、入力画像のシーンや記憶
色の色に応じて変化させる。
【0169】例えば、人物画像においては、明度階調特
性と肌色の色相および明度に関する一致度が他の要因よ
り効果が高いので、明度階調特性に関する重み係数w4
qと肌色の場合の色相に関する重み係数w3jおよび明
度に関する重み係数w1jを他の係数より大きく設定す
ることによって、それら効果の高い要因の一致度を向上
させる。
【0170】また、風景画像においては、明度階調特性
および彩度階調特性と空の青の彩度に関する一致度が他
の要因より効果が高いので、明度階調特性に関する重み
係数w4qおよび彩度階調特性に関する重み係数w5q
と空の青の場合の彩度に関する重み係数w2jを他の係
数より大きく設定することによって、それら効果の高い
要因の一致度を向上させる。
【0171】パラメータ変更手段236は、評価値統合
化手段235から式(16)で表される総合評価値Ωを
受け取って、上述したように、その総合評価値Ωが設定
された収束条件を満たすまで、3次元補間色変換回路2
11および色調整回路213のパラメータを変更して、
出力画像予測手段233などに対して上記の画質評価処
理を行わせる。
【0172】ここで、最適な色変換パラメータは、総合
評価値Ωを最小にしたときに得られるので、パラメータ
変更手段236による色変換パラメータの変更は、総合
評価値Ωを目的関数として、これを最小化する非線形最
適化の問題として捉えることができる。
【0173】非線形最適化の手法には、最小二乗法や直
接探索法などの種々の手法があるが、この例では、直接
探索法の一種であるシンプレックス法を用いる。シンプ
レックス法については、例えば「非線形最適化法、倍風
館、J.Kowalik他著、山本他訳」に示されてい
る。ただし、非線形最適化の手法として、シンプレック
ス法以外の手法を用いても、同様の結果を得ることがで
きる。
【0174】この例では、色変換パラメータは、3次元
補間色変換回路211の上記の8つの格子点R,G,
B,Y,M,C,S,WのL***座標と、色調整回
路213のL*LUT215,C*LUT216およびH
°LUT217の値である。しかし、これらすべてを最
適化する場合には、パラメータの数が多くなって、最適
化に時間がかかる。
【0175】そこで、この例では、以下に示すように、
3次元補間色変換回路211と色調整回路213のパラ
メータを互いに独立に最適化するようにし、3次元補間
色変換回路211の調整によって、グレー以外の記憶色
の色相の調整とグレーの彩度および色相の調整を行うと
ともに、色調整回路213のL*LUT215およびC*
LUT216の調整によって、グレー以外の記憶色の明
度および彩度の調整と画像全体の明度階調特性および彩
度階調特性の調整を行うようにする。
【0176】すなわち、図11に示すように、パラメー
タ変更手段236でのパラメータ変更処理ルーチン20
では、まず、ステップ21において、上述したように、
初期値として、3次元補間色変換回路211の格子点
に、画像形成装置300の色再現範囲を示す8つの頂点
R,G,B,Y,M,C,S,WのL***座標を与
え、色調整回路213のL*LUT215,C*LUT2
16およびH°LUT217に、それぞれ45度の直線
を与える。
【0177】次に、ステップ22において、3次元補間
色変換回路211の格子点S,Wの彩度および色相をグ
レーの設定値に設定する。
【0178】次に、ステップ23において、3次元補間
色変換回路211のレッド、グリーン、ブルー、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの格子点R,G,B,Y,M,C
の色相をパラメータとして、第1の最適化を実施する。
【0179】すなわち、このとき、3次元補間色変換回
路211の格子点R,G,B,Y,M,Cの色相を変化
させることによって、グレー以外の記憶色に対する色相
方向の調整を行う。この場合のパラメータ数は、6個と
なる。
【0180】次に、ステップ24において、色調整回路
213のL*LUT215の2点の設定点P1,P2と
*LUT216の2点の設定点P3,P4の座標値を
パラメータとして、第2の最適化を実施する。
【0181】すなわち、このとき、L*LUT215の
設定点P1,P2を調整することによって、グレー以外
の記憶色の明度および画像全体の明度階調特性を調整す
るとともに、C*LUT216の設定点P3,P4を調
整することによって、グレー以外の記憶色の彩度および
画像全体の彩度階調特性を調整する。この場合のパラメ
ータ数は、8個である。
【0182】図12(A)に、L*LUT215の2点
の設定点P1,P2を、図12(B)に、C*LUT2
16の2点の設定点P3,P4を、それぞれ示す。L*
LUT215は、2点の設定点P1,P2を通る折れ線
で記述するものであり、C*LUT216は、2点の設
定点P3,P4を通る折れ線で記述するものである。
【0183】そして、最適化終了後、ステップ25にお
いて、最適化終了後のパラメータを3次元補間色変換回
路211および色調整回路213に転送して、パラメー
タ変更処理を終了する。
【0184】L*LUT215およびC*LUT216
は、それぞれ設定点を通る折れ線で記述する代わりに、
設定点を多項式やスプライン関数で補間するように記述
してもよい。また、設定点の数は2点に限る必要はな
い。
【0185】この例のように色変換パラメータを最適化
することによって、少ないパラメータで高速に最適な色
変換パラメータを決定することができる。
【0186】上述した例によれば、画像形成装置300
の色再現範囲および入力画像のシーンを考慮して、記憶
色である肌色、空の青および草の緑が、それぞれ画像形
成装置300の色再現範囲に応じた最も良好な再現とな
る色範囲内に再現されるように、かつ画像全体の明度階
調特性および彩度階調特性が、入力画像のシーンに応じ
た最も良好となる特性範囲内となるように、第1色変換
手段210の色変換パラメータを最適化するので、画像
形成装置300としてどのような装置を用いても、肌
色、空の青および草の緑が、常に最適な好ましい色、特
に十分な鮮やかさを有する色に再現されるとともに、入
力画像のシーンがどのようなシーンであっても、画像全
体の明度階調特性および彩度階調特性が、常に最適な好
ましい特性となる。
【0187】また、上述した例によれば、3次元補間色
変換回路211によってRGBデータをL***色空
間に線形にマッピングした状態を初期値として最適化を
行うので、評価関数に対して与える記憶色が少なくても
確実に最適化を行うことができるとともに、得られる色
変換特性の明度階調特性および彩度階調特性の直線性を
保証することができる。
【0188】また、3次元補間色変換回路211によっ
てRGBデータをL***色空間に変換することによ
り、記憶色の色相を記憶色ごとに独立に調整することが
できるとともに、グレーの彩度および色相を任意の値に
設定することができるので、他の色に影響を及ぼすこと
なく、より確実に最適な記憶色が再現されるように色変
換特性を設定することができる。
【0189】また、3次元補間色変換回路211におい
て画像形成装置300の色再現範囲をモデル化する色変
換方法をとるので、常に画像形成装置300の色再現特
性を最大限に活用した鮮やかな色再現が可能となる。
【0190】さらに、特徴色領域抽出手段231によっ
て記憶色領域を自動的に抽出するので、入力機器の違い
や入力画像である写真フィルムの経年変化などによって
カラーバランスが崩れた画像についても、常に記憶色の
一致した好ましい色を出力することができる。
【0191】〔画像処理装置としての第2の実施形態〕
図16は、図1に示した画像処理装置200の他の例を
示す。この例は、第1色変換手段210の、入力RGB
データをL***データに変換する部分として、図3
および図6に示して上述した特殊な3次元補間色変換回
路211を用いる代わりに、一般的な色変換回路212
を用いる場合である。
【0192】色変換回路212は、RGBデータをL*
**データに変換するものであれば、公知のどのよう
な色変換回路でもよく、マトリクス型の色変換回路、ニ
ューラルネットワーク型の色変換回路、DLUT型の色
変換回路、または定義式に基づく変換回路などを用いる
ことができる。
【0193】この例は、色変換回路212として、ニュ
ーラルネットワーク型の色変換回路を用いる場合であ
る。ニューラルネットワーク型の色変換回路について
は、例えば特公平6−95723号や特開平7−873
47号に示されている。
【0194】そして、この例では、パラメータ決定手段
230のパラメータ変更手段236によって、色調整回
路213のパラメータのみを変更する。色調整回路21
3は、図17に示すように、図6に示したものと同様に
構成することができる。
【0195】なお、図1において上述したように、入力
色信号は、RGBデータに限らず、任意の色空間のデー
タでよい。例えば、印刷での標準の色空間であるCMY
K色空間のデータが入力されて、色変換回路212にお
いてL***データに変換され、またはPhotoC
Dで用いられるYCC色空間のデータが入力されて、色
変換回路212においてL***データに変換されて
もよい。
【0196】出力画像予測手段233には、特性記述手
段232からこれに記述された、画像形成装置300の
色再現範囲を示す上述した8つの点R,G,B,Y,
M,C,S,WのL***座標が入力され、出力画像
予測手段233は、そのL***座標に基づいて、色
変換回路212および色調整回路213の色変換特性を
シミュレートする。
【0197】具体的には、画像形成装置300の色再現
範囲が8つの点R,G,B,Y,M,C,S,Wを結ん
だ12面体で表現されるものとして、色変換回路212
および色調整回路213により変換された値が12面体
の外部の点となるときには、その点とL***座標の
原点とを結んだ直線と、12面体の表面との交点を、色
変換後の値とする。
【0198】色調整回路213の図17に示したL*
UT215,C*LUT216およびH°LUT217
には、初期値として、それぞれ45度の直線、すなわち
入力値と等しい出力値が与えられる。
【0199】パラメータ変更手段236は、評価値統合
化手段235から上記の式(16)で表される総合評価
値Ωを受け取って、その総合評価値Ωが設定された収束
条件を満たすまで、色調整回路213のパラメータを変
更して、出力画像予測手段233などに対して画質評価
処理を行わせる。
【0200】この例では、色変換パラメータは、色調整
回路213のL*LUT215,CLUT216およ
びH°LUT217の値である。しかし、これらすべて
を最適化する場合には、パラメータの数が多くなって、
最適化に時間がかかる。
【0201】そこで、この例では、以下に示すように、
色調整回路213のパラメータを、色相方向と明度およ
び彩度の方向につき、それぞれ独立に最適化するように
し、色調整回路213のH°LUT217の調整によっ
て、記憶色の色相の調整を行うとともに、LLUT2
15およびC*LUT216の調整によって、画像全体
の明度階調特性および彩度階調特性の調整を行うように
する。
【0202】すなわち、図18に示すように、パラメー
タ変更手段236でのパラメータ変更処理ルーチン30
では、まず、ステップ31において、上述したように、
初期値として、色調整回路213のL*LUT215,
*LUT216およびH°LUT217に、それぞれ
45度の直線を与える。
【0203】次に、ステップ32において、色調整回路
213のH°LUT217のレッド、グリーン、ブル
ー、イエロー、マゼンタ、シアンの6点の色相に相当す
る設定点P1〜P6の座標値をパラメータとして、第1
の最適化を実施する。
【0204】すなわち、このとき、H°LUT217の
設定点P1〜P6を調整することによって、記憶色に対
する色相方向の調整を行う。この場合のパラメータ数
は、12個である。図19に、H°LUT217の6点
の設定点P1〜P6を示す。
【0205】次に、ステップ33において、図3の例の
場合の図11に示したパラメータ変更処理ルーチン20
におけるステップ24と同様に、色調整回路213のL
*LUT215の2点の設定点P1,P2とC*LUT2
16の2点の設定点P3,P4の座標値をパラメータと
して、第2の最適化を実施する。
【0206】すなわち、このとき、L*LUT215の
設定点P1,P2を調整することによって、画像全体の
明度階調特性を調整するとともに、C*LUT216の
設定点P3,P4を調整することによって、画像全体の
彩度階調特性を調整する。この場合のパラメータ数は、
8個である。
【0207】そして、最適化終了後、ステップ34にお
いて、最適化終了後のパラメータを色調整回路213に
転送して、パラメータ変更処理を終了する。
【0208】H°LUT217は、設定点P1〜P6を
通る折れ線で記述する代わりに、設定点P1〜P6を多
項式やスプライン関数で補間するように記述してもよ
い。
【0209】この例のように色変換パラメータを最適化
することによって、少ないパラメータで高速に最適な色
変換パラメータを決定することができる。
【0210】また、この例によれば、一般的な色変換回
路212により変換されたL***データを、画質評
価値に従って色調整回路213により色調整することに
よって、最適な好ましい色再現が得られるので、多様な
入力色空間に対して好ましい色再現を得ることが可能と
なる。
【0211】さらに、この例によれば、色変換回路21
2を、従来から考えられているGamut圧縮技術によ
って、L***データによる印刷色をRGBデータに
よるディスプレイ上の表示色に一致させるように設定し
た上で、色調整回路213により望ましい色調整を行う
ことによって、ディスプレイ上の色に対してかなり近い
色が得られる状態で、視覚的により望ましい色再現を得
ることができる。
【0212】
【発明の効果】上述したように、請求項1,3または5
の発明によれば、画像形成装置の色再現範囲を考慮し
て、記憶色である肌色、空の青または草の緑が、画像形
成装置の色再現範囲に応じた最も良好な再現となる色範
囲内に再現されるように、色変換パラメータを最適化す
るので、どのような画像形成装置を用いても、肌色、空
の青または草の緑が、常に最適な好ましい色、特に十分
な鮮やかさを有する色に再現されるようになる。
【0213】しかも、相反する要求となる場合が多い、
記憶色の所定色に対する一致と、階調特性や高彩度部の
潰れとを、同時に評価するので、従来のように記憶色を
所定色に一致させるために高彩度部が潰れ、または高彩
度部を潰さないようにするために記憶色の彩度を低下さ
せなければならない、というようなことがなく、相反す
る要求を共に満たすような画像処理を実現することがで
きる。
【0214】また、連続的な変換特性を有する色変換手
段のパラメータを最適化するとともに、階調特性や高彩
度部の潰れを評価してパラメータを決定するので、従来
のように記憶色領域と他の領域との間に不連続を生じ、
または階調の擬似輪郭が発生するようなことがない。
【0215】さらに、記憶色の領域を自動的に抽出する
ので、入力機器の違いや入力画像である写真フィルムの
経年変化などによってカラーバランスが崩れた画像につ
いても、常に記憶色の一致した好ましい色を出力するこ
とができる。
【0216】また、少ないパラメータで色変換処理を記
述することが可能になるため、好ましい色再現を得るた
めの色変換パラメータの最適化を高速に、かつ確実に行
うことが可能となる。
【0217】さらに、特殊な3次元補間色変換回路によ
って画像形成装置の色再現範囲をモデル化する色変換方
法をとることができるので、常に画像形成装置の色再現
特性を最大限に活用した色再現が可能となり、また画像
形成装置の色再現範囲内において四面体補間により線形
補間を行うことによって、明度階調特性および彩度階調
特性の線形性と色相の直線性を保証することができ、さ
らに記憶色の色相を記憶色ごとに独立に調整することが
できるとともに、グレーの彩度および色相を任意の値に
設定することができる。
【0218】また、特殊な3次元補間色変換回路によっ
てRGBデータをL***色空間に線形にマッピング
した状態を初期値として最適化を行うことができるの
で、評価関数に対して与える記憶色が少なくても確実に
最適化を行うことができるとともに、最適化後の色変換
特性に破綻を生じない。
【0219】請求項7の発明によれば、記憶色の一つで
あるグレーの彩度および色相を所定の色範囲内に設定す
ることによって、グレー部分をブルー方向に若干鮮やか
さを有する好ましい色に再現することができる。
【0220】請求項8または9の発明によれば、請求項
1,3または5の発明のように、どのような画像形成装
置を用いても、記憶色が常に最適な好ましい色に再現さ
れる場合において、または請求項7の発明のように、グ
レー部分が好ましい色に再現される場合において、さら
に、画像全体の明度階調特性または彩度階調特性を、よ
り最適な好ましいものとすることができる。
【0221】請求項10の発明によれば、請求項1,3
または5の発明のように、どのような画像形成装置を用
いても、記憶色が常に最適な好ましい色に再現される場
合において、または請求項7の発明のように、グレー部
分が好ましい色に再現される場合において、さらに、入
力画像のシーンがどのようなシーンであっても、常に最
適な好ましい色再現を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の画像処理装置を備えるカラー画像出
力システムの一例を示す図である。
【図2】図1のシステムの画像形成装置の一例を示す図
である。
【図3】この発明の画像処理装置の第1の実施形態を示
す図である。
【図4】図3の画像処理装置の3次元補間色変換回路で
の補間領域を示す図である。
【図5】図3の画像処理装置の3次元補間色変換回路で
の4面体補間を示す図である。
【図6】図3の画像処理装置の色調整回路の具体例を示
す図である。
【図7】図6の色調整回路を構成する各LUTの設定例
を示す図である。
【図8】図3の画像処理装置の特徴色領域抽出手段が行
う特徴色領域抽出処理ルーチンを示す図である。
【図9】特徴色領域抽出時に形成されるヒストグラムの
例を示す図である。
【図10】図3の画像処理装置の明度階調特性算出手
段、彩度階調特性算出手段および色相直線性算出手段で
の分散の算出過程を示す図である。
【図11】図3の画像処理装置のパラメータ変更手段が
行うパラメータ変更処理ルーチンを示す図である。
【図12】図6の色調整回路を構成するLUTの最適化
パラメータの例を示す図である。
【図13】肌色と空の青についての明度、彩度および色
相の要因効果を示す図である。
【図14】草の緑とグレーについての明度、彩度および
色相の要因効果を示す図である。
【図15】人物画像と風景画像についての明度階調特性
および彩度階調特性の要因効果を示す図である。
【図16】この発明の画像処理装置の第2の実施形態を
示す図である。
【図17】図16の画像処理装置の色調整回路の具体例
を示す図である。
【図18】図16の画像処理装置のパラメータ変更手段
が行うパラメータ変更処理ルーチンを示す図である。
【図19】図17の色調整回路を構成するLUTの最適
化パラメータの例を示す図である。
【図20】デバイスによる色再現領域の違いを示す図で
ある。
【図21】従来の画像処理方法の説明に供する図であ
る。
【図22】肌色の再現についての第1色変換手段の入力
彩度に対する出力彩度の変換特性を示す図である。
【符号の説明】
200 画像処理装置 210 第1色変換手段 211 3次元補間色変換回路(色変換部) 212 色変換回路(色変換部) 213 色調整回路(色調整手段) 214 彩度色相変換回路 215 L*LUT 216 C*LUT 217 H°LUT 218 a**変換回路 220 第2色変換手段 221 DLUT補間演算回路 222 階調補正回路 230 パラメータ決定手段 231 特徴色領域抽出手段 232 特性記述手段 233 出力画像予測手段 234 評価データ設定手段 235 評価値統合化手段 236 パラメータ変更手段 237 シーン判別手段 241 明度偏差算出手段 242 彩度偏差算出手段 243 色相偏差算出手段 244 明度階調特性算出手段 245 彩度階調特性算出手段 246 色相直線性算出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 雅広 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなか い 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 岩岡 一浩 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなか い 富士ゼロックス株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力カラー画像信号をデバイスに依存しな
    い3変数色信号に変換する第1色変換手段と、その3変
    数色信号を画像形成装置に送出する画像記録信号に変換
    する第2色変換手段と、前記第1色変換手段の色変換パ
    ラメータを決定するパラメータ決定手段とを備え、その
    パラメータ決定手段が、前記入力カラー画像信号中の特
    徴色を所定の色に一致させるとともに、前記画像形成装
    置による出力色の明度、彩度および色相の直線性を維持
    するように、前記第1色変換手段の色変換パラメータを
    決定する画像処理装置であって、 前記パラメータ決定手段は、前記入力カラー画像信号中
    の特徴色としての、人間の記憶色の一つである肌色を、
    肌色の彩度Cskinと前記画像形成装置の赤色の最大
    彩度Credとの比が、 0.25≦Cskin/Cred≦0.5 となる色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の画像処理装置において、 前記パラメータ決定手段は、前記肌色の明度、彩度およ
    び色相を、CIE・L**H°色空間において、 50≦L*≦60 25≦C*≦35 40≦H°≦60 の色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】入力カラー画像信号をデバイスに依存しな
    い3変数色信号に変換する第1色変換手段と、その3変
    数色信号を画像形成装置に送出する画像記録信号に変換
    する第2色変換手段と、前記第1色変換手段の色変換パ
    ラメータを決定するパラメータ決定手段とを備え、その
    パラメータ決定手段が、前記入力カラー画像信号中の特
    徴色を所定の色に一致させるとともに、前記画像形成装
    置による出力色の明度、彩度および色相の直線性を維持
    するように、前記第1色変換手段の色変換パラメータを
    決定する画像処理装置であって、 前記パラメータ決定手段は、前記入力カラー画像信号中
    の特徴色としての、人間の記憶色の一つである空の青
    を、空の青の彩度Cskyと前記画像形成装置の青色の
    最大彩度Cblueとの比が、 0.4≦Csky/Cblue≦0.65 となる色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の画像処理装置において、 前記パラメータ決定手段は、前記空の青の明度、彩度お
    よび色相を、CIE・L**H°色空間において、 45≦L*≦55 30≦C*≦40 240≦H°≦2
    60 の色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】入力カラー画像信号をデバイスに依存しな
    い3変数色信号に変換する第1色変換手段と、その3変
    数色信号を画像形成装置に送出する画像記録信号に変換
    する第2色変換手段と、前記第1色変換手段の色変換パ
    ラメータを決定するパラメータ決定手段とを備え、その
    パラメータ決定手段が、前記入力カラー画像信号中の特
    徴色を所定の色に一致させるとともに、前記画像形成装
    置による出力色の明度、彩度および色相の直線性を維持
    するように、前記第1色変換手段の色変換パラメータを
    決定する画像処理装置であって、 前記パラメータ決定手段は、前記入力カラー画像信号中
    の特徴色としての、人間の記憶色の一つである草の緑
    を、草の緑の彩度Cgrassと前記画像形成装置の緑
    色の最大彩度Cgreenとの比が、 0.2≦Cgrass/Cgreen≦0.45 となる色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の画像処理装置において、 前記パラメータ決定手段は、前記草の緑の明度、彩度お
    よび色相を、CIE・L**H°色空間において、 20≦L*≦30 20≦C*≦30 150≦H°≦1
    70 の色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】入力カラー画像信号をデバイスに依存しな
    い3変数色信号に変換する第1色変換手段と、その3変
    数色信号を画像形成装置に送出する画像記録信号に変換
    する第2色変換手段と、前記第1色変換手段の色変換パ
    ラメータを決定するパラメータ決定手段とを備え、その
    パラメータ決定手段が、前記入力カラー画像信号中の特
    徴色を所定の色に一致させるとともに、前記画像形成装
    置による出力色の明度、彩度および色相の直線性を維持
    するように、前記第1色変換手段の色変換パラメータを
    決定する画像処理装置であって、 前記パラメータ決定手段は、前記入力カラー画像信号中
    の特徴色としての、人間の記憶色の一つであるグレーの
    彩度および色相を、CIE・L**H°色空間におい
    て、 1≦C*≦8 200≦H°≦300 の色範囲内に設定することを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理
    装置において、 前記パラメータ決定手段は、明度階調特性の直線性をγ
    で表したとき、 0.7≦γ≦1.3 の範囲内に明度階調特性を設定することを特徴とする画
    像処理装置。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の画像処理
    装置において、 前記パラメータ決定手段は、彩度階調特性の直線性をγ
    で表したとき、 0.3≦γ≦1.0 の範囲内に彩度階調特性を設定することを特徴とする画
    像処理装置。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の画像処
    理装置において、 前記パラメータ決定手段は、当該パラメータ決定手段が
    有するシーン判別手段が前記入力カラー画像信号から判
    別した、または当該画像処理装置に入力されるシーン判
    別信号により示される、前記入力カラー画像信号のシー
    ンに応じて、明度階調特性および彩度階調特性の直線性
    を変更することを特徴とする画像処理装置。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の画像処理装置におい
    て、 前記シーン判別手段により判別される、または前記シー
    ン判別信号により示されるシーンは、人物画像、風景画
    像、逆光画像およびフラッシュ撮影画像であることを特
    徴とする画像処理装置。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれかに記載の画像
    処理装置において、 前記パラメータ決定手段は、 前記画像形成装置の色再現特性を記述する特性記述手段
    と、 前記入力カラー画像信号中の特徴色領域を抽出する特徴
    色領域抽出手段と、 出力画像の色再現特性の直線性を評価するための評価デ
    ータを設定する評価データ設定手段と、 前記特性記述手段に記述された情報を用いて、前記特徴
    色領域抽出手段により抽出された領域について前記画像
    形成装置による出力色を予測し、評価する特徴色予測評
    価手段と、 前記特性記述手段に記述された情報を用いて、前記評価
    データ設定手段により設定された評価データについて前
    記画像形成装置による出力色を予測し、評価する直線性
    予測評価手段と、 前記特徴色予測評価手段による評価値と前記直線性予測
    評価手段による評価値とを統合化する評価値統合化手段
    と、 この評価値統合化手段からの総合評価値に基づいて前記
    第1色変換手段の色変換パラメータを変更するパラメー
    タ変更手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の画像処理装置におい
    て、 前記特徴色領域抽出手段は、前記入力カラー画像信号中
    の少なくとも一つの色信号のデータ値の範囲と、それぞ
    れの色信号のデータ値の比の範囲とが指定されることに
    よって、その指定された範囲内のカラー画像信号を抽出
    して、その抽出したカラー画像信号について、それぞれ
    の色信号ごとにヒストグラムを作成し、それぞれのヒス
    トグラムの代表値として、ヒストグラムの最頻値、中央
    値または平均値を、前記特徴色領域の信号として出力す
    ることを特徴とする画像処理装置。
  14. 【請求項14】請求項12に記載の画像処理装置におい
    て、 前記特徴色予測評価手段は、前記特徴色領域抽出手段に
    より抽出された領域についての前記画像形成装置による
    出力色の予測値と、あらかじめ設定された特徴色値との
    偏差を、前記評価値として出力することを特徴とする画
    像処理装置。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれかに記載の画像
    処理装置において、 前記第1色変換手段は、前記画像形成装置の色再現範囲
    を、均等色空間上において、レッド、グリーン、ブル
    ー、イエロー、マゼンタ、シアンおよびグレーの最大濃
    度点と前記画像形成装置で用いられる画像形成媒体の白
    色点とを頂点とする12面体で表現して、その12面体
    を、それぞれ前記グレーの最大濃度点と前記画像形成媒
    体の白色点を含む6つの4面体に分割し、それぞれの4
    面体の内部で補間演算を行うことによって、前記入力カ
    ラー画像信号をデバイスに依存しない3変数色空間に変
    換する色変換部と、 その3変数色空間上において、明度、彩度および色相の
    それぞれにつきルックアップテーブルによって色調整を
    行う色調整手段とによって構成されることを特徴とする
    画像処理装置。
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