JP4573022B2 - 液体噴射ヘッドユニット - Google Patents

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Description

本発明は、被噴射液を吐出する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置に関し、特にインク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット及びその製造方法並びにインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留部に貯留されたインクを、インク滴として吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニットと言う)を有する。
ヘッドユニットは、並設されたノズル開口からなるノズル列を有するインクジェット式記録ヘッドと、インクジェット式記録ヘッドのインク供給口側に固定されるヘッドケースと、インクジェット式記録ヘッドのインク滴吐出面側を保護するカバーヘッドとを具備する。カバーヘッドは、インクジェット式記録ヘッドのインク滴吐出面側に設けられてノズル開口を露出する開口窓部を有する窓枠部と、窓枠部からインクジェット式記録ヘッドの側面側に折り曲げ成形された側壁部とを有し、側壁部をインクジェット式記録ヘッドの側面に接合することで固定されている(例えば、特許文献1参照)。
また、カバーヘッドをインクジェット式記録ヘッドのノズルとは異なる部材の一面に固定することにより、カバーヘッドによってインクジェット式記録ヘッドを固定したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、ノズル開口の並設されたノズル列を多列化したインクジェット式記録ヘッドは、1つのインクジェット式記録ヘッドに多列化したノズル開口を設けると、歩留まりが低下してしまうという問題がある。
また、インク滴吐出面とカバーヘッドとの間に隙間があると、インク滴吐出面とカバーヘッドとの段差が大きくなってしまうため、インク滴吐出面をワイピングしても、この段差によってインク滴吐出面にインクが残留してしまうと共に、隙間にインクが入り込んでしまうという問題がある。さらに、インク滴吐出面とカバーヘッドとの間に隙間があると、隙間に紙などの被記録媒体が入り込み、紙ジャムの発生やカバーヘッドが変形してしまうという問題がある。
また、ヘッドユニットに複数のインクジェット式記録ヘッドを用いることでノズル列を多列化した場合、複数のインクジェット式記録ヘッドをインクカートリッジが装着されるカートリッジケース等の保持部材に固定する際に、隣接するノズル列の相対的な位置決めを高精度に行えないという問題がある。また、ヘッドユニットを保持した保持部材を被記録媒体の走査方向に移動するキャリッジに搭載した際に、キャリッジとノズル列との相対的な位置決めを行うために保持部材とキャリッジとの位置決めを行う必要があると共に、キャリッジに対してノズル列の位置決めを高精度に行えないという問題がある。
さらに、カバーヘッドをノズルとは異なる部材の一面に接合するようにすると、カバーヘッドとノズル列との位置決めを行って両者を接合する作業が困難であると共に、高精度な位置決めを行うことができないという問題がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニットだけではなく、勿論、インク以外を吐出する他の液体噴射ヘッドを具備する液体噴射ヘッドユニットにおいても、同様に存在する。
特開2002−160376号公報(第4頁、第3図) 特開2003−145791号公報(第6頁、第6〜7図)
本発明はこのような事情に鑑み、紙ジャム及びカバーヘッドの変形を防止すると共に液滴吐出面への液体の残留を防止して、ノズル列の位置決め精度を向上し印刷品質を向上することができる液体噴射ヘッドユニット及びその製造方法並びに液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液滴を吐出する並設されたノズル開口からなるノズル列を有する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースと、前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面側に設けられたカバーヘッドとを具備すると共に、前記液体噴射ヘッドと前記カバーヘッドとの間に、前記ノズル開口を露出する露出開口部を画成すると共に液滴吐出面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合される接合部を有する固定板を具備し、前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面と前記固定板とを接合することにより複数の液体噴射ヘッドが共通の固定板に位置決め固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第1の態様では、固定板によって、複数のノズル列の相対的な位置決めを容易に且つ高精度に行い、固定板と複数の液体噴射ヘッドとを位置決め接合することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記接合部が、前記液滴吐出面の外周に沿って設けられた固定用枠部を有することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第2の態様では、固定板の枠部によって液滴吐出面の外周側が塞がれるため、液体が液体噴射ヘッドに回り込むのを防止することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記接合部が、隣接する前記液体噴射ヘッドの間に延設されて前記露出開口部を分割する固定用梁部を有することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第3の態様では、固定板の固定用梁部によって隣接する液体噴射ヘッドの間からの液体の回り込みを防止することができ、液体噴射ヘッドの液体による劣化及び破壊を防止できる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記液体噴射ヘッドには、当該液体噴射ヘッドを構成する各部材を組み立てる際に位置決めするピンが挿入されるピン挿入孔が設けられ、前記固定板が前記ピン挿入孔を塞いでいることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第4の態様では、ピン挿入孔内に液体が侵入するのを防止して、液体噴射ヘッドの液体による劣化及び破壊を確実に防止することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記固定板が、金属材料からなることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第5の態様では、固定板を金属材料とすることで、固定板を接地できる。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記カバーヘッドが、前記固定板の前記液体噴射ヘッドとは反対側の面に接合されずに設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第6の態様では、カバーヘッドが固定板に接合されていなくても、固定板によって液体噴射ヘッドへの液体の回り込みを防止することができる。
本発明の第7の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記カバーヘッドが、前記固定板の前記液体噴射ヘッドとは反対側の面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第7の態様では、カバーヘッドと固定板との段差を減少させて、液滴吐出面のワイピングや吸引動作などを行っても、液滴吐出面に液体が残留するのを確実に防止できる。
本発明の第8の態様は、第1〜7の何れかの態様において、前記カバーヘッドは、前記液滴吐出面の周縁部に延設された側壁部を有することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第8の態様では、側壁部によって液体噴射ヘッドの外周側からの液体の回り込みを防止することができ、液体噴射ヘッドの液体による劣化及び破壊を防止できる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記側壁部が、前記液滴吐出面の周縁部に亘って設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第9の態様では、液体が液体噴射ヘッドの外周側に回り込むのを確実に防止できる。
本発明の第10の態様は、第1〜9の何れかの態様において、前記カバーヘッドには、他部材に位置決め固定される固定孔が設けられていると共に、前記固定孔と複数の前記ノズル列との位置決めにより前記カバーヘッドと前記液体噴射ヘッドとが接合されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第10の態様では、固定孔と複数のノズル列とを位置決め固定することで、カバーヘッドを固定する他部材と複数のノズル列との位置決めを容易に且つ高精度に行うことができる。
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記ヘッドケースを保持する保持部材を具備し、前記カバーヘッドの前記固定孔が前記保持部材に位置決め固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第11の態様では、保持部材と複数のノズル列との位置決めを高精度に行うことができる。
本発明の第12の態様は、第10の態様において、前記ヘッドケースを保持すると共に走査方向に移動するキャリッジに固定される保持部材を具備し、前記カバーヘッドの前記固定孔が前記キャリッジに位置決め固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第12の態様では、キャリッジと複数のノズル列との位置決めを高精度に行うことができ、印刷品質を向上することができる。
本発明の第13の態様は、第1〜12の何れかの態様において、前記液体噴射ヘッドの前記液滴吐出面には、撥水膜が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第13の態様では、液滴吐出面に撥水膜を設けることにより、液滴の撥水性を向上して液滴吐出面の汚れを防止することができる。
本発明の第14の態様は、第13の態様において、前記撥水膜が、前記液滴吐出面の前記露出開口部により露出した領域のみに形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第14の態様では、撥水膜によって、カバーヘッドと液滴吐出面との接合性を劣化させずに両者を接合することができる。
本発明の第15の態様は、第1〜14の何れかの態様において、前記固定板が平板からなることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第15の態様では、平板からなる固定板に液体噴射ヘッドを位置決め固定することで、液体噴射ヘッドのハンドリングが邪魔されることなく、容易に且つ高精度にノズル列の位置決めを行うことができる。また、液体噴射ヘッドを平板からなる固定板に当接させて固定することで、複数の液滴吐出ヘッドの液滴吐出方向の位置決めが行われるため、複数の液滴吐出ヘッドのインク滴吐出方向の相対的な位置決めを行う必要がなく、液滴の着弾位置不良を確実に防止することができる。
本発明の第16の態様は、第1〜15の何れかの態様の液体噴射ヘッドユニットを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第16の態様では、印刷品質及び信頼性を向上した液体噴射装置を実現できる。
本発明の第17の態様は、液滴を吐出する並設されたノズル開口からなるノズル列を有すると共に、液体供給口側がヘッドケースに固定される液体噴射ヘッドを、前記ノズル開口を露出する露出開口部を画成すると共に前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合される接合部を有する固定板に位置決めして、前記接合部と液滴吐出面とを接合することで、複数の前記液体噴射ヘッドを共通の前記固定板に位置決め固定した後、前記液滴吐出面側にカバーヘッドを設けることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法にある。
かかる第17の態様では、固定板と複数のノズル列とを高精度に位置決めして両者を接合することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットを示す分解斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドユニットの組立斜視図であり、図3は、その要部断面図である。図1に示すように、インクジェット式記録ヘッドユニット200(以下、ヘッドユニット200と言う)を構成する保持部材であるカートリッジケース210は、インク供給手段であるインクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部211を有する。例えば、本実施形態では、インクカートリッジは、ブラック及び3色のカラーインクが充填された別体で構成され、カートリッジケース210には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着される。また、カートリッジケース210の底面には、図3に示すように、一端が各カートリッジ装着部211に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口する複数のインク連通路212が設けられている。さらに、カートリッジ装着部211のインク連通路212の開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針213が、インク内の気泡や異物を除去するためにインク連通路212に形成されたフィルタ(図示なし)を介して固定されている。
また、このようなカートリッジケース210の底面側には、複数の圧電素子300を有すると共に、カートリッジケース210とは反対側の端面に圧電素子300の駆動によってノズル開口21からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド220が固定されるヘッドケース230を有する。本実施形態では、インクカートリッジの各色のインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド220がインク色毎に対応して複数設けられ、ヘッドケース230も各インクジェット式記録ヘッド220に対応してそれぞれ独立して複数設けられている。
ここで、カートリッジケース210に搭載される本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230について説明する。図4は、インクジェット式記録ヘッド及びヘッドケースの分解斜視図であり、図5は、インクジェット式記録ヘッド及びヘッドケースの断面図である。図4及び図5に示すように、インクジェット式記録ヘッド220を構成する流路形成基板10は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が、幅方向に並設された列が2列形成されている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側には、後述するリザーバ形成基板30に設けられるリザーバ部31と連通し、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成する連通部13が形成されている。また、連通部13は、インク供給路14を介して各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。すなわち、本実施形態では、1つのインクジェット式記録ヘッドにノズル開口21の並設されたノズル列21Aが2列設けられている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[10-6/℃]あるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、弾性膜50上に、金属からなる下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜とを順次積層することで形成された圧電素子300が形成されている。このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有するリザーバ形成基板30が接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザーバ形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、リザーバ形成基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。このようなリザーバ形成基板30としては、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、リザーバ形成基板30上には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC110が設けられている。この駆動IC110の各端子は、図示しないボンディングワイヤ等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動IC110の各端子には、図1に示すような、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線111を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
また、このようなリザーバ形成基板30上には、コンプライアンス基板40が接合されている。コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が厚さ方向に貫通することで形成されている。また、コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域のインク導入口44以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部43となっており、リザーバ100は、可撓部43により封止されている。この可撓部43により、リザーバ100内にコンプライアンスを与えている。
このように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220は、ノズルプレート20、流路形成基板10、リザーバ形成基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板で構成されている。そして、このようなインクジェット式記録ヘッド220のコンプライアンス基板40上には、インク導入口44に連通すると共にカートリッジケース210のインク連通路212に連通して、カートリッジケース210からのインクをインク導入口44に供給するインク供給連通路231が設けられたヘッドケース230が設けられている。このヘッドケース230には、可撓部43に対向する領域に凹部232が形成され、可撓部43の撓み変形が適宜行われるようになっている。また、ヘッドケース230には、リザーバ形成基板30上に設けられた駆動IC110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動IC保持部233を挿通して駆動IC110と接続されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220は、インクカートリッジからのインクをインク連通路212及びインク供給連通路231を介してインク導入口44から取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
このようなインクジェット式記録ヘッド220を構成する各部材及びヘッドケース230には、組立時に各部材を位置決めするためのピンが挿入されるピン挿入孔234が角部の2箇所に設けられている。そして、ピン挿入孔234にピンを挿入して各部材の相対的な位置決めを行いながら部材同士を接合することで、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230が一体的に形成される。
なお、上述したインクジェット式記録ヘッド220は、1枚のシリコンウェハ上に多数のチップを同時に形成し、ノズルプレート20及びコンプライアンス基板40を接着して一体化し、その後、図4に示すような1つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することによってインクジェット式記録ヘッド220となる。
このようなインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230は、上述したカートリッジケース210にノズル列21Aの並び方向に所定の間隔で4つ固定されている。すなわち、本実施形態のヘッドユニット200には、ノズル列21Aが8列設けられていることになる。このように複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いて並設されたノズル開口21からなるノズル列21Aの多列化を図ることで、1つのインクジェット式記録ヘッド220にノズル列21Aを多列形成するのに比べて歩留まりの低下を防止することができる。また、ノズル列21Aの多列化を図るために複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いることで、1枚のシリコンウェハから形成できるインクジェット式記録ヘッド220の取り数を増大させることができ、シリコンウェハの無駄な領域を減少させて製造コストを低減することができる。
また、このような4つのインクジェット式記録ヘッド220は、図1及び図3に示すように、複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に接合された共通の固定板250によって位置決めされて保持されている。固定板250は、平板からなり、ノズル開口21を露出する露出開口部251と、露出開口部251を画成すると共にインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面の少なくともノズル列21Aの両端部側に接合される接合部252とを具備する。
接合部252は、本実施形態では、複数のインクジェット式記録ヘッド220に亘ってインク滴吐出面の外周に沿って設けられた固定用枠部253と、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間に延設されて露出開口部251を分割する固定用梁部254とで構成され、固定用枠部253及び固定用梁部254からなる接合部252が複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に同時に接合されている。また、接合部252の固定用枠部253は、インクジェット式記録ヘッド220の製造時に各部材を位置決めするピン挿入孔234を塞ぐように形成されている。
このような固定板250の材料としては、例えば、ステンレス鋼などの金属、ガラスセラミックス又はシリコン単結晶板などが挙げられる。なお、固定板250は、ノズルプレート20との熱膨張の違いによる変形を防止するために、ノズルプレート20と熱膨張係数が同じ材料を用いるのが好ましい。例えば、ノズルプレート20がシリコン単結晶板で形成されているときは、固定板250をシリコン単結晶板で形成するのが好適である。
また、固定板250は、薄く形成するのが好ましく、後述するカバーヘッド240よりも薄くするのが好適である。これは、例えば、固定板250を厚くすると、インクジェット式記録ヘッド220のノズル開口21と位置決め治具400のアライメントマーク401との距離が遠くなり、位置決め精度を高めることが困難になると共に、ノズルプレート20のインク滴吐出面をワイピングした際に固定用梁部254の間などにインクが残留し易いからである。すなわち、固定板250を薄く形成することで、インクジェット式記録ヘッド220のノズル開口21と位置決め治具400のアライメントマーク401との距離を短くして、位置合わせを容易に且つ高精度に行うことができると共に、ワイピングの際にインクがノズルプレート20のインク滴吐出面に残留するのを防止することができる。なお、本実施形態では、固定板250の厚さを0.1mmとした。また、固定板250とノズルプレート20との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤や、紫外線硬化型の接着剤などによる接着が挙げられる。
このように、固定板250が、固定用梁部254によって隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間を塞いでいるため、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間にインクが侵入することがなく、圧電素子300や駆動IC110などのインクジェット式記録ヘッド220のインクによる劣化及び破壊を防止することができる。また、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面と固定板250との間は、接着剤によって隙間なく接着されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止して固定板250の変形及び紙ジャムを防止することができる。
また、このような固定板250には、複数のインクジェット式記録ヘッド220が位置決め固定されており、このような位置決めは、例えば、ガラス等の透過性を有する板状部材からなる位置決め治具を用いて行うことができる。ここで、位置決め治具を用いた固定板250とインクジェット式記録ヘッド220との製造方法について説明する。なお、図6は、固定板とインクジェット式記録ヘッドとの製造工程を示す平面図である。
図6(a)に示すように、位置決め治具400は、ガラス等の透過性を有する板状部材からなり、各ノズル列21Aの所定のノズル開口21と位置決めするアライメントマーク401が所定位置に設けられている。まず、図6(b)に示すように、位置決め治具400の外周と固定板250との外周とを合わせることで、位置決め治具400に固定板250を位置決めする。このとき、位置決め治具400の外周は、固定板250の外周と同じ大きさで設けられ、アライメントマーク401は外周に対して所定位置に設けられている。
次に、図6(c)に示すように、位置決め治具400を固定板250とは反対側から透視して、アライメントマーク401に1つ目のインクジェット式記録ヘッド220のノズル列21Aのノズル開口21を位置決めする。このとき、図示しないが、予め固定板250のインクジェット式記録ヘッド220と接合される接合面に接着剤を塗布し、ノズル列21Aを位置決めすると共に1つ目のインクジェット式記録ヘッド220と固定板250とを接合する。
なお、例えば、カバーヘッド240に直接インクジェット式記録ヘッド220を固定すると、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220をキャッピングやワイピングなどの衝撃から保護するために、薄い材料で形成することができず、インクジェット式記録ヘッド220のノズル開口21とアライメントマーク401との距離が遠くなってしまう。このようにノズル開口21とアライメントマーク401との距離が遠いと、位置決めし難く、位置決め精度を高めることができない。しかしながら、本実施形態では、インクジェット式記録ヘッド220を固定板250に位置決め固定するため、固定板250を薄く形成することができる。これにより、ノズル開口21とアライメントマーク401との距離を短くすることができ、ノズル開口21とアライメントマーク401との位置決めを容易に且つ高精度に行うことができる。
また、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220を衝撃などから保護するためにインクジェット式記録ヘッド220を覆うような箱形状に形成されている。このため、例えば、インクジェット式記録ヘッド220を直接カバーヘッド240に位置決め固定すると、カバーヘッド240内でインクジェット式記録ヘッド220のハンドリングが悪く、インクジェット式記録ヘッド220の位置決めを高精度に行うのは困難である。また、例え、カバーヘッド240内でのインクジェット式記録ヘッド220のハンドリングを良くするために、インクジェット式記録ヘッド220をカバーヘッド240の側壁部245から突出するような大きさで形成したとしても、インクジェット式記録ヘッド220がカバーヘッド240で覆われず、カバーヘッド240がインクジェット式記録ヘッド220を保護することができないと共に、インクジェット式記録ヘッド220が大型化してしまう。これに対して、本実施形態では、インクジェット式記録ヘッド220を平板の固定板250に固定するため、位置決めの際にインクジェット式記録ヘッド220のハンドリングを邪魔することがなく、インクジェット式記録ヘッド220の位置決めを高精度に行うことができる。
なお、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを接合する接着剤としては、上述のように熱硬化性の接着剤や、紫外線硬化型の接着剤を用いることができる。ここで、熱硬化性の接着剤を用いる場合、固定板250に接着剤を塗布した後、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを互いに当接させて、所定の圧力で加圧しながら接着剤を硬化させることで両者を接合する。一方、紫外線硬化型の接着剤を用いる場合、固定板250の接合面に接着剤を塗布した後、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを当接させた状態で紫外線を照射して接着剤を硬化させることで両者を接合する。このとき、紫外線硬化型接着剤は、熱硬化性接着剤のように固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを所定の圧力で加圧しながら硬化させる必要がなく、加圧することによってインクジェット式記録ヘッド220と固定板250との位置ズレを防止して両者を高精度に接合することができる。また、紫外線硬化型の接着剤を用いた接合では、接合強度が比較的弱いため、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを紫外線硬化型接着剤で接合した後、インクジェット式記録ヘッド220と固定板250とで画成される角部等の周囲を熱硬化性接着剤で固定するようにすればよい。これにより、固定板250とインクジェット式記録ヘッド220とを高精度に且つ強固に接合して、信頼性を高めることができる。
その後、図6(c)に示す工程を繰り返し行うことで、複数のインクジェット式記録ヘッド220を固定板250に順次位置決め固定する。このように、固定板250と複数のノズル列21Aとを位置決めして両者を接合することで、固定板250とノズル列21Aとの位置決めを高精度に行うことができる。また、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の各ノズル列21A同士の相対的な位置決めを高精度に行うことができる。さらに、インクジェット式記録ヘッド220を平板からなる固定板250に当接させて固定するため、インクジェット式記録ヘッド220を平板からなる固定板250に固定するだけで複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出方向の相対的な位置決めが行われる。このため、複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出方向の位置合わせを行う必要がなく、インク滴の着弾位置不良を確実に防止することができる。
一方、ヘッドユニット200には、図1及び図2に示すように、固定板250のインクジェット式記録ヘッド220とは反対側に、複数のインクジェット式記録ヘッド220を覆うように箱形状を有するカバーヘッド240が設けられている。このカバーヘッド240は、固定板250の露出開口部251に対応して開口部241が設けられた固定部242と、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面の側面側に、固定板250の外周に亘って屈曲するように設けられた側壁部245とを具備する。
固定部242は、本実施形態では、固定板250の固定用枠部253に対応して設けられた枠部243と、固定板250の固定用梁部254に対応して設けられて開口部241を分割する梁部244とで構成されている。また、このような枠部243及び梁部244からなる固定部242は、固定板250の接合部252に接合されている。
このように、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面とカバーヘッド240との間が隙間なく接合されているため、隙間に被記録媒体が入り込むのを防止してカバーヘッド240の変形及び紙ジャムを防止することができる。また、カバーヘッド240の側壁部245が、複数のインクジェット式記録ヘッド220の外周縁部を覆うことで、インクジェット式記録ヘッド220の側面へのインクの回り込みを確実に防止することができる。
このようなカバーヘッド240としては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられ、金属板をプレス加工により形成してもよく、成形により形成するようにしてもよい。また、カバーヘッド240を導電性の金属材料とすることで、接地するこができる。さらに、カバーヘッド240は、インクジェット式記録ヘッド220をワイピングやキャッピングなどの衝撃から保護するために、ある程度の強度が必要である。このため、カバーヘッド240は比較的厚くする必要がある。なお、本実施形態では、カバーヘッド240の厚さを0.2mmとした。
なお、カバーヘッド240と固定板250との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤による接着が挙げられる。
また、固定部242には、カバーヘッド240を他部材に位置決め固定するための固定孔247が設けられたフランジ部246が設けられている。このフランジ部246は、側壁部245から液滴吐出面の面方向と同一方向に突出するように屈曲して設けられている。本実施形態では、カバーヘッド240は、図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230を保持した保持部材であるカートリッジケース210に固定されている。
詳しくは、図2及び図3に示すように、カートリッジケース210には、インク滴吐出面側に突出して、カバーヘッド240の固定孔247に挿入される突起部215が設けられており、この突起部215をカバーヘッド240の固定孔247に挿入すると共に、突起部215の先端部を加熱してかしめることで、カートリッジケース210にカバーヘッド240が固定されている。このようなカートリッジケース210に設けられた突起部215を、フランジ部246の固定孔247よりも小径の外径とすることで、カバーヘッド240をインク滴吐出面の面方向に位置決めしてカートリッジケース210に固定することができる。
また、このようなカバーヘッド240と、複数のインクジェット式記録ヘッド220が接合された固定板250とは、カバーヘッド240の固定孔247と複数のノズル列21Aとの位置決めにより固定されている。ここで、カバーヘッド240の固定孔247と複数のノズル列21Aとの位置決めは、上述した位置決め治具400を用いて行うことができるが、固定板250と複数のインクジェット式記録ヘッド220とを位置決め固定する際に、同時にカバーヘッド240を位置決め固定するようにしてもよい。
このようなヘッドユニット200は、インクジェット式記録装置に搭載される。図7は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図7に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット200は、インク供給手段を構成するカートリッジ1A及び1Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの組立斜視図であり、図9は、インクジェット式記録ヘッドユニットの要部断面図である。図8及び図9に示すように、本実施形態のヘッドユニット200Aは、キャリッジ3にカバーヘッド240Aとカートリッジケース210Aとが固定されている。
詳しくは、キャリッジ3には、カートリッジケース210Aがねじ部材216を介して固定されるカートリッジケース支持部3aと、カバーヘッド240Aが固定されるカバーヘッド支持部3bとを具備し、カバーヘッド支持部3bには、カバーヘッド240Aのフランジ部246Aの固定孔247Aに挿通される突起部3cが設けられている。また、突起部3cをフランジ部246Aの固定孔247Aに挿通すると共に突起部3cの先端部を加熱してかしめることで、カバーヘッド240Aはキャリッジ3に固定されている。
このように、固定孔247Aとノズル列21Aとが高精度に位置決めされたカバーヘッド240Aを、固定孔247Aを介して直接キャリッジ3に固定することで、キャリッジ3とノズル列21Aとの位置決めを容易に且つ高精度に行うことができる。また、キャリッジ3とノズル列21Aとの位置決めを別途行う必要がなく、製造工程を簡略化すると共に製造時間を短縮することができる。
もちろん、上述した実施形態1と同様に、カバーヘッド240Aをインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に接合することで、インク滴吐出面にインクが残留するのを防止することができると共に、インクがインクジェット式記録ヘッド220に回り込むことがなく、インクジェット式記録ヘッド220のインクによる劣化及び破壊を防止できる。また、インク滴吐出面とカバーヘッド240Aとの間には隙間がないため、カバーヘッドの変形及び紙ジャムを防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1及び2のノズルプレート20のインク滴吐出面には、実際には撥水性を向上する撥水膜が形成されている。この撥水膜としては、特に限定されないが、例えば、金属膜を挙げることができる。このような金属膜は、固定板250をインク滴吐出面に接合する際に、接着剤の接着力が低下してしまうため、固定板250の露出開口部251により露出した領域のみに設けるのが好ましい。また、このような金属膜は、例えば、共析メッキにより所定の厚さで高精度に形成することができる。
また、上述した実施形態1及び2では、固定板250の接合部252に固定用枠部253と固定用梁部254とを設けるようにしたが、これに限定されず、固定板250の接合部252は、少なくともノズル列21Aの両端側にあればよく、例えば、接合部252をノズル列21Aの両端側のみに設けた場合には、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間を、カバーヘッド240で覆うようにすれば、インクが隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間に入り込むことがなく、インクジェット式記録ヘッド220のインクによる劣化及び破壊を防止できる。
さらに、上述した実施形態1及び2では、カバーヘッド240、240Aを固定板250のインクジェット式記録ヘッド220とは反対側の面に接合するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、カバーヘッド240を固定板250に接合せずに、所定の間隔となるように設けるようにしてもよく、当接するように設けるようにしてもよい。何れにしても固定板250に複数のインクジェット式記録ヘッド220が位置決め固定されるため、複数のノズル列21Aの相対的な位置決めを高精度に行うことができる。
また、上述した実施形態1及び2では、カバーヘッド240、240Aに側壁部245及び固定孔247、247Aを有するフランジ部246、246Aを設けるようにしたが、側壁部245及び固定孔247、247Aを有するフランジ部246、246Aは必ずしも必要なものではなく、側壁部245及び固定孔247、247Aを有するフランジ部246、246Aがなくても、インク滴吐出面のインク残留を防止することができると共に、カバーヘッドにノズル列21Aの相対的な位置決めを高精度に行った状態で複数のインクジェット式記録ヘッドを容易に接合することができる。
また、上述した実施形態1及び2では、撓み振動型のインクジェット式記録ヘッド220を例示したが、これに限定されず、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のインクジェット式記録ヘッドや発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニットに応用することができることは言うまでもない。
なお、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット及びインクジェット式記録装置を一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの組立斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの要部断面図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの要部の分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッドケース及び記録ヘッドの断面図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの製造工程を示す平面図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録装置の概略図である。 実施形態2に係るヘッドユニットの組立斜視図である。 実施形態2に係るヘッドユニットの要部断面図である。
符号の説明
3 キャリッジ、10 流路形成基板、12 圧力発生室、100 リザーバ、200,200A ヘッドユニット、210 カートリッジケース、220 インクジェット式記録ヘッド、230 ヘッドケース、240 カバーヘッド、241 開口部、242 固定部、245 側壁部、246,246A フランジ部、247,247A 固定孔、250 固定板、251 露出開口部、252 接合部、253 固定用枠部、254 固定用梁部、300 圧電素子、400 位置決め治具

Claims (4)

  1. 液滴を吐出する並設されたノズル開口からなるノズル列を有する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースと、前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面側に設けられたカバーヘッドとを具備すると共に、
    前記液体噴射ヘッドと前記カバーヘッドとの間に、前記ノズル開口を露出する露出開口部を画成すると共に液滴吐出面の少なくとも前記ノズル列の両端部側に接合される接合部を有する固定板を具備し、前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面と前記固定板とを接合することにより複数の液体噴射ヘッドが共通の固定板に位置決め固定され
    前記液体噴射ヘッドには、当該液体噴射ヘッドを構成する各部材を組み立てる際に位置決めするピンが挿入されるピン挿入孔が設けられ、前記固定板が前記ピン挿入孔を塞いでいることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  2. 請求項1において、前記カバーヘッドには、他部材に位置決め固定される固定孔が設けられていると共に、前記固定孔と複数の前記ノズル列との位置決めにより前記カバーヘッドと前記液体噴射ヘッドとが接合されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  3. 請求項において、前記ヘッドケースを保持する保持部材を具備し、前記カバーヘッドの前記固定孔が前記保持部材に位置決め固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  4. 請求項において、前記ヘッドケースを保持すると共に走査方向に移動するキャリッジに固定される保持部材を具備し、前記カバーヘッドの前記固定孔が前記キャリッジに位置決め固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
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