JP2007050674A - 液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 温度変化による液体噴射ヘッド内の層間剥離を防止することができる液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】 液滴を吐出するノズル開口21が並設された液体噴射ヘッド220と、該液体噴射ヘッド220の液体供給口側に固定されるヘッドケース230とを具備し、前記液体噴射ヘッド220には、厚さ方向に貫通する貫通孔234が設けられると共に、基端部に前記液体噴射ヘッド220の液体噴射面に当接するフランジ部251を有する固定ピン250を前記貫通孔234に挿通して当該固定ピン250の先端を前記ヘッドケース230に固定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、液体を噴射する液体噴射ヘッドを具備する液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置に関し、特にインク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を介して圧電素子を設けて、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット及びインクジェット式記録装置に関する。
インクジェット式プリンタやプロッタ等のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジやインクタンク等のインク貯留部に貯留されたインクを、インク滴として吐出可能なインクジェット式記録ヘッドを具備するインクジェット式記録ヘッドユニット(以下、ヘッドユニットと言う)を有する。
このようなヘッドユニットは、インクジェット式記録ヘッドと、インクジェット式記録ヘッドの液体供給口側に固定されたヘッドケースとを具備する。インクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口に連通する圧力発生室が形成されたシリコン単結晶基板からなる流路形成基板と、流路形成基板の圧力発生室に相対向する領域に振動板を介して設けられた圧電素子と、流路形成基板の圧電素子側に接合された保護基板と、保護基板に設けられたコンプライアンス基板とで構成され、ヘッドケースはコンプライアンス基板に固定されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなヘッドユニットでは、インクジェット式記録ヘッドを構成する流路形成基板がシリコン単結晶基板からなり、ノズルプレートがステンレス鋼などからなるため、温度変化によって線膨張係数の違いから反りが生じてしまう。このような反りによってインクジェット式記録ヘッドに設けられた圧電素子や金属配線などの各層の間で層間剥離が生じてしまうという問題がある。
なお、このような問題は、インクを吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液滴を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に存在する。
特開2005−096419号公報(第7〜14頁、第1〜5図)
本発明はこのような事情に鑑み、温度変化による液体噴射ヘッド内の層間剥離を防止することができる液体噴射ヘッドユニット及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液滴を吐出するノズル開口が並設された液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースとを具備し、前記液体噴射ヘッドには、厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられると共に、基端部に前記液体噴射ヘッドの液体噴射面に当接するフランジ部を有する固定ピンを前記貫通孔に挿通して当該固定ピンの先端を前記ヘッドケースに固定したことを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第1の態様では、固定ピンによって、ヘッドケースとフランジ部との間で液体噴射ヘッドを挟持することができ、液体噴射ヘッドの温度変化による反りなどの変形を防止して、液体噴射ヘッドの層間剥離を防止することができる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ヘッドケースには、前記液体噴射ヘッドの各部材を組み立てる際に用いられる位置決めピンが挿入される位置決め孔が設けられていると共に、前記固定ピンの前記ヘッドケース側の先端が、前記貫通孔を介して前記位置決め孔まで挿入されて、前記位置決め孔内で固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第2の態様では、位置決めピンが挿入される位置決め孔に固定ピンを挿入し、位置決め孔内で固定することで、液体噴射ヘッドに位置決めピンが挿入される貫通孔を別途設ける必要がなく、製造工程を簡略化することができると共に製造コストを低減することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記貫通孔の前記液滴吐出面側には、前記固定ピンの前記フランジ部よりも大径の内径を有する大径部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第3の態様では、大径部を設けることによって、フランジ部が液滴噴射面から突出するのを防止することができ、液滴吐出面に固定される固定部材と液滴吐出面とのギャップを低減して液滴吐出面に液滴が残留するのを防止することができると共に紙ジャム等を防止することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面側には、当該液滴吐出面が固定される固定部材を具備すると共に、該固定部材の前記固定ピンに相対向する領域には、前記フランジ部に嵌合する凹部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第4の態様では、凹部によって、液滴吐出面に固定される固定部材と液滴吐出面とのギャップを低減して液滴吐出面に液滴が残留するのを防止することができると共に紙ジャム等を防止することができる。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記貫通孔が、前記液体噴射ヘッドの長手方向の両端側に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニットにある。
かかる第5の態様では、液体噴射ヘッドの温度変化による長手方向の反りを防止することができ、特に低温での反りを防止することができる。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様の液体噴射ヘッドユニットを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第6の態様では、信頼性を向上した液体噴射ヘッドユニットを実現できる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドユニットの分解斜視図であり、図2は、インクジェット式記録ヘッドユニットの組立斜視図であり、図3は、その要部断面図である。図1に示すように、インクジェット式記録ヘッドユニット200(以下、ヘッドユニット200と言う)を構成する保持部材であるカートリッジケース210は、インク供給手段であるインクカートリッジ(図示なし)がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部211を有する。例えば、本実施形態では、インクカートリッジは、ブラック及び3色のカラーインクが充填された別体で構成され、カートリッジケース210には、各色のインクカートリッジがそれぞれ装着される。また、カートリッジケース210の底面には、図3に示すように、一端が各カートリッジ装着部211に開口し、他端が後述するヘッドケース側に開口する複数のインク連通路212が設けられている。さらに、カートリッジ装着部211のインク連通路212の開口部分には、インクカートリッジのインク供給口に挿入されるインク供給針213が、インク内の気泡や異物を除去するためにインク連通路212に形成されたフィルタ(図示なし)を介して固定されている。
また、このようなカートリッジケース210の底面側には、複数の圧電素子300を有すると共に、カートリッジケース210とは反対側の端面に圧電素子300の駆動によってノズル開口21からインク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド220が固定されるヘッドケース230を有する。本実施形態では、インクカートリッジの各色のインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド220がインク色毎に対応して複数設けられ、ヘッドケース230も各インクジェット式記録ヘッド220に対応してそれぞれ独立して複数設けられている。
ここで、カートリッジケース210に搭載される本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230について説明する。図4は、インクジェット式記録ヘッド及びヘッドケースの要部の分解斜視図であり、図5は、インクジェット式記録ヘッド及びヘッドケースの断面図である。図4及び図5に示すように、インクジェット式記録ヘッド220を構成する流路形成基板10は、本実施形態では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板10には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12が、幅方向に並設された列が2列形成されている。また、各列の圧力発生室12の長手方向外側には、後述する保護基板30に設けられるリザーバ部31と連通し、各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成する連通部13が形成されている。また、連通部13は、インク供給路14を介して各圧力発生室12の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。
また、流路形成基板10の開口面側には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。すなわち、本実施形態では、1つのインクジェット式記録ヘッドにノズル開口21の並設されたノズル列21Aが2列設けられている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[10−6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又はステンレス鋼などからなる。
一方、流路形成基板10の開口面とは反対側には、弾性膜50上に、酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜と、金属からなる下電極膜と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層と、金属からなる上電極膜とを順次積層することで形成された圧電素子300が形成されている。このような圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部31を有する保護基板30が接合されている。このリザーバ部31は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ100を構成している。
また、保護基板30の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部32が設けられている。このような保護基板30としては、ガラス、セラミック、金属、プラスチック等を挙げることができるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
さらに、保護基板30上には、各圧電素子300を駆動するための駆動IC110が設けられている。この駆動IC110の各端子は、図示しないボンディングワイヤ等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動IC110の各端子には、図1に示すような、フレキシブルプリントケーブル(FPC)等の外部配線111を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
また、このような保護基板30上には、コンプライアンス基板40が接合されている。コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域には、リザーバ100にインクを供給するためのインク導入口44が厚さ方向に貫通することで形成されている。また、コンプライアンス基板40のリザーバ100に対向する領域のインク導入口44以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部43となっており、リザーバ100は、可撓部43により封止されている。この可撓部43により、リザーバ100内にコンプライアンスを与えている。
このように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220は、ノズルプレート20、流路形成基板10、保護基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板で構成されている。そして、このようなインクジェット式記録ヘッド220のコンプライアンス基板40上には、インク導入口44に連通すると共にカートリッジケース210のインク連通路212に連通して、カートリッジケース210からのインクをインク導入口44に供給するインク供給連通路231が設けられたヘッドケース230が設けられている。このヘッドケース230には、可撓部43に対向する領域に凹部232が形成され、可撓部43の撓み変形が適宜行われるようになっている。また、ヘッドケース230には、保護基板30上に設けられた駆動IC110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動IC保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動IC保持部233を挿通して駆動IC110と接続されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド220は、インクカートリッジからのインクをインク連通路212及びインク供給連通路231を介してインク導入口44から取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
このようなインクジェット式記録ヘッド220を構成する各部材には、厚さ方向に貫通した貫通孔234が設けられている。貫通孔234は、後述する固定ピン250が挿入されることで、インクジェット式記録ヘッド220の温度変化による反りを防止するため、貫通孔234は、インクジェット式記録ヘッド220の圧力発生室12が並列されている方向となる長手方向の両端部側に設けるのが好ましい。本実施形態では、貫通孔234をインクジェット式記録ヘッド220の角部のそれぞれに設けた。すなわち、各インクジェット式記録ヘッド220には、貫通孔234が4つ設けられている。
また、ヘッドケース230の角部の2箇所には、貫通孔234に連通する位置決め孔235が設けられている。なお、貫通孔234の内径と、位置決め孔235の内径とは、略同一である。この位置決め孔235及びこれに連通する2つの貫通孔234に位置決めピン(図示なし)を挿入して、インクジェット式記録ヘッド220を構成する各部材の位置決めを行いながら各部材同士を接合することで、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230が一体的に組み立てられる。
なお、位置決めピンは、貫通孔234及び位置決め孔235との間にクリアランスがほとんどなく、位置決めピンが位置決め孔235の内面に実質的に当接している外径を有する。これにより、各部材の高精度な位置決めを行うことができる。
また、位置決めピンによってインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230を位置決めして一体的に形成した後、位置決めピンを位置決め孔235及びこれに連通する2つの貫通孔234から取り除いて、固定ピン250をインク吐出面側から貫通孔234に挿通し、その先端をヘッドケース230に固定する。
固定ピン250は、棒状部材からなり、基端部にフランジ部251が設けられている。フランジ部251は、固定ピン250を貫通孔234に挿通した際に、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に当接する外径、すなわち、貫通孔234の内径よりも大径の外径を有する。
また、固定ピン250は、貫通孔234に挿通されて、その先端がヘッドケース230に固定されている。本実施形態では、固定ピン250の先端をヘッドケース230に接着剤236を介して接着することで固定した。
なお、位置決め孔235に連通する貫通孔234に挿通された固定ピン250の先端は、位置決め孔235内まで挿入されて、位置決め孔内で接着剤236を介して接着固定され、貫通孔234内では接着固定されていない。また、位置決め孔235に連通しない貫通孔234に挿通された固定ピン250は、固定ピン250の先端面がヘッドケース230のインクジェット式記録ヘッド220側の面に接着剤236を介して接着される。具体的には、ヘッドケース230のインクジェット式記録ヘッド220側の面に当接する先端面が接着剤236を介して接着される。
そして、インクジェット式記録ヘッド220は、固定ピン250によって、ヘッドケース230とフランジ部251との間で挟持されている。
このような固定ピン250としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)や単結晶シリコンなどを用いることができる。また、固定ピン250の貫通孔234に挿通される外径は、貫通孔234との間に所定のクリアランスが形成されるようになっている。すなわち、固定ピン250は、位置決めピンの外径よりも小径の外径で形成されている。また、固定ピン250は、貫通孔234内でインクジェット式記録ヘッド220を構成するノズルプレート20、流路形成基板10、保護基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板と固定されないようになっている。
このように、固定ピン250をノズルプレート20、流路形成基板10、保護基板30及びコンプライアンス基板40の4つの基板に設けられた貫通孔234の内面に接着せず、固定ピン250の外面と貫通孔234の内面との間にクリアランスを設けることによって、インクジェット式記録ヘッド220が温度変化により反ろうとした際に、固定ピン250と貫通孔234との間に余計な応力が印加されることなく、インクジェット式記録ヘッド220の破壊を防止することができる。また、固定ピン250をインクジェット式記録ヘッド220と固定しないことで、固定ピン250とインクジェット式記録ヘッド220の各部材との線膨張係数の違いにより、温度変化によって変形するのを防止することができる。
ここで、インクジェット式記録ヘッド220は、ステンレス鋼からなるノズルプレート20やシリコン単結晶基板からなる流路形成基板10などの線膨張係数の異なる部材で構成されており、インクジェット式記録ヘッド220は、各部材の線膨張係数の違いにより、温度変化によって反りが生じてしまう。特に、インクジェット式記録ヘッド220はヘッドケース230に固定された状態で、低温(約−20℃)で、長手方向の反りにより圧電素子300や配線などの層間剥離が発生してしまう。本発明では、固定ピン250によりインクジェット式記録ヘッド220をヘッドケース230とフランジ部251との間で挟持するようにしたため、固定ピン250によってインクジェット式記録ヘッド220の温度変化による反りを防止して層間剥離を防止することができる。
なお、上述したインクジェット式記録ヘッド220は、1枚のシリコンウェハ上に多数のチップを同時に形成し、ノズルプレート20及びコンプライアンス基板40を接着して一体化し、その後、図4に示すような1つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割することによってインクジェット式記録ヘッド220となる。
このようなインクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230は、上述したカートリッジケース210にノズル列21Aの並び方向に所定の間隔で4つ固定されている。すなわち、本実施形態のヘッドユニット200には、ノズル列21Aが8列設けられていることになる。このように複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いて並設されたノズル開口21からなるノズル列21Aの多列化を図ることで、1つのインクジェット式記録ヘッド220にノズル列21Aを多列形成するのに比べて歩留まりの低下を防止することができる。また、ノズル列21Aの多列化を図るために複数のインクジェット式記録ヘッド220を用いることで、1枚のシリコンウェハから形成できるインクジェット式記録ヘッド220の取り数を増大させることができ、シリコンウェハの無駄な領域を減少させて製造コストを低減することができる。
また、カートリッジケース210にヘッドケース230を介して保持された4つのインクジェット式記録ヘッド220は、図1及び図2に示すように、箱形状を有するカバーヘッド240によって覆われている。
カバーヘッド240は、ノズル開口21を露出する露出開口部241と、露出開口部241を画成する接合部242とを具備する。
接合部242は、本実施形態では、複数のインクジェット式記録ヘッド220に亘ってインク滴吐出面の外周に沿って設けられた枠部243と、隣接するインクジェット式記録ヘッド220の間に延設されて露出開口部241を分割する梁部244とで構成されている。また、接合部242の枠部243は、インクジェット式記録ヘッド220の貫通孔234に挿通された固定ピン250を覆うように形成されている。さらに、枠部243の固定ピン250に相対向する領域には、図5(b)に示すように、固定ピン250のフランジ部251に嵌合する凹部243aが設けられている。これにより、図3に示すように、接合部242とインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面との間にギャップができるのを防止して、紙ジャム等を防止している。
また、カバーヘッド240には、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面の側面側に、インク滴吐出面の外周縁部に亘って屈曲するように延設された側壁部245が設けられている。
このようなカバーヘッド240としては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられ、金属板をプレス加工により形成してもよく、成形により形成するようにしてもよい。
また、接合部242には、カバーヘッド240を他部材に位置決め固定するための固定孔247が設けられた固定用フランジ部246が設けられている。この固定用フランジ部246は、側壁部245から液滴吐出面の面方向と同一方向に突出するように屈曲して設けられている。本実施形態では、カバーヘッド240は、図2及び図3に示すように、インクジェット式記録ヘッド220及びヘッドケース230を保持した保持部材であるカートリッジケース210に固定されている。詳しくは、図2及び図3に示すように、カートリッジケース210には、インク滴吐出面側に突出して、カバーヘッド240の固定孔247に挿入される突起部215が設けられており、この突起部215をカバーヘッド240の固定孔247に挿入すると共に、突起部215の先端部を加熱してかしめることで、カートリッジケース210にカバーヘッド240が固定されている。このようなカートリッジケース210に設けられた突起部215を、固定用フランジ部246の固定孔247よりも小径の外径とすることで、カバーヘッド240をインク滴吐出面の面方向に位置決めしてカートリッジケース210に固定することができる。
なお、カバーヘッド240の接合部242を、インクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に接着剤を介して接着するようにしてもよく、接着せずに当接させるだけでもよい。
このようなヘッドユニット200は、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図6に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット200は、インク供給手段を構成するカートリッジ1A及び1Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット200の各インクジェット式記録ヘッドは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット200を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態1では、固定ピン250の先端をヘッドケース230に接着剤を介して接着するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、固定ピン250の先端の外周に雄ねじを設け、ヘッドケース230に固定ピン250の先端が螺合する雌ねじを設けるようにしてもよい。
また、上述した実施形態1では、貫通孔234に位置決めピンを挿入して各部材を位置決めした後、位置決めピンを貫通孔234から抜いて、貫通孔234に固定ピン250を挿通するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド220に位置決めピンが挿入される位置決め孔と、固定ピン250が挿入される貫通孔234との両方を設けるようにしてもよい。
さらに、上述した実施形態1では、貫通孔234をインクジェット式記録ヘッド220の角部のそれぞれに設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドの短辺側に3個以上の貫通孔を設け、各貫通孔に固定ピンを設けるようにしてもよい。何れにしても、固定ピン250によってインクジェット式記録ヘッドの長手方向の反りを防止して層間剥離を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、複数のインクジェット式記録ヘッド220をカバーヘッド240で覆うようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、複数のインクジェット式記録ヘッド220のインク滴吐出面に共通の固定板を接合し、固定板によってインクジェット式記録ヘッド220の相対的な位置合わせをするようにしてもよい。このように固定板を用いる場合には、固定板に固定ピン250のフランジ部251に嵌合する凹部を形成すればよい。なお、固定板を用いることで、ワイピング時などにインク滴吐出面にインクが残留するのを防止する。また、固定板を用いることで、固定板が比較的薄い板状部材からなるため、インクジェット式記録ヘッド220のアライメントマークとアライメント治具の基準マークとの距離を短くして、位置合わせを容易に且つ高精度に行うことができる。
さらに、上述した実施形態1では、カバーヘッド240に固定ピン250のフランジ部251に嵌合する凹部243aを設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、図7に示すように、インクジェット式記録ヘッド220のノズルプレート20のインク滴吐出面側に、フランジ部251の外径よりも大径の大径部252を設け、この大径部252内にフランジ部251を挿入することで、インク滴吐出面側に固定ピン250が突出しないようにすることもできる。
また、上述した実施形態1では、撓み振動型のインクジェット式記録ヘッド220を例示したが、これに限定されず、例えば、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型のインクジェット式記録ヘッドや発熱素子等の発熱で発生するバブルによってインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド等、種々の構造のインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニットに応用することができることは言うまでもない。
なお、液体噴射ヘッドとしてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドを有するヘッドユニット及びインクジェット式記録装置を一例として説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニットの製造方法全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
実施形態1に係るヘッドユニットの分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの組立斜視図である。 実施形態1に係るヘッドユニットの要部断面図である。 実施形態1に係るヘッド及びヘッドケースの分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッド及びヘッドケースの断面図である。 実施形態1に係るインクジェット式記録装置の概略図である。 他の実施形態に係るヘッド及びヘッドケースの断面図である。
符号の説明
3 キャリッジ、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 100 リザーバ、 200 ヘッドユニット、 210 カートリッジケース、 220 インクジェット式記録ヘッド、 230 ヘッドケース、 234 貫通孔、 235 位置決め孔、 240 カバーヘッド、 241 露出開口部、 242 接合部、 245 側壁部、 246 フランジ部、 247 固定孔、 250 固定ピン、 251 フランジ部、 252 大径部、 300 圧電素子

Claims (6)

  1. 液滴を吐出するノズル開口が並設された液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドの液体供給口側に固定されるヘッドケースとを具備し、
    前記液体噴射ヘッドには、厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられると共に、基端部に前記液体噴射ヘッドの液体噴射面に当接するフランジ部を有する固定ピンを前記貫通孔に挿通して当該固定ピンの先端を前記ヘッドケースに固定したことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  2. 請求項1において、前記ヘッドケースには、前記液体噴射ヘッドの各部材を組み立てる際に用いられる位置決めピンが挿入される位置決め孔が設けられていると共に、前記固定ピンの前記ヘッドケース側の先端が、前記貫通孔を介して前記位置決め孔まで挿入されて、前記位置決め孔内で固定されていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  3. 請求項1又は2において、前記貫通孔の前記液滴吐出面側には、前記固定ピンの前記フランジ部よりも大径の内径を有する大径部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記液体噴射ヘッドの液滴吐出面側には、当該液滴吐出面が固定される固定部材を具備すると共に、該固定部材の前記固定ピンに相対向する領域には、前記フランジ部に嵌合する凹部が設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記貫通孔が、前記液体噴射ヘッドの長手方向の両端側に設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  6. 請求項1〜5の何れかの液体噴射ヘッドユニットを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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