JP4510421B2 - インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、インクジェット記録用インク(以下単に「インク」と略す)、インクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置に関する。さらに詳しくは、吐出信頼性が高く画像特性の良好なインクジェット記録に適した色材分散体の水性インク、該インクを用いたインクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置に関する。
従来、印刷インクの着色剤として、耐水性や耐光性などの堅牢性に優れた顔料などの水不溶性色材が広く用いられている。しかし、これらの水不溶性色材を水性インクの色材として用いるためには、水性媒体中に水不溶性色材を安定して分散させることが要求される。そのため、高分子化合物や界面活性剤などの分散剤を添加して水不溶性色材を水性媒体中に均一に分散させた色材分散体の水性インクが使用されている。
近年、インクジェット記録用途においても、画像堅牢性の面からこの色材分散体の水性インクをインクとして使用するようになってきている。インクジェット記録においては、紙面上でのインクの定着性や耐水性を向上させるために、インク中の色材粒子に凝集機能や水不溶化機能を持たせる試みがとられている。しかしながら、このような機能を色材粒子に持たせることによって、インク中での色材粒子の分散安定性が低下することになり、インクの保存中に色材粒子が凝集して沈降が発生しやすくなる、形成された画像に濃度むらが発生する、インクジェット装置のノズル先端部でインク乾燥による目詰まりが発生し、インクの吐出安定性が低下しやすくなるなどの問題点を持つ。
上記問題点を解決するために、特許文献1では、特定の構造を有する水不溶性色材を含有するインクが提案されているが、水不溶性色材しか考慮されていないため、画像特性では若干の効果があっても長期的なインク保存安定性や吐出安定性には大きな問題がある。
特許文献2では、疎水部分に特定構造を有する高分子分散剤を含有するインクが提案されているが、インク媒体と密接な関係を有する高分子分散剤の親水部分は考慮していないため、インクの長期保存時や高温保存時の色材粒子の分散安定性が大きく低下する問題点を有し、インクジェット装置に使用する際に必ず発生するノズル先端部でのインク濃縮のように、インク組成が大きく変化する場合においては特に色材粒子の分散安定性が低下し、インクの吐出安定性が大きく低下してしまう。また、このようなインクを熱エネルギーでインクを飛翔させるインクジェット記録装置に使用すると、発熱によりインク中の色材粒子が激しく凝集してインクの吐出できなくなるという問題も有する。
特公平10−120956号公報 特開2002−332440公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたもので、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも長期にわたって安定して記録することのできるインクを提供することであり、さらには堅牢性と品位に優れた画像を記録し得るインクジェット記録方法、およびこのようなインクを含むインクカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題点を解決すべく鋭意検討した結果、以下の発明によって解決できることを見出した。すなわち、本発明は、高分子分散剤、水不溶性色材、水溶性有機溶剤、カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物、および水を含有するインクにおいて、該高分子分散剤が、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを有し、各ブロックがモノマーとしてビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体であり、該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物が、カルシウムの塩化物、カルシウムの硝酸塩、カルシウムの酸化物、マグネシウムの塩化物、マグネシウムの硝酸塩、マグネシウムの酸化物から選ばれる少なくとも1つであって、インク中の該高分子分散剤の含有量が0.5質量%〜10.0質量%であり、かつインク中の該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物の総量(A)に対する該高分子分散剤の含有量(B)の比率がA:B=1:50,000〜1:200の範囲であり、上記水不溶性色材が、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183およびC.I.ピグメントイエロー184からなる群から選ばれる少なくとも1種;C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック10、C.I.ピグメントブラック31およびC.I.ピグメントブラック32からなる群から選ばれる少なくとも1種;C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19およびC.I.ピグメントバイオレット32からなる群から選ばれる少なくとも1種;またはC.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントグリーン7からなる群から選ばれる少なくとも1種であるインクを提供する。
上記本発明のインクにおいては、該カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物が、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1つであること;さらにインク中にアルミニウム化合物を含有すること;該アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つであること;インク中のアルミニウムの含有量が0.00002質量%〜0.002質量%であること;該水不溶性色材が該高分子分散剤によりカプセル化されていることが好ましい。
また、上記本発明のインクにおいては、前記高分子分散剤の親水性ブロックが、アニオン性のビニルエーテル類から構成されていること;前記高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のビニルエーテル類から構成されていること;前記高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のビニルエーテル類から構成されているブロックと、アニオン性のビニルエーテル類から構成されているブロックとを少なくとも含むこと;および前記高分子分散剤が、疎水性のビニルエーテル類で構成されたブロック、非イオン性の親水性ビニルエーテル類から構成されたブロック、およびアニオン性の親水性ビニルエーテル類から構成されたブロックの順番で少なくとも構成されていることが好ましい。
また、本発明は、インクにエネルギーを与えて、該インクを飛翔させて被記録材に付与して行うインクジェット記録方法において、該インクが、前記本発明のいずれかのインクであることを特徴とするインクジェット記録方法を提供する。前記エネルギーとしては熱エネルギーが好ましい。また、前記被記録材としては、少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層をもつ被記録材であることが好ましい。
また、本発明は、インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、該インクが前記本発明のいずれかのインクであることを特徴とするインクカートリッジ;およびインクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジと、該インクを吐出させるためのヘッド部を備えたインクジェット記録装置において、該インクが前記本発明のいずれかのインクであることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも長期にわたって安定して記録することのできるインクを提供することができ、さらには堅牢性と品位に優れた画像を記録し得るインクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、高分子分散剤、水不溶性色材、水溶性有機溶剤、および水を含有するインクにおいて、高分子分散剤として、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを少なくとも有し、各ブロックがモノマーとしてビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体を使用し、水不溶性色材として、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183およびC.I.ピグメントイエロー184からなる群から選ばれる少なくとも1種;C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック10、C.I.ピグメントブラック31およびC.I.ピグメントブラック32からなる群から選ばれる少なくとも1種;C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19およびC.I.ピグメントバイオレット32からなる群から選ばれる少なくとも1種;またはC.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントグリーン7からなる群から選ばれる少なくとも1種をインク中に含有させることで、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも安定して記録することが可能なインクを提供することができることを見出した。
これは、高分子分散剤として、少なくとも1種の疎水性ブロックと、少なくとも1種の親水性ブロックを少なくとも含むブロック共重合体からなる高分子分散剤を使用することで、高分子分散剤の疎水性ブロック部が色材粒子表面に均一に付着することが可能となり、色材粒子が外界に露出することなく高分子分散剤が色材粒子を均一に被覆する、すなわち、カプセル化することができるようになる。この際、疎水性ブロックが、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるエーテル構造を多数有するポリビニルエーテルであるために、疎水性ブロックのエーテル部と隣接する高分子分散剤の疎水性ブロック部間に静電的な相互作用が発生する、すなわち、高分子分散剤同士の疎水性ブロック間で物理的な結合作用が発生し、カプセルの安定性が向上すると考えられる。このため、記録後の画像においてもこのカプセル状態が維持され、高分子分散剤が色材粒子を保護するため、色材粒子の一部が外界に露出しているような場合に比べ、色材粒子の堅牢性が向上すると考えられる。
また、高分子分散剤の親水性部がブロック化されているためインク媒体中での親和性が向上し、疎水性基を含有するランダム重合されているような他の高分子分散剤に比べて、色材粒子の分散安定性が向上するため色材粒子の凝集や沈降が起こりにくくなり、インクの長期保存時の色材粒子の分散安定性も良好になると考えられる。親水性ブロックについても、疎水性ブロックと同様に、モノマーとしてビニルエーテル類を重合してなるエーテル構造を多数有するポリビニルエーテルであるために、色材のカプセル(以下単に「カプセル」という場合がある)の外側部分を構成する親水性ブロック間での相互作用が適度に向上し、カプセルの外側の形状も安定化され、カプセル全体が均一な形状を維持できるようになると考えられる。このため、インク加温時などのカプセル形状が変化しやすい場合においてもカプセル表面の電荷状態の乱れが殆ど発生せず、カプセル表面の電荷状態が均一に維持されるようになるため、静電的な因子によるカプセル同士の凝集や会合を大きく低減することができる。これにより、インクの高温保存時や長期保存時の色材粒子の分散安定性が向上し、色材粒子の分散性が不安定になりやすい熱エネルギーをインク飛翔エネルギーとして利用したインクジェット記録の吐出時においても、このカプセル状態が安定に維持されるようになり、インクの吐出安定性が向上するものと考えられる。
さらに本発明者らは、色材粒子を含有するインクをインクジェット記録装置に使用する場合の課題として、長期保存した後のインクがインクジェットヘッドのノズル先端部でインク中の水分が蒸発しインクが濃縮されると、色材粒子の分散安定性が極端に低下してノズルの目詰まりが発生するという課題を鋭意検討したところ、水不溶性色材として、前記の顔料を使用することで、上記高分子分散剤の疎水性ブロックと色材の親和性が良好になることを見出した。その結果、長期保存した後のインクでも、インク中の水分が多量に蒸発するようなインクジェットプリンターの印字プロセス時においてもノズルの目詰まりが発生することなく、長期にわたって安定にインクを吐出させることを可能にした。
以下、本発明のインクの構成材料について詳細に説明する。
(水不溶性色材)
本発明のインクに使用する水不溶性色材としては、イエローインクの場合は、少なくとも、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183およびC.I.ピグメントイエロー184からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、また、ブラックインクの場合は、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック10、C.I.ピグメントブラック31およびC.I.ピグメントブラック32からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、また、マゼンタインクの場合は、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19およびC.I.ピグメントバイオレット32からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、また、シアンインクの場合は、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントグリーン7からなる群から選ばれる少なくとも1種が使用される。これらの水不溶性色材は、単独で使用する以外に、2種以上組み合わせて使用すること、および他の顔料と組み合わせて使用することもできる。
これら水不溶性色材のインク中の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1.0〜10質量%である。色材の量が0.1質量%未満のインクで画像を形成すると十分な画像濃度が得にくい場合があり、色材の量が20質量%を超えると、ノズルにおける目詰りなどによるインクの吐出安定性の低下が起こる場合がある。また、水不溶性色材(A)と上記高分子分散剤(B)とのインク中における含有比率は、固形分質量比で好ましくはA:B=100:1〜1:2、より好ましくは10:1〜1:2であると、インクの吐出安定性や保存安定性の面から望ましい。
また、これらの水不溶性色材がインク中で高分子分散剤と形成する色材分散体中の粒子の平均粒子径は、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下であると、インクの吐出安定性がさらに向上し、また、印字画像の発色性も良好になる。この色材分散体の粒子径を測定する方法としては、例えば、レーザー光散乱法、X線小角散乱法、沈降法、電子顕微鏡で直接観察する方法などが挙げられる。
(高分子分散剤)
本発明のインクに使用する高分子分散剤としては、少なくとも1種の親水性ブロックと、少なくとも1種の疎水性ブロックとをそれぞれ有し、各ブロックがビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体であればよく、2種類以上の親水性ブロックや2種類以上の疎水性ブロックを有するものでも使用することができ、単独のブロック共重合体でも2種以上のブロック共重合体が混合されたものでも使用できる。共重合体の形態は直鎖型、グラフト型などが挙げられるが、直鎖型のブロック共重合体が好ましい。
これらのポリマーは、例えば、下記一般式(1)で示される繰り返し単位構造を有することが好ましい。
−(CH2−CH(OR1))− (1)
上記の一般式(1)において、R1は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基などのような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基を表す。また、芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい。R1の炭素数は1〜18が好ましい。
また、R1は、−(CH(R2)−CH(R3)−O)p−R4もしくは−(CH2m−(O)n−R4で表される基でもよい。この場合、R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R4は、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、またはシクロアルケニル基のような脂肪族炭化水素、フェニル基、ピリジル基、ベンジル基、トルイル基、キシリル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキレン基、ビフェニル基、フェニルピリジル基などのような、炭素原子が窒素原子で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(芳香環上の水素原子は、炭化水素基で置換されていてもよい)、−CHO、−CH2CHO、−CO−CH=CH2、−CO−C(CH3)=CH2、−CH2−CH=CH2、−CH2−C(CH3)=CH2、−CH2−COOR5などを表し、これらの基のうちの水素原子は、化学的に可能である範囲で、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子と置換されていてもよい。R4の炭素数は3〜18が好ましい。R5は水素、またはアルキル基である。pは1〜18が好ましく、mは1〜36が好ましく、nは0または1であるのが好ましい。
1およびR5において、アルキル基またはアルケニル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、オレイルなどであり、シクロアルキル基またはシクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどである。
下記にそのモノマー(I−a〜I−o)およびポリマー(II−a〜II−e)の構造を例示するが、本発明に用いられるポリビニルエーテル構造は、これらに限定されるものではない。
Figure 0004510421
Figure 0004510421
さらに、ポリビニルエーテルの繰り返し単位数(上記(II−a)〜(II−e)においては、m、n、l)は、それぞれ独立に、1〜10,000であることが好ましい。また、その合計が(上記(II−a)〜(II−e)においては、m+n+l)、10〜20,000であることがより好ましい。数平均分子量は、500〜20,000,000が好ましく、1,000〜5,000,000がより好ましく、2,000〜2,000,000が最も好ましい。また、これらの高分子分散剤がインク中に占める割合は、インク全質量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは0.5〜10質量%である。
ビニルエーテル系ポリマーブロックを有する共重合体の合成方法は、特に限定されないが、青島らによるカチオンリビング重合(特開平11−322942号公報、特開平11−322866号公報)などが好適に用いられる。カチオンリビング重合法を用いることにより長さ(分子量)を正確に揃えたホモポリマーや2成分以上のモノマーからなる共重合体、さらにはブロック共重合体、グラフトポリマー、グラデーションポリマーなどの様々なポリマーを合成することができる。また、ポリビニルエーテルは、その側鎖に様々な官能基を導入することができる。
(水溶性有機溶剤)
本発明のインクに使用する水溶性有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤であれば制限なく使用することができ、2種以上の水溶性有機溶剤の混合溶剤としても使用できる。このような混合溶剤として使用する場合は、混合した場合に液状であれば、固体の水溶性有機化合物が含有されていてもよい。
なかでも、水溶性有機溶剤が、高分子分散剤の親水性ブロック部の溶解性パラメータに対して0.0〜+10.0(J/cm31/2の範囲にある溶解性パラメータを有する水溶性有機溶剤であると、インクジェットヘッドのノズルの目詰まりがより発生しにくくなり好ましい。この溶解性パラメータ(δ(J/cm31/2)は、溶剤の凝集エネルギー密度の平方根として表され、δ=(ΔE/V)1/2(式中、ΔEは溶剤のモル蒸発熱、Vは溶媒のモル体積)の式から算出される溶剤の溶解性を示す溶剤固有の値である。例えば、水はδ=47.0、エタノールはδ=25.7、ヘキサンはδ=14.9である。また、高分子分散剤の溶解性パラメータ(δ)は、高分子分散剤の無限溶解度または最高膨潤度を与える溶剤の溶解性パラメータ=高分子の溶解性パラメータとする実験的に算出した値や、高分子分散剤の官能基の分子凝集エネルギーから算出した値である。高分子分散剤および溶剤の溶解性パラメータ(δ)を官能基の分子凝集エネルギーから算出する方法は、δ=(ΔE/V)1/2=(ΣΔei/ΣΔvi1/2(式中、ΔEはそれぞれのモル蒸発熱、Vはそれぞれのモル体積、Δeiはそれぞれの原子団の蒸発エネルギー(J/mol)、Δviはそれぞれの原子団のモル体積(cm3/mol)である。)の式から算出する方法が挙げられる。なお、原子団の蒸発エネルギーおよび原子団のモル体積は、Fedorsの値を使用して算出した。
このような水溶性有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、チオジグリコール、1,4−シクロヘキサンジオールなどのジオール類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,5−ペンタントリオールなどのトリオール類;トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトールなどのヒンダードアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコーリモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシキド、グリセリンモノアリルエーテル、ポリエチレングリコール、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジアセトンアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどである。
これらの中でも、沸点が120℃以上の水溶性有機溶剤を使用すると、ノズル先端部でのインク濃縮が抑制されるため好ましい。これらの水溶性有機溶剤のインク中に占める割合は、インク全質量に対して、好ましくは5〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
以上が本発明のインクの必須成分であるが、これらの成分以外に、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤などの各種の添加剤を添加してもよい。このような中でも、インク中に、カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物を含有させると、インクの長期保存安定性やインクの吐出安定性が向上するので好ましい。これは、高分子分散剤の親水性ブロックの負電荷を有するエーテル基などに2価の正電荷を有するカルシウムイオンやマグネシウムイオンが作用する橋かけ効果によって親水性ブロック同士の相互作用が向上し、親水性ブロック部が構成する色材粒子のカプセルの外側の形状が安定化される。このため、インク加温時などのカプセル形状が不安定になりやすい場合においてもカプセル全体が均一な形状で維持されるため、カプセル表面の電荷状態の乱れが殆ど発生せずにカプセル表面の電荷状態が均一に維持され、静電的な因子によるカプセル同士の凝集や会合が大きく低減されるようになるからと考えられる。
このようなカルシウム化合物やマグネシウム化合物のインク中の含有量としては、カルシウム化合物とマグネシウム化合物の総量(A)が高分子分散剤(B)に対して質量比で好ましくはA:B=1:100,000〜1:100の範囲、より好ましくは1:50,000〜1:200の範囲であると保存安定性がより向上するため望ましい。カルシウム化合物とマグネシウム化合物の含有量が1:100,000より少ないと色材分散体の保存安定性の向上効果が少なくなる場合や、1:100より多いとインクのノズルでの目詰まりが発生しやすくなる場合もある。インク中に添加するのに好ましいカルシウム化合物やマグネシウム化合物の具体例としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
また、インク中に、アルミニウム化合物を含有させると、高分子分散剤の疎水性ブロックおよび親水性ブロックにアルミニウム化合物が作用し、高分子分散剤同士の結合を向上させ、高分子分散剤のカプセルがより安定化されるため望ましい。これは、上記カルシウム化合物やマグネシウム化合物の場合と同様に、正電荷を表面に有するアルミニウム化合物が疎水性ブロックや親水性ブロックの負電荷を有するエーテル基に作用することで、疎水性ブロック間や親水性ブロック間の相互作用を適度に向上させ、カプセルの安定性が向上するからである。このようなアルミニウム化合物は、上記のカルシウム化合物やマグネシウム化合物と併用すると、カプセルの安定性がよりいっそう向上するため望ましい。
このアルミニウム化合物の含有量としては、インク中においてアルミニウム化合物(A)と高分子分散剤(B)とのモル比が、好ましくはA:B=1:3,000〜5:1、より好ましくは1:300〜1:20であると、カプセルの安定性がより向上するためより望ましい。アルミニウム化合物の含有量が1:3,000より少ないとカプセルの安定性の向上効果が少なくなる場合や、5:1より多いとノズルの目詰まりが発生しやすくなる場合もある。インク中に添加するのに好ましいアルミニウム化合物の具体例としては、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムなどが挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法は、インクにエネルギーを与えてインクを飛翔させて行なうインクジェット記録方法に、上記のインクを使用することである。エネルギーとしては、熱エネルギーや力学的エネルギーを用いることができるが、熱エネルギーを用いる場合が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法において、被記録材は限定されるものではないが、いわゆるインクジェット専用紙と呼ばれる、少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層を持つ被記録材が好ましく使用される。コーティング層を持つ被記録材としては、少なくとも親水性ポリマーおよび/または無機多孔質体を含有した少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層を持つ被記録材が望ましい。
次に、上記した本発明のインクを用いて記録を行なうのに好適な、本発明のインクジェット記録装置の1例を以下に説明する。
(熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置)
まず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の1例を図1および図2に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図である。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有する、ガラス、セラミック、シリコンまたはプラスチック板などと発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子基板15は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコンなどで形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金などで形成される電極17−1および17−2、HfB2、TaN、TaAlなどの高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウムなどで形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウムなどの放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
上記ヘッド13の電極17−1および17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向かって飛翔する。図3には、図1に示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの1例の外観図を示す。このマルチヘッドは、マルチノズル26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同じような発熱ヘッド28を接着して作られている。
図4に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行なう構成を備える。さらに、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62およびインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61およびインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵挨などの除去が行なわれる。
65は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行なうためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるべルト69と接続(不図示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域およびその隣接した領域の移動が可能となる。
51は被記録材を挿入するための紙給部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッド65の吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行なう場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する揚合、キャップ62およびブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行なわれる。
図5は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの1例を示す図である。ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。この栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。44は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフイン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図6に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図6において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタンを用いることが本発明にとって好ましい。また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネなどを仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
(力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置)
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい1例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録ヘッドを挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の1例を図7に示す。
ヘッドは、インク室(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート81、振動板82などを指示固定するための基板84とから構成されている。
図7において、インク流路80は、感光性樹脂などで形成され、オリフィスプレート81は、ステンレス、ニッケルなどの金属を電鋳やプレス加工による穴あけなどにより吐出口85が形成され、振動板82はステンレス、ニッケル、チタンなどの金属フィルムおよび高弾性樹脂フィルムなどで形成され、圧電素子83は、チタン酸バリウム、PZTなどの誘電体材料で形成される。以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板82を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しインク滴(不図示)をオリフィスプレート81の吐出口85より吐出して記録を行なうように動作する。このような記録ヘッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、先述と同様に行なうもので差しつかえない。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中、「部」および「%」とあるのは質量基準である。
<イエロー(Y)インク>
[実施例Y−1]
(高分子分散剤Aの作製)
疎水性ブロックと2つの親水性ブロックからなるABCトリブロック共重合体の合成:三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃で加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、疎水性モノマーとしての2−(n−オクタデカノキシ)エチルビニルエーテル12ミリモル、酢酸エチル16ミリモル、およびトルエン11cm3を加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライド0.2ミリモルを加え重合を開始し、ABCトリブロック共重合体のA成分を合成した。
分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分の重合が完了した後、次いで親水性モノマーとしての2−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシビニルエーテル(B成分)24ミリモルを添加し重合を続行した。同様にGPCで分子量をモニタリングし、B成分の重合が完了した後、親水性モノマーとしての6−(2−ビニロキシエトキシ)ヘキサノイックアシッド(C成分)のカルボン酸部をエチル基でエステル化したビニルモノマー12ミリモルを添加することで合成を行った。重合反応の停止は、系内に0.3質量%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行い、エステル化させたカルボキシル基は水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させた。反応を終えた混合溶液中にジクロロメタンを加えて希釈し、0.6Nの塩酸溶液で3回、次いで蒸留水で3回洗浄し、エバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させてABCトリブロック共重合体(高分子分散剤A)を得た。化合物の同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mn=3.7×104、Mn/Mw=1.2)。なお、得られた高分子分散剤の疎水性ブロックA部と親水性ブロックBC部の溶解性パラメータをそれぞれ求めたところ、17.5(J/cm31/2と19.8(J/cm31/2であった。
(色材分散体Y−1の作製)
C.I.ピグメントイエロー3の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に上記高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Y−1を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−1の作製)
・上記色材分散体Y−1 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[実施例Y−2]
(色材分散体Y−2の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー74に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−2を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−2の作製)
・上記色材分散体Y−2 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・5.0%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.3部
・イオン交換水 28.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:230であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:290であった。
[実施例Y−3]
(色材分散体Y−3の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー93に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−3を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−3の作製)
・上記色材分散体Y−3 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.5部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 4.0部
・イオン交換水 25.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:22であった。
[実施例Y−4]
(色材分散体Y−4の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー95に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−4を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−4の作製)
・上記色材分散体Y−4 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.3部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 48.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:53であった。
[実施例Y−5]
(色材分散体Y−5の作製)
C.I.ピグメントイエロー109の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.9部に実施例Y−1で使用した高分子分散剤A0.1部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Y−5を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−5の作製)
・上記色材分散体Y−5 60.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.1%硝酸カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 18.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:2,200であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:23であった。
[実施例Y−6]
(色材分散体Y−6の作製)
C.I.ピグメントイエロー151の0.5部とアセトン99.5部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に実施例Y−1で使用した高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水5.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Y−6を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−6の作製)
・上記色材分散体Y−6 65.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・1.0%塩化マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 13.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のマグネシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:3,900であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:210であった。
[実施例Y−7]
(色材分散体Y−7の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー128に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−7を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−7の作製)
・上記色材分散体Y−7 25.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%酸化カルシウム水溶液 2.0部
・0.1%硝酸マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 51.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物およびマグネシウム化合物の合計と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物+マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:2,400であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:55であった。
[実施例Y−8]
(高分子分散剤Bの作製)
疎水性ブロックと親水性ブロックからなるABジブロック共重合体の合成:三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下250℃で加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、疎水性モノマーとしての2−デカノキシエチルビニルエーテル12ミリモル、酢酸エチル16ミリモル、1−イソブトキシエチルアセテート0.1ミリモル、およびトルエン11cm3を加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライド0.2ミリモルを加え重合を開始し、ABジブロック共重合体のA成分を合成した。
分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、A成分の重合が完了した後、次いで親水性モノマーとしての4−(2−ビニロキシエトキシ)ベンゾイックアシッド(B成分)のカルボン酸部をエチル基でエステル化したビニルモノマー12ミリモルを添加することで合成を行った。重合反応の停止は、系内に0.3%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行い、エステル化させたカルボキシル基は水酸化ナトリウム/メタノール溶液で加水分解させてカルボン酸型に変化させた。後は実施例Y−1と同様にして、ABジブロック共重合体(高分子分散剤B)を得た。化合物の同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mn=3.5×104、Mn/Mw=1.2)。なお、得られた高分子分散剤の疎水性ブロックA部と親水性ブロックB部の溶解性パラメータをそれぞれ求めたところ17.8(J/cm31/2と24.9(J/cm31/2であった。
(色材分散体Y−8の作製)
C.I.ピグメントイエロー138の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に上記高分子分散剤Bの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Y−8を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−8の作製)
・上記色材分散体Y−8 40.0部
・グリセリン 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.2%塩化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 43.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:4,600であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:6であった。
参考例Y−9]
(高分子分散剤Cの作製)
疎水性ブロックと親水性ブロックからなるABジブロック共重合体の合成:三方活栓を取り付けたガラス容器内を窒素置換した後、窒素ガス雰囲気下、250℃で加熱し吸着水を除去した。系を室温に戻した後、疎水性モノマーとしてのイソブチルビニルエーテル12ミリモル、酢酸エチル16ミリモル、1−イソブトキシエチルアセテート0.1ミリモル、およびトルエン11cm3を加え、系内温度が0℃に達したところでエチルアルミニウムセスキクロライド0.2ミリモルを加え重合を開始し、ABジブロック共重合体のAブロックを合成した。
分子量を時分割に分子ふるいカラムクロマトグラフィー(GPC)を用いてモニタリングし、Aブロックの重合が完了した後、親水性モノマーとしての2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(Bブロック)の水酸基をトリメチルクロロシランでシリル化したビニルモノマー12ミリモルを添加することで合成を行った。重合反応の停止は、系内に0.3%のアンモニア/メタノール溶液を加えて行い、トリメチルクロロシランでシリル化した水酸基の加水分解は水を添加することで行った。反応を終えた混合溶液中にジクロロメタンを加え希釈し、0.6Nの塩酸溶液で3回、次いで蒸留水で3回洗浄し、エバポレーターで濃縮・乾固したものを真空乾燥させてABジブロック共重合体(高分子分散剤C)を得た。化合物の同定には、NMRおよびGPCを用いて行った(Mn=3.7×104、Mn/Mw=1.3)。なお、得られた高分子分散剤の疎水性ブロック(Aブロック)と親水性ブロック(Bブロック)の溶解性パラメータをそれぞれ求めたところ、17.1(J/cm31/2と29.0(J/cm31/2であった。
(色材分散体Y−9の作製)
C.I.ピグメントイエロー120の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に上記高分子分散剤Cの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Y−9を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−9の作製)
・上記色材分散体Y−9 60.0部
・グリセリン 11.0部
・エチレングリコール 9.0部
・0.02%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%塩化アルミニウム水溶液 0.2部
・イオン交換水 18.8部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:69,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:900であった。
[実施例Y−10]
(色材分散体Y−10の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー175に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−10を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−10の作製)
・上記色材分散体Y−10 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[実施例Y−11]
(色材分散体Y−11の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー183に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−11を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−11の作製)
・上記色材分散体Y−11 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[実施例Y−12]
(色材分散体Y−12の作製)
実施例Y−1の色材をC.I.ピグメントイエロー184に変更した以外は、全く実施例Y−1と同様にして、色材分散体Y−12を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクY−12の作製)
・上記色材分散体Y−12 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[比較例Y−1]
(色材分散体Y−13の作製)
実施例Y−2で使用したC.I.ピグメントイエロー74を使用し、高分子分散剤としてスチレン−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例Y−1と同様にして色材分散体Y−13を得た。
(インクY−13の作製)
・上記色材分散体Y−13 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例Y−2]
(色材分散体Y−14の作製)
実施例Y−2で使用したC.I.ピグメントイエロー74を使用し、高分子分散剤としてn−ブチルメタクリレート−メタクリル酸ブロック共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例Y−1と同様にして色材分散体Y−14を得た。
(インクY−14の作製)
・上記色材分散体Y−14 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例Y−3]
(色材分散体Y−15の作製)
参考例Y−9で使用したC.I.ピグメントイエロー120を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例Y−1と同様にして色材分散体Y−15を得た。
(インクY−15の作製)
・上記色材分散体Y−15 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例Y−4]
(インクY−16の作製)
・C.I.アシッドイエロー79 5.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 75.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
(評価)
実施例Y−1〜8、10〜12のインクと参考例Y−9のインクと比較例Y−1〜4のインクを、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF−660(キヤノン製)にそれぞれ搭載して、光沢紙SP101(キヤノン製)に印字を行い、表1に記載の評価を行った。その結果、表1に記載したように、いずれの実施例のインクも比較例のインクに比べて吐出安定性が良好で画像品位と堅牢性が良好な結果が得られた。
Figure 0004510421
*1:吐出特性
各インクを60℃で1ヶ月間保管した後、5℃で湿度が10%の環境下において、100%ベタ画像を印字し1分間休止した後、再度100%ベタ画像を印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:白スジが全く無く、正常に印字されている。
○:印字の最初の部分に僅かに白スジがみられる。
△:画像全体に白スジがみられる。
×:画像が殆ど印字されていない。
*2:画像特性
各インクを60℃で1ヶ月間保管した後、5℃で湿度が10%の環境下において25mm間隔の方眼模様を印字し、印字した画像を下記の評価基準で評価した。
◎:顕微鏡で観察しても印字が全く乱れることなく、方眼模様は25mm間隔で正常に印字されている。
○:顕微鏡で観察すると一部に印字の乱れがみられるが、方眼模様は25mm間隔に印字されている。
△:肉眼でも一部に印字の乱れがみられ、方眼模様の一部が25mm間隔からずれている。
×:全体で印字の乱れが肉眼でみられ、方眼模様の全体が25mm間隔からずれている。
*3:耐光性
印字物にキセノンランプを100時間照射した後の画像の反射濃度を測定し、耐光性試験前と耐光性試験後の反射濃度の残存率を求め耐水性の尺度とした。評価基準は下記の通りとした。
○:画像濃度の残存率が95%以上。
△:画像濃度の残存率が90%以上95%未満。
×:画像濃度の残存率が90%未満。
*4:耐水性
印字から12時間以上放置後、印字物を5分間水道水中に静止し、水を乾燥させた後の画像の反射濃度を測定し、耐水性試験前と耐水性試験後の反射濃度の残存率を求め耐水性の尺度とした。評価基準は下記の通りとした。
○:画像濃度の残存率が90%以上。
△:画像濃度の残存率が80%以上90%未満。
×:画像濃度の残存率が80%未満。
<ブラック(Bk)インク>
高分子分散剤については、イエローインクに用いたと同じ高分子分散剤を使用した。
[実施例Bk−1]
(色材分散体Bk−1の作製)
C.I.ピグメントブラック7の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Bk−1を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−1の作製)
・上記色材分散体Bk−1 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[実施例Bk−2]
(色材分散体Bk−2の作製)
実施例Bk−1の色材をC.I.ピグメントブラック1に変更した以外は、全く実施例Bk−1と同様にして、色材分散体Bk−2を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−2の作製)
・上記色材分散体Bk−2 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・5.0%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.3部
・イオン交換水 28.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:230であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:290であった。
[実施例Bk−3]
(色材分散体Bk−3の作製)
実施例Bk−1の色材をC.I.ピグメントブラック10に変更した以外は、全く実施例Bk−1と同様にして、色材分散体Bk−3を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−3の作製)
・上記色材分散体Bk−3 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.5部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 4.0部
・イオン交換水 25.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:22であった。
[実施例Bk−4]
(色材分散体Bk−4の作製)
C.I.ピグメントブラック1の0.95部およびC.I.ピグメントイエロー154を0.05部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Bk−4を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−4の作製)
・上記色材分散体Bk−4 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.3部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 48.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:53であった。
[実施例Bk−5]
(色材分散体Bk−5の作製)
C.I.ピグメントブラック31の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.9部に実施例Bk−1で使用した高分子分散剤A0.1部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Bk−5を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−5の作製)
・上記色材分散体Bk−5 60.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.1%硝酸カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 18.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:2,200であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:23であった。
[実施例Bk−6]
(色材分散体Bk−6の作製)
C.I.ピグメントブラック32の0.5部とアセトン99.5部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に実施例Bk−1で使用した高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水5.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Bk−6を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−6の作製)
・上記色材分散体Bk−6 65.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・1.0%塩化マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 13.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のマグネシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:3,900であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:210であった。
[実施例Bk−7]
(インクBk−7の作製)
・上記色材分散体Bk−3 25.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%酸化カルシウム水溶液 2.0部
・0.1%硝酸マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 51.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物およびマグネシウム化合物の合計と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物+マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:2,400であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:55であった。
[実施例Bk−8]
(色材分散体Bk−7の作製)
C.I.ピグメントブラック1の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Bの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Bk−7を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−8の作製)
・上記色材分散体Bk−7 40.0部
・グリセリン 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.2%塩化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 43.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:4,600であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:6であった。
参考例Bk−9]
(色材分散体Bk−8の作製)
C.I.ピグメントブラック7の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Cの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体Bk−8を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクBk−9の作製)
・上記色材分散体Bk−8 60.0部
・グリセリン 11.0部
・エチレングリコール 9.0部
・0.02%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%塩化アルミニウム水溶液 0.2部
・イオン交換水 18.8部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:69,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:900であった。
[比較例Bk−1]
(色材分散体Bk−9の作製)
実施例Bk−1で使用したC.I.ピグメントブラック7を使用し、高分子分散剤としてスチレン−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例Bk−1と同様にして色材分散体Bk−9を得た。
(インクBk−10の作製)
・上記色材分散体Bk−9 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例Bk−2]
(色材分散体Bk−10の作製)
実施例Bk−1で使用したC.I.ピグメントブラック7を使用し、高分子分散剤としてn−ブチルメタクリレート−メタクリル酸ブロック共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例Bk−1と同様にして色材分散体Bk−10を得た。
(インクBk−11の作製)
・上記色材分散体Bk−10 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例Bk−3]
(色材分散体Bk−11の作製)
実施例Bk−2で使用したC.I.ピグメントブラック1を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例Bk−1と同様にして色材分散体Bk−11を得た。
(インクBk−12の作製)
・上記色材分散体Bk−11 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例Bk−4]
(インクBk−13の作製)
・C.I.フードブラック1 5.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 75.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
(評価)
イエローインクの場合と同様にして印字を行い、表2に記載の評価を行った。その結果、表2に記載したように、いずれの実施例のインクも比較例のインクに比べて吐出安定性が良好で画像品位と堅牢性が良好な結果が得られた。
Figure 0004510421
*1:吐出特性(イエローインクの場合と同じ。)
*2:画像特性(イエローインクの場合と同じ。)
*3:耐光性
印字物にキセノンランプを100時間照射した後の画像の反射濃度を測定し、耐光性試験前と耐光性試験後の反射濃度の残存率を求め耐水性の尺度とした。評価基準は下記の通りとした。
○:画像濃度の残存率が90%以上。
△:画像濃度の残存率が80%以上90%未満。
×:画像濃度の残存率が80%未満。
*4:耐水性(イエローインクの場合と同じ。)
<マゼンタ(M)インク>
高分子分散剤については、イエローインクに用いたと同じ高分子分散剤を使用した。
[実施例M−1]
(色材分散体M−1の作製)
C.I.ピグメントレッド12の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体M−1を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−1の作製)
・上記色材分散体M−1 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[実施例M−2]
(色材分散体M−2の作製)
実施例M−1の色材をC.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、全く実施例M−1と同様にして、色材分散体M−2を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−2の作製)
・上記色材分散体M−2 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・5.0%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.3部
・イオン交換水 28.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:230であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:290であった。
[実施例M−3]
(色材分散体M−3の作製)
実施例M−1の色材をC.I.ピグメントレッド184に変更した以外は、全く実施例M−1と同様にして、色材分散体M−3を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−3の作製)
・上記色材分散体M−3 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.5部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 4.0部
・イオン交換水 25.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:22であった。
[実施例M−4]
(色材分散体M−4の作製)
実施例M−1の色材をC.I.ピグメントレッド202に変更した以外は、全く実施例M−1と同様にして、色材分散体M−4を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−4の作製)
・上記色材分散体M−4 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.3部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 48.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:53であった。
[実施例M−5]
(色材分散体M−5の作製)
C.I.ピグメントバイオレット19の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.9部に実施例M−1で使用した高分子分散剤A0.1部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体M−5を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−5の作製)
・上記色材分散体M−5 60.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.1%硝酸カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 18.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:2,200であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:23であった。
[実施例M−6]
(色材分散体M−6の作製)
C.I.ピグメントバイオレット32の0.5部とアセトン99.5部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に実施例M−1で使用した高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水5.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体M−6を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−6の作製)
・上記色材分散体M−6 65.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・1.0%塩化マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 13.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のマグネシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:3,900であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:210であった。
[実施例M−7]
(インクM−7の作製)
・上記色材分散体M−2 25.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%酸化カルシウム水溶液 2.0部
・0.1%硝酸マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 51.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物およびマグネシウム化合物の合計と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物+マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:2,400であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:55であった。
[実施例M−8]
(色材分散体M−7の作製)
C.I.ピグメントレッド184の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Bの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体M−7を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−8の作製)
・上記色材分散体M−7 40.0部
・グリセリン 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.2%塩化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 43.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:4,600であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:6であった。
参考例M−9]
(色材分散体M−8の作製)
C.I.ピグメントレッド122の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Cの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体M−8を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクM−9の作製)
・上記色材分散体M−8 60.0部
・グリセリン 11.0部
・エチレングリコール 9.0部
・0.02%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%塩化アルミニウム水溶液 0.2部
・イオン交換水 18.8部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:69,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:900であった。
[比較例M−1]
(色材分散体M−9の作製)
実施例M−2で使用したC.I.ピグメントレッド122を使用し、高分子分散剤としてスチレン−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例M−1と同様にして色材分散体M−9を得た。
(インクM−10の作製)
・上記色材分散体M−9 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例M−2]
(色材分散体M−10の作製)
実施例M−2で使用したC.I.ピグメントレッド122を使用し、高分子分散剤としてn−ブチルメタクリレート−メタクリル酸ブロック共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例M−1と同様にして色材分散体M−10を得た。
(インクM−11の作製)
・上記色材分散体M−10 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例M−3]
(色材分散体M−11の作製)
実施例M−3で使用したC.I.ピグメントレッド184を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例M−1と同様にして色材分散体M−11を得た。
(インクM−12の作製)
・上記色材分散体M−11 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例M−4]
(インクM−13の作製)
・C.I.ダイレクトレッド80 5.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 75.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
(評価)
ブラックインクの場合と同じ方法および同じ基準にて表3に記載の評価を行った。その結果、表3に記載したように、いずれの実施例のインクも比較例のインクに比べて吐出安定性が良好で画像品位と堅牢性が良好な結果が得られた。
Figure 0004510421
<シアン(C)インク>
高分子分散剤については、イエローインクに用いたと同じ高分子分散剤を使用した。
[実施例C−1]
(色材分散体C−1の作製)
C.I.ピグメントブルー16の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体C−1を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−1の作製)
・上記色材分散体C−1 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:5,800であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:90であった。
[実施例C−2]
(色材分散体C−2の作製)
実施例C−1の色材をC.I.ピグメントブルー15:1に変更した以外は、全く実施例C−1と同様にして、色材分散体C−2を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−2の作製)
・上記色材分散体C−2 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・5.0%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.3部
・イオン交換水 28.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:230であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:290であった。
[実施例C−3]
(色材分散体C−3の作製)
実施例C−1の色材をC.I.ピグメントブルー15:2に変更した以外は、全く実施例C−1と同様にして、色材分散体C−3を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−3の作製)
・上記色材分散体C−3 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.5部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 4.0部
・イオン交換水 25.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:22であった。
[実施例C−4]
(色材分散体C−4の作製)
実施例C−1の色材をC.I.ピグメントブルー15:3に変更した以外は、全く実施例C−1と同様にして、色材分散体C−4を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−4の作製)
・上記色材分散体C−4 30.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%塩化カルシウム水溶液 0.3部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 48.7部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:46,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:53であった。
[実施例C−5]
(色材分散体C−5の作製)
C.I.ピグメントブルー15:4の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.9部に実施例C−1で使用した高分子分散剤A0.1部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体C−5を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−5の作製)
・上記色材分散体C−5 60.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.1%硝酸カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 18.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:2,200であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:23であった。
[実施例C−6]
(色材分散体C−6の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6の0.5部とアセトン99.5部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に実施例C−1で使用した高分子分散剤Aの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水5.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体C−6を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−6の作製)
・上記色材分散体C−6 65.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・1.0%塩化マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 13.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のマグネシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:3,900であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:210であった。
[実施例C−7]
(色材分散体C−7の作製)
実施例C−1の色材をC.I.ピグメントグリーン7に変更した以外は、全く実施例C−1と同様にして、色材分散体C−7を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−7の作製)
・上記色材分散体C−7 25.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.05%酸化カルシウム水溶液 2.0部
・0.1%硝酸マグネシウム水溶液 1.0部
・0.01%酸化アルミニウム水溶液 0.5部
・イオン交換水 51.5部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物およびマグネシウム化合物の合計と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物+マグネシウム化合物:高分子分散剤=1:2,400であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:55であった。
[実施例C−8]
(色材分散体C−8の作製)
C.I.ピグメントブルー15:3の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Bの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体C−8を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−8の作製)
・上記色材分散体C−8 40.0部
・グリセリン 5.0部
・ジエチレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.2%塩化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 43.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:4,600であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:6であった。
参考例C−9]
(色材分散体C−9の作製)
C.I.ピグメントブルー15:6の1.0部とアセトン99.0部を混合し、40℃に加温して均一に混合するようによく攪拌した。この混合溶液を、アセトン99.0部に前記高分子分散剤Cの1.0部を溶解した溶液中に添加し混合した後、水10.0部を添加した。その後、ロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、色材分散体C−9を得た。得られた色材分散体中のアセトンの濃度をガスクロマトグラフィーで分析したが、検出されず、色材分散体中には残留していないと判断される結果であった。
(インクC−9の作製)
・上記色材分散体C−9 60.0部
・グリセリン 11.0部
・エチレングリコール 9.0部
・0.02%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%塩化アルミニウム水溶液 0.2部
・イオン交換水 18.8部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、目的のインクを得た。得られたインク中のカルシウム化合物と高分子分散剤の質量比およびアルミニウム化合物と高分子分散剤のモル比をそれぞれ測定したところ、カルシウム化合物:高分子分散剤=1:69,000であり、アルミニウム化合物:高分子分散剤=1:900であった。
[比較例C−1]
(色材分散体C−10の作製)
実施例C−1で使用したC.I.ピグメントブルー16を使用し、高分子分散剤としてスチレン−マレイン酸ランダム共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例C−1と同様にして色材分散体C−10を得た。
(インクC−10の作製)
・上記色材分散体C−10 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・0.2%塩化カルシウム水溶液 1.0部
・0.01%水酸化アルミニウム水溶液 1.0部
・イオン交換水 28.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例C−2]
(色材分散体C−11の作製)
実施例C−4で使用したC.I.ピグメントブルー15:3を使用し、高分子分散剤としてn−ブチルメタクリレート−メタクリル酸ブロック共重合体(数平均分子量10,000)を使用した以外は実施例C−1と同様にして色材分散体C−11を得た。
(インクC−11の作製)
・上記色材分散体C−11 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例C−3]
(色材分散体C−12の作製)
実施例C−2で使用したC.I.ピグメントブルー15:1を使用し、分散剤としてポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(HLB12.9)を使用した以外は実施例C−1と同様にして色材分散体C−12を得た。
(インクC−12の作製)
・上記色材分散体C−12 50.0部
・トリエチレングリコール 10.0部
・トリプロピレングリコール 10.0部
・イオン交換水 30.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
[比較例C−4]
(インクC−13の作製)
・C.I.ダイレクトブルー199 5.0部
・トリプロピレングリコール 20.0部
・イオン交換水 75.0部
以上の成分を混合し、充分攪拌して、インクを得た。
(評価)
前記イエローインクの場合と同じ方法および評価基準で表4に記載の評価を行った。その結果、表4に記載したように、いずれの実施例のインクも比較例のインクに比べて吐出安定性が良好で画像品位と堅牢性が良好な結果が得られた。
Figure 0004510421
以上説明したように、本発明によれば、高い堅牢性を有し品位に優れた画像をどのような場合でも長期にわたって安定して記録することのできるインクを提供することができ、さらには堅牢性と品位に優れた画像を記録し得るインクジェット記録方法、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置を提供することができる。
インクジェット記録装置のヘッドの1例を示す縦断面図である。 インクジェット記録装置のヘッドの1例を示す横断面図である。 図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図である。 インクジェット記録装置の1例を示す概略斜視図である。 インクカートリッジの1例を示す縦断面図である。 記録ユニットの1例を示す斜視図である。 インクジェット記録ヘッドの別の構成例を示す概略断面図である。
符号の説明
13:ヘッド
14:インク溝
15:発熱ヘッド
16:保護膜
17−1、17−2:電極
18:発熱抵抗体層
19:蓄熱層
20:基板
21:インク
22:吐出オリフィス(微細孔)
23:メニスカス
24:インク小滴
25:被記録材
26:マルチ溝
27:ガラス板
28:発熱ヘッド
40:インク袋
42:栓
44:インク吸収体
45:インクカートリッジ
51:給紙部
52:紙送りローラー
53:排紙ローラー
61:ブレード
62:キャップ
63:インク吸収体
64:吐出回復部
65:記録ヘッド
66:キャリッジ
67:ガイド軸
68:モーター
69:ベルト
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
80:インク流路
81:オリフィスプレート
82:振動板
83:圧電素子
84:基板
85:吐出口

Claims (18)

  1. 高分子分散剤、水不溶性色材としてC.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー183およびC.I.ピグメントイエロー184からなる群から選ばれる少なくとも1種、水溶性有機溶剤、カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物、および水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、該高分子分散剤が、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを有し、各ブロックがモノマーとしてビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体であり、該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物が、カルシウムの塩化物、カルシウムの硝酸塩、カルシウムの酸化物、マグネシウムの塩化物、マグネシウムの硝酸塩、マグネシウムの酸化物から選ばれる少なくとも1つであって、インク中の該高分子分散剤の含有量が0.5質量%〜10.0質量%であり、かつインク中の該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物の総量(A)に対する該高分子分散剤の含有量(B)の質量比がA:B=1:50,000〜1:200の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 高分子分散剤、水不溶性色材としてC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック10、C.I.ピグメントブラック31およびC.I.ピグメントブラック32からなる群から選ばれる少なくとも1種、水溶性有機溶剤、カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物、および水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、該高分子分散剤が、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを有し、各ブロックがモノマーとしてビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体であり、該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物が、カルシウムの塩化物、カルシウムの硝酸塩、カルシウムの酸化物、マグネシウムの塩化物、マグネシウムの硝酸塩、マグネシウムの酸化物から選ばれる少なくとも1つであって、インク中の該高分子分散剤の含有量が0.5質量%〜10.0質量%であり、かつインク中の該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物の総量(A)に対する該高分子分散剤の含有量(B)の質量比がA:B=1:50,000〜1:200の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  3. 高分子分散剤、水不溶性色材としてC.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントバイオレット19およびC.I.ピグメントバイオレット32からなる群から選ばれる少なくとも1種、水溶性有機溶剤、カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物、および水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、該高分子分散剤が、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを有し、各ブロックがモノマーとしてビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体であり、該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物が、カルシウムの塩化物、カルシウムの硝酸塩、カルシウムの酸化物、マグネシウムの塩化物、マグネシウムの硝酸塩、マグネシウムの酸化物から選ばれる少なくとも1つであって、インク中の該高分子分散剤の含有量が0.5質量%〜10.0質量%であり、かつインク中の該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物の総量(A)に対する該高分子分散剤の含有量(B)の質量比がA:B=1:50,000〜1:200の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  4. 高分子分散剤、水不溶性色材としてC.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントグリーン7からなる群から選ばれる少なくとも1種、水溶性有機溶剤、カルシウム化合物および/またはマグネシウム化合物、および水を含有するインクジェット記録用インクにおいて、該高分子分散剤が、少なくとも1種の疎水性ブロックと少なくとも1種の親水性ブロックとを有し、各ブロックがモノマーとしてビニルエーテル類から構成されたブロック共重合体であり、該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物が、カルシウムの塩化物、カルシウムの硝酸塩、カルシウムの酸化物、マグネシウムの塩化物、マグネシウムの硝酸塩、マグネシウムの酸化物から選ばれる少なくとも1つであって、インク中の該高分子分散剤の含有量が0.5質量%〜10.0質量%であり、かつインク中の該カルシウム化合物および/または該マグネシウム化合物の総量(A)に対する該高分子分散剤の含有量(B)の質量比がA:B=1:50,000〜1:200の範囲であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  5. 前記カルシウム化合物および/または前記マグネシウム化合物が塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  6. さらにインク中にアルミニウム化合物を含有する請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  7. 前記アルミニウム化合物が、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、塩化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つである請求項6に記載のインクジェット記録用インク。
  8. インク中のアルミニウムの含有量が0.00002質量%〜0.002質量%である請求項6または7に記載のインクジェット記録用インク。
  9. 前記水不溶性色材が前記高分子分散剤によりカプセル化されている請求項1〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  10. 前記高分子分散剤の親水性ブロックが、アニオン性のビニルエーテル類から構成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  11. 前記高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のビニルエーテル類から構成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  12. 前記高分子分散剤の親水性ブロックが、非イオン性のビニルエーテル類から構成されているブロックと、アニオン性のビニルエーテル類から構成されているブロックとを少なくとも含む請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  13. 前記高分子分散剤が、疎水性のビニルエーテル類で構成されたブロック、非イオン性の親水性ビニルエーテル類から構成されたブロック、およびアニオン性の親水性ビニルエーテル類から構成されたブロックの順番で少なくとも構成されている請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク。
  14. インクにエネルギーを与えて、該インクを飛翔させて被記録材に付与して行うインクジェット記録方法において、該インクが、請求項1〜1のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. 前記エネルギーが、熱エネルギーである請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  16. 前記被記録材が、少なくとも一方の面にインクを受容するコーティング層をもつ被記録材である請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  17. インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、該インクが請求項1〜1のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  18. インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジと、該インクを吐出させるためのヘッド部を備えたインクジェット記録装置において、該インクが請求項1〜1のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
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