JP3831941B2 - インクセット並びにこれを用いた記録方法及び記録物 - Google Patents

インクセット並びにこれを用いた記録方法及び記録物 Download PDF

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    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/40Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ある光源を用いて見た印刷物(カラー記録画像)の色彩と、他の光源を用いて見た同一印刷物の色彩とが、同一にならないという現象〔メタメリズム(metamerizm;光源依存)〕を解消したインクセットに関する。また、本発明の特定の実施形態は、さらに印字安定性及び耐光性も良好なインクセットに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から、鮮明で高品質なカラー画像を形成するために、種々のインクセットが開発されている。
【0003】
特開平11−228888号公報では、インクジェット記録装置及び記録媒体と共に使用され、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを含有するインクセットにおいて、各インクがそれぞれ、特定範囲内の平均粒子径を有し且つインク中の含有量が特定範囲内にある特定種類の顔料と、該顔料分に対する含有割合が特定範囲内にある分散剤と、水系媒体とを少なくとも含有する、インクジェット記録用インクセットが提案されている。
【0004】
また、特開平10−120956号公報では、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクからなるインクジェット記録用インクセットであって、シアンインクとしてC.I.ピグメントブルー60、22、64又は21と、C.I.ピグメントブルー15:3とを組み合わせて用いたインクセットや、このシアンインクと、C.I−ピグメントイエロー109及びC.I−ピグメントイエロー110を含んでなるイエローインク並びにC.I−ピグメントレッド122又はC.I−ピグメントレッド209を含んでなるマゼンタインクと組み合わされたインクセットが提案されている。
【0005】
しかし、従来提案されているインクセットでは、紙等の記録媒体に印刷してできる印刷物(カラー記録画像)が、光源(蛍光灯、白熱灯、太陽光等)の違いによって色差を生じていた。即ち、ある光源を用いて見た印刷物の色彩と、他の光源を用いて見た同一印刷物の色彩とが、同一にならないという現象(メタメリズム)が起こっていた。一般に、メタメリズムとは、分光分布の異なる二色が一定の照明条件等の下で等しい色に見え、照明条件等を変えると、この二色は異なった色に見える現象をいう。尚、ここでいう照明条件等の中には、照明条件だけでなく光の温度や、見る人の色覚特性も含まれる。このメタメリズムは、照明光や物体色の評価に用いられるが、工業製品のメタメリズムは、カラーマッチング上の問題となることが多い。
【0006】
従って、本発明の目的は、前記のような優れた顔料を用いて、メタメリズムを解消したインクセットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究した結果、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを含むインクセットにおいて、インクジェット出力により調色した出力色の反射光が特定の分光特性を有するインクセットが、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
【0008】
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを含むインクセットにおいて、
インクセット中のインクをインクジェット出力により調色し、その出力色が、D50光源においてのCIEで規定されるL空間座標で(L,a,b)=(50,0,0)であるとき、その出力色の光源波長400〜700nmにおける反射率の最大値と最小値との差が20%以内となることを特徴とするインクセットを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、前記イエローインクが、そのインクジェット出力による出力色のD50光源での光源波長500nmにおける反射率50%以下のものである前記インクセットを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、前記イエローインクが、そのインクジェット出力による出力色のD50光源での光源波長540nmにおける反射率55〜80%のものである前記インクセットを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、前記イエローインクが、着色剤としてイエロー顔料を含有する、前記インクセットを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、前記イエロー顔料が、C.I.ピグメントイエロー110である、前記インクセットを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、前記マゼンタインクがC.I.ピグメントレッド122および/またはC.I.ピグメントレッド202を含有し、前記シアンインクがC.I.ピグメントブルー15:3および/またはC.I.ピグメントブルー15:4を含有する前記インクセットを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクは、それぞれ着色剤として顔料を含有すると共に、該顔料を分散させる分散剤として、下記ブロックコポリマー(I)を含有する、前記インクセットを提供するものである。
AB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー …(I)
〔(I)におけるAB、ABA、またはABC構造中、
Aブロックは親水性であり、
Bブロックは疎水性であって、かつ、
(1) CH=CH−R
(但し、RはC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である)、
(2) CH=CH−OR
(但し、RはC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である)、
(3) CH=CH−O−C(O)−R
(但し、Rは上記(2)の通りである)、および
(4) CH=CH−NR
(但し、RおよびRは、RとRの両方ともがHであることはないことを条件として、H、並びにC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、およびアルカリール基からなる群から独立して選択される)、からなる群より選択される非アクリルモノマーを、Bブロックの重量に基づいて少なくとも30重量%含んでなるものであり、さらに
Cブロックは任意に選択可能なものである。〕
【0015】
また、本発明は、前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクが、それぞれ1,2−アルカンジオールを含有する、前記インクセットを提供するものである。
【0016】
また、本発明は、さらに、グリーンインクを備える、前記インクセットを提供するものである。
【0017】
また、本発明は、前記グリーンインクが、着色剤としてグリーン顔料を含有する前記インクセットを提供するものである。
【0018】
また、本発明は、前記グリーン顔料が、C.I.ピグメントグリーン7及び/又はC.I.ピグメントグリーン36である前記インクセットを提供するものである。
【0019】
また、本発明は、さらに、ブラックインクを備える、前記インクセットを提供するものである。
【0020】
また、本発明は、さらに、ライトマゼンタインク及びライトシアンインクを備える、前記インクセットを提供するものである。
【0021】
また、本発明は、さらに、ブラックインク、ライトマゼンタインク及びライトシアンインクを備え、かつ、前記ブラックインク、前記ライトマゼンタインク、前記ライトシアンインクは、それぞれ着色剤として顔料を含有すると共に、該顔料を分散させる分散剤として、下記ブロックコポリマー(I)を含有する、請求項1〜11の何れかに記載のインクセット。
AB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー …(I)
〔(I)におけるAB、ABA、またはABC構造中、
Aブロックは親水性であり、
Bブロックは疎水性であって、かつ、
(1) CH=CH−R
(但し、RはC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である)、
(2) CH=CH−OR
(但し、RはC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である)、
(3) CH=CH−O−C(O)−R
(但し、Rは上記(2)の通りである)、および
(4) CH=CH−NR
(但し、RおよびRは、RとRの両方ともがHであることはないことを条件として、H、並びにC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、およびアルカリール基からなる群から独立して選択される)、からなる群より選択される非アクリルモノマーを、Bブロックの重量に基づいて少なくとも30重量%含んでなるものであり、さらに
Cブロックは任意に選択可能なものである。〕
【0022】
また、本発明は、前記ブラックインク、前記ライトマゼンタインク及び前記ライトシアンインクが、それぞれ1,2−アルカンジオールを含有する、前記インクセットを提供するものである。
【0023】
また、本発明は、前記インクセットを使用して記録媒体に画像を形成することを特徴とする記録方法を提供するものである。
【0024】
また、本発明は、前記インクセットを使用して記録媒体に画像が形成されてなることを特徴とする記録物を提供するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明は、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを含むインクセットにおいて、インクセット中のインクをインクジェット出力により調色し、その出力色が、D50光源においてのCIEで規定されるL空間座標で(L,a,b)=(50,0,0)であるとき、その出力色の光源波長400〜700nmにおける反射率の最大値と最小値との差が20%以内となるものである。
かかる構成とすることにより、このインクセットでカラー画像を印刷した場合に、ある光源を用いて見た印刷物の色彩と、他の光源を用いて見た同一印刷物の色彩とが、同一にならないという現象〔メタメリズム(metamerizm;光源依存)〕(以下、この現象を単に「メタメリズム」という。)を解消したものである。
ここで、前記出力色の前記反射率の最大値と最小値との差が20%を超えると、メタメリズムを解消することができない。
尚、本明細書において「出力色」というときは、上記のように出力により調色したものの他、単色のまま出力したものも含み、例えば、記録媒体等に出力画像を形成したときのその画像の色をいう。
【0026】
前記出力色の前記反射率の最大値と最小値との差は、特に15%以内であると、より一層メタメリズムを解消することができるため好ましい。
【0027】
CIEで規定されるL空間座標で(L,a,b)=(50,0,0)となる色を形成するには、通常のインクジェットプリンタ等を用いてインクジェット出力により、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを含むインクセット中の全てのインクを適宜な割合で調色して、記録媒体等に出力すること等によって形成される。
【0028】
本発明のインクセットは、この調色した出力色の特定光源での反射光が特定の分光特性を有するものとしたことで、カラー記録画像のメタメリズムを解消させたものである。具体的には、出力色がD50光源においてのCIE(国際照明委員会)で規定されるL空間座標で(L,a,b)=(50,0,0)であるとき、その出力色の光源波長400〜700nmにおける反射率が前記範囲内のものとしたものである。
【0029】
(イエローインク)
本発明の好ましい態様によれば、イエローインクは、インクジェット出力によりイエロー画像を形成したときの、D50光源での光源波長500nmにおける前記イエロー画像の反射率が50%以下で、D50光源での光源波長540nmにおける前記イエロー画像の反射率が55〜80%となるものである。このイエローインクを使用することで、メタメリズムの解消を向上させることができる。特に、D50光源での光源波長500nmにおける前記イエロー画像の反射率が30%以下で、D50光源での光源波長540nmにおける前記イエロー画像の反射率が60〜75%となるものを使用することで、メタメリズムの解消を更に向上させることができる。
尚、イエロー画像を形成する際の条件は、通常のインクジェットプリンタ等を用いてインクジェット出力により、イエローインクを記録媒体等に出力すること等によって形成する通常の条件と同様である。
【0030】
前記イエロー画像の前記光源波長500nmにおける反射率が50%以下で、同540nmにおける反射率が55〜80%となるような前記イエローインクとしては、着色剤として、イエロー顔料を含むものが好ましいが、イエロー染料を含むものであってもよい。
特に、イエローインクは、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー110を含むものが好ましい。
【0031】
また、イエローインクは、イエロー顔料とともに、水を含んでなることが好ましい。顔料は一般に水には不溶であるため、顔料を水系インクに添加する際には、顔料を分散剤と呼ばれる樹脂等と共に混合し、水に安定分散させた後にインクとして調製される。
以下、顔料を使用する場合について詳述する。
顔料は、その種類、粒径、用いる樹脂の種類、および分散手段等を適宜調節することにより、水系に安定に分散させることができる。
【0032】
顔料のインクへの添加量は耐光性および耐水性に加え、良好な色相を有する画像を実現できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば10重量%以下が好ましい。
【0033】
上記顔料は、分散剤又は界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。
【0034】
また、顔料を分散させる分散剤として特に好適なものとしては、AB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー(I)が挙げられる。このブロックコポリマー(I)は、良好な印字安定性及び耐光性が得られる点で好ましく使用される。尚、このブロックポリマー(I)は、特開平11−269418号公報に記載の分散剤である。
ここで、(I)におけるAB、ABA、またはABC構造中、Aブロックは親水性であり、Bブロックは疎水性であって、かつ、下記(1)〜(4)からなる群より選択される非アクリルモノマーを、Bブロックの重量に基づいて少なくとも30重量%含んでなるものであり、さらにCブロックは任意に選択可能なものである。
【0035】
(1) CH=CH−R
(但し、RはC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である;なお、ここで置換とは、例えばヒドロキシ、アミノ、エステル、酸、アシロキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシを含む重合プロセスを妨害しない1個または2個以上の置換基を含有する、アルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基を意味する。具体例としては、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルシクロヘキサン、ビニルトルエン、ビニルアニソール、ビニルビフェニル、ビニル2−ノルボルネンなどが挙げられる)、
【0036】
(2) CH=CH−OR
(但し、RはC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である;なおここで置換とは、前記したとおりであり、具体例としては、ビニルn−プロピルエーテル、ビニルt−ブチルエーテル、ビニルデシルエーテル、ビニルイソ−オクチルエーテル、ビニルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルエーテルなどが挙げられる)、
【0037】
(3) CH=CH−O−C(O)−R
(但し、Rは上記(2)の通りである;なお具体例としては、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルn−デカノエート、ビニルステアレート、ビニルラウレート、ビニルベンゾエートなどが挙げられる)、および
【0038】
(4) CH=CH−NR
(但し、RおよびRは、RとRの両方ともがHであることはないことを条件として、H、並びにC〜C20である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、およびアルカリール基からなる群から独立して選択される;なお、ここで置換は、前記したとおりであり、また、この具体例としては、N−ビニルカルバゾール、ビニルフタルイミドなどが挙げられる)。
【0039】
前記したAB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマーにおいて、前記各文字はブロックコポリマーのブロックを示す。すなわち、異なる文字は異なるモノマー組成を有するブロックを、また同じ文字は同じモノマー組成を有するブロックを示す。したがって、ABブロックコポリマーは2個のブロックが異なるジブロックであり、また、ABAブロックコポリマーは3個のブロックであって、2個の異なるブロックのみ(即ち2個のAブロックは同じである)を含むものである。ABCブロックコポリマーも3個のブロックを含むが、3個のすべてのブロックが互いに異なるものを意味する。
【0040】
また前記構造においては、いずれのブロックコポリマーが使用されようともBブロックは疎水性であり、かつ着色剤と結合することができるものである。またAブロックは親水性であり、かつ水性ビヒクルに可溶なものである。第3のブロック(AブロックまたはCブロックのいずれか)は任意に選択可能であり、ポリマーの疎水性と親水性のバランスを微調整するために使用することができる。したがって、この第3のブロックは、ABAのように、親水性ブロックと同じ組成を有してもよく、または、ABCのように、AもしくはBのいずれとも異なる組成を有していてもよい。なお、ここで水性ビヒクルとは、通常、水および水溶性有機溶媒のことをいう。
【0041】
疎水性ブロックのサイズは、顔料表面に効果的な結合が生じるように充分に大きいことが必要である。数平均分子量は少なくとも300、好ましくは少なくとも500である。親水性ブロックも、安定した分散のための立体安定化メカニズムおよび静電安定化メカニズムをもたらすのに充分大きいことが必要であり、そして、ポリマー全体が水性ビヒクルに可溶であるように、疎水性ブロックのサイズと均衡を保たれていることが望ましい。
【0042】
前記疎水性ブロックとしては、他のエチレン性不飽和モノマー、即ちアクリルモノマーも含有してもよい。このようなモノマーの具体例としては、C〜C20であるアクリル酸、またはメタクリル酸のエステルが含まれてもよく、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。
【0043】
前記した親水性ブロックは、エチレン性不飽和モノマーから調製することができる。この親水性ブロックは、選択された水性ビヒクルに可溶性であることが必要であり、そして親水性ブロックの全重量に基づいて、イオン化できるモノマーを100重量%まで、好ましくは少なくとも50重量%含有してもよい。イオン性モノマーの選択は、選択される用途に対する所望のインキのイオン特性による。陰イオンブロックコポリマー分散剤の場合、イオン性モノマーは主として酸基、または酸前駆体基を含有するモノマーである。有用なモノマーの具体例には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、フマル酸、フマル酸モノエステルなどが含まれる。
【0044】
陽イオンブロックコポリマー分散剤の場合、親水性部分に好ましいイオン性モノマーはアミン含有モノマーである。アミン基は、第一級、第二級、あるいは第三級アミン基、またはこれらの混合物であってもよい。アミン含有モノマーの具体例には、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、2−N−モルホリノエチルアクリレート、2−N−モルホリノエチルメタクリレート、4−アミノスチレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ビニルイミダゾールなどが含まれる。
【0045】
非イオン性の親水性モノマーまたは水溶性モノマーを適宜使用して、疎水性/親水性バランスを微調整し、かつブロックコポリマーの溶解特性を調整することもできる。これらは、疎水性ブロックもしくは親水性ブロック、またはABCブロックコポリマーのCブロックなど第三の別のブロックのいずれかへと容易に共重合されて、所望の効果を達成することができる。有用な具体例としては、炭素原子1〜12個のアルキル基を有するアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートが挙げられ、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなど、並びにアクリルアミドおよびメタクリルアミドである。
【0046】
本発明において使用可能な分散剤としての該ブロックコポリマーは、中間体としてマクロモノマーを使用して、複数のブロックを同時に連続的に作ることにより効率的に製造することができる。末端の重合可能な二重結合を有するマクロモノマーは、ブロックコポリマーのブロックの一つになり、そして初めに調製される。次いでそれを第2ブロック用に選択されたモノマーと共重合させる。ABAおよびABCトリブロックコポリマーの場合、第1ブロックとして親水性マクロモノマーの合成から始めるのが好ましい。ABブロックコポリマーの場合、疎水性マクロモノマーまたは親水性マクロモノマーのいずれかが合成において有効な第1段階となる。マクロモノマーは、フリーラジカル重合法によって好適に調製されるものであり、このとき連鎖移動を可能にする触媒性連鎖移動剤または有機連鎖移動剤として、コバルト(II)およびコバルト(III)錯体が用いられる。有機連鎖移動剤には、ダイマー、アルファ−メチルスチレンダイマー、および関連化合物を含んだ、硫化アリル、臭化アリル、ビニル末端基を有するメタクリルレートオリゴマーが含まれる。
また該ブロックコポリマーは、国際公開WO96/15157号公報(1996年6月)に教示されるようにマクロモノマーを介して合成することができる。本発明に有用なブロックコポリマーは、重量平均分子量が約1,000〜50,000、好ましくは2,000〜20,000である。
上記の方法によって調製されたABブロックコポリマーは、重合性の二重結合によってその末端が終結し、そしてモノマーの他の基とさらに重合されて上記の方法における従来のフリーラジカル重合を介してABAまたはABCブロックコポリマーを形成する。
【0047】
多くの慣用の有機溶媒が、マクロモノマーおよびブロックコポリマーの両方を調製するためにその重合媒体として使用することができる。これらには、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールなどのアルコール、アセトン、ブタノン、ペンタノンおよびヘキサノンなどのケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、および慣用的に入手可能なセロソルブおよびカルビトールなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、およびポリエチレングリコールジアルキルエーテルなどのエーテル、酢酸、プロピオン酸、および酪酸のアルキルエステル、エチレングリコールなどのグリコール、並びにこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
ブロックコポリマーを水性ビヒクルに可溶なものとするため、親水性部分にイオン性基の塩を生成することが必要である。酸基の塩は、それらを中和剤で中和することによって調製される。有用な塩基の具体例としては、アルカリ金属の水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、および水酸化カリウム)、アルカリ金属の炭酸塩および重炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、および重炭酸カリウム)、有機アミン(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン)、有機アルコールアミン(N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、アンモニウム塩(水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム)、およびピリジンが挙げられる。陽イオンブロックコポリマー分散剤の場合、アミン基は、有機酸および無機酸を含む酸で中和される。有用な酸の具体例としては、有機酸(酢酸、プロピオン酸、ギ酸、シュウ酸)、ヒドロキシル化酸((hydroxylatedacids)グリコール酸、乳酸)、ハロゲン化酸(塩化水素酸、臭化水素酸)、および無機酸(硫酸、リン酸、硝酸)が挙げられる。
【0049】
前記した分散剤は、顔料に対して、0.1〜2.0重量%の量で使用することが好ましく、より好ましくは、0.2〜1.0重量%の量である。
【0050】
また、イエローインクは、1,2−アルカンジオールを含んでなるのが好ましい。一般的に、インク組成物の浸透性を向上させるためには、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGmBE)のような浸透促進剤を添加することが知られているが、この1,2−アルカンジオールを使用することで、TEGmBEのような浸透促進剤を使用する場合に比べてより少量の1,2−アルカンジオール使用量で、同等レベルのメディアへの浸透性を実現することができる。このため、1,2−アルカンジオールを使用する場合にあっては、インクに加えられる浸透剤の量を相対的に減少させることができる。これは、インク中の顔料の分散状態の安定性を向上させる上で有利であり、インクの保存安定性および信頼性を向上させることができる。また、イエローインクにおいて、着色剤以外の成分の添加許容量を増加させることができるため、インクの設計または改良の観点からは有利である。さらに、1,2−アルカンジオールを使用する場合にあっては、TEGmBE等の慣用の浸透促進剤に比べて、インクの粘度上昇をより低く抑えることができ、このため保湿剤の添加量を増加させることも可能となる。
【0051】
1,2−アルカンジオールとしては、その炭素数が4〜10の1,2−アルカンジオールの利用が好ましい。1,2−アルカンジオールは、二種以上を混合して添加してもよい。
【0052】
本発明のより好ましい態様において、1,2−アルカンジオールは、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、およびそれらの混合物からなる群より選択される。これらは、記録媒体への浸透性に特に優れている点でより好ましい。
【0053】
本発明のより一層好ましい態様において、前記1,2−アルカンジオールは、1,2−ヘキサンジオール、または1,2−ペンタンジオールであるのが好ましく、さらに好ましくは、1,2−ヘキサンジオールである。
【0054】
イエローインクは、1,2−アルカンジオールを、該イエローインク全量に対して好ましくは0.5〜10重量%の範囲で含んでなるものであり、さらに好ましくは1〜5重量%の範囲で含んでなるものである。0.5重量%以上であれば充分な浸透性を得ることができ、また、10重量%以下であれば他の添加剤と合わせて印字可能なインク粘度に調整しやすくなるので、有利である。
【0055】
本発明のより好ましい態様によれば、1,2−アルカンジオールが1,2−ブタンジオールである場合には、イエローインクは1,2−ブタンジオールを3〜10重量%含んでなることが好ましく、より好ましくは5〜10重量%含んでなる。また、1,2−アルカンジオールが1,2−ペンタンジオールである場合には、イエローインクは1,2−ペンタンジオールを3〜10重量%含んでなることが好ましく、より好ましくは3〜7重量%含んでなる。1,2−アルカンジオールが1,2−ヘキサンジオールである場合には、イエローインクは1,2−ヘキサンジオールを1〜6重量%含んでなることが好ましく、より好ましくは3〜5重量%含んでなる。さらに、1,2−アルカンジオールが1,2−ヘプタンジオールである場合には、イエローインクは、該1,2−ヘプタンジオールを0.5〜3重量%含んでなることが好ましく、より好ましくは1〜2重量%含んでなる。
【0056】
また、イエローインクは、有機溶媒を含んでなるのが好ましい。この有機溶媒は、好ましくは低沸点有機溶剤であり、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノールなどがあげられる。特に一価アルコールが好ましい。低沸点有機溶剤は、インクの乾燥時間を短くする効果がある。
【0057】
また、イエローインクは、さらに高沸点有機溶媒を含んでなることが好ましい。高沸点有機溶媒剤の好ましい例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0058】
低沸点有機溶剤の添加量はインクの0.5〜10重量%が好ましく、より好ましくは1.5〜6重量%の範囲である。また、高沸点有機溶媒の添加量は、インクの0.5〜40重量%が好ましく、より好ましくは2〜20重量%の範囲である。
【0059】
また、イエローインクは、界面活性剤として、アセチレングリコール系界面活性剤(例えば、オルフィンY、E1010、STG、並びにサーフィノール82、104、440、465、及び485(何れも信越化学工業株式会社製)等)を含んでなることが好ましい。
また、イエローインクは、その他の界面活性剤を含むこともでき、好ましい界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩等)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等)があげられる。
これらの界面活性剤は、単独又は二種以上を混合して用いることができる。
【0060】
また、イエローインクは、樹脂エマルジョンを含んでなるのが好ましい。ここで、樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次のような樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂、架橋アクリル樹脂、架橋スチレン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、等が挙げられる。
【0061】
前記樹脂は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
【0062】
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂モノマーを、場合によって界面活性剤とともに水中で分散重合することによって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂又はスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステルおよびスチレンを、界面活性剤とともに水中で分散重合させることによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲にあることでより良好なインクの耐水性、浸透性が得られる。界面活性剤は特に限定されないが、好ましい例としては上記した界面活性剤が挙げられる。
【0063】
また、分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0064】
このような樹脂エマルジョンとして、公知の樹脂エマルジョンを用いることも可能であり、例えば、特公昭62−1426号公報、特開平3−56573号公報、特開平3−79678号公報、特開平3−160068号公報、特開平4−18462号公報などに記載の樹脂エマルジョンをそのまま用いることができる。
【0065】
また、市販の樹脂エマルジョンを使用することも可能であり、例えば、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、等が挙げられる。
【0066】
また、イエローインクは、樹脂エマルジョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。樹脂エマルジョンは着色成分の浸透を抑制し、記録媒体への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録媒体上でインク像表面に皮膜を形成し、印字物の耐擦性を向上させることができる。
【0067】
また、イエローインクは、樹脂エマルジョン形態の熱可塑性樹脂を含んでなるのが好ましい。ここで、熱可塑性樹脂とは、軟化温度が50℃〜250℃、好ましくは60℃〜200℃のものである。ここで、軟化温度という語は、熱可塑性樹脂のガラス転移点、融点、粘性率が1011〜1012ポアズになる温度、流動点、樹脂エマルジョンの形態にある場合その最低造膜温度(MFT)のうち最も低い温度を意味するものとする。本発明による方法の加熱工程では、記録媒体を熱可塑性樹脂の軟化温度以上の温度で加熱する。
【0068】
また、これらの樹脂は、軟化または溶融温度以上に加熱され冷却された際に強固な耐水性、耐擦性のある膜を形成するものが好ましい。
【0069】
熱可塑性樹脂としては、水不溶性の熱可塑性樹脂、及び低分子量の熱可塑性樹脂が挙げられる。
水不溶性の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリメタアクリル酸エステル、ポリエチルアクリル酸、スチレン‐ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン、ポリオレフィン樹脂、セルロース、スチレン‐アクリル酸共重合体、スチレン‐メタアクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン‐アクリルアミド共重合体、ポリイソブチルアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ロジン系樹脂、ポリエチレン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル‐アクリル共重合体、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン、ロジンエステル等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0070】
低分子量の熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、アルコールワックス、合成酸化ワックス、αオレフィン‐無水マレイン酸共重合体、カルナバワックス等の動植物系ワックス、ラノリン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0071】
イエローインクは、糖類を含有してもよい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシシール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0072】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH2(CHOH)n CH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す)で表される)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ糖などが挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。
【0073】
これら糖類の含有量は、インクの0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0074】
その他、イエローインクには、必要に応じて、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を添加しても良い。ここで、pH調整剤としては、例えば、トリエタノールアミン、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0075】
(マゼンタインク)
本発明の好ましい態様によれば、マゼンタインクは、マゼンタ顔料、特に好ましくはC.I.ピグメントレッド122および/またはC.I.ピグメントレッド202とともに、水を含んでなることが好ましい。顔料のインクへの添加量は耐光性および耐水性に加え、良好な色相を有する画像を実現できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば6重量%以下が好ましい。
【0076】
また、マゼンタインクは、前述したイエローインクと同様に、上記顔料を分散剤又は界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。特に好適な分散剤としては、前記のAB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー(I)である。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0077】
また、マゼンタインクは、イエローインクと同様に、1,2−アルカンジオール、有機溶媒、界面活性剤、樹脂エマルジョン、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を含んでなるのが好ましい。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0078】
(シアンインク)
本発明の好ましい態様によれば、シアンインクは、シアン顔料、特に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3および/またはC.I.ピグメントブルー15:4とともに、水を含有してなることが好ましい。顔料のインクへの添加量は耐光性および耐水性に加え、良好な色相を有する画像を実現できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば6重量%以下が好ましい。
【0079】
また、シアンインクは、前述したイエローインクと同様に、上記顔料を分散剤又は界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。特に好適な分散剤としては、前記のAB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー(I)である。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0080】
また、シアンインクは、イエローインクと同様に、1,2−アルカンジオール、有機溶媒、界面活性剤、樹脂エマルジョン、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を含んでなるのが好ましい。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0081】
前述したイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクは、これら全てが、着色剤として顔料を含有すると共に、該顔料を分散させる分散剤として、前記ブロックコポリマー(I)を含有していることがインクセットとしての効果を向上できる点で好ましい。
【0082】
また、前述したイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクは、これら全てが、1,2−アルカンジオールを含有していることがインクセットとしての効果を向上できる点で好ましい。
【0083】
(グリーンインク)
本発明の好ましい態様によれば、前述したイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクとともに、さらに、グリーン顔料、特に好ましくはC.I.ピグメントグリーン36及び/又はC.I.ピグメントグリーン7を含有するグリーンインクを備える。かかるグリーンインクを備えることで、色再現性、特にグリーン領域の色再現性(グリーンインクによりグリーン領域の画像を実現する性質)を向上させることができる。前記イエローインクに用いる着色剤、特にイエロー顔料、とりわけC.I.ピグメントイエロー110は色相が赤いため、グリーン領域の色再現性が低下し、グリーン領域が狭くなるおそれが考えられるが、このグリーン顔料、特に好ましくはC.I.ピグメントグリーン36及び/又はC.I.ピグメントグリーン7を含有するグリーンインクを用いることで、グリーン領域の色再現性を向上させることができる。
【0084】
グリーンインクは、グリーン顔料、特に好ましくはC.I.ピグメントグリーン36及び/又はC.I.ピグメントグリーン7とともに、水を含有してなることが好ましい。顔料のインクへの添加量は耐光性および耐水性に加え、良好な色相を有する画像を実現できる範囲で適宜決定されてよいが、例えば6重量%以下が好ましい。
【0085】
また、グリーンインクは、前述したイエローインクと同様に、上記顔料を分散剤又は界面活性剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤、例えば高分子分散剤を使用することができる。特に好適な分散剤としては、前記のAB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー(I)である。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0086】
また、グリーンインクは、イエローインクと同様に、1,2−アルカンジオール、有機溶媒、界面活性剤、樹脂エマルジョン、糖、pH調整剤、防腐剤、防かび剤等を含んでなるのが好ましい。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0087】
(ブラックインク)
本発明の好ましい態様によれば、前述したイエローインク、マゼンタインク及びシアンインク、または前述したイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びグリーンインクとともに、さらに、ブラックインクを備える。
ブラックインクに用いられる着色剤その他の成分は、特に制限されることなく、通常のインクセットにおけるブラックインクに使用されるもの、例えば、カーボンブラック等の顔料他が用いられる。かかるブラックインクを備えることにより、形成される画像、特に立体的な対象物を有する画像に対して、画像の締まり(立体感)を向上させることが可能となる。
また、ブラックインクには、前記イエローインクと同様に、顔料、即ちカーボンブラック等とともに、該顔料を分散させる分散剤として、前記のAB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー(I)を使用することが好ましく、また、1,2−アルカンジオールを使用することも好ましい。これらの具体例及びその添加量等は、イエローインクの場合と同様である。
【0088】
(ライトマゼンタインク及びライトシアンインク)
本発明の好ましい態様によれば、前述したイエローインク、マゼンタインク及びシアンインク、前述したイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びグリーンインク、前述したイエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びブラックインク、または前述したイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、グリーンインク及びブラックインクとともに、さらに、ライトマゼンタインク及びライトシアンインクを備える。このライトマゼンタインクおよびライトシアンインクは、前述のマゼンタインクおよびシアンインクそれぞれにおける着色剤の濃度を低くしたもので、それ以外の組成は該マゼンタインクおよびシアンインクと同様である。
【0089】
(その他のインク)
本発明のインクセットには、前述したインクの他、必要に応じて、イエロー顔料を含有するイエローインクにマゼンタ顔料及びシアン顔料を少量添加したダークイエローインクを備えることもできる。さらに、本発明のインクセットには、これら以外のインクを備えることもできる。
【0090】
(インクセット)
本発明のインクセットは、基本的にイエローインク、マゼンタインク、およびシアンインクを含んでなり、インクジェット出力による形成画像の反射光が特定の分光特性を有するものである。
【0091】
本発明のインクセットの好ましい態様としては、C.I.ピグメントイエロー110を含有するイエローインク、C.I.ピグメントレッド122および/またはC.I.ピグメントレッド202を含有するマゼンタインク、及びC.I.ピグメントブルー15:3および/またはC.I.ピグメントブルー15:4を含有するシアンインクを備えるインクセットである。このインクセットでは、各色の形成画像に対する反射光の分光特性の組み合わせにより、インクセット全体として印刷した画像のメタメリズムを一層解消させることができる。
【0092】
また、本発明のインクセットの好ましい別の態様としては、基本的にイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、ライトマゼンタインクおよびライトシアンインクを含んでなる6色系のインクセットであり、インクジェット出力による形成画像の反射光が特定の分光特性を有するものである。
この6色系のインクセットにおけるイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、ライトマゼンタインクおよびライトシアンインクは、これら全てが、着色剤として顔料を含有すると共に、該顔料を分散させる分散剤として、前記ブロックコポリマー(I)を含有していることがインクセットとしての効果を向上できる点で好ましい。また、同様に、6色系のインクセットにおける各インクは、これら全てが、1,2−アルカンジオールを含有していることもインクセットとしての効果を向上できる点で好ましい。
【0093】
本発明の別の態様によれば、本発明のインクセットは、基本的にイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、およびグリーンインクを含んでなり、インクジェット出力による形成画像の反射光が特定の分光特性を有するものである。
【0094】
また、本発明の別の態様によれば、本発明のインクセットは、基本的にイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、およびブラックインクを含んでなり、インクジェット出力による形成画像の反射光が特定の分光特性を有するものである。
【0095】
さらに、本発明の別の態様によれば、本発明のインクセットは、基本的にイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、グリーンインク、およびブラックインクを含んでなり、インクジェット出力による形成画像の反射光が特定の分光特性を有するものである。
【0096】
さらに、本発明の別の態様によれば、本発明のインクセットは、基本的にイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、グリーンインク、ライトマゼンタインクおよびライトシアンインクを含んでなり、インクジェット出力による形成画像の反射光が特定の分光特性を有するものである。
【0097】
本発明のインクセットによれば、メタメリズムの解消を実現することができる。特に、前記グリーンインクを用いることで、グリーン領域の色再現性を向上ができる。
【0098】
本発明のインクセットは、その用途に特に制限されないが、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速で印刷可能である点で、インクジェット記録用、即ちインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷する用途に好適である。
【0099】
また、本発明のインクセットを使用した記録方法により記録媒体に画像を形成すれば、メタメリズムが解消され、鮮明で高品質な画像を得ることができる。
本発明のインクセットを使用した記録方法としては、例えば、当該インクセットが収容されてなるインクカートリッジと、該インクカートリッジから、本発明のインクセットにおける各インクを吐出するプリンタヘッドとを具備するインクジェット記録装置その他の記録システムにより、画像を形成する方法等が挙げられる。
【0100】
また、本発明のインクセットを使用することにより、記録媒体上に、メタメリズムが解消され、鮮明で高品質な画像が形成されてなる記録物を得ることができる。
【0101】
【実施例】
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等限定されるものではない。
【0102】
〔実施例1〕
次に示す各組成のインクを調製し、各色のインクを備えてなるインクセットを用意した。
(イエローインク)
顔料
C.Iピグメントイエロー110 4重量%
液媒体
スチレン−アクリル共重合体・アンモニウム塩 2重量%
(分子量7000、分散剤/固形分)
グリセリン 10重量%
エチレングリコール 3重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
2−ピロリドン 3重量%
サーフィノール465(信越化学工業株式会社製)1重量%
イオン交換水 残量
【0103】
(マゼンタインク)
顔料
C.Iピグメントレッド122 3重量%
液媒体
スチレン−アクリル共重合体・アンモニウム塩 1.5重量%
(分子量7000、分散剤/固形分)
グリセリン 15重量%
エチレングリコール 5重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
2−ピロリドン 3重量%
サーフィノール465(信越化学工業株式会社製) 1重量%
イオン交換水 残量
【0104】
(シアンインク)
顔料
C.Iピグメントブルー15:3 2重量%
液媒体
スチレン−アクリル共重合体・アンモニウム塩 1重量%
(分子量7000、分散剤/固形分)
グリセリン 15重量%
エチレングリコール 5重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 5重量%
トリエタノールアミン 0.9重量%
2−ピロリドン 3重量%
サーフィノール465(信越化学工業株式会社製) 1重量%
イオン交換水 残量
【0105】
〔比較例1〕
イエローインクの顔料をC.Iピグメントイエロー128に変えた以外は、実施例1と同様にしてイエローインクを調製し、このイエローインクと、実施例1で使用したものと同一組成のマゼンタインク及びシアンインクとを備えてなるインクセットを用意した。
【0106】
評価1:実施例1および比較例1のインクセットを用いて記録媒体に画像を記録したときのメタメリズム評価を次のようにして行った。
インクジェットプリンタEM−900C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、専用のインクカートリッジに実施例1および比較例1のインクセットを充填した。各インクセットにおける3色のインクを使用して調色を行い、モノクロの階調ベタパターン(グレースケール)を出力し、専用記録媒体(光沢フィルム、セイコーエプソン株式会社製)に印刷した。いずれのインクセットも調色は、D50光源で同一色になるように行った。
【0107】
出力したパターンを蛍光灯及び太陽光それぞれにかざして色の変化度を調査した。その結果、実施例1のインクセットでは、光源の違いによっては色の見た目に大きな差は認められなかった(メタメリズムが解消されていた)。これに対し、比較例1のインクセットでは、太陽光下で緑色にシフトして見られた(メタメリズムが生じていた)。
【0108】
また、得られたパターンのうち、CIEで規定のL表色系で、明度Lが50の部分について、938 Spectorodensitometer(X−rite社製)で測色し(D50光源使用)、その反射光の分光特性を調べた。その結果、実施例1のインクセットにより形成した画像では、凡そ平坦な分光カーブが形成されていたことを確認した(図1参照)。これに対し、比較例1のインクセットでは500nmで大きな山が形成されていたことを確認した(図2参照)。
【0109】
さらに、実施例1のインクセット及び比較例1のインクセットにおける各色のインクそれぞれについて、50%dutyのベタパターンを出力し、これについて、調色せずに単色のまま出力した以外は前記と同様にD50光源での反射光の分光特性を調査した。その結果、実施例1のインクセットにおけるイエローインク(図3参照)と、比較例1のインクセットにおけるイエローインク(図4参照)とでは、分光特性が異なっていた。尚、図3及び4中のYはイエローインク、Mはマゼンタインク、Cはシアンインクを示す。実施例1で使用したイエローインクは、低波長から長波長にかけての光の吸収から反射への立ち上がりの光源波長が470〜500nmであり、500nmにおけるイエロー画像の反射率が20%程度で、540nmにおけるイエロー画像の反射率が70%程度である(図3のY;イエローインク参照)。このため、グレースケール画像の反射率の「山谷」の差(反射率の最大値と最小値との差)が15%程度となり(図1参照)、これによりメタメリズムが解消されたものと考えられる。
【0110】
〔実施例2〕
イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの3色からなる実施例1のインクセットに、さらに、C.I.ピグメントグリーン36を含有するグリーンインクを備えた、4色からなるインクセットを用意した。このグリーンインクの組成は、実施例1で使用したイエローインクの顔料種をC.I.ピグメントグリーン36に変えた以外は該イエローインクの組成と同様である。
【0111】
〔実施例3〕
実施例2のインクセットにおけるグリーンインクの顔料種を、C.I.ピグメントグリーン36に変えてC.I.ピグメントグリーン7を使用した以外は実施例2と同様の4色からなるインクセットを用意した。
【0112】
〔実施例4〕
イエローインク、マゼンタインク、シアンインク及びグリーンインクの4色からなる実施例2のインクセットに、さらに、カーボンブラックを含有するブラックインクを備えた、5色からなるインクセットを用意した。このブラックインクの組成は、実施例1で使用したマゼンタインクの顔料種をカーボンブラックに変えた以外は該マゼンタインクの組成と同様である。
【0113】
実施例2〜4のインクセットについて、実施例1と同様の評価を行ったところ、全て実施例1と同様に、グレースケール画像の反射率の最大値と最小値との差が20%以内であり、メタメリズムが解消されていた。さらに、これらのインクセットは、全てグリーン領域の色再現性が向上していた。特に、実施例4のインクセットでは、ブラックインクの存在により画像の締まり(立体感)も向上した。
【0114】
〔実施例5及び6、比較例2〕
分散剤の調製
顔料を分散させる分散剤α及びβを下記のようにして調製した。なお、これらの分散の調製については特開平11−269418号公報に記載の手順に従ったものである。
【0115】
分散剤α: t-ブチルスチレン/スチレン//メタクリル酸(27/18//55重量%)ブロックコポリマー
まず下記の成分を用意し、下記のようにしてマクロモノマーaを調製した。
Figure 0003831941
【0116】
部分1の混合物を、温度計、スターラー、追加の漏斗、還流冷却器、および反応物を覆う窒素ブランケットを維持するための手段が取り付けられた2リットルのフラスコに充填した。混合物を還流温度に加熱し、そして約20分間還流した。この反応混合物を還流温度に保持しながら、部分2および3を同時に添加した。部分2の添加は4時間かけて終了させ、そして部分3の添加は4時間半かけて終了させた。還流をさらに2時間続け、そして溶液を室温に冷却して、マクロモノマー溶液aを得た。
【0117】
次に、得られたマクロモノマーaに加えて、さらに下記の成分を用意し、分散剤αの調製を下記の手順で行った。
Figure 0003831941
【0118】
部分1aの混合物を、温度計、スターラー、追加漏斗、還流冷却器、および反応混合物を覆う窒素ブランケットを維持するための手段が取り付けられた500mLのフラスコに充填した。混合物を還流温度に加熱し、そして約10分間還流した。部分2aの溶液を添加した。続いて、反応混合物を還流温度に保持しながら、部分3aおよび4aを同時に添加した。部分3aおよび4aの添加は3時間かけて終了させた。この反応混合物を1時間還流し、その後、部分5aの溶液を添加した。次いでその反応混合物をさらに1時間還流した。揮発物約117gが回収されるまで混合物を蒸留し、そして2−ピロリドンを75.0g添加して、41.8%のポリマー溶液(分散剤α)239.0gを得た。
【0119】
分散剤β: スチレン/メチルメタクリレート//メタクリル酸(25.0/29.2//45.8重量%)ブロックコポリマー
下記の成分を用意して、分散剤βの調製を下記の手順で行った。
Figure 0003831941
【0120】
上記部分1b〜5bを用いて、分散剤αの場合と同様の手順を行って、44.0%のポリマー溶液(分散剤β)270gを得た。
【0121】
インク組成物の調製
前記のようにして得られた分散剤α又はβを使用して、下記のようなインク組成物A1〜A5を調製した。
【0122】
インク組成物A1(イエローインク)
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー110を100g、分散剤αを150g、水酸化カリウムを6g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水により顔料濃度15重量%になるまで濾液を希釈して、イエロー顔料分散液A1を調製した。
得られたイエロー顔料分散液A1を40g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを3g、およびオルフィンE1010を1g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)によりこの混合液を濾過して、インク組成物A1(イエローインク)を調製した。
【0123】
インク組成物A2及びA2-L(シアンインク及びライトシアンインク)
シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3を100g、分散剤αを100g、水酸化カリウムを4.5g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度10重量%になるまで濾液を希釈して、シアン顔料分散液A2を調製した。
得られたシアン顔料分散液A2を20g、グリセリンを10g、ジエチレングリコールを5g、1,2−ヘキサンジオールを2g、およびオルフィンE1010を1g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物A2(シアンインク)を調製した。
また、これとは別に、得られたシアン顔料分散液A2を7g、グリセリンを20g、ジエチレングリコールを5g、1,2−ヘキサンジオールを1g、およびオルフィンSTGを0.4g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物A2-L(ライトシアンインク)を調製した。
【0124】
インク組成物A3(イエローインク)
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー110を100g、分散剤βを150g、水酸化カリウムを6g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水で顔料濃度10重量%になるまで濾液を希釈して、イエロー顔料分散液A3を調製した。
得られたイエロー顔料分散液A3を40g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを3g、およびオルフィンE1010を1g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物A3(イエローインク)を調製した。
【0125】
インク組成物A4及びA4-L(マゼンタインク及びライトマゼンタインク)
マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122を100g、分散剤βを150g、水酸化カリウムを6g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水により顔料濃度10重量%になるまで濾液を希釈して、マゼンタ顔料分散液A4を調製した。
得られたマゼンタ顔料分散液A4を30g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを3g、およびオルフィンE1010を1g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)によりこの混合液を濾過して、インク組成物A4(マゼンタインク)を調製した。
また、これとは別に、得られたマゼンタ顔料分散液A4を10g、グリセリンを20g、エチレングリコールを6g、1,2−ヘキサンジオールを3g、およびオルフィンSTGを0.4g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)によりこの混合液を濾過して、インク組成物A4-L(ライトマゼンタインク)を調製した。
【0126】
インク組成物A5(ブラックインク)
ブラック顔料としてカーボンブラックを100g、分散剤βを150g、水酸化カリウムを6g、および水を250g混合して、ジルコニアビーズによるボールミルにて10時間分散処理を行った。得られた分散原液を孔径8μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)で濾過して粗大粒子を除き、水により顔料濃度10重量%になるまで濾液を希釈して、ブラック顔料分散液A5を調製した。
得られたブラック顔料分散液A5を30g、グリセリンを15g、1,2−ヘキサンジオールを3g、およびオルフィンE1010を1g混合して、さらに超純水を加えて全量を100gとした。さらにpH調整剤としてトリエタノールアミンを用いてこの混合液をpH8.5に調整し、2時間攪拌した後、孔径約1.2μmのメンブランフィルタ(日本ミリポア・リミテッド製)により濾過して、インク組成物A5(ブラックインク)を調製した。
【0127】
インク組成物A6及びA6-L(シアンインク及びライトシアンインク)
インク組成物A2及びA2−Lに使用した顔料をC.I.ピグメントブルー15:4にして、それ以外はすべてインク組成物A2及びA2−Lと同様の組成で、インク組成物A6(シアンインク)及びインク組成物A6-L(ライトシアンインク)をそれぞれ調製した。
【0128】
インク組成物A7及びA7-L(マゼンタインク及びライトマゼンタインク)
インク組成物A4及びA4−Lに使用した顔料をC.I.ピグメントレッド202にして、それ以外はすべてインク組成物A4及びA4−Lと同様の組成で、インク組成物A7(マゼンタインク)及びインク組成物A7-L(ライトマゼンタインク)をそれぞれ調製した。
【0129】
印刷評価試験
評価には、インクジェットプリンタMC2000C(セイコーエプソン株式会社製)を用いた。当該プリンタのインクタンクのインク室には、対応する色を搭載した。つまり、実施例5のインクセットについては、インク組成物A1はイエロー、インク組成物A2はシアン、インク組成物A2−Lはライトシアン、インク組成物A4はマゼンタ、インク組成物A4−Lはライトマゼンタ、インク組成物A5はブラックのインク室にそれぞれ搭載した。
また、実施例6のインクセットについては、実施例5における、インク組成物A1と入れ替えてインク組成物A3を、インク組成物A2及びA2−Lと入れ替えてインク組成物A6及びA6−Lを、インク組成物A4及びA4−Lと入れ替えてインク組成物A7及びA7−Lを、それぞれ各インク室に搭載した。
そして、一連の下記評価を行った。
【0130】
なお、便宜上、実施例5及び実施例6の各インクセットは、下記の各インク組成物からなるインクセットa及びインクセットbとそれぞれ称する。
Figure 0003831941
【0131】
1.印刷安定性の評価
連続印刷し、ドット抜け、及びインクの飛び散りの有無を観察した。評価は下記基準によって行った。
A:48時間経過時で、ドット抜け又はインクの飛び散りの発生が10回未満。
B:48時間経過時で、ドット抜け又はインクの飛び散りの発生が10回。
C:24時間経過時で、ドット抜け又はインクの飛び散りの発生が10回。
D:24時間以内に、ドット抜け又はインクの飛び散りの発生が10回超過。
評価の結果は、インクセットa及びインクセットbの何れについてもAであり、極めて良好な印字安定性を有していることが判った。
【0132】
2.印刷画像品質の評価
インクセットa及びインクセットbにおいて、記録媒体に画像を記録したときのメタメリズムを次のようにして評価した。
各インクセットa,bにおいて、それぞれのインクを使用して調色を行い、モノクロの階調ベタパターン(グレースケール)を出力し、専用記録媒体(光沢フィルム、セイコーエプソン株式会社製)に印刷した。いずれのインクセットもD50光源で同一色になるように行った。
【0133】
出力したパターンを蛍光灯及び太陽光それぞれにかざして色の変化度を調査した。その結果、インクセットa及びインクセットbのいずれにおいても、光源の違いによって色の見た目に大きな変化を認めることができなかった。
また、得られたパターンのうち、CIEで規定のL表色系で、明度Lが50の部分について、938 Spectorodensitometer(X−rite社製)で測色し(D50光源使用)、実施例1と同様にして、その反射光の分光特性を調べた。その結果、いずれのインクセットにおいても凡そ平坦な分光カーブが形成されており、グレースケール画像の光源波長400〜700nmにおける反射率の最大値と最小値との差は、図5及び図6に示すように、インクセットa及びインクセットb共に10%程度であった。
【0134】
3.耐光性の評価
2.印刷画像品質の評価で得られたパターンのうち、OD値がOD=1.0のベタパターンについて耐光性試験を行った。また、比較として、インク組成物A1のイエロー顔料をC.I.ピグメントイエロー110の代わりにC.I.ピグメントイエロー74を用いたインク組成物A6(イエローインク)を調製し、このインク組成物をイエローインク室に搭載して(インク組成物A6を含む6色のインクセットをインクセットc(比較例2)とする)、上記と同様にベタパターンを出力し、同様にOD=1.0となるように調色したパターンについて耐光性試験を行った。
【0135】
評価方法は、まず、ベタパターンを試験専用のフォルダにセットし、これに2mm厚のソーダライムガラスを被せる。このとき印刷物とガラスの間に2mmの空気層を設ける。キセノン耐光性試験機Ci5000(アトラス社製)を用い、フォルダをこれに装着し、暴露試験を行った。
【0136】
試験機の稼動環境は次のように管理した。
Figure 0003831941
【0137】
結果、インクセットaについては、色の劣化が肉眼でほとんど認められなかった。また、OD値は0.93と色の残存率が93%であることがわかった。
これに比較して、インクセットcでは、見た目にも色目が大きく変化しており、OD値も0.65と残存率65%で実用的なレベルとは言えないことがわかった。
なお、インクセットcについて、実施例1と同様にして反射光の分光特性を調べたところ、平坦な分光カーブが認められず、グレースケール画像の光源波長400〜700nmにおける反射率の最大値と最小値との差は28%であった(図7参照)。また、インクセットcに用いたインク組成物A6(イエローインク)のインクジェット出力による出力色のD50光源での光源波長500nmにおける反射率は60%であり、同540nmにおける反射率は80%であった。
【0138】
【発明の効果】
本発明のインクセットは、メタメリズム(ある光源を用いて見た印刷物(カラー記録画像)の色彩と、他の光源を用いて見た同一印刷物の色彩とが、同一にならないという現象)を解消したものである。また、本発明のインクセットにおける特定の実施形態は、さらに印字安定性及び耐光性も良好なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1のインクセットで形成したグレースケール画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。
【図2】図2は、比較例1のインクセットで形成したグレースケール画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。
【図3】図3は、実施例1のインクセットが備える各インク毎に形成したそれぞれの画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。
【図4】図4は、比較例1のインクセットが備える各インク毎に形成したそれぞれの画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。
【図5】図5は、実施例5のインクセットで形成したグレースケール画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。
【図6】図6は、実施例6のインクセットで形成したグレースケール画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。
【図7】図7は、比較例2のインクセットで形成したグレースケール画像に対する反射光の分光特性(光源波長と反射率との関係)を示すグラフである。

Claims (9)

  1. イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、ライトマゼンタインク及びライトシアンインクを備え、
    インクセット中のインクをインクジェット出力により調色し、その出力色が、D50光源においてのCIEで規定されるL * * * 空間座標で(L * ,a * ,b * )=(50,0,0)であるとき、その出力色の光源波長400〜700nmにおける反射率の最大値と最小値との差が20%以内となり、
    前記イエローインクが着色剤としてイエロー顔料であるC.I.ピグメントイエロー110を含有し、前記マゼンタインクがC.I.ピグメントレッド122および/またはC.I.ピグメントレッド202を含有し、前記シアンインクがC.I.ピグメントブルー15:3および/またはC.I.ピグメントブルー15:4を含有し、前記ブラックインク、前記ライトマゼンタインク及び前記ライトシアンインクはそれぞれ着色剤として顔料を含有し、
    前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク、前記ブラックインク、前記ライトマゼンタインク及び前記ライトシアンインクは、それぞれ前記顔料を分散させる分散剤として、下記ブロックコポリマー(I)を含有し、
    AB、ABA、またはABC構造を有するブロックコポリマー …(I)
    〔(I)におけるAB、ABA、またはABC構造中、Aブロックは親水性であり、Bブロックは疎水性であって、かつ、(1) CH 2 =CH−R(但し、RはC 6 〜C 20 である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である)、(2) CH 2 =CH−OR 1 (但し、R 1 はC 3 〜C 20 である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、またはアルカリール基である)、(3) CH 2 =CH−O−C(O)−R 1 (但し、R 1 は上記(2)の通りである)、および(4) CH 2 =CH−NR 2 3 (但し、R 2 およびR 3 は、R 2 とR 3 の両方ともがHであることはないことを条件として、H、並びにC 3 〜C 20 である置換または非置換のアルキル基、アリール基、アラルキル基、およびアルカリール基からなる群から独立して選択される)、からなる群より選択される非アクリルモノマーを、Bブロックの重量に基づいて少なくとも30重量%含んでなるものであり、さらにCブロックは任意に選択可能なものである。〕
    前記ブラックインク、前記ライトマゼンタインク及び前記ライトシアンインクは、それぞれ1,2−アルカンジオールを含有し、
    前記イエローインク、前記マゼンタインク、前記シアンインク、前記ブラックインク、前記ライトマゼンタインク及び前記ライトシアンインクは、それぞれ、更にアセチレングリコール系界面活性剤を含有するインクセット。
  2. 前記イエローインクは、そのインクジェット出力による出力色のD50光源での光源波長500nmにおける反射率が50%以下である請求項1記載のインクセット。
  3. 前記イエローインクは、そのインクジェット出力による出力色のD50光源での光源波長540nmにおける反射率が55〜80%である請求項1又は2記載のインクセット。
  4. 前記イエローインク、前記マゼンタインク及び前記シアンインクは、それぞれ1,2−アルカンジオールを含有する、請求項1〜3の何れかに記載のインクセット。
  5. さらに、グリーンインクを備える、請求項1〜4の何れかに記載のインクセット。
  6. 前記グリーンインクが、着色剤としてグリーン顔料を含有する、請求項5記載のインクセット。
  7. 前記グリーン顔料が、C.I.ピグメントグリーン7及び/又はC.I.ピグメントグリーン36である、請求項6記載のインクセット。
  8. 請求項1〜の何れかに記載のインクセットを使用して記録媒体に画像を形成することを特徴とする記録方法。
  9. 請求項1〜の何れかに記載のインクセットを使用して記録媒体に画像が形成されてなることを特徴とする記録物。
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