JP2000355159A - インクジェット記録方法、インクジェット記録物およびインク組成物 - Google Patents

インクジェット記録方法、インクジェット記録物およびインク組成物

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JP2000355159A
JP2000355159A JP2000113389A JP2000113389A JP2000355159A JP 2000355159 A JP2000355159 A JP 2000355159A JP 2000113389 A JP2000113389 A JP 2000113389A JP 2000113389 A JP2000113389 A JP 2000113389A JP 2000355159 A JP2000355159 A JP 2000355159A
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pigment
ink
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ink jet
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Hidehiko Komatsu
松 英 彦 小
Hiroto Nakamura
村 弘 人 中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不規則なにじみが少なく、印字後素早く乾燥
し、印字濃度が高い印字画像を実現できるインク記録方
法の提供。 【解決手段】 インク組成物の液滴を吐出し記録媒体に
付着させて印字を行うインクジェット記録方法であっ
て、前記インク組成物が、顔料、浸透剤、および水を少
なくとも含んでなるものであって、前記顔料が、分散基
をその表面に有する、単独で水性溶媒に分散可能な表面
処理顔料であり、かつ記録媒体へのインク組成物吐出量
が記録媒体5×10−3mmあたり160ng以下で
ある、インクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、インクジェット記録方法、およびその方法に
使用されるインク組成物に関する。
【0002】背景技術 インクジェット記録方法に用いられるインク組成物に
は、記録紙上において、一般的に、(1)印字画像に不
規則なにじみが少ないこと、(2)印字画像が印字後、
素早く乾燥すること、および(3)印字画像の印字濃度
が高いこと、などの特性が要求される。
【0003】このような条件を満たすために以前から様
々な検討が行われている。例えば、インクの浸透性を向
上することで印字画像のにじみ低減と乾燥性を向上させ
ることが検討されている。具体的には、米国特許第51
56675号明細書にはジエチレングリコールモノブチ
ルエーテルの使用が、また米国特許第5183502号
明細書にはアセチレングリコール系の界面活性剤の使用
することが検討されている。しかしながら、浸透剤を使
用してインクの浸透性を大きく向上させたインクでは、
着色剤も記録紙中に深く浸透することとなり、印字画像
の印字濃度を確保し難いという課題が発生する。
【0004】また、近年インクジェットプリンタに用い
るインクの着色剤として、染料と比べて耐水性、耐光性
等の堅牢性に優れる顔料を利用することが検討されてい
る。ところが、通常、上記に示すような浸透剤を使用し
た組成を顔料インクに使用することは難しい。それは次
のような理由による。顔料は染料と異なり水への溶解性
がないため、顔料インクでは顔料粒子を水中で安定に分
散させることが重要となる。そこで顔料表面を水に濡れ
やすくし、顔料の沈降を防止する方法として、各種界面
活性剤や水性樹脂等の分散剤を使用して顔料を水性媒体
上に分散させる手法がとられている。ところが、上記の
ような浸透剤を顔料インクに使用した場合、顔料の分散
安定性を著しく阻害し、インクの安定性が確保できなく
なってしまうのである。さらに、分散剤をインク中に添
加することになるためインクの粘度が上昇するという弊
害も生じる。また、高い印字濃度を確保するために顔料
の添加量を高くすると、このような分散剤によるインク
の粘度上昇も大きくなるため、安定したインクジェット
吐出を確保することが難くなる。
【0005】特開平3−157464号公報では、この
ようなアセチレングリコール系浸透剤を使用した顔料イ
ンクにおいて、顔料の分散剤としてポリマー分散剤を、
水性媒体として水、不揮発性有機溶剤、低級アルコール
を使用することでその分散安定性を確保する検討が行わ
れている。しかしながら、本発明者等の知る限りでは、
このインクにあっても印字濃度は改善の余地を残すもの
であった。
【0006】
【発明の概要】本発明者等は、今般、インクジェット記
録に際して、特定の表面処理顔料を含むインク組成物を
用い、かつ記録媒体に対して特定の吐出量でインク組成
物を吐出させることにより、種々の特性に優れたインク
ジェット記録物が実現可能であるとの知見を得た。とり
わけ、不規則なにじみが少なく、色境界域でのカラーブ
リードがほとんどなく、印字後素早く乾燥し、かつ印字
濃度が高い印字画像(記録物)が得られるとの知見を得
た。本発明はかかる知見に基づくものである。従って、
本発明は、不規則なにじみが少なく、印字後素早く乾燥
し、印字濃度が高い印字画像を実現できる記録方法の提
供をその目的としている。
【0007】そして、本発明によるインクジェット記録
方法は、インク組成物の液滴を吐出し記録媒体に付着さ
せて印字を行うインクジェット記録方法であって、前記
インク組成物が、顔料、浸透剤、および水を少なくとも
含んでなるものであって、前記顔料が、分散基をその表
面に有する、単独で水性溶媒に分散可能な表面処理顔料
であり、かつ記録媒体へのインク組成物吐出量が記録媒
体5×10−3mmあたり160ng以下である記録
方法である。
【0008】
【発明の具体的説明】インクジェット記録方法 本発明によるインクジェット記録方法は、インク組成物
の液滴を吐出し記録媒体に付着させて印字を行う方法で
あって、インク組成物として、後述する特定のものを使
用し、かつ、記録媒体へのインク組成物吐出量が記録媒
体5×10−3mmあたり160ng以下、好ましく
は120ng以下であり、より好ましくは80ng以下
であり、特に好ましくは50ng以下、となるように印
字を行うことを特徴とする方法である。特定のインク組
成物を用いたインクジェット記録方法において、単位面
積あたりへのインク吐出量を前記範囲とすることによ
り、印字画像の不規則なにじみの発生を抑えることがで
き、また吐出されたインク組成物を記録媒体上で素早く
乾燥させることができるとの利点が得られる。また、高
い印字濃度を確保することができるので、良好な印字画
像を得ることも可能となる。
【0009】インク組成物吐出量の調整は、一般的に
は、プリンタのドット電圧、記録ヘッドの移動速度、お
よび記録媒体の移動速度等を調節することにより行うこ
とができる。
【0010】本発明の好ましい態様によれば、普通紙に
対して、ベタ印刷(100% Dutyの塗りつぶし印刷)(好
ましくは普通紙に対するブラックインクの印刷)したと
きのその印刷物の光学濃度(OD値)が1.2以上とな
るように印字を行うことが好ましい。より好ましくは該
光学濃度(OD値)が1.3以上となるように印字を行
う。このように特定の値以上の光学濃度となるように印
字を行うことにより、優れたキャラクタ文字視認性を確
保することができる。さらに、このようなブラックイン
クを含むインクセットを使用して、普通紙に対してフル
カラーの写真画像を印字することにより、引き締まった
カラー写真画像を得ることができ、その結果、印字画像
の品質を格段に向上させることができる。一般的に、目
視では黒色に見えないカラー画像の部分にも画像の輪郭
形成のために少量のブラックインクが印字されている
が、本発明の方法によって印字濃度が高くにじみのない
印刷を行うことにより、前記したように画像の輪郭をさ
らに引き締めることができると考えられる。
【0011】本発明の別の好ましい態様によれば、イン
ク組成物の吐出により記録媒体上に付着したインク組成
物の乾燥時間、すなわち印字画像の乾燥時間が5秒以内
であることが好ましい。このような乾燥時間は、記録媒
体のインク組成物の浸透性、記録媒体へのインク組成物
吐出量およびインク組成物に含まれる成分等により適宜
調節することができる。
【0012】インク組成物 本発明によるインクジェット記録方法に使用されるイン
ク組成物は、顔料、浸透剤、および水を少なくとも含ん
でなるものであって、その顔料は、分散基をその表面に
有する、単独で水性溶媒に分散可能な表面処理顔料であ
るものである。本発明において、分散基とは、顔料を単
独ですなわち分散剤の添加なしに水性溶媒に分散可能な
ものとする基を意味する。その具体例としては、カルボ
キシル基、ヒドロキシル基、およびスルホン酸基等が挙
げられる。
【0013】顔料表面への分散基の導入は、分散基の種
類に応じて適宜なされてよいが、例えば、カルボキシル
基、ヒドロキシル基を導入する場合には、酸化処理する
ことが好ましい。ここで、酸化処理とは、顔料を酸化剤
(例えば、オゾン、硝酸、過酸化水素、次亜ハロゲン
酸、窒素酸化物、およびフッ素ガス等)により液相また
は気相で酸化処理する方法をいう。また、顔料表面をプ
ラズマ処理することにより、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基を導入することも可能である。プラズマ処理は、
具体的には、電子銃や強磁場内で顔料表面の分子構造を
破壊して、強制的に解離状態を作り出し、分散基を表面
に形成させる方法を意味する。一方、分散基としてスル
ホン酸基を導入する場合には、スルホン化処理を行う。
すなわち、顔料を、スルホン化剤(例えば、硫酸、発煙
硝酸、スルホン化ピリジン酸、スルファミン酸、三酸化
硫黄、クロロ硫酸、アミド硫酸等)により処理する。ま
た、これらの処理は、単独で処理しても、複数処理を同
時に行ってもよい。
【0014】なお、上記酸化処理およびスルホン化処理
は公知の方法に準じて行うことが可能であり、例えば欧
州特許EP 0 834 537 A1号公報に記載の
方法に準じて実施することができる。
【0015】本発明において上記表面処理が行われる顔
料は、カーボンブラックのみならず、有機顔料であって
もよい。好ましい顔料の例としては、ブラック用として
は、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレン
ブラック、もしくはチャネルブラック等のカーボンブラ
ック(C.l.ピグメントブラック7)類が挙げられ
る。また有機顔料としては、ブラック顔料として、アニ
リンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等、カ
ラー顔料として、C.l.ピグメントイエロー1(ハン
ザイエロー)、3(ハンザイエロー10G)、12、1
3、14、17、24(フラバントロンイエロー)、3
4、35、37、53、55、65、73、74、8
1、83、93、94、95、97、98、99、10
8(アントラピリミジンイエロー)、109、110、
113、117(銅錯塩顔料)、120、128、13
3(キノフタロン)、138、139(イソインドリノ
ン)、147、151、153(ニッケル錯体顔料)、
154、167、172、180、C.l.ピグメント
レッド1(パラレッド)、2、3(トルイジンレッ
ド)、5(lTR Red)、7、9、10、11、1
2、17、30、31、38(ピラゾロンレッド)、4
2、88(チオインジゴ)、112(ナフトールAS
系)、114(ナフトールAS系)、122(ジメチル
キナクリドン)、123、144、149、150、1
66、168(アントアントロンオレンジ)、170
(ナフトールAS系)、171、175、176、17
7、178、179(ベリレンマルーン)、185、1
87、209(ジクロロキナクリドン)、219、22
4(ベリレン系)、245(ナフトールAS糸)、又
は、C.I.ピグメントバイオレット19(キナクリド
ン)、23(ジオキサジンバイオレット)、32、3
3、36、38、43、50、C.l.ピグメントブル
ー15、15:1、15:2、15:3、16(無金属
フタロシアニン)、18(アルカリブルートナー)、2
5、60(スレンブルー)、65(ビオラントロン)、
66(インジゴ)などが挙げられる。
【0016】さらに、他のカラー顔料として、C.I.
ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、1
0(グリーンゴールド)、36、37、C.I.ピグメ
ントブラウン3、5、25、26、C.I.ピグメント
オレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、3
4、36、38などを用いることも可能である。本発明
において使用される顔料は、単独であってもよく、また
複数種混合して用いてもよい。
【0017】上記表面処理顔料のインク組成物に対する
添加量は、適宜決定されてよいが、0.5〜30重量%
が好ましく、より好ましくは1.0〜12重量%であ
る。本発明の特に好ましい態様によれば、インク組成物
に対する顔料の添加量は5〜9重量%である。このよう
な範囲にあることで、印字濃度が良好となり、またイン
ク組成物の優れた吐出安定性が得られる。
【0018】また、上記表面処理顔料の平均粒子径は2
5μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μ
m以下であり、さらに好ましくは0.2μm以下であ
る。
【0019】本発明において、インク組成物は、浸透剤
を含んでなる。本発明の好ましい態様によれば、浸透剤
としては、アセチレングリコール系界面活性剤およびグ
リコールエーテル類からなる群から選択される少なくと
も一種を用いる。
【0020】本発明において好ましく用いられるアセチ
レングリコール系界面活性剤の具体例としては、下記の
式(I)で表わされる化合物が挙げられる。
【0021】
【化1】 [上記式中、0≦m+n≦50、R、R、R、お
よびRは独立してアルキル基(好ましくは炭素数1〜
6のアルキル基)を表す]
【0022】上記の式(I)で表される化合物の中で好
ましくは2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−
4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−
3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−
3−オールなどが挙げられる。また、上記の式(I)で
表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販
品を利用することも可能であり、その具体例としてはサ
ーフィノール82、104、420、440、465、
485、T465またはTG(いずれもAir Products a
nd Chemicals.Inc.より入手可能)、オルフィンST
G、オルフィンE1010(商品名)(以上、日信化学
社製)が挙げられる。
【0023】また、グリコールエーテル類の好ましい例
としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることが
できる。
【0024】これら浸透剤の添加量はその添加の効果が
得られる範囲で適宜決定されてよいが、インク組成物に
対して0〜30重量%程度であることが一般的であり、
1〜15重量%程度であることが好ましい。
【0025】本発明において使用されるインク組成物に
おいて、水は主溶媒である。水は、イオン交換水、限外
濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用
いることができる。また、紫外線照射、または過酸化水
素添加などによって滅菌した水を用いることは、インク
組成物を長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を
防止することができるので好適である。
【0026】また、本発明の好ましい態様によれば、浸
透剤の助剤として、インクの浸透性を制御する目的で、
更にノズルの耐目詰まり性、インクの保湿性、浸透剤の
溶解性を向上する目的で、アニオン性、カチオン性、両
性の各種界面活性剤、高沸点低揮発性の多価アルコール
類、またはそれらのモノエーテル化物、ジエーテル化
物、エステル化物等の親水性高沸点低揮発性溶媒等を添
加することができる。
【0027】それらの例としては、ノニオン界面活性剤
として、アセチレングリコールアルコールエチレンオキ
サイド、フッ素系、シリコーン系、アクリル酸共重合
物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンステロ
ールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、
ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノー
ルホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポ
リエチレンオキサイド縮合型ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキル
アミンオキサイド等が挙げられる。さらに、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコー
ルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮
合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレン化合物の脂肪酸エステル型、ポリエチレンオキ
サイド縮合型ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカ
ノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサ
イド等が挙げられる。
【0028】アニオン界面活性剤としては、高級脂肪酸
塩、高級アルキルジカルボン酸塩、高級アルコール硫酸
エステル塩、高級アルキルスルホン酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、
ナフタレンスルホン酸の塩(Na、K、Li、Ca)、
ホルマリン重縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、
ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ
コハク酸塩、ナフテン酸塩等、アルキルエーテルカルボ
ン酸塩、アシル化ペプチド、α−オレフィンスルホン酸
塩、N−アシルメチルタウリン、アルキルエーテル硫酸
塩、第二級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウ
ム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸アンモニウム塩、モノグリサルフェート、アルキルエ
ーテル燐酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩等が挙
げられる。
【0029】カチオン界面活性剤としては、脂肪族アミ
ン塩、第4アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスフォ
ニウム塩等が挙げられる。
【0030】両性界面活性剤としてはカルボキシベタイ
ン型、アミノカルボン酸塩、レシチン等が挙げられる。
【0031】高沸点低揮発性の多価アルコール類の例と
しては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等が挙げられる。また、それらのモノエーテル化物、
ジエーテル化物、エステル化物等も、本発明におけるイ
ンク組成物に添加することができ、さらに、その他2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジ
メチルイミダゾリジノン、モノエタノールアミン、N,
N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−n−ブチルジ
エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ
エタノールアミン等の溶媒も添加することができる。
【0032】また、乾燥性の向上を目的として、前記イ
ンク組成物に、エタノール、プロパノール、イソプロパ
ノール、ブタノール、等の高揮発性の一価のアルコール
類の添加することも好ましい。
【0033】本発明において使用されるインク組成物
は、pH調整剤を含むことができ、その具体例として
は、フタル酸水素カリウム、リン酸二水素カリウム、リ
ン酸水素二ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、酒石酸水
素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、ト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン塩酸塩等が挙げられる。そ
の添加量は、ヘッドの部材の耐久性とインクの安定性の
観点から、概ねインクのpHがpH7〜pH10の範囲
となる量であることが好ましい。
【0034】また、本発明において用いられるインク組
成物は、その他必要に応じて、防カビ、防腐、防錆等の
目的で安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェ
ン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)、デヒドロ酢酸ナト
リウム、1,2−ベゾチアゾリン−3−オン(商品名:
プロキセルXL、ICI社製)、3,4−イソチアゾリ
ン−3−オン等を含むことができる。更にノズル乾燥防
止の目的で、尿素、チオ尿素、および/またはエチレン
尿素等を添加することができる。
【0035】本発明において用いられるインク組成物の
諸物性は適宜制御されてよいが、本発明の好ましい態様
によれば、インク組成の粘度は10mPa・秒以下(2
0℃)であることが好ましく、より好ましくは6mPa
・秒以下(20℃)であり、さらに好ましくは5mPa
・秒以下(20℃)である。この範囲であることで、イ
ンクは安定にインク吐出ヘッドから吐出される。本発明
の好ましい態様によれば、インクジェット記録方法にお
いて、前記インク組成物が、顔料を5〜9重量部を含ん
でなり、かつその20℃における粘度が6mPa・s以
下であるものであり、かつ記録媒体へのインク組成物吐
出量が記録媒体5×10−3mmあたり80ng以下
であることが好ましい。
【0036】本発明において、インク組成物の表面張力
は適宜制御されてよいが、50mN/m(20℃)以下
であることが好ましく、より好ましくは40mN/m
(20℃)以下であり、さらに好ましくは30〜40m
N/m(20℃)である。この範囲にあることで、本発
明における単位面積当たりのインク吐出量により印字し
た場合に、隣接ドット間で滲み(カラーブリード)が生
じて文字の品質、特にカラー画像の品位が劣化してしま
うことが防止される。本発明の好ましい態様によれば、
インクジェット記録方法において、インク組成物の表面
張力が40mN/m以下であり、かつ、記録媒体へのイ
ンク組成物吐出量が記録媒体5×10−3mmあたり
120ng以下であることが好ましい。
【0037】本発明によれば、前記した本発明による記
録方法に使用されるインク組成物も提供される。このよ
うなインク組成物は、堅牢性の優れる顔料インクであ
り、印字画像に不規則なにじみが少なくまた色境界域で
のカラーブリードがなく、さらに印字後素早く乾燥し
て、印字濃度が高いという特徴を有するものである。さ
らに優れた吐出安定性および保存安定性も有するもので
ある。さらに着色剤が顔料であることから従来の染料系
インクに比べて優れた耐光性および耐水性を示すことが
できる。
【0038】また本発明によれば、本発明による方法に
よって記録された記録物も提供される。
【0039】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0040】評価試験A 以下において、印字試験および保存安定性試験は以下の
通りとした。印字試験A インクジェットプリンターSC−740C(セイコーエ
プソン株式会社製)に各インク組成物を充填して、中性
普通紙ゼロックス−P(富士ゼロックス社製)、酸性普
通紙EPP(セイコーエプソン株式会社製)、再生紙ゼ
ロックス−R(富士ゼロックス社製)のそれぞれの紙に
対し、印刷を行った。
【0041】保存安定性試験A 各インク組成物をガラス製のサンプル瓶に入れ密栓後、
それぞれ60℃/1週間、−20℃/1週間放置して、
放置前後でのインクの発生異物と物性値(粘度、表面張
力)について調べた。なお、以下において、インク組成
物の粘度および表面張力は、それぞれ粘度計(回転型粘
度計、レオメトリック社製RFS2)および表面張力計
(協和界面科学社製CBVP−A3)により測定を行っ
た。
【0042】インク組成物A1 (a)顔料分散液の調製 カーボンブラック(三菱化学社製「MA−7」)12重
量部を5%の次亜塩素酸ナトリウム溶液600重量部と
混合し、80〜95℃で加熱還流を10時間行った。そ
の後、水洗と遠心分離を繰り返した後、塩酸を加えてp
Hを1に調整し、逆浸透膜にて脱塩処理した。トリエタ
ノールアミンを加えてpHを8に調整し、20%の酸化
処理カーボンブラック分散液を得た。
【0043】(b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 30重量部 サーフィノール465 1重量部 エチレングリコールモノブチルエーテル 8重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 51重量部 上記成分を混合後、濾過して、インク組成物A1を得
た。このインク組成物の粘度は、5.5mPa・sであ
り、またその表面張力は33mN/cmであった(共に
20℃における値)。
【0044】(c)上記インク組成物を用いて印字試験
を行った。このときインク吐出量は、プリンタのドット
電圧を変更して、記録媒体5×10−3mmあたり1
20ngとした。その結果、得られた印字画像はいずれ
も不規則なにじみが殆ど無く、印字濃度が高い非常に良
好な印字画像であった。また、ベタ印字を行った場合、
インクが紙へ浸透消失する乾燥時間は、いずれも2秒未
満であった。また、保存安定性試験を行った結果、いず
れの条件でも放置前後で、異物の発生、物性値の変化が
殆ど無かった。
【0045】インク組成物A2 (a)顔料分散液の調製 カーボンブラック(三菱化学社製「MA−100」)8
重量部を水性溶媒中に分散し、スルファミン酸6重量部
を添加して、120〜135℃で加熱しながら8時間攪
拌した。次いで、水洗と濾過を繰り返した後、ジメチル
アミノエタノールを加えてpHを8.5に調整して、1
6%のスルホン化処理カーボンブラック分散液を得た。
【0046】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 39重量部 エチレングリコールモノブチルエーテル 8重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 43重量部 上記成分を混合後、濾過して、インク組成物A2を得
た。このインク組成物の粘度は、4.5mPa・sであ
り、またその表面張力は42mN/cmであった(共に
20℃における値)。
【0047】(c)上記インク組成物を用いて印字試験
を行った。このときインク吐出量は、記録媒体5×10
−3mmあたり160ngとした。その結果、得られ
た印字画像はいずれも不規則なにじみが殆ど無く、印字
濃度が高い非常に良好な印字画像であった。また、ベタ
印字を行った場合のインクが紙へ浸透消失する乾燥時間
は、いずれも2秒未満であった。また、保存安定性試験
を行った結果、いずれの条件でも放置前後で、異物の発
生、物性値の変化が殆ど無かった。
【0048】インク組成物A3 (a)顔料分散液の調製 5〜10℃の発煙硫酸(SO濃度25%品)100重
量部中にフタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブル
ー15:3)3重量部を攪拌しながら15分かけて添加
した。得られた混合物を70〜90℃で数時間攪拌した
後、氷水中に注入した。生じた懸濁液を濾過洗浄後、ト
リエタノールアミンを加えてpH8.2に調整し、18
%のスルホン化処理フタロシアニン顔料分散液を得た。
【0049】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 35重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 トリエチレングリコールモノエチルエーテル 5重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 40重量部 上記成分を混合後、濾過して、インク組成物A3を得
た。このインク組成物の粘度は、4.1mPa・sであ
り、またその表面張力は40mN/cmであった(共に
20℃における値)。
【0050】(c)インク組成物A1とインク組成物A
3について以下述べる印字試験を行った。インクジェッ
トプリンターSC−740Cにインク組成物A1および
インク組成物A3を充填して、上記印字試験と同様に各
紙に印刷を行った。印字パターンはインク組成物A1と
インク組成物A3の1ノズルで印字した罫線が隣接する
パターンとした。また、インクの吐出量は、プリンタの
ドット電圧を変更して、記録媒体5×10−3mm
たり、インク組成物A1およびインク組成物A3はとも
に120ngとした。その結果、得られた印字画像はい
ずれも不規則なにじみが無く、高い印字濃度の良好な印
字画像であった。また、顕微鏡下における観察によって
も、ブラックインク(インク組成物A1)とシアンインク
(インク組成物A3)の境界において色交じり(カラー
ブリード)もなかった。また、インク組成物A3のベタ
印字を行った場合のインクが紙へ浸透消失する乾燥時間
は、いずれも4秒未満であった。また、保存安定性試験
を行った結果、放置前後で異物の発生、物性値の変化が
殆ど無かった。
【0051】インク組成物A4 (a)顔料分散液の調製 インク組成物A3の場合と同様な工程によりイソインド
リノン顔料(C.I.ピグメントイエロー110)を処
理し、15%のスルホン化処理イソインドリノン顔料分
散液を得た。
【0052】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 40重量部 サーフィノールTG 0.2重量部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 12重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 37.8重量部 上記成分を混合し、十分攪拌後、濾過して、インク組成
物A4を得た。このインク組成物の粘度は、4.3mP
a・sであり、またその表面張力は29mN/cmであ
った(共に20℃における値)。
【0053】(c)インク組成物A1とインク組成物A
4について以下述べる印字試験を行った。インクジェッ
トプリンターSC−740Cにインク組成物A1および
インク組成物A4を充填して、上記印字試験と同様に各
紙に印刷を行った。印字パターンはインク組成物A1と
インク組成物A4の1ノズルで印字した罫線が隣接する
パターンとした。また、インクの吐出量は、記録媒体5
×10−3mmあたり、インク組成物A1は45ng
とし、インク組成物A4は40ngとした。その結果、
得られた印字画像はいずれも不規則なにじみが無く、高
い印字濃度の良好な印字画像であった。さらに、顕微鏡
下における観察によっても、ブラックインク(インク組
成物A1)とイエローインク(インク組成物A4)の境
界での色交じり(カラーブリード)はなかった。また、
インク組成物A4のベタ印字を行った場合のインクが紙
へ浸透消失する乾燥時間は、いずれも2秒未満であっ
た。また、保存安定性試験を行った結果、放置前後で異
物の発生、物性値の変化が殆ど無かった。
【0054】インク組成物A5 (a)顔料分散液の調製 インク組成物A3の場合と同様な工程によりキナクリド
ンマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を
処理し、16%のスルホン化処理キナクリドンマゼンタ
顔料分散液を得た。
【0055】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 38重量部 サーフィノール465 1重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 51重量部 上記成分を混合し、十分攪拌後、濾過して、インク組成
物A5を得た。このインク組成物の粘度は、3.9mP
a・sであり、またその表面張力は31mN/cmであ
った(共に20℃における値)。
【0056】(c)上記インク組成物を用いて印字試験
を行った。このときインク吐出量は、記録媒体5×10
−3mmあたり60ngとした。その結果、得られた
印字画像はいずれも不規則なにじみが殆ど無く、高い印
字濃度の非常に良好な印字画像であった。また、ベタ印
字を行った場合のインクが紙へ浸透消失する乾燥時間
は、いずれも2秒未満であった。また、保存安定性試験
を行った結果、放置前後で異物の発生、物性値の変化が
殆ど無かった。
【0057】評価試験B 以下において、印字試験および保存安定性試験は以下の
通りとした。印字試験B インクジェットプリンターMJ−930C (セイコー
エプソン株式会社製)に各インク組成物を充填して、中
性普通紙ゼロックス−P(富士ゼロックス社製)、酸性
普通紙EPP(セイコーエプソン株式会社製)、再生紙
ゼロックス−R(富士ゼロックス社製)のそれぞれの紙
に対し、印刷を行った。
【0058】保存安定性試験B 各インク組成物をガラス製のサンプル瓶に入れ密栓後、
それぞれ60℃/1週間、−20℃/1週間放置して、
放置前後でのインクの発生異物と物性値(粘度、表面張
力)について調べた。なお、以下において、インク組成
物の粘度および表面張力は、前記評価試験Aと同様に測
定を行った。
【0059】インク組成物B1 (a)顔料分散液の調製 カーボンブラック(三菱化学社製「MA−7」)12重
量部を5%の次亜塩素酸ナトリウム溶液600重量部と
混合し、80〜95℃で加熱還流を10時間行った。そ
の後、水洗と遠心分離を繰り返した後、塩酸を加えてp
Hを1に調整し、逆浸透膜にて脱塩処理した。トリエタ
ノールアミンを加えてpHを8に調整し、20%の酸化
処理カーボンブラック分散液を得た。
【0060】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 26重量部 サーフィノール440 0.5重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 53.5重量部 上記成分を混合後、濾過して、インク組成物B1を得
た。このインク組成物は、インク組成物100重量部中
に顔料を約5.2重量部含有しており、その20℃にお
ける粘度は、4.7mPa・sであった。
【0061】(c)上記インク組成物を用いて印刷試験
を行った。このときインク吐出量は、記録媒体5×10
−3mmあたり80ngとした。その結果、得られた
印字画像はいずれも不規則なにじみが殆ど無く、高い印
字濃度の非常に良好な印字画像であった。また、ベタ印
字部のOD値はいずれも1.2以上であり、キャラクタ
文字の視認性も優れていた。インクが紙へ浸透消失する
乾燥時間は、いずれも2秒未満であった。また、印字試
験中におけるインクジェットヘッドからインクの飛び散
り等はほとんど見られなかった。また、保存安定性試験
を行った結果、いずれの条件でも放置前後で、異物の発
生、物性値の変化が殆ど無かった。
【0062】インク組成物B2 (a)顔料分散液の調製 カーボンブラック(三菱化学社製「MA−100」)8
重量部を水性溶媒中に分散し、スルファミン酸6重量部
を添加して、120〜135℃で加熱しながら8時間攪
拌した。次いで、水洗と濾過を繰り返した後、ジメチル
アミノエタノールを加えてpHを8.5に調整し、16
%のスルホン化処理カーボンブラック分散液を得た。
【0063】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 50重量部 サーフィノール465 1重量部 エチレングリコールモノブチルエーテル 5重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 34重量部 上記成分を混合後、濾過して、インク組成物B2を得
た。このインク組成物は、インク組成物100重量部中
に顔料を約8重量部含有しており、その20℃における
粘度は、5.4mPa・sであった。
【0064】(c)上記インク組成物を用いて印刷試験
を行った。このときインク吐出量は、記録媒体5×10
−3mmあたり60ngとした。その結果、得られた
印字画像はいずれも不規則なにじみが殆ど無く、高い印
字濃度の非常に良好な印字画像であった。また、ベタ印
字部のOD値はいずれも1.2以上であり、キャラクタ
文字の視認性も優れていた。ベタ印字を行った場合のイ
ンクが紙へ浸透消失する乾燥時間は、いずれも2秒未満
であった。さらに、印字試験中におけるインクジェット
ヘッドからインクの飛び散り等はほとんど見られなかっ
た。また、保存安定性試験を行った結果、いずれの条件
でも放置前後で異物の発生、物性値の変化が殆ど無かっ
た。
【0065】インク組成物B3 (a)顔料分散液の調製 5〜10℃の発煙硫酸(SO濃度25%品)100重
量部中にフタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブル
ー15:3)3重量部を攪拌しながら15分かけて添加
した。得られた混合物を70〜90℃で数時間攪拌した
後、氷水中に注入した。生じた懸濁液を濾過洗浄後、ト
リエタノールアミンを加えてpH8.2に調整し、18
%のスルホン化処理フタロシアニン顔料分散液を得た。
【0066】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 35重量部 ジエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 トリエチレングリコールモノエチルエーテル 5重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 40重量部 上記成分を混合後、濾過して、インク組成物B3を得
た。このインク組成物は、インク組成物100重量部中
に顔料を約6.3重量部含有しており、その20℃にお
ける粘度は、4.1mPa・sであった。
【0067】(c)インク組成物B1とインク組成物B
3について以下述べる印字試験を行った。インクジェッ
トプリンターMJ−930Cにインク組成物B1および
インク組成物B3を充填して、上記印字試験と同様に各
紙に印刷を行った。印字パターンはインク組成物B1と
インク組成物B3の1ノズルで印字した罫線が隣接する
パターンとした。また、インクの吐出量は、記録媒体5
×10−3mmあたり、インク組成物B1およびイン
ク組成物B3はともに60ngとした。結果として、得
られた印字画像はいずれも不規則なにじみが無く、高い
印字濃度の良好な印字画像であった。さらに、顕微鏡下
における観察によっても、ブラックインク(インク組成
物B1)とシアンインク(インク組成物B3)の境界で
の色交じり(カラーブリード)はなかった。また、イン
ク組成物B3のベタ印字を行った場合のインクが紙へ浸
透消失する乾燥時間は、いずれも4秒未満であった。さ
らに、印字試験中におけるいずれのインクジェットヘッ
ドからもインクの飛び散り等はほとんど見られなかっ
た。また、保存安定性試験を行った結果、放置前後で異
物の発生、物性値の変化が殆ど無かった。
【0068】インク組成物B4 (a)顔料分散液の調製 インク組成物B3の場合と同様な工程によりイソインド
リノン顔料(C.I.ピグメントイエロー110)を処
理し、15%のスルホン化処理イソインドリノン顔料分
散液を得た。
【0069】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 58重量部 サーフィノールTG 0.8重量部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 8重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 23.2重量部 上記成分を混合し、十分攪拌後、濾過して、インク組成
物B4を得た。このインク組成物は、インク組成物10
0重量部中に顔料を約6.3重量部含有しており、その
20℃における粘度は、5.9mPa・sであった。
【0070】(c)インク組成物B2とインク組成物B
4について以下述べる印字試験を行った。インクジェッ
トプリンターMJ−930Cにインク組成物B2および
インク組成物B4を充填して、上記印字試験と同様に各
紙に印刷を行った。印字パターンはインク組成物B2と
インク組成物B4の1ノズルで印字した罫線が隣接する
パターンとした。また、インクの吐出量は、記録媒体5
×10−3mmあたり、インク組成物B2は60ng
とし、インク組成物B4は55ngとした。その結果、
得られた印字画像はいずれも不規則なにじみが無く、高
い印字濃度の良好な印字画像であった。さらに、顕微鏡
下における観察によっても、ブラックインク(インク組
成物B2)とイエローインク(インク組成物B4)の境
界での色交じり(カラーブリード)はなかった。また、
インク組成物B4のベタ印字を行った場合のインクが紙
へ浸透消失する乾燥時間は、いずれも3秒未満であっ
た。さらに、印字試験中におけるいずれのインクジェッ
トヘッドからもインクの飛び散り等はほとんど見られな
かった。また、保存安定性試験を行った結果、放置前後
で異物の発生、物性値の変化が殆ど無かった。
【0071】インク組成物B5 (a)顔料分散液の調製 インク組成物B3の場合と同様な工程によりキナクリド
ンマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド122)を
処理し、16%のスルホン化処理キナクリドンマゼンタ
顔料分散液を得た。
【0072】 (b)インク組成物の調製 上記顔料分散液 38重量部 サーフィノール465 1重量部 グリセリン 10重量部 イオン交換水 51重量部 上記成分を混合し、十分攪拌後、濾過して、インク組成
物B5を得た。このインク組成物は、インク組成物10
0重量部中に顔料を約6.1重量部含有しており、その
20℃における粘度は、3.9mPa・sであった。
【0073】(c)インク組成物B1とインク組成物B
5について以下述べる印字試験を行った。インクジェッ
トプリンターMJ−930Cにインク組成物B1および
インク組成物B5を充填して、上記印字試験と同様に各
紙に印刷を行った。印字パターンはインク組成物B1と
インク組成物B5の1ノズルで印字した罫線が隣接する
パターンとした。また、インクの吐出量は、記録媒体5
×10−3mmあたり、インク組成物B1は45ng
とし、インク組成物B4は50ngとした。その結果、
得られた印字画像はいずれも不規則なにじみが無く、高
い印字濃度の良好な印字画像であった。さらに、顕微鏡
下における観察によっても、ブラックインク(インク組
成物B1)とマゼンタインク(インク組成物B5)の境
界での色交じり(カラーブリード)はなかった。また、
インク組成物B5のベタ印字を行った場合のインクが紙
へ浸透消失する乾燥時間は、いずれも2秒未満であっ
た。
【0074】(d)次にインク組成物B2〜B5につい
てフルカラー印字試験を行った。インクジェットプリン
ターMJ−930Cにインク組成物B2〜B5を充填し
て、上記印字試験と同様に、中性普通紙ゼロックス−P
(富士ゼロックス社製)、酸性普通紙EPP(セイコー
エプソン株式会社製)、再生紙ゼロックス−R(富士ゼ
ロックス社製)のそれぞれの紙に対して、フルカラーに
よる写真画像の印字試験を行った。インクの吐出量は、
記録媒体5×10−3mmあたり各インクとも60n
gとした。その結果、得られた写真画像はいずれも引き
締まった画像であり、印字画像は非常に良好であった。
さらに、印字試験中におけるいずれのインクジェットヘ
ッドからもインクの飛び散り等はほとんど見られなかっ
た。また、保存安定性試験を行った結果、放置前後で異
物の発生、物性値の変化が殆ど無かった。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク組成物の液滴を吐出し記録媒体に付
    着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、 前記インク組成物が、顔料、浸透剤、および水を少なく
    とも含んでなるものであって、前記顔料が、分散基をそ
    の表面に有する、単独で水性溶媒に分散可能な表面処理
    顔料であり、かつ記録媒体へのインク組成物吐出量が記
    録媒体5×10−3mmあたり160ng以下であ
    る、インクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】前記インク組成物の表面張力が40mN/
    m以下であり、かつ、記録媒体へのインク組成物吐出量
    が記録媒体5×10−3mmあたり120ng以下で
    ある、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】前記インク組成物が、顔料を5〜9重量%
    を含んでなり、かつその20℃における粘度が6mPa
    ・s以下であるものであり、記録媒体へのインク組成物
    吐出量が記録媒体5×10−3mmあたり80ng以
    下である、請求項1または2に記載のインクジェット記
    録方法。
  4. 【請求項4】ベタ印刷(100% Dutyの塗りつぶし印刷)
    したときの光学濃度(OD値)が1.2以上となるよう
    に印字を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載のイ
    ンクジェット記録方法。
  5. 【請求項5】記録媒体上に付着したインク組成物の乾燥
    時間が5秒以内である、請求項1〜4のいずれか一項に
    記載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】顔料における分散基が顔料への酸化処理に
    より導入されたものである、請求項1〜5のいずれか一
    項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】顔料における分散基が顔料へのスルホン化
    処理により導入されたものである、請求項1〜5のいず
    れか一項に記載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】前記顔料がカーボンブラックである、請求
    項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方
    法。
  9. 【請求項9】前記顔料が有機顔料である、請求項1〜7
    のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】前記浸透剤がアセチレングリコール系界
    面活性剤およびグリコールエーテル類からなる群より選
    択される少なくとも一種である、請求項1〜9のいずれ
    か一項に記載のインクジェット記録方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜10のいずれか一項に記載の
    記録方法によって記録が行われた、記録物。
  12. 【請求項12】顔料、浸透剤、および水を少なくとも含
    んでなるインクジェット記録用インク組成物であって、 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法において使
    用される、インク組成物。
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