JP2007099997A - インク組成物、これを用いた記録方法、及び記録物 - Google Patents

インク組成物、これを用いた記録方法、及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】普通紙に対しての高い発色性と、光沢紙に対しての光沢性及び定着性とを有し、かつ吐出安定性、保存安定性、及び目詰まり回復性等のインク信頼性に優れるインク組成物を提供する。
【解決手段】マゼンタ固溶体顔料と、該顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーと、水不溶性ビニルポリマーと、水と、を少なくとも含んでなるインク組成物であって、前記水不溶性ビニルポリマーが、(1)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、(2)塩生成基含有モノマー、及び(3)前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと、共重合可能なモノマーを含んでなるモノマー組成物を重合させてなるビニルポリマーとする。
【選択図】なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ光沢紙に対して優れた光沢性及び定着性を有し、かつ吐出安定性、保存安定性、目詰まり回復性等のインク信頼性にも優れるインクジェット記録用インク組成物、このインク組成物を用いた記録方法、及び記録物に関する。
背景技術
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や図形を紙などの記録媒体の表面に記録する方法である。インクジェット記録方法としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク液滴を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッドの吐出部分に近い一部でインク液の一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張でインク液滴を断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
近年、インクジェット記録技術の革新的な進歩により、これまで銀塩写真やオフセット印刷によってのみ実現されてきた高精細で光沢性のある記録物にも、インクジェット記録方式が適用されるようになり、印画紙やアート紙等のような光沢紙に対してもインクジェット記録が行われている。
また、インクジェットプリンターで印刷した印刷物を、広告用や観賞用として、室内のみならず屋外での掲示に用いることも多くなっており、耐光性、耐ガス性、耐水性等の優れた耐性を有するインクの開発が希求されている。このような希求に対して、耐光性、耐水性、耐ガス性等の耐久性に優れる顔料を、着色剤として用いたインクが開発されている。
例えば、特開平11−209672号公報(特許文献1)において、特定の高分子で顔料を被覆した高発色性の耐光性に優れる水性顔料インクが提案されている。また、特開平10−219166号公報(特許文献2)や特開平11−49998号公報(特許文献3)には、マゼンタ色に使用される顔料として、キナクリドン系顔料やキナクリドン固溶体顔料を用いた、マゼンタ染料と同等の演色性を有するとともに、耐光性、耐ガス性にも優れるインク組成物が提案されている。
また、水性顔料インクは、一定の粒径を有する顔料微粒子を水溶媒中に均一に分散させた分散液であるため、光沢紙のような表面が平滑に加工された記録媒体に印刷した場合、インク皮膜中の顔料微粒子による光の乱反射により光沢性が不十分となる場合がある。このような課題に対して、特開2004−75988号公報(特許文献4)には、水不溶性のビニルポリマー微粒子の水分散体を用いることにより、高発色かつ光沢性に優れた印字が可能な顔料インクが提案されている。
しかしながら、上記のような固溶体顔料を着色材とするインクにポリマー微粒子を添加すると発色性が不十分となる場合があり、発色性を向上させるために顔料濃度を上げると目詰まり等のインク信頼性が低下することがあった。
また、マゼンタ系の固溶体顔料に樹脂成分を添加すると定着性は向上するものの、目詰まり回復性や保存安定性等のインクの信頼性が不十分となる場合があった。
特開平11−209672号公報 特開平10−219166号公報 特開平11−49998号公報 特開2004−75988号公報
発明の概要
本発明者らは今般、顔料分散剤を含むマゼンタ固溶体顔料インクにおいて、特定構造の水不溶性ビニルポリマーを添加することにより、普通紙に対しての高い発色性と、光沢紙に対しての光沢性及び定着性とを有し、かつ吐出安定性、保存安定性、及び目詰まり回復性等のインク信頼性に優れるインクジェット記録用インク組成物を実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
したがって、本発明の目的は、種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ光沢紙に対して優れた光沢性及び定着性を有し、かつ吐出安定性、保存安定性、目詰まり回復性等のインク信頼性にも優れるインク組成物、このインク組成物を用いた記録方法、及び記録物を提供することにある。
そして、本発明によるインク組成物は、マゼンタ固溶体顔料と、該顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーと、水不溶性ビニルポリマーと、水と、を少なくとも含んでなるインク組成物であって、
前記水不溶性ビニルポリマーが、
(1)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、
(2)塩生成基含有モノマー、及び
(3)前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと、共重合可能なモノマー
を含んでなるモノマー組成物を重合させてなるビニルポリマーである。
本発明によれば、種々の記録媒体において印字品質に優れ、とりわけ普通紙に対しての高い発色性と、光沢紙に対しての光沢性及び定着性とを有し、かつ吐出安定性、保存安定性、及び目詰まり回復性等のインク信頼性に優れるインク組成物を実現することができる。
発明の具体的説明
<インク組成物>
本発明によるインク組成物は、マゼンタ固溶体顔料と、該顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーと、水不溶性ビニルポリマーと、水と、を少なくとも含んでなるものである。以下、本発明によるインク組成物を構成する各成分について説明する。
<マゼンタ固溶体顔料>
本発明によるインク組成物は、着色材としてマゼンタ固溶体顔料が用いられる。このような固溶体顔料としては、キナクリドン系固溶体顔料が挙げられる。本発明においては、このようなマゼンタ固溶体顔料が顔料分散剤によりインク中に分散したインク組成物に、後記するような特定構造の水不溶性ポリマーを添加することにより、光沢紙に対して優れた光沢性及び定着性を有し、かつ吐出安定性、保存安定性、目詰まり回復性等のインク信頼性にも優れるインク組成物を実現するものである。
マゼンタ固溶体顔料は、無置換キナクリドン、3,10−ジクロロキナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン、及び2,9−ジクロロキナクリドンからなる群から選択される2種以上のキナクリドン系化合物からなる固溶体顔料であることが好ましい。これら特定のキナクリドン化合物からなる固溶体顔料と、下記に説明する水不溶性ポリマーとを組み合わせて使用することにより、普通紙に対しての高い発色性と、光沢紙に対しての光沢性及び定着性とを有し、かつ吐出安定性、保存安定性、及び目詰まり回復性等のインク信頼性に優れるインク組成物を実現することができる。
上記キナクリドン化合物は、下記式:
Figure 2007099997
で表される無置換キナクリドン、3及び10位を塩素で置換した3,10−ジクロロキナクリドン、2及び9位をメチル基で置換した2,9−ジメチルキナクリドン、及び2及び9位を塩素で置換した2,9−ジクロロキナクリドンの4種類のキナクリドン化合物から、2種以上を組み合わせた固溶体顔料である。
上記の各キナクリドン化合物は、無置換キナクリドンがC.I.ピグメントバイオレッド19として、3,10−ジクロロキナクリドンがC.I.ピグメントレッド209として、2,9−ジメチルキナクリドンがC.I.ピグメントレッド122として、2,9−ジクロロキナクリドンがC.I.ピグメントレッド202として、市販されたものを用いてもよい。
2種以上のキナクリドン化合物の組み合わせは特に限定されるものではないが、本発明においては、無置換キナクリドンと3,10−ジクロロキナクリドンとの組み合わせ、無置換キナクリドンと2,9−ジメチルキナクリドンとの組み合わせ、または、無置換キナクリドンと2,9−ジクロロキナクリドンとの組み合わせからなる固溶体顔料であることが好ましい。これらの組み合わせからなる固溶体顔料用いることにより、発色性及び定着性がより向上する。
無置換キナクリドンと3,10−ジクロロキナクリドンとの固溶体顔料において好ましい混合比は、無置換キナクリドン:3,10−ジクロロキナクリドンが10:90〜90:10の範囲であり、さらに好ましくは15:85〜85:15の範囲である。また、無置換キナクリドン:2,9−ジメチルキナクリドンが10:90〜90:10の範囲であり、さらに好ましくは15:85〜85:15の範囲である。また、無置換キナクリドン:2,9−ジクロロキナクリドンが10:90〜90:10の範囲であり、さらに好ましくは15:85〜85:15の範囲である。
キナクリドン固溶体顔料の製造方法としては、特に限定されるものではなく、通常は公知の製造方法を用いることができる。具体的には、特開平11−49998号公報、特開2000−319534号公報、特開2003−253150号公報に開示されている方法が挙げられる。
本発明においては、マゼンタ固溶体顔料の平均粒子径が10〜200nmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、平均粒子径が50〜150nmである。平均粒子径が10nm未満になると耐候性が低下することがあり、200nmを超えると沈降して安定的に吐出しなくなる場合がある。
<水不溶性ビニルポリマー>
本発明によるインク組成物に用いられる水不溶性ビニルポリマー(以下、単にビニルポリマーともいう)は、(1)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、(2)塩生成基含有モノマー、及び(3)前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと、共重合可能なモノマー(以下、単に共重合可能なモノマーともいう)を含むモノマー組成物を共重合して得られるものである。
各モノマーの組成比は、(1)ポリオキシアルキレン基含有モノマーが5〜50重量部、(2)塩生成基含有モノマーが3〜40重量部、(3)共重合可能なモノマーが15〜90重量部であることが好ましい。
(1)ポリオキシアルキレン基含有モノマー
水不溶性ビニルポリマーの構成モノマーの1つとして用いられるポリオキシアルキレン基含有モノマーとしては、 下記式(I):
Figure 2007099997
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、mは1〜30の数を表す。)
で表されるモノマーM1、
下記式(II):
Figure 2007099997
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、nは1〜30の数を表す。)
で表されるモノマーM2、または
下記式(III):
Figure 2007099997
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、m及びnは1〜30の数を表し、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基は、[]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
で表されるモノマーM3、
から選択される少なくとも1種以上のモノマーを含んでなることが好ましい。
ポリオキシアルキレン基含有モノマーとして水溶性である上記モノマーM1を用いることにより、印刷画像の光沢、インク保存性、及び目詰まり回復性に優れたインク組成物を得ることができる。この理由は定かではないが、モノマーM1が有する親水性の高いオキシエチレン基の親水性水和層がインクの中で広がることに基づくものと考えられる。
ポリオキシアルキレン基含有モノマーとして上記モノマーM2を用いると、吐出性に優れたインク組成物を得ることができる。この理由は定かではないが、モノマーM2の疎水性の高いオキシプロピレン基と、着色材であるキナクリドン系固溶体顔料との間に疎水性相互作用が強く働き、ビニルポリマーが着色材に対して強い吸着性を発現するため、着色材を含有するポリマー粒子の疎水性が強くなり、その結果、インク組成物の粘度が低くなることに基づくものと考えられる。
また、ポリオキシアルキレン基含有モノマーとしてモノマーM3を用いると、優れた分散安定性を着色材に付与できる。この理由は定かではないが、親水性の高いオキシエチレン基またはオキシテトラメチレン基の親水性水和層がインク中で広がることに基づくものと考えられる。
上記式(I)〜(III)で表されるモノマーM1〜M3において、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基または炭素数1〜9のアルキルフェニル基である。耐水性及び耐擦過性の観点から、Rはオクチル基及びノニルフエニル基が好ましい。
mは1〜30の数である。吐出性及び印字濃度の観点から、mは2〜25の数が好ましい。また、nは1〜30の数である。吐出性及び印字濃度の観点から、nは2〜25の数が好ましい。
上記式(I)で表されるモノマーM1としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。商業的に入手しうるモノマーM1の具体例としては、新中村化学社製のNKエステルM-20G、40G、90G、230G、日本油脂社製のブレンマーPEシリーズ、PME-100、200、400、1000等が挙げられる。
上記式(II)で表されるモノマーM2としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記式(III)で表されるモノマーM3としては、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの中でも、インク粘度及び吐出性の観点からモノマーM2及びM3は、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、またはポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートが好ましい。
商業的に入手しうるモノマーM2及びM3の例としては、日本油脂社製のブレンマーPP-1000、PP-500、PP-800、AP-150、AP-400、AP-550、AP-800、50PEP-300、70PEP-350B、AEPシリーズ、30PPT-800、50PPT-800、70PPT-800、APTシリーズ、10PPB-500B、10APB-500B、50POEP-800B、50AOEP-800B、ASEPシリーズ、PNEPシリーズ、PNPEシリーズ、43ANEP-500、70ANEP-550等が挙げられる。
水不溶性ポリマーにおけるポリオキシアルキレン基含有モノマーの含有量は、インク組成物の吐出安定性や印刷画像の光沢性を向上させ、また光沢紙での発色性、定着性低下を抑制する観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量%とされる。
(2)塩生成基含有モノマー
本発明に用いられる水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマーの一つである塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマーまたはカチオン性モノマーが好ましい。アニオン性モノマーまたはカチオン性モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー及び不飽和リン酸モノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルポプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルポプロピル−イタコン酸エステル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルポスホン酸、ビニルポスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルポスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルボスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルポスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーとしては、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有ビニルモノマー及び不飽和アンモニウム塩含有ビニルモノマーからなる群より選ばれた1種以上が挙げられる。
不飽和3級アミン含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアリールアミン、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和アンモニウム塩含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル (メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
カチオン性モノマーの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
ビニルポリマーにおける塩生成基含有モノマーの含有量は、分散安定性及び吐出安定性
の観点から、3〜40重量%、好ましくは5〜30重量%である。
(3)共重合可能なモノマー
上記したポリオキシアルキレン基含有モノマー及び塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、長鎖アルキル基含有モノマー、芳香環含有モノマー、マクロマー、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらの中でも、長鎖アルキル基含有モノマー、芳香環含有モノマー、及びマクロマーから選択される1種以上を用いることが好ましく、インクの調製時添加する湿潤剤や分散剤によるインク粘度変化を抑制し、インクの保存安定性を高めることができる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
長鎖アルキル基含有モノマーにおいて、長鎖アルキル基の炭素数は、モノマーの入手容易性の観点から、好ましくは16〜30、より好ましくは18〜22である。長鎖アルキル基含有モノマーの代表例としては、下記式(IV):
Figure 2007099997
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭素数16〜30炭化水素基を表す。)
上記式中、Rは、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数18〜30が好ましく、より好ましくは炭素数18〜22の1価の炭化水素基を表す。
長鎖アルキル基含有モノマーの具体例としては、(イソ)セチル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、(イソ)べへニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート及び/または(イソ)ベへニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。長鎖アルキル基含有モノマーは、インクの調製時に添加する湿潤剤や分散剤によるインク粘度変化を抑制し、保存安定性を十分に高める観点から好ましい。この場合、モノマー混合物におけるステアリル(メタ)アクリレート及びベへニル(メタ)アクリレートの合計含量は、インクの粘度変化を抑制し、保存安定性を十分に高める観点から、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
芳香環含有モノマーとしては、耐水性を付与する観点から、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチル・スチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上が好ましい。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上が、耐水性、耐擦過性の観点からより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、 (イソまたはターシャリー)及び(イソ)とは、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルであることを意味する。
本発明に使用される好ましい共重合可能なモノマーの1つであるマクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜500,000、より好ましくは1,000〜10,000であるマクロマーが挙げられる。
マクロマーの具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するメチルメタクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するブチルアクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するイソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中でも、ビニルポリマーに着色材を十分に含有させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。また、そのスチレンの含有量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。商業的に入手しうるスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成社製のAS-6、AS-6S、AN-6、AN-6S、HS-6S、HS-6等が挙げられる。
なお、マクロマーの数平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのドデシルジメチルアミン含有クロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィーにより、標準物質としてポリスチレンを用いて測定される。
水不溶性ビニルポリマーにおけるマクロマーの含有量は、耐水性及び耐擦過性の観点から、好ましくは0.1〜40重量%、より好ましくは1〜30重量%である。
なお、水不溶性ビニルポリマーの構成モノマーとしてマクロマーを用いることにより、吐出性に優れたインク組成物を得ることができる。この理由は定かではないが、疎水性の高いマクロマーと着色材であるマゼンタ固溶体顔料との間で疎水性相互作用が強くなるので、ビニルポリマーが着色材に対して強い吸着性を発現するため、着色剤を含有するポリマー粒子の疎水性が強くなり、その結果、水系インクの粘度が低くなることに基づくものと考えられる。
水不溶性ビニルポリマーにおける共重合可能なモノマーの含有量は、印字濃度及び耐水性の観点から、15〜90重量%、好ましくは35〜80重量%である。
<水不溶性ビニルポリマーの合成>
上記した水不溶性ビニルポリマーは、(1)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、(2)塩生成基含有モノマー、及び(3)共重合可能なモノマーをそれぞれ所定量配合して、これらを共重合させることによって得られる。重合は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法を用いることができるが、これらの中でも溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトンまたはこれらと水との混合液が好ましい。
なお、重合の際には、ラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス (2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物が好適である。また、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物を使用することもできる。
重合開始剤の量は、モノマー組成物1molあたり、好ましくは0.001〜5mol、より好ましくは0.01〜2molである。
また、重合の際には、更に重合連鎖移動剤を添加してもよい。重合連鎖移動剤の具体例としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー、9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が挙げられる。これらの重合連鎖移動剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマー組成物の重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるが、通常、重合温度は,好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した水不溶性ビニルポリマーを単離する。また、得られたポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量は150,000〜500,000であることが好ましい。水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量を上記の範囲とすることにより、連続印刷時の印字安定性が向上する。なお、ポリマーの平均分子量は、メルカプタン等の連鎖移動材を添加する慣用の操作によりコントロールできる。
ポリマーの重量平均分子量は、得られたポリマー溶液の一部を、減圧下105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求めることができる。
本発明においては、水不溶性ビニルポリマーは、インク中でポリマー粒子の形態で存在することが好ましい。ポリマー粒子を調製するには、例えば、得られたポリマーの溶液にメチルエチルケトン等の溶剤を加え、その中に水酸化カリウム等の電解質水溶液を加えてポリマーの塩生成基を中和し、これにイオン交換水を加えて撹拝した後、マイクロフルイダイザー等を用いて撹拝し、得られた乳化物から有機溶媒及び水を除去し、ポリマー粒子を得ることができる。
水不溶性ビニルポリマーの平均粒子径は10〜200nmが好ましく、より好ましくは60〜200nm程度となるように調整する。平均粒子径が10nm未満であると目詰まり回復性が低下し、300nmを超えると光沢紙上での光沢が低下する。ポリマー粒子の粒子径は、電子顕微鏡による観察、コールターカウンターあるいは光散乱法により測定することができる。例えばコールターカウンターでは、コールターカウンターN4(コールター社製)、光散乱法では、レーザー粒子径解析システムLPA−3000/3100(大塚電子社製)、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000A(島津製作所社製)等で測定することができる。
水不溶性ビニルポリマー粒子の添加量は定着性の観点から0.1重量%以上が好ましい。また、目詰まり回復性劣化防止の観点から3.0重量%以下が好ましく、0.2〜2.0重量%添加するのがより好ましい。
<顔料分散ポリマー>
マゼンタ固溶体顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーとしては、通常の水性顔料インクに使用される分散剤を好適に使用できる。好ましい例としては合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、及び酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びそれらの塩が挙げられる。これらは、使用に際してそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらの合成高分子の中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、及び疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。なお、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体など、その形態に特に制限されない。
また、前記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどの塩が挙げられる。このような塩は、例えば、塩を形成するための化合物(ジエチルアミン等の上記に例示の化合物)と、塩を形成する前の有機物からなる分散剤との中和反応によって得ることができる。この際、塩を形成するための化合物の使用量は、塩を形成する前の有機物からなる分散剤の中和当量以上であればよいが、特にインク組成物を記録媒体に印字した後のインクの記録媒体への定着性が向上する点から、中和当量の約1.3倍位であることが好ましい。
これらの合成高分子の重量平均分子量は、好ましくは1000〜50000であり、より好ましくは1000〜15000であり、さらに好ましくは3000〜10000である。また、合成高分子の酸価は、50〜300であることが好ましく、より好ましくは70〜150である。また、合成高分子は、ラジカル共重合、グループトランスファー重合等の公知の重合法によって製造される。
また、顔料をインク組成物中で分散可能とするポリマーとして、天然高分子を用いることもできる。その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴムなどの天然ゴム類、サポニンなどのグルコシド類、アルギン酸及びアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロシキエチルセエルロース、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
このようなポリマーの配合量は、マゼンタ固溶体顔料100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜70重量部である。
本発明において特に好ましく用いられる分散剤としては、分散安定性等の観点から、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩である。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩は、基本的にはその構造中に少なくともスチレン骨格と(メタ)アクリル酸の塩の骨格を含んでなるものを示し、構造中に(メタ)アクリル酸エステル骨格等の他の不飽和基を有するモノマー由来の骨格を有していても構わない。スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の塩の共重合形態、製造法、酸価及び重量平均分子量それぞれについては、前記した合成高分子の場合と同様である。
顔料をインク組成物中で分散可能とするポリマーは、これを水中に添加してエマルジョンの形態等として使用することができる。また、このようなポリマーとしては、市販の顔料分散剤を使用することができ、その具体例としては、ジョンソンポリマー社製、ジョンクリル61J(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル68(分子量10000、酸価195)、ジョンクリル450(分子量10000〜20000、酸価100)、ジョンクリル550(分子量7500、酸価200)、ジョンクリル555(分子量5000、酸価200)、ジョンクリル586(分子量3100、酸価105)、ジョンクリル680(分子量3900、酸価215)、ジョンクリル682(分子量1600、酸価235)、ジョンクリル683(分子量7300、酸価150)、B−36(分子量6800、酸価250)等が挙げられる。なお、分子量とは、重量平均分子量を示す。
<水、及びその他の成分>
本発明によるインク組成物に含有される水は主溶媒であり、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いると、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にするため好ましい。
また、本発明のインク組成物は水溶性有機化合物を含有することが好ましい。水溶性有機化合物としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);ヴルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ピアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルポキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができ、これらの水溶性有機溶剤は、インク組成物の適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インク組成物中に10〜50重量%含まれることが好ましい。
前記水溶性有機化合物の中でも、アルカンジオールを添加することにより、記録物の光沢性を向上させることができる。
前記アルカンジオールの具体例としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、オクタンジオール等があり、それらのアルカンジオールの中でも1,2−アルカンジオールが好ましく、それらの中でも1,2−ペンタンジオール及び1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。
前記アルカンジオールの添加量は、インク組成物全量に対して、0.5〜5重量%が好ましい。
本発明の水性インクには、さらに必要に応じて、公知の各種添加剤、例えばpH調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を添加することができる。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤であるpH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等を用いることができる。また、必要に応じて、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ほう酸等をpH緩衝剤として用いることができる。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤である界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を含有することができる。発泡・起泡の少ないインク組成物を得るという観点からノニオン性界面活性剤が特に好ましい。ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。前記ノニオン性界面活性剤の中でも特にアセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤が発泡も少なく、また優れた消泡性能を有する点で好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤及びアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等が挙げられる。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤である酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸及びその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、あるいはランタニドの酸化物等が用いられる。
本発明のインク組成物への添加剤である防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、これら実施例により本発明が限定されるものではない。
<水不溶性ビニルポリマーの合成>
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部と、下記表1に示した製造例番号1〜3の各モノマーの配合量(重量部)のうちのそれぞれ10重量%ずつと、表1に示す各配合量の2−メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤)とを入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い3種類の混合液を得た。
一方、これとは別に、滴下ロート中に、下記表1に示した各モノマーの配合量(重量部)のうちの残りの90重量%ずつを仕込み、次いで表1に示す量の重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)と、メチルエチルケトン60重量部と2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2重量部とを入れて混合し、十分にこの滴下ロート内の窒素ガス置換を行い、3種類の各混合液を得た。
次いで、窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を撹拝しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間掛けて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、各混合溶液の液温を65℃で2時間維持した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3重量部を、メチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を各混合溶液に加え、さらに65℃で2時間と、70℃で2時間かけて熟成させ、製造例1〜3の各ポリマー溶液を得た。
このようにして得られた製造例1〜3のポリマー溶液の各一部をそれぞれ減圧下、105℃で2時間乾燥させて溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリマーの重量平均分子量を測定した。
Figure 2007099997
なお、表1に示す主な原料化合物の詳細は以下の通りである。
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート(m=23):新中村化学社製、商品名;NKエステルM230G、上記式(I)において、mが23、R及びRがメチル基である化合物。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9):日本油脂社製、商品名;ブレンマーPP-500、上記式(II)において、nが9、Rがメチル基、Rが水素原子である化合物。
・ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノメタクリレート:日本油脂社製、商品名;ブレンマー50PEP-300、上記式(III)において、mが3.5、nが2.5、Rがメチル基、Rが水素であり、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とがランダム付加したモノマー。
・スチレンマクロマー:東亜合成社製、商品名;AS-6S(スチレンマクロマー)、数平均分子量6,000、重合性感応基:メタクリロイル基。
<水不溶性ビニルポリマー粒子の調製>
上記のようにして合成された製造例1〜3の各ポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー14.0重量部にメチルエチルケトン64.0重量部をそれぞれ加え、その中に1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を所定量加えてポリマーの塩生成基を中和度70%に中和し、上記表1に示した中和度(60%)に中和し、これにイオン交換水200重量部を加えて撹搾した後、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイダイザー社製、商品名)を用いて、20分間乳化した。
得られた各乳化物から減圧下、60℃で有機溶媒を除去し、さらに水を除去することにより濃縮し、固形分濃度が20重量%のポリマー粒子A1〜C1を得た。得られた各ポリマー粒子A1〜C1の平均粒径は、コールターカウンターN4(コールター社製、商品名)を用いて測定した結果、いずれも110nmであった。
また、比較例として、水不溶性ビニルポリマー粒子の代わりに、樹脂エマルジョンとしてジョンクリル711(ジョンソンポリマー社製、平均粒径0.09μm)を用いた。
<マゼンタ固溶体顔料の調製>
固溶体顔料A
C.I.ピグメントバイオレッド19の粗顔料10部、塩化ナトリウム100部、高沸点脂環式炭化水素1部をボールミル中に充填し、10時間摩砕を行った。続いて常法に従って顔料化、濾過、洗浄等の後処理を行って、固形分、30重量%のプレスケーキを得た。
C.I.ピグメントレッド209の粗顔料10部、塩化ナトリウム100部、高沸点脂環式炭化水素1部をボールミル中に充填し、10時間摩砕を行った。続いて常法に従って顔料化、濾過、洗浄等の後処理を行って、固形分、30重量%のプレスケーキを得た。
次に、C.I.ピグメントバイオレッド19のプレスケーキの固形分2部とC.I.ピグメントレッド209のプレスケーキの固形分8部とを加えて摩砕し、固溶体顔料を、有機溶剤処理による顔料化を行い、続いて濾過、洗浄後、乾燥、粉砕してC.I.ピグメントバイオレッド19/C.I.ピグメントレッド209の固溶体顔料(2/8:重量比)を得た。色相はマゼンタ色を示した。製造された固溶体顔料の平均粒子径は200nm以下であった。
固溶体顔料B
C.I.ピグメントバイオレッド19の粗顔料10部、塩化ナトリウム100部、高沸点脂環式炭化水素1部をボールミル中に充填し、10時間摩砕を行った。続いて常法に従って顔料化、濾過、洗浄等の後処理を行って、固形分、30重量%のプレスケーキを得た。
C.I.ピグメントレッド122の粗顔料10部、塩化ナトリウム100部、高沸点脂環式炭化水素1部をボールミル中に充填し、10時間摩砕を行った。続いて常法に従って顔料化、濾過、洗浄等の後処理を行って、固形分、30重量%のプレスケーキを得た。
次に、C.I.ピグメントバイオレッド19のプレスケーキの固形分2部とC.I.ピグメントレッド122のプレスケーキの固形分8部とを加えて摩砕し、固溶体顔料を、有機溶剤処理による顔料化を行い、続いて濾過、洗浄後、乾燥、粉砕してC.I.ピグメントバイオレッド19/C.I.ピグメントレッド122の固溶体顔料(2/8:重量比)を得た。色相はマゼンタ色を示した。製造された固溶体顔料の平均粒子径は200nm以下であった。
<顔料分散液の調製>
スチレン20部、2−エチルヘキシルメタクリレート5部、ブチルメタクリレート15部、ラウリルメタクリレート10部、メタクリル酸2部、t−ドデシルメチルカプタン0.3部を窒素置換した反応容器に投入して70℃に加熱し、別に用意したスチレン150部、アクリル酸15部、ブチルメタクリレート50部、t−ドデシルメルカプタン1部、メチルエチルケトン20部、及びアゾビスイソブチロニトリル1部の混合液を滴下ロートを用いて、4時間かけて反応容器に滴下して、重合反応を行った。次いで、反応容器にメチルエチルケトンを添加して分散ポリマー溶液を作製した。
上記分散ポリマー溶液40部、固溶体顔料A6.4部、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液100部、及びメチルエチルケトン30部を混合して、ホモジナイザーで30分間攪拌を行い、その後イオン交換水を300部添加して、さらに1時間攪拌を行った。次いで、ロータリーエバポレーターを用いてメチルエチルケトンの全量と水の一部を除去し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウムを滴下してpHが9になるように中和し、0.3μmのメンブランフィルター(日本ミリポア・リミテッド社製)で濾過することにより、固形分、(分散ポリマーと固溶体顔料の和)10重量%を作製した。
上記分散ポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー6.6重量部をメチルエチルケトン45.0重量部に溶かし、その中に中和剤(20%水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を100%中和し、更に固溶体顔料A20.0重量部を加え、ビーズミルで2時間混練した。
得られた混練物に、イオン交換水120重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料分散液Aを得た。ポリマー粒子の平均粒径は、コールターカウンターN4(コールター社製、商品名)を用いて測定した結果、100nmであった。
また、固溶体顔料Aに代えて、固溶体顔料Bを用いた以外は上記と同様にして、固形分濃度が20重量%の顔料分散液Bを作製した。
さらに、比較例として、固溶体顔料Aに代えて、C.I.ピグメントブルー19を使用した以外は、上記と同様にして、固形分濃度が20重量%の顔料分散液Cを作製した。
<インク組成物の調製>
下記表2に示した組成に従い、各成分を混合して2時間攪拌した。続いて、孔経約8μmのメンブランフィルター(商品名)(日本ミリポア・リミテッド社製)を用いて濾過して、実施例1〜6及び比較例1〜8の各マゼンタインクを調製した。表2中、各組成物の添加量は重量%である。
Figure 2007099997
<インク組成物の評価>
(1)光沢性評価
インクジェットプリンターPX−A550(セイコーエプソン社製)を用いて印刷を行った。このプリンターのマゼンタ用専用インクカートリッジ(型番ICM31、セイコーエプソン社製)に実施例及び比較例の各インク組成物を充填し、PM写真用紙(セイコーエプソン社製、型番:KA420PSK)に対して1440dpiの解像度で階調のあるベタ画像の印刷を行い、記録物を得た。得られた記録物を室温下で24時間放置した後、光沢計GM−268(コニカミノルタ社製)を用いて最高濃度部分の20°の光沢を測定した。
測定した結果を以下の基準に基づいて評価した。
A:20°光沢が50以上である場合
B:20°光沢が40以上50未満である場合
C:20°光沢が40未満である場合
結果は下記の表3に示される通りであった。
(2)発色性評価
上記と同様のインクジェットプリンターを用い、用紙の種類として「普通紙」を選択し、カラーの選択で「カラー」を選び、モード設定から、「詳細設定変更」を選び、印字品質として「フォト」を選び、色補正なしでの階調のあるベタ画像の印刷を行い、記録物を得た。記録媒体は普通紙としてゼロックスP、ゼロックスR(富士ゼロックス社製)、Xerox4024(Xerox Co.社製)、リサイクルカットR―100(王子製紙社製)の4種類を用いた。印刷した記録物を24℃の環境下で24時間放置した後、グレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)を用いてベタ部分のOD値を測定した。
なお、専用紙における評価の平均値と普通紙における評価の平均を評価結果とした。
測定した結果を以下の基準に基づいて評価した。
A:印字濃度が1.2以上
B:印字濃度が1.1以上、1.2未満
C:印字濃度が1.1未満
結果は下記の表3に示される通りであった。
(3)定着性評価
上記で得られた記録物に、同種の記録媒体の裏面を重ね、200g/A4の重りを載せて20回印刷面を擦った。
評価基準は以下の通りとした。
A:擦れた痕跡が全くない
B:擦れた痕跡が若干あるが、ほとんど気にならない
C:擦れた痕跡が目立つ
結果は下記の表3に示される通りであった。
(4)吐出安定性評価
上記のインクカートリッジ及びインクジェットプリンターを用い、常温にてベタ及び線のパターンを連続印刷した。印刷100頁内でのインクのドット抜けや飛行曲がりの際に正常印刷への復帰動作として行うプリンターノズルのクリーニング回数を測定し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:クリーニング0回で復帰
B:クリーニング1または2回で復帰
C:クリーニング3または4回で復帰
D:クリーニング5回以上で復帰
結果は下記の表3に示される通りであった。
(5)保存安定性評価
アルミパックにインク組成物50gを入れた状態で70℃の環境下に1週間放置した。放置後、異物(沈降物)の発生の有無を確認した。また、異物の発生がないものについては、更に物性(粘度、表面張力、pH、樹脂粒子の粒子径)の変化を確認した。
評価基準は以下の通りとした。
A:異物の発生がなく、物性の変化もない
B:異物の発生はないが、物性が若干変化する
C:異物が発生するか、物性が著しく変化する
結果は下記の表3に示される通りであった。
(6)目詰り回復性評価
上記のインクカートリッジ及びインクジェットプリンターを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルから正常にインクが吐出していることを確認した後、ノズルでの乾燥状態を加速するために、インクカートリッジを外し、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、40℃20%RHの環境に1週間放置した。
放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価した。
A:1回または2回のクリーニング操作で初期と同等に回復
B:3回または4回のクリーニング操作で初期と同等に回復
C:5回または6回のクリーニング操作で初期と同等に回復
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず
結果は下記の表3に示される通りであった。
Figure 2007099997

Claims (10)

  1. マゼンタ固溶体顔料と、該顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーと、水不溶性ビニルポリマーと、水と、を少なくとも含んでなるインク組成物であって、
    前記水不溶性ビニルポリマーが、
    (1)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、
    (2)塩生成基含有モノマー、及び
    (3)前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと、共重合可能なモノマー
    を含んでなるモノマー組成物を重合させてなるビニルポリマーである、インク組成物。
  2. 前記ポリオキシアルキレン基含有モノマーが、
    下記式(I):
    Figure 2007099997
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、mは1〜30の数を表す。)
    で表されるモノマーM1、
    下記式(II):
    Figure 2007099997
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、nは1〜30の数を表す。)
    で表されるモノマーM2、または
    下記式(III):
    Figure 2007099997
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表し、m及びnは1〜30の数を表し、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基は、[]内においてその順序は問わず、ランダムであってもブロックであってもよい。)
    で表されるモノマーM3、
    から選択される少なくとも1種以上のモノマーを含んでなる、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記ポリオキシアルキレン基含有モノマーが、前記モノマーM1である、請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量が150,000〜500,000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記共重合可能なモノマーが、長鎖アルキル基含有モノマー、芳香環含有モノマー、及びマクロマーからなる群から選択される少なくとも1種以上を含んでなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。
  6. 前記マゼンタ固溶体顔料が、無置換キナクリドン、3,10−ジクロロキナクリドン、2,9−ジメチルキナクリドン、及び2,9−ジクロロキナクリドンからなる群から選択される2種以上のキナクリドン系化合物からなる固溶体顔料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記マゼンタ固溶体顔料の平均粒子径が10〜200nmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 前記顔料をインク組成物中に分散可能とするポリマーが、スチレンーアクリル系顔料分散剤である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット記録方法。
  10. 請求項9に記載のインクジェット記録方法によって記録が行われた、記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2016052653A1 (ja) * 2014-09-30 2017-04-27 太陽インキ製造株式会社 感光性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化被膜並びにそれらを用いたプリント配線板
WO2019235628A1 (ja) 2018-06-07 2019-12-12 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェット用マゼンタインキ、インキセット、及びそれらを用いた印刷物の製造方法

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