JP2006282779A - 水性インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーを含有するモノマー組成物を重合してなる水不溶性ビニルポリマーと、顔料と、水溶性有機溶媒と、を含む水性インクとする。前記モノマー組成物には、水に溶解可能なモノマーが使用されることが好ましく、前記水溶性有機溶媒としては、アルカンジオールや式1で表される化合物が好ましく用いられる。
【選択図】 なし
Description
インクジェットプリンタに使用されるインクには、耐水性や耐光性を向上させるため、近年、顔料系インクが使用されている。従来の水性顔料インクは、特に、普通紙(コピー用紙、ボンド紙などの一般にオフィスに普及している紙)に記録を行った場合、紙の種類によっては、印刷品位、印刷濃度が著しく劣化するという不都合が生じた。また、光沢紙上では、水性染料インクとは異なり記録媒体に浸透することなく表面に残るため、光沢が低いという不具合も生じた。
(1) 水不溶性ビニルポリマーと顔料と水溶性有機溶媒とを含む水性インクであって、水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマーとして、水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーを含有する水性インクである。
(2) 水性インクの全量を100重量%とした場合に、水溶性有機溶媒として、アルカンジオールが0.5〜6重量%含有されている前記(1)に記載の水性インクである。
(3) 水性インクの全量を100重量%とした場合に、水溶性有機溶媒として、式1で表される化合物が0.5〜6重量%含有されている前記(1)又は(2)に記載の水性インクである。
(4) 水性インクの全量を100重量%とした場合に、水溶性有機溶媒として、式1で表される化合物とアルカンジオールとが合計2〜8重量%含有されている前記(2)又は(3)に記載の水性インクである。
(5) 水不溶性ビニルポリマーを構成する全モノマー量を100重量%とした場合に、前記全モノマー量中に、水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーを20〜45重量%含有する前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の水性インクである。
(6) 水不溶性ビニルポリマーを構成する全モノマー量を100重量%とした場合に、前記全モノマー量中に、水に溶解可能なモノマーを3〜15重量%含有する前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の水性インクである。
(7) 水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーが、ポリオキシアルキレン基含有モノマーである前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の水性インクである。
(8) 水不溶性ビニルポリマーが、(A)ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、(B)塩生成基含有モノマーと、(C)マクロマーと、(D)(A)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、(B)塩生成基含有モノマー及び(C)マクロマーと共重合可能なモノマーとを含有するモノマー組成物を共重合させてなる前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の水溶性インクである。
(9) 水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーが、式2で表されるモノマーである前記1〜8のいずれか一項に記載の水性インクである。
本発明の水不溶性ビニルポリマーは、顔料分散性があり、該水不溶性ポリマーを構成するモノマー組成物中の少なくとも1つのモノマーが水には溶解せず、且つ水溶性有機溶媒に溶解可能であることを特徴とする。
本発明において、顔料分散性がある水不溶性ポリマーとは、顔料と水不溶性ビニルポリマーを混合し、通常の分散処理を施すことにより、顔料を水性媒体中に分散させることができるポリマーをいう。さらに、水不溶性ポリマーとは、水に2重量%以上溶解しないポリマーをいい、水には溶解せず、且つ水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーとは、水に2重量%以上溶解せず、後述する水溶性有機溶媒に10重量%以上溶解するモノマーをいう。
Xがポリオキシエチレン基である場合には、式2で表されるモノマーが水溶性となるため、式2で表されるモノマーを含有するモノマー組成物を重合してなる水不溶性ビニルポリマーの親水性が向上し、普通紙濃度が低下する。
中でも、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートがより好ましい。
水には溶解せず、且つ水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーの含有量が、20重量%未満では、光沢紙上における光沢、インク保存性、目詰り回復性、及び、連続印刷安定性が劣る場合があり、45重量%を超えると、インク粘度が高くなりすぎる場合がある。
本発明における、水に溶解可能なモノマーとは、水に10重量%以上溶解するモノマーをいう。
水に溶解可能なモノマーの添加量が3重量%未満では、インク保存性、目詰り回復性、連続印刷安定性に劣る場合があり、15重量%を超えると、普通紙上において良好な印刷濃度を得ることができない場合がある。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーの中では、インク粘度及び信頼性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマー組成物の1成分としてマクロマーを用いると、目詰まり回復性及び連続印刷安定性等の信頼性に優れた水性インクを得ることができるため好ましい。マクロマーの代表例としては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜500000、より好ましくは1000〜10000であるマクロマーが挙げられる。
(D)(A)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、(B)塩生成基含有モノマー、及び(C)マクロマーと共重合可能なモノマーとしては、長鎖アルキル基含有モノマー、芳香環含有モノマー、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられるが、これらの中でも、長鎖アルキル基含有モノマー及び芳香環含有モノマーの中の1種以上を用いるのが、水系インクの調製時添加する湿潤剤や分散剤による水系インクの粘度変化を抑制し、水系インクの保存安定性を高める観点から特に好ましい。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。共重合可能なモノマーには、長鎖アルキル基含有モノマー及び芳香環含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上が含有されていることが好ましい。
なお、前記(イソ又はターシャリー)及び(イソ)は、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
前記モノマー組成物を、以下のような方法によって重合することにより、前記水不溶性ビニルポリマーを合成することができる。
前記水不溶性ビニルポリマーは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、モノマー組成物を重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
前記ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物、などが使用できる。
モノマー組成物1モルあたりにおける重合開始剤の添加量は、0.001〜5モルが好ましく、0.01〜2モルがより好ましい。
前記重合連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー、9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が使用できる。これらの重合連鎖移動剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明のインク組成物に用いられる顔料としては耐光性及び耐水性の観点から顔料が好ましい。顔料は、有機顔料及び無機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらに体質顔料を併用することもできる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等が挙げられる。
マゼンタ顔料では、C.I.ピグメント・レッド122、202、209、C.I.ピグメント・バイオレット19等が好ましく、特にC.I.ピグメント・レッド122及びC.I.ピグメント・バイオレット19が好ましい。
シアン顔料では、C.I.ピグメント・ブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、60等が好ましく、特にC.I.ピグメント・ブルー15:3及び15:4が好ましい。
さらに、イエロー、シアン、マゼンタ以外のカラーインクに用いる有機顔料として、C.I.ピグメント・グリーン7、10、36、36、C.I.ピグメント・ブラウン3、5、25、26、C.I.ピグメント・オレンジ1、2、5、7、13、14、15、16、34、36、38、C.I.ピグメントブラック等を用いることができる。
顔料分散液を得る方法としては、例えば次の工程(1)〜(4)の手順で製造される。
(1)混合工程:前記顔料及び前記水不溶性ビニルポリマーを、有機溶媒溶液、水、及び必要により使用される中和剤をアンカー翼やタービン翼等の通常の混合攪拌装置を用いて混合することにより原料混合物を得る。
その際、微粒子化を十分に行うためにニーダーを用いて混合物を混練することが好ましい。混練する際のニーダーとしては、回分式と連続式があり、前者としては双腕型ニーダー等、後者としてはセルフクリーニング型ニーダー等が挙げられる。これらの中では、品種切替、槽内洗浄等の点から前者の双腕型ニーダーが好ましい。
有機溶媒の除去方法としては、減圧蒸留法、特に薄膜式減圧蒸留法が好ましい。なお、有機溶媒の除去量は、特に限定されないが、有機溶媒全量が除去されることが好ましい。
前記混合工程に用いる有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒が好ましく、親水性有機溶媒が更に好ましい。
中和度には、特に限定がないが、得られる水性インクが中性に近いことが好ましく、具体的には、水性インクのpHが4.5〜10であることが好ましい。
本発明の水性インクは、上述のようにして得られた水不溶性ビニルポリマーと顔料とからなる顔料分散液、後述する水及び水溶性有機溶媒が含有され、必要に応じて、pH調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を添加することにより得ることができる。
本発明の水性インクに含有される水は主溶媒であり、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いると、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にするため好ましい。
本発明における水溶性有機溶媒とは、水と任意の割合で混合しうる有機溶媒をいう。
水溶性有機溶媒として、アルカンジオールを0.5〜6重量%含有することが好ましい。アルカンジオールを含有することにより、該水不溶性ビニルポリマー中の水溶性有機溶媒に溶解可能であるモノマー残基を溶解することができる。
前記アルカンジオールの具体例としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール等があり、それらのアルカンジオールの中でも、該水不溶性ビニルポリマー中の水溶性有機溶媒に溶解可能であるモノマー残基を効率良く溶解するためには、1,2−アルカンジオールが好ましく、それらの中でも1,2−ペンタンジオール及び1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。
前記アルカンジオールを0.5重量%以上含有することにより、該水不溶性ビニルポリマー中の水溶性有機溶媒に溶解可能であるモノマー残基を溶解することができ、6重量%以下にすることにより、インク粘度の上昇を抑えることができる。
式1で表される化合物の添加量としては、0.5〜6重量%含有することが好ましい。式1で表される化合物を添加することにより、該水不溶性ビニルポリマー中の水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマー残基をより効率よく溶解することができる。
水溶性有機溶媒中の式1で表される化合物の含有量が0.5重量%未満では、該水不溶性ビニルポリマー中の水溶性有機溶媒に溶解可能であるモノマー残基の溶媒和が期待できず、6重量%を超えると、インク粘度が上昇してしまう場合がある。
アルカンジオールと式1で表される化合物とを共に含有することにより、各々を単独で用いる場合より、該水不溶性ビニルポリマーにより安定に顔料を水性インク中に分散させることができる。
アルカンジオールと式1で表される化合物との添加量の合計が、2重量%未満であると、該水不溶性ビニルポリマーによる顔料の水性インク中への分散が充分でない場合があり、8重量%を超えると、インク粘度が上昇してしまう場合がある。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤であるpH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等を用いることができる。また、必要に応じて、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ほう酸等をpH緩衝剤として用いることができる。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤である界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を含有することができる。発泡・起泡の少ないインク組成物を得るという観点からノニオン性界面活性剤が特に好ましい。ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。前記ノニオン性界面活性剤の中でも特にアセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤が発泡も少なく、また優れた消泡性能を有する点で好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等が挙げられる。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤である酸化防止剤・紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、あるいはランタニドの酸化物等が用いられる。
本発明の水性インクに添加され得る添加剤である防腐剤・防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部、表1に示す各モノマーの量(重量部)のうちのそれぞれ10重量%ずつ、及び表1に示す重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)の量を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロート中に、表1に示す各モノマーの量(重量部)のうちの残りの90重量%ずつを仕込み、次いで表1に示す重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)の量、メチルエチルケトン60重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、その混合溶液の液温を65℃で2時間維持した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を該混合溶液に加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下で105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/lのリン酸及び50mmol/lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。その結果を表1に示す。
・ポリエチレングリコールモノメタクリレート:新中村化学(株)製、商品名:NKエステルM230G、式(I)において、mが23、R1及びR2がメチル基である。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマーPP−500、式(II)において、nが9、R1がメチル基、R2が水素原子である。
・スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AS−6S(スチレンマクロマー)、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクリロイル基
・ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマー50PEP−300、式(III)において、一分子当たりのエチレンオキサイド基が3.5個、及び一分子当たりのプロピレンオキサイド基が2.5個ランダム付加しており、R1がメチル基、R2が水素原子であるモノマー
製造例番号1〜10のポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー6.6重量部をメチルエチルケトン45.0重量部に溶かし、その中に中和剤(20%水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を完全に中和し、更にキナクリドン顔料〔C.I.ピグメント・レッド122、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:ファーストゲン・スーパー・マゼンタR〕20重量部を加え、ビーズミルで2時間混練した。
得られた混練物に、イオン交換水120重量部を加え、攪拌した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料含有ビニルポリマー粒子を含有する顔料分散液を得た。顔料分散液中の分散体の平均粒子径は、コールターカウンターN4(コールター社製、商品名)を用いて測定した結果、100nmであった。
得られた顔料分散液(表1製造例番号1のポリマー使用)を用いて表2に示す組成で混合し、得られた混合液を0.5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム(株)製〕を取り付けた容量25mlの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、実施例1の水系インクを得た。
○光沢
インクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン(株)製)を用いて印刷を行った。このプリンター用のマゼンタインク専用カートリッジ(型番ICM31、セイコーエプソン(株)製)に実施例及び比較例のインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)に対して1440×720dpiの解像度で階調のあるベタ画像の印刷を行い、記録物を得た。得られた記録物を室温下で1日静置した後、光沢計GM−268(コニカミノルタ社製)を用いて最高濃度の部分の20°光沢を測定した。測定した結果を以下の基準に基づいて評価を行った。
A:20°光沢が60以上である場合
B:20°光沢が50以上60未満である場合
C:20°光沢が40以上50未満である場合
D:20°光沢が40未満である場合
結果は下記の表5に示される通りであった。
前記プリンターを用いて、Xerox4024に720×720dpiの解像度で階調のあるベタ画像の印刷を行い、記録物を得た。得られた記録物を室温下で1日静置した後、記録面の最高濃度の部分を、Gretag社製のSpectrolinoを用いて測定することにより濃度を測定した。各記録紙毎に5回の平均を採った値を算出し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:印字濃度が1.1以上
B:印字濃度が1.0以上、1.1未満
C:印字濃度が0.9以上、1.0未満
結果は下記の表5に示される通りであった。
アルミパックにインク組成物50gを入れた状態で70℃の環境下に1週間放置した。放置後、異物(沈降物)の発生の有無を確認した。また、異物の発生がないものについては、更に物性(粘度、表面張力、pH、樹脂粒子の粒子径)の変化を確認した。以下の基準に基づき評価を行った。
A:異物の発生がなく、物性の変化もない。
B:異物の発生はないが、物性が若干変化する。
C:異物が発生するか、物性が著しく変化する。
結果は下記の表5に示される通りであった。
上記のインクジェットプリンタ及びカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、ノズルでの乾燥状態を加速するために、インクカートリッジを外し、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、40℃20%RHの環境に1週間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価し、その結果を表5に示した。
A:1又は2回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
B:3又は4回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
C:4又は5回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず。
上記のカートリッジ及びインクジェットプリンタを用い、常温にてベタ及び線のパターンを連続印字した。印刷100ページ内でのインクのドット抜けや飛行曲がりの際に正常印刷への復帰動作として行うプリンターノズルのクリーニングの回数を測定し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:クリーニング0回
B:クリーニング1又は2回
C:クリーニング3又は4回
D:クリーニング5回以上
結果を表5に示した。
水に溶解可能なモノマー:ポリエチレングリコールモノメタクリレート(m=23)、メタクリル酸
さらに、実施例5は、水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマー組成物において、水に溶解可能なモノマーを3〜15重量%含有するため、実施例3及び実施例4と比較し、光沢及び普通紙濃度が共に優れ、さらにはインク保存性、目詰まり回復性、連続印刷安定性の信頼性全般に優れていた。
また、実施例5は、水溶性有機溶媒としてアルカンジオール及び式1で表される化合物を共に含むため、実施例6、実施例7及び実施例8と比較し、信頼性全般に優れていた。さらに、水溶性有機溶媒としてアルカンジオール及び式1で表される化合物を2〜8重量%含むため、実施例12及び実施例13と比較し、バランスよく全性能に優れていた。さらには、実施例5は、水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマー組成物において、マクロマーを含むため、実施例14と比較して、信頼性全般に優れていた。
実施例16は、水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマー組成物において、水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーを25〜45重量%含有するため、実施例5と比較し、光沢に優れていた。
Claims (9)
- 水不溶性ビニルポリマーと顔料と水溶性有機溶媒とを含む水性インクであって、水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマーとして、水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーを含有する水性インク。
- 水性インクの全量を100重量%とした場合に、水溶性有機溶媒として、アルカンジオールが0.5〜6重量%含有されている請求項1に記載の水性インク。
- 水不溶性ビニルポリマーを構成する全モノマー量を100重量%とした場合に、前記全モノマー量中に、水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーを20〜45重量%含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性インク。
- 水不溶性ビニルポリマーを構成する全モノマー量を100重量%とした場合に、前記全モノマー量中に、水に溶解可能なモノマーを3〜15重量%含有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性インク。
- 水には溶解せず水溶性有機溶媒に溶解可能なモノマーが、ポリオキシアルキレン基含有モノマーである請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性インク。
- 水不溶性ビニルポリマーが、(A)ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、(B)塩生成基含有モノマーと、(C)マクロマーと、(D)(A)ポリオキシアルキレン基含有モノマー、(B)塩生成基含有モノマー及び(C)マクロマーと共重合可能なモノマーとを含有するモノマー組成物を共重合させてなる請求項1〜7のいずれか一項に記載の水溶性インク。
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WO2009133796A1 (ja) | 2008-04-28 | 2009-11-05 | 花王株式会社 | インクジェット記録用水系インク |
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