JP2007077383A - 水性インク - Google Patents

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JP2007077383A JP2006091827A JP2006091827A JP2007077383A JP 2007077383 A JP2007077383 A JP 2007077383A JP 2006091827 A JP2006091827 A JP 2006091827A JP 2006091827 A JP2006091827 A JP 2006091827A JP 2007077383 A JP2007077383 A JP 2007077383A
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村 昌 弘 半
Yoshiharu Kanetani
谷 美 春 金
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks

Abstract

【課題】光沢紙上で高い光沢を有し、目詰まり回復性、連続印刷安定性、インク保存性などのインクの信頼性を維持しつつ、優れた定着性を有する水性インクを提供する。
【解決手段】イエロー顔料を含有させたポリマー粒子Aと、顔料を含有しないポリマー粒子Bとを少なくとも含み、ポリマー粒子Aは特定のモノマー組成物Aを重合させた水不溶性ビニルポリマーからなり、ポリマー粒子Bは、特定のモノマー組成物Bを重合させた水不溶性ビニルポリマーからなる最低成膜温度が20℃以上のポリマーであり、ポリマー粒子Bの平均粒子径を30〜60nmとする。
【選択図】なし

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、光沢紙上で高い光沢を有し、目詰まり回復性、連続印刷安定性、インク保存性などのインクの信頼性を維持しつつ、優れた定着性を有するインクジェット記録方法等に好適に用いられる水性インクに関する。
背景技術
インクジェット記録方法は、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や図形を紙などの記録媒体の表面に記録する方法である。インクジェット記録方法としては電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク液滴を断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法や、ノズルヘッドの吐出部分の近傍でインク液の一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張でインク液滴を断続的に吐出して、記録媒体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
インクジェット記録用インクとしては、染料や顔料からなる着色剤を水中に分散させた水性インクが提供されている。このような水性インクにおいては、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤を用いて着色剤を水性分散媒中に分散させることが一般的に行われている。そのインク組成に関しては多数の提案がなされており、例えば、特開2004−2662号公報や特開2004−75988号公報には、特定のビニルポリマーを含有する、耐水性、耐光性、耐擦過性及び分散安定性に優れた水系インクが提案されている。
また、特開2001−329199号公報には、耐擦過性をより向上させる目的で、水に不溶のポリマーに顔料を含有させたポリマー粒子Aと、ポリマー粒子Bとを含有する水性インク組成物が提案されている。
しかしながら、上記のような従来の水性インクを光沢紙等の記録媒体に印刷した場合、得られた記録物をクリアファイル等に出し入れすると記録物表面がクリアファイルとの擦れにより変化したり、記録物どうしを重ねると記録物の表面と裏面とが擦れて、表面状態が変化する場合があった。
特開2004−2662号公報 特開2004−75988号公報 特開2001−329199号公報
発明の概要
本発明者らは、イエロー顔料を含有させた特定のポリマー微粒子と顔料を含有しない特定のポリマー微粒子とを用いることにより、光沢紙上で高い光沢を有し、目詰まり回復性、連続印刷安定性、インク保存性などのインクの信頼性を維持しつつ、優れた定着性を有する水性インクを実現できる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
従って、本発明の目的は、光沢紙上で高い光沢を有し、目詰まり回復性、連続印刷安定性、インク保存性などのインクの信頼性を維持しつつ、優れた定着性を有する水性インクを提供することにある。
そして、本発明による水性インクは、イエロー顔料を含有させた水不溶性ビニルポリマーAからなるポリマー粒子Aと、顔料を含有しない水不溶性ビニルポリマーBからなるポリマー粒子Bと、を少なくとも含んでなる、ポリマー粒子の水分散体からなる水性インクであって、
前記水不溶性ビニルポリマーAが、
〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、
〔2〕塩生成基含有モノマーと、
〔3〕前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマーと、
を含有するモノマー組成物Aを重合させてなるポリマーであり、
前記水不溶性ビニルポリマーBが、
〔4〕スチレンモノマーと、
〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーと、
を含有するモノマー組成物Bを重合させてなるポリマーであって、最低成膜温度が20℃以上であり、
前記ポリマー粒子Bの平均粒子径が30〜60nmである。
本発明によれば、光沢紙上で高い光沢を有し、目詰まり回復性、連続印刷安定性、インク保存性などのインクの信頼性を維持しつつ、優れた定着性を有する水性インクを実現できる。
発明の具体的説明
本発明の水性インクは、イエロー顔料を含有させた水不溶性ビニルポリマーからなるポリマー粒子Aと、顔料を含有しない水不溶性ビニルポリマーからなるポリマー粒子Bと、を含んでなるものである。
ポリマー粒子Aを形成する樹脂は、水不溶性ビニルポリマーからなり、その水不溶性ビニルポリマーは、〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、〔2〕塩生成基含有モノマーと、〔3〕前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマーと、を含有するモノマー組成物Aを共重合させたポリマーである。
ポリマー粒子Aを形成する水不溶性ビニルポリマーの重量平均分子量としては、30,000〜200,000が好ましい。
モノマー組成物A
ポリマー粒子Aの水不溶性ビニルポリマーを構成するモノマー組成物Aは、〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、〔2〕塩生成基含有モノマーと、〔3〕前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマーと、を含有する。
〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマー
ポリオキシアルキレン基含有モノマーは、ビニルポリマーの合成用原料の1つとして用いられるものであり、ポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基などを有するモノマーを使用できる。これらの中でも、下記式(I)〜(IV)で表されるモノマーA1、モノマーA2、モノマーA3、モノマーA4からなる群より選ばれた1種以上のモノマーを含有することが好ましい。
モノマーA1:
Figure 2007077383
(式中、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキルフェニル基、mは1〜30の数を示す)
モノマーA2:
Figure 2007077383
(式中、R及びRは式1と同じ。nは1〜30の数を表す)
モノマーA3:
Figure 2007077383
(式中、R、R、m及びnは式1と同じ。〔 〕内においてオキシエチレン基及びオキシプロピレン基はその順序は問わず、ブロック付加又はランダム付加している)
モノマーA4:
Figure 2007077383
(式中、R、R、m及びnは式1と同じ。〔 〕内においてオキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基はその順序は問わず、ブロック付加又はランダム付加している)
前記式(I)から式(IV)において、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜9のアルキルフェニル基を表すが、これらの中でも、オクチル基及びノニルフェニル基が耐水性及び耐擦過性の観点から好ましい。
mは1〜30の数であり、吐出性及び印字濃度の観点からは、mは2〜25が好ましい。
また、nは1〜30の数であり、吐出性及び印字濃度の観点からは、nは2〜25が好ましい。
モノマーA3において、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基は、ブロック付加又はランダム付加している。
モノマーA4において、オキシプロピレン基及びオキシテトラメチレン基は、ブロック付加又はランダム付加している。
ポリマー粒子Aの水不溶性ビニルポリマーにモノマーA1が用いられることにより、印刷画像の光沢、インク保存性及び目詰まり回復性により優れた水性インクを得ることができる。この理由は定かではないが、モノマーA1が有する親水性の高いオキシエチレン基の親水性水和層が水性インクの中で広がることに基づくものと考えられる。
ポリマー粒子Aの水不溶性ビニルポリマーにモノマーA2が用いられることにより、吐出安定性に優れた水性インクを得ることができる。この理由は定かではないが以下のように考えられる。モノマーA2の疎水性の高いオキシプロピレン基と着色剤(イエロー顔料)との間で強い疎水性相互作用が働く。従って、ビニルポリマーが着色剤に対して強い吸着性を発現するため、着色剤を含有するポリマー粒子の疎水性が強くなる。その結果、水性インクの粘度が低くなり吐出安定性が向上するものと考えられる。
また、水不溶性ビニルポリマーに、モノマーA3又はモノマーA4を用いると、着色剤の分散安定性がより向上する。この理由は定かではないが、親水性の高いオキシエチレン基又はオキシテトラメチレン基の親水性水和層がインク中で広がることによるものと考えられる。
モノマーA1としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。商業的に入手し得るモノマーA1の具体例としては、新中村化学(株)製のNKエステル M−20G,40G,90G,230G,日本油脂(株)のブレンマーPEシリーズ、PME−100,200,400,1000等が挙げられる。
水不溶性ビニルポリマーにおけるモノマーA1の含有量は、印字濃度及びインク粘度の観点から、5〜45重量%が好ましく、5〜35重量%がより好ましい。
モノマーA2の具体例としては、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
モノマーA3の具体例としては、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマーA4の具体例としては、プロピレングリコール・テトラメチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・ブチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマーA1〜A4の中でも、インク粘度及び吐出安定性の観点から、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール・プロピレングリコール(メタ)アクリレート及びポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
商業的に入手し得るモノマーA2〜A4の例としては、日本油脂(株)製のブレンマーPP−1000、PP−500、PP−800、AP−150、AP−400、AP−550、AP−800、50PEP−300、70PEP−350B、AEPシリーズ、30PPT−800、50PPT−800、70PPT−800、APTシリーズ、10PPB−500B、10APB−500B、50POEP−800B、50AOEP−800B、ASEPシリーズ、PNEPシリーズ、PNPEシリーズ、43ANEP−500、70ANEP−550等が挙げられる。
また、水不溶性ビニルポリマーにおけるモノマーA1〜A4の含有量は、印字物の光沢及び高い印字濃度の観点から、5〜45重量%が好ましく、より好ましくは5〜35重量%である。
〔2〕塩生成基含有モノマー
塩生成基含有モノマーとしては、アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーが好ましく用いられる。アニオン性モノマー及びカチオン性モノマーは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーとしては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー及び不飽和リン酸モノマーなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2一メタクリロイルオキシメチルコハク酸などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和スルホン酸モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、2一アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリル酸エステル、ビス−(3−スルポプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和リン酸モノマーとしては、例えば、ビニルポスホン酸、ビニルポスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルポスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルポスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルポスフェート等が挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
アニオン性モノマーの中でも、インク粘度及び吐出性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
カチオン性モノマーとしては、不飽和3級アミン含有ビニルモノマー及び不飽和アンモニウム塩含有ビニルモノマーなどが挙げられる。これらの中でも、N,N一ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N一ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
不飽和3級アミン含有モノマーとしては、例えば、N,N一ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアリールアミン、ビニルピロリドン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−メチル−6−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジンなどが挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
不飽和アンモニウム塩含有モノマーとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級化物、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート四級化物などが挙げられる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
水不溶性ビニルポリマーAにおける塩生成基含有モノマーの含有量は、分散安定性及び吐出安定性の観点から、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
〔3〕ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマー
ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマーとしては、例えば、マクロマー、長鎖アルキル基含有モノマー、芳香環含有モノマー、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、マクロマー、長鎖アルキル基含有モノマー及び芳香環含有モノマーの中の1種以上を用いるのが好ましい。水性インクの調製時に添加する湿潤剤や分散剤による水性インクの粘度変化を抑制することができ、また、水性インクの保存安定性を高めることができる。これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。共重合可能なモノマーには、マクロマー、長鎖アルキル基含有モノマー及び芳香環含有モノマーからなる群より選ばれた1種以上が含有されていることが好ましい。
マクロマーのとしては、片末端に重合性官能基を有し、好ましくは数平均分子量が500〜500000、より好ましくは1000〜10000であるマクロマーが挙げられる。
マクロマーの具体例としては、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するシリコーン系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するメチルメタクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するスチレン・アクリロニトリル系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するブチルアクリレート系マクロマー、片末端に重合性官能基を有するイソブチルメタクリレート系マクロマー等が挙げられる。これらの中でも、ビニルポリマーに着色剤を十分に含有させる観点から、片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーとしては、片末端に重合性官能基を有するスチレン単独重合体及び片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
片末端に重合性官能基を有する、スチレンと他のモノマーとの共重合体において、他のモノマーとしては、アクリロニトリル等が挙げられる。また、そのスチレンの含有量は、顔料が十分にビニルポリマーに含有されるようにする観点から、好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上である。
片末端に重合性官能基を有するスチレン系マクロマーの中では、片末端に重合性官能基としてアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するスチレン系マクロマーが好ましい。
商業的に入手し得るスチレン系マクロマーとしては、例えば、東亜合成(株)製のAS−6,AS−6S,AN−6,AN−6S,HS−6S,HS−6等が挙げられる。
長鎖アルキル基含有モノマーにおいて、長鎖アルキル基の炭素数は、モノマーの入手容易性の観点から、好ましくは16〜30、より好ましくは18〜22である。長鎖アルキル基含有モノマーとしては、例えば、下記式(V)に示す化合物が挙げられる。
Figure 2007077383
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4の低級アルキル基、Rはヘテロ原子を有していてもよい炭素数16〜30、好ましくは炭素数18〜30、より好ましくは炭素数18〜22の1価の炭化水素基を示す。)
長鎖アルキル基含有モノマーの具体例としては、(イソ)セチル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート、(イソ)ベヘニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート及び/又は(イソ)ベへニル(メタ)アクリレートがより好ましい。長鎖アルキル基含有モノマーを用いることにより、水性インクの調製時に添加する湿潤剤や分散剤による水性インクの粘度変化を抑制し、保存安定性を向上させることができる。この場合、モノマー混合物におけるステアリル(メタ)アクリレート及びベヘニル(メタ)アクリレートの合計含有量は、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%である。この範囲で含有することにより、より保存安定性を向上させることができる。
芳香環含有モノマーとしては、種々のモノマーを使用することができるが、スチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、4−ビニルビフェニル、1,1−ジフェニルエチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸及びネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステルからなる群より選ばれた1種以上を用いることが好ましい。これらのモノマーを使用することにより、記録物の耐水性がより向上する。さらに、これらの中でも、スチレン、α一メチルスチレン、ビニルトルエン及びビニルナフタレンからなる群より選ばれた1種以上を使用することがより好ましい。これらのモノマーの使用により、記録物の耐水性に加えて、記録物の耐擦過性がより向上する。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等のエステル部分が炭素数1〜18のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
なお、前記(イソ又はターシャリー)及び(イソ)とは、これらの基が存在している場合とそうでない場合の双方を意味し、これらの基が存在していない場合には、ノルマルを示す。
水不溶性ビニルポリマーにおける共重合可能なモノマーの含有量は、印字濃度及び耐水性の観点から、15〜90重量%が好ましく、より好ましくは35〜80重量%である。
また、ビニルポリマーに芳香環含有モノマーを含有させる場合、その含有量は、耐水性、耐擦過性、インク粘度及び吐出安定性の観点から、好ましくは0.1〜70重量%、より好ましくは1〜50重量%である。
モノマー組成物B
モノマー組成物Bは、〔4〕スチレンモノマーと、〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーと、を含んでなる。
モノマー組成物Bの全体を100重量部とした場合、〔4〕スチレンモノマーの添加量としては、10〜90重量部が好ましい。
スチレンモノマーの添加量が10重量部未満では、得られる水性インクの目詰まり回復性が劣化する場合があり、90重量部を超えるとポリマー粒子Bの分散安定性が低下する傾向がある。
〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマー
〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーとしては、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、不飽和カルボン酸類、水酸基含有ビニル化合物類、芳香族ビニル化合物類、不飽和アミド類、アミノアルキルアクリレート若しくはアミノアルキルメタクリレート類、又はこれらのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化ベンジル等による4級塩化物、N一アミノアルキルアクリルアミド若しくはN一アミノアルキルメタクリルアミド類、又はこれらのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化ベンジル等による4級塩化物、ビニルエステル類、ハロゲン化ビニリデン類、ジアクリレート類、ジメタクリレート類などが挙げられる。
アクリル酸エステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレートのようなアクリル酸の炭素原子数1〜12のアルキルエステルなどが挙げられる。
メタクリル酸エステル類としては、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n一アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2一エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートのようなメタクリル酸の炭素原子数1〜12のアルキル、エステルなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸類としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸などが挙げられる。
水酸基含有ビニル化合物類としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。
芳香族ビニル化合物類としては、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
不飽和アミド類としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、マレイン酸アミドなどが挙げられる。
アミノアルキルアクリレート若しくはアミノアルキルメタクリレート類、又はこれらのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化ベンジル等による4級塩化物としては、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、N,N−t−ブチルアミノエチルアクリレート、N,N−t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N,N−モノメチルアミノエチルアクリレート、N,N−モノメチルアミノエチルメタクリレート等、又はこれらのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化ベンジル等による4級塩化物などが挙げられる。
また、N−アミノアルキルアクリルアミド又はN一アミノアルキルメタクリルアミド類、又はこれらのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化ベンジル等による4級塩化物としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド等、又はこれらのハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル、ハロゲン化ベンジル等による4級塩化物などが挙げられる。
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
ハロゲン化ビニリデン類としては、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
ジアクリレート類としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。
ジメタクリレート類としては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3一ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートなどが挙げられる。
その他のモノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、アリルメダアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート等、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリルグリシジルエーテル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アリルメルカプタンなどが挙げられる。
上記したその他のモノマーとしては、1種のみでもよく、また2種以上併用することができる。その他のモノマーとして特に好適なものとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステルである。
〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
特に、〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーは、前記不飽和カルボン酸類、不飽和アミド類、1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマー、から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。
不飽和カルボン酸類を〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーとして用いることにより、インクの保存性及び目詰まり回復性を改良できる。
モノマー組成物B全体を100重量部とすると、不飽和カルボン酸のモノマー組成物B中への添加量は3〜8重量部が好ましい。
不飽和カルボン酸の添加量が、3重量部未満では、インクの保存性や目詰まり回復性への効果が少なくなる場合があり、8重量部を超えると、インク粘度が増加する場合がある。
1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーとしては、ジアクリレート類、ジメタクリレート類、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、などの多価アルコールと不飽和カルボン酸との多価エステルなどが挙げられる。
モノマー組成物B全体を100重量部とすると、1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーのモノマー組成物B中への添加量は0.3〜10重量部が好ましく、5〜10重量部であることがより好ましい。
1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーの添加量が0.3重量部未満では、ポリマー粒子Bの分散安定性が低下し、水性インクをインクジェット用インクとして用いた場合に、インクカートリッジのインク吐出口が目詰まりを起こしやすくなり、更に印刷安定性に劣る傾向がある。
一方、1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーの添加量が10重量部を超えると、未反応のモノマーが残存し、臭気が発生する場合がある。
本発明においては、1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーのモノマー組成物B中への添加量を5〜10重量部とすることにより、連続印刷安定性がより向上する。
不飽和アミドを〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーとして用いることにより、インクの保存性及び目詰まり回復性を改良できる。
モノマー組成物B全体を100重量部とすると、不飽和アミドのモノマー組成物B中への添加量は0.05〜2重量部が好ましい。
不飽和アミドの添加量が、0.05重量部未満では、インク保存性や目詰まり回復性に対する効果が小さい場合があり、2重量部を超えると、インク粘度が増加する場合がある。
水不溶性ビニルポリマーAの合成
上記したモノマー組成物Aを、以下のような方法によって重合することにより、水不溶性ビニルポリマーAを合成することができる。
水不溶性ビニルポリマーAは、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、上記したモノマー組成物Aを重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法で用いる溶媒は、極性有機溶媒であることが好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。
極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1〜3の脂肪族アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中でも、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらと水との混合液が好ましい。
また、モノマー組成物Aの重合では、ラジカル重合開始剤を用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスブチレート、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;t−ブチルペルオキシオクトエート、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物、などが使用できる。
モノマー組成物A1モルあたりにおける重合開始剤の添加量は、0.001〜5モルが好ましく、0.01〜2モルがより好ましい。
また、モノマー組成物Aの重合において、前記ラジカル重合開始剤の他に、重合連鎖移動剤を添加してもよい。
重合連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド等のチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン等の炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、タービノーレン、α−テルピネン、Y−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー、9,10−ジヒドロアントラセン、1,4−ジヒドロナフタレン、インデン、1,4−シクロヘキサジエン等の不飽和環状炭化水素化合物;2,5−ジヒドロフラン等の不飽和ヘテロ環状化合物等が使用できる。これらの重合連鎖移動剤は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
モノマー組成物Aの重合条件は、使用するラジカル重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜100℃、より好ましくは50〜80℃であり、重合時間は好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
重合反応の終了後、反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成したビニルポリマーを単離する。また、得られたビニルポリマーは、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
イエロー顔料
上記したポリマー粒子Aは、イエロー顔料を含有する。イエロー顔料としては、C.I.ピグメント・イエロー13,74,83,109,110,128,151,155,180などが使用できる。
イエロー顔料の量は、印字濃度及びポリマー粒子中に含有させやすさの観点から、ポリマーの樹脂固形分100重量部に対して50〜1000重量部が好ましく、80〜800重量部がより好ましく、100〜600重量部が一層好ましい。
ポリマー粒子Aの調製
イエロー顔料を含有させたポリマー粒子Aは、例えば次の工程(1)〜(4)の手順で製造される。
(1)混合工程:イエロー顔料及びポリマー粒子Aを形成する水不溶性ビニルポリマーを、有機溶媒溶液、水、及び必要により使用される中和剤をアンカー翼やタービン翼等の通常の混合撹搾装置を用いて混合することにより原料混合物を得る。
その際、微粒子化を十分に行うためにニーダーを用いて混合物を混練することが好ましい。混練する際のニーダーとしては、回分式と連続式があり、前者としては双腕型ニーダー等、後者としてはセルフクリーニング型ニーダー等が挙げられる。これらの中では、品種切替、槽内洗浄等の点から前者の双腕型ニーダーが好ましい。
(2)分散化工程:次に、得られた原料混合物を希釈し所望の固形分濃度にして分散処理を施す。分散処理する際には、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、高速撹梓型分散機等を用いることができる。これらの中では、無機不純物の混入が少ない高圧ホモジナイザーが好ましい。高圧ホモジナイザーとしては、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するもの等が挙げられる。処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧ホモジナイザーとしては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製、商品名)、ナノマイザー(ナノマイザー社製、商品名)、アルティマイザー(スギノマシン社製、商品名)等が挙げられる。均質バルブを有する高圧ホモジナイザーとしては、高圧ホモジナイザー(ラニー社製、商品名)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業(株)製、商品名)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ社製、商品名)等が挙げられる。高圧ホモジナイザーで分散する際の圧力は、所望の粒子径を有するポリマー粒子を短時間で容易に得ることができることから、50MPa以上が好ましく、80MPa以上がより好ましい。
(3)溶媒除去工程:次いで、分散化処理が施された原料混合物から、有機溶媒及び所定量の水を除去することにより、所望の濃度を有する本発明の水性インクが得られる。有機溶媒除去工程と分散工程とは、どちらを先に行ってもよい。
有機溶媒の除去方法としては、減圧蒸留法、特に薄膜式減圧蒸留法が好ましい。なお、有機溶媒の除去量は、特に限定されないが、有機溶媒全量が除去されることが好ましい。
(4)粗大粒子除去工程:溶媒を除去した後、必要に応じて粗大粒子を除去しても良い。例えば、上述のようにして得られたインクをフィルターにより加圧濾過したり、或いは遠心分離器で処理して、好ましくは2μm以上、より好ましくは1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上の粒子を除去することにより、分散安定性の高いインクが得られる。
以下、混合工程について詳細に説明する。
混合工程に用いられる有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒が好ましく、親水性有機溶媒が更に好ましい。
アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、第3級ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。脂肪族炭化水素系溶媒としては、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒としては、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等が挙げられる。これらの中では、アセトン及びメチルエチルケトンが好ましい。
イエロー顔料の含有量は、印字濃度の観点から、ポリマーの樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは80〜800重量部、更に好ましくは100〜600重量部である。
有機溶媒の量は、イエロー顔料との親和性の観点から、ポリマーの樹脂固形分100重量部に対して、20重量部以上が好ましく、30重量部以上がより好ましく、50重量部以上が更に好ましい。また、有機溶媒の量は、混合物を混練する際に、有効な剪断力を得る観点から、ポリマーの樹脂固形分100重量部に対して、500重量部以下が好ましく、300重量部以下がより好ましく、200重量部以下が更に好ましい。以上から、有機溶媒の量は、ポリマーの樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは20〜500重量部、より好ましくは30〜300重量部、更に好ましくは50〜200重量部である。
水の量は、顔料とのなじみやすさの観点から、有機溶媒100重量部に対して、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。
混合物における固形分濃度は、混合物を混練する際に、有効な剪断力を得る観点から、好ましくは50重量%以上、より好ましくは65重量%であり、また得られる混練物の粘度が高くなりすぎて均一な混練を行うことができなくなるのを回避するとともに、混練物が崩壊して粒子状となることを回避する観点から、好ましくは80重量%以下、より好ましくは75重量%以下である。以上から、混合物における固形分濃度は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは50〜80重量%、更に好ましくは65〜80重量%、特に好ましくは65〜75重量%である。
なお、混合物における固形分とは、顔料、ポリマー及び中和剤の固形分の総量を意味する。
着色剤であるイエロー顔料を含有するポリマー粒子Aの平均粒子径は、着色剤を含有しないポリマー粒子Bより大きく、印刷物の光沢、ノズルの目詰まり防止及び分散安定性の観点から、好ましくは10〜500nm、より好ましくは20〜300nm、更に好ましくは50〜200nmとするのがよい。
ポリマー粒子Bの調整
本発明において使用されるポリマー粒子Bは、〔4〕スチレンモノマーと〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーとを用いて、公知の乳化重合法で直接調製するか、あるいは他の重合法で製造した共重合体を機械乳化法に基づき液媒体に微分散させることにより製造することができる。
乳化重合法を用いる方法としては、分散剤と重合開始剤の存在下で、各種モノマーを一括で仕込み重合する方法、あるいはモノマーを連続的に供給しながら重合する方法がある。その際の重合は通常30〜90℃の温度範囲で行われ、一般的にエマルションと呼ばれる実質的に共重合体粒子の水分散体、ポリマー粒子Bが得られる。
乳化重合法によって得られる共重合体粒子の水分散体は、少量の分散剤中において非常に安定で、且つ粒子径の非常に小さいものが容易に得られるという点で優れている。
乳化重合法において使用される分散剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性水溶性ポリマー、アニオン性水溶性ポリマーなどが挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルポコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン系水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール又はその誘導体;酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;ポリビニルピロリドン又は酢酸ビニルを共重合させたポリビニルピロリドン等のポリビニルピロリドン誘導体;その誘導体カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体;ポリアクリルアミド又はその誘導体;ポリメタクリルアミド又はその誘導体;ゼラチン、カゼイン等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
アニオン性水溶性ポリマーとしては、ポリアルギン酸及びその金属塩、カルボキシメチルセルロース及びその金属塩、ポリアクリル酸及びその金属塩、ポリアクリルアミドの部分加水分解物及びその金属塩、マレイン酸共重合物、リグニンスルホン酸及びその金属塩及びそれらの誘導体、オキシ有機酸及びその金属塩、アルキルアリルスルホン酸及びその金属塩、ポリオキシアルキルアリルエーテル、ポリオール複合体、高級多価アルコールスルホン酸及びその金属塩、ゼラチン・ニカワ等の水溶性蛋白質及びその金属塩及びそれらの誘導体等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
分散剤の使用量は特に制限されないが、通常、共重合させるモノマーの全重量を基準として0.02〜20重量%、より好ましくは0.02〜10重量%、最も好ましくは0.02〜5重量%である。
共重合に使用される開始剤としては、通常のラジカル開始剤が使用でき、例えば、過酸化水素;過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−フェニルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−クロロフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−〔N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ〕プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−〔2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、等のアゾ化合物;あるいはこれらと鉄イオン等の金属イオン及びナトリウムスルポキシレート、ホルムアルデヒド、ピロ亜硫酸ソーダ、亜硫酸水素ナトリウム、L−アスコルビン酸、ロンガリット等の還元剤との組み合わせによるレドックス開始剤等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
一般的な開始剤の使用量は、共重合させるモノマーの全重量を基準として0.01〜20重量%である。
また、必要に応じてt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、アリルスルフォン酸、メタアリルスルフォン酸及びこれ等のソーダ塩等のアリル化合物などを分子量調節剤として使用することも可能である。
さらに、必要に応じてpH調整剤として、硫酸、塩酸、硝酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸力リウム、アンモニア、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等を使用することも可能である。
本発明に使用するポリマー粒子Bを形成する水不溶性ビニルポリマーのガラス転移温度は20〜200℃が好ましい。ガラス転移温度は、モノマー組成物Bの各成分の配合量によって調整することができ、JIS K 7121に基づき、DSC曲線から求めることができる。
本発明に使用するポリマー粒子Bを形成する水不溶性ビニルポリマーの最低成膜温度(MFT)は、20℃以上であり、より好ましくは20〜200℃である。最低成膜温度が20℃未満であると、インクの保存安定性、目詰まり回復性、連続印刷安定性等のインクの信頼性が低下する。
なお、最低成膜温度は、ガラス転移温度と同様に、モノマー組成物Bの成分の配合量によって調整することができる。
最低成膜温度とはポリマー粒子が結合して成膜するのに最低必要な温度を意味する。この最低成膜温度は室井宗一著「高分子ラテックスの化学」(1997年)等に記載されているように温度勾配板法により測定することができる。
ポリマー粒子の最低成膜温度は、例えば以下のように測定する。第一に、PETフィルム上にポリマー粒子の水分散液を乾燥固形分で5g/mとなるように均一に塗布し、測定用試料とする。第二に、得られた測定用試料にシリコーン離型フィルムを介して市販のラミネータを異なる温度水準において18cm/分の速度で通過させ、連続被膜が形成し得る最低温度を最低成膜温度とする。
連続被膜形成の判断基準は、塗布層が透明化する、塗布層が平滑化する、鋭利な器物で表面を擦って得られる塗布層からの脱落物が非連続体ではなく連続被膜状である、の3項目とする。
本発明に使用するポリマー粒子Bの平均粒子径は30〜60nmであり、好ましくは35〜55nmである。ポリマー粒子Bの平均粒子径が30nm未満では、インク粘度が増加し、60nmを超えると本発明の水性インクを用いて印刷した場合に、印刷面の光沢が低下し、品質のよい印刷物を得ることができない。
ポリマー粒子Bの粒子径は、界面活性剤及び重合開始剤の使用量により制御される。界面活性剤の使用量を増加させれば粒子径は小さくなり、また、重合開始剤の使用量を減少させれば粒子径は小さくなる。
水性インクの調製
上記のようにして得られたイエロー顔料を含有するポリマー粒子Aと顔料を含有しないポリマー粒子Bとを混合有機溶剤中で十分に分散、混合することによって、本発明の水性インクを得ることができる。
本発明の水性インクにおける着色剤の含有量は、十分な印字濃度が得られるのであればよく、特に限定はされないが、十分な吐出性及び印字濃度を付与する観点から、1〜30重量%が好ましく、2〜10重量%がより好ましく、4〜8重量%が一層好ましい。
また、ポリマー粒子Aとポリマー粒子Bとの混合割合は、1:1〜15:1が好ましく、3:1〜10:1がより好ましい。
本発明による水性インクに含有される水は主溶媒であり、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いると、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にするため好ましい。
また、本発明による水性インクは水溶性有機化合物を含有することが好ましい。水溶性有機化合物としては、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等のアルカンジオール(多価アルコール類);ヴルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類;糖アルコール類;ピアルロン酸類;尿素類等のいわゆる固体湿潤剤;エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルポキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができ、これらの水溶性有機溶剤は、インク組成物の適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、インク組成物中に10〜50重量%含まれることが好ましい。
これら水溶性有機化合物の中でも、アルカンジオールを添加することにより、記録物の光沢性を向上させることができる。
アルカンジオールの具体例としては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、オクタンジオール等があり、それらのアルカンジオールの中でも1,2−アルカンジオールが好ましく、それらの中でも1,2−ペンタンジオール及び1,2−ヘキサンジオールが特に好ましい。
アルカンジオールの添加量は、インク組成物全量に対して、0.5〜5重量%が好ましい。
本発明による水性インクには、さらに必要に応じて、公知の各種添加剤、例えばpH調整剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防カビ剤等を添加することができる。
pH調整剤としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、アンモニア、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアミン類等を用いることができる。また、必要に応じて、コリジン、イミダゾール、燐酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ほう酸等をpH緩衝剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤およびノニオン性界面活性剤を含有することができる。発泡・起泡の少ないインク組成物を得るという観点からノニオン性界面活性剤が特に好ましい。ノニオン性界面活性剤の具体例としては、アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレンアルコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系、ジメチルポリシロキサン等のシリコン系界面活性剤、その他フッ素アルキルエステル、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界面活性剤等が挙げられる。前記ノニオン性界面活性剤の中でも特にアセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤が発泡も少なく、また優れた消泡性能を有する点で好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤およびアセチレンアルコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、エアープロダクツ社のサーフィノール104、82、465、485、TGや日信化学社製のオルフィンSTG、オルフィンE1010等が挙げられる。
また、酸化防止剤および紫外線吸収剤としては、アロハネート、メチルアロハネートなどのアロハネート類、ビウレット、ジメチルビウレット、テトラメチルビウレットなどのビウレット類など、L−アスコルビン酸およびその塩等、チバガイギー社製のTinuvin328、900、1130、384、292、123、144、622、770、292、Irgacor252、153、Irganox1010、1076、1035、MD1024など、あるいはランタニドの酸化物等が用いられる。
また、防腐剤および防かび剤としては、例えば安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン(Avecia社のプロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL−2、プロキセルTN)等が挙げられる。
本発明において、ポリマー粒子A及びポリマー粒子Bの粒子径は、電子顕微鏡による観察、コールターカウンターあるいは光散乱法により測定することができる。例えばコールターカウンターでは、コールターカウンターN4(コールター社製)、光散乱法では、レーザー粒子径解析システムLPA−3000/3100(大塚電子株式会社)、レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−2000A(島津製作所)等で測定することができる。
本発明の水性インクは、ペン等の筆記具類、スタンプ等に好適に使用することができるが、光沢紙上での定着性に優れ、プリンターヘッドの目詰まりを起こすことがないため、インクジェット記録方法等による印刷のためのプリンター用インク、特にインクジェット方式のプリンター用水性インクとして好適に用いられる。
以下、本発明による水性インクを、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明がこれら実施例により限定されるものではない。
水不溶性ビニルポリマーAの合成
反応容器内に、メチルエチルケトン20重量部、下記表1に示す各モノマーの量(重量部)のうちのそれぞれ10重量%ずつと、下記表1に示す重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)の量を入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。
一方、滴下ロート中に、下記表1に示す各モノマーの量(重量部)のうちの残りの90重量%ずつを仕込み、次いで、表1に示す重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)の量、メチルエチルケトン60重量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2重量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を撹絆しながら65℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、その混合溶液の液温を65℃で2時間維持した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を該混合溶液に加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させ、ポリマー溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下で105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離し、標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/lのリン酸及び50mmol/lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 2007077383
なお、表1に示す各化合物の詳細は、以下のとおりである。
・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(n=9):日本油脂(株)製、商品名ブレンマーPP−500、上記式(II)において、Rがメチル基、Rが水素原子のモノマーである。
・スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AS−6S(スチレンマクロマー)、数平均分子量:6000、重合性官能基:メタクリロイル基。
・ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノメタクリレート:日本油脂(株)製、商品名:ブレンマー50PEP−300、上記式(III)において、mが3.5、nが2.5、Rがメチル基、Rが水素原子であり、オキシプロピレン基とオキシエチレン基とがランダム付加したモノマーである。
水不溶性ビニルポリマーBの合成
ポリマー粒子Bの製造例(製造例番号1〜7、9〜12)
温度計、撹搾機、窒素導入管、冷却管、2本の滴下漏斗を備えたフラスコを用いて合成を行った。2本の滴下漏斗のうち1本に、下記表2に示す製造例番号1〜7、9〜12の混合液をホモミキサーにて乳化した乳化液を入れ、もう一方の滴下漏斗には、触媒としての過硫酸カリウム0.3部を水5部に溶解した溶液を入れた。フラスコ中にはラウリル硫酸ナトリウム0.2部を水190部に溶解し、フラスコ中を窒素雰囲気にし、フラスコを湯浴により70℃に加温し、250rpmで撹拝しながら、2本の滴下漏斗中の溶液を4時間かけてフラスコ内に滴下して反応を行った。滴下終了後、更に4時間撹絆を行い、冷却後水酸化ナトリウム水溶液で中和し、不揮発分30%のポリマー粒子Bを得た。
ポリマー粒子の平均粒子径は、コールターカウンターN4(コ」ルター社製、商品名)を用いて測定した。また、最低成膜温度を上記の明細書中に記載した方法によって測定した。得られた結果は下記表2に示される通りであった。
ポリマー粒子Bの製造例(製造例番号8)
温度計、撹拝機、窒素導入管、冷却管、2本の滴下漏斗を備えたフラスコを用いて合成を行った。2本の滴下漏斗のうち1本に、表2に示す製造例番号8の混合液をホモミキサーにて乳化した乳化液を入れ、もう一方の滴下漏斗には、触媒としての過硫酸カリウム0.6部を水5部に溶解した溶液を入れた。フラスコ中にはラウリル硫酸ナトリウム0.1部を水190部に溶解し、フラスコ中を窒素雰囲気にし、フラスコを湯浴により70℃に加温し、250rpmで撹梓しながら、2本の滴下漏斗中の溶液を4時間かけてフラスコ内に滴下して反応を行った。滴下終了後、更に4時間撹搾を行い、冷却後水酸化ナトリウム水溶液で中和し、不揮発分30%のポリマー粒子Bを得た。
ポリマー粒子の平均粒子径は、コールターカウンターN4(コ」ルター社製、商品名)を用いて測定した。また、最低成膜温度を上記の明細書中に記載した方法によって測定した。得られた結果は下記表2に示される通りであった。
Figure 2007077383
水性インクの調製
製造例番号1〜3のポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたポリマー10.0重量部をメチルエチルケトン55.0重量部に溶かし、その中に中和剤(20%水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えて塩生成基を100%中和し、更にイエロー顔料〔C.I.ピグメント・イエロー74、大日精化工業(株)製、製品名:Fast Yellow 031〕23.3重量部を加え、ビーズミルで2時間混練した。
得られた混練物に、イオン交換水120重量部を加え、撹拝した後、減圧下で60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去することにより、固形分濃度が20重量%の顔料含有ビニルポリマー粒子の水分散体(ポリマー粒子A)を得た。ポリマー粒子の平均粒子径は、コールターカウンターN4(コールター社製、商品名)を用いて測定した結果、100nmであった。
得られた顔料含有ビニルポリマー粒子を用いて、下記表3に示す組成で混合し、得られた混合液を0.5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フィルム(株)製〕を取り付けた容量25mlの針なしシリンジ〔テルモ(株)製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、水性インクを得た。
実施例2〜12、比較例1〜7についても、下記表3及び下記表4に示す組成に変更した以外は、実施例1と同様に行った。
Figure 2007077383
Figure 2007077383
評価項目及び評価方法
光沢
インクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン(株)製)を用いて印刷を行った。このプリンタ用のイエローインク専用カートリッジ(型番ICY31、セイコーエプソン(株)製)に実施例及び比較例のインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)に対して1440dpiの解像度で階調のあるベタ画像の印刷を行い、記録物を得た。得られた記録物を室温下で1日静置した後、光沢計GM−268(コニカミノルタ社製)を用いて最高濃度の部分の20°光沢を測定した。得られた結果を以下の基準により評価した。
A:20°光沢が50以上である場合
B:20°光沢が40以上50未満である場合
C:20°光沢が40未満である場合
結果は下記の表5に示される通りであった。
定着性
上記で得られた記録物に同じ紙の裏面を重ね、200g/A4の重りをのせ20回印刷面を擦った。得られた記録物を以下の基準に基づき評価を行った。
A:擦れた痕跡が全く無い
B:擦れた痕跡が若干あるがほとんど気にならない
C:擦れた痕跡が目立つ
結果は下記の表5に示される通りであった。
インク保存性
アルミパックにインク組成物50gを入れた状態で70℃の環境下に1週間放置した。放置後、異物(沈降物)の発生の有無を確認した。また、異物の発生がないものについては、更に物性(粘度、表面張力、pH、樹脂粒子の粒子径)の変化を確認した。以下の基準に基づき評価を行った。
A:異物の発生がなく、物性の変化もない。
B:異物の発生はないが、物性が若干変化する。
C:異物が発生するか、物性が著しく変化する。
結果は下記の表5に示される通りであった。
目詰り回復性
上記のインクジェットプリンタ及びカートリッジを用い、10分間連続して印刷し、全てのノズルが正常に吐出していることを確認後、ノズルでの乾燥状態を加速するために、インクカートリッジを外し、記録ヘッドをヘッドキャップから外した状態で、40℃、20%RHの環境に1週間放置した。放置後、全ノズルが初期と同等に吐出するまでクリーニング動作を繰り返し、以下の判断基準により、回復しやすさを評価した。
A:1又は2回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
B:3又は4回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
C:4又は5回のクリーニング操作で初期と同等に回復。
D:現実的な回数のクリーニング操作では回復せず。
結果は下記の表5に示される通りであった。
連続印刷安定性(1)
上記のカートリッジ及びインクジェットプリンタを用い、常温にてベタ及び線のパターンを連続印字した。印刷100ページ内でのインクのドット抜けや飛行曲がりの際に正常印刷への復帰動作として行うプリンターノズルのクリーニングの回数を測定し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:クリーニング0回
B:クリーニング1又は2回
C:クリーニング3又は4回
D:クリーニング5回以上
結果は下記の表5に示される通りであった。
連続印刷安定性(2)
上記のカートリッジ及びインクジェットプリンタを用い、40℃、20%RHの環境下にて、ベタ及び線のパターンを連続印刷した。印刷100ページ内でのインクのドット抜けや飛行曲がりの際に正常印刷への復帰動作として行うプリンターノズルのクリーニングの回数を測定し、以下の基準に基づき評価を行った。
A:クリーニング0回
B:クリーニング1又は2回
C:クリーニング3又は4回
D:クリーニング5回以上
結果は下記の表5に示される通りであった。
Figure 2007077383
表5の結果からも明らかなように、水不溶性ビニルポリマーBを構成するモノマー組成物Bを含有する水性インクにおいて、〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマー(不飽和カルボン酸)を3〜8重量部含有する水性インク(実施例6)は、実施例1、実施例2及び実施例5と比較して、より目詰まり回復性に優れる。
また、水不溶性ビニルポリマーBを構成するモノマー組成物Bにおいて、〔5〕1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーを含有する水性インク(実施例7、8及び9)は、実施例6の水性インクと比較して、より連続印刷安定性に優れる。
さらに、実施例9の水性インクは、水不溶性ビニルポリマーBを構成するモノマー組成物Bにおいて、〔5〕不飽和アミド化合物を含有するため、実施例8の水性インクと比較して、よりインク保存性及び連続印刷安定性に優れる。
また、〔5〕1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーを、モノマー組成物Bに対して5〜10重量部含有する水性インク(実施例10)は、5重量部未満の水性インク(実施例7)に比較して、高温低湿度下においても優れた連続印刷安定性を実現できる。
比較例1及び比較例2の水性インクは、ポリマー粒子Bを含有しないため、定着性に劣る。
また、比較例3の水性インクは、水不溶性ビニルポリマーAを構成するモノマー組成物Aにおいて、〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマーを含有しないため、インク保存性、目詰まり回復性、連続印刷安定性に劣る。
さらに、比較例4の水性インクは、水不溶性ビニルポリマーBを構成するモノマー組成物Bにおいて、〔4〕スチレンモノマーを含有しないため、インク保存性、目詰まり回復性、連続印刷安定性に劣る。
また、比較例5の水性インクは、ポリマー粒子Bの平均粒子径が60nmを超えるため、印刷物の光沢に劣っている。
比較例6の水性インクは、モノマー組成物Bを重合させたポリマーの最低成膜温度が20℃未満であるため、インク保存性、目詰まり回復性に劣る。
また、比較例7の水性インクは、水不溶性ビニルポリマーBを構成するモノマー組成物Bにおいて、〔5〕1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーを含有するものの、水不溶性ビニルポリマーAを構成するモノマー組成物Aにおいて、〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマーを含有しないため、インク保存性、目詰まり回復性、連続印刷安定性に劣る。

Claims (6)

  1. イエロー顔料を含有させた水不溶性ビニルポリマーAからなるポリマー粒子Aと、顔料を含有しない水不溶性ビニルポリマーBからなるポリマー粒子Bと、を少なくとも含んでなる、ポリマー粒子の水分散体からなる水性インクであって、
    前記水不溶性ビニルポリマーAが、
    〔1〕ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、
    〔2〕塩生成基含有モノマーと、
    〔3〕前記ポリオキシアルキレン基含有モノマー及び前記塩生成基含有モノマーと共重合可能なモノマーと、
    を含有するモノマー組成物Aを重合させてなるポリマーであり、
    前記水不溶性ビニルポリマーBが、
    〔4〕スチレンモノマーと、
    〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーと、
    を含有するモノマー組成物Bを重合させてなるポリマーであって、最低成膜温度が20℃以上であり、
    前記ポリマー粒子Bの平均粒子径が30〜60nmである、水性インク。
  2. 前記〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーが、少なくとも不飽和カルボン酸を含んでなる、請求項1に記載の水性インク。
  3. 前記不飽和カルボン酸の含有量が、モノマー組成物B100重量部に対して、3〜8重量部である、請求項2に記載の水性インク。
  4. 前記〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーが、1分子内に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーを含んでなる、請求項1から3のいずれか一項に記載の水性インク。
  5. 前記〔5〕スチレンモノマーと共重合可能なモノマーが、不飽和アミド化合物を含んでなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の水性インク。
  6. 前記1分子中に重合可能な二重結合を二つ以上有するモノマーの含有量が、モノマー組成物B100重量部に対して、5〜10重量部である、請求項4に記載の水性インク。
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